説明

電子機器

【課題】簡単な操作で蓋部材を適切に閉蓋状態で固定することのできるロック機構を有する電子機器を提供する。
【解決手段】筐体11を開口する長尺な収納口25を開閉すべく開閉軸線(Am)周りに回転可能な蓋部材(30)をロック機構50で固定することができる収納室(20)を備える電子機器(10)である。ロック機構50は、固定位置と解除位置とで平行移動可能に蓋部材に設けられる操作部材51と、両端位置に引掛爪部52bを有し固定軸線52d周りに回転可能に長尺方向に互いに間隔を置いて蓋部材に設けられる複数の引掛部材52と、操作部材51の平行移動を引掛部材52の回転に変換する変換部(57、58)と、引掛爪部52bを受け入れ可能に筐体11に設けられる受入溝27と、を有し、変換部は、操作部材51の固定位置で両引掛爪部52bを受入溝27に進入させ、かつ操作部材51の解除位置で両引掛爪部52bを受入溝27から離脱させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉可能とされた蓋部材が設けられた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器では、例えば、電力の供給源となる電池を装填可能に収納する収納室としての電池室を備えている。この電子機器では、電池室が筐体を開口する長尺な収納口を有し、その収納口の開口縁部の一端に設定された開閉軸線回りに回転可能に一端が支持されて蓋部材が設けられているものがある。その電子機器では、蓋部材を開けて開口縁部を露出する(開蓋状態とする)ことにより電池室を開放することができ、蓋部材を閉めて開口縁部を遮蔽する(閉蓋状態とする)ことにより電池室を閉鎖することができる(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した電子機器では、蓋部材を閉蓋状態で維持するために、蓋部材を開口縁部に押し当てた状態で当該蓋部材を固定するロック機構が設ける必要がある。このロック機構は、使い勝手を向上させる観点から、単一の操作部の操作により蓋部材の閉蓋状態での固定とその解除の切り替え操作が可能であることが望ましい。このため、ロック機構は、蓋部材における回転可能に支持された一端とは反対側の他端に爪部を設けるとともに、開口縁部の他端に溝部を設け、操作部の操作により爪部を変位させる構成とすることが考えられる。このロック機構では、爪部と溝部とが互いに引っ掛けられる(係合状態)ことで蓋部材を閉蓋状態で固定し、その係合状態が解除されることで閉蓋状態での固定を解除して蓋部材を開蓋状態とすることを可能とする。
【0004】
ここで、電子機器では、収納された電池の遮蔽および保護の観点から、ロック機構により閉蓋状態で固定された際、電池室の開口縁部に対して蓋部材を偏りなく押し当てた状態であることが望ましい。ところが、上記した構成の電子機器では、蓋部材の他端と開口縁部の他端とをロック機構で固定するものであることから、蓋部材における長尺方向での中間位置を適切に押し当てた状態とすることが困難である。これは、蓋部材が長尺な形状であるとともにその一端が電池室の開口縁部の一端に回転可能に取り付けられていることから、蓋部材が長尺方向の両端位置で開口縁部に押し当てられた状態となることによる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、簡単な操作で蓋部材を適切に閉蓋状態で固定することのできるロック機構を有する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の電子機器は、筐体を開口する長尺な収納口を有する収納室と、前記収納口を塞ぐ蓋部材と、該蓋部材を前記収納口に押し当てた状態で前記筐体に対して前記蓋部材を固定するロック機構と、を備える電子機器であって、前記蓋部材は、長尺方向で見た前記収納口の一端に設定された開閉軸線周りに回転可能に一端が支持され、前記ロック機構は、固定位置と解除位置との間で前記蓋部材の長尺方向に平行移動可能に前記蓋部材に設けられる操作部材と、両端位置に引掛爪部を有し中間位置で前記蓋部材の平板面と直交する固定軸線周りに回転可能に前記蓋部材に設けられる複数の引掛部材と、該各引掛部材に対応して設けられ前記操作部材の前記長尺方向への平行移動を前記引掛部材の前記固定軸線周りの回転に変換する変換部と、前記固定軸線方向への前記引掛爪部の移動を制限すべく該引掛爪部を受け入れ可能に前記筐体に設けられる受入溝と、を有し、前記各引掛部材は、前記長尺方向に互いに間隔を置いて前記蓋部材に設けられ、前記変換部は、前記操作部材が前記固定位置とされると、前記両引掛爪部を前記受入溝に進入させるべく前記各引掛部材を前記固定軸線周りに回転させて前記両引掛爪部を短尺方向で前記蓋部材から突出させ、かつ前記操作部材が前記解除位置とされると、前記両引掛爪部を前記受入溝から離脱させるべく前記各引掛部材を前記固定軸線周りに回転させて前記両引掛爪部を前記蓋部材内に収容させる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の電子機器では、ロック機構により、簡単な操作で蓋部材を適切に閉蓋状態で固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る電子機器の一例としての撮像装置10を正面上側から見た斜視図であり、電池蓋30が閉蓋状態とされた様子を示している。
【図2】撮像装置10を正面下側から見た斜視図であり、電池蓋30が開蓋状態とされた様子を示している。
【図3】撮像装置10の構成を示すブロック図である。
【図4】電池蓋30を外表面側から見た斜視図である。
【図5】電池蓋30を外表面の裏側から見た斜視図である。
【図6】操作部材51を表面側から見た斜視図である。
【図7】操作部材51を裏面側から見た斜視図である。
【図8】引掛部材52を示す斜視図である。
【図9】電池蓋30の外蓋部32に引掛部材52が取り付けられる様子を示す説明図である。
【図10】筐体11内における電池蓋30を示す説明図であり、ロック機構50による閉蓋状態での固定が解除された様子を示している。
【図11】筐体11内における電池蓋30を示す説明図であり、ロック機構50により閉蓋状態で固定された様子を示している。
【図12】ロック機構50における変換部の周辺を示す説明図である。
【図13】引掛爪部52bに対する受入溝27の構成を説明するための、図11の矢印A4から見た説明図である。
【図14】図1のI−I線に沿って得られた断面で示す説明図であり、電池蓋30(外蓋部32)内において操作部材51が解除位置とされた様子を示している。
【図15】図1のI−I線に沿って得られた断面で示す説明図であり、電池蓋30(外蓋部32)内において操作部材51が固定位置とされた様子を示している。
【図16】図1のII−II線に沿って得られた断面で示す説明図であり、電池蓋30(外蓋部32)内において操作部材51が固定位置とされた様子を示している。
【図17】実施例2に係る撮像装置10Bの電池室20Bの構成を説明するための図2と同様の説明図である。
【図18】図17に示す矢印A5で見た電池室20Bの特徴部分を部分的に示す説明図である。
【図19】電池室20Bにおいて反発突起41が設けられた様子を示す説明図である。
【図20】反発突起41を示す説明図である。
【図21】電池室20Bにおける電池蓋30の開閉に伴う作用を説明するための説明図であり、(a)はロック機構50による電池蓋30の固定が解除されている様子を示し、(b)はロック機構50により電池蓋30を閉蓋状態で固定した様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願発明に係る電子機器の各実施例について図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0010】
本願発明に係る電子機器の一例としての実施例1の撮像装置10について図1ないし図16を参照しつつ説明する。なお、図16では、理解容易のために、電池蓋30の内部構造(操作部材51等)を省略して示している。
【0011】
