電子機器
【課題】機器本体に対し移動自在な可動部を通常の使用状態に位置付けた際に機器本体に設けられた挿入口内にごみや埃が侵入することを完全に防止できる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器としてのカーオーディオ1は機器本体2と機器本体2に移動自在に設けられた操作表示ユニット3と駆動機構4と閉塞部材6を備えている。機器本体2の前面10aにはスリット13が設けられている。駆動機構4は前面10aを覆う第1の位置と前面10aに対して傾いた第2の位置と前面10aを開放する第3の位置とに亘って操作表示ユニット3を移動させる。閉塞部材6は背面3cに取り付けられかつ操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると前面10aに当接してスリット13を塞ぐ。
【解決手段】電子機器としてのカーオーディオ1は機器本体2と機器本体2に移動自在に設けられた操作表示ユニット3と駆動機構4と閉塞部材6を備えている。機器本体2の前面10aにはスリット13が設けられている。駆動機構4は前面10aを覆う第1の位置と前面10aに対して傾いた第2の位置と前面10aを開放する第3の位置とに亘って操作表示ユニット3を移動させる。閉塞部材6は背面3cに取り付けられかつ操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると前面10aに当接してスリット13を塞ぐ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、移動体としての自動車などに装着される機器本体に対し移動自在な可動部としてのフロントパネルなどを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、電子機器としてのカーオーディオ(例えば、特許文献1参照。)が取り付けられる。カーオーディオは、前記インパネに取り付けられる機器本体と、液晶ディスプレイ等の表示部や各種操作ボタンを有する可動部としてのフロントパネルと、前記フロントパネルを前記機器本体に対して移動させる駆動機構とを備えている。
【0003】
機器本体は、CDプレーヤ、MD(Mini disc)プレーヤやナビゲーション装置を構成するDVD−ROMプレーヤなどを内蔵している。フロントパネルは、液晶ディスプレイなどに前記ナビゲーション装置における地図情報や、CDプレーヤ及びMDプレーヤの再生状況を示す情報などを表示する。また、フロントパネルは、前記ナビゲーション装置、CDプレーヤ、MDプレーヤの各種機能の動作指令を行う際に操作されるタッチスイッチや押圧ボタンが設けられている。
【0004】
前述したカーオーディオは、インパネに装着する際にかかる設置スペースを抑制するために、機器本体の使用者に相対する面(以下前面と称する)に前記CD、MD、DVD−ROMを機器本体内に出し入れ自在とする挿入口を設けている。さらに、カーオーディオは、前記駆動機構が、前面を覆う覆い位置と前記前面に対して傾斜する傾斜位置と前記前面を開放する開放位置とに亘って、フロントパネルを移動可能としている。駆動機構は、フロントパネルの一端部として下端部を前記前面から突出させて、フロントパネルを前記覆い位置と傾斜位置と開放位置に順に移動する。
【0005】
前述したカーオーディオは、フロントパネルを前述した傾斜位置に位置付けて、液晶ディスプレイに必要な情報を表示する。カーオーディオは、フロントパネルを前述した開放位置に位置付けて、CD、MD、DVD−ROMなどを機器本体内に出し入れする。
【特許文献1】特開平10−119661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1などに示された従来のカーオーディオは、前記挿入口へのごみや埃の侵入を防止するために、当該挿入口の開口部の裏側にCD、MD、DVD−ROMなどが通過可能なスリットを設けた布などを貼り付けていた。しかしながら、挿入口の開口部に布などを貼り付けても、フロントパネルを前記傾斜位置に位置付けると、挿入口が露出してしまうために、ごみやほこりが挿入口内に侵入し易かった。特に、黄砂などの微小な埃の侵入を完全に防ぐことが困難であった。このように、前述した従来のカーオーディオは、フロントパネルを、通常の使用状態である傾斜位置に位置付けた際に、挿入口内へのごみや埃の侵入を完全に防ぐことができなかった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、例えば、機器本体に対し移動自在な可動部を通常の使用状態に位置付けた際に、機器本体に設けられた挿入口内にごみや埃が侵入することを完全に防止できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電子機器は、機器本体と、この機器本体に対して移動自在に設けられた可動部と、前記可動部を、前記機器本体の一つの面を覆う覆い位置と、前記一つの面に対して傾いた傾斜位置と、前記機器本体の一つの面を開放する開放位置とに亘って移動させる駆動機構と、を備えた電子機器において、前記一つの面に設けられて前記機器本体に記録媒体を出し入れ自在とする挿入口と、前記可動部の前記一つの面に相対する背面に取り付けられかつ前記可動部が前記覆い位置と前記傾斜位置の少なくとも一方に位置付けられると前記一つの面に当接して前記挿入口を塞ぐ閉塞部材と、を備えたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の電子機器は、上記のように、可動部が覆い位置と傾斜位置とのうち少なくとも一方に位置付けられると、閉塞部材が機器本体の一つの面に当接して、挿入口を完全に塞ぐ。こうすることで、通常の使用状態である覆い位置と傾斜位置とのうち少なくとも一方に可動部が位置付けられると、閉塞部材が挿入口を完全に塞ぐので、挿入口内に黄砂などの微小なごみや埃が侵入することを確実に防止できる。
【0010】
また、この発明の電子機器において、閉塞部材が変形自在な材料で構成されても良い。この場合、閉塞部材と機器本体の一つの面とが確実に密着するので、挿入口内に如何なるごみや埃などが侵入することをより確実に防止できる。なお、本発明でいう閉塞部材を構成する変形自在な材料とは、塑性変形を除く各種の変形が自在な材料を示している。
【0011】
さらに、駆動機構が、可動部が傾斜位置と開放位置との間に位置付けられると、閉塞部材を機器本体の一つの面から離間させる案内部を備えても良い。この場合、可動部が傾斜位置と開放位置との間を移動する際には、閉塞部材が、一つの面に接触しないので、可動部の移動が閉塞部材に妨げられることを防止でき、可動部をスムーズに移動させることができる。
【0012】
また、案内部が、可動部が開放位置に位置付けられると、閉塞部材を駆動機構の突没部材に当接させる構成となっていても良い。この場合、可動部が開放位置に位置付けられると、閉塞部材によって該可動部が機器本体に固定されることとなって、可動部が機器本体に対して振動することを防止でき、可動部と機器本体との間などから異音が発生することを防止できる。
【実施例】
【0013】
本発明の一実施例にかかる電子機器としてのカーオーディオ1を図1乃至図9を参照して説明する。図1などに示すカーオーディオ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネルに装着される。カーオーディオ1は、図1ないし図4に示すように、機器本体2と、可動部としての操作表示ユニット3と、操作表示ユニット3を後述の前面10a即ち機器本体2に対し移動させる駆動機構4(図6ないし図9に示す)と、閉塞部材6(図5に示す)などを備えている。
【0014】
機器本体2は、箱状に形成されたケース5と、このケース5内に収容される図示しないシャーシと、前記ケース5内に収容されるDVDプレーヤ7等の再生装置とを備えている。ケース5は、インパネに取り付けられると露出する前面(一つの面に相当する)10aと、この前面10aの全ての辺に立設するように一体成形された複数の立設壁10cと、これら複数の立設壁10cの縁に連なった図示しない背面壁とを備えている。
【0015】
シャーシは、板金などからなり、平板状の底シャーシと、この底シャーシの幅方向の両縁から立設した側シャーシと、を備えている。底シャーシは、機器本体2のケース5の図1中の底に位置する一つの立設壁10c上に重ねられている。
【0016】
図示例では、ケース5内には、記録媒体としてのナビゲーション用のDVD−ROMや映像を記録した記録媒体としてのDVDを再生可能なDVDプレーヤ7や、ラジオ放送を受信するAM/FMチューナ8、テレビ放送波を受信するテレビチューナ9等を収容している。これらのDVDプレーヤ7やチューナ8,9は、例えば、操作表示ユニット3に設けられた後述する押しボタン18等を使用者が押圧することによって動作する。
【0017】
