説明

電子機器、電池残量表示方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 ユーザの感覚に合わせて電池の残量を表示する。
【解決手段】 カメラの背面に設けられた画像表示部28に、閾値設定画面401、402を表示する。このとき、設定対象となる閾値を点線で表示し、設定対象でない閾値を実線で表示する。ユーザは、「電池の残量が十分ある」ことを示す表示から「電池の残量が少ない」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VHを、閾値設定画面401を用いて設定する。また、ユーザは、「電池の残量が少ない」ことを示す表示から「電池の交換が必要である」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VMを、閾値設定画面402を用いて設定する。従って、電池の残量の表示を切り替える契機となる電池の電圧値をユーザが設定できる。これにより、ユーザの感覚に合わせて電池の残量を表示することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電池残量表示方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、電池の残量を表示するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラ等の電子機器では、電池の残量を表示装置に表示して、ユーザに報知するようにしている。特許文献1では、2次電池の劣化の状態を推測し、推測した電池の劣化の状態に基づいて電池の残量を表示している。特許文献2では、通話中か待受中かの通話状態や温度に応じて、複数の閾値テーブルの何れかを選択し、選択した閾値テーブルの閾値と電池の残量とを比較し、比較した結果に基づいて電池の残量レベルを表示している。特許文献3では、電池の電圧を複数回検出し、検出した電池の電圧から今後の電圧の推移を予測し、予測した電圧の推移に基づいて、電池の状態を判定するための閾値を設定するようにしている。
【0003】
ここで、デジタルカメラを例に挙げて、電池の残量の表示例を示す。図9は、デジタルカメラにおける電池の残量の表示例を示す図である。
デジタルカメラは、電池の残量を検出して現在の電池の残量を測定する。デジタルカメラは、測定した現在の電池の残量と、予めEEPROM等の記憶媒体に設定された閾値と比較し、比較した結果に基づく電池の残量レベルを液晶表示装置等の表示装置に簡易的に表示する。
【0004】
図9(a)は、電池の残量が十分ある場合の表示を示す図である。図9(a)に示すように、液晶表示画面901内の右下の電池のマーク901aの全領域を塗り潰し表示することにより、電池の残量が十分あることを簡易的に表示している。
図9(b)は、電池の残量が少なくなっている場合の表示を示す図である。図9(b)に示すように、液晶表示画面902内の電池のマーク902aにおいて、一部の領域のみを塗り潰し表示することにより、電池の残量が少なくなっていることを表示している。
【0005】
図9(c)は、更に電池が無くなり、電池の交換が必要であることをユーザに伝える表示を示す図である。図9(c)に示すように、液晶表示画面903内の電池のマーク903aを点滅表示することにより、電池の交換が必要であることを表示し、ユーザに注意を促す。
図9(d)は、電池の残量が無くなり、動作不能となった場合の表示を示す図である。図9(d)に示すように、液晶表示画面904内の電池のマーク904aを白抜き表示にすると共に、点滅表示することによって、電池の残量がなくなっていることを表示している。
【0006】
【特許文献1】特開2003−9407号公報
【特許文献2】特開2000−92721号公報
【特許文献3】特開2004−333518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した電池の残量を表示する従来の技術では、電池の残量の表示を切り替えるレベルは予め決められている。従って、例えば、電池の残量に余裕がある状態で電池の交換を行いたいユーザに対しても、電池の残量が残り僅かになってから電池の交換を行いたいユーザに対しても、電池の交換が必要であることを同じタイミングで表示することになる。このように従来の技術では、必ずしもユーザの感覚に合わせて電池の残量を表示することができないという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザの感覚に合わせて電池の残量を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子機器は、電池の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電池の残量に関わる表示を行うための閾値をユーザの操作によって設定する閾値設定手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧と、前記閾値設定手段によって設定された閾値とを比較する比較手段と、前記比較手段により比較された結果に応じて、前記電池の残量を示す画像を表示装置に表示する残量表示手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の電池残量表示方法は、電池の電圧を検出する電圧検出ステップと、前記電池の残量に関わる表示を行うための閾値をユーザの操作によって設定する閾値設定ステップと、前記電圧検出ステップにより検出された電圧と、前記閾値設定ステップにより設定された閾値とを比較する比較ステップと、前記比較ステップにより比較された結果に応じて、前記電池の残量を示す画像を表示装置に表示する残量表示ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のコンピュータプログラムは、電池の電圧を検出する電圧検出ステップと、前記電池の残量に関わる表示を行うための閾値をユーザの操作によって設定する閾値設定ステップと、前記電圧検出ステップにより検出された電圧と、前記閾値設定ステップにより設定された閾値とを比較する比較ステップと、前記比較ステップにより比較された結果に応じて、前記電池の残量を示す画像を表示装置に表示する残量表示ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの感覚に合わせて電池の残量に関わる表示を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、電子機器がデジタルカメラである場合を例に挙げて説明する。
