説明

電子機器

【課題】複数の操作キーを有する電子機器において、全ての操作キーの操作を片手で簡単に行うことを可能にする。
【解決手段】複数の操作キーが複数の列に二次元的に配列された主面部を有する電子機器は、複数の操作キーのそれぞれと対応して設けられ、複数の操作キーにおいて選択される操作キーの位置を表示する複数の発光部と、選択部とを有する。選択部を用いて、複数の発光部の点灯/消灯を列ごとに切り替えて選択される操作キーが含まれる列と対応する発光部を点灯させる第1のキー操作と、複数の発光部のうちの選択される操作キーと対応する発光部を点灯させる第2のキー操作と、第1のキー操作および第2のキー操作によって選択される操作キーを決定する第3のキーとを行うことにより、電子機器に設けられた全ての操作キーの制御を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器に関し、詳しくは、リモートコントローラ送信装置、携帯電話等の複数の操作キーを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の操作キーを有する電子機器、例えばリモートコントローラ送信装置は、テレビジョン受像器、ビデオ記録/再生装置等の被制御装置の遠隔制御に用いられている。近年では、これら被制御装置の多機能化に伴い、リモートコントローラ送信装置に設けられる操作キーの数が増加する傾向にある。したがって、リモートコントローラ送信装置を大型化させることで、全ての操作キーを配列させている。
【0003】
リモートコントローラ送信装置を片手で操作する場合、ユーザはリモートコントローラ送信装置を片手で持って、持った手の指先で操作キーを直接押圧して操作を行うことが一般的である。しかしながら、操作キーの数が増加してリモートコントローラ送信装置が大型化すると、持った手の指先の届く範囲外にも操作キーが配列されるため、全ての操作キーの操作を片手だけで行うことが困難になる。例えば、離れた位置にある操作キーを連続操作するためには、片手で持ったリモートコントローラ送信装置を一旦他方の手に持ち替える必要がある。
【0004】
リモートコントローラ送信装置を片手で持ったまま全ての操作キーの操作を行うことを可能にするためには、片手で持った手の指先が届く範囲内に操作キーを配列する必要がある。したがって、操作キーの大きさを小さくしたり、キー配置のピッチを小さくしたりすることで、操作時に持ち替える頻度を減少させることができる。しかしながら、操作キーの大きさや、キー配置のピッチを小さくすることで、操作キーを押し難い、表示文字が小さくなる等の不具合が生じ、操作性が悪くなるという問題が生じる。
【0005】
また、携帯電話をはじめとする携帯型の電子機器では、機器本体の小型化が求められていることから、操作キーの大きさやキー配置のピッチは必然的に小さくされる傾向にあり、操作キーの操作性が悪いという問題がある。したがって、これらの電子機器において、操作キーの操作性を向上させることが求められている。
【0006】
下記特許文献1には、リモートコントローラ送信装置に第1のシャーシと第2のシャーシとを設け、これらをスライドさせることにより、操作キーを片手で持った手の指先の届く範囲内に近づけて操作を行うことができるリモートコントローラ送信装置について記載されている。特許文献1に記載された方法によれば、操作キーの大きさやキー配置のピッチを小さくしなくても、片手で全ての操作キーの操作を行うことができる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−120248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された方法では、第1のシャーシと第2のシャーシとを設ける必要があることから、リモートコントローラ送信装置の構造が複雑となってしまうという問題があった。
【0009】
また、上述の特許文献1は大型化されたリモートコントローラ送信装置に適用されるものであるため、小型化された携帯型の電子機器において、操作キーを押し難い、表示文字が小さくなる等の問題を解決できるものではなかった。
【0010】
したがって、この発明の目的は、電子機器の構造を複雑にすることなく、電子機器に設けられた全ての操作キーの操作を、片手で操作性に優れた方法で行うことができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、この発明は、複数の操作キーが複数の列に二次元的に配列された主面部を有する電子機器であって、
複数の操作キーのそれぞれと対応して設けられ、複数の操作キーにおいて選択される操作キーの位置を表示する複数の発光部と、
複数の発光部の点灯/消灯を列ごとに切り替えて選択される操作キーが含まれる列と対応する発光部を点灯させる第1のキー操作と、複数の発光部のうちの選択される操作キーと対応する発光部を点灯させる第2のキー操作と、第1のキー操作および第2のキー操作によって選択される操作キーを決定する第3のキー操作とを行うようになされた選択部と、を備える
ことを特徴とする電子機器である。