また、前面10aには、図6乃至図9に示すように、前記DVDプレーヤ7にDVDやDVD−ROMを挿入するための挿入口としてのスリット13が設けられている。即ち、スリット13は、機器本体2にDVDやDVD−ROMなどの記録媒体を出し入れ自在としている。また、当該スリット13の裏側には、DVDやDVD−ROMなどが通過可能なスリットを設けた布32が貼り付けられている。
【0018】
操作表示ユニット3は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などからなる画像情報等を表示する表示パネル14と、複数の押しボタン18とを備えている。操作表示ユニット3は、表示パネル14に、DVDプレーヤ7によって再生された地図情報、DVDプレーヤが再生したDVDに記憶された映像やテレビチューナが受信したテレビ放送波の映像等を表示する。
【0019】
押しボタン18は、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14と同一平面上の外表面に複数設けている。押しボタン18は、使用者により押圧されることにより操作される。これらの押しボタン18が操作されることにより、ケース5の内部に収容されたDVDプレーヤ7及びチューナ8,9等が動作する。
【0020】
操作表示ユニット3は、他端部としての上端部3aが前面10aに沿ってスライド自在にケース5即ち機器本体2に取り付けられ、一端部としての下端部3bが前面10aから突没自在に設けられている。
【0021】
また、押しボタン18が操作されることにより、操作表示ユニット3が図1に示す第1の位置と、図2に示す第2の位置と、図4に示す第3の位置とに亘って移動される。操作表示ユニット3は、駆動機構4の動作により、後述のガイド溝20内をローラ19が移動することで、第1の位置と第2の位置と第3の位置とに亘って移動される。
【0022】
操作表示ユニット3は、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに順に移動される。また、操作表示ユニット3は、第3の位置と、第2の位置と、第1の位置とに順に移動される。このとき、操作表示ユニット3の下端部3bが、前記前面10aから突没するとともに、操作表示ユニット3の上端部3aが前面10aに沿ってスライドする。
【0023】
第1の位置では、操作表示ユニット3は、図1及び図6に示すように、前面10aの全体を覆っている。第1の位置は、特許請求の範囲に記載された覆い位置をなしている。第1の位置では、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14が前面10aと平行に配置されている。
【0024】
第3の位置では、操作表示ユニット3は、図4及び図9に示すように、前述した前面10aの殆ど全体を開放して当該前面10aに設けられたスリット13を開放している。即ち、第3の位置では、操作表示ユニット3が前面10aを開放している。第3の位置は、特許請求の範囲に記載された開放位置をなしている。第3の位置では、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14が前面10aと略直交している。
【0025】
第2の位置では、図2及び図7に示すように、操作表示ユニット3がスリット13を覆い隠している。第2の位置は、特許請求の範囲に記載された傾斜位置をなしている。第2の位置では、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14が前面10aに対して傾いている即ち操作表示ユニット3が前面10aに対して傾いている。また、通常の使用では、操作表示ユニット3は、前述した第2の位置に位置付けられて、各種の情報を表示する。さらに、操作表示ユニット3は、前述した第2の位置において、押しボタン18が押圧操作されることで、その傾きが微小に変更される。なお、図2及び図7に示された操作表示ユニット3は、第2の位置の最も第3の位置寄りに位置付けられている。
【0026】
例えば、押しボタン18のうちの選択ボタン(例えば、DVDプレーヤ7を選択するためのボタン)やOPENボタンが押圧操作されると、操作表示ユニット3が駆動機構4によりスライド移動される。すなわち、選択ボタンによりDVDやDVD―ROMが選択されると、駆動機構4によって操作表示ユニット3が前述した第3の位置までスライド移動される。
【0027】
このように、OPENボタンが押圧操作されることにより、操作表示ユニット3が機器本体2のケース5の前面10aに形成されたスリット13が開放される第3の位置までスライド移動される。そして、DVDやDVD―ROM等の所望の記録媒体がスリット13から挿入又は排出されると、操作表示ユニット3は、駆動機構4により前述した第2の位置まで移動される。
【0028】
そして、例えば、使用者が押しボタン18のうち再生(プレイ)ボタンやサーチボタン等を操作することにより、DVDやDVD―ROMの再生や、サーチ動作等が行われるとともに、使用者が押しボタン18を操作することにより操作表示ユニット3の傾きが変更される。
【0029】
なお、これらのスライド移動は、図示せぬマイコン等が駆動機構4の図示しないモータの回転方向や回転数を制御することにより行われる。つまり、マイコンが使用者による押しボタン18の操作や、DVDやDVD―ROM等が挿入されたことを認識して、その操作等に応じたスライド位置となるようにモータの回転方向やその回転数を制御して、操作表示ユニット3をスライド移動させる。
【0030】
駆動機構4は、図6ないし図9に示すように、突没部材としての可動アーム15と、駆動源としての図示しないモータと、案内部16とを備えている。可動アーム15は、一方向に沿って直線状に延びた帯状に形成されている。可動アーム15は、その長手方向が前述した前面10aに対し直交(交差)する状態でシャーシに支持されている。可動アーム15は、その長手方向に沿ってスライド自在に、シャーシに支持されている。このため、可動アーム15は、前面10aに対し直交(交差)する方向に沿ってスライド自在に設けられている。可動アーム15は、スライドすることで、特に操作表示ユニット3寄りの一端部15aが前面10aから突没する。
【0031】
可動アーム15は、シャーシの両側シャーシの内面上に設けられている。また、各可動アーム15の一端部15aには、孔が形成されている。孔には、操作表示ユニット3の下端部3bの両側面に設けられたピンが回転自在に嵌合している。このため、可動アーム15は、操作表示ユニット3の下端部3bを回転自在に支持しており、操作表示ユニット3とともに移動する。
【0032】
前記モータは、各可動アーム15を長手方向に沿ってシャーシに対しスライド移動させる。つまり、モータの駆動力によって、各可動アーム15は前面10aの下方に形成された図示せぬ貫通孔を通してシャーシの内外方向に移動される。
【0033】
案内部16は、図1乃至図4に示すように、ローラ19と、ガイド溝20とを備えている。ローラ19は、円筒状に形成されかつ操作表示ユニット3の上端部3aの両側面に回転自在に支持されている。ローラ19は、ガイド溝20に係合して、軸芯周りに回転することでガイド溝20に沿って移動自在に設けられている。このとき、ローラ19は、ガイド溝20と接触する。
【0034】
ガイド溝20は、第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の両側に位置する立設壁10cの操作表示ユニット3寄りの内面に設けられている。即ち、ガイド溝20は、機器本体2に設けられている。
【0035】
ガイド溝20は、鉛直方向に延在しており、立設壁10cの内面から凹に形成されている。このガイド溝20は、図1乃至図4に示すように、第1押圧部21と、傾斜部22と、直線部23と、第2押圧部24とを備えている。第1押圧部21は、ガイド溝20の第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の上端部3a寄りの端部に設けられている。第1押圧部21は、その上端にローラ19を位置付けることで、操作表示ユニット3を前述した第1の位置に位置付けるとともに、その下端にローラ19を位置付けることで、操作表示ユニット3を前述した第2の位置に位置付ける。第1押圧部21は、その内側にローラ19を位置付けることで、後述する閉塞部材6を前面10aに密着(当接)させる。
【0036】
傾斜部22は、一端が第1押圧部21の下端に連なり、この第1押圧部21の下端から第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の下端部3bに向かいかつ前面10aから離れる方向に延在している。傾斜部22は、前面10aに対して交差する方向に直線状に延在している。傾斜部22は、その内側にローラ19を位置付けると、操作表示ユニット3を第2の位置と第3の位置との間に位置付ける。
【0037】
直線部23は、その一端が傾斜部22の他端に連なり第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の表示パネル14の表面に沿って直線状に延在している。直線部23は、その内側にローラ19を位置付けると、操作表示ユニット3を第2の位置と第3の位置との間に位置付ける。
