電子機器及び入出力システム
【課題】視覚に障害がある人でも容易に使用することができる電子機器及び入出力システムを提供する。
【解決手段】電子機器1は、椀状の面部400と、面部400から面部400の外側に突起した複数の突起部411とを有し、突起部411の夫々が、ユーザが行う加圧によって内側に押し下げられた押下状態になるように形成された被接触部40と、前記加圧による被接触部40の変形を検出し、検出結果を示す情報を当該ユーザからの入力の入力値として取得する入力値取得部(CPU100)とを備える。
【解決手段】電子機器1は、椀状の面部400と、面部400から面部400の外側に突起した複数の突起部411とを有し、突起部411の夫々が、ユーザが行う加圧によって内側に押し下げられた押下状態になるように形成された被接触部40と、前記加圧による被接触部40の変形を検出し、検出結果を示す情報を当該ユーザからの入力の入力値として取得する入力値取得部(CPU100)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び入出力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、点字表示とともに点字入力を可能にした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−31469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、タッチパネルとタッチペンを用いて点字入力を行うため、入力作業、特に、視覚に障害がある人にとって入力作業が容易でないという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる電子機器及び入出力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明の一態様である電子機器は、椀状の面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有し、前記突起部の夫々が、ユーザが行う加圧によって内側に押し下げられた押下状態になるように形成された被接触部と、前記加圧による前記被接触部の変形を検出し、検出結果を示す情報を前記ユーザからの入力の入力値として取得する入力値取得部とを備えることを特徴とする。
【0006】
上記電子機器において、前記被接触部の内側に撮像部を備え、前記入力値取得部は、前記撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出するようにしてもよい。
【0007】
上記電子機器において、前記入力値取得部は、前記撮像画像に基づいて前記突起部の夫々の押下量を判断し、前記突起部の夫々の押下量に応じた値を、前記入力値として取得するようにしてもよい。
【0008】
上記電子機器において、前記面部は、複数の穴部を有し、前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、前記移動体は、前記加圧によって前記撮像部の配置された方向に移動するようにしてもよい。
【0009】
上記電子機器において、前記移動体の移動を制御する移動制御部を備えるようにしてもよい。
【0010】
上記電子機器において、前記突起部は、弾性体を用いて形成されたものであってもよい。
【0011】
上記電子機器において、前記被接触部の内側に圧力センサを備え、前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、前記空洞部内の気圧は、ユーザが行う前記突起部への加圧によって変化し、前記入力値取得部は、前記圧力センサによって測定された前記空洞部内の気圧に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出するようにしてもよい。
【0012】
上記電子機器において、前記空洞部内の気圧を制御する気圧制御部を備えるようにしてもよい。
【0013】
上記電子機器において、前記移動制御部は、ユーザに対する出力の出力値に応じて前記移動体を移動させることによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0014】
上記電子機器において、前記気圧制御部は、ユーザに対する出力の出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0015】
上記問題を解決するために、本発明の他の一態様である電子機器は、面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有する被接触部と、ユーザに対する出力の出力値に応じて前記被接触部を変形させる変形制御部とを備えることを特徴とする。
【0016】
上記電子機器において、前記面部は、複数の穴部を有し、前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、前記変形制御部は、前記出力値に応じて前記移動体の移動を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0017】
上記電子機器において、前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、前記変形制御部は、前記出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0018】
上記問題を解決するために、本発明の他の一態様である入出力システムは、被接触部の変形に応じて入力値を取得する入力機器と、出力値に応じて被接触部が変形する出力機器とを含む入出力システムであって、前記入力機器は、入力値を取得する上述の何れかの電子機器であって、前記出力機器は、出力値に応じて被接触部を変形させる上述の何れかの電子機器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態による電子機器1の一例を示す概略図である。
【図2】移動体410などについて説明するための説明図である。
【図3】撮像画像の一例である。
【図4】本発明の第1の実施形態による電子機器1の他の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による電子機器2の概略図である。
【図6】面部500、突起部511について説明するための説明図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による電子機器3の概略図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による電子機器4の概略図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による電子機器5、及び、第6の実施形態による電子機器6の概略図である。
【図10】電子機器1を利用した入出力システムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による電子機器1の一例を示す概略図である。図1(a)は電子機器1の斜視透視図、図1(b)は電子機器1の断面図である。図2は、移動体410などについて説明するための説明図である。図3は、撮像画像の一例である。
【0022】
電子機器1は、図1(a)に示すように、台部10と被接触部40とを有する。電子機器1(本発明の第2の実施形態による電子機器2、本発明の第3の実施形態による電子機器3も同様)は、ユーザが握り易いサイズであることが好ましく、例えば、台部10の高さ(図1(b)のH1)は10ミリメートル程度、被接触部40の高さ(図1(b)のH2)は30ミリメートル程度、面部400の曲率半径(図1(b)のR)は40ミリメートル程度が好適である。
【0023】
被接触部40は、図1(b)に示すように、複数の穴部401を有する椀状の面部400と、穴部401の夫々を貫通するように配された棒状の移動体410とから構成されている。また、移動体410は、面部400の穴部401に加えて、面部400の内側に存在する面部450(図1において非図示)が有する穴部451も貫通するように配置されている(図2参照)。なお、図1(b)に示す移動体410は、圧電アクチュエータ130(後述)と一体的に構成されている。
【0024】
各移動体410において、面部400の外側の端部(図2(a)(b)の右下斜線部)を突起部411という。つまり、突起部411は、移動体410の一部であって、面部400の外側に突起した部分である。また、各移動体410において、面面部400の内側の端部(図2(a)(b)の右上細斜線部)を被撮像部412という。
【0025】
突起部411の夫々は、面部400の外側からの加圧によって面部400の内側の方向(後述するLED照明付カメラモジュール110の配置された方向。図2(a)のX方向)に押し下げられた押下状態になるように形成されている。図2(a)は押下状態でない状態(非押下状態)の突起部411を模式的に示し、図2(b)は押下状態である突起部411を模式的に示している。突起部411が非押下状態であるときは、図2(a)に示すように、被撮像部412は面部450に着いているが、突起部411が押下状態であるときは、図2(b)に示すように、被撮像部412は面部450から離れている。なお、図2では、説明の便宜上、圧電アクチュエータ130(後述)について、符号のみを示し、図示を省略している。
【0026】
突起部411は、例えば、ユーザが行う面部400の外側からの加圧(ユーザによる突起部411の押下)によって押下状態になる。つまり、移動体410は、ユーザが行う突起部411への加圧によって面部400の内側の方向(後述するLED照明付カメラモジュール110の配置された方向)に移動する。換言すれば、被接触部40は、面部400の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部411の押下)によって、変形する。
【0027】
また、電子機器1は、図1(b)に示すように、面部400の内側に、CPU100とLED照明付カメラモジュール110と圧電アクチュエータ130と通信部140とを備える。図1(b)の三角形の破線は、LED照明付カメラモジュール110の撮像範囲(視野領域)を模式的に示している。
【0028】
LED照明付カメラモジュール110は、面部400の内側を照明するLEDと、広角レンズと、撮像画像を生成する撮像画像生成部とを有する。LED照明付カメラモジュール110は、面部400の内側を照明し、また、面部400の内側を撮像して撮像画像を生成する。つまり、電子機器1は、あたかも、プラネタリウムにおいて投影された星を撮像するが如く、各移動体410の被撮像部412を撮像する。LED照明付カメラモジュール110は、面部400の内側を撮像した撮像画像をCPU100に出力する。
【0029】
図3(a)は、LED照明付カメラモジュール110によって生成され、CPU100に出力される撮像画像を模式的に示したものである。図3(a)に示す撮像画像の丸412’は、各被撮像部412の撮像領域(撮像位置)である(なお、図面の簡素化のため、一部の撮像領域について符号412’を付している)。
【0030】
なお、撮像画像において、各被撮像部412の撮像領域は、CPU100によって特定(認識)されるが(後述)、各移動体410の撮像領域を特定し易くするために、例えば、LED照明を反射させる反射塗料を被撮像部412に塗布しておくことが好ましい。また例えば、反射塗料の塗布に代えて、被撮像部412を、撮像画像において背景となる部分(面部450)と区別し易い色にしておいてもよい。
【0031】
なお、説明の便宜上、図3(a)は、広角レンズの特性に起因する撮像範囲の周縁部の歪みを補正した補正後の撮像画像を示したが、LED照明付カメラモジュール110(撮像画像生成部)は、上記補正を行わずに、補正前の撮像画像をCPU100に出力してもよい。
【0032】
