説明

電子機器および筐体構造

【課題】良好なアンテナ特性、薄型化および軽量化を図った電子機器を提供する。
【解決手段】ディスプレイ筐体13は、GFRP領域101とCFRP領域103で形成されている。GFRPのアンテナ領域101a、101bとカメラ領域101cは、波形の接合部201a〜201cでCFRP領域と突き合わせ接合されている。アンテナは、GFRPのアンテナ領域の上に配置される。GFRPは非導電性の材料であるため、アンテナの特性を良好に保つことができる。接合部がLCDモジュールの投影の下に入っても突き合わせ接合しているため筐体構造は厚くならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナを搭載する電子機器の筐体構造に関し、さらに詳細にはアンテナ特性を良好に保ちながら薄型化および軽量化を図ることができる筐体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)などの携帯式コンピュータは、無線通信用のアンテナを標準で装備するようになってきている。無線通信用のアンテナは、ユーザがノートPCを使用する際に最もアンテナの感度が良好になるように、液晶ディスプレイの上側もしくは横側に配置される。周波数帯域の広帯域化・複数帯域化への対応、データ転送速度の高速化への対応、ダイバーシティ通信への対応などの理由で、ノートPCのディスプレイ側筐体に搭載されるアンテナの数も一層増大する傾向にある。
【0003】
図6は、従来のノートPCの表示部213の構成を示す概略斜視図である。表示部213は、ディスプレイ筐体223、ディスプレイ・モジュール225、アンテナ取り付け部227a、227b、およびベゼル231を含んでいる。アンテナ取り付け部227a、227bには、無線通信のための様々なアンテナが取り付けられる。ディスプレイ筐体223は箱形の構造であり、内部にディスプレイ・モジュール225を収納して固定するようになっている。アンテナ取り付け部227a、227bは、ディスプレイ・モジュール225の側部とディスプレイ筐体223の内面との間に配置される。ベゼル231はディスプレイ・モジュール225の前面に配置されてディスプレイ筐体223に取り付けられる。
【0004】
ディスプレイ筐体223は、内蔵されたディスプレイ・モジュール225などの部品を外部からの押圧に対して保護する構造体である。そのため、ディスプレイ筐体223は、かつては厚いガラス繊維強化プラスチックによって形成されることが多かったが、筐体の強度を保ちつつ薄型化および軽量化を可能にするために、最近はアルミニウム系合金、マグネシウム系合金などのような軽金属が多く使われるようになっている。
【0005】
アンテナ取り付け部227a、227bに取り付けられたアンテナは、金属のような導電性材料で形成されたディスプレイ筐体223の内側に配置されると感度が低下する。そのため、ディスプレイ筐体223が金属製の場合は、アンテナの位置に対応する側部の一部に切り欠き233a、233bを設けて、ゴムやプラスチックなどのような非導電体で構成されたキャップ235a、235bを切り欠き233a、233bの内部に充填する構造が一般的であった。
【0006】
しかし、ディスプレイ筐体223に切り欠き233a、233bを設けると、その部分の強度が低下することが避けられないという問題がある。そのため、切り欠き233a、233bによって強度が低下することを見越して十分な強度を確保できるよう、ディスプレイ筐体223の構造を決定しなければならなかった。特に、一つの筐体に複数のアンテナが搭載される場合には、搭載されるアンテナの数だけ切り欠きが必要となるので、金属製の筐体による薄型化および軽量化の制約になっていた。
【0007】
特許文献1は、繊維を含む機材の縁端部を覆うための樹脂材を、この樹脂材と基材との合わせ面から接着剤をはみ出させることなく接着して、縁端部における繊維のささくれを覆うことができる電子機器筐体を開示する。特許文献2は、軽量化、電磁シールド性、変形などの多目的に対応するために、金属板と複合熱可塑性樹脂材料で形成した壁部で構成される電子機器用の筐体を開示する。金属板と壁部は、波形の形状をした接合面で接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−149463号公報
