電子機器、電子機器制御プログラム及び電子機器制御方法
【課題】余興効果を発生させ、興趣性を高めることができるようにする。
【解決手段】観客Yが6種類のカードの中から1種類のカードを選択すると、演者Xは、腕時計1の押しボタンスイッチを操作して乱数を発生させ表示部5に表示させる。この発生させた乱数の数値を見てこの数値を当たり番号として覚え、この数値が示す順序、例えば数値が「2」であったならば、左から2番目にして6種類のカードT1〜T6を並べる。表示部5にNO.1〜NO.6を順次表示し、演者は(番号)NO.が表示される都度、対応するカードを腕時計に見せる演技を行う。NO.2が表示されて、演者Xが左から2番目のカードを腕時計に見せている時に、当たり番号の報知がなされる。このトリックを知らない、観客Yは自分が選択したカードを腕時計が当てたと錯覚し、驚愕する。
【解決手段】観客Yが6種類のカードの中から1種類のカードを選択すると、演者Xは、腕時計1の押しボタンスイッチを操作して乱数を発生させ表示部5に表示させる。この発生させた乱数の数値を見てこの数値を当たり番号として覚え、この数値が示す順序、例えば数値が「2」であったならば、左から2番目にして6種類のカードT1〜T6を並べる。表示部5にNO.1〜NO.6を順次表示し、演者は(番号)NO.が表示される都度、対応するカードを腕時計に見せる演技を行う。NO.2が表示されて、演者Xが左から2番目のカードを腕時計に見せている時に、当たり番号の報知がなされる。このトリックを知らない、観客Yは自分が選択したカードを腕時計が当てたと錯覚し、驚愕する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マジック機能を有する電子機器、電子機器制御プログラム及び電子機器制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日においては、腕時計や携帯電話機等の表示機能を備えた各種電子機器が出現するに至っており、一方、トリック手品具(例えば、特許文献1参照。)等の、各種手品専用具も出現するに至っている。
【特許文献1】特開平3−33776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、トリック手品具等の各種手品専用具を用いれば、手品を実演することができ、余興効果を発生させることができる。しかしながら、従来の各種電子機器にあっては、専ら機器本来の機能を発生させることを主眼とするものであることから、これを用いて余興効果を発生させたり、当該機器の興趣性を高めさせたりすることはできない。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、余興効果を発生させたり、興趣性を高めたりさせることのできる電子機器、電子機器制御プログラム及び電子機器制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係る電子機器にあっては、予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明に係る電子機器にあっては、前記第1の表示制御手段が表示させた前記数値を消去する消去制御手段を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明に係る電子機器にあっては、前記ランダム数発生手段は、最小値「1」から前記最大値までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明に係る電子機器にあっては、前記ランダム数発生手段は、最小値「2」から「最大値−1」までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明に係る電子機器にあっては、前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させ、前記判断手段は、前記複数回における最終回において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6記載の発明に係る電子機器にあっては、前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させる際に、各回の表示を終了する毎に、予め定められたインターバル時間をおいて、次の回の表示を開始することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の発明に係る電子機器にあっては、前記インターバル時間において、経時的に変化する表示を実行させる第3の表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項8記載の発明に係る電子機器制御プログラムにあっては、表示手段を備える電子機器が有するコンピュータを、予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段として機能させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項9記載の発明に係る電子機器制御方法にあっては、表示手段を備える電子機器の制御方法であって、予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生ステップと、このランダム数発生ステップで発生した数値を表示させる第1の表示制御ステップと、前記ランダム数発生ステップで発生した数値を記憶する記憶ステップと、予め定められている操作の有無を判断する第1の判断ステップと、この第1の判断ステップにより前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御ステップと、この第2の表示ステップ制御ステップが前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶ステップに記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断ステップと、この第2の判断ステップにより前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る電子機器によれば、当該電子機器を用いて、複数の選択対象から観客が選択した対象を当てるマジックを実演することができる。よって、これを用いて余興効果を発生させたり、当該機器の興趣性を高めさせたりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本発明の一実施の形態を適用した腕時計の外観構成を示す平面図である。