圧電アクチュエータ130は、例えば、圧電リニアアクチュエータであって、移動体410の移動を制御する。具体的には、圧電アクチュエータ130は、LED照明付カメラモジュール110の配置された方向(図2(a)のX方向)と逆の方向に移動するように、移動体410を駆動させる。つまり、圧電アクチュエータ130は、突起部411が押下状態から非押下状態に移行するような方向に移動体410を駆動させる。換言すれば、圧電アクチュエータ130は、ユーザによる押下を受け付ける初期状態(非押下状態)からユーザの押下を受け付けて入力状態(押下状態)になった被接触部40(突起部411)を、初期状態(非押下状態)になるように初期化する初期化機能を有する。
【0033】
また、圧電アクチュエータ130は、LED照明付カメラモジュール110の配置された方向(図2(a)のX方向)に移動するように、移動体410を駆動させる。つまり、圧電アクチュエータ130は、突起部411が非押下状態から押下状態に移行するような方向に移動体410を駆動させる。換言すれば、圧電アクチュエータ130は、CPU100から指示に従って、被接触部40を変形(移動体410を両方向に移動)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを被接触部40に表現させる機能を有する。なお、被接触部40は、突起部411の凹凸(非押下状態/押下状態)によって、文字(点文字を含む)、記号、図形などを表現する。
【0034】
通信部140は、有線若しくは無線による通信、又は、直接又は接続用ケーブルを介した他の機器との通信を実行する。通信部140を介して他の機器に送信する情報の一例は、電子機器1のユーザからの入力情報である(詳細は後述)。また、通信部140を介して他の機器から受信する情報の一例は、電子機器1のユーザへの出力情報(圧電アクチュエータ130によって被接触部40に表現させる情報)である。
【0035】
CPU100は、電子機器1全体(LED照明付カメラモジュール110、圧電アクチュエータ130、通信部140)を制御する。例えば、CPU100は、種々の情報を送受信するように、通信部140を制御する。
【0036】
また、CPU100は、通信部140を介して他の機器から電子機器1のユーザへの出力情報を受信したときは、被接触部40に当該出力情報を表現させるように、圧電アクチュエータ130を制御する。
【0037】
また、CPU100は、所定のタイミングで、面部400の内側を撮像し、撮像画像を生成し、供給するように、LED照明付カメラモジュール110を制御する。
【0038】
また、CPU100は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、ユーザによる入力の入力値(ユーザからの入力の入力値)を取得する。具体的には、CPU100は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、面部400の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部411の押下)によって生じた、移動体410の移動による被接触部40の変形を検出し、被接触部40の変形に応じた値(即ち、検出結果を示す情報)を、当該ユーザからの入力の入力値として取得する。ここで、CPU100は、撮像画像に基づいて突起部411の夫々が押下状態であるか否かを判断することによって、被接触部40の変形を検出する。なお、突起部411の夫々が押下状態であるか否かを撮像画像に基づいて判断する判断手法については後述する。
【0039】
CPU100は、上述のようにして取得したユーザからの入力値を、通信部140を介して他の機器に送信する(即ち、入力値を他の機器に送信するように通信部140を制御する)。なお、CPU100は、入力値を他の機器に送信することに代えて、入力値を用いて種々の処理を実行してもよい。
【0040】
以下、被接触部40の変形の検出方法、即ち、突起部411の夫々が押下状態であるか否かを撮像画像に基づいて判断する判断手法について説明する。
【0041】
CPU100は、突起部411の夫々が押下状態であるか否かの判断として、今回撮像した撮像画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’が、全ての突起部411が非押下状態であるときの各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’から移動したか否かを判断する。より詳細には、CPU100は、全ての突起部411が非押下状態であるときの各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’を予め保持し、今回撮像した撮像画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’が、保持している各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’から移動したか否かを判断する。つまり、電子機器1において、LED照明付カメラモジュール110の撮像範囲(視野領域)は固定しているため、CPU100は、今回撮像した撮像画像から、何れの被撮像部412の撮像位置412’が移動し、何れの被撮像部412の撮像位置412’が移動していないかを判断することできる。また、一の移動体410の突起部411が非押下状態から押下状態に移行した場合、当該移動体410の被撮像部412の撮像位置412’は、撮像画面の中央方向に移動するため、CPU100は、今回撮像した撮像画像から、突起部411の夫々が押下状態であるか否かを判断することができる。
【0042】
例えば、CPU100は、今回撮像した撮像画像として図3(b)に示す撮像画像を取得した場合、予め保持している各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’(例えば、図3(a)に示す撮像画像における被撮像部412の撮像位置412’)から、撮像位置A、B、Cのみが移動したと判断する。そして、CPU100は、撮像位置Aに対応する突起部411(撮像位置Aに撮像されている被撮像部412を有する移動体410の突起部411。突起部aとする)、撮像位置Bに対応する突起部411(撮像位置Bに撮像されている被撮像部412を有する移動体410の突起部411。突起部bとする)、撮像位置Cに対応する突起部411(撮像位置Cに撮像されている被撮像部412を有する移動体410の突起部411。突起部cとする)のみが押下状態であると判断する。なお、当該場合、CPU100は、押下された突起部a、b、cを示す情報(例えば、突起部aに予め付された識別情報、突起部bに予め付された識別情報、突起部cに予め付された識別情報)を、例えば、通信部140を介して他の機器に送信する。
【0043】
なお、電子機器1は、初期画像(全ての突起部411が非押下状態であるときの撮像画像。例えば、図3(a)に示す撮像画像)を記憶部(非図示)に記憶してもよい。電子機器1が初期画像を記憶する場合、CPU100は、初期画像と、今回撮像した撮像画像とを比較し、今回撮像した撮像画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’が、初期画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’から撮像位置から移動したか否かを判断する。
【0044】
なお、CPU100は、突起部411の夫々の押下量を判断し、突起部411の夫々の押下量に応じた値を、ユーザからの入力の入力値として取得してもよい。なお、押下量とは、面部400の内側の方向に押し下げられた量である。CPU100は、今回撮像した撮像画像における被撮像部412の撮像位置412’の移動量から、突起部411の夫々の押下量を判断し、ユーザからの入力の入力値として取得してもよい。なお、突起部411の夫々の押下量に応じた値をユーザからの入力の入力値とする場合、CPU100は、押下された突起部411を示す情報と各押下量を示す情報とを、例えば、通信部140を介して他の機器に送信する。
【0045】
以上、本発明の第1の実施形態による電子機器1によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部40を介して容易に入力し、また、容易に出力内容を認識することができる。
【0046】
なお、入力状態(押下状態)から初期状態(非押下状態)へ初期化する方法として、圧電アクチュエータ130を用いる方法を一例として説明したが、他の方法を用いて、入力状態(押下状態)から初期状態(非押下状態)へ初期化してもよい。例えば、電子機器1がバネを備え、バネの弾性力を用いる方法によって、入力状態(押下状態)から初期状態(非押下状態)へ初期化してもよい。
【0047】
また、突起部411の夫々の押下量を判断する方法として、撮像画像を用いる方法、即ち画像処理による方法を一例として説明したが、他の方法を用いて、突起部411の夫々の押下量を判断してもよい。例えば、電子機器1が移動体410の移動量を測定するエンコーダを備え、エンコーダによって、突起部411の夫々の押下量を判断(測定)してもよい。但し、電子機器1は、移動体410の本数分のエンコーダを具備する必要がある。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態による電子機器1の他の一例を示す概略図である。図4に示すように、電子機器1は、図4に示すLED照明付カメラモジュール110に代えて、カメラモジュール111、カメラモジュール112及びLED照明モジュール120を備える構成としてもよい。なお、カメラモジュール111、カメラモジュール112及びLED照明モジュール120以外の構成は、図1に示す構成と同様であるため、図4において、一部について符号の付与を省略している。また、図4の三角形の一点鎖線はカメラモジュール111の撮像範囲(視野領域)を模式的に示し、三角形の長破線はカメラモジュール112の撮像範囲(視野領域)を模式的に示している。
【0049】
図1に示す構成の電子機器1は、真上の突起部411(図1(b)のD)の押下を認識し難いが、図4に示す構成の電子機器1は、真上の突起部411(図4のD)の押下を容易に認識することができる。また、図4に示す構成の電子機器1は、2枚の撮像画像から突起部411の押下状態(及び押下量)を判断するため、1枚の撮像画像から突起部411の押下状態(及び押下量)を判断する図1に示す構成の電子機器1に比べてより高い精度で、突起部411の押下状態(及び押下量)を判断することができる。なお、電子機器1が備えるカメラモジュールの数量は、撮像画像の解像度、突起部411(移動体410)の本数、CPU100の処理能力などを考慮し、3個以上としてもよい。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態による電子機器2の概略図である。図5(a)は電子機器2の斜視図、図5(b)は電子機器2の断面図である。図6は、面部500、突起部511について説明するための説明図である。
【0051】
電子機器2は、図5(a)(b)に示すように、台部11と被接触部50とを有する。被接触部50は、椀状の面部500と突起部511とから構成されている。なお。被接触部50において、面部500から外側に突起した部分(図6(a)(b)参照)を突起部511という。また、突起部511の内側(図6(a)(b)の右下細斜線部)を被撮像部512という。被撮像部512には、電子機器1の被撮像部412と同様、反射塗料を塗布しておくか、被撮像部512を背景色と区別し易い色としておくことが好ましい。
【0052】
被接触部50は、弾性体(例えば、ゴム)を用いて形成されている。突起部511の夫々は、面部500の外側からの加圧(図6(a)のX方向の加圧)によって、図6(b)に示すように押下状態になり、突起部511の弾性力によって、図6(a)に示すように非押下状態なる。
【0053】
また、電子機器2は、図5(b)に示すように、面部500の内側に、CPU101とLED照明付カメラモジュール110と通信部140とを備える。なお、LED照明付カメラモジュール110、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様であるため、説明の一部又は全部を省略する。なお、電子機器2は、圧電アクチュエータを備えていない。
