説明

電子機器

【課題】 電子機器が使用されているときにユーザが外部インターフェースコネクタカバーを取り外そうとしても容易に外れずに、外部インターフェースコネクタカバーを取り外す必要性が生じたときには取り外すことができる電子機器を提供する。
【解決手段】 電子機器10は、外部インターフェースコネクタ11と、外部インターフェースコネクタ11を収容すべく互いに接合された筐体13,14と、筐体14の縁から筐体13に向かって突出すると共に筐体13に重なり合うビス締結部14aと、一端が筐体13及びビス締結部14aの重なり部分において、筐体13及びビス締結部14aに狭持され、他端が外部インターフェースコネクタ11を覆う外部インターフェースコネクタカバー12と、ビス締結部14aを筐体13におけるネジ受け16にネジ止めする筐体締結ビス15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に、外部インターフェイスコネクタを有するデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、及び携帯用情報端末等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、及び携帯用情報端末等の電子機器であって、パソコン及び映像表示装置等の外部機器に対して音声信号や映像信号等を入出力するための外部インターフェイスコネクタを備える電子機器が多数ある。
【0003】
この電子機器は、外部インターフェイスコネクタが使用されていないときには外部インターフェイスコネクタを覆って保護すると共に、外部インターフェイスコネクタが使用されているときには外部インターフェイスコネクタを露出させる開閉自在な外部インターフェースコネクタカバーを有する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図3は、従来の電子機器の構成を概略的に示す斜視図である。
【0005】
図3において、電子機器30は、外部機器に対して音声信号や映像信号等を入出力するための外部インターフェースコネクタ31と、外部インターフェースコネクタ31を収容すべく互いに接合された筐体33,34と、外部インターフェースコネクタ31を覆う外部インターフェースコネクタカバー32とを備える。
【0006】
外部インターフェースコネクタカバー32は、外部インターフェースコネクタ31が使用されていないときには、筐体33,34の側面に密着して外部インターフェースコネクタ31を保護し、外部インターフェースコネクタ31が使用されているときには、外部インターフェースコネクタ31を露出させてジャック等を挿入できるように開閉自在な状態に設置される。
【0007】
また、外部インターフェースコネクタカバー32は、電子機器30が使用されているときにユーザが電子機器30から取り外そうとしても容易に外れないように、外部インターフェースコネクタカバー32の脚部32aが筐体33,34により挟持される。
【0008】
図4は、従来の他の電子機器の構成を概略的に示す断面図である。
【0009】
図4において、電子機器40は、外部機器に対して音声信号や映像信号等を入出力するための外部インターフェースコネクタ41と、外部インターフェースコネクタ41を収容する筐体43と、外部インターフェースコネクタ41を保護する外部インターフェースコネクタカバー42とを備える。
【0010】
外部インターフェースコネクタカバー42は、外部インターフェースコネクタ41が使用されていないときには、筐体43に密着して外部インターフェースコネクタ41を保護し、外部インターフェースコネクタ41が使用されているときには、外部インターフェースコネクタ41を露出させてジャック等を挿入できるように開閉自在な状態に設置される。
【0011】
また、外部インターフェースコネクタカバー42は、電子機器40が使用されているときにユーザが電子機器40から取り外そうとしても容易に外れずに、組み立て工程等で傷が付いてしまったときに交換するために電子機器40から取り外す必要性が生じたときには取り外すことができるように、筐体43に形成された孔43aに挿入される突起部42aが幅漸増部42b及び段差42cを有する茸形状に形成されている。
【特許文献1】特開平6−98217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図3の電子機器30では、外部インターフェースコネクタカバー32が電子機器30から容易に外れないようにするためには脚部32aを大きくする必要があり、さらに電子機器30本体内部に脚部32aを収納する大きなスペースが必要となる。また、ユーザによって外部インターフェースコネクタカバー32が引っ張られたときに筐体33,34に負荷がかかり、筐体の一部33a,34aが浮き上がってしまうという問題があった。
