説明

電子機器及びエラー管理システム

【課題】エラーが発生してから、従来よりも迅速にエラーに対する対応に取り掛かることが出来る電子機器及びエラー管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】電子機器が、各種画面を表示する表示部を有する電子機器であって、外部と通信する通信部と、エラーが発生すると、エラーが発生した旨を通知するエラー通知画面を前記表示部に表示させ、前記表示部に表示させている前記エラー通知画面を画像ファイルに変換する当該画像ファイルをエラー情報として添付するエラー通知メールを作成し、前記通信部に前記エラー通知メールをエラー通知先へ送信させる制御部と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びエラー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ、携帯電話機、プリンタ、複合機及び家電機器等の各種電子機器は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等のハードウェアと、CPUが実行するソフトウェアから構成されている。そして、この電子機器におけるハードウェア及びソフトウェアには、操作処理、通信処理及び待ち受け処理等の各種処理中に生じる各種要因によって、様々な不具合が引き起こされる。例えば、ソフトウェアの設計上の問題が電子機器に存在している場合には、開発担当者の意図しない動作を実行する、また、起動が不可能になってしまう等の致命的な不具合が電子機器に生じてしまう。そして、これらの致命的な不具合が電子機器に発生すると、開発工程であれば開発担当者、製造工程であれば製造担当者または市場に出回っている場合であればメンテナンス担当者が、その不具合を解析して、その原因の特定を行う。その際、不具合の解析を行う担当者は、各種情報を基に不具合の原因の特定を行う。
【0003】
そして、このような不具合の解析を行う担当者に、不具合の原因を特定する為に必要な情報を提供する発明として、下記特許文献1には、エラー発生時の画面情報を保存し、この画面情報を提供することによって、エラーの対処を確実に行うことができるデータ処理装置が開示されている。このデータ処理装置では、アプリケーション実行中にエラーが発生すると、LCDがプリケーション画面の上にエラーメッセージ画面を表示し、エラーメッセージ画面に表示されている「閉じる」ボタンが押下されると、LCDに表示されているエラーメッセージ画面及びを当該エラーメッセージ画面の下のアプリケーション画面から成る画像データをエラー情報としてメモリが記憶し、エラー情報の出力指示に基づいて表示制御手段がこのメモリに記憶されているエラー情報をLCDに表示させる。
【特許文献1】特開2003−294813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術では、エラーが発生すると、実行中のアプリケーション画面の上にエラーメッセージ画面を表示して、エラーメッセージ画面に表示されている「閉じる」ボタンが押下されると、エラーメッセージ画面及びを当該エラーメッセージ画面の下のアプリケーション画面から成る画像データをエラー情報としてメモリが記憶し、エラー情報の出力指示に基づいてLCDがこのエラー情報を表示することによって、不具合の解析に必要な情報を不具合の解析の担当者へ提供している。
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、不具合の解析の担当者は、エラー情報の出力指示によってLCDにエラー情報を表示させて、はじめてメモリにエラー情報が保存されていることを認識する為、エラーの発生によってメモリにエラー情報が保存されたとしても、エラー情報が保存されてすぐに、不具合の解析の担当者がエラー情報が保存されていることを認識することが出来なかった。そして、その為、エラー情報の出力指示が入力されるタイミングによっては、エラー情報が保存されていることを不具合の解析の担当者が認識するまでに、長い時間が経過してしまう、すなわちエラーに対する迅速な対応が出来ないことがあった。このようなことから、上記従来技術には、エラーが発生した後に当該エラーに対する迅速な対応を実施するという観点から改善の余地が残れている。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、エラーが発生してから、従来よりも迅速にエラーに対する対応に取り掛かることが出来る電子機器及びエラー管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、電子機器に係る第1の解決手段として、各種画面を表示する表示部を有する電子機器であって、外部と通信する通信部と、エラーが発生すると、エラーが発生した旨を通知するエラー通知画面を前記表示部に表示させ、前記表示部に表示させている前記エラー通知画面を画像ファイルに変換する当該画像ファイルをエラー情報として添付するエラー通知メールを作成し、前記通信部に前記エラー通知メールをエラー通知先へ送信させる制御部と、を具備するという手段を採用する。
