説明

電子機器

【課題】クリック操作部とポインタ操作部とが、筐体の表面に、より操作しやすい状態に配置された電子機器を得る。
【解決手段】電子機器の第一の本体部2は、筐体2aと、筐体2aの外面としての傾斜面2eに配置されたポインタ操作部8と、筐体2aの外面としての表面2bに配置されたクリック操作部7Aと、表面2bに配置されたクリック操作部7B,7Cと、を備える。クリック操作部7Aは、ポインタ操作部8よりも筐体2aの奥行き方向手前側(図2では下側)の端縁2fから遠い位置に配置され、クリック操作部7B,7Cは、クリック操作部7Aよりも端縁2fから遠い位置に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体の表面に、手動での入力操作部として、ディスプレイに表示されるポインタの位置を変化させるポインタ操作部と、クリック操作を行う複数のクリック操作部と、を備えた電子機器としてのパーソナルコンピュータが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−527045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1をはじめとする従来のこの種の入力操作部を備える電子機器では、ポインタ操作部の両側にクリック操作部が配置されているものが多い。このような配置のポインタ操作部およびクリック操作部が片手で操作される場合、手の親指、人差し指、中指の配置から、ポインタ操作部は、人差し指で操作される場合が多くなる。
【0005】
しかし、この場合に、クリック操作部も人差し指で操作されると、人差し指をポインタ操作部とクリック操作部との間で移動させることが必要となるため、より迅速な操作が難しくなる。
【0006】
一方、クリック操作部が親指と中指で操作される場合には、所謂マウスのクリック操作部が一般的に人差し指と中指で操作されるのに対して、操作する指が変わることになる。したがって、マウスを使いなれているユーザにとっては、クリック操作部を親指で操作するのに慣れ難い場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、クリック操作部とポインタ操作部とが、筐体の表面に、より操作しやすい状態に配置された電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態にかかる電子機器にあっては、筐体と、前記筐体の外面上に露出する状態で配置されたキーボードと、前記キーボードに対して奥行き方向の手前側で前記筐体の外面上に露出する状態で配置され、画面上のポインタに対する移動操作を受け付けるポインタ操作部、前記ポインタの位置に対するクリック操作を受け付ける第一のクリック操作部、および前記ポインタの位置に対するクリック操作を受け付ける一つまたは複数の第二のクリック操作部を含む操作部と、を備え、前記ポインタ操作部、前記第一のクリック操作部、および前記第二のクリック操作部のうち、前記ポインタ操作部が前記奥行き方向の最も手前側に配置され、前記第一のクリック操作部が、前記ポインタ操作部よりも前記奥行き方向の奥側に配置され、前記第二のクリック操作部が、前記第一のクリック操作部よりも前記奥行き方向の奥側に配置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポインタ操作部を親指で操作し、第一および第二のクリック操作部を人差し指と中指で操作しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる電子機器の斜視図である。
【図2】図2は、電子機器の第一の本体部の平面図である。
【図3】図3は、電子機器の第一の本体部の平面図であって、ユーザが両手(主として右手)で操作している状態を例示的に示す図である。
【図4】図4は、電子機器の第一の本体部の側面図であって、ユーザが右手で操作している状態を例示的に示す図である。
【図5】図5は、電子機器の第一の本体部の平面図であって、ユーザが左手で操作している状態を例示的に示す図である。
【図6】図6は、電子機器内部の回路構成の一部を示す概略図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態にかかる電子機器の第一の本体部の平面図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施形態にかかる電子機器の第一の本体部の平面図である。
【図9】図9は、本発明の第4実施形態にかかる電子機器の第一の本体部の平面図である。