図1は、デジタルカメラの構成の一例を示す図である。まず、デジタルカメラ本体部100の構成について説明する。
【0014】
レンズマウント部10には、交換可能な外付け撮影レンズが取り付けられる。レンズマウント部10に取り付けられたレンズは、レンズ制御回路42により制御される。
レンズを通過した光束はミラー11に入射する。ミラー11は、メカ制御回路43によって制御される。ミラー11に入射した光束は、光学ファインダー104、測距演算部40、及び測光演算部41へ導かれる。シャッター12は、先幕と後幕とを備えて構成される。シャッター12は、メカ制御回路43によって制御される。
【0015】
撮像素子14は、光学像を電気信号に変換するためのものであり、例えばCCD(Charge Coupled device)等により構成される。A/D変換器16は、撮像素子14のアナログ信号出力をデジタル信号に変換する。
タイミング発生回路18は、撮像素子14、A/D変換器16、及びD/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給する。このタイミング発生回路18は、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
【0016】
画像処理回路20は、A/D変換器16から出力された画像データ或いはメモリ制御回路22から出力された画像データに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。更に画像処理回路20は、撮像された画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行う。
【0017】
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、画像データメモリ30、及び画像ファイル生成部32を制御する。
A/D変換器16から出力された画像データは、画像処理回路20及びメモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いは画像データメモリ30に書き込まれる。また、A/D変換器16から出力された画像データは、画像処理回路20を経由せずにメモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いは画像データメモリ30に書き込まれることもある。
【0018】
画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器26を介して画像表示部28に出力され、画像表示部28により表示される。尚、この画像表示部28は、カメラの背面に設置されている。画像表示部28は、撮像後にユーザが画像を確認するために使用されたり、システム制御回路50との通信結果に基づく様々な情報を告知するために使用されたりする。このような機能を有する画像表示部28は、例えばTFT(Thin Film Transistor)型のLCD(Liquid Crystal Display)を備えて構成される。
【0019】
画像データメモリ30は、撮影された静止画像や動画像を格納するためのメモリである。この画像データメモリ30は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。また、画像データメモリ30は、システム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
【0020】
画像ファイル生成部32は、画像データを圧縮伸長してファイル化する。画像ファイル生成部32は、画像データメモリ30に格納された画像データを読み出して、圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えた画像データを画像データメモリ30に書き込む。画像ファイル生成部32は、画像データメモリ30に格納されたR、G、Bの画像データを輝度信号Y及び色差信号CからなるYCデータに変換する。そして、画像ファイル生成部32は、YCデータを例えばJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)形式にて圧縮して画像ファイルを生成する。
【0021】
圧縮された画像データは、画像データメモリ30から読み出され、画像表示部28に出力されることでサムネイル(thumbnail)画像として表示することができる。また、圧縮された画像データが連続して画像データメモリ30から読み出され、読み出された画像データが画像表示部28に並べて表示されることでインデックス画像(マルチ画像)として表示することができる。
【0022】
レンズ制御部42は、レンズのフォーカシング(Focusing)を制御する。具体的にレンズ制御部42は、例えば、測距点44の中から選択された測距点の情報に基づいて測距演算部40が演算した結果に基づきレンズを駆動する。
システム制御回路50は、デジタルカメラ本体部100全体を制御する。システム制御回路50は、内部にCPU、ROM、RAM、A/Dコンバータ、及びD/Aコンバータを有するマイクロコンピュータを備えている。
【0023】
表示部54は、液晶表示装置やスピーカー等を備えている。液晶表示装置は、システム制御回路50でのプログラムの実行結果に応じて、文字、画像、及び音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する。表示部54は、デジタルカメラ本体部100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数設置される。具体的に表示部54は、例えばLCD、LED、及び発音素子等を備えて構成される。
【0024】
また、表示部54の一部の機能は光学ファインダー104内に設置されている。
表示部54に表示される内容のうち、LCD等に表示されるものとしては、シングルショット/連写撮影の区別、セルフタイマー、圧縮率、記録画素数、記録枚数、残撮影可能枚数、シャッタースピード、及び絞り値が挙げられる。その他、測距点、露出補正、フラッシュ、赤目緩和、マクロ撮影、及びブザーの設定内容、電池残量、エラーの有無やエラーの内容、複数桁の数字による情報、記録媒体200の着脱状態、通信I/Fの動作状態、及び日付・時刻等もLCDに表示される。尚、表示部54に表示される内容の一部を画像表示部28に表示することも可能である。
【0025】
光学ファインダー104は、画像表示部28による画像モニタ機能を使用すること無しに撮影を行うことを可能にするためのものである。また、光学ファインダー104内では、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示等がなされる。
不揮発性メモリ56は、例えばEEPROM等であり、現在の設定状態や、トラブル発生状態等を記憶する。
【0026】
モードダイヤル60は、Tv優先、Av優先、及びPモード等の撮影モードをユーザが設定するためのダイヤル(操作子)である。シャッタースイッチ(SW1)62は、シャッターボタンの操作途中でオンとなる。このシャッタースイッチ(SW1)62がオンされると、AF(自動焦点検出)処理、AE(自動露出制御)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、及びEF処理等の動作開始が、システム制御回路50により指示される。
【0027】
シャッタースイッチ(SW2)64は、シャッターボタンの操作完了でオンとなる。このシャッタースイッチ(SW2)64がオンされると、露光処理、撮影処理、及び記録処理という一連の処理の動作開始が、システム制御回路50により指示される。露光処理は、撮像素子14、A/D変換器16及びメモリ制御回路22を介して画像データメモリ30に画像データを書き込む処理である。撮影処理は、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算処理や、その演算処理の結果を用いた処理である。記録処理は、画像データメモリ30から読み出した画像データを画像ファイル生成部32で圧縮し、記録媒体200に書き込む処理である。
【0028】
メインダイヤル66は、露出補正の設定や、Tv値、Av値の設定等をユーザが行うためのダイヤル(操作子)である。
サブダイヤル68は、カメラの背面に設けられており、画像表示部28に表示された設定値を選択したり、各種設定値を設定したりするとき等にユーザによって使用されるダイヤル(操作子)である。
【0029】
SW操作部70は、各種ボタンを備える。具体的にSW操作部70は、測距点選択ボタン、MENUボタン、SETボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、再生ボタン、拡大縮小ボタン、及び露出補正ボタン等を備える。
MENUボタンがユーザによって操作されると、メニューモードへ入る。このメニューモードにおいて更に細かい設定を行うことが可能になる。各設定は、SETボタンがユーザによって押されることにより決定される。
モードダイヤル60、シャッタースイッチ(SW1)62、シャッタースイッチ(SW2)64、メインダイヤル66、サブダイヤル68、及びSW操作部70における操作内容は、システム制御回路50に入力される。システム制御回路50は、入力した操作内容に基づいて、各種の動作指示を行う。
尚、後述するように、メインダイヤル66、サブダイヤル68、及びSW操作部70は、電池の残量に関わる表示を切り替えるための閾値VH、VMをユーザが変更する場合にも使用される。
【0030】
インターフェース(I/F)90は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200と、デジタルカメラ本体部100とのインターフェースである。コネクタ92は、記録媒体200とインターフェース90との接続を行うためのものである。インターフェース90及びコネクタ92としては、外部記録媒体であるPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成することができる。
【0031】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等を備えて構成される。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、及び電池の残量を検出する。電源制御部80は、検出した結果と、システム制御回路50からの指示とに基づいて、DC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部86は、電池を備えている。この電池は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池であっても、NiCd電池やNiMH電池やLi電池等の二次電池であってもよい。また、電源部86は、ACアダプター等を備えていてもよい。
【0032】
記録媒体200は、前述したようにメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。具体的に記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202と、デジタルカメラ本体部100とのインターフェース204と、デジタルカメラ本体100と接続を行うためのコネクタ206とを備えている。尚、デジタルカメラ本体部100に対する記録媒体200の着脱は、記録媒体着脱検知部98によって検知される。
【0033】
図2は電池の放電特性曲線(放電カーブ)201と、撮影枚数との関係を示す図である。
図2において、横軸は撮影枚数である。撮影枚数の下には全撮影枚数に対する撮影可能枚数の割合をパーセント(%)で表示している。
また、縦軸は電池の放電電圧である。閾値VH、VM、VLは、不揮発性メモリ(EEPROM)56に記憶されている。閾値VHは、「電池の残量が十分ある」ことを示す表示から「電池の残量が少ない」ことを示す表示へ電池の残量の表示を切り替えるためのものである。閾値VMは、「電池の残量が少ない」ことを示す表示から「電池の交換が必要である」ことを示す表示へ電池の残量の表示を切り替えるためのものである。閾値VLは、「電池の交換が必要である」ことを示す表示から、「電池の残量がない」ことを示す表示へ電池の残量の表示を切り替えるためのものであり、この「電池の残量がない」ことを示す表示がなされると、デジタルカメラの動作が停止する。
