説明

電子機器及び接続確認方法

【課題】コネクタの接続確認に最適な電子機器及び方法の提供。
【解決手段】本発明は当該複数種の信号に対応する信号端子を備えた雌雄一対のコネクタを介して、本体部に着脱可能なオプションユニットを備えた電子機器を前提とする。そして、本発明の電子機器の本体部は、接続確認手段と、リクエスト信号生成手段と、通信確認手段を備える。接続確認手段は、信号端子の内、特定の信号端子が接続されたことを確認し、リクエスト信号生成手段は、接続確認手段により特定の信号端子の接続が確認されると、オプションユニットに対して、応答信号を返す旨のリクエスト信号を特定の信号端子以外の信号端子を介して送信する。通信確認手段は、オプションユニットから特定の信号端子以外の信号端子を介して応答信号の受信を確認すると、本体部及び、オプションユニットの両コネクタが接続されたと判断することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタを介してオプションユニットを接続可能な電子機器に関し、特に当該コネクタの接続確認が可能な電子機器及び、コネクタの接続確認方法である。
【背景技術】
【0002】
現在、電子機器(一例として、画像形成装置)には様々な機能が備わっており、オプションユニットが接続可能な画像形成装置もその一つである。当該画像形成装置には、ユーザによる紙詰まりの除去、あるいはサービスマンによる各ユニットの動作点検等のため、各種のオプションユニットが着脱できるようになっている。例えば、オプションユニットとして、シートの補給回数を減らす等の観点からペーパフィーダや、自動的に連続して原稿を読み取るための原稿自動送り装置や、両面印刷ユニット等が接続可能である。それぞれのユニットはコネクタを介して装置本体と接続されている。
【0003】
ここで、特許文献1にはコネクタを使用して、上記オプションユニットを接続可能な画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-345320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術は、装置本体及び、オプションユニットのコネクタに備えられた信号端子が完全に挿入されない(斜め挿しと称す)場合のことは考慮されていない。上記斜め挿しの状態でも通信が可能となる場合があるが、この場合、通信異常となることが多い。従来技術においては、上記通信異常が発生した場合、コネクタの斜め挿しが原因であるか、ソフトの問題であるかの判断をすることができなかった。
【0006】
そこで、通信異常の原因を明確にしたいユーザから、コネクタの接続確認を行い、斜め挿しを原因とする通信異常の発生を防止する技術の要請があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するための本発明は、本体部と、当該本体部に、複数種の信号に対応する信号端子を備えた雌雄一対のコネクタを介して着脱可能なオプションユニットとを備えた電子機器を前提とする。そして、本発明の電子機器の本体部は、接続確認手段と、リクエスト信号生成手段と、通信確認手段を備える。
【0008】
接続確認手段は、信号端子の内、特定の信号端子が接続されたことを確認し、リクエスト信号生成手段は、接続確認手段により特定の信号端子の接続が確認されると、オプションユニットに対して、応答信号を返す旨のリクエスト信号を特定の信号端子以外の信号端子を介して送信する。
【0009】
そして、通信確認手段は、オプションユニットから特定の信号端子以外の信号端子を介して応答信号の受信を確認すると、本体部及び、オプションユニットの両コネクタが接続されたと判断することを特徴とする。
【0010】
上記の構成であると、上記特定の信号端子の接続をトリガーとして、リクエスト信号を送信し、当該リクエスト信号に対する応答信号が受信されることを確認する事で、通信可能か否かを判断することが可能となる。
【0011】
上記の構成において、コネクタ間の特定の信号端子が相互に接続されると、オプションユニットから本体部に接続確認信号が出力され、接続確認手段が、当該接続確認信号により特定の信号端子の接続を確認する構成を採用することができる。
【0012】
上記の構成において、接続確認手段により特定の信号端子の接続が確認されると、リクエスト信号生成手段が、オプションユニットに対して、応答信号を返す旨のリクエスト信号を特定の信号端子以外の複数の信号端子を介して送信する。そして、通信確認手段が、オプションユニットから特定の信号端子以外の複数の信号端子を介して全ての応答信号の受信を確認すると、本体部及び、オプションユニットの両コネクタが接続されたと判断する構成を採用することができる。
【0013】
上記の構成において、複数の信号端子が列状に配列され、特定の信号端子が、複数の信号端子の内、配列方向一方端又は、両端に配置される事が望ましい。更に、複数の信号端子が複数の列状に配列され、特定の信号端子が、当該複数の列状の信号端子の内、対角線上に配置される事が望ましい。
【0014】
特定の信号端子を上記のように配置することで、特定の信号端子が接続されると、その他の信号端子も接続される可能性が高いので、コネクタの斜め挿しを防止することができるからである。
【0015】
上記の構成において、電子機器が、画像形成装置であり、通信確認手段が、オプションユニットから応答信号の受信を確認できない場合、画像形成装置に備えられた表示受付手段にオプションユニットが接続されていない旨の表示をさせる事が望ましい。
【0016】
上記の構成であれば、オプションユニットが接続されていない事をユーザに通知することが可能となる。
【0017】
更に、上記の課題を解決する本発明は、本体部とオプションユニットとの信号を送受信するための複数の信号端子を備えたコネクタを介して、オプションユニットと本体部とが着脱可能な電子機器におけるオプションユニットの接続確認方法を前提とする。
【0018】
