説明

電子機器、計時方法、及び計時プログラム

【課題】操作が容易な電子機器、計時方法、及び計時プログラムを提供する。
【解決手段】時間計測部は、ある時点からの経過時間を計測し、経過時間記憶部は、計測対象の順位と前記時間計測部が計測した経過時間を対応付けて記憶し、交換部は、前記順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、前記順位と経過時間との対応を交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、計時方法、及び計時プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運動競技等では、ストップウォッチを用いて競技開始からの経過時間を計測することがある。ストップウォッチには、複数の計測対象者(例えば、競技者)についての経過時間を測定するものがある。
例えば、特許文献1に記載のストップウォッチ装置は、あらかじめ複数の数字キーをそれぞれの計測対象者に対応するように割り振り登録しておく。そして、計測開始後、計測点を通過する前に、計測点を通過しそうな計測対象者を数字キーから入力する。そして、計測点を通過するときに計測スイッチを操作して時間計測を行うと、計測タイムは直前に入力された計測対象者のメモリ領域に格納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−082684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のストップウォッチ装置では、利用者が計測対象者のキーへの割り振りを記憶しておかなければならない。そして、計測対象者が計測点を通過したとき、利用者は計測対象者毎のキーへの割り振りを思い出し、そのキーを押下する。そのため、例えば、記憶違いにより計測誤りが生じることがある。また、利用者は、計測対象者が計測点を通過したことを認識し、計測対象者毎のキーへの割り振りを思い出し、そしてキーを操作するという、複数の作業をほぼ同時に行うために計測誤差が生じることがある。また、小型化されたストップウォッチ装置に多数のキーを設けると、利用者がキーを容易に操作できないことがある。このように特許文献1に記載のストップウォッチ装置では、操作が困難な場合がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、操作が容易な電子機器、計時方法、及び計時プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、ある時点からの経過時間を計測する時間計測部と、計測対象の順位と前記時間計測部が計測した経過時間を対応付けて記憶する経過時間記憶部と、前記順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、前記計測対象の順位と経過時間との対応を交換する交換部と、を備える電子機器である。
【0007】
(2)本発明のその他の態様は、前記交換部は、前記入力順位に対応する経過時間と、前記入力順位の直後の順位に対応する経過時間を交換することを特徴とする(1)の電子機器である。
【0008】
(3)本発明のその他の態様は、前記交換部は、前記入力順位に対応する経過時間と、前記入力順位の直前の順位に対応する経過時間を交換することを特徴とする(1)の電子機器である。
【0009】
(4)本発明のその他の態様は、前記交換部は、前記入力順位に後続する順位の経過時間を、それぞれその直前の順位に対応付けるように交換することを特徴とする(1)の電子機器である。
【0010】
(5)本発明のその他の態様は、電子機器における計時方法において、前記電子機器が、ある時点からの経過時間を計測する過程と、前記電子機器が、計測対象の順位と前記計測した経過時間を対応付けて記憶する過程と、前記電子機器が、前記順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、前記計測対象の順位と経過時間との対応を交換する過程とを有することを特徴とする計時方法である。
【0011】
(6)本発明のその他の態様は、電子機器のコンピュータに、ある時点からの経過時間を計測する手順、計測対象の順位と前記計測した経過時間を対応付けて記憶する手順、前記順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、前記計測対象の順位と経過時間との対応を交換する手順を実行させるための計時プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る計時装置の外観の一例を示す表面図である。
【図2】本実施形態に係る計時装置の構成を示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る計時装置の主要部における構成を示す概略図である。
【図4】本実施形態に係る経過時間情報の一例を示す表である。
【図5】本実施形態に係るリタイヤ情報の一例を示す表である。
【図6】本実施形態に係る計時処理を表すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係るモード入力処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係るモードリスト情報の一例を示す表である。
【図9】本実施形態に係る選択入力処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る人数リスト情報の一例を示す表である。
【図11】本実施形態に係る順位リスト情報の一例を示す表である。
【図12】本実施形態に係る決定入力処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係るスタート/ラップ処理を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るストップ/リセット処理を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態に係る表示部が表示する情報の一例を示す概念図である。
【図16】本実施形態に係る表示部が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
【図17】本実施形態に係る表示部が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
【図18】本実施形態に係る表示部が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
【図19】本実施形態に係る表示部が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
【図20】本実施形態に係る表示部が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る決定入力処理を示すフローチャートである。
【図22】本実施形態に係るスタート/ラップ処理を示すフローチャートである。
【図23】本実施形態に係るストップ/リセット処理を示すフローチャートである。