【0034】
システム制御回路50は、電池の電圧が閾値VHより高いことが電源制御部80により検出されると、電池の残量が十分であると判断する。また、システム制御回路50は、電池の電圧が閾値VM以下であることが電源制御部80により検出されると、電池の交換が必要であると判断する。更にシステム制御回路50は、電池の電圧が閾値VL以下であることが電源制御部80により検出されると、電池が空であると判断し、デジタルカメラの動作を停止する。
【0035】
本実施形態では、閾値VH、VMを固定せずに、ユーザが設定可能としている。一方、閾値VLについては固定するようにしている。閾値VLがユーザによって自由に決められると、デジタルカメラの動作の保証が出来ない状態であるのに、デジタルカメラの動作が可能であることを示唆する表示を行ってしまう虞があるからである。
【0036】
また、閾値VH、VMの設定可能範囲を無制限にしてしまうと、例えば、電池の残量の表示が途中で抜けてしまったり、電池の残量の表示期間が極端に短くなってしまったりすることがある。そうすると、電池の残量の表示を行う本来の意味合いがくずれてしまい、逆に使い勝手が良くない。そこで、本実施形態では、ユーザが設定する閾値VH、VMの設定可能範囲を制限している。
【0037】
次に、図3のフローチャートを参照しながら、電池の残量に関わる表示の切り替えを行うための閾値VH、VMを設定する際のデジタルカメラの動作の一例を説明する。
<初期表示;ステップS301>
システム制御部50は、SW操作部70のユーザによる操作により「電池残量表示閾値設定モード」が選択されると、閾値設定画面を画像表示部28に表示させるための指示を行う。これにより、画像表示部28は、閾値設定画面を表示する。図4は、閾値設定画面401、402の一例を示す図である。
閾値設定画面401、402には、2箇所のしきい値H、Lの現在のレベルがバー表示される。具体的に説明すると、設定対象でない閾値は実線で表示され、設定対象の閾値は破線で表示される。また、設定対象の閾値の値は反転表示(白抜き表示)される。
【0038】
図4(a)は、「電池の残量が十分ある」ことを示す表示から「電池の残量が少ない」ことを示す表示に切り替えるための閾値VHを設定する場合の閾値設定画面401を示している。図4(b)では、「電池の残量が少ない」ことを示す表示から「電池の交換が必要である」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VMを設定する場合の閾値設定画面402を示している。
【0039】
尚、システム制御回路50は、閾値とその閾値の設定可能範囲とを電池の種類に応じて予め複数種類記憶している。そして、システム制御回路50は、デジタルカメラ本体部100に装着された電池に応じて、閾値とその閾値の設定可能範囲とを選択し、選択した値に基づく閾値設定画面401、402を画像表示部28に表示させる。ここで、電池の種類は、一次電池や二次電池といった大まかな電池の種類でもよいが、例えば、アルカリ電池、NiCd電池、NiMH電池、Li電池といった具体的な電池の種類とするのが好ましい。
【0040】
<電池残量表示閾値設定モードの継続確認;ステップS302>
システム制御部50は、SW操作部70に設けられたMENUボタンがユーザによって押されたか否かを判断する。この判断の結果、MENUボタンが押された場合には、「電池残量表示閾値設定モード」を抜けるので、デジタルカメラの全体動作を規定するメインルーチンに戻る。一方、MENUボタンが押されていない場合には、設定対象とする閾値の選択処理であるステップS303に進む。
【0041】
<設定対象とする閾値の選択;ステップS303>
システム制御部50は、ユーザによる操作によりメインダイヤル66が回転したか否かを判定する(ステップS303)。この判定の結果、メインダイヤル66が回転した場合には、設定対象とする閾値の切り替え処理であるステップS304に進む。一方、メインダイヤル66が回転していない場合には、ステップS304を省略してステップS305に進む。
【0042】
<設定対象とする閾値の切り替え;ステップS304>
システム制御部50は、ユーザによるメインダイヤル66の操作に応じて、設定対象とする閾値の表示を指示する。これにより、画像表示部28は、閾値設定画面の表示内容を変更する。
例えば、図4(a)に示すように、閾値VHが設定対象となっている状態でメインダイヤル66が1クリックされたとする。そうすると、図4(b)に示すように、閾値VMが設定対象になる。メインダイヤル66がクリックされる度に、設定対象となる閾値V、VMが交互に切り替わる。
【0043】
<設定対象とする閾値の決定;ステップS305>
システム制御部50は、SW操作部70に設けられたSETボタンがユーザによって押されたか否かを判断する。この判断の結果、SETボタンが押された場合には、設定対象とする閾値の決定処理であるステップS306に進む。一方、SETボタンが押されていない場合には、設定対象とする閾値の選択を続けるので、ステップS302に戻る。
【0044】
<設定対象とする閾値の決定;ステップS306>
システム制御部50は、現在選択されている閾値を、設定対象とする閾値として決定し、「閾値の値を設定するモード」に入る。
図5は、設定対象とする閾値が決定された後の閾値設定画面501、502の一例を示す図である。
図5では、設定対象とする閾値として閾値VHが決定された場合の閾値設定画面501、502を示している。図5(a)の閾値設定画面501では、閾値VHの現在値は40%であり、閾値VHの設定可能範囲が下限値VHminから上限値VHmaxまでの範囲である場合を示している。また、図5(b)の閾値設定画面502では、閾値VHの現在値が上限値VHmax(45%)である場合を示している。
【0045】
<閾値の値を上げる操作;ステップS307>
システム制御部50は、ユーザによる操作によって、サブダイヤル68が右回転(時計回りの方向に1ステップ回転)したか否かを判定する。この判定の結果、サブダイヤル68が右回転(時計回りの方向に1ステップ回転)した場合には、ステップS308に進む。一方、サブダイヤル68が右回転(時計回りの方向に1ステップ回転)していない場合には、ステップS310に進む。