【0038】
第2押圧部24は、その一端が直線部23の他端に連なり、この直線部23の他端から第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の下端部3bに向かいかつ前面10aから離れる方向に延在している。第2押圧部24は、ガイド溝20の第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の下端部3b寄りの端部に設けられている。第2押圧部24は、前面10aに対して交差する方向に直線状に延在している。第2押圧部24は、その下端にローラ19を位置付けると、操作表示ユニット3を前述した第3の位置に位置付ける。第2押圧部24は、その下端にローラ19を位置付けることで、後述する閉塞部材6を可動アーム15に密着(当接)させる。
【0039】
前述した構成の駆動機構4は、モータからの駆動力を受けて、各可動アーム15がシャーシの内外方向に移動する。また、各可動アーム15がシャーシの内外方向に移動することで、操作表示ユニット3の下端部3bが前面10aから突没し、該操作表示ユニット3の上端部3aに設けられたローラ19がガイド溝20に沿って摺動する即ち上端部3aが前面10aに沿って移動する。
【0040】
すなわち、モータからの駆動力を受けて各可動アーム15が機器本体2のシャーシの外方向に移動することにより、操作表示ユニット3は、その外表面が上方に向くようにして倒される。そして、操作表示ユニット3は、シャーシの前面10aを開放する第3の位置に位置付けられる。また、可動アーム15が機器本体2のシャーシの内方向に移動することにより、倒された状態にある操作表示ユニット3は前面10aを覆う第1の位置に移動され、ローラ19はガイド溝20の第1押圧部21の上端に位置付けられる。
【0041】
前述した操作表示ユニット3及び可動アーム15は、モータからの駆動力により機器本体2に対し第1の位置と第2の位置と第3の位置とに亘って順に移動される。操作表示ユニット3は、本明細書に記した可動部をなしている。
【0042】
閉塞部材6は、図5に示すように、第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の前面10aに相対する背面3cに取り付けられている(設けられている)。閉塞部材6は、操作表示ユニット3の上端部3aに取り付けられ、当該操作表示ユニット3の幅方向に沿って直線状に延在している。閉塞部材6は、弾性変形又は変形自在な材料で構成されている。即ち、閉塞部材6は、塑性変形以外の各種の変形が自在な材料で構成されている即ち変形自在な材料で構成されている。図示例では、閉塞部材6は、発泡体としてのポリウレタンフォームで構成されている。
【0043】
閉塞部材6は、操作表示ユニット3が図1に示すように前述した第1の位置に位置付けられると、図6に示すように前記前面10aに密に接触(密着)して、弾性変形するとともに、前述したスリット13の全体を塞ぐ。また、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が図2に示すように前述した第2の位置に位置付けられると、図7に示すように、前記前面10aに密に接触(密着)して、弾性変形するとともに、前述したスリット13の全体を塞ぐ。
【0044】
さらに、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が前述した第1の位置と第2の位置との間に位置付けられると、前記前面10aに密に接触(密着)して、弾性変形するとともに、前述したスリット13の全体を塞ぐ。このように、閉塞部材6は、ローラ19がガイド溝20の第1押圧部21内に位置付けられる即ち操作表示ユニット3が第1の位置、第1の位置と第2の位置との間、第2の位置に位置付けられると、前面10aに密着(当接)して、スリット13全体を塞ぐ。即ち、閉塞部材6は、案内部16によって、操作表示ユニット3が第1の位置と第2の位置との間に位置付けられると、前面10aに密着(当接)して、スリット13全体を塞ぐ。
【0045】
また、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、ローラ19がガイド溝20の傾斜部22と直線部23とのうち一方に位置付けられて、前面10aから離間する。即ち、閉塞部材6は、案内部16によって、操作表示ユニット3が図3に示すように第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、図8に示すように、前面10aから離間する。このように、案内部16は、操作表示ユニット3が第1の位置から第2の位置に位置付けられると閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぎ、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると閉塞部材6が前面10aから離間するように、操作表示ユニット3を案内する。
【0046】
さらに、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が図4に示すように第3の位置に位置付けられると、図9に示すように、ローラ19がガイド溝20の第2押圧部24の下端に位置付けられて、可動アーム15に密に当接(密着)して、弾性変形する。このように、案内部16は、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、閉塞部材6を可動アーム15に当接させる構成となっている。
【0047】
前述した構成のカーオーディオ1は、操作表示ユニット3に地図情報やテレビ放送波等
の映像を表示する際には、操作表示ユニット3を図2及び図7に示す第2の位置に位置付ける。カーオーディオ1は、機器本体2にDVDやDVD−ROMなどの記録媒体を出し入れする際には、操作表示ユニット3を図4及び図9に示す第3の位置に位置付ける。カ−オーディオ1は、操作表示ユニット3を、図1及び図2に示すように第1の位置と第2の位置との双方及びこれらの間に位置付けると、図6及び図7に示すように、閉塞部材6を前面10aに当接させて、スリット13全体を塞ぐ。
【0048】
また、カ−オーディオ1は、操作表示ユニット3を、図3に示すように、第2の位置と第3の位置との間に位置付けると、図8に示すように、閉塞部材6を前面10aから離間させて、スリット13全体を開放する。さらに、カ−オーディオ1は、操作表示ユニット3を、図4に示すように、第3の位置に位置付けると、図9に示すように、閉塞部材6を可動アーム15に当接させる。
【0049】
さらに、カーオーディオ1は、前述した押しボタン18を押圧することで、操作表示ユニット3を第2の位置において、任意の傾きに変更可能となっている。即ち、カーオーディオ1は、第2の位置において、操作表示ユニット3の角度を任意に変更可能としている。
【0050】
本実施例によれば、操作表示ユニット3が第1の位置、第1の位置と第2の位置との間、第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接して、スリット13を完全に塞ぐ。このため、通常の使用状態である第2の位置に操作表示ユニット3が位置付けられると、閉塞部材6がスリット13を完全に塞ぐので、スリット13内に黄砂などの微小なごみや埃が侵入することを確実に防止できる。
【0051】
また、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接させる。このため、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6によって該操作表示ユニット3が機器本体2に固定されることとなって、操作表示ユニット3が機器本体2に対して振動することを防止でき、操作表示ユニット3と機器本体2との間などから異音が発生することを防止できる。
【0052】
また、閉塞部材6が変形自在な材料で構成されても良い。この場合、閉塞部材6と機器本体2の前面10aとが確実に密着するので、スリット13内に如何なるごみや埃などが侵入することをより確実に防止できる。なお、本発明でいう閉塞部材6を構成する変形自在な材料とは、塑性変形を除く各種の変形が自在な材料を示している。即ち、本発明では、閉塞部材6を、変形自在な材料で構成している。
【0053】
さらに、駆動機構4が、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、閉塞部材6を機器本体2の前面10aから離間させる案内部16を備えている。このため、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間を移動する際には、閉塞部材6が、前面10aに接触しないので、操作表示ユニット3の移動が閉塞部材6が前面10aに擦れて当該閉塞部材6により妨げられることを防止でき、操作表示ユニット3をスムーズに移動させることができる。