撮像装置10は、図1および図2に示すように、カメラ本体の外形形状を形成する筐体11の前面側に撮影光学系12が設けられて構成されている。この撮影光学系12は、図示は略すが、固定レンズ、ズームレンズ、フォーカスレンズ、シャッタユニットおよび絞りユニット等の複数の光学部材と、それらを移動可能に保持するレンズ鏡胴と、を備える。撮影光学系12では、複数の光学部材を適宜移動させることにより倍率設定を行うことが可能であるとともに、ズームレンズを適宜移動させることによりピント調整を行うことが可能である。その撮影光学系12は、筐体11の外方のおいては、筐体11の前面に直交する方向を撮影光軸方向として構成されている。以下では、筐体11の外方における撮影光学系12の撮影光軸方向をZ軸方向とし、撮像装置10の通常の使用状態での上下方向をY軸方向とし、その2つに直交する方向をX軸方向とする。ここで、Z軸方向の正の側を撮像装置10(筐体11)の正面側(前側)とし、Z軸方向の負の側を撮像装置10(筐体11)の背面側(後側)とする。また、Y軸方向の正の側を上側とし、Y軸方向の負の側を下側とし、X軸方向の正の側を背面側から見て撮像装置10(筐体11)の右側とし、X軸方向の負の側を背面側から見て撮像装置10(筐体11)の左側とする。
【0012】
この撮像装置10は、図3に示すように、撮像素子13とレンズ鏡胴駆動ユニット14と表示部15と制御部16とを有する。撮像素子13は、撮影光学系12により形成された被写体像を取得し、それに基づく信号を制御部16へ向けて出力する。レンズ鏡胴駆動ユニット14は、レンズ鏡胴(図示せず)を介して撮影光学系12(図1および図2参照)の各光学部材(図示せず)を移動させる。
【0013】
制御部16は、撮像素子13からの信号に基づく画像データの生成処理や、レンズ鏡胴駆動ユニット14の駆動等の制御や、図示を略す操作スイッチへの操作の判断等の制御を統括的に行う。この制御部16は、撮影光学系12(図1および図2参照)を経て撮像素子13で画像を取得し、その画像を筐体11(カメラ本体)の後面側に設けられる表示部15に適宜表示させる。撮像素子13、レンズ鏡胴駆動ユニット14および表示部15には、制御部16を介して、後述する電池室20(図2参照)に装填された電池21から電力が供給され、撮影動作等の実行が可能とされている。また、制御部16は、後述する電池室20(図2参照)に装填された記録媒体22への情報(画像データ等)の格納および情報の抽出を行うことが可能とされている。さらに、制御部16は、図示は略すが、後述するHDMI端子23およびUSB端子24(図2参照)に接続された外部入出力端子を経て、外部機器(その制御部)と情報(画像データ等)を遣り取りすることが可能とされている。
【0014】
その電池室20は、本発明に係る電子機器としての撮像装置10に設けられた収納室の一例を示すものであり、図2に示すように、基本的に電池21を装填する空間である。その電池21は、電池室20に適切に装填されることにより、撮像素子13、レンズ鏡胴駆動ユニット14、表示部15および制御部16に、電力を供給する。電池室20は、実施例1では、電池21に加えて記録媒体22の装填が可能であるとともに、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)端子23とUSB(Universal Serial Bus)端子24とが設けられている。その記録媒体22は、電池室20に適切に装填されることにより、制御部16により適宜情報(画像データ等)が格納されたり、情報が抽出されたりする。HDMI端子23およびUSB端子24は、図示は略すがそれぞれの規格に応じた外部入出力端子の接続と可能とするものであり、接続された外部入出力端子を経て外部機器(その制御部)と制御部16との情報(画像データ等)の遣り取りを可能とする。
【0015】
この電池室20は、筐体11の底部(Y軸方向負側)の一部を開口して撮像装置10(筐体11)の外方に通じる収納口25を有する。この収納口25は、実施例1では、電池21の装填箇所と記録媒体22の装填箇所とHDMI端子23とUSB端子24とを取り囲むものとされており、Z軸方向の長さ寸法に比してX軸方向の長さ寸法が大きい長尺な形状とされている。このため、電池室20では、収納口25を経て、電池21の装填や、記録媒体22の装填や、HDMI端子23への接続や、USB端子24への接続を行うことができる。この収納口25は、蓋部材としての電池蓋30により遮蔽可能とされている。
【0016】
電池蓋30は、全体に平板状を呈する。以下の説明では、後述する閉蓋状態(図1参照)の電池蓋30を基準として、X軸方向を電池蓋30の長尺方向とし、Z軸方向を電池蓋30の短尺方向または幅方向とし、Y軸方向を電池蓋30の厚さ方向とする。このため、電池蓋30の長尺方向は、収納口25(電池室20)の長尺方向となり、電池蓋30の短尺方向は、収納口25(電池室20)の短尺方向となり、電池蓋30の厚さ方向は、電池室20の深さ方向(奥行き方向)となる。
【0017】
この電池蓋30は、収納口25における長尺方向(X軸方向)での一端に設定され短尺方向(Z軸方向)に延びる開閉軸線(図2の符号Am参照)回りに回転可能に、筐体11の底面(Y軸方向の負側の面)に設けられている。電池蓋30は、実施例1では、筐体11の底面側に設けられた蓋収容空間26に収容可能な大きさ寸法とされている。この電池蓋30は、収納口25を遮蔽した状態(閉蓋状態)では、図1に示すように、蓋収容空間26に収容されて筐体11の底面の一部を形成する。この蓋収容空間26は、図2に示すように、電池室20の下方(Y軸方向の負側(図2を正面視すると上側))であって、その電池室20と筐体11の外方との間に設けられている。このため、実施例1では、電池室20の収納口25は、蓋収容空間26の奥壁(Y軸方向の正側の位置に存在する壁部)を開口しており、蓋収容空間26を介して撮像装置10(筐体11)の外方に通じている。
【0018】
筐体11には、蓋収容空間26に開口する4つの受入溝27(図2、図11および図16参照)と、蓋収容空間26に開口する受入穴28(図11、図14および図15参照)と、が設けられている。各受入溝27は、蓋収容空間26において、閉蓋状態(図1参照)の電池蓋30を取り囲む内壁面のうち、短尺方向(Z軸方向)の位置に存在する内壁面のそれぞれに、その短尺方向(Z軸方向)で対を為して設けられている(図11参照)。この各受入溝27は、後述する引掛部材52の引掛爪部52bを受け入れることを許容するとともに、受け入れた引掛爪部52bに対して電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)の両側で接することが可能とされている(図13参照)。このため、各受入溝27は、受け入れた引掛爪部52bが厚さ方向(Y軸方向)に移動することを制限する。この対を為す受入溝27は、蓋収容空間26におけるX軸方向(長尺方向)での中間位置であって互いに異なる2つの箇所に設けられている(図11参照)。このため、筐体11では、蓋収容空間26の短尺方向(Z軸方向)に存在する2つの内壁面に、それぞれ2つの受入溝27がX軸方向(長尺方向)に間隔を置いて直列されている(図2および図11参照)。
【0019】
この各受入溝27は、実施例1では、図13に示すように、電池蓋30の長尺方向(X軸方向)で見て、一方の端部が他方の端部よりも電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)で見た間隔が小さく設定されている。この各受入溝27では、後述する引掛爪部52bが外蓋部32から突出される際の移動方向における前側(図10および図11の矢印A2参照)を、X軸方向での一方の端部側として設定されている。各受入溝27では、電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)で見て小さく設定された間隔が、後述する引掛部材52の引掛爪部52bの厚さ寸法に等しく設定されている。
【0020】
受入穴28は、蓋収容空間26において、閉蓋状態(図1参照)の電池蓋30を取り囲む内壁面のうち、長尺方向の他端側(X軸方向の負側)の位置に存在する内壁面に設けられている(図11、図14および図15参照)。この受入穴28は、後述する操作部材51の引掛片部53を受け入れることを許容するとともに、受け入れた引掛片部53に対して電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)の負側で接することが可能とされている。このため、受入穴28は、受け入れた引掛片部53がY軸方向(厚さ方向)の負側に移動することを制限する。