【0054】
CPU101は、電子機器2全体(LED照明付カメラモジュール110、通信部140)を制御する。例えば、CPU101は、所定のタイミングで、面部500の内側を撮像し、撮像画像を生成し、供給するように、LED照明付カメラモジュール110を制御する。
【0055】
また、CPU101は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、ユーザによる入力の入力値(ユーザからの入力の入力値)を取得する。具体的には、CPU101は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、面部500の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部511の押下)によって生じた被接触部50の変形を検出し、被接触部50の変形に応じた値(即ち、検出結果を示す情報)を、当該ユーザからの入力の入力値として取得する。ここで、CPU101は、撮像画像に基づいて突起部511の夫々が押下状態であるか否かを判断することによって、被接触部50の変形を検出する。なお、図6(b)に示すように、押下状態になると被撮像部512の撮像領域が広くなるため、CPU101は、突起部511が押下状態であるか否かを判断することができる。
【0056】
以上、本発明の第2の実施形態による電子機器2によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部50を介して容易に入力することができる。なお、電子機器2の被接触部50は、弾性体を用いて形成されていると説明したが、被接触部50のうち少なくとも突起部511が弾性体を用いて形成されていればよく、面部500は弾性体を用いて形成されていなくてもよい。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態による電子機器3の概略図である。図7(a)は電子機器3の斜視図、図7(b)は電子機器3の断面図である。
【0058】
電子機器3は、図7(a)(b)に示すように、台部12と被接触部60とを有する。被接触部60は、図7(b)に示すように、複数の穴部601を有する椀状の面部600と、穴部601の夫々を貫通するように配された弾性体610とから構成されている。弾性体610は、例えばゴムによって形成されている。
【0059】
また、電子機器3は、図7(b)に示すように、面部600の内側に、CPU102とポンプ150と圧力センサ160と通信部140と開放弁(非図示)を備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様である。
【0060】
各弾性体610は、内部に、空洞部614を有する。各空洞部614内には、気体(例えば、空気)が充満している。但し、各空洞部614は、完全に密閉された構造ではなく、気体を外部に放出し、又は、外部から注入するための気圧調整穴(非図示)を有する。なお、気圧調整穴を介して、ポンプ150側から気体が空洞部614に送り込まれ、開放弁が開放している場合、気圧調整穴を介して、空洞部614内の気体が開放弁側に流れるようになっている。
【0061】
各弾性体610において、面部600の外側の端部を突起部611という。つまり、突起部611は、弾性体610の一部であって、面部600の外側に突起した部分である。
【0062】
突起部611の夫々は、面部600の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部611の押下)によって面部600の内側の方向(後述する圧力センサ160等の配置された方向)に押し下げられた押下状態になるように形成されている。なお、各弾性体610は、開放弁が封鎖した状態において(即ち、空洞部614内の気体が漏れない状態において)、突起部611が押下状態になると、空洞部614の気圧が上昇するように形成されている。
【0063】
ポンプ150は、CPU102の制御に従って、空洞部614内の気圧を制御する。具体的には、ポンプ150は、気圧調整穴を通じて空洞部614内に気体を送り込む。
【0064】
なお、開放弁の封鎖状態かつ入力状態(押下状態)において、空洞部614内に気体が送り込まれた場合、入力状態であった被接触部60(突起部611)は、初期状態(非押下状態)に戻る。即ち、ポンプ150は、初期化機能を有する。また、開放弁の封鎖状態かつ初期状態において、空洞部614内に気体が送り込まれた場合、初期状態よりも、より一層、面部600の外側に突起した状態(隆起状態)になる。
【0065】
換言すれば、ポンプ150は、CPU102から指示に従って、被接触部60を変形(弾性体610を伸縮)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを被接触部60に表現させる機能を有する。
なお、被接触部60は、突起部611の凹凸(非押下状態/押下状態、非押下状態/隆起状態)によって、文字(点文字を含む)、記号、図形などを表現する。換言すれば、被接触部60は、面部600から突起した部分の長さによって出力情報を表現する。
【0066】
圧力センサ160は、空洞部614内の気圧を測定する。なお、空洞部614内の気圧は、面部600の外側からの加圧、又は、ポンプ150による気体の注入によって上昇し、開放弁の開放によって下降する。
【0067】
CPU102は、電子機器3全体(ポンプ150、圧力センサ160、通信部140、開放弁)を制御する。例えば、CPU102は、通信部140を介して他の機器から電子機器3のユーザへの出力情報を受信したときは、開放弁が開放している場合には封鎖するように制御するとともに、気体を注入するようにポンプ150を制御し、空洞部614内の気圧を上昇させる。
【0068】
つまり、実施形態1の電子機器1の場合、ユーザに対する出力の出力値に応じて移動体410を移動させることによって、被接触部40を出力値に応じて変形させたが、実施形態3の電子機器3の場合、ユーザに対する出力の出力値に応じて空洞部614内の気圧を上昇させることによって、被接触部60を出力値に応じて変形させている。
【0069】
また、CPU102は、被接触部60の変形の検出結果を示す情報を、ユーザによる入力の入力値(ユーザからの入力の入力値)を取得する。なお、CPU102は、圧力センサ160によって測定された空洞部614内の気圧に基づいて突起部611の夫々が押下状態であるか否かを判断することによって、被接触部60の変形を検出する。なお、一の弾性体610の突起部611が押下状態である場合、上述の如く、当該弾性体610の空洞部614内の気圧は上昇するため、圧力センサ160が夫々の空洞部614内の圧力を測定すれば、突起部611の夫々が押下状態であるか否かを判断することが可能である。
【0070】
以上、本発明の第3の実施形態による電子機器3によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部60を介して容易に入力し、また、容易に出力内容を認識することができる。
【0071】
なお、被接触部60は、面部600から突起した部分の長さ(突起部611の凹凸)によって出力情報を表現すると説明したが、出力情報を表現する態様は上記に限定されない。例えば、被接触部60は、突起した部分の硬さによって出力情報を表現してもよい。即ち、空洞部614内の気圧の変化に対し、弾性体610のサイズ(面部600から突起する部分の長さ)が殆ど変化しない場合であっても、ユーザが、突起部611に軽く触れた時の感触によって弾性体610の硬さを感知し、各弾性体610の硬さによって、ユーザが出力情報を認識できるようにしてもよい。
【0072】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について説明する。図8は、本発明の第4の実施形態による電子機器4の概略図である。図8(a)は電子機器4の斜視図、図8(b)は電子機器4の断面図である。図8(c)は、一組の検出部702の断面図である。
【0073】
電子機器4は、図8(a)に示すように、台部13と被接触部70とを有する。被接触部70は、図8(a)(b)に示すように、複数の穴部701を有する椀状の面部700と、穴部701の夫々を貫通するように配された検出部702とから構成されている。各検出部702は、図8(c)に示すように、変形突起部710と、変形突起部710を支持する支持筐体711と、支持筐体711内に配置された圧力センサ161とから構成されている。変形突起部710は、空洞部を有する弾性体(例えばゴムに)であって、押下によって変形する。一方、支持筐体711は、空洞部を有する筒状の鋼体(例えば、金属、硬い樹脂)であって、空洞部内の気圧の変化によって変形しない。圧力センサ161は、検出部702内の空洞部(即ち、変形突起部710の空洞部及び支持筐体711の空洞部)内の圧力を検出する。なお、検出部702内の空洞部は密閉されている。
【0074】
また、電子機器4は、図8(c)に示すように、CPU103と通信部140とを備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様である。
【0075】
上記構成において、ユーザが面部700の外側の突出した変形突起部710を押下した場合、変形突起部710は変形し、検出部702の空洞部内の容積は減少し、ボイルの法則に従って、空洞部内の圧力は上昇する。また、ユーザが押下を止めた場合、弾性力によって変形突起部710の形状は押下前の元の状態に復元し、容積及び圧力も元の状態に戻る。つまり、検出部702内の各圧力センサ161は、圧力変化を検出し、当該検出部702(変形突起部710)のユーザによる押下状態を検出することができる。
【0076】
CPU103は、電子機器4全体(各圧力センサ161、通信部140)を制御する。例えば、CPU103は、ユーザによる入力の入力値として、各圧力センサ161の検出値を取得し、通信部140を介して、他の電子機器に出力する。
【0077】
以上、本発明の第4の実施形態による電子機器4によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部70を介して容易に入力することができる。
【0078】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第5の実施形態について説明する。図9(a)は、本発明の第5の実施形態による電子機器5の概略図である。
【0079】
電子機器5は、図9(a)に示すように、内側(腕に接する側)の面(面部800)に穴部801を有する本体860と、本体860を腕に装着するための装着部870とから構成される。本体860は、CPU104(非図示)、突起体駆動部(非図示)、通信部140(非図示)、及び、穴部801の夫々を貫通するように配された突起体810を備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様であるため、説明の一部又は全部を省略する。
【0080】
突起体810は、装着部870によって本体860が腕に装着された場合、腕に接触する。即ち、突起体810は、被接触部である。
【0081】
突起体駆動部は、突起体810(被接触部)を駆動させる。具体的には、突起体駆動部は、CPU104の制御に従って、穴部801から外に出す方向に、又は、穴部801の中に戻す方向に、突起体810を駆動させる。換言すれば、突起体駆動部は、CPU104から指示に従って、突起体810(被接触部)を変形(突起体810を両方向に移動)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを突起体810(被接触部)に表現させる機能を有する。
【0082】
CPU104は、電子機器5全体(突起体駆動部、通信部140)を制御する。例えば、CPU104は、通信部140を介して他の機器から電子機器5のユーザへの出力情報を受信したときは、突起体810(被接触部)に当該出力情報を表現させるように、突起体駆動部を制御する。即ち、CPU104は、出力内容を突起体810の凹凸によって表現するように、突起体駆動部を制御する。
【0083】
