説明

電子機器および電子機器の処理プログラム

【課題】子画面の表示位置を容易にかつ適切に制御する電子機器を実現する。
【解決手段】CPU100は、子画面表示指示操作の状況(操作時間および操作回数)を検出した後、優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態で子画面を表示する際の優先順位を決定する。そして、検出された操作状況の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、優先順位で指定される子画面の表示位置を、表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から読み出して特定すると、現在の表示形態で子画面を表示する際の優先順位の内、その特定された優先順位で指定される表示位置に子画面を表示させる。これにより、子画面の表示位置を容易にかつ適切に制御し得るようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親画面上に表示される子画面の表示位置を、容易にかつ適切に制御し得る電子機器および電子機器の処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示画面の一部を領域とした子画面を、その子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する子画面表示機能を備えた電子機器が知られている。このような電子機器では、子画面によって親画面の表示内容の一部が隠れてしまう為、ユーザが視認したい表示内容をできるだけ遮らない適切な位置に子画面を表示するか、子画面の表示位置を容易に変更可能とする必要がある。
【0003】
ポインティングデバイスを備えるパーソナルコンピュータ等の電子機器では、表示画面に表示される仮想ポインタをユーザがマウスで動かしてウィンドウ(子画面)の表示位置を容易に変更できるが、ポインティングデバイスを持たない電子機器の場合には、例えば特許文献1に開示されているように、ユーザの操作入力を受け付けるタッチパネルが貼設された表示画面を有する表示装置において、タッチパネルに指やタッチペンをタッチして、ドラッグ操作(タッチしたままスライドさせる操作)によって子画面の表示位置を変更させるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−260289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タッチパネルでのドラッグ操作やマウスで仮想ポインタを移動させる操作によってユーザが所望する表示位置に子画面を移動させるには、ユーザ自らがその都度表示位置を決定しなければならず、その操作が煩わしいという弊害がある。また、タッチパネルを備えていない電子機器やマウスによる操作を行えない電子機器では、簡単な操作で所望の表示位置に子画面を移動させることすら叶わない。つまり、従来では、親画面に重ねて表示される子画面の表示位置を、容易にかつ適切に制御することが出来ない、という問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、子画面の表示位置を容易にかつ適切に制御することができる電子機器および電子機器の処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器において、親画面の表示内容の種類と子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報を記憶する表示位置情報記憶手段と、子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示手段と、前記表示指示手段が子画面表示指示を発生した時の親画面の表示内容の種類を検出する検出手段と、前記表示位置記憶手段に記憶される表示位置情報と前記検出手段により検出された親画面の表示内容の種類とに応じて子画面の表示位置を特定する特定手段と、表示画面中で前記特定手段により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器において、筐体の状態を示す筐体スタイルと子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報を記憶する表示位置情報記憶手段と、子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示手段と、
前記表示指示手段が子画面表示指示を発生した時の筐体スタイルを検出する検出手段と、前記表示位置記憶手段に記憶される表示位置情報と前記検出手段により検出された筐体スタイルとに応じて子画面の表示位置を特定する特定手段と、表示画面中で前記特定手段により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器において、子画面の表示位置の優先順位を記憶する記憶手段と、ユーザ操作に応じて子画面の表示位置の変更を指示する指示手段と、前記指示手段により子画面の表示位置の変更が指示された場合に、前記記憶手段に記憶されている優先順位に基づいて、表示画面中で子画面の表示位置を変更するよう制御する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
上記請求項3に従属する請求項4に記載の発明では、前記記憶手段は、親画面の表示内容の種類に基づいて決定された優先順位を記憶することを特徴とする。
【0011】
上記請求項3に従属する請求項5に記載の発明では、前記記憶手段は、筐体の状態を示す筐体スタイルに基づいて決定された優先順位を記憶することを特徴とする。
【0012】
上記請求項3に従属する請求項6に記載の発明では、前記表示制御手段は、前記指示手段が子画面の表示位置の変更を指示した時のユーザ操作の操作時間と、前記記憶手段に記憶される優先順位とに応じて、表示画面中で子画面の表示位置を変更することを特徴とする。
【0013】