【0046】
<閾値の上限値の判定;ステップS308>
システム制御部50は、設定対象となっている閾値の現在値が上限値VHmaxよりも小さいか否かを判定する。この判定の結果、設定対象となっている閾値の現在値が上限値VHmaxよりも小さければ、閾値の値を上げても良いのでステップS309に進む。ステップS309に進むと、システム制御部50は、該当する閾値の値を1ステップ上げる。そして、システム制御部50は、該当する閾値の表示位置の変更を指示すると共に、不揮発性メモリ(EEPROM)56に記憶されている閾値を更新する。これにより、点線表示中の閾値の位置が、上方向にずれる。
一方、設定対象となっている閾値の現在値が上限値VHmaxよりも小さくない場合には、閾値の値を上げることができないので、ステップS309を省略してステップS310に進む。例えば、図5(b)に示すように、閾値VHの値がすでに上限値VHmaxになっている場合は値を上げない。
【0047】
<閾値の値を下げる操作;ステップS310>
システム制御部50は、ユーザによる操作によって、サブダイヤル68が左回転(反時計回りの方向に1ステップ回転)したか否かを判定する。この判定の結果、サブダイヤル68が左回転(反時計回りの方向に1ステップ回転)した場合には、ステップS311に進む。一方、サブダイヤル68が左回転(反時計回りの方向に1ステップ回転)していない場合には、ステップS313に進む。
【0048】
<閾値の下限値の判定;ステップS311>
システム制御部50は、設定対象となっている閾値の現在値が下限値VHminよりも大きいか否かを判定する。この判定の結果、設定対象となっている閾値の現在値が下限値VHminよりも大きければ、閾値の値を下げても良いのでステップS312に進む。ステップS312に進むと、システム制御部50は、該当する閾値の値を1ステップ下げる。そして、システム制御部50は、該当する閾値の表示位置の変更を指示すると共に、不揮発性メモリ(EEPROM)56に記憶されている閾値を更新する。これにより、点線表示中の閾値の位置が、下方向にずれる。
一方、設定対象となっている閾値の現在値が下限値VHminよりも大きくない場合には、閾値の値を下げることができないので、ステップS312を省略してステップS313に進む。
【0049】
<閾値の値の決定;ステップS313>
システム制御回路50は、SW操作部70に設けられたSETボタンがユーザによって押されたか否かを判断する。この判断の結果、SETボタンが押された場合には、閾値の変更値を不揮発性メモリ(EEPROM)56に記憶されている閾値として決定し、ステップS302に戻る。一方、SETボタンが押されていない場合には、引き続き閾値の設定を行うのでステップS307に戻る。
【0050】
システム制御回路50は、以上のようにして設定された閾値VH、VMと、電源制御部80で検出された電池の残量とを比較し、比較した結果に応じて、電池の残量が、例えば図2に示した4つの状態のうちどの状態に属しているかを判定する。そして、システム制御回路50は、判定した結果に応じて電池の残量に関わる情報を表示部54に表示させる。電池の残量に関わる情報の表示は、例えば図9に示すようにして行われる。
【0051】
以上のように本実施形態では、カメラの背面に設けられた画像表示部28に、閾値設定画面401、402を表示する。このとき、設定対象となる閾値を点線で表示し、設定対象でない閾値を実線で表示する。ユーザは、「電池の残量が十分ある」ことを示す表示から「電池の残量が少ない」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VHを、閾値設定画面401を用いて設定する。また、ユーザは、「電池の残量が少ない」ことを示す表示から「電池の交換が必要である」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VMを、閾値設定画面402を用いて設定する。従って、電池の残量の表示を切り替える契機となる電池の電圧値をユーザが設定できる。これにより、ユーザの感覚に合わせて電池の残量を表示することが可能になる。例えば、電池の残量に余裕がある状態で電池の交換を行いたいユーザは、閾値VMとして大きな値を設定することができる。一方、電池の残量が残り僅かになってから電池の交換を行いたいユーザは、閾値VMとして小さな値を設定することができる。
【0052】
また、図5に示す閾値設定画面501、502のように、閾値VH、VMの設定可能範囲を表示し、この設定可能範囲内で閾値VH、VMを設定するようにした。従って、電池の残量の表示を切り替える契機となる電池の電圧値を、ユーザが設定可能範囲の中で任意に設定できる。また、このようにすることによって、例えば、電池の残量の表示が途中で抜けてしまったり、電池の残量の表示期間が極端に短くなってしまったりして、電池の残量の表示を行う本来の意味合いがくずれてしまうことを防止できる。
【0053】
更に、本実施形態では、閾値VLが設定(変更)されないようにした。従って、デジタルカメラの動作の保証が出来ない状態であるのに、デジタルカメラの動作が可能であることを示唆する表示を行ってしまうことを防止でき、実際の電池の残量と、電池の残量の表示とが矛盾してしまうことを防止できる。
また、閾値VLをユーザが設定可能にする場合、閾値VLに設定可能範囲の下限値をデジタルカメラの動作保証最低電圧以上となるようにするとともに、設定可能上限値も実際の電池の残量と、電池の残量の表示とが矛盾しないようにするのが好ましい。
【0054】
尚、本実施形態では、電子機器としてデジタルカメラを例に挙げて説明した。しかしながら、電池を用いて動作し、表示装置に画像をグラフィカルに表示できる電子機器であれば、どのような電子機器であっても本実施形態を適用することが可能である。
【0055】
また、本実施形態では、ユーザが設定可能な閾値を2つとした(閾値VH、VM)。しかしながら、ユーザが設定可能な閾値は2つに限定されない。ユーザが設定可能な閾値を多くすれば、電池の残量をより正確に表示することができる。
【0056】