【特許文献2】特開平11−298158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ノートPCの薄型化および軽量化が一層進展してくるのに伴い、ディスプレイ筐体の構造もそれに対応するためにさらに進化してきている。金属製のディスプレイ筐体では、アンテナの感度を確保するための切り欠き部分が強度的に弱点になり、さらに意匠的な問題もあったりして新しい構造のディスプレイ筐体が求められていた。本発明の出願人に譲渡されて出願された特願2007−69947号にかかる発明では、ディスプレイ筐体を、非導電性材料で形成され意匠的機能を分担する化粧カバーと、金属で形成され強度的機能を分担するフレームとの複合部材で構成している。
【0010】
しかし、この筐体では部材の点数が多くなったり、金属を使用するため重くなったりするという課題が残っており、これからの世代のノートPCにはアンテナ特性に優れ、さらに薄型化および軽量化に対応できるディスプレイ筐体を採用した電子機器が望まれていた。そこで本発明の目的は、良好なアンテナ特性、薄型化および軽量化を実現した電子機器を提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような電子機器に使用する筐体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる電子機器は、ディスプレイ・モジュールを収納するディスプレイ筐体とシステム筐体を備える。ディスプレイ筐体は底面の中央部を構成する導電性の炭素繊維強化樹脂の領域を含む。ディスプレイ筐体はさらに中央部の周囲を4辺の方向から囲うように中央部に連絡する底面の周辺部と、内側を箱状に形成するように底面の周辺部に連絡し4辺に形成された側壁を構成する非導電性のガラス繊維強化樹脂の領域を含む。アンテナは底面の周辺部に配置される。アンテナに接続された無線モジュールはシステム筐体に収納される。底面の中央部の端部と底面の周辺部の端部がディスプレイ・モジュールの投影内で突き合わせ接合されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、良好なアンテナ特性、薄型化および軽量化を実現した電子機器を提供することができた。さらに本発明により、そのような電子機器に使用する筐体構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態にかかるノートPC10の外観を示す斜視図である。
【図2】ディスプレイ筐体がLCDモジュールを収納する内面の平面図である
【図3】ディスプレイ筐体にアンテナが配置された状態を示す平面図である。
【図4】ディスプレイ筐体にLCDモジュールが収納された状態を示す平面図である。
【図5】接合部の詳細を示す平面図および断面図である。
【図6】従来のディスプレイ筐体およびLCDモジュールを説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施の形態にかかるノートPC10の外観を示す斜視図である。ノートPC10は、ディスプレイ筐体13に液晶ディスプレイ(LCD)モジュール15が収納されている。システム筐体11には、プロセッサ、マザー・ボード、無線モジュール、ハードディスク・ドライブなどのシステム・デバイスが収納されている。システム筐体11の上面には、キーボード・アセンブリ17とキーボード・ベゼル19が取り付けられている。システム筐体11とディスプレイ筐体13は、ヒンジ部21a、21bで開閉可能なように結合されている。
【0015】
図2は、ディスプレイ筐体13がLCDモジュール15を収納する内側の平面図である。図2の上側には、ヒンジ部21a、21bが位置している。ディスプレイ筐体13は、LCDモジュール15を収納したり押圧に対してディスプレイ・モジュール15を保護したりする強度を備えるとともに、外側がノートPC10の外形を構成する意匠的要素を備えている。したがって、ディスプレイ側ではディスプレイ筐体13以外に強度を確保するための特別なフレーム部材を必要としない。
【0016】
ディスプレイ筐体13は、非導電性の材料であるガラス繊維強化樹脂(GFRP)の領域101と導電性の材料である炭素繊維強化樹脂(CFRP)の領域103の2つの領域で形成されている。GFRP領域101はディスプレイ筐体13の周辺部に配置され、さらに内側を箱状に形成するための側壁13aを構成している。GFRP領域101には、アンテナ領域101a、101b、インジケータ領域101c、およびその他の領域101d、101eが代表的に示されている。CFRP領域103はディスプレイ筐体13の中央部に配置されて全体の領域を支配している。GFRPとCFRPはともにナイロンを基材にしている。
【0017】