なお、第5の実施形態の電子機器5の突起体810及び突起体駆動部の構成は特に限定しないが、例えば、第1の実施形態の電子機器1の移動体410及び圧電アクチュエータ130と同様の構成としてもよいし、第3の実施形態の電子機器3の弾性体610及びポンプ150と同様の構成としてもよい。第6の実施形態の電子機器6(後述)についても同様である。
【0084】
以上、本発明の第5の実施形態による電子機器5によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、容易に出力内容を認識することができる。
【0085】
(第6の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第6の実施形態について説明する。図9(b)は、本発明の第6の実施形態による電子機器6の概略図である。
【0086】
電子機器6は、図9(b)に示すように、内側(腕に接する側)の面(面部900)に穴部901を有する、また、電子機器6は、CPU105(非図示)、突起体駆動部(非図示)、通信部140(非図示)、及び、穴部901の夫々を貫通するように配された突起体910を備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様であるため、説明の一部又は全部を省略する。
【0087】
突起体910は、電子機器6が腕に装着された場合、腕に接触する。即ち、突起体910は、被接触部である。
【0088】
突起体駆動部は、突起体910(被接触部)を駆動させる。具体的には、突起体駆動部は、CPU105の制御に従って、穴部901から外に出す方向に、又は、穴部901の中に戻す方向に、突起体910を駆動させる。換言すれば、突起体駆動部は、CPU105から指示に従って、突起体910(被接触部)を変形(突起体910を両方向に移動)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを突起体910(被接触部)に表現させる機能を有する。
【0089】
CPU105は、電子機器6全体(突起体駆動部、通信部140)を制御する。例えば、CPU105は、通信部140を介して他の機器から電子機器6のユーザへの出力情報を受信したときは、突起体910(被接触部)に当該出力情報を表現させるように、突起体駆動部を制御する。即ち、CPU105は、出力内容を突起体910の凹凸によって表現するように、突起体駆動部を制御する。
【0090】
以上、本発明の第6の実施形態による電子機器6によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、容易に出力内容を認識することができる。
【0091】
なお、本発明の第1の実施形態による電子機器1は、被接触部40の変形(突起部411の凹凸)によって出力内容を表現したが、被接触部40の変形に代えて、突起部411の振動によって出力内容を表現してもよい。即ち、電子機器1は、圧電アクチュエータ130に代えて、突起部411を振動させる振動発生部を備えるようにしてもよい。同様に、本発明の第3の実施形態による電子機器3は、被接触部60の変形(突起部611の凹凸)又は弾性体610の硬さによって出力内容を表現したが、上記に代えて、突起部611の振動によって出力内容を表現してもよい。同様に、本発明の第5の実施形態による電子機器5は、突起体810の凹凸によって表出力内容を現したが、突起体810の凹凸に代えて、突起体810の振動によって出力内容を表現してもよい。同様に、本発明の第6の実施形態による電子機器6は、突起体910の凹凸によって出力内容を表現したが、突起体910の凹凸に代えて、突起体910の振動によって出力内容を表現してもよい。
【0092】
また、本発明の第1の実施形態による電子機器1は、被接触部40の変形に加え、音と光(強い光)によって、出力内容を表現してもよい。本発明の第3の実施形態による電子機器3、本発明の第5の実施形態による電子機器5、本発明の第6の実施形態による電子機器6についても同様である。
【0093】
続いて、本発明に係る電子機器を利用した入出力システムについて説明する。図10は、電子機器1を利用した入出力システムの概念図である。
【0094】
入出力システム1000は、図10(a)に示すように、電子機器1Aと電子機器1Bとを含んで構成される。電子機器1A、及び、電子機器1Bは、何れも、上述の第1の実施形態による電子機器1である。電子機器1A(電子機器1Bも同様)は、被接触部40の変形に応じて入力値(入力情報)を取得するとともに、出力値(出力情報)に応じて被接触部40が変形する出力機器である。
【0095】
例えば、ユーザA(電子機器1Aのユーザ)が電子機器1Aの被接触部40を変形させた場合(突起部411を押した場合)、電子機器1Aは、被接触部40の変形を検出し、検出結果を示す情報をユーザAからの入力情報として取得する。ユーザAからの入力情報を取得した電子機器1Aは、当該入力情報を他の機器である電子機器1Bに送信する。一方、電子機器1Bは、他の機器である電子機器1AからユーザAの入力情報を、ユーザB(電子機器1Bのユーザ)への出力情報として受信する。ユーザBへの出力情報を受信した電子機器1Bは、当該出力情報に応じて被接触部40を変形させる。
【0096】
なお、ユーザAからの入力情報と、ユーザBへの出力情報とは、同一であってもよいし、ユーザAからの入力情報を変換したものが、ユーザBへの出力情報であってもよい。なお、入力情報から出力情報への変換は、入力装置側(上記例の場合、電子機器1A)で行ってもよいし、出力装置側(上記例の場合、電子機器1B)で行ってもよい。
【0097】
なお、図10(a)に示す入出力システム1000は、ケーブルを介して、入出力情報を送受信する構成であるが、電子機器1を利用した入出力システムは、図10(a)に示す構成に限定されるものではない。例えば、図10(b)に示す入出力システム1001の如く、近距離無線通信によって、入出力情報を送受信する構成であってもよいし、図10(c)に示す入出力システム1002の如く、移動局(例えば、スマートフォン)を介して、入出力情報を送受信する構成であってもよいし、図10(d)に示す入出力システム1003の如く、無線AP(例えば、無線LANルータ)を介して、入出力情報を送受信する構成であってもよい。
【0098】
また、図10(d)に示すように、電子機器1を利用した入出力システムは、1対1の通信に限定するものではない。図10(d)の構成では、例えば、電子機器1Aにおける入力を電子機器1B、電子機器1Cの両方に出力し、電子機器1Bにおける入力を電子機器1C、電子機器1Aの両方に出力し、電子機器1Cにおける入力を電子機器1A、電子機器1Bの両方に出力することも可能である。
【0099】
なお、図10の入出力システム1000〜1003は、電子機器1を利用したシステムであるが、入力機器又は出力機器の両方又は一方に電子機器3を利用してもよいし、入力機器として、電子機器2、電子機器4、電子機器5、電子機器6を利用してもよい。また、入力機器又は出力機器に電子機器1〜6以外の機器(例えば、パーソナルコンピュータ、移動局)を利用してもよい。
【0100】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1、2、3、4、5、6…電子機器 10、11、12、13…台部 40、50、60、70…被接触部 100、101、102、103、104、105…CPU(入力値取得部、移動制御部、気圧制御部、変形制御部) 110…LED照明付カメラモジュール 111、112…カメラモジュール 120…LED照明モジュール 130…圧電アクチュエータ 140…通信部 150…ポンプ 160、161…圧力センサ 400、450、500、600、700、800、900…面部 401、451、601、701、801、901…穴部 702…検出部 410…移動体 610…弾性体 710…変形突起部 810、910…突起体 411、511、611…突起部 711…支持筐体 412、512…被撮像部 614…空洞部 860…本体 870…装着部 1000、1001、1002、1003…入出力システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び入出力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、点字表示とともに点字入力を可能にした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−31469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、タッチパネルとタッチペンを用いて点字入力を行うため、入力作業、特に、視覚に障害がある人にとって入力作業が容易でないという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる電子機器及び入出力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明の一態様である電子機器は、椀状の面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有し、前記突起部の夫々が、ユーザが行う加圧によって内側に押し下げられた押下状態になるように形成された被接触部と、前記加圧による前記被接触部の変形を検出し、検出結果を示す情報を前記ユーザからの入力の入力値として取得する入力値取得部とを備えることを特徴とする。
【0006】
上記電子機器において、前記被接触部の内側に撮像部を備え、前記入力値取得部は、前記撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出するようにしてもよい。
【0007】
上記電子機器において、前記入力値取得部は、前記撮像画像に基づいて前記突起部の夫々の押下量を判断し、前記突起部の夫々の押下量に応じた値を、前記入力値として取得するようにしてもよい。
【0008】
上記電子機器において、前記面部は、複数の穴部を有し、前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、前記移動体は、前記加圧によって前記撮像部の配置された方向に移動するようにしてもよい。
【0009】
上記電子機器において、前記移動体の移動を制御する移動制御部を備えるようにしてもよい。
【0010】
上記電子機器において、前記突起部は、弾性体を用いて形成されたものであってもよい。
【0011】
上記電子機器において、前記被接触部の内側に圧力センサを備え、前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、前記空洞部内の気圧は、ユーザが行う前記突起部への加圧によって変化し、前記入力値取得部は、前記圧力センサによって測定された前記空洞部内の気圧に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出するようにしてもよい。
【0012】
上記電子機器において、前記空洞部内の気圧を制御する気圧制御部を備えるようにしてもよい。
【0013】
上記電子機器において、前記移動制御部は、ユーザに対する出力の出力値に応じて前記移動体を移動させることによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0014】
上記電子機器において、前記気圧制御部は、ユーザに対する出力の出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0015】
上記問題を解決するために、本発明の他の一態様である電子機器は、面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有する被接触部と、ユーザに対する出力の出力値に応じて前記被接触部を変形させる変形制御部とを備えることを特徴とする。
【0016】
上記電子機器において、前記面部は、複数の穴部を有し、前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、前記変形制御部は、前記出力値に応じて前記移動体の移動を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0017】