【0054】
また、案内部16が、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、閉塞部材6を駆動機構4の可動アーム15に当接させる構成となっている。このため、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、閉塞部材6によって該操作表示ユニット3が機器本体2に固定されることとなって、操作表示ユニット3が機器本体2に対して振動することを防止でき、操作表示ユニット3と機器本体2との間などから異音が発生することを防止できる。
【0055】
前述した実施例では、閉塞部材6を操作表示ユニット3の背面3cに固定している。しかしながら、本発明では、図10乃至図14に示すように、閉塞部材6を円筒状に形成し、該閉塞部材6内に芯金30を通して閉塞部材6を上端部3aに操作表示ユニット3の表示パネル14の表面に沿ってスライド自在とするとともに、芯金30即ち閉塞部材6を操作表示ユニット3の上端部3aよりも外方向に付勢するばね31を設けても良い。なお、図10乃至図14において、前述した実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。また、図10乃至図14では、案内部16を省略しているが、この場合も勿論案内部16を備えている。
【0056】
この場合においても、図12に示すように、操作表示ユニット3が第1の位置に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぎ、図13に示すように、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぐとともに、操作表示ユニット3が第1の位置と第2の位置との間に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぐ。
【0057】
さらに、この場合においても、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aから離間してスリット13を開放するとともに、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、図14に示すように、閉塞部材6が可動アーム15に当接する。
【0058】
この図10乃至図14に示す場合においても、前述した実施例と同様の効果を奏でる。
【0059】
前述した実施例では、ガイド溝20を機器本体2に設け、ローラ19を操作表示ユニット3に設けている。本発明では、ガイド溝20を操作表示ユニット3に設け、ローラ19を機器本体2に設けても良い。さらに、本発明では、第1の位置と第2の位置とのうちの少なくとも一方に操作表示ユニット3が位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13を塞いでも良い。
【0060】
前述した実施例では、操作表示ユニット3の外表面に押しボタン18を複数設けている。しかしながら、本発明では、表示パネル14に所謂タッチスイッチ(タッチパネルとも呼ぶ)を設けても良いことは勿論である。さらに、前述した実施例では、可動部として、操作表示ユニット3を設けている。しかしながら、本発明では、可動部としての種々の物品を設けても良い。
【0061】
前述した実施例によれば、以下のカーオーディオ1が得られる。
【0062】
(付記) 機器本体2と、
この機器本体2に対して移動自在に設けられた操作表示ユニット3と、
前記操作表示ユニット3を、前記機器本体2の前面10aを覆う覆い位置と、前記前面10aに対して傾いた傾斜位置と、前記機器本体2の前面10aを開放する開放位置とに亘って移動させる駆動機構4と、を備えたカーオーディオ1において、
前記前面10aに設けられて前記機器本体2に記録媒体を出し入れ自在とするスリット13と、
前記操作表示ユニット3の前記前面10aに相対する背面3cに取り付けられかつ前記操作表示ユニット3が前記覆い位置と前記傾斜位置の少なくとも一方に位置付けられると前記前面10aに当接して前記スリット13を塞ぐ閉塞部材6と、を備えたことを特徴とするカーオーディオ1。
【0063】
付記によれば、操作表示ユニット3が第1の位置と第2の位置とのうち少なくとも一方に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接して、スリット13を完全に塞ぐ。このため、通常の使用状態である第1の位置と第2の位置とのうち少なくとも一方に操作表示ユニット3が位置付けられると、閉塞部材6がスリット13を完全に塞ぐので、スリット13内に黄砂などの微小なごみや埃が侵入することを確実に防止できる。
【0064】
また、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接させる。このため、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6によって該操作表示ユニット3が機器本体2に固定されることとなって、操作表示ユニット3が機器本体2に対して振動することを防止でき、操作表示ユニット3と機器本体2との間などから異音が発生することを防止できる。
【0065】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例にかかるカーオーディオの操作表示ユニットが第1の位置に位置付けられた状態の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第2の位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第2の位置と第3の位置との間に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第3の位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットに取り付けられた閉塞部材を示す斜視図である。
【図6】図1に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図7】図2に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図8】図3に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図9】図4に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図10】図5に示されたカーオーディオの操作表示ユニットに取り付けられた閉塞部材の変形例を示す斜視図である。
【図11】図10中のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図10に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第1の位置に位置付けられた状態を側方からみた説明図である。
【図13】図10に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第2の位置に位置付けられた状態を側方からみた説明図である。
【図14】図10に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第3の位置に位置付けられた状態を側方からみた説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1 カーオーディオ(電子機器)
2 機器本体
3 操作表示ユニット(可動部)
3a 上端部(他端部)
3b 下端部(一端部)
3c 背面
4 駆動機構
6 閉塞部材
10a 前面(一つの面)
13 スリット(挿入口)
15 可動アーム(突没部材)
16 案内部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、移動体としての自動車などに装着される機器本体に対し移動自在な可動部としてのフロントパネルなどを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、電子機器としてのカーオーディオ(例えば、特許文献1参照。)が取り付けられる。カーオーディオは、前記インパネに取り付けられる機器本体と、液晶ディスプレイ等の表示部や各種操作ボタンを有する可動部としてのフロントパネルと、前記フロントパネルを前記機器本体に対して移動させる駆動機構とを備えている。
【0003】
機器本体は、CDプレーヤ、MD(Mini disc)プレーヤやナビゲーション装置を構成するDVD−ROMプレーヤなどを内蔵している。フロントパネルは、液晶ディスプレイなどに前記ナビゲーション装置における地図情報や、CDプレーヤ及びMDプレーヤの再生状況を示す情報などを表示する。また、フロントパネルは、前記ナビゲーション装置、CDプレーヤ、MDプレーヤの各種機能の動作指令を行う際に操作されるタッチスイッチや押圧ボタンが設けられている。