【0012】
この発明では、電子機器に設けられたそれぞれの操作キーと対応して発光部が設けられ、選択部を用いて複数の発光部のうちの選択される操作キーと対応する発光部を点灯させて、操作キーの選択を行うので、選択部を用いて操作するだけで、全ての操作キーの制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、選択部を用いるだけで、電子機器に設けられた全ての操作キーの制御を行うことができるため、電子機器の構造を複雑にすることなく、電子機器に設けられた全ての操作キーの操作を片手で操作性に優れた方法で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。一実施の形態による複数の操作キーを有する電子機器は、テレビジョン受像機、ビデオ記録/再生装置(具体的には、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤー、ディスクレコーダ、VCR(Video Cassette Recorder)、オーディオ記録/再生装置(具体的には、CD(Compact Disc)プレーヤー、MD(Mini Disc)レコーダ、オーディオアンプ、FM(Frequency Modulation)チューナ等)等のAV(Audio Visual)機器等の電子機器の遠隔制御を行うリモ−トコントローラ送信装置(以下、略してリモコン装置と適宜称する)に対して適用されるものである。
【0015】
図1は、一実施の形態によるリモコン装置1の具体的構成の外観の一例を示す正面図である。図示するリモコン装置1は、縦長の形状例えば略長方形の主面部2上に設けられた複数の操作キーと、赤外線、電波等の送信信号を送信する送信部3とを備えている。複数の操作キーは、複数の列をなして二次元的に縦長に配列されている。なお、以下では、図1に示すリモコン装置1において、主面部2の長尺方向(操作キーが縦長に配列された方向)を上下方向、短尺方向(上下方向と垂直な方向)を左右方向と便宜上称する。
【0016】
複数の操作キーは、例えば、電源オン/オフ用キー4、テンキー5、ミュートキー6、音量調整キー7、チャンネルキー8、各種キー9〜12等により構成される。各種キー9〜12はリモコン装置1の操作対象となる電子機器(受信装置)の機能を操作するためのキーであり、例えば、入力切替キー、画面表示キー、ワイド切替キー、音声切替キー、地上ディジタル放送チューナ選択キー、衛星放送チューナまたはケーブルテレビジョンチューナ選択キー、DVR(Digital Video Recorder)またはVCR選択キー、DVDレコーダまたは次世代ディスク(ブルーレイディスク)レコーダ選択キー等により構成される。これらの複数の操作キーには発光部がそれぞれ対応して設けられ、後述する方向キー操作モードに切り替えられると、複数の操作キーのうち、選択される操作キーと対応する発光部が点灯されて、選択される操作キーの位置が表示される。
【0017】
リモコン装置1のほぼ中央部には、所望の操作キーを選択するための選択部として、方向キー13および決定キー14が設けられる。方向キー13は、上方向キー13a、下方向キー13b、左方向キー13c、および右方向キー13dにより構成される。方向キー13と決定キー14とは、ユーザがリモコン装置1を片手で持ったときに、片手で持った手の親指の届く範囲内に近接して設けられている。
【0018】
方向キー13および決定キー14の近傍には、操作モード切替キー15が設けられる。操作モード切替キー15は、リモコン装置1の操作モードを、複数の操作キーを用いて操作を行う第1の操作モードと、方向キー13および決定キー14を用いて操作を行う第2の操作モードとのいずれかに切り替えるためのキーである。第1の操作モードとは、上述したような操作キーを直接押圧することによって受信装置にコマンド信号を送信する操作モードである。以下、第1の操作モードをダイレクトキー操作モードと適宜称する。一方、第2の操作モードとは、方向キー13および決定キー14を用いて所望の操作キーを選択することにより、受信装置にコマンド信号を送信することができる操作モードである。以下、第2の操作モードを方向キー操作モードと適宜称する。
【0019】
この発明の一実施の形態では、リモコン装置1をダイレクトキー操作モードで用いることにより、通常のリモコン装置の操作と同様に、リモコン装置1の操作キーを直接押圧して操作することもできる。また、リモコン装置1を方向キー操作モードで用いることにより、方向キー13および決定キー14のキーのみを用いるだけで、リモコン装置1に設けられている全ての操作キーの制御を行うことができる。
【0020】
以下、リモコン装置1の方向キー操作モードについて具体的に説明する。方向キー操作モードでは、それぞれの操作キーと対応して設けられた発光部の点灯/消灯を切り替えることにより、複数の操作キーのうち、所望の操作キーを選択することができる。
【0021】