【0021】
この4つの受入溝27および受入穴28は、筐体11(蓋収容空間26)における等しい高さ位置(Y軸方向での設定位置)に設けられている。
【0022】
電池蓋30は、実施例1では、図4および図5に示すように、内蓋部31と外蓋部32と保護吸収部33とを有する。内蓋部31は、電池蓋30において電池室20側に設けられており、電池室20の収納口25の開口縁部25a(図2等参照)に押し当てられる箇所を形成する。この内蓋部31は、全体に収納口25(その開口縁部25a)に等しい形状および大きさ寸法の平板状を呈し、上端縁部(Y軸方向正側の縁部)に封止部材34が設けられている。
【0023】
この封止部材34は、弾性変形が可能な材料で形成され、内蓋部31の上端縁部に対応する環状とされている。封止部材34は、電池蓋30が後述する閉蓋状態(図1参照)とされると、収納口25の内方へと押し込まれて変形しつつ内蓋部31と開口縁部25aとの間で適切に圧縮されて、当該開口縁部25aに密接される(図14、図15および図16参照)。このため、電池蓋30では、閉蓋状態(図1参照)とされると、上端の封止部材34が収納口25の内方へと押し込まれ、その封止部材34を介して内蓋部31が収納口25(その開口縁部25a)に押し当てられることとなる。これにより、内蓋部31は、封止部材34との協働により、収納口25(その開口縁部25a)に押し当てられた状態において、収納口25を封じてそこから電池室20への異物(塵埃等)の侵入を防止する(以下、封止ともいう)。実施例1では、内蓋部31は、収納口25(その開口縁部25a)に押し当てられた状態において、収納口25から電池室20への水の浸入を防止する封止性能(水密性)を有している。この内蓋部31は、外蓋部32に取り付けられている。
【0024】
その外蓋部32は、電池蓋30において筐体11の外方側に設けられており、保護吸収部33との協動により互いの外表面(Y軸方向の負側の表面)で筐体11の底面の一部を形成することができる(図1参照)。換言すると、外蓋部32は、保護吸収部33とともに、互いの外表面を筐体11の底面に沿わせることが可能とされている。外蓋部32には、外表面に操作用開口35が設けられている(図4参照)。この操作用開口35は、後述する操作部材51の操作突起部55がY軸方向(電池蓋30の厚さ方向)に突出することを許容しつつ、その操作突起部55が外蓋部32(電池蓋30)に対して長尺方向(X軸方向)に移動することを許容する(図14および図15参照)。
【0025】
また、外蓋部32には、外表面の裏側となる内表面に2つの軸受部36(図9および図12参照)と、位置決め溝部37(図14および図15参照)と、が設けられている。両軸受部36は、図9および図12に示すように、全体に円筒状を呈し、電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)へ突出されている。この両軸受部36では、その中心軸線(後述する固定軸線52d)回りの回転方向で見て、180度未満の領域が切り欠かれており、厚さ方向で外方から見るとC字形状を呈している。この軸受部36は、外蓋部32におけるX軸方向(長尺方向)での中間位置であって互いに異なる2つの箇所で、X軸方向(長尺方向)に並んで設けられている。
【0026】
位置決め溝部37は、図14および図15に示すように、電池蓋30の短尺方向(Z軸方向)に沿って設けられた解除位置溝37aと固定位置溝37bとを有する。この解除位置溝37aおよび固定位置溝37bは、それぞれの伸長方向に直交する断面で見て外蓋部32の内表面をY軸方向の負側に凹ませて形成されており、後述する操作部材51の位置決め突起部54に適合する形状とされている。すなわち、解除位置溝37aおよび固定位置溝37bは、後述する操作部材51の位置決め突起部54が嵌め込まれることが可能とされている。この解除位置溝37aおよび固定位置溝37bは、X軸方向(長尺方向)で並列して設けられている。この位置決め溝部37は、操作用開口35よりも長尺方向の他端側(X軸方向の負側)に設けられている。位置決め溝部37は、後述する操作部材51の引掛片部53への操作により、当該操作部材51が電池蓋30の長尺方向に平行移動される際、解除位置および固定位置であることの手ごたえ(クリック感)を生じさせることができる。
【0027】
さらに、外蓋部32には、図4および図5に示すように、突出用穴38と、4つの突出用切欠39と、が設けられている。その突出用穴38は、外蓋部32において外表面に直交する位置に存在する外側面のうち、長尺方向(X軸方向)の位置に存在する外側面に設けられている。その突出用穴38は、後述する操作部材51の引掛片部53が、外蓋部32から長尺方向(X軸方向)に突出することを許容する。
【0028】
各突出用切欠39は、外蓋部32において外表面に直交する位置に存在する外側面のうち、短尺方向(Z軸方向)の位置に存在する外側面に設けられている。この各突出用切欠39は、当該外側面のそれぞれに、その短尺方向(Z軸方向)で対を為して設けられている。各突出用切欠39は、後述する引掛部材52の引掛爪部52bが、外蓋部32から短尺方向(Z軸方向)に突出することを許容する。この対を為す突出用切欠39は、外蓋部32におけるX軸方向(長尺方向)での中間位置であって互いに異なる2つの箇所に設けられている。このため、外蓋部32の短尺方向(Z軸方向)の位置に存在する2つの外側面では、それぞれ2つの突出用切欠39がX軸方向(長尺方向)に間隔を置きつつ直列されて設けられている。また、実施例1では、図4に示すように、外蓋部32におけるZ軸方向(短尺方向)の正側の外側面に設けられた2つの突出用切欠39が、X軸方向で見た中間位置をY軸方向に幅を広げる形状とされている。これにより、この2つの突出用切欠39では、後述する引掛部材52の進入(挿入)が可能とされている(図9参照)。
【0029】
この各突出用切欠39は、電池蓋30が閉蓋状態(図1参照)とされると、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた各受入溝27とZ軸方向(短尺方向)で対向される。また、突出用穴38は、電池蓋30が閉蓋状態(図1参照)とされると、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた受入穴28とX軸方向(長尺方向)で対向される。
【0030】
この外蓋部32は、図4および図5に示すように、電池蓋30の長尺方向の一端側(X軸方向の正側)に設けられた補助開閉軸Asを介して保護吸収部33に取り付けられている。その補助開閉軸Asは、保護吸収部33の他端部(X軸方向の負側の端部)において、Z軸方向(短尺方向)に沿って設けられている。
【0031】
その保護吸収部33は、図2に示すように、開閉軸Amを介して蓋収容空間26に設けられている。その開閉軸Amは、蓋収容空間26における一端側(X軸方向の正側)において、Z軸方向(短尺方向)に掛け渡して設けられている。保護吸収部33は、一端部において開閉軸Amを回転自在に受け入れることで、開閉軸Amを介して蓋収容空間26に設けられている。このため、保護吸収部33(その一端部)は、蓋収容空間26に対して開閉軸Am(その軸線)を中心に回転可能に、当該蓋収容空間26の一端側に設けられている。
【0032】
また、保護吸収部33は、図4および図5に示すように、他端部が補助開閉軸Asを中心に回転可能に外蓋部32と連結されている。このため、保護吸収部33は、その他端部が、外蓋部32に対して補助開閉軸Asを中心に回転可能に、当該外蓋部32の一端側と連結されている。この外蓋部32と保護吸収部33とは、補助開閉軸As回りの相対的に回転可能な範囲が、互いの外表面が同一平面上で並列する状態(図2および図4等参照)と、互いの外表面を近付ける回転方向側で両外表面が略直交する状態(図2に示す保護吸収部33に対する二点鎖線の外蓋部32参照)と、の間に設定されている。また、外蓋部32と保護吸収部33とは、図示は略すが補助開閉軸Asを取り巻いて設けられたトーションバネにより、互いの外表面が同一平面状上で並列する状態(図2および図4等参照)へ向けて、補助開閉軸As回りに相対的に押し広げられている。