上記請求項3に従属する請求項7に記載の発明では、前記表示制御手段は、前記指示手段が子画面の表示位置の変更を指示した時のユーザ操作の操作回数と、前記記憶手段に記憶される優先順位とに応じて、表示画面中で子画面の表示位置を変更することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明では、表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器で実行されるプログラムであって、子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示処理と、前記表示指示処理が子画面表示指示を発生した時の親画面の表示内容の種類を検出する検出処理と、予め記憶された情報であって、親画面の表示内容の種類と子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報と、前記検出処理により検出された親画面の表示内容の種類とに応じて子画面の表示位置を特定する特定処理と、表示画面中で前記特定処理により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御処理とをコンピュータで実行させることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明では、表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器で実行されるプログラムであって、子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示処理と、前記表示指示処理が子画面表示指示を発生した時の筐体スタイルを検出する検出処理と、予め記憶された情報であって、筐体の状態を示す筐体スタイルと子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報と、前記検出処理により検出された筐体スタイルとに応じて子画面の表示位置を特定する特定処理と、表示画面中で前記特定処理により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御処理とをコンピュータで実行させることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明では、表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器で実行されるプログラムであって、ユーザ操作に応じて子画面の表示位置の変更を指示する指示処理と、前記指示処理により子画面の表示位置の変更が指示された場合に、予め記憶されている子画面の表示位置の優先順位に基づいて、表示画面中で子画面の表示位置を変更するよう制御する表示制御処理とをコンピュータで実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、子画面の表示位置を容易にかつ適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態による携帯電話10が有する機能の概要を説明する為のシステム構成図である。
【図2】携帯電話10の構成を示すブロック図である。
【図3】RAM102に設けられる画面情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の構成例を示す図である。
【図4】筐体スタイルを説明する為の図である。
【図5】表示画面DSPに表示される子画面の位置の一例を示す図である。
【図6】RAM102に設けられる表示位置情報記憶部102dに記憶される第1の表示位置情報の構成例を示す図である。
【図7】RAM102に設けられる表示位置情報記憶部102dに記憶される第2の表示位置情報の構成例を示す図である。
【図8】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図9】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図10】子画面表示処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】優先順位決定処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】表示位置特定A処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】子画面表示位置変更処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】表示位置特定B処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
A.構成
(1)システム構成
図1は、本発明の実施形態である携帯電話10が有する機能の概要を説明する為のシステム構成図である。携帯電話10は、移動無線通信機能およびメール送受信機能を備える。移動無線通信機能を用いて通話する場合、携帯電話10は、位置登録している基地局BSを介して発信側の交換機SWに発呼する。発信側の交換機SWは、発呼に応じて、無線通信網RN中に設けられる加入者登録サーバ(不図示)から問い合せた着番号(加入者番号)および位置登録情報に基づき着信側の交換機SWを呼出す。着信側の交換機SWは、着信側の基地局BSを介して着信側の携帯電話10(不図示)を呼出し、これに応じて着信側が着呼応答すると、発信側の交換機SWと着信側の交換機SWとのリンクが確立して通話可能になる。
【0020】
メール送受信機能を用いて携帯電話10から送信されるメールは、基地局BS、交換機SWおよび無線通信網RN中に設けられるゲートウェイサーバ(不図示)を経てインターネット上のメールサーバ(不図示)に伝送される。メールサーバは、上述とは逆の経路で宛先のメールアドレスを有する携帯電話10にメールを送るようになっている。
【0021】
(2)携帯電話10の構成
次に、図2を参照して携帯電話10の構成を説明する。図2において、CPU100は、操作部106(後述する)から供給されるイベントに応じて各部動作を制御する。本発明の要旨に係わるCPU100の特徴的な処理動作については追って詳述する。
【0022】
ROM101は、プログラムエリアおよびデータエリアを備える。ROM101のプログラムエリアには、CPU100により実行される各種プログラムが記憶される。ここで言う各種プログラムとは、追って詳述するメインルーチン、子画面表示処理、優先順位決定処理、表示位置特定A処理、子画面表示位置変更処理および表示位置特定B処理を含む。ROM101のデータエリアには、所定のプログラムにより参照される制御データの他、例えば待受画面などを形成する各種画面データが格納される。RAM102は、各種レジスタ・フラグデータを一時記憶するワークエリアの他、優先順位情報記憶部102aおよび表示位置情報記憶部102bを備える。
【0023】
RAM102に設けられる優先順位情報記憶部102aには、決定条件(後述する)に応じた、子画面の優先順位とそれに対応する表示位置とを表す優先順位情報が記憶される。図3は、優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の一構成例である。この図に示す一例の場合、優先順位情報は、「設定フラグ」、「決定条件」、「優先順位」および「表示位置」から成る。
【0024】
設定フラグは、ユーザ操作により選択される決定条件を表す場合に「1」に、それ以外は「0」となる。つまり、設定フラグは現在採用されている決定条件を表す。決定条件は、親画面の表示内容の種類と、筐体スタイルとから構成される。親画面の表示内容の種類とは、親画面で表示される表示データの属性を表すものであり、横書きテキスト、縦書きテキスト、画像およびその他(例えばテキストと画像が混在するWebページ等)から成る。