図2を参照して、操作キーと対応して設けられた発光部18の一例について説明する。例えば電源オン/オフ用キー4の断面の構成が図2に示されている。電源オン/オフ用キー4は、半透明のシリコンラバーシート16上に設けられる。電源オン/オフ用キー4もまた、シリコンラバー等の半透明の材料からなるキーである。基板17上の電源オン/オフ用キー4と対向する位置には、発光部18が設けられる。発光部18は、チップLED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electroluminescence)素子等の各種発光素子である。
【0022】
発光部18は、方向キー13の操作に応じて点灯/消灯する。シリコンラバーシート16および電源オン/オフ用キー4は上述のように半透明で透光性を有するため、発光部18が点灯すると、電源オン/オフ用キー4の位置が点灯される。図示はしないが、発光部18は複数の操作キーのそれぞれと対応して設けられているため、操作キーの位置を列ごとに、あるいは個別に点灯させることができる。
【0023】
一方、ダイレクトキー操作モードでは、操作キーと対応する発光部18は全て消灯された状態となる。したがって、消費電力を小さくすることができる。
【0024】
なお、図2において、主面部2を有するリモコン装置1のケーシング部、基板17上に設けられるIC(Integrated Circuit)、およびシリコンラバーシート16と基板17との接点等は、簡単のため図示を省略している。
【0025】
図3を参照して、方向キー13を用いて操作キーを選択する動作について説明する。まず、操作モード切替キー15を用いてダイレクトキー操作モードから方向キー操作モードに切り替えられると、複数の列のうち、所定の列の操作キーと対応する発光部18が点灯され、所定の列の操作キーの位置が点灯される。ダイレクトキー操作モードから方向キー操作モードに切り替えたときに最初に点灯される所定の列は、例えば、方向キー13の直上の列、直下の列、リモコン装置1の最上端の列等、適宜設定することができる。
【0026】
次に、図3Aに示すように、複数の発光部18の点灯/消灯を列ごとに切り替えて、選択される操作キーの含まれる列と対応する発光部18を点灯させることにより、第1のキー操作を行う。上方向キー13aおよび下方向キー13bを操作することにより、第1のキー操作を行うことができる。例えば、図3A中のaで示す列の操作キーの位置が点灯されて、他の列の操作キーの位置が消灯されている場合、下方向キー13bを用いて列ごとに発光部18の点灯/消灯を切り替え、点灯させる列を順次移動させることにより、bで示す列を点灯させることができる。同様に、図3A中のbで示す列の操作キーの位置が点灯されて、他の列の操作キーの位置が消灯されている場合、上方向キー13aを用いて列ごとに発光部18の点灯/消灯を切り替え、点灯させる列を順次移動させることにより、aで示す列を点灯させることができる。
【0027】
上方向キー13aを1回押すことにより、点灯させる列を上方向に一列移動させることができる。また、下方向キー13bを1回押すことにより、点灯させる列を下方向に一列移動させることができる。上方向キー13aまたは下方向キー13bを所定の時間以上押し続けることにより、点灯させる列を順次自動的に移動させる構成としてもよい。また、例えば最下端の列の操作キーが点灯しているときに下方向キー13bを押すことにより、最上端の列の操作キーを点灯させるようにしてもよい。
【0028】
このようにして選択される操作キーを含む列の選択操作を行った後、図3Bに示すように、選択された列において発光部18の点灯/消灯を個別に切り替えて、選択される操作キーと対応する発光部18を点灯させることにより、第2のキー操作を行う。左方向キー13cおよび右方向キー13dを操作することにより、第2のキー操作を行うことができる。例えば、選択される操作キーを含む列の操作キーの位置が点灯されている状態で、左方向キー13cを用いて、図3B中のcで示す操作キーの位置を点灯させることができる。同様に、右方向キー13dを用いて、図3B中のdで示す操作キーの位置を点灯させることができる。
【0029】
左方向キー13cを1回押すことにより、点灯させる操作キーを左方向に一つ移動させることができる。また、右方向キー13dを1回押すことにより、点灯させる操作キーを右方向に一つ移動させることができる。左方向キー13cまたは右方向キー13dを所定の時間以上押し続けることにより、選択された列において点灯させる操作キーを順次自動的に移動させる構成としてもよい。また、例えば選択された列において最も左端に位置する操作キーが点灯しているときに左方向キー13cを押すことにより、最も右端に位置する操作キーを点灯させるようにしてもよい。
【0030】
左方向キー13cおよび右方向キー13dを用いて選択される操作キーの位置を点灯させた後、決定キー14を押すことで、選択される操作キーの決定がなされ、受信装置に対してその操作キーに対応するコマンド信号の送信が行われる。
【0031】
送信後は、方向キー13を用いて次の操作が行われるまで、あるいは操作モード切替キー15を用いてダイレクトキー操作モードに切り替えられるまで、送信処理の行われた操作キーの位置が点灯された状態が持続される。なお、図3Bに示すように個別の操作キーの位置が点灯されている状態で、上方向キー13aおよび下方向キー13bを用いて操作すると、点灯される位置は列ごとに移動される。