【0033】
このため、電池蓋30では、基本的には、電池室20(蓋収容空間26)に対して、外蓋部32(内蓋部31を含む)と保護吸収部33とが開閉軸Am回りに一体的に回転可能とされている(図1および図2参照)。この電池蓋30は、封止部材34を介して内蓋部31を電池室20の収納口25の開口縁部25aに押し当てつつ外蓋部32および保護吸収部33(それらの外表面)で筐体11の底面の一部を形成することにより、収納口25(その開口縁部25a)を遮蔽する(図1参照)。このとき、封止部材34は、上述したように、収納口25の内方へと押し込まれつつ内蓋部31と開口縁部25aとの間で適切に圧縮されて、その開口縁部25aに密接される(図15および図16参照)。この明細書では、このように電池蓋30が閉められた状態を閉蓋状態という。また、電池蓋30は、筐体11の底面に対して外蓋部32および保護吸収部33を起立させて内蓋部31を電池室20の収納口25の開口縁部25aから離間させることにより、収納口25(その開口縁部25a)を露出させる(図2参照)。この明細書では、このように電池蓋30が開けられた状態を開蓋状態という。このことから、電池蓋30は、閉蓋状態(図1参照)とされることで電池室20を閉鎖することができ、開蓋状態(図2参照)とされることで電池室20を開放することができる。
【0034】
また、電池蓋30では、開蓋状態(図2参照)とされた際に外蓋部32に不測の力が作用すると当該外蓋部32が保護吸収部33に対して補助開閉軸As回りに回転する(図2に示す二点鎖線の外蓋部32参照)。これにより、電池蓋30は、開蓋状態(図2参照)において不測の力が作用した際に不具合が生じることを抑制することができる。この電池蓋30を閉蓋状態で固定するためにロック機構50が設けられている。
【0035】
このロック機構50は、外蓋部32に設けられる操作部材51と2つの引掛部材52とを有する(図10および図11等参照)。操作部材51は、図6および図7に示すように、全体にX軸方向に長尺な板状を呈する。この操作部材51では、図6を正面視した際に見える表面側に、引掛片部53と位置決め突起部54と操作突起部55と2つの貫通穴56とが設けられている。引掛片部53は、電池蓋30の長尺方向で見た他端側(X軸方向の負側)に突出されており、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた受入穴28(図14および図15参照)への進入(挿入)が可能とされている。この引掛片部53では、突出端部の表面側(Y軸方向で負側となる面)が切り欠かれている。引掛片部53は、突出端部表面側が切り欠かれていることにより、突出端部が先端に向かうに連れて厚さ寸法(Y軸方向での大きさ寸法)が漸減している。
【0036】
位置決め突起部54は、Y軸方向の負側へ向けてV字状(山型)に突出され、その突出端が電池蓋30の短尺方向(Z軸方向)に延びて形成されている。この位置決め突起部54は、外蓋部32の位置決め溝部37の解除位置溝37aおよび固定位置溝37bに適合する形状とされており、それらに嵌め込むことが可能とされている(図14および図15参照)。位置決め突起部54は、操作部材51の引掛片部53と操作突起部55との間における、長尺方向(X軸方向)に沿って設けられた帯状箇所54aに設けられている(図9等参照)。この帯状箇所54aは、引掛片部53と操作突起部55との間で、長尺方向に沿う2つのスリット状の切れ込みにより形成されている。このため、位置決め突起部54は、帯状箇所54aの撓み変形により、操作部材51における電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)への変位が可能とされている。ここで、操作部材51では、引掛片部53と操作突起部55との間が帯状箇所54aの両側に存在する両側箇所54bで長尺方向(X軸方向)に掛け渡されていることから、位置決め突起部54の厚さ方向への変位に拘らず引掛片部53と操作突起部55との位置関係が変化することが防止されている。
【0037】
操作突起部55は、位置決め突起部54と2つの貫通穴56との間で、Y軸方向の負側へ向けて突出されている。この操作突起部55は、Y軸方向の負側へ向けて外蓋部32の操作用開口35内に突出する大きさ寸法であって、その操作用開口35内において長尺方向(X軸方向)に移動することのできる大きさ寸法とされている(図4、図14および図15参照)。操作突起部55は、実施例1では、電池蓋30の短尺方向(Z軸方向)の長さ寸法がその長尺方向(X軸方向)の長さ寸法よりも大きく設定されて、全体に直方体形状とされている。この操作突起部55のX軸方向の正側に2つの貫通穴56が設けられている。
【0038】
その2つの貫通穴56は、操作部材51を電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)に貫通して形成されている。この各貫通穴56は、外蓋部32に設けられた2つの軸受部36(図9参照)に対応されて設けられている。このため、2つの貫通穴56は、X軸方向(長尺方向)に並んで設けられている。各貫通穴56は、それぞれが対応する軸受部36を受け入れることを許容する大きさ寸法であって、受け入れた軸受部36が長尺方向(X軸方向)に相対的に移動することを許容する大きさ寸法とされている(図9、図10および図11参照)。
【0039】
また、操作部材51では、図7を正面視した際に見える裏面側に、解除側押壁部57と固定側押壁部58と解除側止壁部59とが設けられている。この解除側押壁部57と固定側押壁部58と解除側止壁部59とは、それぞれ2つの貫通穴56に対応して設けられている。この解除側押壁部57と固定側押壁部58と解除側止壁部59とは、電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)で見て、外蓋部32の軸受部36に設けられる引掛部材52と等しい高さ位置で干渉することが可能とされている。解除側押壁部57と固定側押壁部58と解除側止壁部59とは、どちらの貫通穴56に対応するものであっても略同様の構成であって同様の作用を得るものであることから、以下では、X軸方向の負側の位置に存在する貫通穴56に対応するもの(図12参照)を用いて説明し、他方の説明は省略する。
【0040】
解除側押壁部57は、貫通穴56におけるZ軸方向の負側の端部であって、かつX軸方向の負側の端部に設けられている。この解除側押壁部57は、貫通穴56の端部から、Z軸方向の負側へ向けて湾曲された後にZ軸方向に沿って延びて形成されている。
【0041】
固定側押壁部58は、貫通穴56におけるZ軸方向の負側の端部であって、かつX軸方向の正側に設けられている。この固定側押壁部58は、解除側押壁部57のX軸方向の正側において、当該解除側押壁部57とX軸方向で対向して設けられている。固定側押壁部58は、解除側押壁部57側に向けて膨らんで湾曲された後に、解除側押壁部57との間隔を広げるようにZ軸方向に対して傾斜する方向に延びて形成されている。
【0042】
解除側止壁部59は、貫通穴56におけるZ軸方向の正側の端部であって、かつX軸方向の負側の端部に設けられている。この解除側止壁部59は、貫通穴56の端部から、Z軸方向の正側であって当該Z軸方向に対してX軸方向の負側へと傾斜する方向に延びて形成されている。
【0043】
このように構成された操作部材51は、外蓋部32の内方に設けられる(図9等参照)。この操作部材51は、図示は略すが、外蓋部32内において、電池蓋30の長尺方向(X軸方向)に延びる案内溝と案内突起とが嵌り合わせられて、外蓋部32に保持されている。このため、操作部材51は、外蓋部32の内方で、電池蓋30の長尺方向(X軸方向)に平行移動(姿勢の変更を伴うことなく長尺方向での位置を変化させる)することが可能とされている(図9から図11参照)。このとき、操作部材51の引掛片部53が外蓋部32の突出用穴38と長尺方向で対向し、操作部材51の位置決め突起部54が外蓋部32の位置決め溝部37(解除位置溝37aと固定位置溝37bとのいずれか)に嵌め込まれる(図14および図15等参照)。また、操作部材51の操作突起部55が外蓋部32の操作用開口35内に配され、操作部材51の各貫通穴56内に外蓋部32の対応する軸受部36が配される(図9参照)。