更に、前述したように、閾値VH、VMの設定可能範囲を設ければ好ましい。しかしながら、必ずしも設定可能範囲を設けなくてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、ボタンやダイヤルといった操作子を用いて閾値VH、VMをユーザが設定するようにした。しかしながら、タッチパネル等を用いて閾値VH、VMをユーザが変更できるようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、閾値とその閾値の設定可能範囲とを、電池の種類に応じて予め複数種類記憶するようにした。しかしながら、閾値とその閾値の設定可能範囲とを、例えば電池の型式名に応じて複数種類記憶するようにしてもよい。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態と前述した実施形態とでは、電池の残量に関わる表示の切り替えを行うための閾値VH、VMの設定方法の一部が異なる。従って、以下の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図5に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
図6は、電池の残量に関わる表示の切り替えを行うための閾値VH、VMを設定する際のデジタルカメラの動作の一例を説明するフローチャートである。本実施形態では、電池の放電特性曲線(放電カーブ)に沿って、電池の残量に関わる表示の切り替えを行うための閾値VH、VMを設定するようにしている。
【0061】
<初期表示;ステップS601>
システム制御部50は、SW操作部70のユーザによる操作により「電池残量表示閾値設定モード」が選択されると、閾値設定画面を画像表示部28に表示させるための指示を行う。これにより、画像表示部28は、閾値設定画面を表示する。図7は、閾値設定画面701、702の一例を示す図である。図7に示すように、閾値設定画面701、702には、放電カーブ(放電特性曲線)が表示される。この放電カーブの横軸は撮影枚数である。撮影枚数の下には全撮影枚数に対する撮影可能枚数の割合をパーセント(%)で表示している。一方、放電カーブの縦軸は電池の放電電圧である。
また、閾値設定画面701、702には、2箇所のしきい値VH、VMの現在のレベルが電池の放電カーブ上に表示される。具体的に説明すると、設定対象の閾値は点滅表示され、設定対象でない閾値は通常表示される。
【0062】
図7(a)は、「電池の残量が十分ある」ことを示す表示から「電池の残量が少ない」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VHを設定する場合の閾値設定画面701を示している。図7(b)では、「電池の残量が少ない」ことを示す表示から「電池の交換が必要である」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VMを設定する場合の閾値設定画面702を示している。
【0063】
尚、第1の実施形態と同様に、システム制御回路50は、閾値とその閾値の設定可能範囲とを電池の種類等に応じて予め複数種類記憶している。そして、システム制御回路50は、デジタルカメラ本体部100に装着された電池に応じて、閾値とその閾値の設定可能範囲とを選択し、選択した値に基づいて閾値設定画面701、702を表示する。更に本実施形態では、システム制御回路50は、電池の種類に応じた複数種類の放電カーブも予め記憶している。そして、システム制御回路50は、デジタルカメラ本体部100に装着された電池に応じて放電カーブを選択し、選択した放電カーブに基づいて閾値設定画面701、702を表示する。
【0064】
<電池残量表示閾値設定モードの継続確認;ステップS602>
システム制御部50は、SW操作部70に設けられたMENUボタンがユーザによって押されたか否かを判断する。この判断の結果、MENUボタンが押された場合には、「電池残量表示閾値設定モード」を抜けるので、デジタルカメラの全体動作を規定するメインルーチンに戻る。一方、MENUボタンが押されていない場合には、設定対象とする閾値の選択処理であるステップS603に進む。
【0065】
<設定対象とする閾値の選択;ステップS603>
システム制御部50は、ユーザによる操作によりメインダイヤル66が回転したか否かを判定する(ステップS603)。この判定の結果、メインダイヤル66が回転した場合には、設定対象とする閾値の切り替え処理であるステップS604に進む。一方、メインダイヤル66が回転していない場合には、ステップS604を省略してステップS605に進む。
【0066】
<設定対象とする閾値の切り替え;ステップS604>
システム制御部50は、ユーザによるメインダイヤル66の操作に応じて、設定対象とする閾値の表示を指示する。これにより、画像表示部28は、閾値設定画面の表示内容を変更する。
例えば、図7(a)に示すように、閾値VHが設定対象となっている状態でメインダイヤル66が1クリックされたとする。そうすると、図7(b)に示すように、閾値VMが設定対象になる。メインダイヤル66がクリックされる度に、設定対象となる閾値VH、VMが交互に切り替わる。
【0067】
<設定対象とする閾値の決定;ステップS605>
システム制御部50は、SW操作部70に設けられたSETボタンがユーザによって押されたか否かを判断する。この判断の結果、SETボタンが押された場合には、設定対象とする閾値の決定処理であるステップS606に進む。一方、SETボタンが押されていない場合には、設定対象とする閾値の選択を続けるので、ステップS602に戻る。
【0068】
<設定対象とする閾値の決定;ステップS606>
システム制御部50は、現在選択されている閾値を、設定対象とする閾値として決定し、「閾値の値を設定するモード」に入る。
図8は、設定対象とする閾値が決定された後の閾値設定画面801、802の一例を示す図である。
図8では、「電池の残量が十分ある」ことを示す表示から「電池の残量が少ない」ことを示す表示に電池の残量の表示を切り替えるための閾値VHが、設定対象とする閾値として決定された場合の閾値設定画面801、802を示している。図8(a)の閾値設定画面801では、閾値VHの現在値は、残り40%であり、その閾値VHを示す画像は、放電カーブ上に点滅表示されている。また、閾値VHの設定可能範囲が、下限値VHminから上限値VHmaxまでの範囲であることを示している。
【0069】