そして、本発明の接続確認方法は、信号端子の内、特定の信号端子が接続されたことを確認するステップと、特定の信号端子の接続が確認されると、オプションユニットに対して、応答信号を返す旨のリクエスト信号を特定の信号端子以外の信号端子を介して送信するステップと、オプションユニットから特定の信号端子以外の信号端子を介して応答信号の受信を確認すると、本体部及び、オプションユニットの両コネクタが接続されたと判断するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電子機器によると、オプションユニットと本体部とを接続するコネクタに備えた複数の信号端子の内、特定の信号端子の接続をトリガーとして、オプションユニットにリクエスト信号を送信し、当該リクエスト信号に対する応答信号が受信されることを確認する事で、オプションユニットと、本体部との通信が可能か否か(コネクタが完全に接続されているか)を判断することが可能となるので、コネクタの斜め挿しの状態での通信の開始を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器(一例として画像形成装置以下同じ)の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の読取部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の操作部を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置のオプションユニットとの通信処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置のコネクタの一例である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示される画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(画像形成装置)
本発明の実施形態に係る電子機器は、コンピュータや、画像形成装置に用いることが可能である。以下では、電子機器の一例として、画像形成装置を説明する。
【0022】
まず、本発明の画像形成装置について、基本的なコピー機能の処理を説明する。当該画像形成装置は、プリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機、デジタル複写機、プリンタ等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。
【0023】
図1は、複合機の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。なお、一例として複合機100を利用して原稿のコピーを行う際の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
【0024】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿の印刷を行う場合、原稿を図1に示す原稿台103、或いは載置台105に配置し、原稿台103近傍に備えられた操作部200に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、印刷が行われる。
【0025】
即ち、図1に示すように、本実施の形態の複合機100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面は原稿台103が設けられており、原稿台103は、プラテンカバー102によって開閉されるようになっている。プラテンカバー102は、自動原稿給紙装置104(本発明のオプションユニット550の一例である)と載置台105と排紙台109が設けられている。
【0026】
原稿台103の下方には、読取部110が設けられており、図2にその詳細が示されている。読取部110は、原稿台103を照射する主走査方向に長い光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一の移動キャリッジ117や、第一の移動キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二の移動キャリッジ118、さらにミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119、当該レンズ群119より補正された光を受光する撮像素子115、撮像素子115にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正・修正などを行う画像データ生成部114とで構成されている。
【0027】
自動原稿給紙装置104上の原稿を読み取る場合には、光源111は、読取位置Pを照射できる位置に移動して発光する。光源111からの光は、原稿台103を透過して読取位置Pを通過する原稿にて反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によって撮像素子115に導かれる。撮像素子115は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。画像データ生成部114には、上記撮像素子115にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部114では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正、修正等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【0028】
また、読取部110が原稿台103に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ117は、光源111を発光しながら副走査方向に移動し、光源111から撮像素子115までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ118は第一の移動キャリッジ117の1/2の速度で撮像素子115方向に移動する。
【0029】