【0016】
この腕時計1は、時計本体部2とこの時計本体部2の両側に係着されたリストバンド3、4とを有している。時計本体部2の上面中央部には、LCD等で構成される表示部5が設けられており、両側部には押下によりスイッチがオン(ON)となる押釦スイッチ6〜9が2個ずつ配置されている。
【0017】
図2は、前記時計本体部2内に配置された回路の構成を示すブロック図である。
【0018】
発振回路10は基本周波数のクロック信号を生成する回路であり、生成したクロック信号を分周回路11に出力する。分周回路11はそのクロック信号を分周して1Hzの計時信号を作成し、時刻計数回路12に出力する。時刻計数回路12は時、分、秒のカウンタを有しており、1Hzの計時信号を計数して得られた時、分、秒の時刻データをCPU14に出力する。また時刻計数回路12は24時間毎の日キャリー信号を日付計数回路13に出力し、日付計数回路13はその日キャリー信号を計数して得た日付データをCPU14に出力する。入力部15は、前記押釦スイッチ6〜9を有しており、これらの操作信号をCPU14に出力する。
【0019】
CPU14は、乱数発生部19を有しており、ROM16に記憶されている各種プログラムを解読し、RAM17をワークエリアとして使用しつつ、時刻表示処理や後述するフローチャートに示す処理等を実行する中央処理部である。前記表示部5は、CPU14から出力される現在時刻データあるいは表示データに基づいて表示素子を駆動してそれらのデータを表示する。表示部5の下面側には、EL22が積層されており、CPU14はこのEL22の点滅動作を制御するとともに、音出力部18の放音動作を制御する。
【0020】
図3は、前記ROM16のメモリ構成を示す概念図である。
【0021】
ROM16には前記プログラムを格納するプログラム記憶領域161、後述する表示例に示す各種文字や画像を表示するための画像データを格納する画像データ格納領域162等が設けられている。
【0022】
図4は、前記RAM17のメモリ構成を示す概念図である。
【0023】
RAM17には、前記乱数発生部19が発生させた乱数の数値を当たり番号として記憶する乱数記憶部171が設けられている。なお、本実施の形態においては、乱数は最小値「1」から最大値「6」までの間における数値のいずれかである。
【0024】
次に、以上の構成に係る本実施の形態の動作を、選択対象当てマジックを行う演者Xと観客Yの動作とともに説明する。
【0025】
演者Xは、このマジックを行うに際して、6種類の品物を用意する。本実施の形態においては、トランプから無作為に選んだ6種類の6枚のトランプカードを品物として用いる。この6枚のカードT1〜T6は、例えば「ハートの3」、「ダイヤの5」、「ハートの8」、「ダイヤの9」「スペードの10」、「クラブの12」とする。なお、品物としては、これらに限ることなく、6種類のコイン、6種類の色鉛筆や6種類の色紙を用いてもよい。
【0026】
一方、演者Xが所有する腕時計1は、時計モードにおいては、表示部5に現在時刻を表示させている。この状態から、演者Xがこの腕時計1を用いて観客Yの目前で対象当てマジックを行うべく、押釦スイッチ6を操作すると、時計モードからマジックモードに移行し、CPU14はプログラムに従って図5のフローチャートに示す処理を実行する。
【0027】
先ず、乱数発生部19を動作させて1〜6のいずれかの数値からなる乱数を生成する(ステップS1)。また、この発生させた乱数を、表示部5に表示させるとともに(ステップS2)、RAM17の乱数記憶部171に各々記憶する(ステップS3)。ステップS2での処理により、図6(A)に示すように、表示部5には「READY」の文字の上部に乱数「2」が予め定められている時間(例えば、1秒間)表示される。演者Xは、その時間内に、この乱数「2」を見て、この乱数の数値「2」を当たり番号として覚える。ここが本件のトリックになる部分である。
【0028】
しかる後に、この表示させた乱数の数値「2」は1秒間が経過したら表示部5から消去する(ステップS4)。これにより、図6(B)に示すように、乱数「2」が消去されることから、乱数「2」が表示され続けられて、この乱数「2」を見た観客Yが表示されている乱数に対して疑いを抱くことを防止することができる。
【0029】
一方、乱数「2」を自分の頭の中に覚えたあとに、演者Xは、図6(B)に示すように、乱数「2」が消去されてから、観客Yに対して、腕時計1を見せる一方で、前述した6枚のカード「ハートの3」、「ダイヤの5」、「ハートの8」、「ダイヤの9」「スペードの10」、「クラブの12」を呈示して、観客Yに対して「この6枚のカードの中から好きなカードを選んで下さい」と発言する。これに応じて、観客Yは例えば「ハート3」を選んだとする。すると、前記乱数「2」を自分の頭の中に覚えている演者Xは、図8(A)に示すように、観客Yの選んだ「ハート3」(斜線で示す)を当たり番号である乱数の数値「2」と同じ番目、すなわち、左から2番目にして、「スペードの10」、「ハートの3」、「ダイヤの5」、「クラブの12」、「ハートの8」、「ダイヤの9」の順序で、テーブル等の上に置いてある腕時計1の前にさりげなく並べる。ここが本件のトリックになる部分である。
【0030】
このように、「ハートの3」を左から2番目にして6枚のカードT1〜T6を並べ終わったならば、演者Xは押釦スイッチ8を操作する。これにより、ステップS5の判断がYESとなり、ステップS5からステップS6に進み、タイトル表示を行う。本実施の形態マジックは、6枚のカード等の中から観客が選んだ1枚のカード等を腕時計1が当てるマジックであり、「SIXTH SENSE」なるタイトルである。したがって、前記ステップS5の処理により、図6(C)に示すように、「SIXTH」の文字と「SENSE」文字とを表示部5に交互に切り換えてタイトル表示を行う。
【0031】
