説明

電子機器に接続される周辺機器、及びプログラム並びにこのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 従来の充電装置では、ファームウェアをデジタルカメラにアップロードしている途中に電源が遮断されると、アップロードが失敗し、デジタルカメラが故障する。
【解決手段】 最新のファームウェアがカメラ4に記憶されていないことが、S23の処理で判定され、かつ、バックアップ電源12の電力残量が、最新のファームウェアをカメラ4に送信するのに足りるとS25の処理で判定された場合、カメラ4へ最新のファームウェアを送信する処理が行われる。また、外部電源3から電力が供給されなくなった場合、外部電源3の代わりにバックアップ電源12からクレードル1に電力の供給が行われる。このため、ファームウェアをクレードル1からカメラ4へ送信中に、外部電源3からクレードル1への電力の供給が途絶えても、外部電源3の代わりにバックアップ電源12によりクレードル1への電力の供給が行われ、データ送信は中断されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子を介して電気的に接続された電子機器へデータを送信する周辺機器、及びこの周辺機器から送信されるデータの送信制御をコンピュータに実行させるためのプログラム、並びにこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の周辺機器としては、例えば、特許文献1に開示されたデジタルカメラの充電装置がある。この充電装置は、商用交流電源を通信媒体とするデータ通信を利用して、デジタルカメラの充電中に、所定のサービス提供サイトからデジタルカメラのファームウェアをダウンロードする。そして、ダウンロードしたファームウェアをデジタルカメラにアップロードすることにより、デジタルカメラに記憶されているファームウェアを最新のものに入れ替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−150908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の充電装置では、ファームウェアをデジタルカメラにアップロードしている途中に停電等が発生して電源が遮断されると、デジタルカメラへのファームウェアのアップロードが失敗し、デジタルカメラが故障する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
主電源から電力が供給されなくなった場合、主電源の代わりにバックアップ電源から電力の供給をするバックアップ電源制御手段と、
接続端子を介して電気的に接続された電子機器へ所定のデータを送信する送信手段と、
データが電子機器に既に記憶されているか否かを判定する最新データ判定手段と、
バックアップ電源の電力残量が、データを送信手段によって電子機器へ送信するのに足りるか否か判定する電力残量判定手段と、
最新データ判定手段により、データが電子機器に記憶されていないことが判定され、かつ、電力残量判定手段により、バックアップ電源の電力残量が、データを電子機器に送信するのに足りると判定された場合、送信手段により電子機器へデータを送信する処理を行わせる送信制御手段と
を備えて、電子機器に接続される周辺機器を構成した。
【0006】
また、本発明は、
主電源から電力が供給されなくなった場合、主電源の代わりにバックアップ電源から電力の供給をするバックアップ電源制御手順と、
接続端子を介して電気的に接続された電子機器へ所定のデータを送信する送信手順と、
データが電子機器に既に記憶されているか否かを判定する最新データ判定手順と、
バックアップ電源の電力残量が、データを送信手順によって電子機器へ送信するのに足りるか否か判定する電力残量判定手順と、
最新データ判定手順により、データが電子機器に記憶されていないことが判定され、かつ、電力残量判定手順により、バックアップ電源の電力残量が、データを電子機器に送信するのに足りると判定された場合、送信手順により電子機器へデータを送信する処理を行わせる送信制御手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラム、及びこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定のデータが途中までしか電子機器に送信されないことにより発生する電子機器の故障を防げる周辺機器、及びプログラム並びにこのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態によるクレードルの電気回路構成の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示すクレードルのCPUによって行われる、パソコンからクレードル内にファームウェアをダウンロードして、カメラのファームウェアを更新する処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】図2に示すフローチャートにおける、カメラ内のファームウェアの更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明による周辺機器、及びプログラム並びにこのプログラムを記録した記録媒体を、カメラの周辺機器を構成する、カメラを充電するクレードルに適用した場合における、本発明を実施するための一形態について説明する。