上記電子機器において、前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、前記変形制御部は、前記出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させるようにしてもよい。
【0018】
上記問題を解決するために、本発明の他の一態様である入出力システムは、被接触部の変形に応じて入力値を取得する入力機器と、出力値に応じて被接触部が変形する出力機器とを含む入出力システムであって、前記入力機器は、入力値を取得する上述の何れかの電子機器であって、前記出力機器は、出力値に応じて被接触部を変形させる上述の何れかの電子機器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態による電子機器1の一例を示す概略図である。
【図2】移動体410などについて説明するための説明図である。
【図3】撮像画像の一例である。
【図4】本発明の第1の実施形態による電子機器1の他の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による電子機器2の概略図である。
【図6】面部500、突起部511について説明するための説明図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による電子機器3の概略図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による電子機器4の概略図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による電子機器5、及び、第6の実施形態による電子機器6の概略図である。
【図10】電子機器1を利用した入出力システムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による電子機器1の一例を示す概略図である。図1(a)は電子機器1の斜視透視図、図1(b)は電子機器1の断面図である。図2は、移動体410などについて説明するための説明図である。図3は、撮像画像の一例である。
【0022】
電子機器1は、図1(a)に示すように、台部10と被接触部40とを有する。電子機器1(本発明の第2の実施形態による電子機器2、本発明の第3の実施形態による電子機器3も同様)は、ユーザが握り易いサイズであることが好ましく、例えば、台部10の高さ(図1(b)のH1)は10ミリメートル程度、被接触部40の高さ(図1(b)のH2)は30ミリメートル程度、面部400の曲率半径(図1(b)のR)は40ミリメートル程度が好適である。
【0023】
被接触部40は、図1(b)に示すように、複数の穴部401を有する椀状の面部400と、穴部401の夫々を貫通するように配された棒状の移動体410とから構成されている。また、移動体410は、面部400の穴部401に加えて、面部400の内側に存在する面部450(図1において非図示)が有する穴部451も貫通するように配置されている(図2参照)。なお、図1(b)に示す移動体410は、圧電アクチュエータ130(後述)と一体的に構成されている。
【0024】
各移動体410において、面部400の外側の端部(図2(a)(b)の右下斜線部)を突起部411という。つまり、突起部411は、移動体410の一部であって、面部400の外側に突起した部分である。また、各移動体410において、面面部400の内側の端部(図2(a)(b)の右上細斜線部)を被撮像部412という。
【0025】
突起部411の夫々は、面部400の外側からの加圧によって面部400の内側の方向(後述するLED照明付カメラモジュール110の配置された方向。図2(a)のX方向)に押し下げられた押下状態になるように形成されている。図2(a)は押下状態でない状態(非押下状態)の突起部411を模式的に示し、図2(b)は押下状態である突起部411を模式的に示している。突起部411が非押下状態であるときは、図2(a)に示すように、被撮像部412は面部450に着いているが、突起部411が押下状態であるときは、図2(b)に示すように、被撮像部412は面部450から離れている。なお、図2では、説明の便宜上、圧電アクチュエータ130(後述)について、符号のみを示し、図示を省略している。
【0026】
突起部411は、例えば、ユーザが行う面部400の外側からの加圧(ユーザによる突起部411の押下)によって押下状態になる。つまり、移動体410は、ユーザが行う突起部411への加圧によって面部400の内側の方向(後述するLED照明付カメラモジュール110の配置された方向)に移動する。換言すれば、被接触部40は、面部400の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部411の押下)によって、変形する。
【0027】
また、電子機器1は、図1(b)に示すように、面部400の内側に、CPU100とLED照明付カメラモジュール110と圧電アクチュエータ130と通信部140とを備える。図1(b)の三角形の破線は、LED照明付カメラモジュール110の撮像範囲(視野領域)を模式的に示している。
【0028】
LED照明付カメラモジュール110は、面部400の内側を照明するLEDと、広角レンズと、撮像画像を生成する撮像画像生成部とを有する。LED照明付カメラモジュール110は、面部400の内側を照明し、また、面部400の内側を撮像して撮像画像を生成する。つまり、電子機器1は、あたかも、プラネタリウムにおいて投影された星を撮像するが如く、各移動体410の被撮像部412を撮像する。LED照明付カメラモジュール110は、面部400の内側を撮像した撮像画像をCPU100に出力する。
【0029】
図3(a)は、LED照明付カメラモジュール110によって生成され、CPU100に出力される撮像画像を模式的に示したものである。図3(a)に示す撮像画像の丸412’は、各被撮像部412の撮像領域(撮像位置)である(なお、図面の簡素化のため、一部の撮像領域について符号412’を付している)。
【0030】
なお、撮像画像において、各被撮像部412の撮像領域は、CPU100によって特定(認識)されるが(後述)、各移動体410の撮像領域を特定し易くするために、例えば、LED照明を反射させる反射塗料を被撮像部412に塗布しておくことが好ましい。また例えば、反射塗料の塗布に代えて、被撮像部412を、撮像画像において背景となる部分(面部450)と区別し易い色にしておいてもよい。
【0031】
なお、説明の便宜上、図3(a)は、広角レンズの特性に起因する撮像範囲の周縁部の歪みを補正した補正後の撮像画像を示したが、LED照明付カメラモジュール110(撮像画像生成部)は、上記補正を行わずに、補正前の撮像画像をCPU100に出力してもよい。
【0032】
圧電アクチュエータ130は、例えば、圧電リニアアクチュエータであって、移動体410の移動を制御する。具体的には、圧電アクチュエータ130は、LED照明付カメラモジュール110の配置された方向(図2(a)のX方向)と逆の方向に移動するように、移動体410を駆動させる。つまり、圧電アクチュエータ130は、突起部411が押下状態から非押下状態に移行するような方向に移動体410を駆動させる。換言すれば、圧電アクチュエータ130は、ユーザによる押下を受け付ける初期状態(非押下状態)からユーザの押下を受け付けて入力状態(押下状態)になった被接触部40(突起部411)を、初期状態(非押下状態)になるように初期化する初期化機能を有する。
【0033】
また、圧電アクチュエータ130は、LED照明付カメラモジュール110の配置された方向(図2(a)のX方向)に移動するように、移動体410を駆動させる。つまり、圧電アクチュエータ130は、突起部411が非押下状態から押下状態に移行するような方向に移動体410を駆動させる。換言すれば、圧電アクチュエータ130は、CPU100から指示に従って、被接触部40を変形(移動体410を両方向に移動)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを被接触部40に表現させる機能を有する。なお、被接触部40は、突起部411の凹凸(非押下状態/押下状態)によって、文字(点文字を含む)、記号、図形などを表現する。
【0034】
通信部140は、有線若しくは無線による通信、又は、直接又は接続用ケーブルを介した他の機器との通信を実行する。通信部140を介して他の機器に送信する情報の一例は、電子機器1のユーザからの入力情報である(詳細は後述)。また、通信部140を介して他の機器から受信する情報の一例は、電子機器1のユーザへの出力情報(圧電アクチュエータ130によって被接触部40に表現させる情報)である。
【0035】
CPU100は、電子機器1全体(LED照明付カメラモジュール110、圧電アクチュエータ130、通信部140)を制御する。例えば、CPU100は、種々の情報を送受信するように、通信部140を制御する。
【0036】
また、CPU100は、通信部140を介して他の機器から電子機器1のユーザへの出力情報を受信したときは、被接触部40に当該出力情報を表現させるように、圧電アクチュエータ130を制御する。
【0037】
また、CPU100は、所定のタイミングで、面部400の内側を撮像し、撮像画像を生成し、供給するように、LED照明付カメラモジュール110を制御する。
【0038】
また、CPU100は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、ユーザによる入力の入力値(ユーザからの入力の入力値)を取得する。具体的には、CPU100は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、面部400の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部411の押下)によって生じた、移動体410の移動による被接触部40の変形を検出し、被接触部40の変形に応じた値(即ち、検出結果を示す情報)を、当該ユーザからの入力の入力値として取得する。ここで、CPU100は、撮像画像に基づいて突起部411の夫々が押下状態であるか否かを判断することによって、被接触部40の変形を検出する。なお、突起部411の夫々が押下状態であるか否かを撮像画像に基づいて判断する判断手法については後述する。
【0039】
CPU100は、上述のようにして取得したユーザからの入力値を、通信部140を介して他の機器に送信する(即ち、入力値を他の機器に送信するように通信部140を制御する)。なお、CPU100は、入力値を他の機器に送信することに代えて、入力値を用いて種々の処理を実行してもよい。
【0040】
以下、被接触部40の変形の検出方法、即ち、突起部411の夫々が押下状態であるか否かを撮像画像に基づいて判断する判断手法について説明する。
【0041】
CPU100は、突起部411の夫々が押下状態であるか否かの判断として、今回撮像した撮像画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’が、全ての突起部411が非押下状態であるときの各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’から移動したか否かを判断する。より詳細には、CPU100は、全ての突起部411が非押下状態であるときの各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’を予め保持し、今回撮像した撮像画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’が、保持している各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’から移動したか否かを判断する。つまり、電子機器1において、LED照明付カメラモジュール110の撮像範囲(視野領域)は固定しているため、CPU100は、今回撮像した撮像画像から、何れの被撮像部412の撮像位置412’が移動し、何れの被撮像部412の撮像位置412’が移動していないかを判断することできる。また、一の移動体410の突起部411が非押下状態から押下状態に移行した場合、当該移動体410の被撮像部412の撮像位置412’は、撮像画面の中央方向に移動するため、CPU100は、今回撮像した撮像画像から、突起部411の夫々が押下状態であるか否かを判断することができる。