【0044】
この操作部材51に2つの引掛部材52が設けられる。この2つの引掛部材52は、ともに等しい構成とされていることから、単一の引掛部材52を用いて説明する。引掛部材52は、図8に示すように、全体に長尺な平板状を呈する。この引掛部材52は、実施例1では、金属材料から形成されている。引掛部材52は、長尺方向で見た中央に設けられた回転軸部52aと、長尺方向で見た両端に設けられた2つの引掛爪部52bと、を有する。
【0045】
回転軸部52aは、平坦な引掛部材52から直交する方向に突出されており、全体に円筒形状を呈する。この回転軸部52aは、外蓋部32の軸受部36(図9参照)に回転可能に嵌め込むことが可能とされている。このため、回転軸部52aの中心軸線すなわち外蓋部32の軸受部36の中心軸線が、電池蓋30に対して引掛部材52が回転可能とされる固定軸線52dとなる。この固定軸線52dは、電池蓋30の厚さ方向であるにY軸方向に沿って設定されている。
【0046】
2つの引掛爪部52bは、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた受入溝27(図2および図11参照)への進入が可能とされている。この各引掛爪部52bでは、引掛部材52における短尺方向で見た一端側が、短尺方向の外側に向かうに連れて厚さ寸法が漸減されている。この一端側は、後述するように、操作部材51の外蓋部32内での平行移動に伴って、引掛部材52が回転軸部52a回りに回転された際、引掛爪部52bが外蓋部32から突出される移動方向(図10および図11の矢印A2参照)における前側とされている。
【0047】
また、引掛部材52では、実施例1では、長尺方向で見た中央箇所に拡径部52cが設けられている。この拡径部52cでは、引掛部材52の中央箇所の径を増大させる円板状とされており、その中心位置が回転軸部52aの軸線(中心)と一致されている。
【0048】
この電池蓋30では、上述したように、外蓋部32内において、操作部材51が電池蓋30の長尺方向(X軸方向)に平行移動可能に設けられる(図9参照)。その操作部材51が設けられた外蓋部32では、図9に示すように、2つの引掛部材52が装着される。両引掛部材52は、実施例1では、外蓋部32におけるZ軸方向(短尺方向)の正側の外側面に設けられた2つの突出用切欠39から、外蓋部32内へと進入される。このとき、両引掛部材52の回転軸部52aを、外蓋部32の軸受部36に嵌め込む。その軸受部36は、中心軸線回りの回転方向で見た一部が切り欠かれたC字形状を呈していることから、当該切り欠かれた箇所からの回転軸部52aのX−Z平面に沿う方向での押し入れが可能である。また、各軸受部36は、操作部材51の対応する貫通穴56内に配されている。これにより、両引掛部材52は、操作部材51の2つの貫通穴56内に配された軸受部36の中心軸線(固定軸線52d)回りに、回転可能に外蓋部32に取り付けられる(図10および図11参照)。
【0049】
このとき、各引掛部材52では、拡径部52cの近傍において、X軸方向の負側に解除側押壁部57が接しているとともに、X軸方向の正側に固定側押壁部58が接している(図10から図12参照)。この外蓋部32には、内蓋部31が取り付けられ、かつその内蓋部31には、封止部材34が取り付けられる。そして、外蓋部32が保護吸収部33を介してその開閉軸Amを中心に回転可能に蓋収容空間26に設けられることにより、電池蓋30が筐体11に設けられる(図1および図2参照)。
【0050】
この電池蓋30では、上述した開蓋状態(図2参照)において、操作部材51の位置決め突起部54が外蓋部32の位置決め溝部37の解除位置溝37aに嵌め込まれている(図14参照)。これを、操作部材51の解除位置とする。この操作部材51が解除位置とされた状態を、図10および図14に示す。この解除位置では、操作部材51は、図10に示すように、外蓋部32内において、電池蓋30の長尺方向の一端側(X軸方向の正側)に配されている。このとき、操作部材51の操作突起部55が、外蓋部32の操作用開口35内でX軸方向の正側の位置に存在されている(図14参照)。また、操作部材51の引掛片部53が、外蓋部32の突出用穴38内の位置に存在して外蓋部32(電池蓋30)から突出していない(図2、図10および図14参照)。さらに、2つの引掛部材52は、両端の引掛爪部52bが外蓋部32の対応する突出用切欠39内の位置に存在させて外蓋部32(電池蓋30)から突出させることのない、Z軸方向に対して傾斜する回転姿勢とされている(図2、図10および図14参照)。この引掛部材52は、拡径部52cの近傍であって、解除側押壁部57および固定側押壁部58とはZ軸方向の反対側(正側)において、X軸方向の負側に解除側止壁部59が接している(図10および図12等参照)。
【0051】
その電池蓋30は、上述したように、開蓋状態(図2参照)から開閉軸Am回りに回転されると、電池室20を閉鎖する閉蓋状態(図1参照)とすることができる。このとき、電池蓋30では、封止部材34を介して内蓋部31が電池室20の収納口25の開口縁部25aに押し当てられて、外蓋部32および保護吸収部33(それらの外表面)で筐体11の底面の一部を形成する。ここで、電池蓋30では、閉蓋状態(図1参照)とされると、内蓋部31が電池室20の収納口25の開口縁部25aに押し当てられることから、開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力を受ける。特に、実施例1の電池蓋30では、内蓋部31に弾性変形が可能な封止部材34が設けられていることから、閉蓋状態(図1参照)とされると、内蓋部31と開口縁部25aとの間で封止部材34が圧縮されるので、開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力をより受け易い構成とされている。
【0052】
この閉蓋状態において、外蓋部32の操作用開口35からY軸方向の負側に突出された操作突起部55を、X軸方向の正側へと移動させる(図14の矢印A1参照)。すると、操作突起部55が設けられた操作部材51は、外蓋部32内において、解除位置から電池蓋30の長尺方向の他端側(X軸方向の負側)に変位される。その後、操作部材51では、外蓋部32の位置決め溝部37において解除位置溝37aに嵌め込まれていた位置決め突起部54が(図14参照)、X軸方向の負側へと変位することにより固定位置溝37bに嵌め込まれる(図15参照)。これを操作部材51の固定位置とする。この操作部材51が固定位置とされた状態を、図11および図15に示す。
【0053】
この固定位置では、操作部材51の引掛片部53は、図15に示すように、外蓋部32の突出用穴38から突出されて、外蓋部32(電池蓋30)からX軸方向(長尺方向)に突出される。すると、突出用穴38には、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた受入穴28が、X軸方向(長尺方向)で対向されていることから、引掛片部53が受入穴28内に進入する。この引掛片部53は、Y軸方向の負側の面(表面)が、受入穴28(その内壁面)に接した状態で、受入穴28内に進入する。このとき、引掛片部53では、突出端部の表面側(Y軸方向の負側)が切り欠かれて、突出端部が先端に向かうに連れて厚さ寸法(Y軸方向での大きさ寸法)が漸減していることから、受入穴28(その蓋収容空間26への開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。
【0054】