【0013】
また、図4の電子機器40では、使い勝手の観点から外部インターフェースコネクタカバー42の材料として熱可塑性エラストマが用いられているため、外部インターフェースコネクタカバー42の電子機器40からの取り外しをユーザの意図通りにすることが困難であった。
【0014】
さらに、図4の電子機器40では、製造過程おいて生じるバラツキ等により、筐体43に形成された孔43aと外部インターフェースコネクタカバー42に形成された突起部42aとの大小関係のバランスが崩れてしまい、外部インターフェースコネクタカバー42が電子機器40が使用されているときにユーザが電子機器40から取り外そうとしても容易に外れてしまうという問題や、組み立て工程等において電子機器40から取り外す必要性が生じたときには取り外すことができないという問題があった。
【0015】
本発明の目的は、電子機器が使用されているときにユーザが外部インターフェースコネクタカバーを取り外そうとしても容易に外れずに、外部インターフェースコネクタカバーを取り外す必要性が生じたときには取り外すことができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1記載の電子機器は、外部インターフェイスコネクタと、前記外部インターフェイスコネクタを収容すべく互いに接合された第1の筐体及び第2の筐体と、前記第2の筐体の縁から前記第1の筐体に向かって突出すると共に前記第1の筐体に重なり合う突出部と、一端が前記第1の筐体及び前記突出部の重なり部分において前記第1の筐体及び前記突出部に狭持され、他端が前記外部インターフェースコネクタを覆う外部インターフェースコネクタカバーと、前記外部インターフェースコネクタカバーの一端を共締めすべく前記重なり部分において前記突出部を前記第1の筐体にネジ止めするビスとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上詳述したように、本発明によれば、外部インターフェースコネクタカバーの一端が第1の筐体及び突出部の重なり部分において第1の筐体及び突出部に狭持され、外部インターフェースコネクタカバーの一端を共締めすべく重なり部分において突出部を第1の筐体にネジ止めするので、電子機器が使用されているときにユーザが外部インターフェースコネクタカバーを電子機器から取り外そうとしても容易に外れずに、外部インターフェースコネクタカバーを取り外す必要性が生じたときには電子機器から取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を概略的に示す斜視図である。
【0020】
図1において、電子機器10は、外部機器に対して音声信号や映像信号等を入出力するための外部インターフェースコネクタ11と、外部インターフェースコネクタ11を収容すべく互いに接合された筐体13,14と、筐体14の縁から筐体13に向かって突出すると共に筐体13に重なり合うビス締結部14a(突出部)と、一端が筐体13及びビス締結部14aの重なり部分において、筐体13及びビス締結部14aに狭持され、他端が外部インターフェースコネクタ11を覆う外部インターフェースコネクタカバー12と、外部インターフェースコネクタカバー12の一端を共締めすべく筐体13及びビス締結部14aの重なり部分においてビス締結部14aを筐体13におけるネジ受け16にネジ止めする筐体締結ビス15とを備える。
【0021】
外部インターフェースコネクタカバー12は、外部インターフェースコネクタ11が使用されていないときには、外部インターフェースコネクタ11内部にゴミ等が侵入しないように外部インターフェースコネクタ11を保護するように覆い、外部インターフェースコネクタ11が使用されているときには、外部インターフェースコネクタ11を露出させてジャック等を挿入できるように開閉自在な状態に設置される。この外部インターフェースコネクタカバー12は熱可塑性エラストマから成る。
【0022】
図2は、図1の電子機器の構成を概略的に示す斜視図であり、(a)は外側から見た場合を示し、(b)は内側から見た場合を示す。
【0023】
図2(a)及び図2(b)において、外部インターフェイスコネクタカバー12は、一端にビス締結部14aが挿通される角穴形状の開口部12aを有する。この開口部12aにビス締結部14aが挿通された状態で筐体締結ビス15がビス孔14bを介してネジ受け16に挿入されることにより、外部インターフェイスコネクタカバー12の一端が筐体13及びビス締結部14aに挟持される。なお、ネジ受け16に挿入された筐体締結ビス15は外部インターフェイスコネクタカバー12により覆われている。
【0024】