引き続き、マジック・アイのアニメーションとアイテム番号表示1〜6までの数値との表示処理を実行する(ステップS7)。このステップS7の処理は、図6(D)〜図7(I)に示すように、アイテムの番号表示である「NO.1〜6」とマジック・アイのアニメーションである「[◇]」とを予め定められた時間間隔(例えば、数秒間隔)で、「NO.1」〜「NO.6」まで順番に行う表示処理である。したがって、表示部5には、「NO.1」、「NO.2」、「NO.3」、「NO.4」、「NO.5」、「NO.6」のアイテム番号が予め定められた時間間隔で表示される。
【0032】
演者Xは、この表示された番号に合わせて、「これですか?」の発言を伴いつつ、アイテム番号「NO.1」が表示部5に表示されたタイミングで図8(B)に示すように、左から1番目のカードT1「スペードの10」を摘持して、その表面側(スペードの10の図柄が印刷されている面)を腕時計1上に翳して、恰も腕時計1にカードT1のスペードの10の図柄を見せているような演技を行う。
【0033】
同様にして、アイテム番号「NO.2」が表示部5に表示されたタイミングで図9(A)に示すように、左から2番目のカードT2「ハートの3」を腕時計1に見せる演技を行い、アイテム番号「NO.3」が表示されたタイミングで図9(B)に示すように、左から3番目のカードT3「ダイヤの5」を腕時計1に見せる演技を行い、アイテム番号「NO.4」が表示されたタイミングで図10(E)に示すように、左から4番目のカードT4「クラブの12」を腕時計1に見せる演技を行う。また、アイテム番号「NO.5」が表示されたタイミングで図10(F)に示すように、左から5番目のカードT5「ハートの8」を腕時計1に見せる演技を行い、アイテム番号「NO.6」が表示されたタイミングで図11(G)に示すように、左から6番目のカードT6「ダイヤの9」を腕時計1に見せる演技を行う。なお、図8(A)から図11(G)中における「NO.1」、「NO.2」、「NO.3」、「NO.4」、「NO.5」、「NO.6」は、表示部5に表示されたアイテム番号を示している。
【0034】
このようにして、6枚のカードT1〜T6全てを腕時計1に見せる演技を行ったならば、図7(J)に示すように、演者Xは「これで、すべてのカードを時計に見せました。今、時計が6枚のカードを解析中です。」と発言する。
【0035】
他方、腕時計1は、後述する次の回の番号表示を行う前に、ステップS7に続くステップS8において、前記番号表示の切り替えタイミングよりも長い所定時間をもってインターバル表示を実行する。このステップS8での処理により、図7(J)に示すように、三角形の図形の個数が1個から順次増加し、また1個から順次増加する(図示は、5個まで増加した状態)インターバル表示が繰り返えされる。
【0036】
したがって、次の回の番号表示を行う前に、インターバル表示のための時間があることにより、恰も時計が思考しているような演出効果を発生させることができるとともに、経時的に変化するインターバル表示により前記演出効果を高めることができる。
【0037】
そして、ステップS8でのインターバル表示が終了したならば、再実行表示を行う(ステップS9)。このステップS9での処理により、図7(K)に示すように、表示部5に「AGAIN」の文字を表示させる。この「AGAIN」の文字を見た演者Xは、「解析完了です。もう一度カードを見せていきます。」と発言する。
【0038】
また、腕時計1は、前記ステップS9での処理に続いて、NO.に「1」を設定して(ステップS10)、この設定したNO.1で前述したステップS7と同様の、マジック・アイのアニメーションとアイテムの番号表示とを行う(ステップS11)。したがって、このステップS11での処理により、前述した図6(D)と同様に、アイテムの番号表示「NO.1」とマジック・アイのアニメーション「[◇]」とが所定時間表示される。このとき、演者Xは、前述と同様に、この表示される番号に合わせて、「これですか?」の発言を伴いつつ、図8(B)に示すように、左から1番目のカードT1「スペードの10」を摘持して、恰も腕時計1にカードT1を見せているような演技を行う。
【0039】
次に、前記ステップS3でRAM17の乱数記憶部171に記憶した乱数と前記ステップS10で設定した番号(NO.)、つまりRAM17の乱数記憶部171に記憶した乱数と表示部5に表示されている番号とが一致するか否かを判断する(ステップS12)。この判断がNOであって、乱数記憶部171に記憶した乱数と表示部5に表示されている番号とが一致しない場合には、番号(NO.)をインクリメントして(ステップS13)、ステップS11の処理を実行する。したがって、ステップS12の判断がNOである間は、前述と同様にして、表示部5には、「NO.2」、「NO.3」、「NO.4」、「NO.5」、「NO.6」が予め定められたタイミングで表示され、演者Xは、これら番号が表示されるタイミングで対応するカードを時計に見せる演技を行う。
【0040】
しかし、本実施の形態においては、乱数は「2」であったことから、ステップS13でNO.=2が設定され、このために、ステップS11において表示部5に「NO.2」が表示されると、ステップS12の判断がYESとなる。この時、演者Xが左から2番目の「ハートの3」を腕時計1に見せる演技を行っている際である。したがって、ステップS12からステップS14に進み、音出力部18からアラーム音である電子音を発生させ、表示部5「THIS!」を表示させるとともに、表示部5の下方に設けられているEL22を点滅表示させる。このステップS14での処理により、図7(L)に示すように、表示部5に「THIS!」の文字が表示されるとともに、この文字がEL22により点滅し、かつ、電子音が発生し、観客Yが選択した「ハートの3」を腕時計が当てた驚愕を誇張する演出を行うことができる。
【0041】
このように、このマジックにおいては、演者はマジック開始直後に表示部5に表示された乱数の数値(たとえば、「2」)を見て、その数値「2」を覚え込み、ユーザが選択した種類のカードを、乱数が示す数値に対応する番目(この例では2番目)の位置にさりげなく並べて前述した演技を行うことにより、簡単に選択対象当てマジックを行うことができる。よって、腕時計1を用いて余興効果を発生させたり、当該機器(腕時計1)の興趣性を高めさせたりすることができる。
【0042】
無論、ステップS1において、1〜6の数値をランダムに発生させることから、このマジックを同一の観客Yの前で複数回行っても、カードを並べた際に観客Yが選択したカードの配置位置が異なることから、トリックを見破られることはない。
【0043】