【図24】本実施形態に係る経過時間情報の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態に係る電子機器は、利用者の操作により指示された計測開始時からの経過時間を測定する機能を有する計時装置(ストップウォッチ;stop watch、クロノグラフ[chronograph]ともいう。)である。なお、計時装置は、例えば計時機能を有する携帯通信端末等の装置に備えられるものであってもよい。
【0015】
まず、計時装置1の外観について説明する。
図1は、本実施形態に係る計時装置1の外観の一例を示す表面図である。
計時装置1は、表面中央部に表示部107を備える。図1において、計時装置1は、左上端にモード入力部108、上端中央にストップ/リセット入力部112、右上端にスタート/ラップ入力部111、表面左下部に決定入力部110、表面右下部に選択入力部109を備える。各入力部はボタンであり、各ボタンは、利用者の操作によって押下される。計時装置1は、各ボタンが押下されたことを検知して、後述するモード入力処理、選択入力処理、決定入力処理、スタート/ラップ処理又はストップ/リセット処理を行う。
計時装置1の寸法は、人間が片手で上述のボタンを容易に操作できる大きさである。例えば、縦50mm、横50mm、高さ12mmである。
【0016】
本実施形態では、計時装置1は、ある時点からの経過時間を計測し、計測対象の順位と計測した経過時間を対応付けて記憶する。計時装置1は、計測対象の順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、計測対象の順位と経過時間との対応を交換する。
これにより、計測対象の順位毎の経過時間の計測に係る操作が容易になる。
【0017】
次に、計時装置1の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る計時装置1の構成を示す概略図である。
計時装置1は、電源部101、ROM(Read Only Memory;読み出し専用記憶媒体)102、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)103、発振部104、分周部105、時間計測部106、表示部107、モード入力部108、選択入力部109、決定入力部110、スタート/ラップ入力部111、ストップ/リセット入力部112及びRAM(Random Access Memory;ランダムアクセスメモリ)113を含んで構成される。
【0018】
電源部101は、計時装置1が備える他の構成部に、動作するための電源を供給する。電源部101は、例えば、リチウムイオン電池、酸化銀電池等の乾電池である。
ROM102は、CPU103を動作させるためのプログラムや、表示部107に表示する画像情報(例えば、後述するモードリスト情報、人数リスト情報)が予め記憶されている不揮発性メモリである。
CPU103は、電源部101からの電源の供給が開始されると、ROM102からプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行して後述する処理を行う。
【0019】
発振部104は、計時装置1を動作させるためのクロック信号を生成し、生成したクロック信号を分周部105に出力する。クロック信号とは、電圧が高い状態と電圧が低い状態が周期的に繰り返される信号である。クロック信号のクロック周波数は、例えば32,768Hzである。
分周部105は、発振部104から入力されたクロック信号を分周して、より低い周波数をもつ計時基準信号を生成する。計時基準信号の周波数は、測定対象である経過時間の精度(例えば、0.01秒)に応じた周波数(例えば、100Hz)である。
時間計測部106は、分周部105から入力された計時基準信号及びCPU103からの入力信号に基づいて、ある時点からの経過時間を計測し、計測した経過時間を表す経過時間信号を生成する。時間計測部106は、例えば、入力された計時基準信号の電圧のピークの数を計数することで、経過時間を表す経過時間情報を生成する。
時間計測部106は、生成した経過時間情報をCPU103に出力する。
【0020】
表示部107は、CPU103から入力された情報を利用者が視認できるように、例えば、液晶パネルを備えて表示する。表示部107が表示する情報については、後述する。
モード入力部108、選択入力部109、決定入力部110、スタート/ラップ入力部111及びストップ/リセット入力部112は、各々押下された場合に信号をCPU103へ出力する。
RAM113は、CPU103が生成した情報を一時的に記憶する。RAM113が記憶する情報については、後述する。
【0021】
次に、計時装置1の主要部における構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る計時装置1の主要部における構成を示す概略図である。
図3において、CPU103は、人数設定部1031、計測指示部1032及び順位交換部1033を含んで構成される。
人数設定部1031は、ROM102から人数リスト情報を読み出し、読み出した人数リスト情報を表示部107に出力する。人数リストとは、計測対象者の人数(個数)情報を複数個含む情報である。人数リストに含まれる人数情報のうち1つが候補情報である。人数設定部1031は、選択入力部109から信号が入力された場合、候補情報を他の人数情報のいずれか1つに変更する。これにより、利用者が人数情報を選択できる。人数設定部1031は、決定入力部110から信号が入力された場合、候補情報が表す人数情報をRAM113に記憶させる。これにより、人数情報が決定される。
人数設定部1031は、RAM113に記憶させた人数情報(N人)に基づいて順位の候補として1人からN人まで含む順位リスト情報を生成し、生成した順位リスト情報をRAM113に記憶させる。
【0022】
計測指示部1032は、時間計測部106に対して経過時間の計測を指示し、計測された経過時間情報を経過時間記憶部1131(後述)に記憶させる(スタート/ラップ処理)。ここで、計測指示部1032は、順位情報と対応付けて経過時間情報を経過時間記憶部1131に記憶させる。
計測指示部1032は、リタイヤ情報記憶部1132(後述)に記憶され、ある順位情報nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示すと判断された場合、計測指示部1032は、順位情報nを他の順位情報に変更する。これにより、計測指示部1032は、リタイヤした順位について処理をスキップする。なお、リタイヤとは、本実施形態では経過時間の計測又は記録を停止することを指す。
【0023】
本実施形態では、計測指示部1032は、経過時間情報の一例としてラップタイム(lap time、lapse time又はelapsed time)を記録する。ラップタイムとは、計測区間毎の経過時間であり、例えば、計測対象者毎にスタート/ラップ入力部111から信号が入力されてから、次に信号が入力されるまでの経過時間を指す。その場合、計測指示部1032は、時間計測部106から入力された経過時間情報が示す経過時間から、順位情報nについて前回入力された経過時間情報が示す経過時間を差し引いて第k回ラップタイムk−LAPを算出する。計測指示部1032は、算出した第k回ラップタイムk−LAPを経過時間情報として順位情報nと対応付けて経過時間記憶部1131に記憶させる。