【0004】
前述したカーオーディオは、インパネに装着する際にかかる設置スペースを抑制するために、機器本体の使用者に相対する面(以下前面と称する)に前記CD、MD、DVD−ROMを機器本体内に出し入れ自在とする挿入口を設けている。さらに、カーオーディオは、前記駆動機構が、前面を覆う覆い位置と前記前面に対して傾斜する傾斜位置と前記前面を開放する開放位置とに亘って、フロントパネルを移動可能としている。駆動機構は、フロントパネルの一端部として下端部を前記前面から突出させて、フロントパネルを前記覆い位置と傾斜位置と開放位置に順に移動する。
【0005】
前述したカーオーディオは、フロントパネルを前述した傾斜位置に位置付けて、液晶ディスプレイに必要な情報を表示する。カーオーディオは、フロントパネルを前述した開放位置に位置付けて、CD、MD、DVD−ROMなどを機器本体内に出し入れする。
【特許文献1】特開平10−119661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1などに示された従来のカーオーディオは、前記挿入口へのごみや埃の侵入を防止するために、当該挿入口の開口部の裏側にCD、MD、DVD−ROMなどが通過可能なスリットを設けた布などを貼り付けていた。しかしながら、挿入口の開口部に布などを貼り付けても、フロントパネルを前記傾斜位置に位置付けると、挿入口が露出してしまうために、ごみやほこりが挿入口内に侵入し易かった。特に、黄砂などの微小な埃の侵入を完全に防ぐことが困難であった。このように、前述した従来のカーオーディオは、フロントパネルを、通常の使用状態である傾斜位置に位置付けた際に、挿入口内へのごみや埃の侵入を完全に防ぐことができなかった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、例えば、機器本体に対し移動自在な可動部を通常の使用状態に位置付けた際に、機器本体に設けられた挿入口内にごみや埃が侵入することを完全に防止できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電子機器は、機器本体と、この機器本体に対して移動自在に設けられた可動部と、前記可動部を、前記機器本体の一つの面を覆う覆い位置と、前記一つの面に対して傾いた傾斜位置と、前記機器本体の一つの面を開放する開放位置とに亘って移動させる駆動機構と、を備えた電子機器において、前記一つの面に設けられて前記機器本体に記録媒体を出し入れ自在とする挿入口と、前記可動部の前記一つの面に相対する背面に取り付けられかつ前記可動部が前記覆い位置と前記傾斜位置の少なくとも一方に位置付けられると前記一つの面に当接して前記挿入口を塞ぐ閉塞部材と、を備えたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の電子機器は、上記のように、可動部が覆い位置と傾斜位置とのうち少なくとも一方に位置付けられると、閉塞部材が機器本体の一つの面に当接して、挿入口を完全に塞ぐ。こうすることで、通常の使用状態である覆い位置と傾斜位置とのうち少なくとも一方に可動部が位置付けられると、閉塞部材が挿入口を完全に塞ぐので、挿入口内に黄砂などの微小なごみや埃が侵入することを確実に防止できる。
【0010】
また、この発明の電子機器において、閉塞部材が変形自在な材料で構成されても良い。この場合、閉塞部材と機器本体の一つの面とが確実に密着するので、挿入口内に如何なるごみや埃などが侵入することをより確実に防止できる。なお、本発明でいう閉塞部材を構成する変形自在な材料とは、塑性変形を除く各種の変形が自在な材料を示している。
【0011】
さらに、駆動機構が、可動部が傾斜位置と開放位置との間に位置付けられると、閉塞部材を機器本体の一つの面から離間させる案内部を備えても良い。この場合、可動部が傾斜位置と開放位置との間を移動する際には、閉塞部材が、一つの面に接触しないので、可動部の移動が閉塞部材に妨げられることを防止でき、可動部をスムーズに移動させることができる。
【0012】
また、案内部が、可動部が開放位置に位置付けられると、閉塞部材を駆動機構の突没部材に当接させる構成となっていても良い。この場合、可動部が開放位置に位置付けられると、閉塞部材によって該可動部が機器本体に固定されることとなって、可動部が機器本体に対して振動することを防止でき、可動部と機器本体との間などから異音が発生することを防止できる。
【実施例】
【0013】
本発明の一実施例にかかる電子機器としてのカーオーディオ1を図1乃至図9を参照して説明する。図1などに示すカーオーディオ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネルに装着される。カーオーディオ1は、図1ないし図4に示すように、機器本体2と、可動部としての操作表示ユニット3と、操作表示ユニット3を後述の前面10a即ち機器本体2に対し移動させる駆動機構4(図6ないし図9に示す)と、閉塞部材6(図5に示す)などを備えている。
【0014】
機器本体2は、箱状に形成されたケース5と、このケース5内に収容される図示しないシャーシと、前記ケース5内に収容されるDVDプレーヤ7等の再生装置とを備えている。ケース5は、インパネに取り付けられると露出する前面(一つの面に相当する)10aと、この前面10aの全ての辺に立設するように一体成形された複数の立設壁10cと、これら複数の立設壁10cの縁に連なった図示しない背面壁とを備えている。
【0015】
シャーシは、板金などからなり、平板状の底シャーシと、この底シャーシの幅方向の両縁から立設した側シャーシと、を備えている。底シャーシは、機器本体2のケース5の図1中の底に位置する一つの立設壁10c上に重ねられている。
【0016】
図示例では、ケース5内には、記録媒体としてのナビゲーション用のDVD−ROMや映像を記録した記録媒体としてのDVDを再生可能なDVDプレーヤ7や、ラジオ放送を受信するAM/FMチューナ8、テレビ放送波を受信するテレビチューナ9等を収容している。これらのDVDプレーヤ7やチューナ8,9は、例えば、操作表示ユニット3に設けられた後述する押しボタン18等を使用者が押圧することによって動作する。
【0017】
また、前面10aには、図6乃至図9に示すように、前記DVDプレーヤ7にDVDやDVD−ROMを挿入するための挿入口としてのスリット13が設けられている。即ち、スリット13は、機器本体2にDVDやDVD−ROMなどの記録媒体を出し入れ自在としている。また、当該スリット13の裏側には、DVDやDVD−ROMなどが通過可能なスリットを設けた布32が貼り付けられている。
【0018】
操作表示ユニット3は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などからなる画像情報等を表示する表示パネル14と、複数の押しボタン18とを備えている。操作表示ユニット3は、表示パネル14に、DVDプレーヤ7によって再生された地図情報、DVDプレーヤが再生したDVDに記憶された映像やテレビチューナが受信したテレビ放送波の映像等を表示する。
【0019】
押しボタン18は、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14と同一平面上の外表面に複数設けている。押しボタン18は、使用者により押圧されることにより操作される。これらの押しボタン18が操作されることにより、ケース5の内部に収容されたDVDプレーヤ7及びチューナ8,9等が動作する。
【0020】
操作表示ユニット3は、他端部としての上端部3aが前面10aに沿ってスライド自在にケース5即ち機器本体2に取り付けられ、一端部としての下端部3bが前面10aから突没自在に設けられている。
【0021】
また、押しボタン18が操作されることにより、操作表示ユニット3が図1に示す第1の位置と、図2に示す第2の位置と、図4に示す第3の位置とに亘って移動される。操作表示ユニット3は、駆動機構4の動作により、後述のガイド溝20内をローラ19が移動することで、第1の位置と第2の位置と第3の位置とに亘って移動される。
【0022】
操作表示ユニット3は、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに順に移動される。また、操作表示ユニット3は、第3の位置と、第2の位置と、第1の位置とに順に移動される。このとき、操作表示ユニット3の下端部3bが、前記前面10aから突没するとともに、操作表示ユニット3の上端部3aが前面10aに沿ってスライドする。
【0023】
第1の位置では、操作表示ユニット3は、図1及び図6に示すように、前面10aの全体を覆っている。第1の位置は、特許請求の範囲に記載された覆い位置をなしている。第1の位置では、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14が前面10aと平行に配置されている。