アンテナ領域101a、101bとインジケータ領域101cは、側壁13aから中央部に向かって伸びており、CFRP領域103との境界201a〜201cが規則的な波形になっている。アンテナ領域101a、101bはLANやWANなどのアンテナを取り付けるスペースとして利用する。インジケータ領域101cは、インジケータ用の発光ダイオードを取り付けるスペースとして利用する。また、CFRP領域103は、カメラを取り付けるカメラ領域103aを含む。
【0018】
図3は、ディスプレイ筐体13にアンテナ251a、251bが配置された状態を示す平面図である。アンテナ251a、251bはそれぞれ放射素子部255a、255bおよびグランド・シート253a、253bで構成されている。アンテナ251a、251bはシステム筐体11に収納された無線モジュールに接続されている。放射素子部255a、255bでは、合成樹脂のフレームに周波数帯に応じた複数の放射素子が貼り付けられている。グランド・シート253a、253bは、アルミ箔で形成されている。アンテナ251a、251bは、アンテナの電波感度を向上するために、図1に示すようにディスプレイ筐体13が開かれたときに上側に位置するように配置されている。
【0019】
図4は、ディスプレイ筐体13にLCDモジュール15が収納された状態を示す平面図である。図3および図4を参照すると明らかなように、アンテナ領域101a、101bは、アンテナ251a、251bの全体を搭載できるように側壁13aから中央部に向かって十分に延びている。その結果、アンテナ領域101a、101bとCFRP領域103の接合部は、LCDモジュール15の底面に対する投影の内側に入る。アンテナ251a、251bの全体が、非導電性材料で形成されたアンテナ領域101a、101bに配置されることで良好な電波特性を得ることができる。アンテナ251a、251bは、放射素子部255a、255bがディスプレイ筐体の側壁13aの内面とLCDモジュール15との間に配置され、グランド・シート253a、253bの大部分が、LCDモジュール15とアンテナ領域101a、101bとの間に配置される。
【0020】
ここで、GFRP領域101とCFRP領域103の接合構造について説明する。GFRP領域101とCFRP領域103は、一体となって、LCDモジュール15を保持したり外部からの押圧に耐えたりといったようにディスプレイ筐体13の強度を確保する必要がある。したがって、接合部分には所定の強度が要求される。GFRP領域101とCFRP領域103の接合部には、図2に示すように底面で規則的な波形を形成する突き合わせ接合部201a〜201cと、直線で示されている重ね合わせ接合部201d、201eとがある。重ね合わせ接合部201d、201eは例示であり、突き合わせ接合部201a〜201c以外のGFRP領域101とCFRP領域103の接合部はすべて重ね合わせ接合されている。
【0021】
重ね合わせ接合部201d、201eでは、GFRP領域101がCFRP領域103の上にディスプレイ筐体13の内側に盛り上がるように重ね合わされている。突き合わせ接合部201a〜201cでは、底面上で波形のような規則的な凹凸の曲線を描く接触面でGFRP領域101の端部とCFRPの領域103端部が付き合わせられて接合されている。重ね合わせ接合は、突き合わせ接合よりも強度を強くすることができるが、重ね合わせ部分で内側に厚くなるために、LCDモジュール15の底面に対する投影に入らない領域にだけ採用している。なお、重ね合わせ部分でGFRP領域101がディスプレイ筐体13の外側に盛り上がるように重ね合わせる方法もあるが、意匠上の問題があるためそれを採用することはできない。
【0022】
本実施の形態ではCFRP領域103の厚さは1.5mmで、アンテナ領域101aの厚さは1mm〜1.5mmである。CFRP領域103は、2つのCFRP層の間に発泡層が挟まれた積層構造のパネルを図2に示したようなCFRP領域103の形状に切断して製作する。ディスプレイ筐体13の強度を強くする必要がある中央部分にこのような積層構造のパネルを採用することで、軽量でかつ強度の強いディスプレイ筐体13を製作することができる。そして、加工したCFRP103のパネルを金型にセットし、加熱して融解したGFRPを金型に圧入する射出成形でディスプレイ筐体13を形成する。
【0023】
図5(A)は、アンテナ領域101aと接合部201aの詳細を示す平面図である。図5(B)は、図5(A)のA−A矢視の断面図で、図5(C)は接合部201aを拡大した断面図ある。図5(B)において、アンテナ領域101aを構成する主体的な面の厚さt1は1mmにしているが、CFRPの領域103との接合面の近辺での厚さt2は1.5mmにしてCFRP領域103の厚さと同じにしている。