しかも、本実施の形態においては、1回目にNO.1〜NO.6の表示を行った際には、選択対象を当てることなく、2回目にNO.1からの表示を行った際に、選択対象を当てることから、恰も腕時計1が思考しているような演出効果を発生させることができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、このように、1回目にNO.1〜NO.6の表示を行った際には、選択対象を当てることなく、2回目にNO.1からの表示を行った際に、選択対象を当てるようにしたが、1回目にNO.1〜NO.6の表示を行った際に、ステップS12の判断を行って選択対象を当てるようにしてもよい。この場合、ステップS1で発生させる乱数は、最小値「2」から「最大値−1」までの間、本実施の形態においては、NO.1とNO.6を除く、NO.2〜NO.5であることが好ましい。つまり、最初のNO.1と最後のNO.6とが当たりであると、観客Yにマジックに対する不信感や懐疑心が生ずるが、その中間的な値NO.2〜NO.5であれば、観客Yのマジックに対する不信感や懐疑心を未然に防止することができる。
【0045】
また、本実施の形態においては、NO.1〜NO.6の6種類のカード等を用いる場合を示したが、NO.に対応するカード等の種類はこれより多くても少なくてもよい。さらに、実施の形態においては、本発明を腕時計に適用した場合を示したが、これに限ることなく、マジック専用機器として構成したり、携帯電話機等の他の電子機器に適用したりするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態に係る腕時計の外観構成図である。
【図2】同腕時計の回路構成を示すブロック図である。
【図3】ROMのメモリ構成図である。
【図4】RAMのメモリ構成図である。
【図5】本実施の形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施の形態の表示遷移図である。
【図7】図6に続く表示遷移図である。
【図8】演者のカード操作手順を示す図である。
【図9】図8に続く演者のカード操作手順を示す図である。
【図10】図9に続く演者のカード操作手順を示す図である。
【図11】図10に続く演者のカード操作手順を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 腕時計
2 時計本体部
3 リストバンド
5 表示部
6〜9 押釦スイッチ
8 押釦スイッチ
14 CPU
15 入力部
16 ROM
17 EL
17 RAM
18 音出力部
19 乱数発生部
22 EL
161 プログラム記憶領域
162 画像データ格納領域
171 乱数記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、マジック機能を有する電子機器、電子機器制御プログラム及び電子機器制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日においては、腕時計や携帯電話機等の表示機能を備えた各種電子機器が出現するに至っており、一方、トリック手品具(例えば、特許文献1参照。)等の、各種手品専用具も出現するに至っている。
【特許文献1】特開平3−33776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、トリック手品具等の各種手品専用具を用いれば、手品を実演することができ、余興効果を発生させることができる。しかしながら、従来の各種電子機器にあっては、専ら機器本来の機能を発生させることを主眼とするものであることから、これを用いて余興効果を発生させたり、当該機器の興趣性を高めさせたりすることはできない。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、余興効果を発生させたり、興趣性を高めたりさせることのできる電子機器、電子機器制御プログラム及び電子機器制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係る電子機器にあっては、予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明に係る電子機器にあっては、前記第1の表示制御手段が表示させた前記数値を消去する消去制御手段を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明に係る電子機器にあっては、前記ランダム数発生手段は、最小値「1」から前記最大値までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明に係る電子機器にあっては、前記ランダム数発生手段は、最小値「2」から「最大値−1」までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明に係る電子機器にあっては、前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させ、前記判断手段は、前記複数回における最終回において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6記載の発明に係る電子機器にあっては、前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させる際に、各回の表示を終了する毎に、予め定められたインターバル時間をおいて、次の回の表示を開始することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の発明に係る電子機器にあっては、前記インターバル時間において、経時的に変化する表示を実行させる第3の表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項8記載の発明に係る電子機器制御プログラムにあっては、表示手段を備える電子機器が有するコンピュータを、予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段として機能させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項9記載の発明に係る電子機器制御方法にあっては、表示手段を備える電子機器の制御方法であって、予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生ステップと、このランダム数発生ステップで発生した数値を表示させる第1の表示制御ステップと、前記ランダム数発生ステップで発生した数値を記憶する記憶ステップと、予め定められている操作の有無を判断する第1の判断ステップと、この第1の判断ステップにより前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御ステップと、この第2の表示ステップ制御ステップが前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶ステップに記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断ステップと、この第2の判断ステップにより前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る電子機器によれば、当該電子機器を用いて、複数の選択対象から観客が選択した対象を当てるマジックを実演することができる。よって、これを用いて余興効果を発生させたり、当該機器の興趣性を高めさせたりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本発明の一実施の形態を適用した腕時計の外観構成を示す平面図である。
【0016】
この腕時計1は、時計本体部2とこの時計本体部2の両側に係着されたリストバンド3、4とを有している。時計本体部2の上面中央部には、LCD等で構成される表示部5が設けられており、両側部には押下によりスイッチがオン(ON)となる押釦スイッチ6〜9が2個ずつ配置されている。
【0017】
図2は、前記時計本体部2内に配置された回路の構成を示すブロック図である。
【0018】
発振回路10は基本周波数のクロック信号を生成する回路であり、生成したクロック信号を分周回路11に出力する。分周回路11はそのクロック信号を分周して1Hzの計時信号を作成し、時刻計数回路12に出力する。時刻計数回路12は時、分、秒のカウンタを有しており、1Hzの計時信号を計数して得られた時、分、秒の時刻データをCPU14に出力する。また時刻計数回路12は24時間毎の日キャリー信号を日付計数回路13に出力し、日付計数回路13はその日キャリー信号を計数して得た日付データをCPU14に出力する。入力部15は、前記押釦スイッチ6〜9を有しており、これらの操作信号をCPU14に出力する。
【0019】
CPU14は、乱数発生部19を有しており、ROM16に記憶されている各種プログラムを解読し、RAM17をワークエリアとして使用しつつ、時刻表示処理や後述するフローチャートに示す処理等を実行する中央処理部である。前記表示部5は、CPU14から出力される現在時刻データあるいは表示データに基づいて表示素子を駆動してそれらのデータを表示する。表示部5の下面側には、EL22が積層されており、CPU14はこのEL22の点滅動作を制御するとともに、音出力部18の放音動作を制御する。
【0020】
図3は、前記ROM16のメモリ構成を示す概念図である。
【0021】
ROM16には前記プログラムを格納するプログラム記憶領域161、後述する表示例に示す各種文字や画像を表示するための画像データを格納する画像データ格納領域162等が設けられている。
【0022】
図4は、前記RAM17のメモリ構成を示す概念図である。
【0023】
RAM17には、前記乱数発生部19が発生させた乱数の数値を当たり番号として記憶する乱数記憶部171が設けられている。なお、本実施の形態においては、乱数は最小値「1」から最大値「6」までの間における数値のいずれかである。
【0024】
次に、以上の構成に係る本実施の形態の動作を、選択対象当てマジックを行う演者Xと観客Yの動作とともに説明する。
【0025】
演者Xは、このマジックを行うに際して、6種類の品物を用意する。本実施の形態においては、トランプから無作為に選んだ6種類の6枚のトランプカードを品物として用いる。この6枚のカードT1〜T6は、例えば「ハートの3」、「ダイヤの5」、「ハートの8」、「ダイヤの9」「スペードの10」、「クラブの12」とする。なお、品物としては、これらに限ることなく、6種類のコイン、6種類の色鉛筆や6種類の色紙を用いてもよい。
【0026】
一方、演者Xが所有する腕時計1は、時計モードにおいては、表示部5に現在時刻を表示させている。この状態から、演者Xがこの腕時計1を用いて観客Yの目前で対象当てマジックを行うべく、押釦スイッチ6を操作すると、時計モードからマジックモードに移行し、CPU14はプログラムに従って図5のフローチャートに示す処理を実行する。
【0027】
先ず、乱数発生部19を動作させて1〜6のいずれかの数値からなる乱数を生成する(ステップS1)。また、この発生させた乱数を、表示部5に表示させるとともに(ステップS2)、RAM17の乱数記憶部171に各々記憶する(ステップS3)。ステップS2での処理により、図6(A)に示すように、表示部5には「READY」の文字の上部に乱数「2」が予め定められている時間(例えば、1秒間)表示される。演者Xは、その時間内に、この乱数「2」を見て、この乱数の数値「2」を当たり番号として覚える。ここが本件のトリックになる部分である。
【0028】
しかる後に、この表示させた乱数の数値「2」は1秒間が経過したら表示部5から消去する(ステップS4)。これにより、図6(B)に示すように、乱数「2」が消去されることから、乱数「2」が表示され続けられて、この乱数「2」を見た観客Yが表示されている乱数に対して疑いを抱くことを防止することができる。
【0029】
一方、乱数「2」を自分の頭の中に覚えたあとに、演者Xは、図6(B)に示すように、乱数「2」が消去されてから、観客Yに対して、腕時計1を見せる一方で、前述した6枚のカード「ハートの3」、「ダイヤの5」、「ハートの8」、「ダイヤの9」「スペードの10」、「クラブの12」を呈示して、観客Yに対して「この6枚のカードの中から好きなカードを選んで下さい」と発言する。これに応じて、観客Yは例えば「ハート3」を選んだとする。すると、前記乱数「2」を自分の頭の中に覚えている演者Xは、図8(A)に示すように、観客Yの選んだ「ハート3」(斜線で示す)を当たり番号である乱数の数値「2」と同じ番目、すなわち、左から2番目にして、「スペードの10」、「ハートの3」、「ダイヤの5」、「クラブの12」、「ハートの8」、「ダイヤの9」の順序で、テーブル等の上に置いてある腕時計1の前にさりげなく並べる。ここが本件のトリックになる部分である。