【0025】
筐体スタイルとは、図4に図示するように、表示部105の表示画面DSPを携帯電話10の筐体に沿わせた縦ビュースタイル(図4(a)参照)と、表示画面DSPを携帯電話10の筐体に対して90度回転させて横向きにした横ビュースタイル(図4(b)参照)とを表す。
【0026】
優先順位は、決定条件を構成する各表示形態(横書きテキスト、縦書きテキスト、画像、その他、縦ビュースタイルおよび横ビュースタイル)ごとに付与される表示上の優先度を表す。また、これら各項目の優先順位には、それぞれ子画面の表示位置A〜Dが対応付けられている。子画面の表示位置A〜Dとは、例えば表示画面DSPが縦ビュースタイルの場合には、図5(a)に図示する位置関係を、表示画面DSPが横ビュースタイルの場合には、図5(b)に図示する位置関係をそれぞれ表す。
【0027】
こうした優先順位情報は、CPU100が実行する優先順位決定処理(後述する)において参照される。また、図3に図示した構成の優先順位情報は、説明の簡略化を図る為、決定条件を親画面の表示内容の種類と筐体スタイルとに2分割した一例を挙げているが、これに限らず、例えば横書きテキストで縦ビュースタイルの場合や、横書きテキストで横ビュースタイルの場合など、2つ異なる項目を組み合わせた決定条件を設定し、これに優先順位および表示位置を付与する態様としても構わない。
【0028】
RAM102に設けられる表示位置情報記憶部102bには、親画面上で子画面を表示させる位置を表す表示位置情報が記憶される。表示位置情報は、子画面表示指示操作に応じて子画面の表示位置を表す第1の表示位置情報と、子画面表示位置変更指示操作に応じて新たに表示させる子画面の表示位置を表す第2の表示位置情報とから構成される。以下、図6〜図7を参照して第1および第2の表示位置情報の構成について説明する。
【0029】
図6は、表示位置記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の一例であり、「設定フラグ」、「操作状況」および「表示位置」から成る。設定フラグは、ユーザ操作により選択される操作状況を表す場合に「1」に、それ以外は「0」に設定される。つまり、設定フラグは現在採用されている操作状況を表す。操作状況は、子画面表示指示操作の操作時間および操作回数から成る。
【0030】
表示位置は、操作状況の各項目(1秒未満の操作時間、1秒以上の操作時間、1回の操作回数および2回以上の操作回数)に対応付けられた子画面の表示位置を表す。例えば図6に図示する一例において、現在採用されている操作状況が「操作回数」である場合に、1回の子画面表示指示操作が行われると、優先順位「1」位の表示位置が指定される。こうした第1の表示位置情報は、CPU100が実行する表示位置特定A処理(後述する)において参照される。
【0031】
図7は、表示位置記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の一例であり、上述した第1の表示位置情報と同様に、「設定フラグ」、「操作状況」および「表示位置」から成る。設定フラグは、ユーザ操作により選択される操作状況を表す場合に「1」に、それ以外は「0」に設定されるフラグであり、現在採用されている操作状況を表す。操作状況は、子画面表示指示変更操作の操作時間および操作回数から成る。
【0032】
表示位置は、操作状況の各項目(1秒未満の操作時間、1秒以上の操作時間、1回の操作回数および2回以上の操作回数)に対応付けられた子画面の表示位置を表す。例えば図7に図示する一例において、現在採用されている操作状況が「操作回数」である場合に、2回以上の子画面表示指示変更操作が行われると、優先順位が2ランク下の表示位置が指定される。こうした第2の表示位置情報は、CPU100が実行する表示位置特定B処理(後述する)において参照される。
【0033】
さて、再び図2を参照して携帯電話10の構成について説明を進める。図2において、無線通信送受信部103は、データ通信時にはCPU100の制御の下にアンテナANT1を介して基地局BSとデータ授受を行い、音声通話時にはアンテナANT1を介して受信復調した音声データをCPU100に出力する一方、CPU100から供給される音声データを変調して得た送信信号を高周波増幅してアンテナANT1から送出する。
【0034】
音声信号処理部104は、スピーカSPおよびマイクMICを備え、CPU100から供給される音声データを音声信号にD/A変換してスピーカSPから発音させたり、マイクMICから出力される音声信号を音声データにA/D変換してCPU100に供給する。表示部105は、カラー液晶パネルおよび表示ドライバから構成され、CPU100の制御の下に、各種表示態様で親画面や子画面を表示画面DSPに表示する。
【0035】
操作部106には、パワーオンオフする電源スイッチ、通話開始/終了時に操作されるオフフック/オンフックスイッチ、ダイヤルスイッチと兼用の文字入力スイッチ等の各種操作キーの他、設定操作、子画面表示指示操作および子画面表示位置変更指示操作を行うための各種操作ボタン等を有し、これらキーやボタンの操作に応じたイベントを発生してCPU100に出力する。なお、設定操作、子画面表示指示操作および子画面表示位置変更指示操作が意図するところについては後述する。RTC107は、時刻計時やタイマ割込みに用いるリアルタイムクロックを発生する。筐体スタイル検出部108は、図4に図示した「縦ビュースタイル」又は「横ビュースタイル」を検出する。
【0036】
B.動作
次に、上記構成による携帯電話10の動作について説明する。以下では、図8〜図9を参照して携帯電話10のCPU100が実行する「メインルーチン」の動作を説明した後、図10を参照してメインルーチンからコールされる「子画面表示処理」の動作を説明する。また、図11〜図12を参照して子画面表示処理からコールされる「優先順位決定処理」および「表示位置特定A処理」の各動作を説明する。さらに、図13を参照してメインルーチンからコールされる「子画面表示位置変更処理」の動作を説明した後、図14を参照して子画面表示位置変更処理からコールされる「表示位置特定B処理」の動作を説明する。
【0037】
(1)メインルーチンの動作
図8〜図9は、CPU100が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。ユーザの電源オン操作により携帯電話10がパワーオンされると、CPU100は図8に図示するステップSA1に処理を進め、位置登録制御シーケンスを実行して網側に位置登録を行った後、待受状態に入る待受処理を実行する。
【0038】
続いて、ステップSA2〜ステップSA4および図9に図示するステップSA5〜SA7では、「設定操作」、「子画面表示指示操作」、「子画面表示位置変更指示操作」、「着信検知」、「電源オフ操作」および「その他の操作」のイベントの有無を判断する。これらイベントが発生しなければ、上記ステップSA2〜SA7の各判断結果は「NO」になり、待受状態のまま待機する。一方、待受状態で上記イベントのいずれかが発生すると、その発生したイベントに対応した処理を実行する。以下、イベント毎の動作を説明する。