第1の実施形態と同様に、閾値の設定可能範囲を無制限にしてしまうと、電池の残量の表示が途中で抜けてしまったり、電池の残量の表示期間が極端に短くなってしまったりして、本来の表示の意味合いがくずれてしまい、逆に使い勝手が良くない。そこで、本実施形態でも、設定可能範囲に制限を設けている。
【0070】
例えば、図8に示すように、閾値VHの基本設定値を残り40%とし、その±5%の範囲を設定可能範囲とする。つまり残りが45%以下35%以上の範囲が設定可能範囲となる。同様に、図8では、閾値VMの基本設定値を残り20%とし、その±5%の範囲を設定可能範囲としている。つまり残りが25%以下15%以上の範囲が設定可能範囲となる。
【0071】
<閾値の値を上げる操作;ステップS607>
システム制御部50は、ユーザによる操作によって、サブダイヤル68が左回転(反時計回りの方向に1ステップ回転)したか否かを判定する。この判定の結果、サブダイヤル68が左回転(反時計回りの方向に1ステップ回転)した場合には、ステップS608に進む。一方、サブダイヤル68が左回転(反時計回りの方向に1ステップ回転)していない場合には、ステップS610に進む。
【0072】
<閾値の上限値の判定;ステップS608>
システム制御部50は、設定対象となっている閾値の現在値が上限値VHmaxよりも小さいか否かを判定する。この判定の結果、設定対象となっている閾値の現在値が上限値VHmaxよりも小さければ、閾値の値を上げても良いのでステップS609に進む。ステップS609に進むと、システム制御部50は、該当する閾値の値を1ステップ上げる。そして、システム制御部50は、該当する閾値の表示位置の変更を指示すると共に、不揮発性メモリ(EEPROM)56に記憶されている閾値を更新する。これにより、点滅表示中の閾値を示す画像の位置が、放電カーブに沿って左方向にずれる。
一方、設定対象となっている閾値の現在値が上限値VHmaxよりも小さくない場合には、閾値の値を上げることができないので、ステップS609を省略してステップ610に進む。例えば、図8(b)に示すように、閾値VHの値がすでに上限値VHmaxになっている場合は値を上げない。
【0073】
<閾値の値を下げる操作;ステップS610>
システム制御部50は、ユーザによる操作によって、サブダイヤル68が右回転(時計回りの方向に1ステップ回転)したか否かを判定する。この判定の結果、サブダイヤル68が右回転(時計回りの方向に1ステップ回転)した場合には、ステップS611に進む。一方、サブダイヤル68が右回転(時計回りの方向に1ステップ回転)していない場合には、ステップS613に進む。
【0074】
<閾値の下限値の判定;ステップS611>
システム制御部50は、設定対象となっている閾値の現在値が下限値VHminよりも大きいか否かを判定する。この判定の結果、設定対象となっている閾値の現在値が下限値VHminよりも大きければ、閾値の値を下げても良いのでステップS612に進む。ステップS612に進むと、システム制御部50は、該当する閾値の値を1ステップ下げる。そして、システム制御部50は、該当する閾値の表示位置の変更を指示すると共に、不揮発性メモリ(EEPROM)56に記憶されている閾値を更新する。これにより、点滅表示中の閾値を示す画像の位置が、放電カーブに沿って右方向にずれる。
一方、設定対象となっている閾値の現在値が下限値VHminよりも大きくない場合には、閾値の値を下げることができないので、ステップS612を省略してステップS613に進む。
【0075】
<閾値の値の決定;ステップS613>
システム制御回路50は、SW操作部70に設けられたSETボタンがユーザによって押されたか否かを判断する。この判断の結果、SETボタンが押された場合には、閾値の変更値を不揮発性メモリ(EEPROM)56に記憶されている閾値として決定し、ステップS602に戻る。一方、SETボタンが押されていない場合には、引き続き閾値の設定を行うのでステップS607に戻る。
【0076】
以上のように本実施形態では、カメラの背面に設けられた画像表示部28に、閾値設定画面701、702、801、802を表示する。このとき、デジタルカメラに取り付けられている電池に対応する放電カーブをグラフィカルに表示し、その放電カーブ上に閾値を示す画像の表示を行う。そして、設定対象となる閾値を示す画像を点滅表示する。その後、閾値を変更するための操作をユーザが行うと、点滅表示している位置が放電カーブに沿って移動する。従って、第1の実施形態で説明した効果に加え、より視覚的に分かり易く閾値の設定をユーザに行わせることができる。
【0077】
尚、本実施形態では、閾値設定画面に表示する放電カーブの縦軸を電池の放電電圧とし、横軸を撮影枚数とした。しかしながら、必ずしもこのようなパラメータで放電カーブを表さなくてもよい。例えば、放電カーブの横軸を放電容量としてもよい。また、表示スペースに応じて縦軸を撮影枚数とし、横軸を電池の放電電圧としてもよい。
また、前述したように、設定対象となる閾値を示す画像の表示位置を放電カーブに沿って移動すれば好ましいが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、放電カーブと共に、閾値をデジタル表示し、デジタル表示した閾値の値を変更してもよい。
更に、電池の種類毎ではなく、例えば電池の型式名毎に放電カーブを複数種類記憶するようにしてもよい。
また、本実施形態でも、第1の実施形態で説明した種々の変形例を適用することができる。
【0078】
(本発明の他の実施形態)
前述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給してもよい。そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0079】
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。また、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0080】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけでない。そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているオペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0081】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードに備わるCPUが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