【0008】
本発明では、電子機器に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御部は、エラーが発生すると、エラー発生時に前記表示部に表示させている画面を画像ファイルに変換し、その後に前記表示部に表示させる前記エラー通知画面を画像ファイルに変換し、両方の画面の画像ファイルをエラー情報として添付するエラー通知メールを作成するという手段を採用する。
【0009】
本発明では、電子機器に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記制御部は、エラー通知メールに添付するエラー情報としてエラーログファイルを含めるという手段を採用する。
【0010】
本発明では、電子機器に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、前記制御部は、発生したエラーのエラー種別に応じて、エラー通知メールをエラー通知先へ通信部に送信させるという手段を採用する。
【0011】
また、本発明では、エラー管理システムに係る第1の解決手段として、上記第1〜第4いずれかの解決手段を採用する電子機器と、前記電子機器と通信する管理コンピュータとを具備し、前記電子機器の前記制御部は、前記エラー通知先である前記管理コンピュータへ前記エラー通知メールを前記通信部に送信させるという手段を採用する。
【0012】
本発明では、本発明では、エラー管理システムに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記電子機器及び前記管理コンピュータと通信するエラー情報蓄積サーバを具備し、前記電子機器の前記制御部は、前記エラー情報が含まれるエラー情報記憶要求と、前記管理コンピュータへのエラー通知メールの送信を要求するエラー通知メール送信要求とを前記通信部に前記エラー情報蓄積サーバへ送信させ、前記エラー情報蓄積サーバは、前記エラー情報記憶要求及び前記エラー通知メール送信要求を受信すると、前記エラー情報記憶要求に含まれる前記エラー情報を記憶し、前記エラー情報の格納先を記述した前記エラー通知メールを前記管理コンピュータへ送信するという手段を採用する。
【0013】
本発明では、本発明では、エラー管理システムに係る第3の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記電子機器及び前記管理コンピュータと通信するエラー情報蓄積サーバを具備し、前記電子機器の前記制御部は、前記エラー情報が含まれるエラー情報記憶要求を前記通信部に前記エラー情報蓄積サーバへ送信させ、前記エラー情報蓄積サーバは、前記エラー情報記憶要求を受信すると、前記エラー情報記憶要求に含まれる前記エラー情報を記憶し、前記エラー情報の格納先情報が含まれるエラー情報記憶応答を前記電子機器へ送信し、前記電子機器の前記制御部は、前記通信部がエラー情報記憶応答を受信すると、ラー情報記憶応答に基づいて格納先の記述されたエラー通知メールを作成し、当該エラー通知メール前記管理コンピュータへ前記通信部に送信させるという手段を採用する。
【0014】
本発明では、本発明では、エラー管理システムに係る第4の解決手段として、上記第1の解決手段において、複数の前記管理コンピュータが存在し、前記電子機器の制御部は、発生したエラーの種別に応じて、エラー通知メールの送信先となる前記管理コンピュータを変えるという手段を採用する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子機器が、各種画面を表示する表示部を有する電子機器であって、
外部と通信する通信部と、エラーが発生すると、エラーが発生した旨を通知するエラー通知画面を前記表示部に表示させ、前記表示部に表示させている前記エラー通知画面を画像ファイルに変換する当該画像ファイルをエラー情報として添付するエラー通知メールを作成し、前記通信部に前記エラー通知メールをエラー通知先へ送信させる制御部と、を具備する。
【0016】
このように、エラーが発生すると、エラー通知画面の画像ファイルをエラー情報として添付したエラー通知メールを作成し、当該エラー通知メールをエラー通知先へ送信することによって、エラー通知先にエラー通知メールが届くと、管理担当者は、当該エラー通知メールに添付されているエラー情報に基づいて即座にエラーの解析を実施することが出来る為、従来よりも迅速にエラーに対する対応に取り掛かることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の電子機器に含まれる画像形成装置の一つである複写機能、プリント機能、ファクシミリ送信/受信機能を併せ持つ複合機及び当該複合機によって構成されるエラー管理システムに関する。