【図10】図10は、本発明の第5実施形態にかかる電子機器の第一の本体部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。また、図6を除く各図では、説明の便宜上、方向を規定している。X方向およびY方向は、第一の本体部の筐体の表面に略沿う方向であり、X方向はその筐体の幅方向、Y方向は筐体の奥行き方向である。Z方向は、第一の本体部の筐体の表面に垂直な方向(第一の本体部の厚さ方向)である。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交している。
【0012】
<第1実施形態>
まずは、図1〜6を参照して、本発明の第1実施形態にかかる電子機器1について説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態にかかる電子機器1は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータとして構成されており、矩形状の扁平な第一の本体部2と、矩形状の扁平な第二の本体部3と、を備えている。これら第一の本体部2および第二の本体部3は、ヒンジ機構4によって、図1に示す展開状態と図示しない折り畳み状態との間で回動軸Ax回りに相対回動可能に接続されている。
【0014】
第一の本体部2には、筐体2aの外面としての表面2b側に露出する状態で、入力操作部としてのキーボード5、クリック操作部7A〜7C、およびポインタ操作部8が設けられている。一方、第二の本体部3には、筐体3aの外面としての表面3b側に露出する状態で、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ6が設けられている。展開状態では、キーボード5、クリック操作部7A〜7C、ポインタ操作部8、およびディスプレイ6が露出し、ユーザが使用可能な状態となる。一方、折り畳み状態では、表面2b,3b同士が相互に近接した状態で対向して、キーボード5、クリック操作部7A〜7C、ポインタ操作部8、およびディスプレイ6が、筐体2a,3aによって隠された状態となる。本実施形態では、クリック操作部7A〜7Cおよびポインタ操作部8が操作部に相当する。
【0015】
図2に示すように、キーボード5は、電子機器1のユーザの使用状態における第一の本体部2の幅方向(X方向)に広く、奥行き方向(Y方向)に狭い、略矩形状(本実施形態では長方形状)の領域を占有している。よって、X方向は、キーボード5の設置領域の長手方向であり、Y方向は、キーボード5の設置領域の短手方向であると言える。また、X方向は、表面2bに略沿うとともに端縁2fに沿う方向であり、Y方向は、表面2bに略沿うとともに端縁2fと垂直な方向であると言える。
【0016】
ポインタ操作部8は、ディスプレイ6の画面上に例えば矢印等で表示されるポインタの表示位置を動かす操作を受け付ける入力操作部であって、本実施形態では、トラックボールとして構成されている。また、本実施形態では、図1に示すように、筐体2aの側壁2cの長手方向(X方向)中央部の上部(すなわち、表面2b側の角部)に、切欠状の凹部2dが形成されており、この凹部2dの奥側には、図4にも示すように、斜め上方(すなわち、奥行き方向の手前側(ユーザ側)と上方との間となる方向)を法線方向Pとする傾斜面2eが形成されている。ポインタ操作部8は、この傾斜面2e上に露出した状態で設けられている。なお、図2,4等に示すように、展開状態(使用状態)では、ポインタ操作部8は、表面2bの上方側にも露出する。また、ポインタ操作部8は、凹部2d内に収容されているため、折り畳み状態となっても第二の本体部3とは干渉しない。
【0017】
クリック操作部7A〜7Cは、画面上のポインタの位置に対するクリック操作による入力を受け付ける入力操作部であって、本実施形態では、押しボタンとして構成されている。クリック操作部7A〜7Cは、図2に示すように、平面視で、ポインタ操作部8とキーボード5との間に配置されている。
【0018】
クリック操作部7Aは、ポインタ操作部8に対して奥行き方向(Y方向)の奥側の位置、すなわち、ポインタ操作部8よりも奥行き方向(Y方向)の手前側の端縁2fから遠い位置に、配置されている。
【0019】
また、クリック操作部7B,7Cは、クリック操作部7Aとキーボード5との間に配置され、クリック操作部7Aに対して奥行き方向(Y方向)の奥側の位置、すなわち、クリック操作部7Aよりも奥行き方向(Y方向)の手前側の端縁2fから遠い位置に、配置されている。すなわち、本実施形態では、クリック操作部7Aが第一のクリック操作部に相当し、クリック操作部7B,7Cが第二のクリック操作部に相当する。
【0020】
