説明

電子機器

【課題】 即時に表示されることが好ましい種別の画像であることを示す情報を付加した画像信号を外部表示装置に対して出力することができる電子機器を提供する。
【解決手段】 画像信号を外部表示装置に対して出力する出力部と、前記出力部により出力された前記画像信号に対応する表示画像が前記外部表示装置に即時に表示されることが好ましい種別の画像信号であるか否かを判別する判別部と、前記種別に基づいて前記画像信号に付加して出力するコンテンツタイプの情報を切り替える切替部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
HDMI(High Definition Multimedia Interface)等のデジタルインタフェースを用いて表示装置に対して画像信号を出力するデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。このデジタルカメラにおいて画像信号を表示装置に対して出力すると、表示装置において画像信号に基づいて動画であるか静止画であるかを判定し、判定結果に基づいて動画及び静止画のそれぞれに適した画像処理を行い画像信号に基づく画像の表示を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−4553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このデジタルカメラの画像信号の出力においては、画像信号が出力されてから表示装置において画像が表示されるまでの遅延時間が考慮されていないため、ライブビュー画像やゲームの画像等、出力されてから即時に表示されることが好ましい画像の表示には適していなかった。
【0005】
本発明の目的は、即時に表示されることが好ましい種別の画像であることを示す情報を付加した画像信号を外部表示装置に対して出力することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、画像信号を外部表示装置に対して出力する出力部と、前記出力部により出力された前記画像信号に対応する表示画像が前記外部表示装置に即時に表示されることが好ましい種別の画像信号であるか否かを判別する判別部と、前記種別に基づいて前記画像信号に付加して出力するコンテンツタイプの情報を切り替える切替部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る電子機器は、画像信号を外部表示装置に対して出力する出力部と、前記出力部により出力された前記画像信号に対応する前記外部表示装置に表示された表示画像を撮像する撮像部と、前記画像信号に付加して出力するコンテンツタイプの情報を切り替えながら前記撮像部により取得した撮像画像に基づいて表示特性の測定を行う測定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子機器によれば、即時に表示されることが好ましい種別の画像であることを示す情報を付加した画像信号を外部表示装置に対して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るテレビのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカメラのテレビに対する画像信号出力処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係るカメラの遅延時間測定処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係るカメラの遅延時間測定処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係るカメラから出力されるテストパターンの画像信号に対応する表示画像を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るカメラから出力されるテストパターンの画像信号に対応する表示画像を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るカメラの遅延時間測定処理後のテレビに対する画像信号出力処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係るカメラから出力されるテストパターンの画像信号に対応する表示画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態に係る電子機器についてカメラを例に説明する。図1は実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。