【0024】
計測指示部1032は、時間計測部106に対して経過時間の計測停止(ストップ)を指示し、次回の経過時間の計測のために再設定(リセット)する(ストップ/リセット処理)。
ここで、計測指示部1032は、時間計測部106から入力された経過時間情報を計測停止時の経過時間情報STOPとして順位情報nと対応付けて経過時間記憶部1131に記憶させる。但し、リタイヤ情報記憶部1132を参照し、記憶されている順位情報nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示す場合、当該順位情報nについて処理を省略(スキップ)する。
計測指示部1032は、リタイヤしていない順位を除く全ての順位情報nに対応する経過時間情報STOPを経過時間記憶部1131に記憶させたとき、経過時間の計測を停止することを指示する計時停止信号を生成する。計測指示部1032は、生成した計時停止信号を時間計測部106に出力する。これにより、時間計測部106は、経過時間の計測を停止する。また、計測指示部1032は、経過時間の計測に用いる変数を再設定する。
【0025】
順位交換部1033は、追抜処理部1034及びリタイヤ処理部1035を含んで構成される。
追抜処理部1034は、RAM113から順位リスト情報を読み出し、読み出した順位リスト情報を表示部107に出力する。順位リスト情報とは、計測対象者の順位情報を計測対象者の人数分(N個)含む情報である。順位リスト情報に含まれる順位情報の1つが候補情報であり、その初期値は、例えば1位である。
追抜処理部1034は、選択入力部109から信号が入力された場合、候補情報を他の順位情報のうちの何れか1つに変更する。
【0026】
追抜処理部1034は、決定入力部110から信号が入力された場合、選択された順位情報(例えば、3位)に対応する経過時間情報と、その直後の順位を示す順位情報(例えば、4位)に対応する経過時間情報を経過時間記憶部1131から読み出す。追抜処理部1034は、直後の順位を示す順位情報(例えば、4位)に対応する経過時間情報を、選択された順位情報(例えば、3位)に対応付けて経過時間記憶部1131に記憶させ、選択された順位情報(例えば、3位)に対応する経過時間情報を、直後の順位を示す順位情報(例えば、4位)に対応付けて経過時間記憶部1131に記憶させる。
これにより、利用者が選択した追い抜かれる計測対象者の順位に対応する経過時間情報と追い抜く計測対象者の順位(直後の順位)に対応する経過時間情報が交換される。
【0027】
リタイヤ処理部1035は、追抜処理部1034と同様に順位情報を選択する。
リタイヤ処理部1035は、RAM113に記憶された計測状態情報が経過時間の計測を行っていることを示すか否か判断する。計測状態情報が計測状態であると判断された場合
リタイヤ処理部1035は、選択された順位情報と対応付けてリタイヤしたことを示すリタイヤ情報をリタイヤ情報記憶部1132に記憶させる。
【0028】
図3において、RAM113は、経過時間記憶部1131及びリタイヤ情報記憶部1132を含んで構成される。
経過時間記憶部1131は、順位情報に対応付けて経過時間情報を記憶する。
リタイヤ情報記憶部1132は、順位情報に対応付けてリタイヤ情報を記憶する。
【0029】
次に、経過時間情報とリタイヤ情報の一例について説明する。
図4は、本実施形態に係る経過時間情報の一例を示す表である。
図4の中段の表において、各行は順位情報を示し、各列は経過時間情報を示す。同表において、最左列は、順位がそれぞれ1位、2位、3位、…、10位であることを示す。同表において、最上行は、経過時間情報の内訳として、それぞれ1−LAP、2−LAP、3−LAP、…9−LAP、STOPであることを示す。1−LAP等とは、1回
目に記憶されたラップタイム(経過時間)等を示す。STOPとは、最後に記憶された(最終回)経過時間を示す。
【0030】
同表において、1位について、1回目、2回目、3回目、…9回目の経過時間及び最後に記憶された経過時間は、それぞれ5.24、5.32、5.28、…、5.74、53.65秒である。2位について、1回目、2回目、3回目、…9回目の経過時間及び最後に記憶された経過時間は、それぞれ5.26、5.33、5.43、…、5.63、54.53秒である。3位について、1回目、2回目、3回目の経過時間は、それぞれ5.32、5.38、5.41秒である。10位について、1回目、2回目、3回目の経過時間は、それぞれ5.61、5.76、5.51秒である。
【0031】
図5は、本実施形態に係るリタイヤ情報の一例を示す表である。
図5において、各行は順位毎のリタイヤ情報を示す。同表において、リタイヤ情報の値が0とは、その順位についてリタイヤしていないことを示す。同表において、リタイヤ情報の値が1とは、その順位についてリタイヤしたことを示す。従って、同表は、1位及び2位についてリタイヤしていないことを示し、3位及び10位についてリタイヤしたことを示す。
【0032】
次に、計時装置1が行う計時処理(メイン処理)について説明する。
図6は、本実施形態に係る計時処理を表すフローチャートである。
(ステップS101)CPU103は、電源部101から供給される電源が正常(例えば、電圧値が予め設定された電圧1.2−1.5Vの範囲内)であるか否か判断する。
電源部101から供給される電源が正常であると判断された場合(ステップS101 Y)、ステップS102に進む。電源部101から供給される電源が異常であると判断された場合(ステップS101 N)、処理を終了する。
【0033】
(ステップS102)CPU103は、モード入力部108から信号が入力されたか否か判断する。モード入力部108から入力があったと判断された場合(ステップS102 Y)、ステップS104に進む。モード入力部108から入力がないと判断された場合(ステップS102 N)、ステップS103に進む。
(ステップS103)CPU103は、後述するモード入力処理を行う。その後、ステップS101に進む。
【0034】
(ステップS104)CPU103は、選択入力部109から信号が入力されたか否か判断する。選択入力部109から入力があったと判断された場合(ステップS104 Y)、ステップS106に進む。選択入力部109から入力がないと判断された場合(ステップS104 N)、ステップS105に進む。
(ステップS105)CPU103は、後述する選択入力処理を行う。その後、ステップS101に進む。
【0035】
(ステップS106)CPU103は、決定入力部110から信号が入力されたか否か判断する。決定入力部110から入力があったと判断された場合(ステップS106 Y)、ステップS108に進む。決定入力部110から入力がないと判断された場合(ステップS106 N)、ステップS107に進む。
(ステップS107)CPU103は、後述する決定入力処理を行う。その後、ステップS101に進む。
【0036】
(ステップS108)CPU103は、スタート/ラップ入力部111から信号の入力があったか否か判断する。スタート/ラップ入力部111から入力があったと判断された場合(ステップS108 Y)、ステップS110に進む。スタート/ラップ入力部111から入力がないと判断された場合(ステップS108 N)、ステップS109に進む。