【0042】
例えば、CPU100は、今回撮像した撮像画像として図3(b)に示す撮像画像を取得した場合、予め保持している各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’(例えば、図3(a)に示す撮像画像における被撮像部412の撮像位置412’)から、撮像位置A、B、Cのみが移動したと判断する。そして、CPU100は、撮像位置Aに対応する突起部411(撮像位置Aに撮像されている被撮像部412を有する移動体410の突起部411。突起部aとする)、撮像位置Bに対応する突起部411(撮像位置Bに撮像されている被撮像部412を有する移動体410の突起部411。突起部bとする)、撮像位置Cに対応する突起部411(撮像位置Cに撮像されている被撮像部412を有する移動体410の突起部411。突起部cとする)のみが押下状態であると判断する。なお、当該場合、CPU100は、押下された突起部a、b、cを示す情報(例えば、突起部aに予め付された識別情報、突起部bに予め付された識別情報、突起部cに予め付された識別情報)を、例えば、通信部140を介して他の機器に送信する。
【0043】
なお、電子機器1は、初期画像(全ての突起部411が非押下状態であるときの撮像画像。例えば、図3(a)に示す撮像画像)を記憶部(非図示)に記憶してもよい。電子機器1が初期画像を記憶する場合、CPU100は、初期画像と、今回撮像した撮像画像とを比較し、今回撮像した撮像画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’が、初期画像における各移動体410の被撮像部412の撮像位置412’から撮像位置から移動したか否かを判断する。
【0044】
なお、CPU100は、突起部411の夫々の押下量を判断し、突起部411の夫々の押下量に応じた値を、ユーザからの入力の入力値として取得してもよい。なお、押下量とは、面部400の内側の方向に押し下げられた量である。CPU100は、今回撮像した撮像画像における被撮像部412の撮像位置412’の移動量から、突起部411の夫々の押下量を判断し、ユーザからの入力の入力値として取得してもよい。なお、突起部411の夫々の押下量に応じた値をユーザからの入力の入力値とする場合、CPU100は、押下された突起部411を示す情報と各押下量を示す情報とを、例えば、通信部140を介して他の機器に送信する。
【0045】
以上、本発明の第1の実施形態による電子機器1によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部40を介して容易に入力し、また、容易に出力内容を認識することができる。
【0046】
なお、入力状態(押下状態)から初期状態(非押下状態)へ初期化する方法として、圧電アクチュエータ130を用いる方法を一例として説明したが、他の方法を用いて、入力状態(押下状態)から初期状態(非押下状態)へ初期化してもよい。例えば、電子機器1がバネを備え、バネの弾性力を用いる方法によって、入力状態(押下状態)から初期状態(非押下状態)へ初期化してもよい。
【0047】
また、突起部411の夫々の押下量を判断する方法として、撮像画像を用いる方法、即ち画像処理による方法を一例として説明したが、他の方法を用いて、突起部411の夫々の押下量を判断してもよい。例えば、電子機器1が移動体410の移動量を測定するエンコーダを備え、エンコーダによって、突起部411の夫々の押下量を判断(測定)してもよい。但し、電子機器1は、移動体410の本数分のエンコーダを具備する必要がある。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態による電子機器1の他の一例を示す概略図である。図4に示すように、電子機器1は、図4に示すLED照明付カメラモジュール110に代えて、カメラモジュール111、カメラモジュール112及びLED照明モジュール120を備える構成としてもよい。なお、カメラモジュール111、カメラモジュール112及びLED照明モジュール120以外の構成は、図1に示す構成と同様であるため、図4において、一部について符号の付与を省略している。また、図4の三角形の一点鎖線はカメラモジュール111の撮像範囲(視野領域)を模式的に示し、三角形の長破線はカメラモジュール112の撮像範囲(視野領域)を模式的に示している。
【0049】
図1に示す構成の電子機器1は、真上の突起部411(図1(b)のD)の押下を認識し難いが、図4に示す構成の電子機器1は、真上の突起部411(図4のD)の押下を容易に認識することができる。また、図4に示す構成の電子機器1は、2枚の撮像画像から突起部411の押下状態(及び押下量)を判断するため、1枚の撮像画像から突起部411の押下状態(及び押下量)を判断する図1に示す構成の電子機器1に比べてより高い精度で、突起部411の押下状態(及び押下量)を判断することができる。なお、電子機器1が備えるカメラモジュールの数量は、撮像画像の解像度、突起部411(移動体410)の本数、CPU100の処理能力などを考慮し、3個以上としてもよい。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態による電子機器2の概略図である。図5(a)は電子機器2の斜視図、図5(b)は電子機器2の断面図である。図6は、面部500、突起部511について説明するための説明図である。
【0051】
電子機器2は、図5(a)(b)に示すように、台部11と被接触部50とを有する。被接触部50は、椀状の面部500と突起部511とから構成されている。なお。被接触部50において、面部500から外側に突起した部分(図6(a)(b)参照)を突起部511という。また、突起部511の内側(図6(a)(b)の右下細斜線部)を被撮像部512という。被撮像部512には、電子機器1の被撮像部412と同様、反射塗料を塗布しておくか、被撮像部512を背景色と区別し易い色としておくことが好ましい。
【0052】
被接触部50は、弾性体(例えば、ゴム)を用いて形成されている。突起部511の夫々は、面部500の外側からの加圧(図6(a)のX方向の加圧)によって、図6(b)に示すように押下状態になり、突起部511の弾性力によって、図6(a)に示すように非押下状態なる。
【0053】
また、電子機器2は、図5(b)に示すように、面部500の内側に、CPU101とLED照明付カメラモジュール110と通信部140とを備える。なお、LED照明付カメラモジュール110、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様であるため、説明の一部又は全部を省略する。なお、電子機器2は、圧電アクチュエータを備えていない。
【0054】
CPU101は、電子機器2全体(LED照明付カメラモジュール110、通信部140)を制御する。例えば、CPU101は、所定のタイミングで、面部500の内側を撮像し、撮像画像を生成し、供給するように、LED照明付カメラモジュール110を制御する。
【0055】
また、CPU101は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、ユーザによる入力の入力値(ユーザからの入力の入力値)を取得する。具体的には、CPU101は、LED照明付カメラモジュール110から供給された撮像画像から、面部500の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部511の押下)によって生じた被接触部50の変形を検出し、被接触部50の変形に応じた値(即ち、検出結果を示す情報)を、当該ユーザからの入力の入力値として取得する。ここで、CPU101は、撮像画像に基づいて突起部511の夫々が押下状態であるか否かを判断することによって、被接触部50の変形を検出する。なお、図6(b)に示すように、押下状態になると被撮像部512の撮像領域が広くなるため、CPU101は、突起部511が押下状態であるか否かを判断することができる。
【0056】
以上、本発明の第2の実施形態による電子機器2によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部50を介して容易に入力することができる。なお、電子機器2の被接触部50は、弾性体を用いて形成されていると説明したが、被接触部50のうち少なくとも突起部511が弾性体を用いて形成されていればよく、面部500は弾性体を用いて形成されていなくてもよい。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態による電子機器3の概略図である。図7(a)は電子機器3の斜視図、図7(b)は電子機器3の断面図である。
【0058】
電子機器3は、図7(a)(b)に示すように、台部12と被接触部60とを有する。被接触部60は、図7(b)に示すように、複数の穴部601を有する椀状の面部600と、穴部601の夫々を貫通するように配された弾性体610とから構成されている。弾性体610は、例えばゴムによって形成されている。
【0059】
また、電子機器3は、図7(b)に示すように、面部600の内側に、CPU102とポンプ150と圧力センサ160と通信部140と開放弁(非図示)を備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様である。
【0060】
各弾性体610は、内部に、空洞部614を有する。各空洞部614内には、気体(例えば、空気)が充満している。但し、各空洞部614は、完全に密閉された構造ではなく、気体を外部に放出し、又は、外部から注入するための気圧調整穴(非図示)を有する。なお、気圧調整穴を介して、ポンプ150側から気体が空洞部614に送り込まれ、開放弁が開放している場合、気圧調整穴を介して、空洞部614内の気体が開放弁側に流れるようになっている。
【0061】
各弾性体610において、面部600の外側の端部を突起部611という。つまり、突起部611は、弾性体610の一部であって、面部600の外側に突起した部分である。
【0062】
突起部611の夫々は、面部600の外側からの加圧(例えば、ユーザによる突起部611の押下)によって面部600の内側の方向(後述する圧力センサ160等の配置された方向)に押し下げられた押下状態になるように形成されている。なお、各弾性体610は、開放弁が封鎖した状態において(即ち、空洞部614内の気体が漏れない状態において)、突起部611が押下状態になると、空洞部614の気圧が上昇するように形成されている。
【0063】
ポンプ150は、CPU102の制御に従って、空洞部614内の気圧を制御する。具体的には、ポンプ150は、気圧調整穴を通じて空洞部614内に気体を送り込む。
【0064】
なお、開放弁の封鎖状態かつ入力状態(押下状態)において、空洞部614内に気体が送り込まれた場合、入力状態であった被接触部60(突起部611)は、初期状態(非押下状態)に戻る。即ち、ポンプ150は、初期化機能を有する。また、開放弁の封鎖状態かつ初期状態において、空洞部614内に気体が送り込まれた場合、初期状態よりも、より一層、面部600の外側に突起した状態(隆起状態)になる。
【0065】
換言すれば、ポンプ150は、CPU102から指示に従って、被接触部60を変形(弾性体610を伸縮)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを被接触部60に表現させる機能を有する。
なお、被接触部60は、突起部611の凹凸(非押下状態/押下状態、非押下状態/隆起状態)によって、文字(点文字を含む)、記号、図形などを表現する。換言すれば、被接触部60は、面部600から突起した部分の長さによって出力情報を表現する。
【0066】