開口部12aの長手方向長さAをビス締結部14aの幅Bの1.1倍以上とすることにより組み立て作業性を向上することができる。また、この開口部12aの周辺に、ビス締結部14aが当接する平坦部12bを設けることにより外部インターフェイスコネクタカバー12の浮上りを確実に規制することができる。更に、この平坦部12bを外観部12eよりも外側に形成することで金型構造も単純化することができる。
【0025】
また、平坦部12bを支える両端支持部12cの先端部12dを略円弧形状とすることにより、電子機器10が使用されているときに外部インターフェイスコネクタカバー12をユーザが引っ張ったときでも、両端支持部12cが筐体14から乗り上げて通常位置へ戻らなくなるといったトラブルを防止することができる。
【0026】
本実施の形態によれば、外部インターフェースコネクタカバー12の一端が筐体13及びビス締結部14aの重なり部分において筐体13及びビス締結部14aに狭持され、外部インターフェースコネクタカバー12の一端を共締めすべく重なり部分においてビス締結部14aを筐体13にネジ止めするので、電子機器10が使用されているときにユーザが外部インターフェイスコネクタカバー12を電子機器10本体から取り外そうとしても容易に外部インターフェイスコネクタカバー12が電子機器10本体から外れずに、組み立て工程等で筐体13,14や外部インターフェイスコネクタカバー12に傷が付いたときなど電子機器10本体から外部インターフェイスコネクタカバー12を外す必要があったときには筐体14を外すこと等により容易に電子機器10本体から外部インターフェイスコネクタカバー12を外すことができる。
【0027】
また、本実施の形態によれば、ビス締結部14aが開口部12aに挿通された状態で筐体締結ビス15がビス孔14bを介してネジ受け16に挿入されることにより、筐体13,14がネジ止め固定されているので、筐体13,14が浮き上がることがない。
【0028】
また、本実施の形態によれば、ネジ受け16に挿入された筐体締結ビス15は外部インターフェイスコネクタカバー12により覆われているので、ネジ受け16に挿入された筐体締結ビス15が外部から見えることがなく、外観品位を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の電子機器の構成を概略的に示す斜視図であり、(a)は外側から見た場合を示し、(b)は内側から見た場合を示す。
【図3】従来の電子機器の構成を概略的に示す斜視図である。
【図4】従来の他の電子機器の構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 電子機器
11 外部インターフェイスコネクタ
12 外部インターフェイスコネクタカバー
12a 開口部
13 筐体
14 筐体
14a ビス締結部
15 筐体締結ビス
16 ネジ受け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部インターフェイスコネクタと、前記外部インターフェイスコネクタを収容すべく互いに接合された第1の筐体及び第2の筐体と、前記第2の筐体の縁から前記第1の筐体に向かって突出すると共に前記第1の筐体に重なり合う突出部と、一端が前記第1の筐体及び前記突出部の重なり部分において前記第1の筐体及び前記突出部に狭持され、他端が前記外部インターフェースコネクタを覆う外部インターフェースコネクタカバーと、前記外部インターフェースコネクタカバーの一端を共締めすべく前記重なり部分において前記突出部を前記第1の筐体にネジ止めするビスとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記外部インターフェイスコネクタカバーは前記ビスを覆うことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記外部インターフェイスコネクタカバーは、その一端に前記突出部が挿通する開口部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項4】
前記外部インターフェースコネクタカバーは弾性体から成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記弾性体はエラストマであることを特徴とする請求項4記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−26823(P2007−26823A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205767(P2005−205767)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】