(ステップS109)CPU103は、後述するスタート/ラップ処理を行う。その後、ステップS101に進む。
【0037】
(ステップS110)CPU103は、ストップ/リセット入力部112から信号の入力があったか否か判断する。ストップ/リセット入力部112から入力があったと判断された場合(ステップS110 Y)、ステップS101に進む。ストップ/リセット入力部112から入力がないと判断された場合(ステップS110 N)、ステップS111に進む。
(ステップS111)CPU103は、後述するストップ/リセット処理を行う。その後、ステップS101に進む。
【0038】
次に、本実施形態に係るモード入力処理について説明する。
図7は、本実施形態に係るモード入力処理を示すフローチャートである。
(ステップS201)CPU103は、ROM102からモード情報を複数個含むモードリスト情報を読み出し、読み出したモードリスト情報を表示部107に出力する。
表示部107は、CPU103から入力されたモードリスト情報が表すモード情報を複数個表示する。表示部107は、モード情報のうちの何れか1つを候補モードとして、他のモード情報とは異なる形態で(例えば、色彩、等)表示する。その後、ステップS202に進む。
【0039】
(ステップS202)CPU103は、モード入力部108から信号が入力された場合、
候補モードを他のモード情報の何れか1つに変更する。その後、ステップS203に進む。
(ステップS203)CPU103は、決定入力部110から信号が入力された場合、候補モードを計時装置1が動作するモードとして決定する。即ち、CPU103は、候補モードを表すモード情報をRAM113に記憶させる。表示部107は、表示したモードリスト情報を消去する。その後、処理を終了する。
【0040】
次に、本実施形態に係るモードリスト情報の一例について説明する。
図8は、本実施形態に係るモードリスト情報の一例を示す表である。
図8は、モードリスト情報が表すモード情報として、最上行から順に計測モード、追い抜き入力モード、リタイヤ入力モード、人数入力モード、ラップ読出モードを表す。
図8に示す例では、計測モードが候補モードとして、他のモード情報とは異なる形態(背景が網掛け)で表示されている。
【0041】
計測モードとは、経過時間を計測するモードである。追い抜き入力モードとは、追い抜かれる計測対象が順位を入力されると、入力された順位に係る経過時間と直後の順位の経過時間情報を交換するモードである。リタイヤ入力モードとは、経過時間の計測を停止しようとする計測対象の順位が入力されると、入力された順位に係る経過時間の計測又は記録を停止するモードである。人数入力モードとは、計測対象者の数(例えば、競技者の人数)を入力及び設定するモードである。ラップ読出モードとは、選択された順位に係る経過時間を表示するモードである。
【0042】
次に、本実施形態に係る選択入力処理について説明する。
図9は、本実施形態に係る選択入力処理を示すフローチャートである。
(ステップS301)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報が人数入力モードを示すか否か判断する。モード情報が人数入力モードを示すと判断された場合(ステップS301 Y)、ステップS305に進む。モード情報が人数入力モードを示さないと判断した場合(ステップS301 N)、ステップS302に進む。
【0043】
(ステップS302)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報が追い抜き入力モードを示すか否か判断する。モード情報が追い抜き入力モードを示すと判断された場合(ステップS302 Y)、ステップS306に進む。モード情報が追い抜き入力モードを示さないと判断された場合(ステップS302 N)、ステップS303に進む。
【0044】
(ステップS303)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報がリタイヤ入力モードを示すか否か判断する。モード情報がリタイヤ入力モードを示すと判断された場合(ステップS303 Y)、ステップS306に進む。モード情報がリタイヤ入力モードを示さないと判断された場合(ステップS303 N)、ステップS304に進む。
【0045】
(ステップS304)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報がラップ読出モードを示すか否か判断する。モード情報がラップ読出モードを示すと判断された場合(ステップS304 Y)、ステップS306に進む。モード情報がラップ読み出しモードを示さないと判断された場合(ステップS304 N)、処理を終了する。
【0046】
(ステップS305)人数設定部1031は、人数情報を選択する。ここで、人数設定部1031は、ROM102から人数リスト情報を読み出し、読み出した人数リスト情報を表示部107に出力する。表示部107は、人数設定部1031から入力された人数リスト情報が表す人数リストを表示する。表示部107は、人数リスト情報に含まれる人数情報のうち1つの候補情報を、他の人数情報とは異なる形態で表示する。
人数設定部1031は、選択入力部109から信号が入力された場合、候補情報を他の人数情報の何れか1つに変更する。その後、処理を終了する。
【0047】
(ステップS306)計測指示部1032、追抜処理部1034又はリタイヤ処理部1035(以下、計測指示部1032等)は、順位情報を選択する。ここで、計測指示部1032等は、RAM113から順位リスト情報を読み出し、読み出した順位リスト情報を表示部107に出力する。表示部107は、順位リスト情報に含まれる順位情報のうち1つの候補情報を、他の順位情報とは異なる形態で表示する。
計測指示部1032等は、選択入力部109から信号が入力された場合、候補情報を他の順位情報の何れか1つに変更する。その後、処理を終了する。
【0048】
次に、本実施形態に係る人数リスト情報の一例について説明する。
図10は、本実施形態に係る人数リスト情報の一例を示す表である。
図10は、人数リスト情報が表す人数情報として、最上行から順に1人、2人、3人、…12人を表す。図10に示す例では、2人が候補情報として、他の人数情報とは異なる形態(背景が網掛け)で表示されている。
【0049】
次に、本実施形態に係る順位リスト情報の一例について説明する。
図11は、本実施形態に係る順位リスト情報の一例を示す表である。
図11は、順位リスト情報が表す順位情報として、最上行から順に1位、2位、3位、…12位を表す。図11に示す例では、3位が候補情報として、他の順位情報とは異なる形態(背景が網掛け)で表示されている。
【0050】
次に、本実施形態に係る決定入力処理について説明する。
図12は、本実施形態に係る決定入力処理を示すフローチャートである。
(ステップS401)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報が人数入力モードを示すか否か判断する。モード情報が人数入力モードを示すと判断された場合(ステップS401 Y)、ステップS405に進む。モード情報が人数入力モードを示さないと判断された場合(ステップS401 N)、ステップS402に進む。