圧力センサ160は、空洞部614内の気圧を測定する。なお、空洞部614内の気圧は、面部600の外側からの加圧、又は、ポンプ150による気体の注入によって上昇し、開放弁の開放によって下降する。
【0067】
CPU102は、電子機器3全体(ポンプ150、圧力センサ160、通信部140、開放弁)を制御する。例えば、CPU102は、通信部140を介して他の機器から電子機器3のユーザへの出力情報を受信したときは、開放弁が開放している場合には封鎖するように制御するとともに、気体を注入するようにポンプ150を制御し、空洞部614内の気圧を上昇させる。
【0068】
つまり、実施形態1の電子機器1の場合、ユーザに対する出力の出力値に応じて移動体410を移動させることによって、被接触部40を出力値に応じて変形させたが、実施形態3の電子機器3の場合、ユーザに対する出力の出力値に応じて空洞部614内の気圧を上昇させることによって、被接触部60を出力値に応じて変形させている。
【0069】
また、CPU102は、被接触部60の変形の検出結果を示す情報を、ユーザによる入力の入力値(ユーザからの入力の入力値)を取得する。なお、CPU102は、圧力センサ160によって測定された空洞部614内の気圧に基づいて突起部611の夫々が押下状態であるか否かを判断することによって、被接触部60の変形を検出する。なお、一の弾性体610の突起部611が押下状態である場合、上述の如く、当該弾性体610の空洞部614内の気圧は上昇するため、圧力センサ160が夫々の空洞部614内の圧力を測定すれば、突起部611の夫々が押下状態であるか否かを判断することが可能である。
【0070】
以上、本発明の第3の実施形態による電子機器3によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部60を介して容易に入力し、また、容易に出力内容を認識することができる。
【0071】
なお、被接触部60は、面部600から突起した部分の長さ(突起部611の凹凸)によって出力情報を表現すると説明したが、出力情報を表現する態様は上記に限定されない。例えば、被接触部60は、突起した部分の硬さによって出力情報を表現してもよい。即ち、空洞部614内の気圧の変化に対し、弾性体610のサイズ(面部600から突起する部分の長さ)が殆ど変化しない場合であっても、ユーザが、突起部611に軽く触れた時の感触によって弾性体610の硬さを感知し、各弾性体610の硬さによって、ユーザが出力情報を認識できるようにしてもよい。
【0072】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について説明する。図8は、本発明の第4の実施形態による電子機器4の概略図である。図8(a)は電子機器4の斜視図、図8(b)は電子機器4の断面図である。図8(c)は、一組の検出部702の断面図である。
【0073】
電子機器4は、図8(a)に示すように、台部13と被接触部70とを有する。被接触部70は、図8(a)(b)に示すように、複数の穴部701を有する椀状の面部700と、穴部701の夫々を貫通するように配された検出部702とから構成されている。各検出部702は、図8(c)に示すように、変形突起部710と、変形突起部710を支持する支持筐体711と、支持筐体711内に配置された圧力センサ161とから構成されている。変形突起部710は、空洞部を有する弾性体(例えばゴムに)であって、押下によって変形する。一方、支持筐体711は、空洞部を有する筒状の鋼体(例えば、金属、硬い樹脂)であって、空洞部内の気圧の変化によって変形しない。圧力センサ161は、検出部702内の空洞部(即ち、変形突起部710の空洞部及び支持筐体711の空洞部)内の圧力を検出する。なお、検出部702内の空洞部は密閉されている。
【0074】
また、電子機器4は、図8(c)に示すように、CPU103と通信部140とを備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様である。
【0075】
上記構成において、ユーザが面部700の外側の突出した変形突起部710を押下した場合、変形突起部710は変形し、検出部702の空洞部内の容積は減少し、ボイルの法則に従って、空洞部内の圧力は上昇する。また、ユーザが押下を止めた場合、弾性力によって変形突起部710の形状は押下前の元の状態に復元し、容積及び圧力も元の状態に戻る。つまり、検出部702内の各圧力センサ161は、圧力変化を検出し、当該検出部702(変形突起部710)のユーザによる押下状態を検出することができる。
【0076】
CPU103は、電子機器4全体(各圧力センサ161、通信部140)を制御する。例えば、CPU103は、ユーザによる入力の入力値として、各圧力センサ161の検出値を取得し、通信部140を介して、他の電子機器に出力する。
【0077】
以上、本発明の第4の実施形態による電子機器4によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、被接触部70を介して容易に入力することができる。
【0078】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第5の実施形態について説明する。図9(a)は、本発明の第5の実施形態による電子機器5の概略図である。
【0079】
電子機器5は、図9(a)に示すように、内側(腕に接する側)の面(面部800)に穴部801を有する本体860と、本体860を腕に装着するための装着部870とから構成される。本体860は、CPU104(非図示)、突起体駆動部(非図示)、通信部140(非図示)、及び、穴部801の夫々を貫通するように配された突起体810を備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様であるため、説明の一部又は全部を省略する。
【0080】
突起体810は、装着部870によって本体860が腕に装着された場合、腕に接触する。即ち、突起体810は、被接触部である。
【0081】
突起体駆動部は、突起体810(被接触部)を駆動させる。具体的には、突起体駆動部は、CPU104の制御に従って、穴部801から外に出す方向に、又は、穴部801の中に戻す方向に、突起体810を駆動させる。換言すれば、突起体駆動部は、CPU104から指示に従って、突起体810(被接触部)を変形(突起体810を両方向に移動)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを突起体810(被接触部)に表現させる機能を有する。
【0082】
CPU104は、電子機器5全体(突起体駆動部、通信部140)を制御する。例えば、CPU104は、通信部140を介して他の機器から電子機器5のユーザへの出力情報を受信したときは、突起体810(被接触部)に当該出力情報を表現させるように、突起体駆動部を制御する。即ち、CPU104は、出力内容を突起体810の凹凸によって表現するように、突起体駆動部を制御する。
【0083】
なお、第5の実施形態の電子機器5の突起体810及び突起体駆動部の構成は特に限定しないが、例えば、第1の実施形態の電子機器1の移動体410及び圧電アクチュエータ130と同様の構成としてもよいし、第3の実施形態の電子機器3の弾性体610及びポンプ150と同様の構成としてもよい。第6の実施形態の電子機器6(後述)についても同様である。
【0084】
以上、本発明の第5の実施形態による電子機器5によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、容易に出力内容を認識することができる。
【0085】
(第6の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第6の実施形態について説明する。図9(b)は、本発明の第6の実施形態による電子機器6の概略図である。
【0086】
電子機器6は、図9(b)に示すように、内側(腕に接する側)の面(面部900)に穴部901を有する、また、電子機器6は、CPU105(非図示)、突起体駆動部(非図示)、通信部140(非図示)、及び、穴部901の夫々を貫通するように配された突起体910を備える。なお、通信部140は、第1の実施形態による電子機器1が備えるものと同様であるため、説明の一部又は全部を省略する。
【0087】
突起体910は、電子機器6が腕に装着された場合、腕に接触する。即ち、突起体910は、被接触部である。
【0088】
突起体駆動部は、突起体910(被接触部)を駆動させる。具体的には、突起体駆動部は、CPU105の制御に従って、穴部901から外に出す方向に、又は、穴部901の中に戻す方向に、突起体910を駆動させる。換言すれば、突起体駆動部は、CPU105から指示に従って、突起体910(被接触部)を変形(突起体910を両方向に移動)させて、文字(点文字を含む)、記号、図形などを突起体910(被接触部)に表現させる機能を有する。
【0089】
CPU105は、電子機器6全体(突起体駆動部、通信部140)を制御する。例えば、CPU105は、通信部140を介して他の機器から電子機器6のユーザへの出力情報を受信したときは、突起体910(被接触部)に当該出力情報を表現させるように、突起体駆動部を制御する。即ち、CPU105は、出力内容を突起体910の凹凸によって表現するように、突起体駆動部を制御する。
【0090】
以上、本発明の第6の実施形態による電子機器6によれば、視覚に障害がある人でも容易に使用することができる。例えば、容易に出力内容を認識することができる。
【0091】
なお、本発明の第1の実施形態による電子機器1は、被接触部40の変形(突起部411の凹凸)によって出力内容を表現したが、被接触部40の変形に代えて、突起部411の振動によって出力内容を表現してもよい。即ち、電子機器1は、圧電アクチュエータ130に代えて、突起部411を振動させる振動発生部を備えるようにしてもよい。同様に、本発明の第3の実施形態による電子機器3は、被接触部60の変形(突起部611の凹凸)又は弾性体610の硬さによって出力内容を表現したが、上記に代えて、突起部611の振動によって出力内容を表現してもよい。同様に、本発明の第5の実施形態による電子機器5は、突起体810の凹凸によって表出力内容を現したが、突起体810の凹凸に代えて、突起体810の振動によって出力内容を表現してもよい。同様に、本発明の第6の実施形態による電子機器6は、突起体910の凹凸によって出力内容を表現したが、突起体910の凹凸に代えて、突起体910の振動によって出力内容を表現してもよい。
【0092】
また、本発明の第1の実施形態による電子機器1は、被接触部40の変形に加え、音と光(強い光)によって、出力内容を表現してもよい。本発明の第3の実施形態による電子機器3、本発明の第5の実施形態による電子機器5、本発明の第6の実施形態による電子機器6についても同様である。
【0093】
続いて、本発明に係る電子機器を利用した入出力システムについて説明する。図10は、電子機器1を利用した入出力システムの概念図である。
【0094】
入出力システム1000は、図10(a)に示すように、電子機器1Aと電子機器1Bとを含んで構成される。電子機器1A、及び、電子機器1Bは、何れも、上述の第1の実施形態による電子機器1である。電子機器1A(電子機器1Bも同様)は、被接触部40の変形に応じて入力値(入力情報)を取得するとともに、出力値(出力情報)に応じて被接触部40が変形する出力機器である。
【0095】
例えば、ユーザA(電子機器1Aのユーザ)が電子機器1Aの被接触部40を変形させた場合(突起部411を押した場合)、電子機器1Aは、被接触部40の変形を検出し、検出結果を示す情報をユーザAからの入力情報として取得する。ユーザAからの入力情報を取得した電子機器1Aは、当該入力情報を他の機器である電子機器1Bに送信する。一方、電子機器1Bは、他の機器である電子機器1AからユーザAの入力情報を、ユーザB(電子機器1Bのユーザ)への出力情報として受信する。ユーザBへの出力情報を受信した電子機器1Bは、当該出力情報に応じて被接触部40を変形させる。
【0096】