撮像素子115は、ミラー112、113A、113Bに導かれた光に基づいて原稿台103に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部114が画像データを生成する。
【0030】
本体101の読取部110の下方には、画像データを印刷する印刷部120を備えている。印刷部120が印刷できる画像は、上記のように画像データ生成部114にて生成されたものや、複合機100に接続された通信ケーブル150を介して、ネットワーク151から画像形成の指示とともに送信される場合もある。
【0031】
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム121を帯電器122で一様に帯電させ、その後レーザ123で感光ドラム121を照射して感光ドラム121に潜像を形成し、現像器124で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を用紙に転写する方式である。
【0032】
可視像が印刷される用紙は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0033】
印刷部120が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから用紙1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した用紙を搬送ローラ137やレジストローラ138で中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込む。用紙を引き出す場合、手差しトレイ131に載置された用紙を、手差しトレイ用ピックアップローラ136を用いて引き出しても構わない。
【0034】
印刷部120は、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込んだ用紙に、上記中間転写ベルト125A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によって可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
【0035】
以上が、複合機100における基本的なコピー機能の処理である。なお、複合機100は、上述した各部(読取部110、印刷部120)を適宜協働的に動作することによって、他の機能、例えば、ファクシミリ送受信機能、プリント機能、スキャン機能、後処理機能、メモリ機能等をユーザに提供する。
【0036】
図3は、複合機100に備えられた操作部200の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部200を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力する。設定条件の入力、各機能の実行開始等が行なわれる際に、上記操作部200に備えられたタッチパネル301、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0037】
次に、図4を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、当該複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0038】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404、各駆動部に対応するドライバ405を内部バス406によって接続している。上記CPU401は、例えば、RAM403を作業領域として利用し、上記ROM402、HDD404等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ405と操作部200からのデータ、指示を授受し、上記図1、2に示した各駆動部等の動作を制御する。
【0039】
一方、オプションユニット550(自動原稿給紙装置104等)にも各オプションユニット550の動作を制御するための制御回路が設けられる。そして、当該制御回路にも、CPU411が搭載される。尚、上記オプションユニットの制御回路にもROM412やRAM413やHDD414の記憶素子、各駆動部に対応するドライバ415を内部バス416によって接続していることもある。
【0040】
そして、オプションユニット550側のCPU411は、本体側のCPU401と通信可能とされる。本体側のCPU401は、必要に応じオプションユニット550側のCPU411に、動作指示を行いオプションユニット550の制御を行う。
【0041】
そして、本体側とオプションユニット550とを接続するために、コネクタ(510、560)が用いられる。このコネクタにより、本体側のCPU401とオプションユニット550側のCPU411が通信可能となるように接続されるとともに、装置本体から、オプションユニット550に電力供給がなされる。
【0042】
(オプションユニットとの通信処理)
次に本発明の電子機器の一例として、複合機100における、オプションユニット550との通信処理について図5から図8を参照しながら、説明する。図5は、本発明の複合機100の機能ブロック図、図6は、本発明の複合機100のオプションユニット550との通信処理を示すフローチャートである。なお、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0043】
まず、オプションユニット550(例えば、自動原稿給紙装置104等)を接続したいユーザは、複合機100の本体部500のコネクタ510に、上記オプションユニット550のコネクタ500を下記のように接続する。
【0044】
図7に示すように、上記オプションユニット550及び、本体部500の両コネクタ(560、510)には、複数の信号端子(以下信号端子群702)が備えられている。上記信号端子群702内の信号端子には、電源線、グランド線、複数の通信線、及び後述の接続確認線を接続するための信号端子が割り当てられ、上記各線により、オプションユニット550と、本体部500とが接続される。なお、図7に示したコネクタは、一例としてオス型のコネクタを示した。メス型のコネクタは、上記オス型のコネクタに対応する信号端子の位置にメス型の信号端子が配置された関係になっている。すなわち、両コネクタは、複数種の信号に対応する信号端子を備えた雌雄一対のコネクタとなっている。