ポインタ操作部8およびクリック操作部7Aは、平面視で、端縁2fの中点(長手方向(X方向)の中間点)Mを通り、端縁2fと垂直な方向(Y方向)に沿う仮想線分VLに沿って並べられている。すなわち、ポインタ操作部8およびクリック操作部7Aは、奥行き方向(Y方向)に整列されている。仮想線分VLは、ポインタ操作部8およびクリック操作部7Aの配列の中心線である。すなわち、図2に示す平面視(表面2bの平均的な平面に対する法線方向からのビュー)で、ポインタ操作部8の中心cdおよびクリック操作部7Aの中心caは、いずれも、仮想線分VL上に配置されている。
【0021】
そして、クリック操作部7B,7Cは、平面視で、ポインタ操作部8およびクリック操作部7Aの配列の中心線としての仮想線分VLについて、線対称に配置されている。すなわち、これらクリック操作部7B,7Cは、幅方向(X方向)に沿って整列されるとともに、いずれも、クリック操作部7Aに対して、端縁2fに沿う方向(幅方向、X方向)にずらして配置されている。ただし、クリック操作部7Bとクリック操作部7Cとで、クリック操作部7Aに対するずれ方向が相違しており、本実施形態では、相互に逆となっている。クリック操作部7Bは、クリック操作部7Aに対してX方向一方側(図2では右側)にずらして配置され、クリック操作部7Cは、クリック操作部7Aに対してX方向他方側(図2では左側)にずらして配置されている。
【0022】
また、本実施形態では、ポインタ操作部8およびクリック操作部7Aの中心cd,ca間の距離L1が、クリック操作部7Aおよびクリック操作部7Bの中心ca,cb間の距離L2、ならびに、クリック操作部7Aおよびクリック操作部7Cの中心ca,cc間の距離L3よりも、長くなっている(L1>L2、L1>L3)。また、クリック操作部7Aおよびクリック操作部7Bの中心ca,cb間の距離L2と、クリック操作部7Aおよびクリック操作部7Cの中心ca,cc間の距離L3とは、同じである(L2=L3)。
【0023】
上述したようなポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A,7Bの配置により、図3に示すように、ポインタ操作部8を右手RHの親指F1で操作し、クリック操作部7Aを右手RHの人差し指F2で操作し、クリック操作部7Bを右手RHの中指F3で操作することができる。図3を参照すれば、ポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A,7Bが、右手RHの前腕が幅方向右側かつ奥行き方向手前側から幅方向左側かつ奥行き方向奥側に向けて斜めに伸びる姿勢で、右手RHの親指F1、人差し指F2、中指F3で操作しやすい配置となっていることが容易に理解できよう。
【0024】
さらに、図4に示すように、本実施形態では、ポインタ操作部8が配置される筐体2aの外面としての傾斜面2eの法線方向Pは、奥行き方向手前側と上方との間を指向し、筐体2aの外面としての表面2bの法線方向は、上方(Z方向)を指向している。表面2bと傾斜面2eとは、鈍角となる角度θ(例えば135°)で交叉している。筐体2aの表面2b上に右手RHを乗せた場合、手の構造上、親指F1は手のひらの中心側かつ下側となる斜め下方に向けて動かしやすい。このため、ポインタ操作部8を親指F1で操作し、クリック操作部7Aを人差し指F2で操作し、クリック操作部7Bを中指で操作することを想定する場合には、クリック操作部7A〜7Cの設置面としての表面2bの法線方向が上方を指向し、ポインタ操作部8の設置面としての傾斜面2eの法線方向Pが奥行き方向手前側と上方との間となる斜め上方を指向する構成とするのが好適である。これにより、傾斜面2eと親指F1の腹とをより平行な状態に近付けることができ、ポインタ操作部8の操作性を高めることができる。かかる構成は、左手LHに対しても有効である。
【0025】
また、図5に示すように、ポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A,7Cの配置は、左手LHで操作される場合に好適である。すなわち、ポインタ操作部8を左手LHの親指F1で操作し、クリック操作部7Aを左手LHの人差し指F2で操作し、クリック操作部7Cを左手LHの中指F3で操作することができる。図5を参照すれば、ポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A,7Cが、左手LHの前腕が幅方向左側かつ奥行き方向手前側から幅方向右側かつ奥行き方向奥側に向けて斜めに伸びる姿勢で、左手LHの親指F1、人差し指F2、中指F3で操作しやすい配置となっていることが容易に理解できよう。
【0026】
すなわち、図3,5から明らかとなるように、本実施形態にかかるポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A〜7Cの配置は、右手RHおよび左手LHの双方について、親指F1、人差し指F2、および中指F3による操作性を高めることができるのである。