【0024】
第3の位置では、操作表示ユニット3は、図4及び図9に示すように、前述した前面10aの殆ど全体を開放して当該前面10aに設けられたスリット13を開放している。即ち、第3の位置では、操作表示ユニット3が前面10aを開放している。第3の位置は、特許請求の範囲に記載された開放位置をなしている。第3の位置では、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14が前面10aと略直交している。
【0025】
第2の位置では、図2及び図7に示すように、操作表示ユニット3がスリット13を覆い隠している。第2の位置は、特許請求の範囲に記載された傾斜位置をなしている。第2の位置では、操作表示ユニット3の情報を表示する表示パネル14が前面10aに対して傾いている即ち操作表示ユニット3が前面10aに対して傾いている。また、通常の使用では、操作表示ユニット3は、前述した第2の位置に位置付けられて、各種の情報を表示する。さらに、操作表示ユニット3は、前述した第2の位置において、押しボタン18が押圧操作されることで、その傾きが微小に変更される。なお、図2及び図7に示された操作表示ユニット3は、第2の位置の最も第3の位置寄りに位置付けられている。
【0026】
例えば、押しボタン18のうちの選択ボタン(例えば、DVDプレーヤ7を選択するためのボタン)やOPENボタンが押圧操作されると、操作表示ユニット3が駆動機構4によりスライド移動される。すなわち、選択ボタンによりDVDやDVD―ROMが選択されると、駆動機構4によって操作表示ユニット3が前述した第3の位置までスライド移動される。
【0027】
このように、OPENボタンが押圧操作されることにより、操作表示ユニット3が機器本体2のケース5の前面10aに形成されたスリット13が開放される第3の位置までスライド移動される。そして、DVDやDVD―ROM等の所望の記録媒体がスリット13から挿入又は排出されると、操作表示ユニット3は、駆動機構4により前述した第2の位置まで移動される。
【0028】
そして、例えば、使用者が押しボタン18のうち再生(プレイ)ボタンやサーチボタン等を操作することにより、DVDやDVD―ROMの再生や、サーチ動作等が行われるとともに、使用者が押しボタン18を操作することにより操作表示ユニット3の傾きが変更される。
【0029】
なお、これらのスライド移動は、図示せぬマイコン等が駆動機構4の図示しないモータの回転方向や回転数を制御することにより行われる。つまり、マイコンが使用者による押しボタン18の操作や、DVDやDVD―ROM等が挿入されたことを認識して、その操作等に応じたスライド位置となるようにモータの回転方向やその回転数を制御して、操作表示ユニット3をスライド移動させる。
【0030】
駆動機構4は、図6ないし図9に示すように、突没部材としての可動アーム15と、駆動源としての図示しないモータと、案内部16とを備えている。可動アーム15は、一方向に沿って直線状に延びた帯状に形成されている。可動アーム15は、その長手方向が前述した前面10aに対し直交(交差)する状態でシャーシに支持されている。可動アーム15は、その長手方向に沿ってスライド自在に、シャーシに支持されている。このため、可動アーム15は、前面10aに対し直交(交差)する方向に沿ってスライド自在に設けられている。可動アーム15は、スライドすることで、特に操作表示ユニット3寄りの一端部15aが前面10aから突没する。
【0031】
可動アーム15は、シャーシの両側シャーシの内面上に設けられている。また、各可動アーム15の一端部15aには、孔が形成されている。孔には、操作表示ユニット3の下端部3bの両側面に設けられたピンが回転自在に嵌合している。このため、可動アーム15は、操作表示ユニット3の下端部3bを回転自在に支持しており、操作表示ユニット3とともに移動する。
【0032】
前記モータは、各可動アーム15を長手方向に沿ってシャーシに対しスライド移動させる。つまり、モータの駆動力によって、各可動アーム15は前面10aの下方に形成された図示せぬ貫通孔を通してシャーシの内外方向に移動される。
【0033】
案内部16は、図1乃至図4に示すように、ローラ19と、ガイド溝20とを備えている。ローラ19は、円筒状に形成されかつ操作表示ユニット3の上端部3aの両側面に回転自在に支持されている。ローラ19は、ガイド溝20に係合して、軸芯周りに回転することでガイド溝20に沿って移動自在に設けられている。このとき、ローラ19は、ガイド溝20と接触する。
【0034】
ガイド溝20は、第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の両側に位置する立設壁10cの操作表示ユニット3寄りの内面に設けられている。即ち、ガイド溝20は、機器本体2に設けられている。
【0035】
ガイド溝20は、鉛直方向に延在しており、立設壁10cの内面から凹に形成されている。このガイド溝20は、図1乃至図4に示すように、第1押圧部21と、傾斜部22と、直線部23と、第2押圧部24とを備えている。第1押圧部21は、ガイド溝20の第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の上端部3a寄りの端部に設けられている。第1押圧部21は、その上端にローラ19を位置付けることで、操作表示ユニット3を前述した第1の位置に位置付けるとともに、その下端にローラ19を位置付けることで、操作表示ユニット3を前述した第2の位置に位置付ける。第1押圧部21は、その内側にローラ19を位置付けることで、後述する閉塞部材6を前面10aに密着(当接)させる。
【0036】
傾斜部22は、一端が第1押圧部21の下端に連なり、この第1押圧部21の下端から第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の下端部3bに向かいかつ前面10aから離れる方向に延在している。傾斜部22は、前面10aに対して交差する方向に直線状に延在している。傾斜部22は、その内側にローラ19を位置付けると、操作表示ユニット3を第2の位置と第3の位置との間に位置付ける。
【0037】
直線部23は、その一端が傾斜部22の他端に連なり第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の表示パネル14の表面に沿って直線状に延在している。直線部23は、その内側にローラ19を位置付けると、操作表示ユニット3を第2の位置と第3の位置との間に位置付ける。
【0038】
第2押圧部24は、その一端が直線部23の他端に連なり、この直線部23の他端から第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の下端部3bに向かいかつ前面10aから離れる方向に延在している。第2押圧部24は、ガイド溝20の第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の下端部3b寄りの端部に設けられている。第2押圧部24は、前面10aに対して交差する方向に直線状に延在している。第2押圧部24は、その下端にローラ19を位置付けると、操作表示ユニット3を前述した第3の位置に位置付ける。第2押圧部24は、その下端にローラ19を位置付けることで、後述する閉塞部材6を可動アーム15に密着(当接)させる。
【0039】
前述した構成の駆動機構4は、モータからの駆動力を受けて、各可動アーム15がシャーシの内外方向に移動する。また、各可動アーム15がシャーシの内外方向に移動することで、操作表示ユニット3の下端部3bが前面10aから突没し、該操作表示ユニット3の上端部3aに設けられたローラ19がガイド溝20に沿って摺動する即ち上端部3aが前面10aに沿って移動する。
【0040】
すなわち、モータからの駆動力を受けて各可動アーム15が機器本体2のシャーシの外方向に移動することにより、操作表示ユニット3は、その外表面が上方に向くようにして倒される。そして、操作表示ユニット3は、シャーシの前面10aを開放する第3の位置に位置付けられる。また、可動アーム15が機器本体2のシャーシの内方向に移動することにより、倒された状態にある操作表示ユニット3は前面10aを覆う第1の位置に移動され、ローラ19はガイド溝20の第1押圧部21の上端に位置付けられる。
【0041】
前述した操作表示ユニット3及び可動アーム15は、モータからの駆動力により機器本体2に対し第1の位置と第2の位置と第3の位置とに亘って順に移動される。操作表示ユニット3は、本明細書に記した可動部をなしている。
【0042】
閉塞部材6は、図5に示すように、第1の位置に位置付けられた操作表示ユニット3の前面10aに相対する背面3cに取り付けられている(設けられている)。閉塞部材6は、操作表示ユニット3の上端部3aに取り付けられ、当該操作表示ユニット3の幅方向に沿って直線状に延在している。閉塞部材6は、弾性変形又は変形自在な材料で構成されている。即ち、閉塞部材6は、塑性変形以外の各種の変形が自在な材料で構成されている即ち変形自在な材料で構成されている。図示例では、閉塞部材6は、発泡体としてのポリウレタンフォームで構成されている。