【0051】
(ステップS402)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報が追い抜き入力モードを示すか否か判断する。モード情報が追い抜き入力モードを示すと判断された場合(ステップS402 Y)、ステップS406に進む。モード情報が追い抜き入力モードを示さないと判断された場合(ステップS402 N)、ステップS403に進む。
【0052】
(ステップS403)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報がリタイヤ入力モードを示すか否か判断する。モード情報がリタイヤ入力モードを示すと判断された場合(ステップS403 Y)、ステップS407に進む。モード情報がリタイヤ入力モードを示さないと判断した場合(ステップS403 N)、ステップS404に進む。
【0053】
(ステップS404)CPU103は、RAM113に記憶されているモード信号がラップ読出モードを示すか否か判断する。モード情報がラップ読出モードを示すと判断された場合(ステップS404 Y)、ステップS411に進む。モード情報がラップ読出モードを示さないと判断した場合(ステップS404 N)、処理を終了する。
【0054】
(ステップS405)人数設定部1031は、選択された人数情報(N人)を決定する。即ち、人数設定部1031は、前述の人数情報をRAM113に記憶させる。表示部107は表示している人数リスト情報を消去する。人数設定部1031は、決定した人数情報に基づいて1人からN人までの順位を表す順位情報を含む順位リスト情報を生成し、生成した順位リスト情報をRAM113に記憶させる。その後、処理を終了する。
【0055】
(ステップS406)追抜処理部1034は、選択された順位情報に対応する経過時間情報と、その直後の順位を表す順位情報に対応する経過時間情報を経過時間記憶部1131から読み出す。追抜処理部1034は、直後の順位を表す順位情報に対応する経過時間情報を、選択された順位情報に対応付けて経過時間記憶部1131に記憶させ、選択された順位情報に対応する経過時間情報を、直後の順位を表す順位情報に対応付けて経過時間記憶部1131に記憶させる。その後、処理を終了する。
【0056】
(ステップS407)CPU103は、計時装置1が計測状態であるか否か判断する。計時装置1が計測状態であると判断された場合(ステップS407 Y)、ステップS408に進む。計時装置1が計測状態ではないと判断された場合(ステップS407 N)、処理を終了する。
【0057】
(ステップS408)リタイヤ処理部1035は、選択された順位情報に対応付けてリタイヤしたことを示すリタイヤ情報をリタイヤ情報記憶部1132に記憶させる。その後、ステップS409に進む。
(ステップS409)計測指示部1032は、全計測対象者について、リタイヤ情報記憶部1132に記憶したリタイヤ情報がリタイヤしたことを示すか否か判断する。全計測対象者についてリタイヤ情報がリタイヤしたことを示すと判断された場合(ステップS409 Y)、ステップS410に進む。全計測対象者についてリタイヤ情報がリタイヤしたことを示さないと判断された場合(ステップS409 N)、処理を終了する。
【0058】
(ステップS410)計測指示部1032は、経過時間の計測を停止することを示す計時停止信号を生成し、生成した計時停止信号を時間計測部106に出力する。計測指示部1032は、経過時間の計測を行っていないことを示す計測状態情報をRAM113に記憶させる。その後、処理を終了する。
【0059】
(ステップS411)CPU103は、選択された順位情報に対応する経過時間情報を経過時間記憶部1131から読み出し、読み出した経過時間情報を表示部107に出力する。表示部107は、CPU103から入力された経過時間情報を表示する。その後、処理を終了する。
【0060】
次に、本実施形態に係るスタート/ラップ処理について説明する。
図13は、本実施形態に係るスタート/ラップ処理を示すフローチャートである。
(ステップS501)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報が計測モードを示すか否か判断する。モード情報が計測モードを示すと判断された場合(ステップS501 Y)、ステップS502に進む。モード情報が計測モードを示さないと判断された場合(ステップS501 N)、処理を終了する。
【0061】
(ステップS502)計測指示部1032は、RAM113に記憶されている計測状態情報がリセット状態を示すか否かを判断する。リセット状態とは、経過時間を計測するための変数が再設定(リセット)された状態である。計測状態信号がリセット状態を示すと判断された場合(ステップS502 Y)、ステップS503に進む。計測状態信号がリセット状態を示さないと判断された場合(ステップS502 N)、ステップS504に進む。
【0062】
(ステップS503)計測指示部1032は、計時開始信号を生成し、生成した計時開始信号を時間計測部106に出力する。これにより、時間計測部106は、経過時間の計測を開始する。計測指示部1032は、計測状態を示す計測状態情報を生成し、生成した計測状態情報をRAM113に記憶させる。その後、処理を終了する。
【0063】
(ステップS504)計測指示部1032は、RAM113に記憶されている計測状態情報が計測状態を示すか否かを判断する。計測状態情報が計測状態を示すと判断された場合(ステップS504 Y)、ステップS505に進む。計測状態情報が計測状態を示さないと判断された場合(ステップS504 N)、処理を終了する。
【0064】
(ステップS505)計測指示部1032は、リタイヤ情報記憶部1132に記憶されている、ある順位情報nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示すか否かを判断する。但し、順位情報nが示す順位の初期値は1である。順位情報nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示すと判断された場合(ステップS505 Y)、ステップS507に進む。順位nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示さないと判断された場合(ステップS505 N)、ステップS506に進む。
【0065】
(ステップS506)計測指示部1032は、時間計測部106から入力された経過時間情報に基づいて第k回ラップタイムk−LAPを算出する。計測指示部1032は、算出した第k回ラップタイムk−LAPを経過時間情報として順位情報nと対応付けて経過時間記憶部1131に記憶する。但し、回数kの初期値は1である。初回(k=1)においては、前回入力された経過時間情報が存在しないため、計測指示部1032は、時間計測部106から入力された経過時間情報を第1回ラップタイム1−LAPとして順位情報nと対応付けて経過時間記憶部1131に記憶する。その後、ステップS507に進む。
(ステップS507)計測指示部1032は、順位情報nが表す順位を1増加(インクリメント)させる。その後、ステップS508に進む。