【0024】
アンテナ領域101a、101bは、カメラ領域103aとの間でも突き合わせ接合で結合されているため、十分な強度を確保することができるようになっている。そしてアンテナ領域101aの厚さt1の部分にアンテナ251aの放射素子部255aを配置することができるため、アンテナの放射素子部255aに対してディスプレイ筐体13の厚さ方向にスペースを提供し、アンテナのデザインに対する制約を緩和して良好なアンテナ特性を得ることができる。さらに、アンテナ領域101a、101bを薄くすることによりディスプレイ筐体13の軽量化を図ることができる。
【0025】
接合部201aは、アンテナ領域101aとCFRP領域103の端部が、平面上で幅L1が約6mmで長さL2が約7mmの規則的な凹凸の曲線で形成された曲面で接触している。接触面の形状は、2つの材料の接触面積を多くして結合強度を増すことを目的にしているのでこれ以外でもよい。CFRP領域103は、CFRP105、107の層の間に発泡層109を挟み込んだ積層構造であるため、射出成形の過程で融解したGFRPが部分的に発泡層109の中に入り込み、両者は図5(C)に示すように強固に接合される。
【0026】
図2と図4を参照したときに、接合部201a〜203dは、LCDモジュール15の底面に対する正投影の中にあるためその下に隠れるが、接合部201d、201eは、LCDモジュール15の正投影の外に位置する。したがって、接合部201d、201eは、CFRP105の内側にGFRP領域101を重ね合わせるようにしても、LCDモジュール15の取り付けには支障がでない。
【0027】
カメラ領域103aと側壁13aの近辺に存在するGFRP領域との接合は重ね合わせ接合をすることができるためカメラ領域103aの強度を確保することができ、さらに強度が確保されたカメラ領域103aに対して付き合わせ接合をすることでアンテナ領域101a、101bの強度を確保することができる。接合部201a〜201cでは、突き合わせ接合をしてLCDモジュール15に対して底面に平坦な取り付け面を提供している。なお、ディスプレイ筐体13の外側は塗装して接合部201a〜201eが外側からはみえないようになっている。
【0028】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
携帯式コンピュータや携帯電話などの電子機器に使用できる。
【符号の説明】
【0030】
10…ノートPC
11…システム筐体
13…ディスプレイ筐体
13a…側壁
15…LCDモジュール
17…キーボード・アセンブリ
19…キーボード・ベゼル
21a、21b…ヒンジ部
101、101d、101e…GFRP領域
101a、101b…アンテナ領域(GFRP領域)
101c…インジケータ領域(GFRP領域)
103…CFRP領域
103a…カメラ領域(CFRP領域)
105、107…CFRP層
109…発泡層
201a、201b、201c…突き合わせ接合部
201d〜201e…重ね合わせ接合部
251a、251b…アンテナ
253a、253b…グランド・シート
255a、255b…放射素子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面の中央部を構成する導電性の炭素繊維強化樹脂と、前記中央部の周囲を4辺の方向から囲うように前記中央部に連絡する前記底面の周辺部と内側を箱状に形成するように前記底面の周辺部に連絡し前記4辺に形成された側壁を構成する非導電性のガラス繊維強化樹脂で形成されたディスプレイ筐体と、
前記ディスプレイ筐体に収納されたディスプレイ・モジュールと、
前記底面の周辺部に配置されたアンテナと、
前記アンテナに接続された無線モジュールを収納するシステム筐体とを有し、
前記底面の中央部の端部と前記底面の周辺部の端部が前記ディスプレイ・モジュールの投影内で突き合わせ接合されている電子機器。
【請求項2】