【0043】
閉塞部材6は、操作表示ユニット3が図1に示すように前述した第1の位置に位置付けられると、図6に示すように前記前面10aに密に接触(密着)して、弾性変形するとともに、前述したスリット13の全体を塞ぐ。また、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が図2に示すように前述した第2の位置に位置付けられると、図7に示すように、前記前面10aに密に接触(密着)して、弾性変形するとともに、前述したスリット13の全体を塞ぐ。
【0044】
さらに、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が前述した第1の位置と第2の位置との間に位置付けられると、前記前面10aに密に接触(密着)して、弾性変形するとともに、前述したスリット13の全体を塞ぐ。このように、閉塞部材6は、ローラ19がガイド溝20の第1押圧部21内に位置付けられる即ち操作表示ユニット3が第1の位置、第1の位置と第2の位置との間、第2の位置に位置付けられると、前面10aに密着(当接)して、スリット13全体を塞ぐ。即ち、閉塞部材6は、案内部16によって、操作表示ユニット3が第1の位置と第2の位置との間に位置付けられると、前面10aに密着(当接)して、スリット13全体を塞ぐ。
【0045】
また、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、ローラ19がガイド溝20の傾斜部22と直線部23とのうち一方に位置付けられて、前面10aから離間する。即ち、閉塞部材6は、案内部16によって、操作表示ユニット3が図3に示すように第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、図8に示すように、前面10aから離間する。このように、案内部16は、操作表示ユニット3が第1の位置から第2の位置に位置付けられると閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぎ、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると閉塞部材6が前面10aから離間するように、操作表示ユニット3を案内する。
【0046】
さらに、閉塞部材6は、操作表示ユニット3が図4に示すように第3の位置に位置付けられると、図9に示すように、ローラ19がガイド溝20の第2押圧部24の下端に位置付けられて、可動アーム15に密に当接(密着)して、弾性変形する。このように、案内部16は、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、閉塞部材6を可動アーム15に当接させる構成となっている。
【0047】
前述した構成のカーオーディオ1は、操作表示ユニット3に地図情報やテレビ放送波等
の映像を表示する際には、操作表示ユニット3を図2及び図7に示す第2の位置に位置付ける。カーオーディオ1は、機器本体2にDVDやDVD−ROMなどの記録媒体を出し入れする際には、操作表示ユニット3を図4及び図9に示す第3の位置に位置付ける。カ−オーディオ1は、操作表示ユニット3を、図1及び図2に示すように第1の位置と第2の位置との双方及びこれらの間に位置付けると、図6及び図7に示すように、閉塞部材6を前面10aに当接させて、スリット13全体を塞ぐ。
【0048】
また、カ−オーディオ1は、操作表示ユニット3を、図3に示すように、第2の位置と第3の位置との間に位置付けると、図8に示すように、閉塞部材6を前面10aから離間させて、スリット13全体を開放する。さらに、カ−オーディオ1は、操作表示ユニット3を、図4に示すように、第3の位置に位置付けると、図9に示すように、閉塞部材6を可動アーム15に当接させる。
【0049】
さらに、カーオーディオ1は、前述した押しボタン18を押圧することで、操作表示ユニット3を第2の位置において、任意の傾きに変更可能となっている。即ち、カーオーディオ1は、第2の位置において、操作表示ユニット3の角度を任意に変更可能としている。
【0050】
本実施例によれば、操作表示ユニット3が第1の位置、第1の位置と第2の位置との間、第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接して、スリット13を完全に塞ぐ。このため、通常の使用状態である第2の位置に操作表示ユニット3が位置付けられると、閉塞部材6がスリット13を完全に塞ぐので、スリット13内に黄砂などの微小なごみや埃が侵入することを確実に防止できる。
【0051】
また、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接させる。このため、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6によって該操作表示ユニット3が機器本体2に固定されることとなって、操作表示ユニット3が機器本体2に対して振動することを防止でき、操作表示ユニット3と機器本体2との間などから異音が発生することを防止できる。
【0052】
また、閉塞部材6が変形自在な材料で構成されても良い。この場合、閉塞部材6と機器本体2の前面10aとが確実に密着するので、スリット13内に如何なるごみや埃などが侵入することをより確実に防止できる。なお、本発明でいう閉塞部材6を構成する変形自在な材料とは、塑性変形を除く各種の変形が自在な材料を示している。即ち、本発明では、閉塞部材6を、変形自在な材料で構成している。
【0053】
さらに、駆動機構4が、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、閉塞部材6を機器本体2の前面10aから離間させる案内部16を備えている。このため、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間を移動する際には、閉塞部材6が、前面10aに接触しないので、操作表示ユニット3の移動が閉塞部材6が前面10aに擦れて当該閉塞部材6により妨げられることを防止でき、操作表示ユニット3をスムーズに移動させることができる。
【0054】
また、案内部16が、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、閉塞部材6を駆動機構4の可動アーム15に当接させる構成となっている。このため、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、閉塞部材6によって該操作表示ユニット3が機器本体2に固定されることとなって、操作表示ユニット3が機器本体2に対して振動することを防止でき、操作表示ユニット3と機器本体2との間などから異音が発生することを防止できる。
【0055】
前述した実施例では、閉塞部材6を操作表示ユニット3の背面3cに固定している。しかしながら、本発明では、図10乃至図14に示すように、閉塞部材6を円筒状に形成し、該閉塞部材6内に芯金30を通して閉塞部材6を上端部3aに操作表示ユニット3の表示パネル14の表面に沿ってスライド自在とするとともに、芯金30即ち閉塞部材6を操作表示ユニット3の上端部3aよりも外方向に付勢するばね31を設けても良い。なお、図10乃至図14において、前述した実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。また、図10乃至図14では、案内部16を省略しているが、この場合も勿論案内部16を備えている。
【0056】
この場合においても、図12に示すように、操作表示ユニット3が第1の位置に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぎ、図13に示すように、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぐとともに、操作表示ユニット3が第1の位置と第2の位置との間に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13全体を塞ぐ。
【0057】
さらに、この場合においても、操作表示ユニット3が第2の位置と第3の位置との間に位置付けられると、閉塞部材6が前面10aから離間してスリット13を開放するとともに、操作表示ユニット3が第3の位置に位置付けられると、図14に示すように、閉塞部材6が可動アーム15に当接する。
【0058】
この図10乃至図14に示す場合においても、前述した実施例と同様の効果を奏でる。
【0059】
前述した実施例では、ガイド溝20を機器本体2に設け、ローラ19を操作表示ユニット3に設けている。本発明では、ガイド溝20を操作表示ユニット3に設け、ローラ19を機器本体2に設けても良い。さらに、本発明では、第1の位置と第2の位置とのうちの少なくとも一方に操作表示ユニット3が位置付けられると、閉塞部材6が前面10aに当接してスリット13を塞いでも良い。