まず、エラー管理システムAのシステム構成について、図1を参照して、説明する。図1は、本実施形態に係るエラー管理システムAのシステム構成図である。
このエラー管理システムAは、図1に示すように、複合機B、管理コンピュータC及び公衆網Dから構成されている。
【0018】
複合機Bは、複写指示に基づいて複写処理を実行し、クライアントコンピュータ(図示略)から受け付けたプリント指示に基づいてプリント処理を実行し、さらに公衆網Dを介してFAX送信機(図示略)からファクシミリを受信すると、ファクシミリ画像データに基づいて受信結果の出力処理を実行する。また、複合機Bは、公衆網Dを介して管理コンピュータCに接続し、エラーが発生すると、公衆網Dを介してエラー通知メールによって管理コンピュータCへエラー情報を通知する。なお、この複合機Bの動作の詳細については、後述する。
【0019】
管理コンピュータCは、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータであり、公衆網Dを介して複合機Bへ接続している。この管理コンピュータCは、公衆網Dを介して複合機Bからエラー情報が添付されたエラー通知メールを受信する。そして、この管理コンピュータCによって複合機Bの状態を管理する管理担当者は、この管理コンピュータCが複合機Bからエラー通知メールを受信すると、複合機Bにエラーが発生したことを認識する。
公衆網Dは、公衆の電話網及びインターネット網であり、複合機B及び管理コンピュータCとを接続させる。この公衆網Dは、複合機Bと管理コンピュータCとの間の通信における信号の伝送路である。なお、複合機Bから管理コンピュータCへのエラー通知メールの送信は、公衆網Dに設置された図示しないメールサーバを経由して行われる。
【0020】
上記構成のエラー管理システムAにおける複合機Bの機能構成について、図2を参照して、説明する。図2は、本実施形態に係るエラー管理システムAにおける複合機Bの機能ブロック図である。
複合機Bは、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、各種センサ群4、用紙搬送部5、画像読取部6、画像データ記憶部7、画像形成部8、通信I/F部9、操作表示部10及びエラー情報記憶部11を備えている。
【0021】
CPU1は、ROM2に記憶されている制御プログラム、画像データ記憶部7に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データまたはファクシミリ画像データ、通信I/F部9を介してクライアントコンピュータ(図示略)または公衆網Dから入力される各種指示及び操作表示部10から入力される操作指示に基づいて複合機Bの全体動作を制御する。なお、このCPU1の制御処理の詳細については、以下に複合機Bの動作として説明する。
ROM2は、CPU1で実行される制御プログラム及びその他のデータを記憶する不揮発性メモリである。
【0022】
RAM3は、CPU1が制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先となるワーキングエリアとして用いられる揮発性メモリである。
各種センサ群4は、例えば用紙切れ検出センサや、用紙詰まり検出センサ、用紙位置検出センサ、温度センサ等の画像形成動作に必要な各種センサであり、それぞれのセンサで検出した各種の情報を検出信号としてCPU1に出力する。
【0023】
用紙搬送部5は、用紙トレイに収納されている印刷用紙を画像形成部8に搬送するための搬送ローラ及び搬送ローラ駆動用のモータや、画像形成処理後の印刷用紙を図示しない排紙トレイに搬送するための搬送ローラ及び搬送ローラ駆動用のモータなどから構成されている。
【0024】
画像読取部6は、ADF(自動原稿送り装置)とCCD(Charge Coupled Device)センサ等を備え、ADFによって順次給紙される原稿の画像をCCDセンサに読み取らせ、原稿画像に基づく原稿画像データを出力する。なお、画像読取部6は、原稿画像データをCPU1に出力し、一方、CPU1は、原稿画像データを画像データ記憶部7に記憶させる。
画像データ記憶部7は、例えばフラッシュメモリであり、CPU1の指示の下、原稿画像データ、通信I/F部9がクライアントコンピュータ(図示略)から受信するプリント画像データ及び通信I/F部9が公衆網Dから受信するファクシミリ画像データを記憶する。
【0025】
画像形成部8は、CPU1の制御の下、画像データ記憶部7に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データまたはファクシミリ画像データに基づいて、用紙搬送部5から搬送される印刷用紙にトナーによって形成される画像形成画像を転写し、定着ローラによって当該画像形成画像の定着処理を行う。
通信I/F部9は、クライアントコンピュータ(図示略)及び公衆網Dに接続し、このクライアントコンピュータ及び公衆網Dとの間で各種信号の送受信を行う。