【0066】
(ステップS508)計測指示部1032は、順位情報nがRAM113に記憶された人数情報が示す人数を越えたか否か判断する。順位情報nが、人数情報が示す人数を越えたと判断された場合(ステップS508 Y)、ステップS509に進む。順位情報nが、人数情報に示される人数を越えていないと判断された場合(ステップS508 N)、ステップS504に進む。
【0067】
(ステップS509)計測指示部1032は、順位情報nが示す順位を1に再設定し、経過時間情報の回数kを1増加(インクリメント)させる。その後、処理を終了する。
【0068】
次に、本実施形態に係るストップ/リセット処理について説明する。
図14は、本実施形態に係るストップ/リセット処理を示すフローチャートである。
(ステップS601)CPU103は、RAM113に記憶されているモード情報が計測モードを示すか否か判断する。モード情報が計測モードを示すと判断された場合(ステップS601 Y)、ステップS602に進む。モード情報が計測モードを示さないと判断された場合(ステップS601 N)、処理を終了する。
【0069】
(ステップS602)CPU103は、RAM113に記憶されている計測状態情報がリセット状態を示すか否かを判断する。計測状態情報がリセット状態を示すと判断された場合(ステップS602 Y)、処理を終了する。計測状態信号がリセット状態を示さないと判断された場合(ステップS602 N)、ステップS603に進む。
【0070】
(ステップS603)計測指示部1032は、全ての順位について経過時間の計測を停止したことを示すストップ状態情報がRAM113に記憶されているか否か判断する。但し、リタイヤ情報記憶部1132に記憶されているリタイヤ情報がリタイヤしたことを示す順位については、判断の対象から除く。全ての順位についてストップ状態情報が記憶されていると判断された場合(ステップS603 Y)、ステップS608に進む。全ての順位についてストップ状態信号が記憶されていないと判断された場合(ステップS603 N)、ステップS604に進む。
【0071】
(ステップS604)計測指示部1032は、リタイヤ情報記憶部1132に記憶されている順位情報nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示すか否かを判断する。但し、順位情報nが示す順位の初期値は1である。順位情報nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示すと判断された場合(ステップS604 Y)、ステップS606に進む。順位情報nに対応するリタイヤ情報がリタイヤしたことを示さないと判断された場合(ステップS604 N)、ステップS605に進む。
【0072】
(ステップS605)計測指示部1032は、時間計測部106から入力された経過時間情報を計測停止時の経過時間情報STOPとして順位情報nと対応付けて経過時間記憶部1131に記憶し、順位情報nに対するストップ状態情報をRAM113に記憶させる。その後、ステップS606に進む。
(ステップS606)計測指示部1032は、順位情報nが示す順位を1増加(インクリメント)させる。その後、ステップS607に進む。
【0073】
(ステップS607)計測指示部1032は、順位情報nがRAM113に記憶された人数情報が示す人数を越えたか否か判断する。順位情報nが、人数情報に示される人数を越えたと判断された場合(ステップS607 Y)、ステップS608に進む。順位情報nが、人数情報に示される人数を越えていないと判断された場合(ステップS607 N)、ステップS603に進む。
【0074】
(ステップS608)計測指示部1032は、計時停止信号を生成し、生成した計時停止信号を時間計測部106に出力する。これにより、時間計測部106は、経過時間の計測を停止する。計測指示部1032は、RAM113に記憶されている計測状態信号を消去する。その後、ステップS609に進む。
(ステップS609)計測指示部1032は、経過時間の計測に用いる変数を再設定する。ここで、計測指示部1032は、例えば、順位情報nが示す順位を1、経過時間情報に与えられる回数kを1に設定し、リセット状態を示す計測状態情報をRAM113に記憶する。計測指示部1032は、RAM113に記憶されたストップ状態信号、経過時間記憶部1131に記憶された経過時刻情報、リタイヤ情報記憶部1132に記憶されたリタイヤ情報をそれぞれ消去する。計測指示部1032は、時間計測部106に0を示す経過時間情報を設定させる。その後、処理を終了する。
【0075】
次に、表示部107が表示する情報について説明する。
図15は、本実施形態に係る表示部107が表示する情報の一例を示す概念図である。
図15において、表示部107の左下の「モード 人数入力」という表示は、計時装置1が人数入力モードで動作していることを示す。表示部107の右下の「12人」という表示は、入力された人数情報が12人であることを示す。
【0076】
図16は、本実施形態に係る表示部107が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
図16において、表示部107の左下の「モード 計測中」という表示は、計時装置1が計測モードで動作していることを示す。表示部107の右下の「12人」という表示は、設定された人数情報が12人であることを示す。表示部107の最上段の「−−:――’01’’」という表示は、計測開始からの経過時間が0.01秒であることを示す。表示部107の第2段の「−−:――’――’’」という表示は、まだ、経過時間が経過時間記憶部1131に記録されていないことを示す。
【0077】
図17は、本実施形態に係る表示部107が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
図17において、表示部107の左下の「モード 計測中」という表示は、計時装置1が計測モードで動作していることを示す。表示部107の右下の「2/12人」という表示は、設定された人数情報が12人であって、順位が2位であることを示す。表示部107の最上段の「3−LAP −−:−5’33’’」という表示は、3回目に記憶した経過時間が5分33秒であることを示す。表示部107の第2段の「2−LAP −−:−5’35’’」という表示は、2回目に記憶した経過時間が5分35秒であることを示す。
【0078】
図18は、本実施形態に係る表示部107が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
図18において、表示部107の左下の「モード 追い抜き」という表示は、計時装置1が追い抜き入力モードで動作していることを示す。表示部107の右下の「3/6位」という表示は、設定された人数情報が6人であって、追い抜かれる計測対象者の順位が3位であることを示す。表示部107の右下の「3⇔4」という表示は、追い抜かれる計測対象者の順位、追い抜く計測対象者の順位(直後の順位)が、それぞれ3位、4位であり、これまでに記憶された3位の経過時間と4位の経過時間を交換することを示す。表示部107の最上段の「−−:38’56’’」という表示は、計測開始からの計測中の経過時間が38.56秒であることを示す。表示部107の第2段の「−−:――’――’’」という表示は、まだ、経過時間が経過時間記憶部1131に記録されていないことを示す。