カメラ2はCPU4を備え、CPU4にはレリーズ指示の操作を受け付けるレリーズボタン6、メニュー操作における選択キー及び決定キー等を備える操作部材8、画像処理MCU12、CCD或いはCMOS等により構成され図示しない撮影レンズを介した被写体光を撮像して撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成する撮像素子24、画像データやテレビのコンテンツタイプ毎の遅延時間を記録するメモリカード34を接続するカードスロット32、画像処理MCU12の動作設定に関するデータや遅延時間測定の際に用いるテストパターンの画像データ、後述のフローチャート(図3〜5及び図8参照)に示す処理に対応するプログラム等CPU4が実行する各種プログラムを記憶するFLASH ROM36、撮像素子24から出力されたアナログの画像信号に対してA/D変換を行うことにより生成されたデジタルの画像データを一時的に記憶するRAM38、メモリカード34に記憶された静止画または動画の画像データに基づく画像や撮像素子24から出力される撮影信号に基づく画像であるライブビュー画像、各種設定メニュー画面に対応する信号を再生表示または出力する表示出力回路40、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格に基づいて画像信号、音声信号、情報パケットに対応する信号(以下、情報パケット)を出力するHDMI出力部44が接続されている。
【0011】
CPU4は、操作部材8を構成する各操作部による操作を検知し、検知した結果に応じた処理を実行する。CPU4はレリーズボタン6の操作を検知した場合に、撮像素子24により適正露光時間の間露光させるよう制御する。撮像素子24による露光により得られたアナログの撮像信号はデジタル信号に変換され、画像処理MCU12に出力される。CPU4の指示により、画像処理MCU12は入力されたデジタルの画像信号に対し、色補間処理、ホワイトバランス調整処理、符号圧縮処理等の画像処理を施し記録用の画像データを生成させる。このように生成された記録用の画像データは、CPU4の指示により、メモリカード34に形成された所定のフォルダ内に記録される。
【0012】
また、表示出力回路40には、HDMI出力部44、カメラ2に備えられたLCD表示部46が接続され、HDMI出力部44にはテレビ50等の外部表示装置との接続を有線により行うコネクタ48が接続されている。ここで、HDMI出力部44は、HDMI接続された外部機器へコネクタ48を介して電気的な信号(情報)を送信する機能を備える。
【0013】
図2は本発明の実施の形態に係るテレビのシステム構成を示すブロック図である。テレビ50は、CPU54を備え、CPU54にはDTV(デジタルテレビ)プロセッサ56、音声処理部58、画像処理部60、電気的な信号(情報)を受信する受信部62、ユーザによる入力操作を受け付ける操作部64、コンテンツタイプに対応した表示モードや後述するフローチャート(図4及び図5参照)に示す処理に対応するプログラム等の各種制御プログラムを記憶するROM68、制御処理に用いるデータを一時的に記憶するRAM70、音声出力制御部77、LCD制御部84、BL(バックライト)制御部88が接続されている。
【0014】
チューナ72により、図示しないアンテナを介して地上デジタル波等の放送信号を受信すると、復調器74により放送信号を復調する。復調された放送信号はDTVプロセッサ56に入力される。DTVプロセッサ56は、放送信号を音声処理部58に対して出力する音声信号と画像処理部60に対して出力する画像信号に分けてCPU54に入力する。CPU54は、音声信号を音声処理部58に対して出力し、画像信号を画像処理部60に対して出力する。また、放送信号のうち音声信号、画像信号ではない情報の信号をCPU54に対して出力する。
【0015】
また、受信部62は、コネクタ76を介して入力された信号をCPU54に対して出力する。CPU54は、入力された信号をDTVプロセッサ56に出力する。DTVプロセッサ56は入力された信号を音声信号と画像信号に分けてCPU54に入力する。CPU54は、音声信号を音声処理部58に対して出力し、画像信号を画像処理部60に対して出力する。
【0016】
音声処理部58は入力された音声信号に対する処理を行い、音声出力制御部77の制御によりスピーカ78から音声信号に基づく音声が出力される。また、画像処理部60は入力された画像信号に対して画像処理を行い、画像信号に基づく画像をLCD制御部84によりLCDパネル86に表示する。ここで、音声出力制御部77は、スピーカ78により出力される音声とLCDパネル86に表示される画像とのタイミングを考慮した音声の出力制御を行う。また、LCDパネル86に画像を出力している間はLCDパネル86の明るさを保つために、BL制御部88はBL90の点灯を行う。
【0017】