【0060】
前述した実施例では、操作表示ユニット3の外表面に押しボタン18を複数設けている。しかしながら、本発明では、表示パネル14に所謂タッチスイッチ(タッチパネルとも呼ぶ)を設けても良いことは勿論である。さらに、前述した実施例では、可動部として、操作表示ユニット3を設けている。しかしながら、本発明では、可動部としての種々の物品を設けても良い。
【0061】
前述した実施例によれば、以下のカーオーディオ1が得られる。
【0062】
(付記) 機器本体2と、
この機器本体2に対して移動自在に設けられた操作表示ユニット3と、
前記操作表示ユニット3を、前記機器本体2の前面10aを覆う覆い位置と、前記前面10aに対して傾いた傾斜位置と、前記機器本体2の前面10aを開放する開放位置とに亘って移動させる駆動機構4と、を備えたカーオーディオ1において、
前記前面10aに設けられて前記機器本体2に記録媒体を出し入れ自在とするスリット13と、
前記操作表示ユニット3の前記前面10aに相対する背面3cに取り付けられかつ前記操作表示ユニット3が前記覆い位置と前記傾斜位置の少なくとも一方に位置付けられると前記前面10aに当接して前記スリット13を塞ぐ閉塞部材6と、を備えたことを特徴とするカーオーディオ1。
【0063】
付記によれば、操作表示ユニット3が第1の位置と第2の位置とのうち少なくとも一方に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接して、スリット13を完全に塞ぐ。このため、通常の使用状態である第1の位置と第2の位置とのうち少なくとも一方に操作表示ユニット3が位置付けられると、閉塞部材6がスリット13を完全に塞ぐので、スリット13内に黄砂などの微小なごみや埃が侵入することを確実に防止できる。
【0064】
また、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6が機器本体2の前面10aに当接させる。このため、操作表示ユニット3が第2の位置に位置付けられると、閉塞部材6によって該操作表示ユニット3が機器本体2に固定されることとなって、操作表示ユニット3が機器本体2に対して振動することを防止でき、操作表示ユニット3と機器本体2との間などから異音が発生することを防止できる。
【0065】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例にかかるカーオーディオの操作表示ユニットが第1の位置に位置付けられた状態の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第2の位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第2の位置と第3の位置との間に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第3の位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示されたカーオーディオの操作表示ユニットに取り付けられた閉塞部材を示す斜視図である。
【図6】図1に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図7】図2に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図8】図3に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図9】図4に示されたカーオーディオの要部を側方からみた状態を示す説明図である。
【図10】図5に示されたカーオーディオの操作表示ユニットに取り付けられた閉塞部材の変形例を示す斜視図である。
【図11】図10中のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図10に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第1の位置に位置付けられた状態を側方からみた説明図である。
【図13】図10に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第2の位置に位置付けられた状態を側方からみた説明図である。
【図14】図10に示されたカーオーディオの操作表示ユニットが第3の位置に位置付けられた状態を側方からみた説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1 カーオーディオ(電子機器)
2 機器本体
3 操作表示ユニット(可動部)
3a 上端部(他端部)
3b 下端部(一端部)
3c 背面
4 駆動機構
6 閉塞部材
10a 前面(一つの面)
13 スリット(挿入口)
15 可動アーム(突没部材)
16 案内部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体と、
この機器本体に対して移動自在に設けられた可動部と、
前記可動部を、前記機器本体の一つの面を覆う覆い位置と、前記一つの面に対して傾いた傾斜位置と、前記機器本体の一つの面を開放する開放位置とに亘って移動させる駆動機構と、を備えた電子機器において、
前記一つの面に設けられて前記機器本体に記録媒体を出し入れ自在とする挿入口と、
前記可動部の前記一つの面に相対する背面に取り付けられかつ前記可動部が前記覆い位置と前記傾斜位置の少なくとも一方に位置付けられると前記一つの面に当接して前記挿入口を塞ぐ閉塞部材と、を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記閉塞部材は、変形自在な材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記可動部の一端部を前記一つの面から突出させかつ前記可動部の他端部を前記一つの面に沿って移動させることで、前記可動部を前記覆い位置と前記傾斜位置と前記開放位置とに順に移動させるとともに、
当該駆動機構は、前記可動部が前記覆い位置と前記傾斜位置との間に位置付けられると前記閉塞部材が前記一つの面に当接し、かつ前記可動部が前記傾斜位置と前記開放位置との間に位置付けられると前記閉塞部材が前記一つの面から離間するように、前記可動部を案内する案内部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記可動部の一端部を支持しかつ前記一つの面から突没自在に設けられた突没部材を備え、
前記案内部は、前記可動部が前記開放位置に位置付けられると、前記閉塞部材を前記突没部材に当接させる構成となっていることを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項1】
機器本体と、
この機器本体に対して移動自在に設けられた可動部と、
前記可動部を、前記機器本体の一つの面を覆う覆い位置と、前記一つの面に対して傾いた傾斜位置と、前記機器本体の一つの面を開放する開放位置とに亘って移動させる駆動機構と、を備えた電子機器において、
前記一つの面に設けられて前記機器本体に記録媒体を出し入れ自在とする挿入口と、
前記可動部の前記一つの面に相対する背面に取り付けられかつ前記可動部が前記覆い位置と前記傾斜位置の少なくとも一方に位置付けられると前記一つの面に当接して前記挿入口を塞ぐ閉塞部材と、を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記閉塞部材は、変形自在な材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記可動部の一端部を前記一つの面から突出させかつ前記可動部の他端部を前記一つの面に沿って移動させることで、前記可動部を前記覆い位置と前記傾斜位置と前記開放位置とに順に移動させるとともに、
当該駆動機構は、前記可動部が前記覆い位置と前記傾斜位置との間に位置付けられると前記閉塞部材が前記一つの面に当接し、かつ前記可動部が前記傾斜位置と前記開放位置との間に位置付けられると前記閉塞部材が前記一つの面から離間するように、前記可動部を案内する案内部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記可動部の一端部を支持しかつ前記一つの面から突没自在に設けられた突没部材を備え、
前記案内部は、前記可動部が前記開放位置に位置付けられると、前記閉塞部材を前記突没部材に当接させる構成となっていることを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−226350(P2008−226350A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63592(P2007−63592)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]