また、供給されたプログラムコードがコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいて機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0082】
なお、前述した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、デジタルカメラの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、電池の放電特性曲線(放電カーブ)と、撮影枚数との関係を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、電池の残量に関わる表示の切り替えを行うための閾値を設定する際のデジタルカメラの動作の一例を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、閾値設定画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、設定対象とする閾値が決定された後の閾値設定画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示し、電池の残量に関わる表示の切り替えを行うための閾値を設定する際のデジタルカメラの動作の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態を示し、閾値設定画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示し、設定対象とする閾値が決定された後の閾値設定画面の一例を示す図である。
【図9】デジタルカメラにおける電池の残量の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
28 画像表示部
50 システム制御回路
56 不揮発性メモリ
66 メインダイヤル
68 サブダイヤル
70 SW操作部
80 電源制御部
86 電源部
100 デジタルカメラ本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電池の残量に関わる表示を行うための閾値をユーザの操作によって設定する閾値設定手段と、
前記電圧検出手段により検出された電圧と、前記閾値設定手段により設定された閾値とを比較する比較手段と、
前記比較手段により比較された結果に応じて、前記電池の残量を示す画像を表示装置に表示する残量表示手段とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記閾値設定手段にてユーザが設定可能な閾値には設定許容範囲が予め定められていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記閾値設定手段によって設定される閾値は、前記残量表示手段によって表示される前記電池の残量を示す画像ごとに設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記閾値設定手段は、前記電池の残量がないことを示す画像に対応する閾値をユーザによって設定することができないようにすることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電池の放電特性曲線を表す画像と、その電池の残量に関わる表示を設定するための閾値を示す画像とを表示装置に表示する設定表示手段を有し、
前記設定表示手段は、前記閾値を設定するための操作がユーザによりなされると、その操作に合わせて、変更対象である閾値を示す画像を変更することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記設定表示手段は、前記放電特性曲線上に前記閾値を示す画像を表示し、前記閾値を設定するための操作がユーザによりなされると、変更対象である閾値を示す画像の位置を、前記放電特性曲線に沿って移動させることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電池が装着される装着部と、
前記装着部に装着された電池の種類を判定する電池判定手段と、
前記装着部に装着される電池の種類毎に複数の放電特性曲線を記憶する記憶手段とを有し、
前記設定表示手段は、前記電池判定手段により判定された電池の種類に応じた放電特性曲線を表示装置に表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の電子機器。
【請求項8】
電池の電圧を検出する電圧検出ステップと、
前記電池の残量に関わる表示を行うための閾値をユーザの操作によって設定する閾値設定ステップと、
前記電圧検出ステップにより検出された電圧と、前記閾値設定ステップにより設定された閾値とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップにより比較された結果に応じて、前記電池の残量を示す画像を表示装置に表示する残量表示ステップとを有することを特徴とする電池残量表示方法。
【請求項9】
電池の電圧を検出する電圧検出ステップと、
前記電池の残量に関わる表示を行うための閾値をユーザの操作によって設定する閾値設定ステップと、
前記電圧検出ステップにより検出された電圧と、前記閾値設定ステップにより設定された閾値とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップにより比較された結果に応じて、前記電池の残量を示す画像を表示装置に表示する残量表示ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−72870(P2008−72870A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251153(P2006−251153)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】