なお、ユーザAからの入力情報と、ユーザBへの出力情報とは、同一であってもよいし、ユーザAからの入力情報を変換したものが、ユーザBへの出力情報であってもよい。なお、入力情報から出力情報への変換は、入力装置側(上記例の場合、電子機器1A)で行ってもよいし、出力装置側(上記例の場合、電子機器1B)で行ってもよい。
【0097】
なお、図10(a)に示す入出力システム1000は、ケーブルを介して、入出力情報を送受信する構成であるが、電子機器1を利用した入出力システムは、図10(a)に示す構成に限定されるものではない。例えば、図10(b)に示す入出力システム1001の如く、近距離無線通信によって、入出力情報を送受信する構成であってもよいし、図10(c)に示す入出力システム1002の如く、移動局(例えば、スマートフォン)を介して、入出力情報を送受信する構成であってもよいし、図10(d)に示す入出力システム1003の如く、無線AP(例えば、無線LANルータ)を介して、入出力情報を送受信する構成であってもよい。
【0098】
また、図10(d)に示すように、電子機器1を利用した入出力システムは、1対1の通信に限定するものではない。図10(d)の構成では、例えば、電子機器1Aにおける入力を電子機器1B、電子機器1Cの両方に出力し、電子機器1Bにおける入力を電子機器1C、電子機器1Aの両方に出力し、電子機器1Cにおける入力を電子機器1A、電子機器1Bの両方に出力することも可能である。
【0099】
なお、図10の入出力システム1000〜1003は、電子機器1を利用したシステムであるが、入力機器又は出力機器の両方又は一方に電子機器3を利用してもよいし、入力機器として、電子機器2、電子機器4、電子機器5、電子機器6を利用してもよい。また、入力機器又は出力機器に電子機器1〜6以外の機器(例えば、パーソナルコンピュータ、移動局)を利用してもよい。
【0100】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1、2、3、4、5、6…電子機器 10、11、12、13…台部 40、50、60、70…被接触部 100、101、102、103、104、105…CPU(入力値取得部、移動制御部、気圧制御部、変形制御部) 110…LED照明付カメラモジュール 111、112…カメラモジュール 120…LED照明モジュール 130…圧電アクチュエータ 140…通信部 150…ポンプ 160、161…圧力センサ 400、450、500、600、700、800、900…面部 401、451、601、701、801、901…穴部 702…検出部 410…移動体 610…弾性体 710…変形突起部 810、910…突起体 411、511、611…突起部 711…支持筐体 412、512…被撮像部 614…空洞部 860…本体 870…装着部 1000、1001、1002、1003…入出力システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椀状の面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有し、前記突起部の夫々が、ユーザが行う加圧によって内側に押し下げられた押下状態になるように形成された被接触部と、
前記加圧による前記被接触部の変形を検出し、検出結果を示す情報を前記ユーザからの入力の入力値として取得する入力値取得部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記被接触部の内側に撮像部を備え、
前記入力値取得部は、
前記撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記入力値取得部は、
前記撮像画像に基づいて前記突起部の夫々の押下量を判断し、前記突起部の夫々の押下量に応じた値を、前記入力値として取得すること特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の電子機器において、
前記面部は、複数の穴部を有し、
前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、
前記移動体は、前記加圧によって前記撮像部の配置された方向に移動することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
前記移動体の移動を制御する移動制御部を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項2に記載の電子機器において、
前記突起部は、弾性体を用いて形成されたものであることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器において、
前記被接触部の内側に圧力センサを備え、
前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、
前記空洞部内の気圧は、ユーザが行う前記突起部への加圧によって変化し、
前記入力値取得部は、
前記圧力センサによって測定された前記空洞部内の気圧に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記空洞部内の気圧を制御する気圧制御部を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項5に記載の電子機器において、
前記移動制御部は、
ユーザに対する出力の出力値に応じて前記移動体を移動させることによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項8に記載の電子機器において、
前記気圧制御部は、
ユーザに対する出力の出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有する被接触部と、
ユーザに対する出力の出力値に応じて前記被接触部を変形させる変形制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項11に記載の電子機器において、
前記面部は、複数の穴部を有し、
前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、
前記変形制御部は、
前記出力値に応じて前記移動体の移動を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項11に記載の電子機器において、
前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、
前記変形制御部は、
前記出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
被接触部の変形に応じて入力値を取得する入力機器と、
出力値に応じて被接触部が変形する出力機器と
を含む入出力システムであって、
前記入力機器は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の電子機器であって、
前記出力機器は、請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の電子機器であることを特徴とする入出力システム。
【請求項1】
椀状の面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有し、前記突起部の夫々が、ユーザが行う加圧によって内側に押し下げられた押下状態になるように形成された被接触部と、
前記加圧による前記被接触部の変形を検出し、検出結果を示す情報を前記ユーザからの入力の入力値として取得する入力値取得部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記被接触部の内側に撮像部を備え、
前記入力値取得部は、
前記撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記入力値取得部は、
前記撮像画像に基づいて前記突起部の夫々の押下量を判断し、前記突起部の夫々の押下量に応じた値を、前記入力値として取得すること特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の電子機器において、
前記面部は、複数の穴部を有し、
前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、
前記移動体は、前記加圧によって前記撮像部の配置された方向に移動することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
前記移動体の移動を制御する移動制御部を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項2に記載の電子機器において、
前記突起部は、弾性体を用いて形成されたものであることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器において、
前記被接触部の内側に圧力センサを備え、
前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、
前記空洞部内の気圧は、ユーザが行う前記突起部への加圧によって変化し、
前記入力値取得部は、
前記圧力センサによって測定された前記空洞部内の気圧に基づいて前記突起部の夫々が前記押下状態であるか否かを判断することによって、前記被接触部の変形を検出することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記空洞部内の気圧を制御する気圧制御部を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項5に記載の電子機器において、
前記移動制御部は、
ユーザに対する出力の出力値に応じて前記移動体を移動させることによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項8に記載の電子機器において、
前記気圧制御部は、
ユーザに対する出力の出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
面部と前記面部から前記面部の外側に突起した複数の突起部とを有する被接触部と、
ユーザに対する出力の出力値に応じて前記被接触部を変形させる変形制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項11に記載の電子機器において、
前記面部は、複数の穴部を有し、
前記突起部の夫々は、前記穴部の夫々を貫通するように配された棒状の移動体の一部であって、
前記変形制御部は、
前記出力値に応じて前記移動体の移動を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項11に記載の電子機器において、
前記突起部の夫々は、内部に空洞部を有する夫々の弾性体の一部であって、
前記変形制御部は、
前記出力値に応じて前記空洞部内の気圧を制御することによって、前記出力値に応じて前記被接触部を変形させることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
被接触部の変形に応じて入力値を取得する入力機器と、
出力値に応じて被接触部が変形する出力機器と
を含む入出力システムであって、
前記入力機器は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の電子機器であって、
前記出力機器は、請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の電子機器であることを特徴とする入出力システム。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1】
【公開番号】特開2012−145920(P2012−145920A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253806(P2011−253806)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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