【0045】
そして、オプションユニット550のコネクタ560と、本体部500のコネクタ510は、上記オス型とメス型の関係であり、例えば、本体部500のコネクタ510をオス型又はメス型のいずれかにして、オプションユニット550のコネクタ560とオスーメスの関係になっていればよい。
【0046】
ここで、図7に示した(A)、(C)は、信号端子を一列に配置したものであり、(B)、(D)は、信号端子を2列に配置したものである。なお、信号端子の内、通信線の数は接続されるオプションユニット550の制御に必要な数用意される。
【0047】
上記各信号端子の内、接続確認線を接続するための特定の信号端子を接続確認信号端子701と称す。接続確認信号端子とは、本体部500とオプションユニット550との接続を確認するための信号をオプションユニット550から本体部500へ送信するための接続確認線に繋がる信号端子であり、上記接続確認信号端子701が接続されると、オプションユニット550から本体部500へ接続確認線を介して、接続確認信号が送信される構成になっている。
【0048】
例えば、図7(A)に示すコネクタ700に配置された信号端子群702の内、左端(右端であってももちろん構わない。以下同じ。)の信号端子が接続確認信号端子701に割り当てられ、上記信号端子群702内のその他の信号端子は、複数の通信線を接続するために割り当てられる。なお、コネクタには、電源線、グランド線も必要であるが、本発明では重要ではないため説明及び図示を省略している。更に、信号端子を2列に配置する場合には、図7(B)に示すように、コネクタ710に配置された信号端子の内、例えば、左端の信号端子に接続確認信号端子701を割り当てる。
【0049】
上記各信号端子の内、両端の接続確認信号端子701が完全に挿入されると、両接続確認信号端子701間に配置されたその他の信号端子群も完全に挿入される可能性が高いことになる。すなわち斜め挿しを防止することが可能となる。例えば、図(C)に示すコネクタ720では、その両端に2本の接続確認信号端子701を割り当てる。
【0050】
更に、信号端子を複数列(本実施例では2列)に配置する場合には、各信号端子の内、対角線上に配置された複数の信号端子を接続確認信号端子701に割り当てる。そして、上記対角線上に配置された両接続確認信号端子701が完全に挿入されると、両接続確認信号端子701間に配置されたその他の信号端子も完全に挿入される可能性が高いことになる。図(D)に示すコネクタ730では、信号端子群702の内、対角線上の両端に配置された信号端子を両接続確認信号端子701に割り当てた例を示す。
【0051】
本体部500に備えられた接続確認手段520が、オプションユニット550のコネクタ560に備えられた接続確認信号端子701が繋がる接続確認線を常に監視し、当該接続確認信号端子701が、本体部500のコネクタ510の挿入口に挿入されたか否かを判断する(図6:S101)。
【0052】
例えば、ユーザが、オプションユニット550のコネクタ560と、本体部500のコネクタ510を接続し(但し、後述のように、全ての信号端子が完全に接続されていない場合も想定する。)、オプションユニット550の接続確認信号端子701が上記挿入口に完全に挿入されると、当該接続確認信号端子701が接続する接続確認線を介して、オプションユニット550から本体部500へON信号(以下接続確認信号)が送信されることで、接続確認手段520が、接続確認信号端子701が挿入された旨を判断する。なお、接続確認信号端子701を複数(本実施例では2本)設ける場合には、上記複数の接続確認信号端子701が全て挿入されると、上記接続確認信号が送信される構成を採用する。
【0053】
上記のように、本体部500の接続確認手段520が、接続確認信号端子701の挿入を確認すると(図6:S101YES)、当該接続確認信号端子701が挿入された旨をリクエスト信号生成手段525に通知する。これを受けて、リクエスト信号生成手段525は、通信用の信号端子(上記接続確認信号端子701以外の通信用の信号端子であり、複数の通信用の信号端子が使用される場合は全ての信号端子)を介してオプションユニット550にリクエスト信号を送信する旨を信号送受信手段515に通知する。これを受けて、信号送受信手段515は、上記通信用の信号端子を介して(以下通信線を介して)オプションユニット550にリクエスト信号を送信する(図6:S102)。
【0054】
上記のように、本体部500からリクエスト信号が送信されると、オプションユニット550に備えられたリクエスト信号取得手段570は、オプションユニット550の信号送受信手段565を介してリクエスト信号を取得する(図6:S103)。
【0055】
オプションユニット550のリクエスト信号取得手段570は、リクエスト信号を取得すると、通信線を介して、本体部500に応答信号を送信する旨を信号送受信手段565に通知する。これを受けて、信号送受信手段565は、応答信号を本体部500に送信する(図6:S104)。
【0056】
本体部500に備えられた通信確認手段540は、信号送受信手段515を介して、オプションユニット550からの応答信号を取得すると、全ての通信線からの応答信号を取得したか否かを判断する(図6:S105)。
【0057】
ここで、通信確認手段540が、全ての通信線からの応答信号を取得したと判断すると(図6:S105YES)、オプションユニット550のコネクタ560と、本体部500のコネクタ510が完全に接続されたと判断し、オプションユニットの処理(制御)が可能である旨をオプションユニット処理制御手段545に通知する。
【0058】
これを受けて、オプションユニット処理制御手段545は、信号送受信手段515を介して、オプションユニット550に備えられたオプションユニット処理手段580を制御することになる(図6:S106)。