【0010】
図1は、この一実施形態によるクレードル1の電気回路構成の概略を示すブロック図である。
【0011】
クレードル1は、その内部に、PC通信I/F(インターフェイス)11、バックアップ電源12、入力電源切替部13、ファームウェア格納領域14、CPU(中央演算処理部)15、カメラ充電制御部16、カメラ通信I/F17、およびカメラロック部18を備えている。接続端子を構成するPC通信I/F11には、不図示のネットワークを介してサーバと接続されているPC(パーソナルコンピュータ(以下パソコンと記す))2が電気的に接続されている。また、接続端子を構成するカメラ通信I/F17には、クレードル1によって充電される、電子機器を構成するカメラ4が接続されている。クレードル1は、外部電源3に電気的に接続されている。外部電源3は、配電線を介して接続される商用交流電源を構成し、クレードル1の主電源を構成する。外部電源3の電力は、入力電源切替部13を介してカメラ充電制御部16に供給される。カメラ充電制御部16は、カメラ4を充電する充電手段を構成し、供給された電力を用いて、カメラ4の内蔵電源である内蔵電池を充電する。
【0012】
また、クレードル1は、外部電源3から電源供給を受けて動作する。停電等により、外部電源3から電力が供給されなくなった場合、入力電源切替部13の切り替えにより、クレードル1は、外部電源3の代わりに、2次電池などで構成されるバックアップ電源12から電力が供給されて動作する。入力電源切替部13は、CPU15の動作制御プログラムによって規定されるバックアップ電源制御手順に従い、外部電源3から電力が供給されなくなった場合、外部電源3の代わりにバックアップ電源12から電力の供給をするバックアップ電源制御手段を構成する。
【0013】
CPU15は、カメラ4の動作を制御するプログラムであるファームウェアのデータ自動更新機能を備えており、ネットワークの所定のサーバからパソコン2およびPC通信I/F11を介してクレードル1に最新のファームウェアをダウンロードする。クレードル1にダウンロードされたファームウェアは、例えばフラッシュメモリなどで構成されるファームウェア格納領域14に記憶される。なお、ファームウェアを自動更新する構成ではなく、ファームウェアをユーザが手動で更新する構成にしてもよい。また、CPU15は、カメラ4に記憶された画像、動画等のデータをカメラ通信I/F17を介してクレードル1に受信し、ファームウェア格納領域14に記憶してPC通信I/F11を介してパソコン2へ転送したり、逆に、パソコン2に記憶された画像、動画等のデータをPC通信I/F11を介してクレードル1に受信し、ファームウェア格納領域14に記憶してカメラ通信I/F17を介してカメラ4へ転送する転送機能を備えている。ファームウェア格納領域14は、所定のデータを記憶する記憶手段を構成する。
【0014】
また、CPU15は、CPU15の動作制御プログラムによって規定される送信手順に従い、PC通信I/F11を介して電気的に接続されたパソコン2から受信して、ファームウェア格納領域14に記憶したデータを、カメラ通信I/F17を介してカメラへ送信する送信手段を構成する。また、CPU15は、カメラ4またはパソコン2から受信してファームウェア格納領域14に記憶したデータをパソコン2またはカメラ4へ送信する送信手段を構成する。また、クレードル1は、カメラ通信I/F17を介して電気的に接続されたカメラ4とクレードル1とを機械的に互いに係合する、不図示のロック機構を備えている。カメラロック部18は、カメラ通信I/F17を介して電気的に接続されているカメラ4へのデータの送信がCPU15により行われる場合、ロック機構を作動させてカメラ4とクレードル1とを機械的に互いに係合させるロック制御手段を構成する。
【0015】
CPU15は、CPU15の動作制御プログラムによって規定される最新データ判定手順に従い、所定のデータがカメラ4またはパソコン2に既に記憶されているか否かを判定する最新データ判定手段を構成する。また、CPU15は、CPU15の動作制御プログラムによって規定される電力残量判定手順に従い、バックアップ電源12の電力残量が、所定のデータを送信手段によってカメラ4またはパソコン2へ送信するのに足りるか否か判定する電力残量判定手段を構成する。また、CPU15は、CPU15の動作制御プログラムによって規定される送信制御手順に従い、最新データ判定手段により、所定のデータがカメラ4またはパソコン2に記憶されていないことが判定され、かつ、電力残量判定手段により、バックアップ電源12の電力残量が、所定のデータをカメラ4またはパソコン2に送信するのに足りると判定された場合、送信手段によりカメラ4またはパソコン2へデータを送信する処理を行わせる送信制御手段を構成する。
【0016】