前記底面の中央部の厚さと前記底面の周辺部の厚さが前記突き合わせ接合の接合部の近辺で同一である請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記側壁が前記アンテナが配置された位置の近辺で切り欠き部分を含まない請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記炭素繊維強化樹脂が炭素繊維強化樹脂層の間に発泡層を挟んだ積層構造パネルで形成され、前記突き合わせ接合の接合部において前記ガラス繊維強化樹脂の一部が前記発泡層の中に部分的に入り込んでいる請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記ディスプレイ筐体と前記システム筐体がヒンジ部で開閉可能に結合され、前記ディスプレイ筐体が閉じられたときに前記炭素繊維強化樹脂と前記ガラス繊維強化樹脂が一体となって前記ディスプレイ筐体に対する押圧に耐えるように形成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記ディスプレイ筐体は、加工した前記炭素繊維強化樹脂を金型にセットし、加熱して融解した前記ガラス繊維強化樹脂を前記金型に流し込んで形成される請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記アンテナの全体が前記底面の周辺部の上に配置される請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記アンテナのグランド・シートの一部が前記ディスプレイ・モジュールと前記底面の周辺部との間に配置され、前記アンテナの放射素子が前記側壁と前記ディスプレイ・モジュールとの間に配置される請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子機器。
【請求項9】
電子機器のディスプレイ・モジュールを収納するディスプレイ筐体の筐体構造であって、
前記筐体構造の底面の中央部に配置され炭素繊維強化樹脂で形成された導電性樹脂の領域と、
前記導電性樹脂の領域の周囲の全体を囲うように配置されアンテナ搭載スペースを含む前記底面の周辺部と該底面の周辺部に連絡し4辺で内側を箱状に形成する側壁を含みガラス繊維強化樹脂で形成された非導電性樹脂の領域とを有し、
前記導電性樹脂の領域の端部と前記非導電性樹脂の領域の端部との接合部が前記底面において突き合わせ接合で結合されている筐体構造。
【請求項10】
前記底面の中央部の厚さと前記底面の周辺部の厚さが前記接合部の近辺で同一である請求項9に記載の筐体構造。
【請求項11】
前記炭素繊維強化樹脂が炭素繊維強化樹脂層の間に発泡層を挟んだ積層構造パネルで形成され、前記接合部において前記ガラス繊維強化樹脂の一部が前記発泡層の中に部分的に入り込んでいる請求項9または請求項10のいずれかに記載の筐体構造。
【請求項12】
前記ディスプレイ筐体が前記電子機器のシステム筐体にヒンジ部で開閉可能に結合され、前記ディスプレイ筐体が閉じられたときに前記炭素繊維強化樹脂の領域と前記ガラス繊維強化樹脂の領域が一体となって前記ディスプレイ筐体に対する押圧に耐えるように形成されている請求項9から請求項11のいずれかに記載の筐体構造。
【請求項13】
前記ディスプレイ筐体は、加工した前記炭素繊維強化樹脂を金型にセットし、加熱して融解した前記ガラス繊維強化樹脂を前記金型に流し込んで形成される請求項12に記載の筐体構造。
【請求項14】
前記接合部が前記底面において規則的な凹凸の曲線を描き、前記接合部において前記導電性樹脂の領域のピッチと前記非導電性樹脂の領域のピッチが等しい請求項9から請求項13のいずれかに記載の筐体構造。
【請求項15】
前記アンテナ搭載スペースが前記接合部の厚さおよび前記導電性樹脂の領域の厚さより薄い前記非導電性樹脂の領域に形成されている請求項9から請求項14のいずれかに記載の筐体構造。
【請求項16】
前記接合部が前記底面に対する前記ディスプレイ・モジュールの投影の内側に形成されている請求項9から請求項15のいずれかに記載の筐体構造。
【請求項17】
前記ディスプレイ・モジュールの投影面の外側において前記導電性樹脂の領域と前記非導電性樹脂の領域が重ね合わせ接合されている請求項9から請求項16のいずれかに記載の筐体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−165206(P2011−165206A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99202(P2011−99202)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【分割の表示】特願2008−4103(P2008−4103)の分割
【原出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
【復代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
【Fターム(参考)】