【0027】
また、図6に示すように、本実施形態にかかる電子機器1は、CPU(Central Processing Unit)10a、ノースブリッジ10b、サウスブリッジ10c、メモリ10d、ビデオコントローラ10e、ハードディスクドライブ(HDD)10f、EC/KBC(Embedded Controller / Keyboard Controller)10g、電源回路10h等を備えている。これら各部は、バス等を介して相互に接続されている。なお、図6は、回路構成の一部を例示的に示すものである。
【0028】
CPU10aは、システム全体の制御を司る。HDD10fには、種々のデータの他、OS(Operating System)や、OS上で動作する各種のアプリケーションプログラム、ドライバプログラム等が記憶される。電源が投入されると、OSがメモリ10dにロードされ、起動される。アプリケーションプログラムやドライバプログラムも、メモリ10dにロードされて、CPU10aによる実行が可能な状態となる。
【0029】
ビデオコントローラ10eは、ディスプレイ6の画面の表示の制御を行う。ディスプレイ6の画面上でのポインタ(図示せず)の表示は、ビデオコントローラ10eによって制御される。
【0030】
EC/KBC10gは、電源回路10hを制御するエンベデッドコントローラと、キーボード5、クリック操作部7A〜7C、ポインタ操作部8等を制御するコントローラ(キーボードコントローラ)とが集積されたマイクロコンピュータである。EC/KBC10gでは、キーボード5、ポインタ操作部8、クリック操作部7A〜7Cの操作に応じた操作信号が生成され、CPU10aへ送られる。これらの操作信号は、例えば、CPU10aで動作するドライバプログラムやアプリケーションプログラムで処理される。クリック操作部7A〜7Cによる操作信号は、例えば、ドライバプログラムやアプリケーションプログラムにしたがったCPU10aやEC/KBC10gの動作によって、可変設定することができる。例えば、ポインタ操作部8およびクリック操作部7A、7Bを主として右手RHで操作するユーザは、プログラムによって、クリック操作部7Cをシフトキーやいずれかのファンクションキーとして使うなど、当該クリック操作部7Cを何らかの機能スイッチに設定することができる。同様に、ポインタ操作部8およびクリック操作部7A,7Cを主として左手LHで操作するユーザは、プログラムによって、クリック操作部7Bをシフトキーやいずれかのファンクションキーとして使うなど、当該クリック操作部7Bを何らかの機能スイッチに設定することができる。
【0031】
以上、説明したように、本実施形態では、第一のクリック操作部としてのクリック操作部7Aが、ポインタ操作部8よりも端縁2fから遠い側に配置され、第二のクリック操作部としてのクリック操作部7B,7Cが、第一のクリック操作部としてのクリック操作部7Aよりも端縁2fから遠い側に配置されている。よって、ポインタ操作部8を親指F1で操作し、クリック操作部7Aを人差し指F2で操作し、クリック操作部7B,7Cを中指F3で操作しやすくなって、使いやすくなる。すなわち、ポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A〜7Cを片手で操作しやすくなるとともに、クリック操作部7B,7Cについてはマウスを使うときと同じ指で操作することができる。
【0032】
また、本実施形態では、ポインタ操作部8の中心cdとクリック操作部7Aの中心caとの距離L1が、クリック操作部7B,7Cの中心cb,ccとクリック操作部7Aの中心caとの距離L2,L3より長い。手の構造上、右手RHあるいは左手LHを筐体2aの表面2b上に乗せた場合、親指F1の指先と人差し指F2の指先との距離は、人差し指F2の指先と中指F3の指先との距離より長くなる場合が多い。したがって、このような配置とすることで、より一層使いやすくなる。
【0033】
また、本実施形態では、クリック操作部7B,7Cが、ポインタ操作部8およびクリック操作部7Aの配列(中心cd,caを通る仮想線分VL、延長線を含む)に対してずれた位置に配置された。手の構造上、右手RHあるいは左手LHを筐体2aの表面2b上に乗せた場合、中指F3の指先は、平面視で、親指F1の指先と人差し指F2の指先とを結ぶ線分およびその延長線に対して、その線分から側方にずれる場合が多い。したがって、このような配置とすることで、より一層使いやすくなる。
【0034】