【0030】
このように、「ハートの3」を左から2番目にして6枚のカードT1〜T6を並べ終わったならば、演者Xは押釦スイッチ8を操作する。これにより、ステップS5の判断がYESとなり、ステップS5からステップS6に進み、タイトル表示を行う。本実施の形態マジックは、6枚のカード等の中から観客が選んだ1枚のカード等を腕時計1が当てるマジックであり、「SIXTH SENSE」なるタイトルである。したがって、前記ステップS5の処理により、図6(C)に示すように、「SIXTH」の文字と「SENSE」文字とを表示部5に交互に切り換えてタイトル表示を行う。
【0031】
引き続き、マジック・アイのアニメーションとアイテム番号表示1〜6までの数値との表示処理を実行する(ステップS7)。このステップS7の処理は、図6(D)〜図7(I)に示すように、アイテムの番号表示である「NO.1〜6」とマジック・アイのアニメーションである「[◇]」とを予め定められた時間間隔(例えば、数秒間隔)で、「NO.1」〜「NO.6」まで順番に行う表示処理である。したがって、表示部5には、「NO.1」、「NO.2」、「NO.3」、「NO.4」、「NO.5」、「NO.6」のアイテム番号が予め定められた時間間隔で表示される。
【0032】
演者Xは、この表示された番号に合わせて、「これですか?」の発言を伴いつつ、アイテム番号「NO.1」が表示部5に表示されたタイミングで図8(B)に示すように、左から1番目のカードT1「スペードの10」を摘持して、その表面側(スペードの10の図柄が印刷されている面)を腕時計1上に翳して、恰も腕時計1にカードT1のスペードの10の図柄を見せているような演技を行う。
【0033】
同様にして、アイテム番号「NO.2」が表示部5に表示されたタイミングで図9(A)に示すように、左から2番目のカードT2「ハートの3」を腕時計1に見せる演技を行い、アイテム番号「NO.3」が表示されたタイミングで図9(B)に示すように、左から3番目のカードT3「ダイヤの5」を腕時計1に見せる演技を行い、アイテム番号「NO.4」が表示されたタイミングで図10(E)に示すように、左から4番目のカードT4「クラブの12」を腕時計1に見せる演技を行う。また、アイテム番号「NO.5」が表示されたタイミングで図10(F)に示すように、左から5番目のカードT5「ハートの8」を腕時計1に見せる演技を行い、アイテム番号「NO.6」が表示されたタイミングで図11(G)に示すように、左から6番目のカードT6「ダイヤの9」を腕時計1に見せる演技を行う。なお、図8(A)から図11(G)中における「NO.1」、「NO.2」、「NO.3」、「NO.4」、「NO.5」、「NO.6」は、表示部5に表示されたアイテム番号を示している。
【0034】
このようにして、6枚のカードT1〜T6全てを腕時計1に見せる演技を行ったならば、図7(J)に示すように、演者Xは「これで、すべてのカードを時計に見せました。今、時計が6枚のカードを解析中です。」と発言する。
【0035】
他方、腕時計1は、後述する次の回の番号表示を行う前に、ステップS7に続くステップS8において、前記番号表示の切り替えタイミングよりも長い所定時間をもってインターバル表示を実行する。このステップS8での処理により、図7(J)に示すように、三角形の図形の個数が1個から順次増加し、また1個から順次増加する(図示は、5個まで増加した状態)インターバル表示が繰り返えされる。
【0036】
したがって、次の回の番号表示を行う前に、インターバル表示のための時間があることにより、恰も時計が思考しているような演出効果を発生させることができるとともに、経時的に変化するインターバル表示により前記演出効果を高めることができる。
【0037】
そして、ステップS8でのインターバル表示が終了したならば、再実行表示を行う(ステップS9)。このステップS9での処理により、図7(K)に示すように、表示部5に「AGAIN」の文字を表示させる。この「AGAIN」の文字を見た演者Xは、「解析完了です。もう一度カードを見せていきます。」と発言する。
【0038】
また、腕時計1は、前記ステップS9での処理に続いて、NO.に「1」を設定して(ステップS10)、この設定したNO.1で前述したステップS7と同様の、マジック・アイのアニメーションとアイテムの番号表示とを行う(ステップS11)。したがって、このステップS11での処理により、前述した図6(D)と同様に、アイテムの番号表示「NO.1」とマジック・アイのアニメーション「[◇]」とが所定時間表示される。このとき、演者Xは、前述と同様に、この表示される番号に合わせて、「これですか?」の発言を伴いつつ、図8(B)に示すように、左から1番目のカードT1「スペードの10」を摘持して、恰も腕時計1にカードT1を見せているような演技を行う。
【0039】
次に、前記ステップS3でRAM17の乱数記憶部171に記憶した乱数と前記ステップS10で設定した番号(NO.)、つまりRAM17の乱数記憶部171に記憶した乱数と表示部5に表示されている番号とが一致するか否かを判断する(ステップS12)。この判断がNOであって、乱数記憶部171に記憶した乱数と表示部5に表示されている番号とが一致しない場合には、番号(NO.)をインクリメントして(ステップS13)、ステップS11の処理を実行する。したがって、ステップS12の判断がNOである間は、前述と同様にして、表示部5には、「NO.2」、「NO.3」、「NO.4」、「NO.5」、「NO.6」が予め定められたタイミングで表示され、演者Xは、これら番号が表示されるタイミングで対応するカードを時計に見せる演技を行う。
【0040】
しかし、本実施の形態においては、乱数は「2」であったことから、ステップS13でNO.=2が設定され、このために、ステップS11において表示部5に「NO.2」が表示されると、ステップS12の判断がYESとなる。この時、演者Xが左から2番目の「ハートの3」を腕時計1に見せる演技を行っている際である。したがって、ステップS12からステップS14に進み、音出力部18からアラーム音である電子音を発生させ、表示部5「THIS!」を表示させるとともに、表示部5の下方に設けられているEL22を点滅表示させる。このステップS14での処理により、図7(L)に示すように、表示部5に「THIS!」の文字が表示されるとともに、この文字がEL22により点滅し、かつ、電子音が発生し、観客Yが選択した「ハートの3」を腕時計が当てた驚愕を誇張する演出を行うことができる。
