説明

電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、及び記録媒体

【課題】接続されている相手機器に応じた適切な処理を実行することを可能にする。
【解決手段】携帯電話機1は、HDMIを介して接続された相手機器が格納しているEDIDを取得する接続処理部11と、該EDIDのVendor/ProductIDのブロックに含まれる情報を用いて、自機と通信接続している相手機器を特定する機器特定部12と、相手機器ごとに自機が実行する処理が設定された登録情報16を参照して、機器特定部12が特定した相手機器に設定された処理を実行する登録動作実行部14とを備えているので、通信接続されている相手機器に応じた適切な処理を実行することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有線または無線接続された相手機器と通信する電子機器、該電子機器の制御方法、制御プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像等のデータを電子機器間で送受信するためのインタフェースとして、HDMI(High Definition Multimedia Interface、登録商標)規格が普及しつつある。HDMIケーブルで接続された機器のうち、HDMI出力端子を有する機器はソース機器と呼ばれ、HDMI入力端子を有する機器はシンク機器と呼ばれる。
【0003】
ソース機器とシンク機器とは、複数の信号線を介して通信を行う。ここで、ソース機器とシンク機器との間で行われる通信の概要について、図7に基づいて説明する。図7は、ソース機器とシンク機器との間で行われる通信の概要を示すブロック図である。
【0004】
図示のように、ソース機器は、HDMIトランスミッタを備えており、シンク機器は、HDMIレシーバとEDID(Extended Display Identification Data)の格納部とを備えている。
【0005】
また、HDMIトランスミッタとHDMIレシーバとは、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャンネル1〜3及びTMDSクロックチャンネルを介して接続されている。そして、ソース機器とシンク機器とは、DDC(Display Data Channel)、CEC(Consumer Electronics Control)ライン、HPD(Hot Plug Detect)、+5V Powerラインで接続されている。
【0006】
HDMIトランスミッタは、ソース機器が出力する映像(Video)、音声(Audio)等を、TMDSチャンネル1〜3を介してHDMIレシーバに送信する。そして、HDMIレシーバは、TMDSクロックチャンネルで送信される信号をリファレンス・クロックとして使用して、受信した映像や音声を出力する。また、TMDSチャンネル1〜3を介して制御信号(Control)や状態(status)も送受信される。
【0007】
CECラインは、シンク機器がソース機器を制御する信号や、ソース機器がシンク機器を制御する信号等を送受信するための信号線である。CECラインを介した制御によって、ソース機器は、シンク機器の出力する映像や音声等を自機が送信するものに切り替えさせること等ができる。
【0008】
DDCは、EDIDを読み出すための信号線である。また、HPDは、DDCを介したEDIDの読み出しを制御するためのHPD信号を送信するための信号線である。そして、+5V Powerラインは、ソース機器がシンク機器への接続を通知するための+5V電源信号を送信するための信号線である。なお、EDIDの読み出し処理の流れについては後述する。
【0009】
〔接続処理の流れ〕
次に、ソース機器とシンク機器との接続処理の流れについて、図8に基づいて説明する。図8は、従来のソース機器とシンク機器との接続シーケンスの一例を示す図である。ソース機器とシンク機器とが接続されると、ソース機器から+5Vの電圧が供給される。そして、シンク機器は、+5Vの電圧を検出すると、相手機器(ソース機器)の物理アドレスを決定し、決定した物理アドレスを、+5Vの電圧が供給された入力ポートのEDID格納部に格納する。
【0010】
また、+5Vの電圧を検出したシンク機器は、+5Vの電圧が供給された入力ポートのHPD信号をHighレベルに切り替える。これにより、当該入力ポートに接続されたソース機器は、シンク機器のEDID格納部からEDIDを読み出すことが可能になる。このEDIDには、上記のようにソース機器の物理アドレスが格納されているので、ソース機器は読み出したEDIDから自機の物理アドレスを特定することができる。
【0011】
図示の例では、ソース機器は、EDIDを読み出した後、自機の物理アドレスを認識して記憶し、シンク機器に対するAVソースのパス切り替え要求を行っている。これにより、ソース機器からシンク機器へ、入力切替を要求するCECメッセージであるActiveSourceメッセージが送信される。
【0012】
そして、このメッセージを受信したシンク機器は、自機から出力する映像等のソースを当該ソース機器に切り替える。これにより、TMDSチャンネルを介してソース機器の送信するAVデータ(映像や音声等のデータ)が、シンク機器から出力されるようになる。
【0013】
つまり、図8のシーケンスによれば、ソース機器とシンク機器とを接続したときに、自動的にソース機器の出力するAVデータがシンク機器から出力されることになる。ここで、ユーザは、ソース機器の格納するコンテンツをシンク機器に出力させようとして、ソース機器とシンク機器とを接続することが多いと考えられる。このため、接続のあったタイミングで、自動的にソース機器の出力するAVデータがシンク機器から出力されるようにする上記の構成は利便性が高い。
【0014】
なお、HDMIによる接続時の処理が記載された先行技術文献の他の例としては、例えば下記の特許文献2、3が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009−3882号公報(2009年1月8日公開)