また、本実施形態では、ポインタ操作部8およびクリック操作部7Aの配列(仮想線分VL)は、Y方向(奥行き方向、端縁2fと垂直な方向)に沿っている。したがって、第二のクリック操作部としての二つのクリック操作部7B,7Cを、配列(仮想線分VL)を挟んだ幅方向(X方向、ユーザにとっての左右方向)の両側に配置することができるため、ポインタ操作部8、クリック操作部7A〜7Cを、右手RHおよび左手LHの両方について、使いやすくすることができる。特に、この配置は、右手RHおよび左手LHの両方の前腕の姿勢に対して好適であると言える。
【0035】
また、本実施形態では、第二のクリック操作部としてのクリック操作部7B,7Cが複数設けられた。よって、ポインタ操作部8、クリック操作部7A〜7Cを、右手RHおよび左手LHの両方について、使いやすくすることができる。また、複数のクリック操作部7B,7Cのうちいずれかを、機能スイッチとして用いることができる。
【0036】
また、本実施形態では、配列(仮想線分VL)に対するずれ方向が異なる複数の第二のクリック操作部として、クリック操作部7B,7Cが設けられた。よって、ポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A〜7Cを、右手RHおよび左手LHの両方について、使いやすくすることができる。
【0037】
また、本実施形態では、ポインタ操作部8とクリック操作部7A〜7Cとが、一つの外面としての表面2bの上方に露出する状態に設けられた。したがって、筐体2aの表面2b上に配置した右手RHあるいは左手LHによって、ポインタ操作部8およびクリック操作部7A〜7Cを、より容易に操作することができる。
【0038】
また、本実施形態では、クリック操作部7A〜7Cが、その法線方向が上方を指向する外面としての表面2bに配置され、ポインタ操作部8が、その法線方向Pが奥行き方向手前側を指向する外面としての傾斜面2eに配置された。よって、手の構造上動きやすい方向が異なる親指F1と人差し指F2もしくは中指F3とのそれぞれについて、より適した位置に、表面2bおよび傾斜面2eが形成され、ポインタ操作部8およびクリック操作部7A〜7Cが配置されるため、使い勝手をより向上することができる。
【0039】
<第2実施形態>
図7に示すように、本実施形態の第一の本体部2Aでも、上記第1実施形態と同様に、クリック操作部7A〜7Cは、筐体2aの表面2bに配置されている。一方、筐体2aの表面2bには、クリック操作部7A〜7Cと使用状態でユーザ側となる端縁2fとの間に、平面視で円形状の凹部2gが形成されている。そして、ポインタ操作部8が、凹部2gの底部に配置されている。ポインタ操作部8は、クリック操作部7A〜7Cとともに、筐体2aの表面2bの上方に露出している。
【0040】
ポインタ操作部8が設置される部分の構成は異なるものの、平面視での、ポインタ操作部8ならびに複数のクリック操作部7A〜7Cの位置関係は、上記第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
<第3実施形態>
図8に示すように、本実施形態の第一の本体部2Bでは、平面視でのクリック操作部7A〜7Cの姿勢が、上記第1実施形態と異なっている。すなわち、クリック操作部7A〜7Cは、上記第1実施形態に対して、表面2b内で45°回動した姿勢となっている。このため、複数のクリック操作部7A〜7Cを、V字状に配置することができる。よって、ポインタ操作部8ならびにクリック操作部7A〜7Cを、右手RHおよび左手LHの両方について、使いやすくすることができるとともに、美観の向上を図ることができる。また、矩形状の複数のクリック操作部7A〜7Cを相互により近付けてより密に配置したり、各クリック操作部7A〜7Cをより大きく形成したりしやすくなる。
【0042】
クリック操作部7Aの姿勢(形状)は異なるものの、平面視での、ポインタ操作部8ならびに複数のクリック操作部7A〜7Cの位置関係は、上記第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
<第4実施形態>
図9に示すように、本実施形態の第一の本体部2Cでは、クリック操作部7Aが、上記第1実施形態に比べて、X方向に沿って長く、長方形状に形成されている。クリック操作部7Aの面積が広くなる分、第1実施形態に比べて、指(人差し指F2)の配置の自由度を高めることができ、より一層操作しやすくなる。
【0044】
クリック操作部7Aの形状は異なるものの、平面視での、ポインタ操作部8ならびに複数のクリック操作部7A〜7Cの位置関係は、上記第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
<第5実施形態>