また、操作部材51が、解除位置(図10参照)からX軸方向の負側へと変位すると、その各固定側押壁部58が対応する引掛部材52の拡径部52cの近傍におけるZ軸方向(短尺方向)の負側の位置を、X軸方向の負側へ向けて押す(図10および図12参照)。これにより、両引掛部材52は、外蓋部32の軸受部36に嵌め込まれた回転軸部52aすなわち固定軸線52dを中心として、図10および図11の矢印A2方向(図10および図11を正面視して時計回り)に回転する。その後、操作部材51が固定位置へと平行移動されると(図11参照)、両引掛部材52は、Z軸方向と平行な姿勢まで回転される。このとき、各引掛部材52の両端の引掛爪部52bは、外蓋部32の対応する突出用切欠39から突出されて外蓋部32(電池蓋30)からZ軸方向(短尺方向)に突出される(図11および図16参照)。すると、各突出用切欠39には、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた各受入溝27が、Z軸方向(短尺方向)で対向されていることから、各引掛爪部52bは対応する受入溝27内に進入する。この各引掛爪部52bでは、引掛部材52における短尺方向で見た一端側が、短尺方向の外側に向かうに連れて厚さ寸法が漸減していることから、受入溝27(その開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。このとき、各受入溝27では、引掛爪部52bが外蓋部32から突出される際の移動方向における前側(図10および図11の矢印A2参照)が、X軸方向での一方の端部とされている。このため、各引掛爪部52bは、受入溝27内において、電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)で見た間隔が小さく設定された一方の端部に進入する(図13参照)。その各受入溝27では、一方の端部側が引掛爪部52bの厚さ寸法に等しく設定されている。このため、各引掛爪部52bは、対応する受入溝27の一方の端部に進入することにより、電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)で見て表裏面が受入溝27(その一方の端部)に接する(図13および図16参照)。
【0055】
このとき、電池蓋30では、図11に示すように、その長尺方向(X軸方向)で見て、一端側で対を為す両引掛爪部52bは、蓋収容空間26に設けられた開閉軸Amと間隔を置く位置で受入溝27に進入しており、他端側で対を為す両引掛爪部52bは、受入穴28内に進入した引掛片部53と間隔を置く位置で受入溝27に進入している。実施例1では、引掛片部53が受入穴28内に進入する位置と、他端側で対を為す両引掛爪部52bが受入溝27に進入する位置と、一端側で対を為す両引掛爪部52bが受入溝27に進入する位置と、蓋収容空間26に設けられた開閉軸Amと、が、電池蓋30の長尺方向(X軸方向)で見て互いに略等しい間隔に設定されている。
【0056】
この状態(操作部材51の固定位置)では、各引掛爪部52bが、受入溝27により電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)への移動が防止されているとともに、引掛片部53が受入穴28によりY軸方向の負側への移動が防止されている。すなわち、電池蓋30では、各引掛爪部52bと各受入溝27との干渉および引掛片部53と受入穴28との干渉により、閉蓋状態(図1参照)から開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力に抗して内蓋部31を開口縁部25aへと押し付けている。このため、各引掛爪部52bと各受入溝27との干渉および引掛片部53と受入穴28との干渉により、電池蓋30が閉蓋状態(図1参照)で維持される。このことから、操作部材51および引掛部材52は、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた4つの受入溝27および受入穴28と協働して、ロック機構50を構成する。
【0057】
この閉蓋状態(図1参照)の維持、すなわちロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態(図1参照)での固定を解除する場合、外蓋部32の操作用開口35からY軸方向の負側に突出された操作突起部55を、X軸方向の負側へと移動させる(図15の矢印A3参照)。すると、操作突起部55が設けられた操作部材51は、外蓋部32内において、固定位置(図11および図15参照)から、電池蓋30の長尺方向の一端側(X軸方向の正側)に変位されて解除位置(図10および図14参照)とされる。このとき、操作部材51の引掛片部53は、筐体11(蓋収容空間26)の受入穴28から後退(離脱)して、外蓋部32の突出用穴38内に存在して外蓋部32(電池蓋30)から突出しないものとされる(図2、図10および図14参照)。
【0058】
また、操作部材51が固定位置からX軸方向の正側へと変位すると、その各解除側押壁部57が対応する引掛部材52の拡径部52cの近傍におけるZ軸方向の負側の位置を、X軸方向の正側へ向けて押す(図11および図12参照)。これにより、両引掛部材52は、外蓋部32の軸受部36に嵌め込まれた回転軸部52aを中心として、図10および図11の矢印A2とは反対方向(図10および図11を正面視して反時計回り)に回転する。その後、操作部材51を解除位置とすると、両引掛部材52は、拡径部52cの近傍におけるZ軸方向の正側の位置が、解除側止壁部59に接する姿勢まで回転される(図10および図12参照)。すると、各引掛部材52の両端の引掛爪部52bは、筐体11(蓋収容空間26)の各受入溝27から後退(離脱)して、外蓋部32の対応する突出用切欠39内に存在して外蓋部32(電池蓋30)から突出しないものとされる(図2、図10および図14参照)。
【0059】
この状態では、電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)への移動を阻害するものがなくなる、すなわちロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態(図1参照)での固定が解除される。このため、電池蓋30は、電池室20を閉鎖する閉蓋状態(図1参照)から開閉軸Am回りに回転することが可能となり、電池室20を開放する開蓋状態(図2参照)とすることができる。このため、ロック機構50では、解除側押壁部57および固定側押壁部58が、電池蓋30の長尺方向で引掛部材52に接する突起部として機能するとともに、操作部材51の電池蓋30の長尺方向への平行移動を引掛部材52の回転軸部52aを中心とする回転に変換する変換部として機能する。
【0060】
本発明に係る撮像装置10では、ロック機構50において、引掛部材52の両端に設けられた各引掛爪部52bを、筐体11(蓋収容空間26)に設けられた各受入溝27に進入させることで、電池蓋30の閉蓋状態(図1参照)を維持することができるので、電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に偏りなく押し当てることができる。これは、以下のことによる。ロック機構50では、引掛部材52が電池蓋30の短尺方向(Z軸方向)に沿う状態とされると、両端の引掛爪部52bが電池蓋30(その外蓋部32)から突出されて各受入溝27に進入される。このため、電池蓋30では、短尺方向に沿う同一の直線上で対を為す位置での引掛爪部52bと受入溝27との干渉により、閉蓋状態(図1参照)から開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力に抗して内蓋部31が開口縁部25aへと押し付けてられている。このため、電池蓋30では、短尺方向での一方と他方とにおいて均等に電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てられることとなる。よって、電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に偏りなく押し当てることができる。
【0061】
また、撮像装置10では、ロック機構50において、両端に各引掛爪部52bを有する引掛部材52が、電池蓋30の長尺方向に沿って複数(実施例1では2つ)設けられていることから、長尺方向で見た複数の位置を短尺方向の一方と他方とで均等に電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てることができるので、電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に偏りなく押し当てることができる。
【0062】