HDMI規格においては、カメラ2のCPU4からテレビ50に対して画像信号、音声信号の他に情報パケットが出力される。カメラ2のCPU4から出力される情報パケットのうち、AVI InfoFrameのコンテンツタイプを示す情報により、テレビ50における表示モードを指定することができる。ここで、コンテンツタイプとしては、ゲームの表示に適したコンテンツタイプである「ゲーム」、映画鑑賞に適したコンテンツタイプである「シネマ」、写真等の静止画鑑賞に適したコンテンツタイプである「フォト」、文字の表示に適したコンテンツタイプである「グラフィック」及び前述のコンテンツタイプを指定しない「No Data」が挙げられる。
【0018】
テレビ50においては、コンテンツタイプを示す情報が「ゲーム」であるときにはCPU54は、カメラ2のHDMI出力部44により画像信号が出力された出力時点とLCDパネル86における画像信号に対応する表示画像との間の時間差を示す遅延時間が少ない表示モードである「ゲームモード」をROM68から読み出し、コンテンツタイプを示す情報が「シネマ」であるときにはCPU54は映画館を想定し色温度を下げる等の画像処理を行って映像を表示する表示モードである「映画モード」をROM68から読み出し、コンテンツタイプを示す情報が「フォト」であるときにはCPU54は高画質の映像をLCDパネル86に表示する表示モードである「写真モード」をROM68から読み出し、コンテンツタイプを示す情報が「グラフィック」であるときにはCPU54は文字を明確に表示するためのコントラスト調整を行う表示モードである「グラフィックモード」をROM68から読み出す。そして、CPU54はLCD制御部84を制御してROM68から読み出した表示モードで画像をLCDパネル86に表示させる。また、コンテンツタイプを示す情報が「No Data」であることをCPU54が判断した場合には予め設定された標準の表示モードである「デフォルトモード」をROM68から読み出し画像の表示を行う。なお、これらの表示モードの名称とそれらのモードに対応する表示の形態は一例であり、これらの名称に限定されるものではない。
【0019】
ここで、「映画モード」においては、テレビ50のCPU54は画像処理部60を制御して元の画像に対して色温度を変える画像処理を行い、「グラフィックモード」においては、テレビ50のCPU54は画像処理部60を制御して元の画像に対して文字を明確にする処理を行い、「写真モード」においては、テレビ50のCPU54は画像処理部60を制御して元の画像に対してノイズリダクション処理を行う。一方、「ゲームモード」においては、テレビ50のCPU54は色温度を変える画像処理やノイズリダクション処理等を行わないため、他のモードでの表示と比較して遅延時間を少なくすることができる。ただし、これらのモードとこれらのモードに対する画像処理の種類は一例であり、テレビ50のCPU54は画像処理部60を制御してこれらのモードにおいて他の種類の画像処理を行ってもよい。
【0020】
また、一般的なテレビにおいて動画を表示する際には、補間処理が行われる。例えば、テレビ50においては、CPU54は画像処理部60を制御して連続するフレーム間に補間画像を挿入する補間処理等を行い、動画をスムーズに見せるような処理を行う。なお、「ゲームモード」においてはテレビ50のCPU54は補間処理を省略してもよく、この場合には、遅延時間の発生量を抑制することができる。
【0021】
次に、図3に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラのテレビに対する画像信号出力処理について説明する。この画像信号出力処理は、CPU4がFLASH ROM36から対応するプログラムを読み出し実行することにより行われる。
【0022】
ユーザがカメラ2の操作部材8を用いてLCD表示部46にメニュー画面を表示させ、HDMI規格に基づいた外部表示装置への画像及び音声の出力が選択されたとCPU4が判定すると、CPU4はカメラ2とテレビ50がコネクタ48及びコネクタ76を介してHDMI接続が行われているか否かを判定する(ステップS1)。HDMI接続が行われていると判定した場合には、CPU4はテレビ50へ出力する画像信号が、即時に表示されることが好ましいライブビュー画像の画像信号であるか否かを判定する(ステップS2)。一方、ステップS1においてHDMI接続が行われていないと判定した場合には、ステップS1に示す処理を再度行いHDMI接続が行われているか否かを判定する。
【0023】
出力する画像信号がライブビュー画像であると判定した場合には(ステップS2)、CPU4はHDMI規格の情報パケットにおけるAVI InfoFrameのコンテンツタイプの情報を遅延時間が最も少ないと推測される「ゲーム」として画像信号に付加し、テレビ50に対して出力する(ステップS3)。テレビ50においては、コネクタ76を介して画像信号を受信すると、CPU54は、ROM68に記憶された表示モードとコンテンツタイプの対応関係を参照し、受信した画像信号に付加されているコンテンツタイプを示す情報に対応する表示モードを判定する。CPU54は、コンテンツタイプが「ゲーム」であると判定した場合に対応する表示モードである「ゲームモード」を読み出し、「ゲームモード」による表示を行う。
【0024】
一方、CPU4は出力する画像信号がメモリカード34に記憶された画像データに基づく静止画等のライブビュー画像以外の画像信号であると判定した場合には(ステップS2)、コンテンツタイプを示す情報を「フォト」として画像信号に付加し、テレビ50に対して出力する(ステップS4)。なお、カメラ2においては、ライブビュー画像以外の画像信号を出力する場合には、撮像画像の画像データ等の静止画を出力する場合が多いためコンテンツタイプを示す情報を「フォト」としている。テレビ50においては、コネクタ76を介して画像信号を受信すると、CPU54は、ROM68に記憶された表示モードとコンテンツタイプの対応関係を参照し、受信した画像信号に付加されているコンテンツタイプを示す情報に対応する表示モードを判定する。CPU54は、コンテンツタイプが「フォト」であると判定した場合に、対応する表示モードである「写真モード」を読み出し、「写真モード」による表示を行う。
【0025】
次に、図4及び図5に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラの出力に対するテレビにおける表示の遅延時間測定処理について説明する。この遅延時間測定処理は、カメラ2においてはCPU4がFLASH ROM36から対応するプログラムを読み出し実行することにより、テレビ50においてはCPU54がROM68から対応するプログラムを読み出し実行することによりそれぞれ行われる。
【0026】
ユーザがカメラ2の操作部材8を用いてLCD表示部46にメニュー画面を表示させ、カメラ2のHDMI出力部44から画像信号が出力された出力時点と出力された画像信号に対応する表示画像との間の時間差を示す遅延量を測定する遅延時間測定モードが選択されたとCPU4が判定すると、CPU4はカメラ2とテレビ50がコネクタ48及びコネクタ76を介してHDMI接続が行われているか否かを判定する(ステップS11)。HDMI接続が行われていないと判定した場合には、ステップS11に示す処理を再度行いHDMI接続が行われているか否かを判定する。
【0027】
一方、HDMI接続が行われていると判定した場合には、CPU4はFLASH ROM36から確認用のテストパターンを読み出しHDMI出力部44を介してテレビ50に対して確認用のテストパターンの画像信号を出力する(ステップS12)。このとき、テレビ50においては受信部62を介して受信した確認用のテストパターンの画像信号に対応する表示画像をLCDパネル86に表示する。
【0028】
次に、CPU4は「テレビにカメラを向けてください」等、テレビ50に表示された確認用のテストパターンの画像を撮像するためのメッセージを表示する(ステップS13)。ここで、メッセージはカメラ2のLCD表示部46に表示してもよいし、HDMI出力部44を介してメッセージを示す映像信号をテレビ50に対して出力することによりテレビ50に表示してもよい。
【0029】
次に、CPU4はライブビュー撮影を開始し、ライブビュー撮影により取得された画像を解析し、テレビ50に表示された確認用のテストパターンがカメラ2の撮影画角に収まっているか否かを判定する(ステップS14)。例えば、確認用のテストパターンの画像信号に対応する表示画像は、画面全体にパターンを描くような画像、画面の四隅にパターンを描くような画像、画面の四辺にパターンを描くような画像が好ましい。CPU4は、カメラ2により撮影された画像内にこのようなパターンの全領域を認識した場合には、確認用のテストパターンが撮影画角に収まっていると判定し、このようなパターンの少なくとも一部の領域を認識しない場合には、確認用のテストパターンがカメラ2の画角に収まっていないと判定する。確認用のテストパターンがカメラ2の画角に収まっていないと判定した場合には、ステップS14に示す処理を確認用のテストパターンがカメラ2の画角に収まるまで繰り返す。
【0030】
確認用のテストパターンがカメラ2の画角に収まっていると判定した場合には、CPU4はライブビュー撮影を終了すると共に測定開始のメッセージを表示し(ステップS15)、ユーザによる遅延時間測定開始指示が行われたか否かを判定する(ステップS16)。遅延時間測定開始指示が行われない場合には遅延時間測定開始指示が行われるまで待機する。ここで、ステップS15における測定開始のメッセージは、カメラ2のLCD表示部46に表示してもよいし、HDMI出力部44を介してメッセージを示す映像信号をテレビ50に対して出力することによりテレビ50に表示してもよい。例えば、この遅延時間測定開始指示の操作は、レリーズボタン8を操作することにより行われる。
【0031】