【0059】
一方、通信確認手段540が、全ての通信線からの応答信号を受信しない場合には、オプションユニット550のコネクタ560と、本体部500のコネクタ510が完全に接続されていないと判断する(図6:S105NO)。
【0060】
例えば、リクエスト信号を送信してから所定時間経過しても、応答信号が取得できない場合(複数の通信線を使用する場合には、いずれか一の通信線に対応する応答信号が取得できない場合)、通信確認手段540は、上記両コネクタが接続されていないと判断する。
【0061】
そして、通信確認手段540が、コネクタが接続されていないと判断すると、オプションユニット550の接続をユーザに確認させるための表示をする旨を表示受付手段546に通知する。
【0062】
これを受けて、表示受付手段546は、例えば、初期画面800に図8に示すようなポップアップ画像810を表示することで、ユーザにオプションユニット550が接続されていないことを通知することになる(図6:S107)。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明を使用すると、オプションユニットと本体部を接続するためのコネクタが完全に接続していない場合、オプションユニットの制御を開始することがないので、コネクタの斜め挿しが原因で発生する通信異常を防止することができる。したがって、本発明に係る電子機器は、複写機、プリンタ、スキャナ、複合機等のオプションユニットを接続可能な電子機器に有用であり、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0064】
100 複合機
500 本体部
510 コネクタ(本体部)
515 信号送受信手段
520 接続確認手段
525 リクエスト信号生成手段
530 応答信号取得手段
540 通信確認手段
545 オプションユニット処理制御手段
546 表示受付手段
550 オプションユニット
560 コネクタ(オプションユニット側)
565 信号送受信手段
570 リクエスト信号取得手段
580 オプションユニット処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、当該本体部に、複数種の信号に対応する信号端子を備えた雌雄一対のコネクタを介して着脱可能なオプションユニットとを備えた電子機器において、
前記本体部は、
前記信号端子の内、特定の信号端子が接続されたことを確認する接続確認手段と、
前記接続確認手段により前記特定の信号端子の接続が確認されると、前記本体部から前記オプションユニットに、応答信号を返す旨のリクエスト信号を前記特定の信号端子以外の信号端子を介して送信するリクエスト信号生成手段と、
前記オプションユニットの前記特定の信号端子以外の信号端子を介して前記応答信号の受信を確認すると、前記本体部及び、オプションユニットの両コネクタが接続されたと判断する通信確認手段とを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記コネクタ間の前記特定の信号端子が相互に接続されると、オプションユニットから本体部に接続確認信号が出力され、
前記接続確認手段が、当該接続確認信号により前記特定の信号端子の接続を確認する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続確認手段により前記特定の信号端子の接続が確認されると、前記リクエスト信号生成手段が、前記オプションユニットに対して、応答信号を返す旨のリクエスト信号を前記特定の信号端子以外の複数の信号端子を介して送信し、
前記通信確認手段が、オプションユニットから前記特定の信号端子以外の複数の信号端子を介して全ての応答信号の受信を確認すると、前記本体部及び、オプションユニットの両コネクタが接続されたと判断する、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の信号端子が列状に配列され、前記特定の信号端子が、当該複数の信号端子の内、配列方向一方端又は、両端に配置された請求項1から3いずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の信号端子が複数の列状に配列され、前記特定の信号端子が、当該複数の列状の信号端子の内、対角線上に配置された請求項1から3いずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記電子機器が、画像形成装置であり、
前記通信確認手段が、前記オプションユニットから前記応答信号の受信を確認できない場合、当該画像形成装置に備えられた表示受付手段にオプションユニットが接続されていない旨の表示をさせる、請求項1から5いずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
本体部とオプションユニットとの信号を送受信するための複数の信号端子を備えたコネクタを介して、前記オプションユニットと前記本体部とが着脱可能な電子機器におけるオプションユニットの接続確認方法において、
前記信号端子の内、特定の信号端子が接続されたことを確認するステップと、
前記特定の信号端子の接続が確認されると、前記オプションユニットに対して、応答信号を返す旨のリクエスト信号を前記特定の信号端子以外の信号端子を介して送信するステップと、
前記オプションユニットから前記特定の信号端子以外の信号端子を介して前記応答信号の受信を確認すると、前記本体部及び、オプションユニットの両コネクタが接続されたと判断するステップとを備える電子機器におけるオプションユニットの接続確認方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−27960(P2011−27960A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172929(P2009−172929)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】