【0079】
図19は、本実施形態に係る表示部107が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
図19において、表示部107の左下の「モード リタイヤ」という表示は、計時装置1がリタイヤ入力モードで動作していることを示す。表示部107の右下の「3/6位」という表示は、設定された人数情報が6人であって、リタイヤ入力される計測対象者の順位が3位であることを示す。表示部107の右下の「4⇒3」という表示は、リタイヤ入力される計測対象者の直後の順位が4位であって、リタイヤ入力により順位が3位に変更されることを示す。経過時間記憶部1131には、直後の順位から後続する全ての順位(ここでは4位−6位)の経過時間情報が、それぞれ直前の先行する順位(3位−5位)に変更された順位に対応付けられて記憶される。表示部107の最上段の「2−LAP −−:−5’22’’」という表示は、2回目の経過時間が5分22秒であることを示す。表示部107の第2段の「−−:−5’45’’」という表示は、1回目の経過時間が5分45秒であることを示す。
【0080】
図20は、本実施形態に係る表示部107が表示する情報のその他の例を示す概念図である。
図20において、表示部107の左下の「モード ラップ読出」という表示は、計時装置1がラップ読出モードで動作していることを示す。表示部107の右下の「2/4位」という表示は、設定された人数情報が4人であって、経過時間情報が読み出される対象の順位が2位であることを示す。表示部107の最上段の「01:13’32’’」という表示は、計測中の経過時間が1時間13分32秒であることを示す。表示部107の第2段の「2−LAP −−:−5’27’’」という表示は、2回目の経過時間が5分27秒であることを示す。
【0081】
このように本実施形態によれば、計測開始を指示されたある時点からの経過時間を計測し、計測対象の順位と計測した経過時間を対応付けて記憶し、計測対象の順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、計測対象の順位と経過時間との対応を交換する。ここで、入力順位に対応する経過時間を、入力順位の直後の順位に対応する経過時間に交換する。
これにより、利用者は計測対象の名称と順位の関係を意識する必要がなくなるため同時に測定された複数の経過時間のそれぞれを簡易な操作で記録できる。
また、本実施形態では、計測が不要になった順位に対応をスキップして経過時間を記憶する。これにより、利用者は計測が不要になった順位の計測対象者を意識せずに、各計測対象者の経過時間を簡易な操作で記録することができる。
【0082】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る計時装置の構成は、図1に示す計時装置1と同様である。
但し、追抜処理部1034は、選択した順位情報に後続する順位を示す順位情報に対応する経過時間情報を、それぞれその直前の順位を示す順位情報に対応付けるように交換して、経過時間記憶部1131に記憶することを特徴とする。以下、主に上述の実施形態との差異点について説明する。
【0083】
まず、本実施形態に係る決定入力処理について説明する。
図21は、本実施形態に係る決定入力処理を示すフローチャートである。
図21が示す決定入力処理は、図9の決定入力処理においてステップS408の代わりにステップS418を実行する点が異なる。その他のステップは、図9の決定入力処理と共通である。
(ステップS418)追抜処理部1034は、計測人数情報N’が示す人数から1を減少させる。ここで、計測人数情報N’は、リタイヤしていない計測対象者の人数を表し、追抜処理部1034は、初期値として人数設定部1031が記憶させた人数情報NをRAM113から予め読み出して設定する。追抜処理部1034は、RAM113の経過時間記憶部1131からリタイヤした計測対象者を表す順位情報nに対応する経過時間情報を一時的に除外し、計測対象となっているN’人分の各順位情報に対応し経過時間記憶部1131に記憶されている経過時間情報を集約する。
ここで、追抜処理部1034は、例えば、順位情報nに対応して経過時間記憶部1131に記憶されている経過時間情報を、末位を示す順位情報Nに対応づけて記憶させる。そして、追抜処理部1034は、選択順位の直後の順位を表す順位情報n+1から末位を表す順位情報Nまでの各順位情報に対応して経過時間記憶部1131に記憶されている経過時間情報を、各々直前の順位を表す選択順位nから末位から2番目の順位N−1位を表す順位情報に対応づけて記憶させる。その後、ステップS409に進む。
これにより、経過時間記憶部1131は、経過時間記憶部1131の1位からN’位までの各順位情報に対応付けた、計測対象者N’人分の経過時間情報を集約して記憶する。
【0084】
次に、本実施形態に係るスタート/ラップ処理について説明する。
図22は、本実施形態に係るスタート/ラップ処理を示すフローチャートである。
図22が示すスタート/ラップ処理は、図13のスタート/ラップ処理においてステップS508の代わりにステップS518を実行し、ステップS504の後にステップS505に進む代わりにステップS506に進む点が異なる。その他のステップは、図10のスタート/ラップ処理と共通である。
【0085】
(ステップS518)計測指示部1032は、順位情報nがRAM113に記憶された計測人数情報が表す人数N’を越えたか否か判断する。順位情報nが人数N’を越えたと判断された場合(ステップS518 Y)、ステップS509に進む。順位情報nがN’を越えていないと判断された場合(ステップS518 N)、ステップS504に進む。
これにより、経過時間記憶部1131の1位からN’位までの領域に、計測対象となっているN’人分の経過時間情報が、順位情報と対応付けられて記憶される。
また、計測指示部1032は、経過時間を経過時間記憶部1131に記憶させる際、順位情報毎にリタイヤしたか否かを判断する必要がなくなる。従って、本実施形態ではスタート/ラップ処理を効率化することができる。
【0086】
次に、本実施形態に係るストップ/リセット処理について説明する。
図23は、本実施形態に係るストップ/リセット処理を示すフローチャートである。
図23が示すストップ/リセット処理は、図14のストップ/リセット処理においてステップS607の代わりにステップS617を実行し、ステップS603の後にステップS604に進む代わりにステップS605に進む点が異なる。その他のステップは、図14のストップ/リセット処理と共通である。
【0087】
(ステップS617)計測指示部1032は、順位情報nがRAM113に記憶された計測人数情報が示す人数N’を越えたか否か判断する。順位情報nがN’を越えたと判断された場合(ステップS617 Y)、ステップS608に進む。計測指示部1032が、順位情報nがN’を越えていないと判断した場合(ステップS617 N)、ステップS603に進む。
【0088】