【0041】
このように、このマジックにおいては、演者はマジック開始直後に表示部5に表示された乱数の数値(たとえば、「2」)を見て、その数値「2」を覚え込み、ユーザが選択した種類のカードを、乱数が示す数値に対応する番目(この例では2番目)の位置にさりげなく並べて前述した演技を行うことにより、簡単に選択対象当てマジックを行うことができる。よって、腕時計1を用いて余興効果を発生させたり、当該機器(腕時計1)の興趣性を高めさせたりすることができる。
【0042】
無論、ステップS1において、1〜6の数値をランダムに発生させることから、このマジックを同一の観客Yの前で複数回行っても、カードを並べた際に観客Yが選択したカードの配置位置が異なることから、トリックを見破られることはない。
【0043】
しかも、本実施の形態においては、1回目にNO.1〜NO.6の表示を行った際には、選択対象を当てることなく、2回目にNO.1からの表示を行った際に、選択対象を当てることから、恰も腕時計1が思考しているような演出効果を発生させることができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、このように、1回目にNO.1〜NO.6の表示を行った際には、選択対象を当てることなく、2回目にNO.1からの表示を行った際に、選択対象を当てるようにしたが、1回目にNO.1〜NO.6の表示を行った際に、ステップS12の判断を行って選択対象を当てるようにしてもよい。この場合、ステップS1で発生させる乱数は、最小値「2」から「最大値−1」までの間、本実施の形態においては、NO.1とNO.6を除く、NO.2〜NO.5であることが好ましい。つまり、最初のNO.1と最後のNO.6とが当たりであると、観客Yにマジックに対する不信感や懐疑心が生ずるが、その中間的な値NO.2〜NO.5であれば、観客Yのマジックに対する不信感や懐疑心を未然に防止することができる。
【0045】
また、本実施の形態においては、NO.1〜NO.6の6種類のカード等を用いる場合を示したが、NO.に対応するカード等の種類はこれより多くても少なくてもよい。さらに、実施の形態においては、本発明を腕時計に適用した場合を示したが、これに限ることなく、マジック専用機器として構成したり、携帯電話機等の他の電子機器に適用したりするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態に係る腕時計の外観構成図である。
【図2】同腕時計の回路構成を示すブロック図である。
【図3】ROMのメモリ構成図である。
【図4】RAMのメモリ構成図である。
【図5】本実施の形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施の形態の表示遷移図である。
【図7】図6に続く表示遷移図である。
【図8】演者のカード操作手順を示す図である。
【図9】図8に続く演者のカード操作手順を示す図である。
【図10】図9に続く演者のカード操作手順を示す図である。
【図11】図10に続く演者のカード操作手順を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 腕時計
2 時計本体部
3 リストバンド
5 表示部
6〜9 押釦スイッチ
8 押釦スイッチ
14 CPU
15 入力部
16 ROM
17 EL
17 RAM
18 音出力部
19 乱数発生部
22 EL
161 プログラム記憶領域
162 画像データ格納領域
171 乱数記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、
このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、
前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、
予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、
この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、
この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、
この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の表示制御手段が表示させた前記数値を消去する消去制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記ランダム数発生手段は、最小値「1」から前記最大値までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項4】
前記ランダム数発生手段は、最小値「2」から「最大値−1」までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させ、
前記判断手段は、前記複数回における最終回において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させる際に、各回の表示を終了する毎に、予め定められたインターバル時間をおいて、次の回の表示を開始することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記インターバル時間において、経時的に変化する表示を実行させる第3の表示制御手段を備えることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
表示手段を備える電子機器が有するコンピュータを、
予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、
このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、
前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、
予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、
この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、