さらに、撮像装置10では、単一の操作突起部55を解除位置と固定位置との間で変位させるだけで、複数の引掛部材52の両引掛爪部52bが各受入溝27に干渉した状態とその解除との切り替え操作、すなわちロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態(図1参照)での固定とその解除との切り替え操作を行うことができるので、簡単な操作とすることができる。
【0063】
撮像装置10では、ロック機構50において、複数の引掛部材52の両引掛爪部52bを各受入溝27に干渉させることで、閉蓋状態(図1参照)から開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力に抗して内蓋部31を開口縁部25aに押し付けていることから、各引掛爪部52b(各受入溝27)にかかる負荷を小さなものとしつつ、電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に偏りなく押し当てることができる。このため、各引掛爪部52b(各受入溝27)において必要となる強度を低減することができるので、より簡易な構成とすることができる。
【0064】
撮像装置10では、ロック機構50において、電池蓋30の長尺方向に沿って複数(実施例1では2つ)設けられた引掛部材52の両引掛爪部52bを各受入溝27に干渉させることで、長尺方向で見た複数の位置を短尺方向の一方と他方とで均等に電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てることができるので、電池蓋30における剛性を抑制しつつ、電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に偏りなく押し当てることができる。これは、以下のことによる。実施例1の電池蓋30において、蓋部材における回転可能に支持された一端とは反対側の他端に爪部を設けるとともに、開口縁部の他端に溝部を設け、操作部の操作により爪部を変位させて溝部に爪部を引っ掛けるだけの構成のロック機構を採用したものとする。すると、電池蓋30は、長尺な形状であるとともに長尺方向の両端位置で開口縁部に押し当てられた状態となり、長尺方向での両端位置のみに開口縁部へ向けた押し当て力が作用することから、開口縁部の全体から反発力を受けることにより開口縁部へと押し当てられていない中間箇所が当該開口縁部から離間するように湾曲することが考えられる。すると、電池蓋30では、電池室の開口縁部への押し当て状態に偏りが生じていることから、電池室を適切に遮蔽および保護することが困難となってしまう。この場合、電池蓋30では、例えば強度の高い金属材料で形成することや厚さ寸法の増加等により剛性を高めることで湾曲変形することを防止することができるが、大きさ寸法の増大や、閉蓋状態とするために必要な力の増大や、コストの増大を招いてしまう。これに対し、実施例1の撮像装置10では、電池蓋30の長尺方向に沿って複数設けられた引掛部材52の両引掛爪部52bを各受入溝27に干渉させていることから、長尺方向での複数の位置における短尺方向の一方と他方とに開口縁部25aへ向けた押し当て力を作用させることができるので、電池蓋30の剛性だけに頼ることなく当該電池蓋30を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に偏りなく押し当てることができる。よって、電池蓋30では、長尺方向での複数の位置における短尺方向の一方と他方とでの開口縁部25aへ向けた押し当て力を勘案した剛性とすれば良いので、上記した構成に比較して必要な剛性を抑制することができる。
【0065】
撮像装置10では、ロック機構50において、操作部材51の電池蓋30の長尺方向への平行移動を、変換部(実施例1では解除側押壁部57および固定側押壁部58)で複数(実施例1では2つ)の引掛部材52の回転軸部52a(固定軸線52d)を中心とする回転に変換することができるので、簡易な構成で操作突起部55の長尺方向(X軸方向)への操作により電池蓋30の閉蓋状態(図1参照)での固定とその解除との切り替えを可能とすることができる。
【0066】
撮像装置10では、ロック機構50において、操作部材51の電池蓋30の長尺方向への平行移動を引掛部材52の回転軸部52aを中心とする回転に変換する変換部が、回転軸部52a回りに回転可能とされた引掛部材52に対して、その回転軸部52aからZ軸方向(短尺方向)に偏芯した位置を解除側押壁部57もしくは固定側押壁部58で押すものであることから、簡易な構成とすることができる。
【0067】
撮像装置10では、ロック機構50における変換部が、引掛部材52に対して、その回転軸部52aからZ軸方向(短尺方向)に偏芯した位置を解除側押壁部57もしくは固定側押壁部58で長尺方向に押すことにより、操作部材51の長尺方向への平行移動を引掛部材52の回転軸部52aを中心とする回転に変換するものであることから、操作部材51における長尺方向での複数の箇所に同様の構成を設けるだけで、単一の操作部材51において複数の引掛部材52に対応する変換部を形成することができる。
【0068】
撮像装置10では、操作部材51における長尺方向での複数の箇所に同様の構成を設けるだけで、単一の操作部材51において複数の引掛部材52に対応する変換部を形成することができるので、引掛部材52の個数を適宜設定することができる。
【0069】
撮像装置10では、ロック機構50における変換部が、各引掛部材52の拡径部52cの近傍において、X軸方向の負側に解除側押壁部57が接しているとともにX軸方向の正側に固定側押壁部58が接して構成されていることから、操作部材51が電池蓋30のX軸方向(長尺方向)の正側に移動されたときとX軸方向(長尺方向)の負側に移動されたときとで、各引掛部材52の回転軸部52a回りの回転方向を逆転させることができる。このため、簡易な構成で操作部材51の長尺方向への変位で電池蓋30の閉蓋状態(図1参照)での固定とその解除との切り替えを可能とすることができる。
【0070】
撮像装置10では、ロック機構50において、操作部材51が固定位置とされると、その引掛片部53が筐体11(蓋収容空間26)に設けられた受入穴28内に進入して厚さ方向(Y軸方向)への移動が防止されることから、より均等に電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てることができる。これは、以下のことによる。電池蓋30は、その長尺方向(X軸方向)で見た一端部(保護吸収部33の一端部)が、蓋収容空間26に対して開閉軸Amを中心に回転可能に、当該蓋収容空間26の一端側に設けられている。また、引掛片部53は、電池蓋30の長尺方向(X軸方向)で見た他端部から、長尺方向へと突出されて筐体11(蓋収容空間26)の受入穴28に進入される。このため、電池蓋30では、長尺方向に沿う同一の直線上で対を為す位置で、開閉軸Amを介する蓋収容空間26への取り付けおよび引掛片部53と受入穴28との干渉により、閉蓋状態(図1参照)から開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力に抗して内蓋部31が開口縁部25aへと押し付けてられている。このため、電池蓋30では、短尺方向での一方と他方とに加えて、長尺方向での一端と他端とにおいて均等に電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てられることとなる。よって、より均等に電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てることができる。
【0071】
撮像装置10では、ロック機構50において、引掛片部53が受入穴28内に進入する位置と、他端側で対を為す両引掛爪部52bが受入溝27に進入する位置と、一端側で対を為す両引掛爪部52bが受入溝27に進入する位置と、蓋収容空間26に設けられた開閉軸Amと、が、電池蓋30の長尺方向(X軸方向)で見て互いに略等しい間隔に設定されていることから、より均等に電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てることができる。
【0072】
撮像装置10では、ロック機構50において、4つの受入溝27と受入穴28とが、筐体11(蓋収容空間26)における等しい高さ位置(Y軸方向での設定位置)に設けられていることから、より均等に電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てることができる。
