説明

電子機器

【課題】電子機器の小型化を図ること。
【解決手段】電子機器11は、ケース12、表示装置13、ストッパ14及び電子部品15を備えている。ケース12は、表示装置13を保持する。表示装置13は、ケース12に挿入される。ストッパ14は、ケース12にスライドして挿入された表示装置13の縁とケース12の縁との間にできた空間を埋める。ストッパ14が設けられていることによって、ケース12に挿入された表示装置13が後戻りしてケース12から外れてしまうことがないようになっている。電子部品15は、ストッパ14によってできる空間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来の電子機器を示す断面図である。図10に示すように、従来の電子機器は、製造段階において、液晶表示モジュール1を撓ませて、ケース2の縁から内向きに突出する抜け止め用の爪3の下に液晶表示モジュール1の縁を潜り込ませるようにして、ケース2に液晶表示モジュール1を嵌めるようになっている。
【0003】
しかし、液晶表示モジュールを撓ませたときに液晶表示モジュールが割れてしまうことがある。そこで、ケースに液晶表示モジュールを撓ませずに取り付けることができるようにされた電子機器がある。例えば、ケースに液晶表示モジュールをスライドさせて取り付けるようにした電子機器がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−208338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子機器では、スライドさせて取り付けた液晶表示モジュールが後戻りしてケースから外れてしまうのを防ぐためのストッパが必要となる。そのため、ストッパを設ける分、電子機器が大型化してしまうという問題点がある。
【0006】
小型化を図ることができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この電子機器は、ケース、表示装置、ストッパ及び電子部品を備えている。表示装置は、ケースにスライドして挿入される。ストッパは、スライド挿入された表示装置の縁とケースの縁との間にできた空間に搭載される。電子部品は、ストッパが搭載されることによってできる空間に配置される。
【発明の効果】
【0008】
この電子機器によれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例にかかる電子機器を示す正面図である。
【図2】図2は、実施例にかかる電子機器を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1の切断線A−A’における要部断面図である。
【図4】図4は、図1の切断線B−B’における要部断面図である。
【図5】図5は、実施例にかかる電子機器の組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、実施例にかかる電子機器の組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、実施例にかかる電子機器の組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、実施例にかかる電子機器の組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図9】図9は、実施例にかかる電子機器の組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【図10】図10は、従来の電子機器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この電子機器の好適な実施の形態を詳細に説明する。電子機器は、ケースにスライドして挿入された表示装置の縁とケースの縁との間にできた空間をストッパで埋め、ストッパによってできた空間に電子部品を配置するようにしたものである。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
(実施例1)
図1は、実施例にかかる電子機器を示す正面図である。図1に示すように、電子機器11は、ケース12、表示装置13、ストッパ14及び電子部品15を備えている。ケース12は、表示装置13を保持する。表示装置13は、ケース12に挿入される。ストッパ14は、ケース12にスライドして挿入された表示装置13の縁とケース12の縁との間にできた空間を埋める。ストッパ14が設けられていることによって、ケース12に挿入された表示装置13が後戻りしてケース12から外れてしまうことがないようになっている。電子部品15は、ストッパ14によってできる空間に配置される。
【0012】
実施例1によれば、電子部品15をストッパ14から離れた所に配置する場合と比べて、電子部品15の取り付けスペースが不要になるので、電子機器11の小型化を図ることができる。
【0013】
(実施例2)
電子機器の一例として、例えば携帯電話機が挙げられる。実施例2では、携帯電話機は、特に限定しないが、例えば折りたたみ式の電話機であってもよい。
【0014】