図10に示すように、本実施形態の第一の本体部2Dでは、クリック操作部7Aは扇形に形成されている。また、クリック操作部7B,7Cは、一定幅を有し、クリック操作部7Aの外径に沿って屈曲する円弧状に形成されている。このように、クリック操作部7A〜7Cの形状は異なるものの、平面視での、ポインタ操作部8ならびに複数のクリック操作部7A〜7Cの位置関係は、上記第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本発明を、ノート型のパーソナルコンピュータ以外の電子機器として実施することができる。また、ポインタ操作部は、タッチパッドや、ポインティングスティック等、他のポインティングデバイスとして構成することができる。また、クリック操作部のスペック(構造、数、形状、大きさ等)も適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明は、ポインタ操作部と少なくとも二つのクリック操作部とを備えた電子機器として有用である。
【符号の説明】
【0048】
1…電子機器、2a…筐体、2b…表面(外面)、2e…傾斜面(外面)、2f…端縁、5…キーボード、7A…(第一の)クリック操作部、7B,7C…(第二の)クリック操作部、ca…(第一のクリック操作部の)中心、cb,cc…(第二のクリック操作部の)中心、cd…(ポインタ操作部の)中心、L1…(ポインタ操作部の中心と第一のクリック操作部の中心との)距離、L2…(第一のクリック操作部の中心と第二のクリック操作部の中心との)距離、VL…仮想線分(配列の中心線)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の外面上に露出する状態で配置されたキーボードと、
前記キーボードに対して奥行き方向の手前側で前記筐体の外面上に露出する状態で配置され、画面上のポインタに対する移動操作を受け付けるポインタ操作部、前記ポインタの位置に対するクリック操作を受け付ける第一のクリック操作部、および前記ポインタの位置に対するクリック操作を受け付ける一つまたは複数の第二のクリック操作部を含む操作部と、
を備え、
前記ポインタ操作部、前記第一のクリック操作部、および前記第二のクリック操作部のうち、前記ポインタ操作部が前記奥行き方向の最も手前側に配置され、
前記第一のクリック操作部が、前記ポインタ操作部よりも前記奥行き方向の奥側に配置され、
前記第二のクリック操作部が、前記第一のクリック操作部よりも前記奥行き方向の奥側に配置されたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記ポインタ操作部の中心と前記第一のクリック操作部の中心との距離が、前記第一のクリック操作部の中心と前記第二のクリック操作部の中心との距離より長いことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第二のクリック操作部が、前記ポインタ操作部および前記第一のクリック操作部の配列からずれた位置に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
複数の前記第二のクリック操作部のうちの一つが前記配列に対して一方側にずれて配置され、複数の前記第二のクリック操作部のうちの別の一つが前記配列に対して他方側にずれて配置されたことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
一つの前記第一のクリック操作部と二つの前記第二のクリック操作部とがV字状に配置されたことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記ポインタ操作部と前記第一および第二のクリック操作部とが、一つの前記外面の上方に露出する状態に設けられたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項7】
前記第一および第二のクリック操作部が、その法線方向が上方を指向する外面に配置され、
前記ポインタ操作部が、その法線方向が前記奥行き方向手前側を指向する外面に配置されたことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体の外面に配置されたポインタ操作部、前記筐体の外面に配置された第一のクリック操作部、および前記筐体の外面に配置されて第一のクリック操作部を挟んで前記ポインタ操作部の反対側に配置された第二のクリック操作部、を含む操作部と、
を備えた
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
筐体と、
その法線方向が上方を指向する前記筐体の外面に配置された二つのクリック操作部、および前記クリック操作部より前記筐体の奥行き方向手前側の端縁に近い位置でその法線方向が前記奥行き方向手前側を指向する外面に配置されたポインタ操作部、を含む操作部と、
を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate