説明

電子機器および省電力設定方法

【課題】 1つの機器に対してオートパワーオフの設定を行うと、設定が行われた機器に接続された別の機器に対しても自動的にオートパワーオフの設定を行うことができる電子機器および省電力設定方法を提供する。
【解決手段】 テレビジョン12がリモートコントロールユニット12aによって受信したオートパワーオフの設定をネットワークに送出し、オートパワーオフの設定をネットワークを介して受信した機器が受信したオートパワーオフの設定に基づいて省電力設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された機器の省電力設定技術に係り、特にネットワークを介して受信した省電力設定を適用することが可能な電子機器および省電力設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、テレビジョン等の電子機器においては、所定時間経過すると、自動的に電源をオフするオートパワーオフ機能を備えているものが多い。例えば、特許文献1に示すように、機器単体でオートパワーオフを設定することにより、当該機器を一定時間後にオートパワーオフさせる技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−146103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、テレビジョン等の機器に接続されている別の機器を一定時間後にオートパワーオフさせるためには、別の機器に対して改めてオートパワーオフの設定を行う必要がある。
【0004】
そこで、本発明は、1つの機器に対してオートパワーオフの設定を行うと、設定が行われた機器に接続された別の機器に対しても自動的にオートパワーオフの設定を行うことができる電子機器および省電力設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様によれば、ネットワークに接続する接続部と、前記ネットワークに接続された機器を省電力設定とする設定情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された設定情報を前記接続部を介して前記ネットワークに送出する送出部と、前記ネットワークに接続された機器から前記ネットワークを介して設定情報を受信した場合、受信した設定情報に基づいて省電力設定を行う設定部とを具備することを特徴とする電子機器が提供される。
【0006】
また、ネットワークに接続する接続部を備えた電子機器で用いられる省電力設定方法であって、前記ネットワークに接続された機器を省電力設定とする設定情報を生成し、前記生成された設定情報を前記接続部を介して前記ネットワークに送出し、前記ネットワークに接続された機器から前記ネットワークを介して設定情報を受信した場合、受信した設定情報に基づいて省電力設定を行うことを特徴とする省電力設定方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0008】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る電子機器が接続されたネットワークの構成について説明する。この電子機器は、例えば、テレビジョン(テレビ)12、AVアンプ13、HDDレコーダ10、パーソナルコンピュータ(パソコン)11として実現されている。
【0009】
図1はテレビジョン(テレビ)12、AVアンプ13、HDDレコーダ10、パーソナルコンピュータ(パソコン)11がネットワーク(例えば家庭内LAN等)に接続された状態を示した概念図である。ネットワークに接続されたテレビジョン(テレビ)12、AVアンプ13、HDDレコーダ10、パーソナルコンピュータ(パソコン)11は、それぞれの機器を操作するリモートコントロールユニット12a、13a、10a、11aによって操作することが可能である。これらのリモートコントロールユニット12a、13a、10a、11aからは、それぞれの機器に対して省電力設定信号を送信してそれぞれの機器に設定することができる。省電力設定信号は、例えば、オートパワーオフの設定信号やディスプレイの輝度を低くする設定信号等が挙げられる。省電力設定信号が設定された機器は、ネットワークを介して設定された省電力設定信号を送出する。ネットワークに接続されている機器は、送出された省電力設定信号を受信可能な状態であれば受信して省電力設定信号に基づいた送出された省電力設定を行う。
【0010】
次に、図2を参照して、電子機器(例えばテレビジョン12)20のシステム構成について説明する。
【0011】
電子機器20は、図2に示されているように、制御部21、リモコン受信部22、ネットワーク接続部23、表示部24、記憶部25を備えている。
【0012】
制御部21は、当該電子機器の各種コマンドの送受信や制御等を統括的に行う中央制御装置である。リモコン受信部22は、リモートコントロールユニット12a、13a、10a、11aからの省電力設定信号等を受信する受信部である。ネットワーク接続部23は、上述したネットワーク(図1参照)に接続するためのインターフェースである。表示部24は、各機器に備えられているディスプレイパネル、LED表示等である。記憶部25は、受信した省電力設定信号等を記憶するフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0013】
以上のような構成を用いて、本発明の実施形態の係る電子機器を適用した省電力設定方法について図3図4のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、省電力設定信号を送出する電子機器20を例えばテレビジョン12として説明を行う。
【0014】
電子機器20(テレビジョン12)の制御部21は、リモートコントロールユニット12a、13a、10a、11aからの省電力設定信号等を受信すると(ステップS101)、受信した省電力設定信号等をネットワークへ送出する(ステップS102)。このネットワークへの送出は、例えば、HDMI−CEC(High-Definition Multimedia Interface - Consumer Electronics Control)でのブロードキャストコマンドとして送出する。ブロードキャストコマンドは、ネットワークに接続されているすべての機器が受信可能なコマンドとして送出される。また、ブロードキャストコマンドは、送出後に受信できる機器が受信を行い、受信を行った返答のコマンドは受け取らない。また、電源が入っていない等で受信できなかった機器が存在する場合にも特に受信できなかった旨のコマンドも受け取らないため、省電力設定信号の再送も行わない。このようなブロードキャストコマンドを用いることにより、厳密に設定されたネットワークを構築することなく、手軽で容易にネットワークに接続された機器に対して省電力設定信号を送出することができる。
【0015】
さらに、省電力設定信号をネットワークに送出したテレビジョン12は、テレビジョン12の表示部(ディスプレイ部)24に省電力設定信号が設定された旨の表示を行う(ステップS103)。例えば、省電力設定信号としてオートパワーオフが設定された場合は、「オートパワーオフ60分」等というような表示を行う。
【0016】
そして、オートパワーオフの設定時間、例えば60分が経過した場合は(ステップS104のYES)、その他のオートパワーオフを妨げる要因が無いかをチェックする(ステップS105)。その他のオートパワーオフを妨げる要因があると判別された場合は、例えば、ユーザによってテレビジョン12の操作が行われた場合等には、オートパワーオフの省電力設定は適用されない。
【0017】
一方、ステップS105で、その他のオートパワーオフを妨げる要因がないと判別された場合は、オートパワーオフを行い自動的にテレビジョン12の電源をオフする(ステップS106)。
【0018】
次に、省電力設定信号を送出した機器(テレビジョン12)以外のネットワークに接続されている機器(AVアンプ13、HDDレコーダ10、パーソナルコンピュータ11)の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
【0019】
省電力設定信号を送出した機器(テレビジョン12)以外のネットワークに接続されている機器(AVアンプ13、HDDレコーダ10、パーソナルコンピュータ11)は、ネットワークを介して省電力設定信号、例えばオートパワーオフの設定信号を受信する(ステップS201)。受信した機器、例えばHDDレコーダ10は、オートパワーオフの設定が許可されているか否かを判別する(ステップS202)。HDDレコーダ10により、オートパワーオフの設定が許可されていないと判別されると(ステップS202のNO)、例えば、オートパワーオフの設定を許可しない設定が予めされている等の場合には、その旨の表示(「オートパワーオフを許可しない設定となっています」等)を行い、省電力設定を行わない。
【0020】
一方、HDDレコーダ10により、オートパワーオフの設定が許可されていると判別されると(ステップS202のYES)、所定時間、例えばオートパワーオフの設定時間である60分が経過すると(ステップS204のYES)、その他のオートパワーオフを妨げる要因が無いかをチェックする(ステップS205)。その他のオートパワーオフを妨げる要因があると判別された場合は、例えば、録画設定予約等がある場合(ステップS205のYES)は、省電力設定を行わない。
【0021】
一方、その他のオートパワーオフを妨げる要因がないと判別された場合(ステップS205のNO)は、オートパワーオフを行い自動的にHDDレコーダ10の電源をオフする(ステップS206)。なお、上述した実施形態では、ブロードキャストコマンドとして例えば、HDMI−CECを用いたがこれに限定されるものではなく、ブロードキャストコマンドであればよい。
【0022】
上述した実施形態によれば、ブロードキャストコマンドを用いて各機器に省電力設定情報を送出することにより、ネットワークに接続された機器に対して容易に省電力設定を連動させて適用させることができる。
【0023】
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではない。本発明は、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変更して具現化できる。
【0024】
また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることで、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の構成例を示す概念図。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る電子機器を適用した省電力設定方法について示したフローチャート。
【図4】本発明の一実施形態に係る電子機器を適用した省電力設定方法について示したフローチャート。
【符号の説明】
【0026】
10…HDDレコーダ、11…パーソナルコンピュータ、12…テレビジョン、13…AVアンプ、20…制御部、21…表示部、22…リモコン受信部、23…ネットワーク接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続する接続部と、
前記ネットワークに接続された機器を省電力設定とする設定情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信された設定情報を前記接続部を介して前記ネットワークに送出する送出部と、
前記ネットワークに接続された機器から前記ネットワークを介して設定情報を受信した場合、受信した設定情報に基づいて省電力設定を行う設定部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記設定情報を表示する表示部をさらに備え、
前記設定部は、前記設定情報に基づいてオートパワーオフの設定を行うと、前記表示部に設定された設定情報の表示を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記設定情報を表示する表示部をさらに備え、
前記設定部は、前記設定情報に基づいて前記表示部の輝度を低くする設定を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器において、
前記設定部は、前記省電力設定より優先する設定がある場合は、前記省電力設定に換えて前記優先する設定を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記設定部は、前記省電力設定を複数受信した場合は、最後に受信した省電力設定を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークに接続する接続部を備えた電子機器で用いられる省電力設定方法であって、
前記ネットワークに接続された機器を省電力設定とする設定情報を生成し、
前記生成された設定情報を前記接続部を介して前記ネットワークに送出し、
前記ネットワークに接続された機器から前記ネットワークを介して設定情報を受信した場合、受信した設定情報に基づいて省電力設定を行うことを特徴とする省電力設定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の省電力設定方法において、
前記設定情報を表示する表示部をさらに備え、
前記省電力設定は、前記設定情報に基づいてオートパワーオフの設定を行うと、前記表示部に設定された設定情報の表示を行うことを特徴とする省電力設定方法。
【請求項8】
請求項6に記載の省電力設定方法において、
前記設定情報を表示する表示部をさらに備え、
前記省電力設定は、前記設定情報に基づいて前記表示部の輝度を低くする設定を行うことを特徴とする省電力設定方法。
【請求項9】
請求項6に記載の省電力設定方法において、
前記省電力設定は、前記省電力設定より優先する設定がある場合は、前記省電力設定に換えて前記優先する設定を行うことを特徴とする省電力設定方法。
【請求項10】
請求項6に記載の省電力設定方法において、
前記省電力設定は、前記省電力設定を複数受信した場合は、最後に受信した省電力設定を行うことを特徴とする省電力設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−157840(P2009−157840A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338244(P2007−338244)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】