図2は、実施例にかかる電子機器を示す斜視図である。図2に示すように、折りたたみ式の携帯電話機では、例えば実施例1において電子機器11としたものは、この電子機器11としたものに重ね合わされる電話機本体21にヒンジ部16,22によって開閉可能に取り付けられている。
【0015】
電子部品15は、例えば光を感知するセンサであってもよい。光を感知するセンサの一例として、例えば照度センサが挙げられる。電子機器11において、ヒンジ部16を挟んでストッパ14の反対側にもストッパ17が設けられていてもよい。ストッパ17も、表示装置13の縁とケース12の縁との間にできた空間を埋めている。
【0016】
ここで、例えば実施例1において表示装置13としたものは、シャッターとして動作する液晶セル及び液晶セルに駆動電圧を印加する駆動回路を備えた液晶表示モジュールを含んでいる。ストッパ14,17は、液晶表示モジュールの縁とケース12の縁との間にできた空間を埋めている。
【0017】
ストッパ17によってできる空間にも電子部品18が配置されていてもよい。電子部品18の一例として、例えばマグネットが挙げられる。なお、電子部品15,18は、照度センサやマグネットに限らない。
【0018】
携帯電話器が閉じられた状態のとき、すなわち電子機器11と電話機本体21とが重ね合わされた状態のとき、電話機本体21の、電子部品18のマグネットに相対峙する位置には、磁気センサ23が配置されていてもよい。磁気センサ23が、電子部品18のマグネットから発生する磁力線を感知することによって、携帯電話機が自身の開閉状態を認識することができる。
【0019】
なお、図1においては、液晶表示モジュールの表面を覆う化粧パネルが省略されている。液晶表示モジュールの周縁、ストッパ14,17及び電子部品15,18、は図示省略した化粧パネルによって覆われており、電子機器11の正面からは見えないようになっている。
【0020】
図3は、図1の切断線A−A’における要部断面図である。切断線A−A’を通る断面は、電子部品15の照度センサを通る。図3に示すように、例えば正面ケース31と背面ケース32とが一体化されてできたケースの凹部に基板33、電子部品15の照度センサ、ストッパ14及び液晶表示モジュール34が収納されている。正面ケース31は、化粧パネル35によって塞がれている。
【0021】
正面ケース31と背面ケース32との間は、例えば止水部材36によって水密に保たれていてもよい。正面ケース31と化粧パネル35との間は、例えば止水部材37によって水密に保たれていてもよい。
【0022】
ストッパ14は、正面ケース31の底板部に例えば両面粘着テープや接着剤などで固定されていてもよい。ストッパ14は、液晶表示モジュール34の縁に接して、液晶表示モジュール34が動かないように押さえている。ストッパ14は、正面から見て例えば電子部品15の照度センサの三側方に沿うような形状(図1及び図7参照)をしていてもよい。電子部品15の照度センサは、ストッパ14及び正面ケース31の縁によって四方が囲まれる空間38に配置されている。
【0023】
なお、液晶表示モジュール34の大きさと照度センサの位置関係によっては、必ずしもストッパ14が照度センサの三側方に沿うような形状をしている必要はなく、照度センサへの液晶表示モジュール34からの光の漏れ込みが防げるのであれば、液晶表示モジュール34と照度センサとの間を塞ぐ一枚の板状であってもよい。
【0024】
ストッパ14は、遮光性を備えていてもよい。例えば、ストッパ14は、光を通さないような色、例えば黒などの濃い色に着色されていてもよい。例えば、ストッパ14は、光を通さないような色の樹脂などの材料でできていてもよい。そうすれば、液晶表示モジュール34が光ったときの光が電子部品15の照度センサに漏れ込むのを抑制することができる。
【0025】
また、正面ケース31の縁も、光を通さないような色に着色されていてもよいし、光を通さないような色の樹脂などの材料でできていてもよい。そうすれば、ストッパ14及び正面ケース31の縁によって四方が囲まれる空間38に光が差し込むのをより一層抑制することができるので、光が電子部品15の照度センサに漏れ込むのをより一層抑制することができる。
【0026】
ストッパ14及び正面ケース31の縁によって四方が囲まれる空間38は、後述する組み立て時に液晶表示モジュール34をスライドさせることによって出現する。従って、この空間38は、液晶表示モジュール34をスライドさせて正面ケース31に取り付けることができるだけの余裕を有する。また、この空間38は、基板33の例えば裏面に取り付けられた電子部品39と、基板33の例えばおもて面に取り付けられた液晶表示モジュール34と、を電気的に接続する例えばフレキシブル基板40を通す空間として利用されてもよい。
【0027】
図4は、図1の切断線B−B’における要部断面図である。切断線B−B’を通る断面は、電子部品18のマグネットを通る。図4に示すように、例えば電子部品18のマグネット及びストッパ17は、正面ケース31と背面ケース32とが一体化されてできたケースの凹部に収納されている。
【0028】
ストッパ17は、正面ケース31の底板部に例えば両面粘着テープや接着剤などで固定されていてもよい。ストッパ17は、液晶表示モジュール34の縁に接して、液晶表示モジュール34が動かないように押さえている。ストッパ17は、正面から見て例えば電子部品18のマグネットの三側方に沿うような形状(図1及び図7参照)をしていてもよい。