【0032】
図3では、方向キー13および決定キー14よりも上方向の操作キーを図示したが、方向キー13および決定キー14の下方のミュートキー6、音量調整キー7、チャンネルキー8、各種キー12等の操作を行うことも勿論可能である。なお、音量調整キー7を選択して操作を行いたい場合は、上述のようにして方向キー13を用いて音量調整キー7と対応する発光部18を点灯させて、例えば上方向キー13aあるいは下方向キー13bを押した後、決定キーを押すという連続操作を行うことにより、音量のプラス/マイナスを調整することができる。チャンネルキー8を選択して操作を行いたい場合も、音量調整キー7と同様の操作を行うことにより、チャンネルを選択することができる。
【0033】
このように、方向キー操作モードに切り替えることにより、方向キー13および決定キー14を用いるだけで全ての操作キーの制御が可能になる。
【0034】
図4に、リモコン装置1の構成を示すブロック図を示す。図4に示すように、リモコン装置1は、制御部19を有し、この制御部19に、操作入力部20、発光部18、および送信部22が接続されている。
【0035】
操作入力部20は、リモコン装置1に設けられた複数の操作キー並びに方向キー13、決定キー14、および操作モード切替キー15を示しており、入力操作があった場合にその操作キーに応じた入力信号が制御部19に供給される。
【0036】
制御部19は、例えば、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory )、RAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコンピュータであり、ROMなどに記憶されたプログラムを実行することにより、リモコン装置1の各部を統括的に制御する。
【0037】
ダイレクトキー操作モードが選択されている場合、制御部19は、操作入力部20から入力される信号に応じてROMに記憶されているコマンドコードを読み出して、このコマンドコード信号を送信部3から出力する。
【0038】
方向キー操作モードが選択されている場合、制御部19は、所定の操作キーと対応する発光部18を点灯させて、方向キー13の操作入力に応じて各発光部18の点灯/消灯の切り替えを行う。そして、複数の操作キーのうち、1つの操作キーと対応する発光部18が点灯されている状態で決定キー14の入力操作がなされると、制御部19は、点灯されている発光部18に対応する操作キーのコマンドコードをROMから読み出して、このコマンドコード信号を送信部3から出力する。
【0039】
図4は、リモコン装置1の送信部3から送信されるコマンドコード信号を受信する受信装置の構成を示す。図4では、受信装置の一例として、地上ディジタル放送受信装置の全体的構成を示している。
【0040】
アンテナ21で受信されたRF信号がフロントエンド部22に供給される。フロントエンド部22は、アンテナ21から入力される放送信号から、所定のUHF(Ultra High Frequency)チャンネルを選択し、直交復調、FFT(Field Effect Transistor)、デインターリーブ、ビタビ復号、トランスポートストリーム(以下、TSと適宜略す)の再生等の処理を行い、TSをデマルチプレクサ23に出力する。なお、地上ディジタル放送に換えて、BS(Broadcasting satellite)ディジタル放送や、CS(Communication Satellite)ディジタル放送等を選択して受信することも可能である。
【0041】
デマルチプレクサ23は、フロントエンド部22から出力されるTSから、番組の音声および映像に相当するAV信号を分離してMPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ24に出力する。また、デマルチプレクサ23は、TSから、EPG(Electorical Program Guide)、基本データ等のデータ信号を分離して、バス30を介して制御部31に出力する。
【0042】
MPEGデコーダ24は、デマルチプレクサ23から入力されたAV信号をデコードし、その結果得られる映像信号および音声信号を、それぞれ映像信号処理部25および音声信号処理部26にそれぞれ出力する。映像信号処理部25は、MPEGデコーダ24から入力された映像信号を、後段のモニタ27に適合するフォーマットに変換する。音声信号処理部26は、MPEGデコーダ24から入力された音声信号に対し、所定の音声処理を行う。モニタ27は、映像信号処理部25からの映像信号に対応する映像を表示するとともに、音声信号処理部26からの音声信号に対応する音声を出力する。
【0043】
制御部31には、ユーザ操作を受け付けて対応する操作コマンドを生成する操作入力部32、制御用プログラムが記憶されているROM34、および各種のデータを記憶するRAM35が接続されている。また、制御部31には、バス30を介して、通信部36が接続されている。制御部31は、ROM34に記憶されている制御プログラムを実行することにより、バス30を介して受信装置を構成する各部を制御する。
【0044】
受信部32は、リモコン装置1からの信号を受信して復号し、対応する操作信号を制御部31に出力する。操作入力部33は、受信装置の筐体外面等に設けられる操作ボタン等から成り、ユーザの操作を受け付けて、対応する操作信号を制御部31に出力する。通信部36は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等に基づき、他の電子装置(図示せず)と所定のデータを通信する。
【0045】
以下、図6を参照して、この発明の一実施の形態によるリモコン装置1の方向キー操作モードにおける送信処理の流れについて説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、制御部19の制御の下で行われるものとする。
【0046】
ステップS1では、リモコン装置1はダイレクトキー操作モードで動作する。すなわち、ユーザは各種の操作キーを直接押圧することによって信号の入力操作を行う。リモコン装置1は、入力された信号に応じたコマンド信号を受信装置に送信する。
【0047】
ステップS2では、操作モード切替キー15が押圧されたか否かが判断される。操作モード切替キー15が押圧されていないと判断された場合には、引き続きダイレクトキー操作モードで動作する。
【0048】
一方、操作モード切替キー15が押圧されたと判断された場合には、処理がステップS3に移行し、リモコン装置1の操作モードがダイレクトキー操作モードから方向キー操作モードに切り替えられる。方向キー操作モードに切り替えられると、複数の列のうち所定の列と対応する発光部18が点灯される。
【0049】
ステップS4では、上方向キー13aおよび/または下方向キー13bが押圧されたか否かが判断される。上方向キー13aおよび/または下方向キー13bが押圧されたと判断された場合には、処理がステップS5に移行する。ステップS5では、上方向キー13aおよび/または下方向キー13bの操作に応じて発光部18の点灯/消灯が列ごとに切り替えられる。すなわち、操作キーの点灯する位置が列ごとに移動され、所望の操作キーを含む列が選択される。
【0050】
一方、ステップS4において、上方向キー13aおよび/または下方向キー13bが押圧されていないと判断された場合には、選択される操作キーを含む列が選択されているものとして、処理がステップS6に移行する。
【0051】
ステップS6では、左方向キー13cおよび/または右方向キー13dが押圧されたか否かが判断される。左方向キー13cおよび/または右方向キー13dが押圧されたと判断された場合には、処理がステップS7に移行する。ステップS7では、左方向キー13cおよび/または右方向キー13dの操作に応じて、選択された列において、操作キーの点灯/消灯が個別に切り替えられる。すなわち、操作キーの点灯する位置が個別に移動され、所望の操作キーが選択される。その後、処理がステップS8に移行する。
【0052】
ステップS6において、左方向キー13cおよび/または右方向キー13dが押圧されていないと判断された場合には、左方向キー13cおよび/または右方向キー13dが押圧されるまで、選択された列の操作キーの位置が点灯され続ける。
【0053】
ステップS8では、決定キー14が押圧されたか否かが判断される。決定キー14が押圧されたと判断された場合には、処理がステップS9に移行する。ステップS9では、点灯された位置の操作キーに対応するコマンドコード信号の送信処理を行い、一連の処理が終了する。
【0054】
一方、ステップS8において、決定キー14が押圧されていないと判断された場合には、決定キー14が押圧されるまで、選択された操作キーが点灯され続ける。
【0055】
なお、ステップS3からステップS8において、操作モード切替キー15が押圧された場合には、リモコン装置1の操作モードが方向キー操作モードからダイレクトキー操作モードに切り替えられる。ダイレクトキー操作モードに切り替えられると、各操作キーと対応する発光部18が全て消灯される。
【0056】
以上説明したように、この発明の一実施の形態では、ダイレクトキー操作モードから方向キー操作モードに切り替えることによって、方向キー13および決定キー14のキーを用いるだけで、リモコン装置1に設けられている全ての操作キーの操作を行うことが可能となる。方向キー13および決定キー14は、上述のようにリモコン装置1を片手で持ったときに、片手で持った手の親指の届く範囲内に近接して設けられているため、方向キー操作モードでは、ユーザはリモコン装置1を片手で持ったまま指一本で操作を行うことができる。図1に示すようにキー数の多いリモコン装置1において、離れた位置にあるキーを片手で連続操作する場合でも、リモコン装置1を持ち替えるという手間を生じさせることなく、簡単に操作することができる。
【0057】
また、従来のように、操作キーおよびキー配置のピッチを小さくすることによって操作キーを指の届く範囲に配置する必要がなくなるため、操作キーの配置にゆとりを持たせられる。したがって、ユーザが視認しやすい大きな表示を実現でき、操作性を向上させることができる。
【0058】
また、操作キーの位置を個別に点灯させることで、所望の操作キーの選択を行うことができるので、液晶ディスプレイ等の特別な表示装置は不要であり、従来と同様の構造およびキー配列のリモコン装置に適用可能である。従来のリモコン装置と変わらない外観であることから、ユーザにとって操作上の違和感を感じさせることもない。
【0059】
また、この発明の一実施の携帯では、ダイレクトキー操作モードに切り替えることにより、操作キーを直接押圧することで操作することも可能である。したがって、ユーザは違和感なく従来と同様の操作を行うことができる。上述のように、キー配置にゆとりを持たせられると共に、表示文字を大きくすることができるので、ダイレクトキー操作モードにおける操作性も向上させることができる。
【0060】
以上、この発明の一実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述の一実施の形態では、複数の操作キーを有する電子機器としてリモコン装置について説明したが、これに限られず、例えば携帯電話等の電子機器に適用させてもよい。
【0061】
また、上述の一実施の形態では、ダイレクトキー操作モードと方向キー操作モードとを切り替える切替手段として、操作モード切替キー15を用いる構成について説明したが、例えば、リモコン装置1にスライド式のスイッチ等を設けて操作モードを切り替える構成としてもよい。
【0062】
また、上述の一実施の形態では、上下方向キーを用いて所望の列を選択した後、左右方向キーを用いて所望の操作キーを個別に選択する構成としたが、方向キーを用いて所望のキーを選択する方法はこれに限られず、操作キーの配列に応じて適宜選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の一実施の形態によるリモートコントローラ装置の一例を示す平面図である。
【図2】この発明の一実施の形態によるリモートコントローラ装置の発光部の一例を示す断面図である。
【図3】所望の操作キーを選択する方法の一例を説明するための略線図である。
【図4】この発明の一実施の形態によるリモートコントローラ装置の一例を示すブロック図である。
【図5】この発明の一実施の形態による受信装置の一例のブロック図である
【図6】方向キー操作モードにおける送信処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1・・・リモートコントローラ送信装置
2・・・主面部
3・・・送信部
4・・・電源オン/オフ用キー
13・・・方向キー
14・・・決定キー
15・・・操作モード切替キー
16・・・シリコンラバーシート
17・・・基板
18・・・発光部
19・・・制御部
20・・・操作入力部
21・・・フロントエンド部
23・・・デマルチプレクサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作キーが複数の列に二次元的に配列された主面部を有する電子機器であって、
上記複数の操作キーのそれぞれと対応して設けられ、該複数の操作キーにおいて選択される操作キーの位置を表示する複数の発光部と、
上記複数の発光部の点灯/消灯を列ごとに切り替えて上記選択される操作キーが含まれる列と対応する上記発光部を点灯させる第1のキー操作と、上記複数の発光部のうちの上記選択される操作キーと対応する上記発光部を点灯させる第2のキー操作と、該第1のキー操作および該第2のキー操作によって選択される操作キーを決定する第3のキー操作とを行うようになされた選択部と、を備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記複数の操作キーが、縦長に配列され、
上記縦長に配列された方向を上下方向、該上下方向と垂直な方向を左右方向とした場合に、
上記選択部は、上記第1のキー操作を行う上下方向キーと、
上記第2のキー操作を行う左右方向キーと、
上記上下方向キーおよび上記左右方向キーの近傍に設けられ、上記第3のキー操作を行うようになされた決定キーと、を有する
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記複数の操作キーを直接押圧して操作を行う第1の操作モード、および上記選択部を用いて操作を行う第2の操作モードのいずれかを切り替える切替部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
上記選択部が、上記主面部のほぼ中央に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−49596(P2009−49596A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212238(P2007−212238)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】