これにより、順位情報記憶部1131に記憶される経過時間の記憶領域が集約され、順位情報記憶部1131は順位情報毎にストップ状態情報を記憶する必要がなくなる。また、計測指示部1032は、最後の経過時間情報を経過時間記憶部1131に記憶させる際、順位情報毎にリタイヤしたか否かを判断する必要がなくなる。従って、本実施形態ではストップ/リセット処理を効率化することができる。
【0089】
次に、経過時間情報記憶部1131に記憶した経過時間情報の一例について説明する。
図24は、本実施形態に係る経過時間情報の一例を示す表である。
図24において、各行は順位情報を示し、各列は経過時間情報を示す。同表において、最左列は、順位がそれぞれ1位、2位、3位、…、10位であることを示す。同表において、計測人数9人よりも後の順位(この例では、10位)に記憶されている経過情報は、リタイヤした対象に係る経過情報を示す。
同表において、最上行は、経過時間情報の内訳として、それぞれ1−LAP、2−LAP、3−LAP、…9−LAP、STOPであることを示す。
【0090】
同表において、1位について、1回目、2回目、3回目、…9回目の経過時間及び最後に記憶された経過時間は、それぞれ5分14秒、5分13秒、5分23秒、…、5分46秒、52分55秒である。2位について、1回目、2回目、3回目、…9回目の経過時間及び最後に記憶された経過時間は、それぞれ5分21秒、5分17秒、5分32秒、…、5分52秒、52分67秒である。既にリタイヤした計測対象者について、1回目、2回目、3回目の経過時間は、それぞれ5分42秒、5分25秒、5分47秒であり、10位の経過時間が記憶される領域に記憶されている。
【0091】
このように、本実施形態によれば、入力順位に後続する順位の経過時間を、それぞれその直前の順位に対応付けるように交換する。これにより、利用者は計測が不要になった順位の計測対象者を意識せず、各計測対象者の順位を簡易な操作で更新することができる。また、本実施形態によれば計測が不要になった計測対象者の順位か否かを判断することなく効率的に経過時間を記録することができ、経過時間記憶部を有効に利用することができる。
【0092】
上述した実施形態では、計測指示部1032が、経過時間情報として各回のラップタイムを順位毎に経過時間記憶部1131に記憶させる例について説明したが、これには限られない。例えば、計測指示部1032は、経過時間情報としてラップタイムの代わりにスプリットタイム(split time)を経過時間記憶部1131に記憶させてもよい。スプリットタイムとは、利用者が計測開始を指示した時点からの累積経過時間、即ち計測指示部1032から時間計測部106が計時開始信号を入力された時点からの経過時間である。
【0093】
上述した実施形態では、計測指示部1032が、ストップ/リセット処理において経過時間情報として計測開始から計測停止までの経過時間情報を順位毎に経過時間記憶部1131に記憶させる例について説明したが、これには限られない。例えば、計測指示部1032は、経過時間情報としてラップタイムを経過時間記憶部1131に記憶させてもよい。
【0094】
上述した実施形態では、順位交換部1033は、入力順位に対応する経過時間と、入力順位の直後の順位に対応する経過時間を交換して経過時間記憶部1131に記憶させる例について説明したが、これには限られない。例えば、順位交換部1033は、入力順位に対応する経過時間と、入力順位の直前の順位に対応する経過時間を交換して経過時間記憶部1131に記憶させてもよい。
【0095】
なお、上述した実施形態における計時装置1の一部、例えば、CPU103、分周部105及び時間計測部106をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、計時装置1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における計時装置1の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。計時装置1の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0096】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0097】
1…計時装置、101…電源部、102…ROM、103…CPU、
1031…人数設定部、1032…計測指示部、1033…順位交換部、
1034…追抜処理部、1035…リタイヤ処理部1035、
104…発振部、105…分周部、106…時間計測部、107…表示部、
108…モード入力部、109…選択入力部、110…決定入力部、
111…スタート/ラップ入力部、112…ストップ/リセット入力部、
113…RAM、1131…経過時間記録部、1132…リタイヤ情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある時点からの経過時間を計測する時間計測部と、
計測対象の順位と前記時間計測部が計測した経過時間を対応付けて記憶する経過時間記憶部と、
前記順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、前記計測対象の順位と経過時間との対応を交換する交換部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記交換部は、前記入力順位に対応する経過時間と、前記入力順位の直後の順位に対応する経過時間を交換することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記交換部は、前記入力順位に対応する経過時間と、前記入力順位の直前の順位に対応する経過時間を交換することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記交換部は、前記入力順位に後続する順位の経過時間を、それぞれその直前の順位に対応付けるように交換することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
電子機器における計時方法において、
前記電子機器が、ある時点からの経過時間を計測する過程と、
前記電子機器が、計測対象の順位と前記計測した経過時間を対応付けて記憶する過程と、
前記電子機器が、前記順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、前記計測対象の順位と経過時間との対応を交換する過程と
を有することを特徴とする計時方法。
【請求項6】
電子機器のコンピュータに、
ある時点からの経過時間を計測する手順、
計測対象の順位と前記計測した経過時間を対応付けて記憶する手順、
前記順位のいずれかを表す入力順位に基づいて、前記計測対象の順位と経過時間との対応を交換する手順
を実行させるための計時プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−72713(P2013−72713A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211215(P2011−211215)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】