【特許文献2】特開2009−206634号公報(2009年9月10日公開)
【特許文献3】特開2009−188782号公報(2009年8月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、ソース機器とシンク機器とが接続されたときに、予め定めた処理を自動的に行うようにした場合、ユーザの意に沿わない処理が行われるおそれがあるという問題がある。
【0017】
例えば、ソース機器とシンク機器とを接続したときに自動的にシンク機器の電源をONにするようにした場合、ユーザが寝るためにソース機器を持って寝室に移動したときに、寝室のシンク機器の電源がONになると、ユーザはシンク機器の電源をOFFにする操作を行わねばならなくなり、利便性が低下してしまう。
【0018】
現状では、ソース機器とシンク機器との接続は、専用のケーブルで行われているため、自動再生の必要がないときにソース機器とシンク機器とを接続することは考えにくく、このような問題点は顕在化していない。しかし、近年の家庭内ネットワークの普及に伴う、機器間の接続態様の多様化、簡易化の進展により、無視できない問題点となると考えられる。
【0019】
例えば、ソース機器とシンク機器とをより手軽に接続できるようにするため、ソース機器の充電器経由でシンク機器に接続可能にすることが考えられる。このような接続を可能にした場合、接続が手軽になる、ソース機器を充電しながらソース機器のコンテンツをシンク機器で視聴できる等のメリットがある。その反面、充電目的でソース機器を充電器に接続したときにも、シンク機器との接続が確立されて予め定めた処理が行われるので、ユーザの意図しない処理が行われる可能性が生じる。
【0020】
また、近年では、携帯電話機等の携帯型機器のコンテンツ記憶容量及びコンテンツ取得能力が増大したことに伴い、このような携帯型機器をソース機器として用いることも多くなっている。そして、機器間の接続態様の多様化、簡易化の進展とも相俟って、携帯型のソース機器が、持ち運び先でそれぞれ異なるシンク機器と極めて容易に接続されるようになると予想される。
【0021】
したがって、上述の問題点を解決する電子機器等を提供することは、今後一層重要になると考えられる。なお、この問題点は、HDMIにおけるソース機器とシンク機器との間のみならず、有線または無線接続して通信を行う任意の機器に生じる問題点である。
【0022】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続されている相手機器に応じた適切な処理を実行することを可能にする電子機器等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明の電子機器は、有線または無線にて通信接続された相手機器と通信する電子機器であって、上記相手機器が格納している、該相手機器を特定する機器特定情報を、上記通信接続を介して取得する特定情報取得手段と、上記特定情報取得手段が取得した上記機器特定情報を用いて、自機と通信接続している相手機器を特定する機器特定手段と、相手機器ごとに自機が実行する処理が設定された設定情報を参照して、上記機器特定手段が特定した上記相手機器に設定された処理を実行する処理実行手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
また、本発明の電子機器の制御方法は、上記課題を解決するために、有線または無線にて通信接続された相手機器と通信する電子機器の制御方法であって、上記相手機器が格納している、該相手機器を特定する機器特定情報を、上記通信接続を介して取得する特定情報取得ステップと、上記特定情報取得ステップで取得した上記機器特定情報を用いて、自機と通信接続している相手機器を特定する機器特定ステップと、相手機器ごとに自機が実行する処理が設定された設定情報を参照して、上記機器特定ステップで特定した上記相手機器に設定された処理を実行する処理実行ステップとを含むことを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、相手機器が格納している機器特定情報を通信接続を介して取得し、この機器特定情報を用いて、電子機器と通信接続されている相手機器を特定する。このように、電子機器主導で相手機器から機器特定情報を取得する構成とすることにより、相手機器等は、電子機器に機器特定情報を取得させるための特別な構成を備えている必要がなくなる。つまり、電子機器の相手機器は、機器特定情報を格納しているものであればよいので、上記電子機器は汎用性に優れていると言える。
【0026】
そして、上記の構成によれば、相手機器ごとに電子機器が実行する処理が設定された設定情報を参照して、上記特定した相手機器に設定された処理を実行する。
【0027】
したがって、上記電子機器は、接続されている相手機器に応じた処理を実行することができる。また、上記電子機器は、接続されている相手機器がどのような機器であるかにかかわらず同一の処理を行うことがないので、相手機器との接続時にユーザの意図しない処理を行うことを防ぐことができる。
【0028】
また、上記電子機器は、上記相手機器と自機との接続が、予め定めた機器を介した接続であるか否かを判断する機器介在判断手段を備え、上記処理実行手段は、上記機器介在判断手段が、上記相手機器と自機との接続が予め定めた機器を介した接続であると判断した場合に、当該場合に実行する処理が設定された情報を参照して、該情報に設定された処理を実行することが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、相手機器と自機との接続が予め定めた機器を介した接続であると判断した場合に、その場合に実行する処理が設定された情報を参照して、該情報に設定された処理を実行するので、相手機器と自機との接続が予め定めた機器を介した接続である場合に応じた適切な処理を行うことが可能になる。
【0030】
例えば、上記電子機器の充電器を経由して相手機器と接続している場合には、相手機器は、電子機器のユーザの自宅にある機器である可能性が高い。このため、上記電子機器のユーザは、自宅の機器に応じた処理を予め設定しておくことにより、充電器を経由して相手機器と接続した場合に、予め設定した自宅の機器に応じた処理を電子機器に実行させることも可能になる。
【0031】
また、上記処理実行手段は、上記機器特定手段が特定した相手機器が、上記設定情報に含まれていない場合に、上記設定情報に含まれていない機器について予め設定された処理を実行することが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、特定した相手機器が設定情報に含まれていない場合に、設定情報に含まれていない機器について予め設定された処理を実行するので、特定した相手機器が設定情報に含まれていない場合であっても、その場合に応じた適切な処理を実行することが可能になる。
【0033】
また、上記電子機器は、設定された時刻にアラームを鳴らすアラーム機能を備え、上記処理実行手段は、アラームの時刻として設定された時刻に、上記設定情報に設定された処理を実行することが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、アラームの時刻として設定された時刻に、設定情報に設定された処理を実行するので、この処理の実行によって、ユーザにアラームの時刻となったことを認識させることが可能になる。なお、この時刻におけるアラームは鳴らしてもよいし、鳴らさなくともよい。
【0035】
また、上記電子機器は、設定された日または日時となったことを自機のユーザに報知するスケジュール管理機能を備え、上記処理実行手段は、上記スケジュール管理機能により設定された日または日時に、上記設定情報に設定された処理を実行することが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、スケジュール管理機能により設定された日または日時に、設定情報に設定された処理を実行するので、この処理の実行によって、ユーザにスケジュール管理機能により設定された日または日時となったことを認識させることが可能になる。
【0037】
また、上記処理実行手段は、自機が予め定められた動作を行ったタイミングで、上記設定情報に設定された処理を実行することが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、電子機器が予め定められた動作を行ったタイミングで、設定情報に設定された処理を実行するので、状況に応じた適切なタイミングで処理を実行することができる。
【0039】
例えば、上記電子機器が電話回線を介した通話を行うための機能を備えている場合には、着信時とそれ以外とでは状況が大きく変わる。そこで、このような機能を備えている場合には、電話の着信処理を行ったタイミングで、相手機器の出力音量を下げる処理を行ってもよい。これにより、相手機器の出力する音で電話による通話が妨げられることを防ぐことができる。
【0040】
また、上記相手機器との通信接続は、HDMIを介したものであり、上記特定情報取得手段は、上記相手機器が格納しているEDIDを上記機器特定情報として取得し、上記機器特定手段は、上記EDIDのVendor/ProductIDのブロックに含まれる情報で相手機器を特定することが好ましい。
【0041】
HDMIに対応しているシンク機器は、EDIDを格納しており、このEDIDのVendor/ProductIDのブロックには、機器を特定する情報が含まれている。また、HDMIに対応している機器同士を接続したときには、EDIDの取得が行われるようになっている。
【0042】
したがって、EDIDのVendor/ProductIDのブロックに含まれる情報で相手機器を特定する上記の構成によれば、極めて容易に相手機器を特定することができる。
【0043】
なお、上記電子機器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電子機器の各手段として動作させることにより、上記電子機器をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0044】
以上のように、本発明の電子機器は、相手機器が格納している、該相手機器を特定する機器特定情報を、通信接続を介して取得する特定情報取得手段と、上記特定情報取得手段が取得した上記機器特定情報を用いて、自機と通信接続している相手機器を特定する機器特定手段と、相手機器ごとに自機が実行する処理が設定された設定情報を参照して、上記機器特定手段が特定した上記相手機器に設定された処理を実行する処理実行手段とを備えている構成である。
【0045】
また、本発明の電子機器の制御方法は、以上のように、相手機器が格納している、該相手機器を特定する機器特定情報を、通信接続を介して取得する特定情報取得ステップと、上記特定情報取得ステップで取得した上記機器特定情報を用いて、自機と通信接続している相手機器を特定する機器特定ステップと、相手機器ごとに自機が実行する処理が設定された設定情報を参照して、上記機器特定ステップで特定した上記相手機器に設定された処理を実行する処理実行ステップとを含む構成である。
【0046】
したがって、接続されている相手機器に応じた処理を実行することができ、また接続されている相手機器がどのような機器であるかにかかわらず同一の処理を行うことがないので、相手機器との接続時にユーザの意図しない処理を行うことを防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態を示す図であり、携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図3】上記携帯電話機を含む通信システムの概略図である。
【図4】上記携帯電話機が格納する登録情報の一例を示す図である。
【図5】上記携帯電話機が実行する動作登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】上記携帯電話機が実行する登録動作実行処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】従来技術を示す図であり、ソース機器とシンク機器との間で行われる通信の概要を示すブロック図である。
【図8】従来技術を示す図であり、ソース機器とシンク機器との接続シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
【0049】
〔携帯電話機の構成〕
まず、本実施形態の携帯電話機の概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の携帯電話機(電子機器)1の外観を示す斜視図である。携帯電話機1は、筺体を2つに折りたたむことのできる折りたたみ式の携帯電話機であり、同図では筐体を開いた状態を示している。
【0050】
図示のように、携帯電話機1は、画像を表示する表示部2、ユーザの入力操作を受け付ける入力キー3を備えていると共に、テレビなどのAV機器(シンク機器)とケーブル接続するためのHDMIコネクタ4を備えている。
【0051】
携帯電話機1は、HDMIコネクタ4を介してシンク機器と接続されたときに、接続相手のシンク機器を特定し、特定したシンク機器に応じて予め定められた処理を実行する点が主な特徴点である。
【0052】
〔通信システムの概要〕
次に、携帯電話機1を含む通信システムについて、図3に基づいて説明する。図3は、携帯電話機1を含む通信システムの概略図である。図示のように、テレビ21には、充電台20と、ソース機器であるDVDプレーヤー22が接続されており、また、テレビ24には充電台23が接続されている。
【0053】
充電台20、23は、携帯電話機1の充電を行うためのものであり、携帯電話機1を充電台20、23に設置することにより、携帯電話機1の充電が行われる。また、図示の通信システムでは、携帯電話機1を充電台20、23に設置することにより、充電台20、23を介して、携帯電話機1とテレビ21または24とを接続(HDMIを介した接続)することができるようになっている。
【0054】
具体的には、充電台20、23は、携帯電話機1の充電用の通電を行うための端子を備えていると共に、携帯電話機1のHDMIコネクタ4に接続するHDMI端子を備えている。そして、これらの端子は、携帯電話機1が充電台20、23に置かれたときに接続されるよう設けられている。また、充電台20、23のHDMI端子は、それぞれテレビ21、24とHDMIケーブルで接続されており、充電用の端子はコンセント等の電源と接続されている。
【0055】
これにより、携帯電話機1のユーザは、携帯電話機1を充電台20、23に置くという通常行う動作のみで、携帯電話機1の充電を行うことができると共に、テレビ21または24とのHDMI接続を確立することができる。
【0056】
無論、携帯電話機1を、充電台20、23を介さず、テレビ21または24に直接接続しても構わない。また、充電台20、23以外のリピータ機器を介して接続してもよい。また、携帯電話機1の接続相手機器は、テレビ21、24に限られない。つまり、携帯電話機1の接続相手機器は、シンク機器であればよく、接続相手機器との接続はリピータ機器などを介した間接的な接続であってもよい。
【0057】
ここでは、図示のように、充電台20、テレビ21、及びDVDプレーヤー22は、居間に設置されており、充電台23及びテレビ24は、寝室に設置されていることを想定している。つまり、テレビ21と24は、設置場所が異なっており、それゆえその使用シーンも異なっている。
【0058】
そこで、携帯電話機1は、HDMIを介した通信接続が行われたときには、その通信接続を介して、接続相手機器のEDIDを取得する。また、このEDIDから、相手機器がテレビ21であるか、テレビ24であるか、あるいはそれ以外の機器であるかを特定する。そして、携帯電話機1は、特定した相手機器に応じて予め定められた処理を実行する。これにより、接続相手機器に応じた適切な処理を行うことができる。
【0059】
〔携帯電話機1の詳細な構成〕
続いて、携帯電話機1のより詳細な構成を図1に基づいて説明する。図1は、携帯電話機1の要部構成を示すブロック図である。図示のように、携帯電話機1は、表示部2、入力キー3、及びHDMIコネクタ4を備えていると共に、自機を振動させるバイブレータ5、音声を出力するスピーカ6、携帯電話機1の動作を統括して制御する制御部7、携帯電話機1で使用するデータ等を記憶する記憶部8、及び携帯電話網を介して通信を行うための無線部9を備えている。
【0060】
また、図示のように、制御部7は、接続処理部(特定情報取得手段)11、機器特定部(機器特定手段)12、登録情報生成部13、及び登録動作実行部(処理実行手段、機器介在判断手段)14を備えている。また、記憶部8には、EDID格納部15が含まれており、登録情報(設定情報)16が格納されている。
【0061】
接続処理部11は、接続処理を行ってHDMIコネクタ4を介した通信接続を確立する。なお、接続処理部11が行う接続処理の内容は、〔背景技術〕に示したとおりであるから、ここでは説明を省略する。また、接続処理部11は、通信接続を確立した接続相手機器にアクセスし、この接続相手機器の格納するEDIDを取得して、自機のEDID格納部15に格納する。
【0062】
機器特定部12は、HDMIコネクタ4を介して直接または間接的に接続している接続相手機器を特定する。具体的には、機器特定部12は、記憶部8に格納されている当該接続相手機器のEDIDをEDID格納部15から読み出し、このEDIDに含まれるVendor/ProductID及びSerialIDをその接続相手機器を特定する情報として抽出する。
【0063】
登録情報生成部13は、接続相手機器を特定する情報と、その接続相手機器と接続されたときに実行する登録動作とを対応付けて登録情報16を生成する。登録情報16の詳細、及び登録情報16を生成する処理の詳細については後述する。
【0064】
登録動作実行部14は、登録情報16を参照して、機器特定部12が特定した接続相手機器に対応付けられた登録動作を特定し、これを実行する。なお、登録動作を実行する処理の詳細については後述する。
【0065】
EDID格納部15には、上述のように、通信接続された接続相手機器のEDID(機器特定情報)が格納される。EDID格納部15に格納されるEDIDには該EDID格納部15を備える機器を特定するための情報が含まれている。具体的には、機器の製造メーカ及び型式を特定する情報等を格納する「Vendor/ProductID」のブロックが含まれており、このブロックには機器の製品IDやシリアル番号等が含まれている。
【0066】
以上のように、EDIDテーブルには「Vendor/ProductID」というブロックが含まれている。そして、このブロックには、機器の製品IDやシリアル番号が含まれているので、これらの情報から、そのEDIDに対応する機器を特定することができる。このようなEDIDテーブルが、HDMI対応機器のそれぞれに格納されている。なお、機器を特定する情報は、接続相手機器が、その情報に基づいて、どのような機器と接続されているかを特定可能な情報であればよく、Vendor/ProductID、SerialIDに限られず、またEDIDに限られない。
【0067】
登録情報16は、携帯電話機1の接続相手機器を特定する情報と、その機器と通信接続されたときに実行すべき処理を示す情報とが対応付けられた情報である。登録情報16は、例えば図4のようなものであってもよい。
【0068】
図4は、登録情報16の一例を示す図である。図4の登録情報16には、登録情報に含まれる各レコードを管理するための管理番号と、各レコードに付与された登録名称と、接続相手機器を特定する情報であるVendor/ProductID及びSerialID(上述のシリアル番号に対応)と、登録動作とが含まれている。
【0069】
具体的には、同図の管理番号1のレコードには、「居間のTV」という名称が登録されている。すなわち、管理番号1のレコードは、図3のテレビ21に対応するレコードであることを想定している。したがって、管理番号1のレコードにおけるVendor/ProductID及びSerialIDのフィールドの値は、それぞれテレビ21の製品ID及びシリアル番号ということになる。また、管理番号1のレコードは、登録動作が「TVの電源ON」となっている。つまり、ここでは、携帯電話機1とテレビ21とを接続したときには、携帯電話機1は、テレビ21の電源をONにする制御を行うことを想定している。なお、テレビの制御は、CECメッセージを用いて行えばよい。
【0070】
また、管理番号2のレコードには、「寝室のTV」という名称が登録されている。すなわち、管理番号2のレコードは、図3のテレビ24に対応するレコードであることを想定している。したがって、管理番号2のレコードにおけるVendor/ProductID及びSerialIDのフィールドの値は、それぞれテレビ24の製品ID及びシリアル番号ということになる。
【0071】
また、管理番号2のレコードは、登録動作が「アラームに連動してテレビの電源ON」となっている。つまり、ここでは、携帯電話機1とテレビ24とを接続したときには、携帯電話機1は、自機に設定されているアラームに連動して、テレビ24の電源をONにすることを想定している。
【0072】
すなわち、携帯電話機1は、登録した時刻となったことを、音声を出力する等してユーザに報知するアラーム機能を備えていることを想定している。そして、「アラームに連動してTVの電源ON」の登録動作は、記憶部8に記憶されている時刻情報(アラームを鳴らす日時を示す情報)を読み出して、この時刻情報が示す時刻となったときに、テレビ24の電源をONにする動作であることを想定している。つまり、この場合には、携帯電話機1は、テレビの電源をONにする処理を、アラーム機能により設定された時刻に行う。これにより、携帯電話機1のユーザは、テレビの電源がONになることによって、アラーム登録した時刻となったことを認識することができる。なお、この時刻にアラームを鳴らす処理は省略してもよい。
【0073】
ここで、管理番号3のレコードは、登録名称が「未登録機器用」となっている。つまり、管理番号3のレコードは、Vendor/ProductID及びSerialIDが登録情報16に格納されていない機器と接続されたときに実行する処理を規定している。図示の例では登録動作が「動画リストを表示」となっており、これにより、携帯電話機1は、登録情報16に格納されていない機器と接続されたときには、自機が格納している動画のリストを、その接続相手機器に表示させる処理を行うことになる。なお、未登録機器用の動作は、登録情報16とは別に格納してもよい。
【0074】
〔登録動作の例〕
図4では、登録情報16に含まれる登録動作として、電源をONにする、アラームと連動した電源ONを行う、及び動画リストを表示するという動作を例示したが、登録動作はこれらの例に限られない。また、登録動作の実行タイミングは、接続相手機器との接続が確立されたタイミングに限られない。
【0075】
一例を挙げれば、携帯電話機1が備える他の機能に連動させたタイミングで、登録動作を実行するようにしてもよい。
【0076】
例えば、携帯電話機1が、日または日時とスケジュールとを登録し、登録した日または日時となったことをユーザに報知するスケジュール帳機能を備えている場合には、この機能により携帯電話機1に記憶された情報から特定される日または日時に登録動作を実行してもよい。また、この処理の実行の際に、登録されたスケジュールの内容に応じた制御(スケジュールの内容に含まれるチャンネル情報に従ってチャンネル設定する等)を行ってもよい。
【0077】
例えば、日時を示す時刻情報とテレビのチャンネルを示すチャンネル情報とが対応付けられたスケジュール情報が記憶部8に記憶されている場合、登録情報16にスケジュール機能と連動してテレビの電源をONにする旨、及びスケジュール内容に基づいてテレビのチャンネルを設定する動作を登録してもよい。そして、テレビの電源をONにする登録動作を、上記時刻情報が示す日時に行い、かつ、テレビのチャンネルを上記チャンネル情報が示すチャンネルに設定してもよい。
【0078】
また、携帯電話機1が予め定めた動作を行ったとき登録動作を実行してもよい。例えば、登録動作としてテレビの音量を下げる動作を登録しておいた場合に、携帯電話機1に電話の着信があったときに、つまり携帯電話機1が電話の着信に関する処理を行ったときにこの動作等を実行してもよい。
【0079】
これにより、携帯電話機1のユーザは、テレビの音声に邪魔されずに、通話を行うことができる。これは、例えば自室のテレビのように、携帯電話機1の所有者以外の者が見ている可能性の低いテレビの登録動作として適用することが考えられる。無論、登録動作実行の契機となる携帯電話機1の動作はこの例に限られず、例えば電話の発信動作等を適用することもできる。
【0080】
さらに、携帯電話機1の動作を制限する動作(処理)を登録してもよい。例えば、着信音の音量を下げる処理や、着信音を出力しないようにする処理を登録してもよい。また、着信音に限られず、ボタン操作音等、携帯電話機1が発する全ての音の音量を下げる処理や、音声出力を行わないようにする処理を登録してもよい。これにより、携帯電話機1が発する音によって、同じテレビを見ている他者の視聴を妨げることを防ぐことができる。これは、例えば居間のテレビのように、携帯電話機1の所有者以外の者も見ている可能性の高いテレビの登録動作として適用することが考えられる。
【0081】
また、図4では、未登録機器用の設定動作として、動画再生リストを表示する例を示したが、未登録機器用の設定動作はこの例に限られない。例えば、携帯電話機1において、最近再生された動画を再生し、これによって生成された映像信号をテレビに送信する動作を登録してもよい。また、例えば、登録情報16の登録名称や登録動作を登録するための登録用画面を表示してもよい。この登録用画面では、テレビに実行させる動作のリストを表示してユーザに選択させてもよく、動作が選択されたときには、その動作を当該テレビと対応付けて登録してもよい。また、動作が選択されたときには、その動作を当該テレビに実行させてもよい。
【0082】
さらに、Vendor/ProductIDが一致し、SerialIDが一致しなかった場合に携帯電話機1が実行する動作がVendor/ProductID毎に登録されていてもよい。Vendor/ProductIDにより、接続相手機器がどのような製品であるかを特定することができるので、製品に応じた動作を登録しておくことによって、携帯電話機1は、より適切な動作を実行することが可能になる。
【0083】
〔携帯電話機1が実行する処理の流れ:動作登録処理〕
続いて、登録情報16の生成・更新に関する動作登録処理の流れを図5に基づいて説明する。図5は、携帯電話機1が実行する動作登録処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、携帯電話機1のユーザが入力キー3を操作して、動作登録モードとしたことをトリガとして動作登録処理が開始されることを想定している。
【0084】
動作登録モードとなった携帯電話機1では、接続処理部11がHDMIケーブルを介した接続を待ち受ける(S1)。つまり、接続処理部11は、HDMIコネクタ4に、HDMIケーブルが挿されたことを検知する状態となる。
【0085】
ここで、HDMIコネクタ4に、HDMIケーブルが挿されたこと、つまり、HDMIケーブルを介して他の機器と接続されたことを検知した場合(S1でYES)には、接続処理部11は、その接続相手機器のEDIDを自機に読み込み、EDID格納部15に格納する(S2)。なお、接続相手機器からのEDID読み込みについては、〔背景技術〕に記載したとおりであるから、ここでは説明を省略する。
【0086】
また、動作登録モードとなった携帯電話機1では、登録情報生成部13が、機器特定部12に接続相手機器を特定するように指示する。そして、この指示を受けた機器特定部12は、EDID格納部15に格納されているS2で格納されたEDIDを解析し、Vendor/ProductID及びSerialIDを取得し(S3)、これらのIDを登録情報生成部13に送信する。
【0087】
次に、Vendor/ProductID及びSerialIDを受信した登録情報生成部13は、受信したVendor/ProductID及びSerialIDが登録情報16に含まれているか否かを確認する(S4)。
【0088】
ここで、登録されていないことが確認された場合(S4でNO)には、登録情報生成部13は、S7の処理に進む。一方、登録されていることが確認された場合(S4でYES)には、登録情報生成部13は、登録されている情報を表示部2に表示する(S5)。なお、登録情報の表示態様は、ユーザが登録情報の内容を認識できるようなものであればよく、特に限定されない。例えば、登録名称と、登録されている動作とを対応付けて表示する等の態様であってもよい。
【0089】
続いて、登録情報生成部13は、登録情報の修正の有無を確認する(S6)。例えば、登録情報生成部13は、修正を行うか否かをユーザに問い合わせるメッセージと、修正の可否をユーザに選択させるためのものであり、入力キー3で選択可能な選択キーとを表示部2に表示させて、登録情報の修正の有無を確認してもよい。
【0090】
ここで、修正を行わないことが確認された場合(S6でNO)には、登録情報生成部13は、動作登録処理を終了する。一方、修正を行うことが確認された場合(S6でYES)には、登録情報生成部13は、S7の処理に進む。
【0091】
S7では、登録情報生成部13は、ユーザに登録名称を入力させ、入力された登録名称を、S3で取得したVendor/ProductID及びSerialIDの機器の登録名称として設定する。例えば、登録情報生成部13は、登録名称を入力させるための画面を表示して、ユーザに登録名称を入力させてもよい。また、予め複数の登録名称を登録しておき、その中からユーザに登録名称を選択させてもよい。
【0092】
続いて、登録情報生成部13は、接続検知時に実行する動作(登録動作)をユーザに選択させ、選択された登録動作を、S3で取得したVendor/ProductID及びSerialIDの機器の登録動作として設定する(S8)。例えば、登録情報生成部13は、予め登録された複数の登録動作の中から、S3で取得したVendor/ProductID及びSerialIDの機器の登録動作を選択させるための登録画面を表示して、ユーザに登録動作を選択させてもよい。なお、1つの機器に設定する登録動作は複数であっても構わない。
【0093】
そして、登録情報生成部13は、上記のようにして設定した登録情報を保存する(S9)。具体的には、登録情報生成部13は、S7で設定した登録名称と、S8で設定した登録動作と、S3で取得されたVendor/ProductID及びSerialIDとを対応付けた登録情報のレコードを、記憶部8の登録情報16に追加する。これにより、動作登録処理は終了する。
【0094】
〔携帯電話機1が実行する処理の流れ:登録動作実行処理〕
続いて、携帯電話機1が登録情報16に基づく動作を実行する登録動作実行処理の流れを図6に基づいて説明する。図6は、携帯電話機1が実行する登録動作実行処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、動作登録モードに設定されていない状態において、登録動作実行処理が行われることを想定している。
【0095】
動作登録モードとなっていない携帯電話機1においても、接続処理部11は、HDMIケーブルを介した接続を待ち受けている(S20)。ここで、HDMIコネクタ4に、HDMIケーブルが挿されたこと、つまり、HDMIケーブルを介して他の機器と接続されたことを検知した場合(S20でYES)には、接続処理部11は、その接続相手機器のEDIDを自機に読み込み、EDID格納部15に格納する(S21)。
【0096】
ここで、動作登録モードに設定されていない状態では、登録動作実行部14が、機器特定部12に接続相手機器を特定するように指示する。そして、この指示を受けた機器特定部12は、EDID格納部15に格納されているEDIDのうち、S21で格納されたEDIDを解析し、Vendor/ProductID及びSerialIDを取得し(S22)、これらのIDを登録動作実行部14に送信する。
【0097】
次に、Vendor/ProductID及びSerialIDを受信した登録動作実行部14は、受信したVendor/ProductID及びSerialIDが登録情報16に含まれているか否か(受信したVendor/ProductID及びSerialIDと一致するVendor/ProductID及びSerialIDが登録情報16に含まれているか否か)を確認する(S23)。
【0098】
ここで、登録されていることが確認された場合(S23でYES)には、登録動作実行部14は、登録情報16を検索して(S24)、S22で取得されたVendor/ProductID及びSerialIDに対応付けられている登録動作を特定し、特定した登録動作を実行する(S25)。なお、アラーム等の機能と連動する旨の情報や携帯電話機1の動作に連動する旨の情報が登録されている場合には、これらの情報に基づいたタイミングで登録動作を実行する。これにより、登録動作実行処理は終了する。
【0099】
一方、S23において、S22で取得されたVendor/ProductID及びSerialIDが登録されていないことが確認された場合(S23でNO)には、登録動作実行部14は、未登録機器用動作を実行する(S26)。具体的には、登録動作実行部14は、登録情報16を参照して、未登録機器に対応付けられている登録動作を特定し、特定した登録動作を実行する。これにより、登録動作実行処理は終了する。
【0100】
また、上記では、接続相手機器のVendor/ProductID及びSerialIDが登録情報16に含まれていない場合に、未登録機器用動作を実行する例を示したが、この例に限られない。例えば、登録動作実行部14は、充電台経由でなく接続されていることを検知した場合に、未登録機器用動作を実行してもよい。また、例えば、予め自宅等の位置情報を登録しておき、GPS等によって取得した携帯電話機1の現在位置が、予め登録した上記位置情報が示す位置と一致しないことを検知した場合に、未登録機器用動作を実行してもよい。さらに、例えば、予め登録されたスケジュール情報を参照して、現在の時刻におけるスケジュールを特定し、そのスケジュールから、現在携帯電話機1が自宅にないと判断した場合に、未登録機器用動作を実行してもよい。
【0101】
また、検知した事象に応じた動作が登録されていてもよい。つまり、未登録の機器と接続されたときに実行する処理と、充電台等の所定の機器を経由した接続であると検知した場合等に実行する処理とは、異なる処理であってもよい。
【0102】
なお、充電台経由の接続であるか否かは、充電のための通電が行われているか否かを確認することによって検知することができる。また、携帯電話機1が自宅にあるか否かを携帯電話機1に格納されている情報から判断する方法としては、例えば携帯電話機1の所有者情報として格納されている住所と、GPS等の現在位置取得手段で取得した現在位置とが一致するか確認する方法が挙げられる。さらに、例えば、Wi−Fi(登録商標)等の通信アクセスポイントを携帯電話機1に登録しておき、登録されているアクセスポイントからの無線信号が取得できるか否かを確認することによって、当該アクセスポイント近辺の機器に応じた処理を行うようにすることも考えられる。
【0103】
〔変形例〕
上述の実施形態では、本発明を携帯電話機に適用した例を示したが、本発明は、携帯電話機に限られず、通信機能を有する任意の電子機器に適用することができる。例えば、HDMIの接続端子を有するデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistance)、スマートフォン、ゲーム機等に適用することもできるし、HDMI以外の有線または通信インタフェースを備える電子機器にも適用可能である。
【0104】
また、上述の実施形態では、携帯電話機1の接続相手機器がテレビである例を示したが、接続相手機器は、該機器を特定するための情報を格納しているものであればよく、テレビに限られない。例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA等の機器であってもよいし、その機器を特定するための情報を格納しているものであれば、表示装置、スピーカのような出力装置であってもよい。
【0105】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0106】
最後に、携帯電話機1の各ブロック、特に制御部7は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0107】
後者の場合、携帯電話機1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0108】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0109】
また、携帯電話機1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、通信機能を有する電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 携帯電話機(電子機器)
11 接続処理部(特定情報取得手段)
12 機器特定部(機器特定手段)
13 登録情報生成部
14 登録動作実行部(処理実行手段、機器介在判断手段)
15 EDID格納部
16 登録情報(設定情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線または無線にて通信接続された相手機器と通信する電子機器であって、
上記相手機器が格納している、該相手機器を特定する機器特定情報を、上記通信接続を介して取得する特定情報取得手段と、
上記特定情報取得手段が取得した上記機器特定情報を用いて、自機と通信接続している相手機器を特定する機器特定手段と、
相手機器ごとに自機が実行する処理が設定された設定情報を参照して、上記機器特定手段が特定した上記相手機器に設定された処理を実行する処理実行手段とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記相手機器と自機との接続が、予め定めた機器を介した接続であるか否かを判断する機器介在判断手段を備え、
上記処理実行手段は、上記機器介在判断手段が、上記相手機器と自機との接続が予め定めた機器を介した接続であると判断した場合に、当該場合に実行する処理が設定された情報を参照して、該情報に設定された処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記処理実行手段は、上記機器特定手段が特定した相手機器が、上記設定情報に含まれていない場合に、上記設定情報に含まれていない機器について予め設定された処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
設定された時刻にアラームを鳴らすアラーム機能を備え、
上記処理実行手段は、アラームの時刻として設定された時刻に、上記設定情報に設定された処理を実行することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
設定された日または日時となったことを自機のユーザに報知するスケジュール管理機能を備え、
上記処理実行手段は、上記スケジュール管理機能により設定された日または日時に、上記設定情報に設定された処理を実行することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
上記処理実行手段は、自機が予め定められた動作を行ったタイミングで、上記設定情報に設定された処理を実行することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
上記相手機器との通信接続は、HDMIを介したものであり、
上記特定情報取得手段は、上記相手機器が格納しているEDIDを上記機器特定情報として取得し、
上記機器特定手段は、上記EDIDのVendor/ProductIDのブロックに含まれる情報で相手機器を特定することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
有線または無線にて通信接続された相手機器と通信する電子機器の制御方法であって、
上記相手機器が格納している、該相手機器を特定する機器特定情報を、上記通信接続を介して取得する特定情報取得ステップと、
上記特定情報取得ステップで取得した上記機器特定情報を用いて、自機と通信接続している相手機器を特定する機器特定ステップと、
相手機器ごとに自機が実行する処理が設定された設定情報を参照して、上記機器特定ステップで特定した上記相手機器に設定された処理を実行する処理実行ステップとを含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項9】
請求項1から7の何れか1項に記載の電子機器を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−79220(P2012−79220A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225735(P2010−225735)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】