CPU54は、遅延時間測定開始指示の操作がされたと判定すると、遅延時間測定開始指示が行われたと判定し(ステップS16)、CPU4はHDMI出力部44を介してテレビ50に対してAVI InfoFrameのコンテンツタイプの情報を「No Data」とした情報パケットを出力する(ステップS17)。このとき、テレビ50においてはCPU54がROM68に記憶された表示モードとコンテンツタイプの対応関係を参照する。そして、コンテンツタイプを示す情報が「No Data」である場合に対応する表示モードである「デフォルトモード」を読み出し、「デフォルトモード」による表示を行う旨の設定をする。
【0032】
次に、カメラ2のCPU4は、HDMI出力部44を介してテレビ50に対して遅延時間測定用のテストパターンの画像信号の出力を開始し(ステップS18)、出力開始から3秒後等、所定時間経過後にテレビ50のLCDパネル86に表示される遅延時間測定用のテストパターンの画像信号に対応する表示画像の撮像を開始する(ステップS19)。
【0033】
ここで、カメラ2は例えば、1フレーム毎に変化するテストパターンの画像信号を出力し、テレビ50に表示されるテストパターンの画像信号に対応する表示画像をライブビュー撮影することによりテレビ50に表示される画像を監視する。CPU4は例えば5秒間等、所定時間ライブビュー撮影を行うことにより撮像画像を取得し、テレビ50に表示されている表示画像が現在出力しているテストパターンの何フレーム前のテストパターンの画像であるかを判定し、判定結果に基づいてコンテンツタイプを示す情報が「No Data」である場合の遅延時間を測定する(ステップS19)。なお、遅延時間測定用のテストパターンにおけるフレームレート(あるフレームを表示させてから次のフレームに切り替割るまでの時間)は固定されているものとする。
【0034】
CPU4は、文字を認識、ブロックの長さを認識、または上述の所定のフレームレートを有する確認用のテストパターンを認識することにより遅延時間を測定する。
【0035】
文字を認識することにより遅延時間を測定する場合には、テストパターンとして例えば、図6に示すように文字を示す画像を用いる。この場合には、1フレーム目に「1」を示す画像の画像信号を出力し、2フレーム目に「2」を示す画像の画像信号を出力し、3フレーム目に「3」を示す画像の画像信号を出力し、カメラ2においてはCPU4は文字認識機能を用いて数字を認識する。CPU4は、取得した撮像画像に基づいてテレビ50に表示されている表示画像が、現在出力しているテストパターンの何フレーム前のテストパターンを示す画像であるかを判定し、遅延時間を求める。
【0036】
また、ブロックの長さを認識することにより遅延時間を測定する場合には、テストパターンとして図7に示すように所定の長さの基準ブロックを表示する画像を用いる。この場合には、全フレームにおいて基準ブロック92及び伸長ブロック94を表示し、フレーム数が多くなる毎に伸長ブロック94が所定の長さ伸長する画像信号を出力し、カメラ2においては、CPU4は基準ブロック92を基準として伸長ブロック94の長さを認識する。CPU4は、取得した撮像画像に基づいてテレビ50に表示されている表示画像が、現在出力しているテストパターンの何フレーム前のテストパターンを示す画像であるかを判定し、遅延時間を求める。コンテンツモードを示す情報が「No Data」である場合の遅延時間を測定すると、ステップS18に示す処理で開始した遅延時間測定用のテストパターンの映像信号の出力及びステップS19に示す処理で開始したライブビュー撮影を終了する(ステップS21)。
【0037】
次に、CPU4はHDMI出力部44を介してテレビ50に対してAVI InfoFrameのコンテンツタイプの情報を「ゲーム」とした情報パケットを出力する(ステップS22)。このとき、テレビ50においてはCPU54がROM68に記憶された表示モードとコンテンツタイプの対応関係を参照する。そして、コンテンツタイプを示す情報が「ゲーム」である場合に対応する表示モードである「ゲームモード」を読み出し、「ゲームモード」による表示を行う旨の設定をする。
【0038】
次に、カメラ2のCPU4は、HDMI出力部44を介してテレビ50に対して遅延時間測定用のテストパターンの画像信号の出力を開始し(ステップS23)、出力開始から3秒後等、所定時間経過後にテレビ50にLCDパネル86に表示されるテストパターンの映像信号に対応する表示画像の撮像を開始する(ステップS24)。次にステップS20に示す処理と同様にコンテンツモードを示す情報が「ゲーム」である場合の遅延時間を測定する(ステップS25)。
【0039】
コンテンツモードを示す情報が「ゲーム」である場合の遅延時間を測定すると、ステップS23に示す処理で開始した遅延時間測定用のテストパターンの映像信号の出力及びステップS24に示す処理で開始したライブビュー撮影を終了する(ステップS26)。
【0040】
次に、CPU4はHDMI出力部44を介してテレビ50に対してAVI InfoFrameのコンテンツタイプの情報を「フォト」とした情報パケットを出力する(ステップS27)。このとき、テレビ50においてはCPU54がROM68に記憶された表示モードとコンテンツタイプの対応関係を参照する。そして、コンテンツタイプを示す情報が「フォト」である場合に対応する表示モードである「写真モード」を読み出し、「写真モード」による表示を行う旨の設定をする。
【0041】
次に、カメラ2のCPU4は、HDMI出力部44を介してテレビ50に対して遅延時間測定用のテストパターンの画像信号の出力を開始し(ステップS28)、出力開始から3秒後等、所定時間経過後にテレビ50にLCDパネル86に表示されるテストパターンの映像信号に対応する表示画像の撮像を開始する(ステップS29)。次に、ステップS20に示す処理と同様にコンテンツモードを示す情報が「フォト」である場合の遅延時間を測定する(ステップS30)。コンテンツモードを示す情報が「フォト」である場合の遅延時間を測定すると、遅延時間測定用のテストパターンの映像信号の出力及びライブビュー撮影を終了する(ステップS31)。
【0042】
次に、CPU4はHDMI出力部44を介してテレビ50に対してAVI InfoFrameのコンテンツタイプの情報を「シネマ」とした情報パケットを出力する(ステップS32)。このとき、テレビ50においてはCPU54がROM68に記憶された表示モードとコンテンツタイプの対応関係を参照する。そして、コンテンツタイプを示す情報が「シネマ」である場合に対応する表示モードである「映画モード」を読み出し、「映画モード」による表示を行う旨の設定をする。
【0043】
次に、カメラ2のCPU4は、HDMI出力部44を介してテレビ50に対して遅延時間測定用のテストパターンの画像信号の出力を開始し(ステップS33)、出力開始から3秒後等、所定時間経過後にテレビ50にLCDパネル86に表示されるテストパターンの映像信号に対応する表示画像の撮像を開始する(ステップS34)、ステップS20に示す処理と同様にコンテンツモードを示す情報が「シネマ」である場合の遅延時間を測定する(ステップS35)。コンテンツモードが「シネマ」である場合の遅延時間を測定すると、遅延時間測定用のテストパターンの映像信号の出力及びライブビュー撮影を終了する(ステップS36)。
【0044】
次に、CPU4はHDMI出力部44を介してテレビ50に対してAVI InfoFrameのコンテンツタイプの情報を「グラフィック」とした情報パケットを出力する(ステップS37)。このとき、テレビ50においてCPU54はROM68からコンテンツタイプを示す情報が「グラフィック」である場合に対応する表示モードである「グラフィックモード」を読み出し、「グラフィックモード」による表示を行う旨の設定をする。
【0045】
次に、カメラ2のCPU4は、HDMI出力部44を介してテレビ50に対して遅延時間測定用のテストパターンを示す映像信号の出力を開始し(ステップS38)、出力開始から3秒後等、所定時間経過後にテレビ50にLCDパネル86に表示される画像の撮像を開始し(ステップS39)、ステップS20に示す処理と同様にコンテンツモードを示す情報が「グラフィック」である場合の遅延時間を測定する(ステップS40)。コンテンツモードを示す情報が「グラフィック」である場合の遅延時間を測定すると、遅延時間測定用のテストパターンの映像信号の出力及びライブビュー撮影を終了する(ステップS41)。
【0046】
次に、CPU4は各コンテンツタイプにおける遅延時間をそれぞれメモリカード34に記録する(ステップS42)。ここで、ライブビュー画像からテレビ50の機種名が文字認識やパターン認識等により取得可能な場合には、機種名に対応付けて各コンテンツタイプにおける遅延時間をメモリカード34に記録する。なお、テレビ50の受信部62から出力された情報をカメラ2が受信可能である場合には、カメラ2のCPU4はHDMI接続によりテレビ50の機種名の情報を取得し、機種名の情報と各コンテンツタイプにおける遅延時間とを関連付けてメモリカード34に記憶させてもよい。また、複数の機種について遅延時間の測定を行った場合には、機種名に対応付けた各コンテンツタイプにおける遅延時間を記録することによりデータベースを構築してもよい。
【0047】
次に、図8に示すフローチャートを参照して遅延時間測定後のカメラのテレビに対する出力処理について説明する。この出力処理は、CPU4がFLASH ROM36から対応するプログラムを読み出し実行することにより行われる。
【0048】
ユーザがカメラ2の操作部材8を用いてLCD表示部46に表示された画面を参照してメニュー操作によりHDMI規格による外部表示装置への映像及び音声の出力が選択されたとCPU4が判定すると、CPU4はカメラ2とテレビ50がコネクタ48及びコネクタ76を介してHDMI接続が行われているか否かを判定する(ステップS51)。HDMI接続が行われていると判定した場合には、HDMI接続が行われているテレビ50の遅延時間を既に測定したか否か判定する(ステップS52)。一方、ステップS51においてHDMI接続が行われていないと判定した場合には、ステップS51に示す処理を行い再度HDMI接続が行われているか否かを判定する。
【0049】
ステップS52においてCPU4は、テレビ50の遅延時間を既に測定したと判定した場合には、CPU4はテレビ50へ出力する画像信号がライブビュー画像の画像信号であるか否かを判定する(ステップS54)。ここで、メモリカード34にテレビ50の機種名の情報と各コンテンツタイプにおける遅延時間とを関連付けて記憶されている場合やデータベースにテレビ50の機種名に対応付けた各コンテンツタイプにおける遅延時間が記憶されている場合には、CPU4はテレビ50の遅延時間を既に測定したと判定する。
【0050】
ステップS52においてテレビ50の遅延時間を未だ測定していないと判定した場合には、図4及び図5に示す遅延時間測定処理を行い(ステップS53)、ステップS54に示す処理を行う。
【0051】
ステップS54において、出力する画像信号がライブビュー画像の画像信号であると判定した場合には、遅延時間測定処理において最も遅延時間が少なかったコンテンツタイプをHDMI規格の情報パケットにおけるAVI InfoFrameのコンテンツタイプの情報を画像信号に付加してテレビ50に対して出力する(ステップS55)。
【0052】
一方、出力する画像信号がライブビュー画像以外の画像信号であると判定した場合には(ステップS54)、コンテンツタイプを示す情報を「フォト」として画像信号に付加してテレビ50に対して出力する(ステップS56)。
【0053】
本実施の形態に係るカメラによれば、即時に表示されることが好ましい種別の画像であることを示す情報を付加した画像信号を外部表示装置に対して出力することができる。
【0054】
なお、上述の実施の形態の図8に示すフローチャートのステップS52の処理においてテレビ50の遅延時間を未だ測定していないと判定した場合には、図4及び図5に示す遅延時間測定処理を行う構成として説明したが、遅延時間を未だ測定していない場合に図3に示すカメラのテレビに対する出力処理を行ってもよい。即ち、遅延時間を未だ測定していない場合であっても遅延時間測定処理を行わずに、出力する画像信号がライブビュー画像の画像信号である場合には、遅延時間が最も少ないと推定されるコンテンツタイプの情報を画像信号に付加して出力する。例えば、図3に示すように出力する画像信号がライブビューの画像信号である場合には付加するコンテンツタイプの情報を「ゲーム」とし、ライブビュー画像以外の画像信号である場合には付加するコンテンツタイプの情報を「フォト」とする。
【0055】
また、上述の実施の形態においては、テレビ50の表示部をLCDパネル86として説明したが、有機ELパネルやプラズマディスプレイパネルであってもよい。
【0056】
また、上述の実施の形態において、遅延時間測定に用いるテストパターンとして文字または基準ブロックを用いる構成を例に説明したが、テストパターンとして基準色を用いる構成としてもよい。この場合には、図9に示すように全フレームにおいて基準色ブロック96を出力し、フレーム毎に基準色ブロック96以外の領域98において色が変化するテストパターンを出力する。例えば、カメラ2のCPU4は白色及び黒色の基準色ブロック96をHDMI出力部44を介してテレビ50に対して出力し、領域98においては1フレーム目において赤、2フレーム目において緑、3フレーム目において青を表示する表示画像となるようにカメラ2のCPU4はテレビ50に対してテストパターンの画像信号の出力を行う。カメラ2においては、ライブビュー撮影により取得した撮像画像に基づいて基準色ブロック96の色を基準として領域98の色を認識する。CPU4は、ライブビュー画像に基づいてテレビ50に表示されている表示画像が、現在出力しているテストパターンの何フレーム前のテストパターンを示す画像であるかを判定し、遅延時間を求める。
【0057】
また、上述の実施の形態においては、カメラ2から画像信号が出力された出力時点とテレビ50における画像信号に対応する表示画像との間の時間差を示す遅延時間を測定する構成として説明したが、CPU4により、テレビ50にAVアンプ等の外部機器が接続されていると判定された場合には、CPU4は、テレビ及びその外部機器からなるテレビシステムとカメラ2との間での遅延時間を測定する処理を実行する構成としてもよい。
【0058】
また、上述の実施の形態の図4及び図5に示すフローチャートにおいて、コンテンツタイプを切り替えながら遅延時間の測定処理を行う際にコンテンツタイプを「No Data」、「ゲーム」、「フォト」、「シネマ」、「グラフィック」の順序で切り替える構成を説明したが、コンテンツタイプを切り替える順序は任意でありどのような順序でもよい。
【0059】
また、上述の実施の形態においては、カメラにおいて即時に表示されることが好ましい種別の画像信号としてライブビュー画像の画像信号を出力する構成を例に説明したが、即時に表示されることが好ましい種別の画像信号として例えば、ゲーム機においてゲームの画像信号を出力する構成としてもよい。