【0029】
また、ストッパ17は、電子部品18のマグネットの下面に接する底部を有していてもよい。電子部品18のマグネットは、ストッパ17及び正面ケース31の縁によって四方が囲まれる空間に配置されている。ストッパ17は、電子部品18のマグネットの取り付け位置を決めるために利用されてもよい。
【0030】
なお、電子部品18がマグネットの場合であれば、ストッパ14が照度センサの三側方に沿うような形状をしている必要はなく、またストッパ14が液晶表示モジュール34とマグネットとの間に備えられる必要もない。液晶表示モジュール34を挿入することでできる空間内であり、かつストッパが取付けられていない空間であれば、マグネットをどこに設置してもよい。
【0031】
ストッパ17及び正面ケース31の縁によって四方が囲まれる空間の幅については、上述した空間38の幅と同様に、液晶表示モジュール34をスライドさせることができるだけの余裕、または例えばフレキシブル基板40を通す空間として利用できるだけの余裕を有していてもよい。
【0032】
図5〜図9は、実施例にかかる電子機器の組み立て途中の状態を順に示す斜視図である。電子機器11の組み立て工程では、まず、図5に矢印で示すように、正面ケース31に液晶表示モジュール34を、正面ケース31の正面側から押し当てる。その際、液晶表示モジュール34をヒンジ部16側に寄せる。
【0033】
次いで、図6に矢印で示すように、正面ケース31に押し当てた液晶表示モジュール34をヒンジ部16とは反対の向きへスライドさせる。正面ケース31の、ヒンジ部16とは反対の縁またはその近くには、縁から内向きに突出する図示しない抜け止め用の爪が設けられている。
【0034】
液晶表示モジュール34をスライドさせることによって、液晶表示モジュール34の先端部が、正面ケース31の抜け止め用の爪の下に差し込まれる。従って、上述した、ストッパ14及び正面ケース31の縁によって四方が囲まれる空間38についての余裕とは、液晶表示モジュール34の先端部が正面ケース31の抜け止め用の爪を逃げることができるだけの余裕ということになる。
【0035】
次いで、図7に示すように、液晶表示モジュール34のスライドによって出現した、液晶表示モジュール34と正面ケース31との間の空間41,42にストッパ14,17を取り付ける。これによって、液晶表示モジュール34が動かないように固定される。次いで、図8に示すように、ストッパ17及び正面ケース31の縁によって四方が囲まれる空間43に電子部品18のマグネットを取り付ける。
【0036】
次いで、図9に示すように、正面ケース31に基板33を、正面ケース31の裏面側から組み込む。そして、正面ケース31に化粧パネル35を図示省略した止水部材を挟んで、正面ケース31のおもて面側から取り付ける。また、正面ケース31に背面ケース32を図示省略した止水部材を挟んで、正面ケース31の裏面側から取り付ける。そして、電子機器11の組立てが終了する。
【0037】
実施例2によれば、実施例1と同様の効果が得られる。
【0038】
なお、表示装置13は液晶表示装置に限らない。また、ストッパ14は、正面から見て例えば電子部品15の照度センサの四側方に沿うような形状をしていてもよい。また、ストッパ17は、正面から見て例えば電子部品18のマグネットの四側方に沿うような形状をしていてもよいし、底部を有していなくてもよい。
【0039】
さらに、電子機器は、携帯電話機に限らず、パーソナルコンピュータ等の電子計算機や、携帯型音声録音再生機や、携帯型のテレビ受像機等の電化製品や、ゲーム機等の玩具など、表示装置を有するものであれば、いかなるものであってもよい。
【符号の説明】
【0040】
11 電子機器
12,31 ケース
13,34 表示装置
14,17 ストッパ
15,18 電子部品
38,41,42,43 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースにスライドして挿入される表示装置と、
スライド挿入された前記表示装置の縁と前記ケースの縁との間にできた空間に搭載されるストッパと、
前記ストッパが搭載されることによってできる空間に配置される電子部品と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記空間は、前記ストッパ及び前記ケースの縁で囲まれてできており、
前記電子部品は、前記ストッパ及び前記ケースの縁で囲まれてできた前記空間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子部品は、光を感知するセンサを備え、
前記ストッパは遮光性を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子部品は、磁気を発するマグネットを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−199658(P2012−199658A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61133(P2011−61133)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】