本実施形態のCPU15に上記各手順を実行させるための動作制御プログラムは、ファームウェア格納領域14にインストールされており、このファームウェア格納領域14は、本実施形態の動作制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成する。本実施形態の動作制御プログラムをファームウェア格納領域14に記録して、このファームウェア格納領域14に記録された本実施形態の動作制御プログラムをクレードル1内に構成されるコンピュータシステムに読み込ませることにより、本実施形態の動作制御プログラムが実行される。ここで、コンピュータシステムとはOS(Operating System)や、周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムに内蔵されるファームウェア格納領域14等の記憶装置に限定されず、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、およびメモリカード等の可搬型記録媒体であってもよい。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものであってもよい。
図2は、クレードル1のCPU15によってカメラ4を充電する処理と共に行われる、パソコン2からクレードル1内にファームウェアをダウンロードして、カメラ4のファームウェアを更新する処理の概略を示すフローチャートである。
【0017】
CPU15は、ステップ(以下、Sと記す)1において、クレードル1がパソコン2と接続されているか否かを判別する。クレードル1がパソコン2と接続されており、S1の判別が“YES”の場合、CPU15は、S2において、パソコン2内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェア格納領域14に記憶されたファームウェアのバージョンとを比較する。そして、S3において、パソコン2内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェアのバージョンとに相違があるか否かを判別する。クレードル1内のファームウェアが最新のものではなく、パソコン2内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェアのバージョンとに相違があり、S3の判別が“YES”の場合、CPU15は、S4において、パソコン2内のファームウェアをクレードル1内のファームウェア格納領域14にダウンロードする。
【0018】
クレードル1がパソコン2と接続されておらず、S1の判別が“NO”の場合、または、クレードル1内のファームウェアが最新のものであり、パソコン2内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェアのバージョンとに相違がなく、S3の判別が“NO”の場合、または、S4の処理の後、CPU15は、S5において、バックアップ電源12の電力残量が十分にあるかを調べる。そして、S6において、バックアップ電源12の電力残量が十分でない場合、バックアップ電源12を充電する充電処理を行う。
【0019】
次に、CPU15は、S7において、クレードル1がカメラ4と接続されているか否かを判別する。クレードル1がカメラ4と接続されており、S7の判別が“YES”の場合、CPU15は、S8において、カメラ4内のバッテリ(内蔵電池)の電力残量が十分にあるかを調べる。そして、S9において、カメラ4内のバッテリの電力残量が十分でない場合、カメラ4内のバッテリを充電する充電処理を行う。次に、CPU15は、S10において、カメラ4内のメモリに未転送の画像があるかどうかを調べ、S11において、カメラ内のメモリに未転送の画像がある場合、未転送の画像をパソコン2内のメモリに転送する画像転送処理を行う。
【0020】
クレードル1がカメラ4と接続されておらず、S7の判別が“NO”の場合、または、S11の処理の後、CPU15は、S12において、後述するカメラ4内のファームウェアの更新処理を行い、処理を終了する。
【0021】
図3は、図2に示すフローチャートにおける、S12の、カメラ4内のファームウェアの更新処理の概略を示すフローチャートである。
【0022】
CPU15は、S21において、クレードル1がカメラ4と接続されているか否かを判別する。クレードル1がカメラ4と接続されておらず、S21の判別が“NO”の場合、CPU15は、カメラ4内のファームウェアの更新処理を終了する。
【0023】
一方、クレードル1がカメラ4と接続されており、S21の判別が“YES”の場合、CPU15は、S22において、カメラ4内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェア格納領域14に記憶されたファームウェアのバージョンとを比較する。そして、S23において、カメラ4内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェアのバージョンとに相違があるか否かを判別する。カメラ4内のファームウェアが最新のものであり、カメラ4内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェアのバージョンとに相違がなく、S23の判別が“NO”の場合、CPU15は、カメラ4内のファームウェアの更新処理を終了する。
【0024】
一方、カメラ4内のファームウェアが最新のものではなく、カメラ4内のファームウェアのバージョンとクレードル1内のファームウェアのバージョンとに相違があり、S23の判別が“YES”の場合、CPU15は、S24において、クレードル1のバックアップ電源12の電力残量を調べ、S25において、クレードル1のバックアップ電源12の電力残量が、最新のファームウェアをカメラ4に送信するのに十分であるか否かを判別する。クレードル1のバックアップ電源12の電力残量が、最新のファームウェアをカメラ4に送信するのに十分でなく、S25の判別が“NO”の場合、CPU15は、カメラ4内のファームウェアの更新処理を終了する。
【0025】
一方、クレードル1のバックアップ電源12の電力残量が、最新のファームウェアをカメラ4に送信するのに十分であり、S25の判別が“YES”の場合、CPU15は、カメラロック部18を制御し、S26において、クレードル1とカメラ4とを機械的に互いに係合させてロックする。次に、CPU15は、S27において、カメラ4内のファームウェアを書き換えて更新するファームウェア書き換え処理を開始する。次に、CPU15は、S28において、カメラ内のファームウェア書き換え処理が終了したか否かを判別する。ファームウェア書き換え処理が終了しておらず、S28の判別が“NO”の場合、CPU15は、ファームウェア書き換え処理を続行する。一方、ファームウェア書き換え処理が終了し、S28の判別が“YES”の場合、CPU15は、カメラロック部18を制御し、S29において、クレードル1とカメラ4との機械的な係合によるロックを解除し、カメラ4内のファームウェアの更新処理を終了する。
【0026】
このような本実施形態によるクレードル1によれば、最新のファームウェアデータがカメラ4に記憶されていないことが図3、S23の処理で判定され、かつ、バックアップ電源12の電力残量が、最新のファームウェアデータをカメラ4に送信するのに足りるとS25の処理で判定された場合、カメラ4へ最新のファームウェアデータを送信する処理がS27およびS28の処理で行われる。また、外部電源3から電力が供給されなくなった場合、外部電源3の代わりにバックアップ電源12からクレードル1に電力の供給が行われる。このため、ファームウェアデータをS27およびS28の処理でクレードル1からカメラ4へ送信中に、または、画像データを図2、S11の処理でカメラ4からパソコン2へ転送中に、停電等が発生して外部電源3からクレードル1への電力の供給が途絶えても、外部電源3の代わりにバックアップ電源12によりクレードル1への電力の供給が行われるので、所定のデータが途中までしかカメラ4に送信されないことにより発生するカメラ4の故障を防げる。
【0027】
また、本実施形態によるクレードル1によれば、カメラ通信I/F17を介して電気的に接続されているカメラ4へのデータの送信がCPU15により行われる場合、図3、S26の処理でカメラロック部18によりロック機構が作動させられて、カメラ4とクレードル1とが機械的に互いに係合される。このため、クレードル1に電気的に接続されたカメラ4へファームウェア等の所定のデータを送信している途中で、不用意にカメラ4に触れたり、誤ってカメラ4とクレードル1との接続を外そうとしても、カメラ4とクレードル1とはロック機構により機械的に互いに係合されているため、カメラ4とクレードル1との電気的接続は外れない。このため、カメラ4にデータを送信している途中で、カメラ4とクレードル1との電気的接続が外れてしまい、所定のデータが途中までしかカメラ4に送信されないことにより発生するカメラ4の故障を防げる。
【0028】
また、本実施形態によるクレードル1によれば、PC通信I/F11を介して電気的に接続されたパソコン2から受信されたデータが、CPU15によりカメラ4へ送信される。このため、クレードル1に接続されたパソコン2を介して最新のファームウェア等の所定のデータを取得して、CPU15によりカメラ4へ送信することができる。
【0029】
また、本実施形態によるクレードル1によれば、最新のファームウェア等の所定のデータをファームウェア格納領域14に予め記憶しておき、適宜、ファームウェア格納領域14に記憶されたデータを送信手段によりカメラ4へ送信することができる。
【0030】
また、本実施形態では、カメラ充電制御部16によってカメラ4を充電するクレードル1が、カメラ4へ所定のデータを送信する機能も兼ねるため、利便性の高い周辺機器が提供される。
【0031】
なお、本実施形態では、送信手段を構成するCPU15が、パソコン2から受信したデータをカメラ4へ送信する構成であったが、外部電源3の配電線を介して配電線搬送方式により受信したデータをカメラ4へ送信する構成にしてもよい。この構成によれば、配電線を介して受信されたデータがCPU15によりカメラ4へ送信される。このため、配電線を介して最新のファームウェア等の所定のデータを取得して、CPU15によりカメラ4へ送信することができる。
【0032】
また、本実施形態では、電力残量判定手段を構成するCPU15が、クレードル1のバックアップ電源12の電力残量が、データを送信手段によってカメラ4へ送信するのに足りるか否か判定する構成であったが、クレードル1のバックアップ電源12とカメラ4の内蔵電池との電力残量の和が、データを送信手段によってカメラ4へ送信するのに足りるか否か判定する構成にしてもよい。この構成によれば、クレードル1のバックアップ電源12とカメラ4の内蔵電池との電力残量の和に基づいて、所定のデータを送信手段によってカメラ4へ送信する電力が足りるか否かが、電力残量判定手段により判定される。このため、クレードル1のバックアップ電源12に残っている電力量が、カメラ4へデータを送信するのに不十分な場合でも、カメラ4の内蔵電池の電力を利用して、所定のデータの全てをクレードル1からカメラ4へ、またはクレードル1からパソコン2へ送信することができ、データが途中までしかカメラ4またはパソコン2に送信されないことにより発生するカメラ4またはパソコン2の故障を防げる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
上記実施形態では、クレードル1と接続する電子機器は、カメラ4であったが、撮影画像を表示するビューアーや、携帯電話機、携帯型の音楽再生器などであってもよい。また、上記実施形態においては、本発明による周辺機器をクレードル1に適用した場合について説明したが、他の電子機器の周辺機器にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1…クレードル
2…パソコン
3…外部電源
4…カメラ
11…PC通信I/F
12…バックアップ電源
13…入力電源切替部
14…ファームウェア格納領域
15…CPU
16…カメラ充電制御部
17…カメラ通信I/F
18…カメラロック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源から電力が供給されなくなった場合、主電源の代わりにバックアップ電源から電力の供給をするバックアップ電源制御手段と、
接続端子を介して電気的に接続された電子機器へ所定のデータを送信する送信手段と、
前記データが前記電子機器に既に記憶されているか否かを判定する最新データ判定手段と、
前記バックアップ電源の電力残量が、前記データを前記送信手段によって前記電子機器へ送信するのに足りるか否か判定する電力残量判定手段と、
前記最新データ判定手段により、前記データが前記電子機器に記憶されていないことが判定され、かつ、前記電力残量判定手段により、前記バックアップ電源の電力残量が、前記データを前記電子機器に送信するのに足りると判定された場合、前記送信手段により前記電子機器へ前記データを送信する処理を行わせる送信制御手段と
を備える前記電子機器に接続される周辺機器。
【請求項2】
請求項1に記載の周辺機器において、
前記接続端子を介して電気的に接続された前記電子機器と周辺機器とを機械的に互いに係合するロック機構と、
前記接続端子を介して電気的に接続されている前記電子機器への前記データの送信を前記送信制御手段により行わせる場合、前記ロック機構を作動させて前記電子機器と周辺機器とを機械的に互いに係合させるロック制御手段とを備えることを特徴とする周辺機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の周辺機器において、
前記電子機器は内蔵電源を備え、
前記電力残量判定手段は、前記バックアップ電源と前記内蔵電源との電力残量の和が、前記データを前記送信手段によって電子機器へ送信するのに足りるか否か判定することを特徴とする周辺機器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の周辺機器において、
前記データを記憶する記憶手段を備え、
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶された前記データを前記電子機器へ送信することを特徴とする周辺機器。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の周辺機器において、
前記送信手段は、接続端子を介して電気的に接続されたパーソナルコンピュータから受信した前記データを前記電子機器へ送信することを特徴とする周辺機器。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の周辺機器において、
前記主電源は、配電線を介して接続される商用交流電源であり、
前記送信手段は、前記配電線を介して受信した前記データを前記電子機器へ送信することを特徴とする周辺機器。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の周辺機器において、
前記電子機器を充電する充電手段を備えることを特徴とする周辺機器。
【請求項8】
主電源から電力が供給されなくなった場合、主電源の代わりにバックアップ電源から電力の供給をするバックアップ電源制御手順と、
接続端子を介して電気的に接続された電子機器へ所定のデータを送信する送信手順と、
前記データが前記電子機器に既に記憶されているか否かを判定する最新データ判定手順と、
前記バックアップ電源の電力残量が、前記データを前記送信手順によって前記電子機器へ送信するのに足りるか否か判定する電力残量判定手順と、
前記最新データ判定手順により、前記データが前記電子機器に記憶されていないことが判定され、かつ、前記電力残量判定手順により、前記バックアップ電源の電力残量が、前記データを前記電子機器に送信するのに足りると判定された場合、前記送信手順により前記電子機器へ前記データを送信する処理を行わせる送信制御手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−10159(P2012−10159A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145141(P2010−145141)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】