この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、
この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段と
して機能させることを特徴とする電子機器制御プログラム。
【請求項9】
表示手段を備える電子機器の制御方法であって、
予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生ステップと、
このランダム数発生ステップで発生した数値を表示させる第1の表示制御ステップと、
前記ランダム数発生ステップで発生した数値を記憶する記憶ステップと、
予め定められている操作の有無を判断する第1の判断ステップと、
この第1の判断ステップにより前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御ステップと、
この第2の表示ステップ制御ステップが前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶ステップに記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断ステップと、
この第2の判断ステップにより前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知ステップと
を含むことを特徴とする電子機器制御方法。
【請求項1】
予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、
このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、
前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、
予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、
この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、
この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、
この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の表示制御手段が表示させた前記数値を消去する消去制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記ランダム数発生手段は、最小値「1」から前記最大値までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項4】
前記ランダム数発生手段は、最小値「2」から「最大値−1」までの間における数値をランダムに発生することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させ、
前記判断手段は、前記複数回における最終回において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2の表示制御手段は、前記「1」から予め定められた最大値までの数値を複数回順次表示させる際に、各回の表示を終了する毎に、予め定められたインターバル時間をおいて、次の回の表示を開始することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記インターバル時間において、経時的に変化する表示を実行させる第3の表示制御手段を備えることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
表示手段を備える電子機器が有するコンピュータを、
予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生手段と、
このランダム数発生手段が発生した数値を表示させる第1の表示制御手段と、
前記ランダム数発生手段が発生した数値を記憶する記憶手段と、
予め定められている操作の有無を判断する第1の判断手段と、
この第1の判断手段により前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御手段と、
この第2の表示手段制御手段が前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶手段に記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断手段と、
この第2の判断手段により前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知手段と
して機能させることを特徴とする電子機器制御プログラム。
【請求項9】
表示手段を備える電子機器の制御方法であって、
予め定められた最小値から最大値までの間における数値をランダムに発生するランダム数発生ステップと、
このランダム数発生ステップで発生した数値を表示させる第1の表示制御ステップと、
前記ランダム数発生ステップで発生した数値を記憶する記憶ステップと、
予め定められている操作の有無を判断する第1の判断ステップと、
この第1の判断ステップにより前記予め定められている操作の有が判断されたことを条件として、「1」から前記最大値までの数値を順次表示させる第2の表示制御ステップと、
この第2の表示ステップ制御ステップが前記数値を順次表示させている状態において、表示させた数値と前記記憶ステップに記憶されている数値とが一致したか否かを判断する第2の判断ステップと、
この第2の判断ステップにより前記両数値が一致したと判断されたことを条件として、報知動作する報知ステップと
を含むことを特徴とする電子機器制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−113901(P2008−113901A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300931(P2006−300931)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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