【0039】
a.設定操作が行われた場合
この場合、ステップSA2の判断結果が「YES」になり、ステップSA8に進み、設定処理を実行する。設定処理では、ユーザの設定操作に応じて、RAM102の優先順位情報記憶部102aに優先順位情報(図3参照)を新規登録したり、登録されている優先順位情報の内容を編集する。また、設定処理では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに第1および第2の表示位置情報(図6、7参照)を新規登録したり、内容編集したりする。そして、ステップSA8の設定処理が完了すると、CPU100は上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0040】
b.子画面表示指示操作が行われた場合
子画面の表示を指示する子画面表示指示操作が行われると、ステップSA3の判断結果が「YES」になり、ステップSA9に進み、子画面表示処理を実行する。子画面表示処理では、後述するように、子画面表示指示操作の操作状況(操作時間および操作回数)を検出した後、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定すると共に、検出された操作状況の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、優先順位で指定される子画面の表示位置を特定する。そして、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位の内、この特定された優先順位で指定される表示位置に子画面を表示させる。こうした子画面表示処理を終えると、上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0041】
c.子画面表示位置変更指示操作が行われた場合
子画面の表示位置の変更を指示する子画面表示位置変更指示操作が行われると、ステップSA4の判断結果が「YES」になり、ステップSA10に進み、子画面表示位置変更処理を実行する。子画面表示位置変更処理では、後述するように、子画面表示位置変更指示操作の操作状況(操作時間および操作回数)を検出した後、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態に割り当てられた優先順位を読み出し、現在表示中の子画面の優先順位(現在優先順位)を得る。
【0042】
そして、検出された操作状況(操作時間および操作回数)の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、現在優先順位から所定ランク下の優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から読み出して特定し、この特定された優先順位で指定される表示位置に変更して子画面を表示させる。こうした子画面表示位置変更処理が完了すると、上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0043】
d.着信検知した場合
着信を検知すると、図9に図示するステップSA5の判断結果が「YES」になり、ステップSA11に進み、着信処理を実行する。着信処理では、着信報知を行い、この着信報知中にオフフック操作されると、発呼側と回線接続して通話を開始させ、オンフック操作に応じて回線を断つ。そして、着信処理を終えると、上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0044】
e.電源オフ操作が行われた場合
この場合、ステップSA6の判断結果が「YES」になり、ステップSA12に進み、電源オフ処理を実行した後、本処理を完了させる。
【0045】
f.その他の操作が行われた場合
上述した以外の、その他の操作がなされた場合には、ステップSA7の判断結果が「YES」となり、ステップSA13に進み、その他の処理を実行する。その他の処理とは、例えばメール作成やメール送信などの処理を指す。そして、その他の処理の実行後は、上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0046】
(2)子画面表示処理の動作
図10は、子画面表示処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA9(図8参照)を介して本処理が実行されると、CPU100は図10に図示するステップSB1に処理を進め、子画面表示指示操作の操作状況を検出する。具体的には、子画面表示指示操作として押下される操作ボタンの操作時間(押下時間)および操作回数(押下回数)を検出する。次いで、ステップSB2では、上記ステップSB1において検出した操作時間および操作回数をRAM102のワークエリアに一時記憶する。
【0047】
続いて、ステップSB3では、優先順位決定処理を実行する。優先順位決定処理では、後述するように、RAM102の優先順位情報記憶部102a(図3参照)に記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態(横書きテキスト、縦書きテキスト、画像、その他、縦ビュースタイルおよび横ビュースタイルのいずれか)に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定する。
【0048】
次いで、ステップSB4では、表示位置特定A処理を実行する。表示位置特定A処理では、後述するように、上記ステップSB1において検出された操作状況(操作時間および操作回数)の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から読み出して特定する。
【0049】
そして、ステップSB5では、上記ステップSB4の表示位置特定A処理にて特定された表示位置、すなわち上記ステップSB3の優先順位決定処理において決定された現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位の内、上記ステップSB4の表示位置特定A処理により特定された優先順位で指定される表示位置に子画面を表示させる。
【0050】
このように、子画面表示処理では、子画面表示指示操作の操作状況(操作時間および操作回数)を検出した後、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定する。そして、検出された操作状況の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から読み出して特定すると、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位の内、その特定された優先順位で指定される表示位置に子画面を表示させる。
【0051】
具体的には、例えば決定条件として筐体スタイルが現在採用されていて、かつ操作状況として操作時間が現在採用されている場合において、表示画面DSPが縦ビュースタイルで親画面を表示しているときに、操作時間が1秒未満の子画面表示指示操作を行うと、縦ビュースタイルに割り当てられた優先順位1(位置A)、優先順位2(位置C)、優先順位3(位置D)および優先順位4(位置B)の内、優先順位「1」位の表示位置である位置A(図5(a)参照)に子画面が親画面上に表示される。このようにすることで、例えば親画面において地図データなどを画像を表示しているときに、子画面で受信メール文を表示させようとする場合、親画面の表示内容を出来るだけ遮らない位置A(図5(a)参照)に子画面をワンタッチ操作で表示させることが可能になる。
【0052】
(3)優先順位決定処理の動作
次に、図11を参照して優先順位決定処理の動作を説明する。上述した子画面表示処理のステップSB3(図10参照)を介して本処理が実行されると、CPU100は図11に図示するステップSC1に処理を進め、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報(図3参照)の中から設定フラグが「1」の決定条件、つまり現在採用されている決定条件を読み出す。
【0053】
そして、ステップSC2では、上記ステップSC1にて読み出した決定条件が「親画面の表示内容の種類」であるか否かを判断する。読み出した決定条件が「親画面の表示内容の種類」であると、判断結果は「YES」となり、ステップSC3以降を実行する。一方、読み出した決定条件が「筐体スタイル」ならば、ステップSC2の判断結果は「NO」になり、ステップSC12以降を実行する。以下、ユーザにより選択された決定条件が「親画面の表示内容の種類」の場合と、「筐体スタイル」の場合とに分けて動作説明を進める。
【0054】
<決定条件が「親画面の表示内容の種類」の場合>
この場合、ステップSC3に進み、親画面の表示内容の種類を検出する。そして、ステップSC4〜SC6では、検出した表示内容の種類が「横書きテキスト」、「縦書きテキスト」、「画像」および「その他」のいずれであるかを判別する。
【0055】
検出した表示内容の種類が「横書きテキスト」であると、ステップSC4の判別結果が「YES」になり、ステップSC7に進み、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から「横書きテキスト」に割り当てられた優先順位を読み出した後、ステップSC8に進み、その読み出した優先順位に決定して本処理を終える。
【0056】
検出した表示内容の種類が「縦書きテキスト」であると、ステップSC5の判別結果が「YES」になり、ステップSC9に進み、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から「縦書きテキスト」に割り当てられた優先順位を読み出した後、ステップSC8に進み、その読み出した優先順位に決定して本処理を終える。
【0057】
検出した表示内容の種類が「画像」であると、ステップSC6の判別結果が「YES」になり、ステップSC10に進み、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から「画像」に割り当てられた優先順位を読み出した後、ステップSC8に進み、その読み出した優先順位に決定して本処理を終える。
【0058】
検出した表示内容の種類が「その他」ならば、上記ステップSC4〜ステップSC6の各判別結果がいずれも「NO」になり、ステップSC11に進み、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から「その他」に割り当てられた優先順位を読み出した後、ステップSC8に進み、その読み出した優先順位に決定して本処理を終える。
【0059】
<決定条件が「筐体スタイル」の場合>
この場合、ステップSC12に進み、筐体スタイル検出部108の検出出力に基づき現在の筐体スタイル(「縦ビュースタイル」又は「横ビュースタイル」)を検出する。そして、ステップSC13では、検出された筐体スタイルが「縦ビュースタイル」であるか否かを判断する。筐体スタイルが「縦ビュースタイル」ならば、判断結果は「YES」となり、ステップSC14に進み、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から「縦ビュースタイル」に割り当てられた優先順位を読み出した後、ステップSC8に進み、その読み出した優先順位に決定して本処理を終える。
【0060】
一方、筐体スタイルが「横ビュースタイル」であると、上記ステップSC13の判断結果が「NO」になり、ステップSC15に進み、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から「横ビュースタイル」に割り当てられた優先順位を読み出した後、ステップSC8に進み、その読み出した優先順位に決定して本処理を終える。
【0061】
以上のように、優先順位決定処理では、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態(横書きテキスト、縦書きテキスト、画像、その他、縦ビュースタイルおよび横ビュースタイルのいずれか)に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定する。
【0062】
(4)表示位置特定A処理の動作
次に、図12を参照して表示位置特定A処理の動作を説明する。前述した子画面表示処理のステップSB4(図10参照)を介して本処理が実行されると、CPU100は図12に図示するステップSD1に処理を進め、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報(図6参照)の中から設定フラグが「1」の操作状況、つまり現在採用されている操作状況を読み出す。
【0063】
続いて、ステップSD2では、上記ステップSD1にて読み出した操作状況が「操作時間」であるか否かを判断する。読み出した操作状況が「操作時間」ならば、判断結果は「YES」となり、ステップSD3以降を実行する。一方、読み出した操作状況が「操作回数」ならば、ステップSD2の判断結果は「NO」になり、ステップSD7以降を実行する。以下、ユーザにより選択された操作状況が「操作時間」の場合と、「操作回数」の場合とに分けて動作説明を進める。
【0064】
<操作状況が「操作時間」の場合>
この場合、ステップSD3に進み、前述した子画面表示処理のステップSB2(図10参照)においてRAM102のワークエリアに一時記憶した操作時間を読み出す。そして、ステップSD4では、読み出した操作時間が「1秒未満」であるか否かを判断する。操作時間が「1秒未満」であると、判断結果は「YES」になり、ステップSD5に進む。ステップSD5では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から操作時間が「1秒未満」の場合に対応付けられた優先順位「1」位の表示位置を読み出し、これにより子画面の表示位置を特定して本処理を終える。
【0065】
一方、操作時間が「1秒未満」でなければ、上記ステップSD4の判断結果は「NO」になり、ステップSD6に進む。ステップSD6では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から操作時間が「1秒以上」の場合に対応付けられた優先順位「2」位の表示位置を読み出し、これにより子画面の表示位置を特定して本処理を終える。
【0066】
<操作状況が「操作回数」の場合>
この場合、ステップSD7に進み、前述した子画面表示処理のステップSB2(図10参照)においてRAM102のワークエリアに一時記憶した操作回数を読み出す。そして、ステップSD8では、読み出した操作回数が「1回」であるか否かを判断する。操作回数が「1回」ならば、判断結果は「YES」になり、ステップSD9に進む。ステップSD9では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から操作回数が「1回」の場合に対応付けられた優先順位「1」位の表示位置を読み出し、これにより子画面の表示位置を特定して本処理を終える。
【0067】
一方、操作回数が「1回」でなければ、上記ステップSD8の判断結果は「NO」になり、ステップSD10に進む。ステップSD10では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から操作回数が「2回以上」の場合に対応付けられた優先順位「2」位の表示位置を読み出し、これにより子画面の表示位置を特定して本処理を終える。
【0068】
このように、表示位置特定A処理では、子画面表示処理のステップSB1において検出された子画面表示指示操作の操作状況(操作時間および操作回数)の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から読み出して特定する。
【0069】
(5)子画面表示位置変更処理の動作
図13は、子画面表示位置変更処理の動作を示すフローチャートである。前述したメインルーチンのステップSA10(図8参照)を介して本処理が実行されると、CPU100は図13に図示するステップSE1に処理を進め、子画面表示位置変更指示操作の操作状況を検出する。具体的には、子画面表示位置変更指示操作として押下される操作ボタンの操作時間(押下時間)および操作回数(押下回数)を検出する。次いで、ステップSE2では、上記ステップSE1において検出した操作時間および操作回数をRAM102のワークエリアに一時記憶する。
【0070】
続いて、ステップSE3では、優先順位決定処理を実行する。前述した通り、優先順位決定処理では、RAM102の優先順位情報記憶部102a(図3参照)に記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態(横書きテキスト、縦書きテキスト、画像、その他、縦ビュースタイルおよび横ビュースタイルのいずれか)に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定する。
【0071】
次いで、ステップSE4では、表示位置特定B処理を実行する。表示位置特定B処理では、後述するように、先ず現在表示されている子画面の表示位置に割り当てられている優先順位(現在優先順位)を検出した後、上記ステップSE1において検出された操作状況(操作時間および操作回数)の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、現在優先順位から所定ランク下の優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から読み出して特定する。
【0072】
そして、ステップSE5では、上記ステップSE3の優先順位決定処理において決定された現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位の内、上記ステップSE4の表示位置特定B処理により特定された優先順位で指定される子画面の表示位置に子画面を変更して表示させる。
【0073】
このように、子画面表示位置変更処理では、先ず子画面表示位置変更指示操作の操作状況(操作時間および操作回数)を検出する。この後、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定し、これにより現在表示されている子画面の表示位置に割り当てられている優先順位(現在優先順位)を得る。そして、検出された操作状況(操作時間および操作回数)の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、現在優先順位から所定ランク下の優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から読み出して特定し、この特定された優先順位で指定される表示位置に変更して子画面を表示させる。
【0074】
具体的には、例えば決定条件として筐体スタイルが現在採用されていて、かつ操作状況として操作回数が現在採用されている場合において、表示画面DSPが横ビュースタイルで親画面を表示し、かつ子画面を位置B(図5(b)参照)に表示しているときに、操作回数が2回以上の子画面表示位置変更指示操作を行った場合には、横ビュースタイルに割り当てられた優先順位1(位置B)、優先順位2(位置A)、優先順位3(位置C)および優先順位4(位置D)の内、現在優先順位1(位置B)から2ランク下の優先順位3の表示位置Cに変更して子画面を表示させるようになる。
【0075】
(6)表示位置特定B処理の動作
次に、図14を参照して表示位置特定B処理の動作を説明する。前述した子画面表示位置変更処理のステップSE4(図13参照)を介して本処理が実行されると、CPU100は図14に図示するステップSF1に処理を進める。ステップSF1では、前述した優先順位決定処理で決定された、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を元に、現在表示されている子画面の表示位置に割り当てられている優先順位を現在優先順位として検出する。
【0076】
次いで、ステップSF2では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報(図7参照)の中から設定フラグが「1」の操作状況、つまり現在採用されている操作状況を読み出す。続いて、ステップSF3では、上記ステップSF2にて読み出した操作状況が「操作時間」であるか否かを判断する。読み出した操作状況が「操作時間」ならば、判断結果は「YES」となり、ステップSF4以降を実行する。一方、読み出した操作状況が「操作回数」ならば、ステップSF3の判断結果は「NO」になり、ステップSF8以降を実行する。以下、ユーザにより選択された操作状況が「操作時間」の場合と、「操作回数」の場合とに分けて動作説明を進める。
【0077】
<操作状況が「操作時間」の場合>
この場合、ステップSF4に進み、前述した子画面表示位置変更処理のステップSE2(図13参照)においてRAM102のワークエリアに一時記憶した操作時間を読み出す。そして、ステップSF5では、読み出した操作時間が「1秒未満」であるか否かを判断する。操作時間が「1秒未満」であると、判断結果は「YES」になり、ステップSF6に進む。ステップSF6では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から操作時間が「1秒未満」の場合に対応付けられた表示位置を読み出し、これにより現在優先順位から1ランク下の優先順位の表示位置を、子画面表示位置変更指示操作に応じて変更される子画面の表示位置に特定して本処理を終える。
【0078】
一方、操作時間が「1秒未満」でなければ、上記ステップSF5の判断結果は「NO」になり、ステップSF7に進む。ステップSF7では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から操作時間が「1秒以上」の場合に対応付けられた表示位置を読み出し、これにより現在優先順位から2ランク下の優先順位の表示位置を、子画面表示位置変更指示操作に応じて変更される子画面の表示位置に特定して本処理を終える。
【0079】
<操作状況が「操作回数」の場合>
この場合、ステップSF8に進み、前述した子画面表示位置変更処理のステップSE2(図13参照)においてRAM102のワークエリアに一時記憶した操作回数を読み出す。そして、ステップSF9では、読み出した操作回数が「1回」であるか否かを判断する。操作回数が「1回」ならば、判断結果は「YES」になり、ステップSF10に進む。ステップSF10では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から操作回数が「1回」の場合に対応付けられた表示位置を読み出し、これにより現在優先順位から1ランク下の優先順位の表示位置を、子画面表示位置変更指示操作に応じて変更される子画面の表示位置に特定して本処理を終える。
【0080】
一方、操作回数が「1回」でなければ、上記ステップSF9の判断結果は「NO」になり、ステップSF11に進む。ステップSF11では、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から操作回数が「2回以上」の場合に対応付けられた表示位置を読み出し、これにより現在優先順位から2ランク下の優先順位の表示位置を、子画面表示位置変更指示操作に応じて変更される子画面の表示位置に特定して本処理を終える。
【0081】
このように、表示位置特定B処理では、現在表示されている子画面の表示位置に割り当てられている優先順位(現在優先順位)を検出した後、子画面表示位置変更処理のステップSE1において検出された子画面表示位置変更指示操作の操作状況(操作時間および操作回数)の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、現在優先順位から所定ランク下の優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から読み出して特定するようになっている。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態では、子画面表示指示操作が行われた場合には、その操作の状況(操作時間および操作回数)を検出した後、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定する。そして、検出された操作状況の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第1の表示位置情報の中から読み出して特定すると、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位の内、その特定された優先順位で指定される表示位置に子画面を表示させるので、子画面の表示位置を容易にかつ適切に制御することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、子画面表示位置変更指示操作が行われた場合には、その操作の状況(操作時間および操作回数)を検出した後、RAM102の優先順位情報記憶部102aに記憶される優先順位情報の中から現在採用されている決定条件に該当する表示形態に割り当てられた優先順位を読み出し、現在の表示形態において子画面を表示する際の優先順位を決定し、これにより現在表示されている子画面の表示位置に割り当てられている優先順位(現在優先順位)を得る。そして、検出された操作状況(操作時間および操作回数)の内、現在採用されている操作状況に対応付けられ、現在優先順位から所定ランク下の優先順位で指定される子画面の表示位置を、RAM102の表示位置情報記憶部102bに記憶される第2の表示位置情報の中から読み出して特定し、この特定された優先順位で指定される表示位置に変更して子画面を表示させるので、子画面の表示位置を容易にかつ適切に制御することができる。
【0084】
また、上述した本実施の形態で得られる、より具体的な効果は、下記(a)〜(m)項に記載の通りである。
(a)子画面の表示を指示する際の操作時間に応じて、子画面の表示位置を特定して表示することができる。
(b)子画面の表示を指示する際の操作回数に応じて、子画面の表示位置を特定して表示することができる。
(c)親画面の表示内容の種類に応じて、子画面の表示位置を特定して表示することができる。
(d)電子機器の筐体の状態を示す筐体スタイルに応じて、子画面の表示位置を特定して表示することができる。
(e)表示位置の優先順位に基づいて、子画面の表示位置を特定して表示位置を変更することができる。
(f)親画面の表示内容の種類に応じて、子画面の表示位置を特定して表示位置を変更することができる。
(g)筐体の状態を示す筐体スタイルに応じて、子画面の表示位置を特定して表示位置を変更することができる。
(h)子画面の表示位置の変更を指示する際の操作時間に応じて、子画面の表示位置を特定して表示位置を変更することができる。
(i)子画面の表示位置の変更を指示する際の操作回数に応じて、子画面の表示位置を特定して表示位置を変更することができる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、電子機器を携帯電話としているが、これに限らず、例えば、PDA、電子カメラ、電子腕時計、音楽再生機など親画面上に子画面を表示する機能を有する他の電子機器であっても構わない。
また、上述した実施形態では、操作状況を操作時間や操作回数としているが、これらに限らず、例えば、操作ボタンを押す強さや、タッチパネル操作の場合にはスライドの軌跡(いわゆるジェスチャー入力の形)、スライドの速さなど、他の操作状況であっても構わない。
また、上述した実施形態では、筐体スタイルを縦ビュースタイルや横ビュースタイルとしているが、これらに限らず、その電子機器の筐体構造に応じた筐体スタイルで構わない。
また、上述した実施形態では、子画面の表示位置を親画面の四隅で子画面が親画面に含まれるような位置にしているが、これらに限らず、中央や親画面と一部が重なる位置など、他の位置でも構わない。
【符号の説明】
【0086】
10 携帯電話
100 CPU
101 ROM
102 RAM
102a 優先順位情報記憶部
102b 表示位置情報記憶部
103 無線通信送受信部
104 音声信号処理部
105 表示部
106 操作部
107 RTC
108 筐体スタイル検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器において、
親画面の表示内容の種類と子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報を記憶する表示位置情報記憶手段と、
子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示手段と、
前記表示指示手段が子画面表示指示を発生した時の親画面の表示内容の種類を検出する検出手段と、
前記表示位置記憶手段に記憶される表示位置情報と前記検出手段により検出された親画面の表示内容の種類とに応じて子画面の表示位置を特定する特定手段と、
表示画面中で前記特定手段により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器において、
筐体の状態を示す筐体スタイルと子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報を記憶する表示位置情報記憶手段と、
子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示手段と、
前記表示指示手段が子画面表示指示を発生した時の筐体スタイルを検出する検出手段と、
前記表示位置記憶手段に記憶される表示位置情報と前記検出手段により検出された筐体スタイルとに応じて子画面の表示位置を特定する特定手段と、
表示画面中で前記特定手段により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器において、
子画面の表示位置の優先順位を記憶する記憶手段と、
ユーザ操作に応じて子画面の表示位置の変更を指示する指示手段と、
前記指示手段により子画面の表示位置の変更が指示された場合に、前記記憶手段に記憶されている優先順位に基づいて、表示画面中で子画面の表示位置を変更するよう制御する表示制御手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記記憶手段は、親画面の表示内容の種類に基づいて決定された優先順位を記憶することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記記憶手段は、筐体の状態を示す筐体スタイルに基づいて決定された優先順位を記憶することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記指示手段が子画面の表示位置の変更を指示した時のユーザ操作の操作時間と、前記記憶手段に記憶される優先順位とに応じて、表示画面中で子画面の表示位置を変更することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記指示手段が子画面の表示位置の変更を指示した時のユーザ操作の操作回数と、前記記憶手段に記憶される優先順位とに応じて、表示画面中で子画面の表示位置を変更することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項8】
表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器で実行されるプログラムであって、
子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示処理と、
前記表示指示処理が子画面表示指示を発生した時の親画面の表示内容の種類を検出する検出処理と、
予め記憶された情報であって、親画面の表示内容の種類と子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報と、前記検出処理により検出された親画面の表示内容の種類とに応じて子画面の表示位置を特定する特定処理と、
表示画面中で前記特定処理により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とする電子機器の処理プログラム。
【請求項9】
表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器で実行されるプログラムであって、
子画面の表示を指示する子画面表示指示を発生する表示指示処理と、
前記表示指示処理が子画面表示指示を発生した時の筐体スタイルを検出する検出処理と、
予め記憶された情報であって、筐体の状態を示す筐体スタイルと子画面の表示位置とを対応付けた表示位置情報と、前記検出処理により検出された筐体スタイルとに応じて子画面の表示位置を特定する特定処理と、
表示画面中で前記特定処理により特定された表示位置に子画面を表示するよう制御する表示制御処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とする電子機器の処理プログラム。
【請求項10】
表示画面の一部を領域とした子画面を、当該子画面より広い領域の親画面に対して重ねて表示する機能を備えた電子機器で実行されるプログラムであって、
ユーザ操作に応じて子画面の表示位置の変更を指示する指示処理と、
前記指示処理により子画面の表示位置の変更が指示された場合に、予め記憶されている子画面の表示位置の優先順位に基づいて、表示画面中で子画面の表示位置を変更するよう制御する表示制御処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とする電子機器の処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−238315(P2012−238315A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142751(P2012−142751)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【分割の表示】特願2007−64443(P2007−64443)の分割
【原出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】