【0060】
また、上述の実施の形態においては、テストパターンの画像信号をテレビ50に出力し遅延時間を測定する構成を例に説明したが、テストパターンの画像信号に対応する表示画像の解像度を測定する構成としてもよい。この場合には、図4及び図5に示す処理と同様に、カメラ2のCPU4は、HDMI出力部44を介してテレビ50にテストパターンの画像信号をコンテンツタイプの情報を切り替えながら出力する。また、カメラ2は表示されたテストパターンに対応する表示画像をライブビュー撮影し、CPU4は取得した撮像画像に基づいてテレビ50に表示される表示画像の解像度をコンテンツタイプ毎に測定する。そして、CPU4はHDMI出力部44を介して測定結果を反映した画像信号を出力することにより、カメラ2から出力される画像信号に対応する表示画像を高画質でテレビ50に表示することができる。
【0061】
また、上述の実施の形態においては、カメラ2とテレビ50等の外部表示装置との接続を有線により行う構成としたが、カメラ2とテレビ50等の外部装置との接続を無線により行ってもよい。
【符号の説明】
【0062】
2…カメラ、4…CPU、12…画像処理MCU、24…撮像素子、34…メモリカード、40…表示出力回路、44…HDMI出力部、50…テレビ、54…CPU、56…DTVプロセッサ、60…画像処理部、62…受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号を外部表示装置に対して出力する出力部と、
前記出力部により出力された前記画像信号に対応する表示画像が前記外部表示装置に即時に表示されることが好ましい種別の画像信号であるか否かを判別する判別部と、
前記種別に基づいて前記画像信号に付加して出力するコンテンツタイプの情報を切り替える切替部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
画像信号を外部表示装置に対して出力する出力部と、
前記出力部により出力された前記画像信号に対応する前記外部表示装置に表示された表示画像を撮像する撮像部と、
前記画像信号に付加して出力するコンテンツタイプの情報を切り替えながら前記撮像部により取得した撮像画像に基づいて表示特性の測定を行う測定部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記出力部により出力された前記画像信号に対応する前記外部表示装置に表示された表示画像を撮像する撮像部と、
前記画像信号に付加して出力するコンテンツタイプの情報を切り替えながら前記撮像部により取得した撮像画像に基づいて表示特性の測定を行う測定部と
を備え、
前記切替部は、前記測定部による測定結果に基づいて前記コンテンツタイプの情報を切り替えることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記測定部は、前記出力部により前記画像信号が出力された出力時点と前記画像信号に対応する前記表示画像との間の時間差を示す遅延量を測定し、前記出力部は、前記外部表示装置に即時に表示されることが好ましい種別の画像信号である場合には、前記遅延量が最も少ないコンテンツタイプの情報を付加して前記画像信号を出力することを特徴とする請求項2または3記載の電子機器。
【請求項5】
前記測定部による測定結果に基づいて、前記外部表示装置における前記表示特性と前記コンテンツタイプの情報とを関連付けて記録媒体に記録させる記録制御部を備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記出力部は、経時変化するパターン画像の画像信号を出力することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記出力部は、HDMIインターフェースを介して前記外部表示装置に対して前記画像信号を出力することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
ユーザにより前記画像信号に付加して出力するコンテンツタイプの情報の切替指示を行う操作部を備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記外部表示装置に即時に表示されることが好ましい種別の画像信号は、ライブビュー画像の画像信号であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−114879(P2012−114879A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264571(P2010−264571)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】