【0026】
操作表示部10は、スタートキー、ストップキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)、タッチパネル10a、クリアキーやその他の各種操作キー、を備えており、それぞれのキーの操作指示をCPU1に出力すると共に、CPU1の制御の下、タッチパネル10aに種々の画面を表示する。
エラー情報記憶部11は、例えばフラッシュメモリであり、CPUの制御の下、複合機Bにおいて各種エラーが発生すると、不具合の解析の担当者がエラーの解析に使用する各種エラー情報を記憶する。
【0027】
次に、上記構成の本実施形態に係る複合機Bの動作について図3を参照して詳しく説明する。図3は、本実施形態に係る複合機Bの動作を示すフローチャートである。
まず、複合機Bによって原稿を複写しようとするユーザは、操作表示部10のキーを操作することによって複写倍率等の複写条件を設定する。そして、ユーザは、複写条件の設定を完了すると、画像読取部6のADFに原稿をセットし、操作表示部10が有するスタートキーを押下することによって、複合機Bに複写処理を開始させる。
【0028】
CPU1は、スタートキーの押下によって操作表示部10が複写開始指示を受け付けたか否か判定し(ステップS1)、ステップS1において『NO』と判定した場合には、すなわち操作表示部10が複写開始指示を受け付けていない場合には、操作表示部10が複写開示指示を受け付けるまで待機し、ステップS1において『YES』と判定した場合には、すなわち操作表示部10が複写開始指示を受け付けた場合には、画像読取部6にADFへセットされている原稿を搬送させると共に原稿からの原稿画像の読み取りを開始させる(ステップS2)。
【0029】
CPU1は、ステップS2において原稿画像の読み取りを画像読取部6に開始させると、ADF及びスキャン機能の自動調整を画像読取部6に実行させ、ADF及びスキャン機能の自動調整を画像読取部6が成功したか否か判定し(ステップS3)、ステップS3において『YES』と判定した場合には、すなわちADF及びスキャン機能の自動調整を画像読取部6が成功した場合には、ADFへセットされている原稿の搬送と、原稿からの原稿画像の読み取りとを画像読取部6に継続させる(ステップS4)。
【0030】
CPU1は、ステップS3において『NO』と判定した場合には、すなわちADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗した場合には、タッチパネル10aに現在表示させている画面(コピー中画面)をJPEGまたはGIF等の画像ファイルに変換し、当該画像ファイルを第1エラー情報としてエラー情報記憶部に記憶させる(ステップS5)。図3は、本実施形態に係る複合機Bのタッチパネル10aが表示するコピー中画面を示す一例である。
【0031】
複合機Bでは、スタートキーの押下によって操作表示部10が複写開始指示を受け付けると、図3に示すコピー中画面をタッチパネル10aが表示する。このコピー中画面には、複合機Bが複写の実行中である旨を示す「コピー中です。」というメッセージと供に、各種設定ボタンが表示されている。そして、コピー中画面の各種設定ボタンにおいて、実行中の複写処理の複写条件として選択されているものは反転表示が行われ、複写条件として選択されていないものは、グレイアウト表示されている。なお、図3では、コピー中画面における点線によって示された設定ボタンは、グレイアウト表示されている設定ボタンを示している。
【0032】
CPU1は、ステップS5の後に、ADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗した旨を通知するエラーメッセージを表示するエラー通知画面をタッチパネル10aに表示させ(ステップS6)、タッチパネル10aへ表示させているエラー通知画面をJPEGまたはGIF等の画像ファイルに変換し、当該画像ファイルを第2エラー情報としてエラー情報記憶部に記憶させる(ステップS7)。図4は、本実施形態に係る複合機Bのタッチパネル10aが表示するエラー通知画面を示す一例である。
【0033】
複合機Bでは、ステップS5において第1エラー情報をエラー情報記憶部11に記憶させた後に、ステップS6において図4に示すエラー通知画面をタッチパネル10aが表示する。例えば、スキャナ機能の自動調整を画像読取部6が失敗した場合に、エラー通知画面には、図4に示すように、スキャナ機能の自動調整に失敗した旨を通知する「スキャナ機能の自動調整に失敗しました。」というエラーメッセージが表示される。
【0034】
そして、CPU1は、ステップS7の後に、エラー情報記憶部11が記憶する第1エラー情報及び第2エラー情報を添付すると供にエラー通知先として管理コンピュータCのメールアドレスを設定したエラー通知メールを作成し、公衆網Dを介して管理コンピュータCへ当該エラー通信メールを通信I/F部9に送信させる(ステップS8)。なお、複合機Bには、予め、ADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗した場合のエラー通知メールの送信先として、管理コンピュータCのメールアドレスの登録が行われており、登録されたエラー通知メールの送信先の管理コンピュータCのメールアドレスは、ROM2が記憶する。
【0035】
以上のように、本実施形態に係るエラー管理システムAの複合機Bにおいて、CPU1が、操作表示部10が複写開始指示を受け付けると、画像読取部6にADFへセットされている原稿を搬送させると共に原稿からの原稿画像の読み取りを開始させる。そして、CPU1は、ADF及びスキャン機能の自動調整を画像読取部6に実行させ、ADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部が失敗した場合に、自動調整を画像読取部が失敗したと判定したタイミングでタッチパネル10aが表示しているコピー中画面を画像ファイルに変換すると供に当該画像ファイルを第1エラー情報としてエラー情報記憶部11へ記憶させる。
【0036】
そして、CPU1は、その後にタッチパネル10aが表示するエラー通知画面を画像ファイルに変換すると供に当該画像ファイルは第2エラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させ、第1エラー情報及び第2エラー情報を添付すると供に送信先として管理コンピュータCのメールアドレスを設定したエラー通知メールを作成し、公衆網Dを介して管理コンピュータCへ当該エラー通信メールを通信I/F部9に送信させる。
【0037】
このように、エラー発生時のコピー中画面と、その後に表示されるエラー通知画面との画像ファイルを第1エラー情報及び第2エラー情報として保存し、これら第1エラー情報及び第2エラー情報を添付したエラー通知メールを管理コンピュータCへ送信することによって、管理コンピュータCによって複合機Bの状態を管理する管理担当者は、エラーの発生からすぐに、複合機Bにエラーが生じたことを認識し、エラー通知メールに添付されている第1エラー情報及び第2エラー情報に基づいて即座にエラーの解析を実施することが出来る為、従来よりも迅速にエラーに対する対応に取り掛かることが出来る。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、CPU1が、複写処理を開始して、画像読取部6のADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗したと判定した場合に、自動調整を失敗したと判定したタイミングで表示しているコピー中画面と、その後にタッチパネル10aが表示するエラー通知画面を画像ファイルに変換し、当該画像ファイルを第1エラー情報及び第2エラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させているが、本発明はこれに限定されない。
【0039】
例えば、CPU1が、複写処理を開始して、画像形成のオーバラン等のエラーが画像形成部8に発生したと判定すると、そのエラーが発生した際にタッチパネル10aが表示している画面と、その後にタッチパネルが表示するエラー通知画面の画像ファイルをエラー情報記憶部11へ記憶させるようにしてもよい。すなわち、第1エラー情報及び第2エラー情報の保存は、複写処理における画像読取部6においてエラーが発生した場合のみに限定されない。
【0040】
そして、複写処理に限らず、複合機Bが有するプリント機能、ファクシミリ送信/受信機能においてエラーが発生した場合に、第1エラー情報及び第2エラー情報をエラー情報記憶部11が記憶するようにしてもよい。さらに、画像形成装置以外のパーソナルコンピュータ、携帯端末及び各種家電機器に適用してもよい。また、工場における各種製品の製造装置に適用し、エラーが発生すると、製造装置に管理コンピュータCへエラー通知メールを送信させるようにしてもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、CPU1が、画像読取部6のADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗すると、コピー中画面の画像ファイルである第1エラー情報と、エラー通知画面の画像ファイルである第2エラー情報とを添付したエラー通知メールを、管理コンピュータCへ送信したが、本発明はこれに限定されな。
例えば、CPU1が、タッチパネル10aに表示される画面の画像ファイルだけでなく、複合機Bにおける各機能の動作内容/結果が記録されているログファイルもエラー通知メールに添付して、当該エラー通知メールを管理コンピュータCへ通信I/F部9に送信させるようにしてもよい。
【0042】
(2)上記実施形態では、CPU1が、画像読取部6のADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗すると、コピー中画面の画像ファイルである第1エラー情報と、エラー通知画面の画像ファイルである第2エラー情報とを添付したエラー通知メールを、管理コンピュータCへ送信したが、本発明はこれに限定されな。
例えば、CPU1、第1エラー情報及び第2エラー情報を添付すると供に、発生したエラーが緊急に対応が必要であるエラーであるか否か示す緊急度を記載したエラー通知メールを作成し、当該エラー通知メールを管理コンピュータCへ通信I/F部9に送信させるようにしてもよい。
【0043】
(3)上記実施形態では、複合機Bが、第1エラー情報及び第2エラー情報を添付したエラー通知メールを送信し、その第1エラー情報及び第2エラー情報が添付されたエラー通知メールを管理コンピュータCが受信したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、エラー管理システムAに、公衆網Dへ接続するエラー情報蓄積サーバを追加し、複合機BのCPU1は、画像読取部6のADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗した場合に、第1エラー情報及び第2エラー情報が含まれるエラー情報記憶要求と、管理コンピュータCへのエラー通知メールの送信を要求するエラー通知メール送信要求とを上記エラー情報蓄積サーバへ送信する、
【0044】
エラー情報蓄積サーバは、エラー情報記憶要求及びエラー通知メール送信要求を受信すると、第1エラー情報及び第2エラー情報とを記憶し、第1エラー情報及び第2エラー情報の格納先、例えばURL(Uniform Resource Locator)を記述したエラー通知メールを管理コンピュータCへ送信する。そして、管理コンピュータCによってエラー情報を管理する管理担当者は、エラー通知メールに記述されている格納先にアクセスすることによって、第1エラー情報及び第2エラー情報を確認することが出来る。
【0045】
このように、複合機B及び管理コンピュータCと通信するエラー情報蓄積サーバを、エラー管理システムAに追加することによって、例えば、管理コンピュータCが、複合機Bの状態の管理以外の用途にも使用されている場合に、第1エラー情報及び第2エラー情報を記憶しなくて済むことによって、管理コンピュータCの負荷が低減し、他の用途の処理の処理毒度が低下してしまうことを避けることが出来る。
【0046】
また、複合機Bが、エラー情報記憶要求をエラー情報蓄積サーバへ送信し、エラー情報蓄積サーバは、エラー情報記憶要求を受信すると、エラー情報記憶要求に含まれるエラー情報を記憶し、エラー情報の格納先情報が含まれるエラー情報記憶応答を複合機Bへ送信し、複合機Bは、エラー情報記憶応答に基づいて格納先の記述されたエラー通知メールを管理コンピュータCへ送信するようにしてもよい。
【0047】
(4)上記実施形態では、CPU1が、画像読取部6のADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗したと判定した場合に、コピー中画面及びエラー通知画面を画像ファイルに変換し、当該画像ファイルを第1エラー情報及び第2エラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させ、第1エラー情報及び第2エラー情報を添付したエラー通知メールを管理コンピュータCへ送信したが、本発明はこれに限定されない。
管理コンピュータCへエラー通知メールを送信するエラーの種別をユーザが複合機Bに登録できるようにし、複合機Bにユーザによって登録されたエラー種別のエラーが発生した場合に、複合機Bから管理コンピュータCへエラー通知メールを送信するようにしてもよい。
【0048】
(5)上記実施形態では、CPU1が、画像読取部6のADFまたはスキャン機能の自動調整を画像読取部6が失敗したと判定した場合に、コピー中画面及びエラー通知画面を画像ファイルに変換し、当該画像ファイルを第1エラー情報及び第2エラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させ、第1エラー情報及び第2エラー情報を添付したエラー通知メールを管理コンピュータCへ送信したが、本発明はこれに限定されない。
【0049】
管理コンピュータCのみへエラー通知メールを送信するだけでなく、エラーの種別に応じて複合機Bが送信するエラー通知メールの送信先を変更するようにしてよい。例えば、エラーを解析した上でハードウェアの交換またはソフトウェアを更新しなければならないようなエラーが発生した場合には、管理コンピュータCへ送信し、用紙切れ及びトナー切れ等の複合機Bの資材に関するエラーが発生した場合には、資材補充担当者が使用する資材管理コンピュータへエラー通知メールを送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係るエラー管理システムAのシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエラー管理システムAにおける複合機Bの機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るエラー管理システムAにおける複合機Bの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る複合機Bのタッチパネル10aが表示するコピー中画面を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る複合機Bのタッチパネル10aが表示するエラー通知画面を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
A…エラー管理システム、B…複合機、C…管理コンピュータ、D…公衆網、1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…各種センサ群、5…用紙搬送部、6…画像読取部、7…画像データ記憶部、8…画像形成部、9…通信I/F部、10…操作表示部、10a…タッチパネル、11…エラー情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種画面を表示する表示部を有する電子機器であって、
外部と通信する通信部と、
エラーが発生すると、エラーが発生した旨を通知するエラー通知画面を前記表示部に表示させ、前記表示部に表示させている前記エラー通知画面を画像ファイルに変換する当該画像ファイルをエラー情報として添付するエラー通知メールを作成し、前記通信部に前記エラー通知メールをエラー通知先へ送信させる制御部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、エラーが発生すると、エラー発生時に前記表示部に表示させている画面を画像ファイルに変換し、その後に前記表示部に表示させる前記エラー通知画面を画像ファイルに変換し、両方の画面の画像ファイルをエラー情報として添付するエラー通知メールを作成することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、エラー通知メールに添付するエラー情報としてエラーログファイルを含めることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、発生したエラーのエラー種別に応じて、エラー通知メールをエラー通知先へ通信部に送信させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器と、
前記電子機器と通信する管理コンピュータとを具備し、
前記電子機器の前記制御部は、前記エラー通知先である前記管理コンピュータへ前記エラー通知メールを前記通信部に送信させることを特徴とするエラー管理システム。
【請求項6】
前記電子機器及び前記管理コンピュータと通信するエラー情報蓄積サーバを具備し、
前記電子機器の前記制御部は、前記エラー情報が含まれるエラー情報記憶要求と、前記管理コンピュータへのエラー通知メールの送信を要求するエラー通知メール送信要求とを前記通信部に前記エラー情報蓄積サーバへ送信させ、
前記エラー情報蓄積サーバは、前記エラー情報記憶要求及び前記エラー通知メール送信要求を受信すると、前記エラー情報記憶要求に含まれる前記エラー情報を記憶し、前記エラー情報の格納先を記述した前記エラー通知メールを前記管理コンピュータへ送信することを特徴とする請求項5に記載のエラー管理システム。
【請求項7】
前記電子機器及び前記管理コンピュータと通信するエラー情報蓄積サーバを具備し、
前記電子機器の前記制御部は、前記エラー情報が含まれるエラー情報記憶要求を前記通信部に前記エラー情報蓄積サーバへ送信させ、
前記エラー情報蓄積サーバは、前記エラー情報記憶要求を受信すると、前記エラー情報記憶要求に含まれる前記エラー情報を記憶し、前記エラー情報の格納先情報が含まれるエラー情報記憶応答を前記電子機器へ送信し、
前記電子機器の前記制御部は、前記通信部がエラー情報記憶応答を受信すると、ラー情報記憶応答に基づいて格納先の記述されたエラー通知メールを作成し、当該エラー通知メール前記管理コンピュータへ前記通信部に送信させることを特徴とする請求項5に記載のエラー管理システム。
【請求項8】
複数の前記管理コンピュータが存在し、
前記電子機器の制御部は、発生したエラーの種別に応じて、エラー通知メールの送信先となる前記管理コンピュータを変えることを特徴とする請求項5に記載のエラー管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−55286(P2010−55286A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218269(P2008−218269)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】