【0073】
撮像装置10では、ロック機構50がより均等に電池蓋30(その内蓋部31)を電池室20の収納口25(その開口縁部25a)に押し当てた状態でその電池蓋30を固定することができることから、その内蓋部31に設けられた封止部材34をより適切に電池室20の収納口25の開口縁部25aに密接させることができる。このため、封止部材34による水密性をより確実なものとすることができる。すなわち、防水機能を向上させることができる。
【0074】
撮像装置10では、引掛片部53において、突出端部の表面側(Y軸方向の負側)が切り欠かれて、突出端部が先端に向かうに連れて厚さ寸法(Y軸方向での大きさ寸法)が漸減していることから、受入穴28(その蓋収容空間26への開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。
【0075】
撮像装置10では、各引掛爪部52bにおいて、短尺方向で見た一端側が、短尺方向の外側に向かうに連れて厚さ寸法が漸減していることから、受入溝27(その開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。
【0076】
したがって、本発明に係る撮像装置10では、ロック機構50により簡単な操作で蓋部材としての電池蓋30を適切に閉蓋状態で固定することができる。
【実施例2】
【0077】
次に、本発明の実施例2に係る撮像装置10Bについて、図17および図21を用いて説明する。この実施例2は、撮像装置10Bにおける電池室20Bの構成が実施例1とは異なる例である。この実施例2の撮像装置10Bおよびその電池室20Bは、基本的な構成は上記した実施例1の撮像装置10およびその電池室20と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図17は、実施例2に係る撮像装置10Bの電池室20Bの構成を説明するための図2と同様の説明図である。図18は、図17に示す矢印A5で見た電池室20Bの特徴部分を部分的に示す説明図である。図19は、電池室20Bにおいて反発突起41が設けられた様子を示す説明図である。図20は、反発突起41を示す説明図である。図21は、電池室20Bにおける電池蓋30の開閉に伴う作用を説明するための説明図であり、(a)はロック機構50による電池蓋30の固定が解除されている様子を示し、(b)はロック機構50により電池蓋30を閉蓋状態で固定した様子を示している。
【0078】
実施例2に係る撮像装置10Bの電池室20Bでは、図17から図19に示すように、反発突起41が設けられている。この反発突起41は、弾性変形が可能とされており、閉蓋状態(図21(b)参照)とされた電池蓋30に、開蓋状態(図2参照)へ向けて押す力(押圧力)を作用させるものである。反発突起41は、電池室20Bにおいて電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)に沿って、そのY軸方向の負側へ向けて突起されて設けられている。この反発突起41は、電池室20Bにおいて、電池蓋30が閉蓋状態(図21(b)参照)とされると、その内蓋部31の上端面31a(Y軸方向正側の面)に、厚さ方向(Y軸方向)で接する位置に設けられている。実施例2では、反発突起41は、電池蓋30が開蓋状態(図2参照)とされた際、その内蓋部31の上端面31aにおける他端部(X軸方向の負側の端部)に接する位置に設定されている。
【0079】
反発突起41は、実施例2では、電池室20Bを構成する部材とは別の部品で構成されており、弾性変形が可能な材料から形成されている。その反発突起41は、図20に示すように、圧縮部41aと嵌合部41bと抜止部41cとを有する。圧縮部41aは、テーパー状の截頭円錐体形状を呈し、電池室20Bにおいて電池蓋30の厚さ方向(Y軸方向)で突起される箇所となる。嵌合部41bおよび抜止部41cは、電池室20Bにおける表側壁部20aに設けられた取付穴20b(図19参照)に嵌め込まれる箇所である。その表側壁部20aは、電池室20Bにおいて、電池21の装填箇所および記録媒体22の装填箇所を規定するとともに、HDMI端子23およびUSB端子24が設けられた箇所である(図17参照)。その嵌合部41bは、全体に円柱形状を呈し、圧縮部41aに等しい中心軸線とされている。嵌合部41bは、一端が圧縮部41aに連続され、他端が抜止部41cに連続されている。その抜止部41cは、全体に円柱形状を呈し、圧縮部41aに等しい中心軸線とされて、嵌合部41bよりも大きな径寸法とされている。
【0080】
上述した取付穴20bは、図19に示すように、嵌合部41bおよび抜止部41cに適合する穴形状とされている。この反発突起41は、電池室20B側(Y軸方向の正側)から表側壁部20aの取付穴20bに圧縮部41aを挿入し、その取付穴20bに嵌合部41bおよび抜止部41cが嵌め込まれる。その後、反発突起41は、下端(抜止部41cのY軸方向の正側の端面)に受部材20cが宛がわれることにより、電池室20Bに取り付けられる。その受部材20cは、電池室20Bにおいて、装填される電池21や記録媒体22と干渉することのない箇所に取り付けられる。
【0081】
この反発突起41では、圧縮部41aが表側壁部20a(その取付穴20b)から突出されている。また、反発突起41は、嵌合部41bおよび抜止部41cが取付穴20bに嵌め込まれることにより、蓋収容空間26側に抜け出ることが防止されている。さらに、反発突起41は、下端(抜止部41cのY軸方向の正側の端面)に受部材20cが宛がわれることにより、電池室20B側に抜け出ることが防止されている。
【0082】
この撮像装置10Bでは、電池蓋30が開蓋状態である場合、実施例1の撮像装置10と特に変わることはない。撮像装置10Bでは、電池蓋30が開蓋状態(図21(a)参照)から閉蓋状態(図21(b)参照)へ向けて開閉軸Am回りに回転させると、内蓋部31が蓋収容空間26の反発突起41の圧縮部41aに接する。その後、電池蓋30を閉蓋状態へ向けてさらに開閉軸Am回りに回転させると、すなわち電池蓋30(内蓋部31)をY軸方向正側へと移動させると、反発突起41(主にその圧縮部41a)が電池室20B内で圧縮され、封止部材34が収納口25の内方へと押し込まれつつ内蓋部31と開口縁部25aとの間で適切に圧縮されて、電池蓋30が閉蓋状態とされる(図21(b)参照)。このため、撮像装置10Bでは、反発突起41が内蓋部31(電池蓋30)により圧縮されていることを除くと、実施例1の撮像装置10と同様に電池蓋30を閉蓋状態とすることができる(図21(b)参照)。この電池蓋30は、操作突起部55への操作により操作部材51が固定位置とされることで、ロック機構50により閉蓋状態が適切に維持される。
【0083】
この電池室20Bを開放する場合、操作突起部55への操作により操作部材51を解除位置として、ロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態での固定を解除する。すると、電池蓋30では、内蓋部31が反発突起41から開蓋状態へ向けた押圧力を受けている、すなわちY軸方向の負側へ向けて押す力を受けていることから、電池室20Bを閉鎖する閉蓋状態(図21(b)参照)から開閉軸Am回りに回転させることを容易なものとすることができる。この電池蓋30を、電池室20Bを閉鎖する閉蓋状態から開閉軸Am回りに回転されて、開蓋状態(図2参照)とすることにより、電池室20Bを開放することができる。
【0084】
その反発突起41は、実施例2では、電池蓋30(その内蓋部31)に対して、閉蓋状態への開閉軸Am回りの回転を阻害することのない大きさの押圧力を作用させるように、材質(弾性率)および大きさ寸法が適宜設定されている。ここで、閉蓋状態への回転を阻害することのない大きさの押圧力とは、閉蓋状態とするために過度の力を必要としないことを言い、目安として、操作突起部55への操作により操作部材51を解除位置と固定位置との間で平行移動させてロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態での固定とその解除とを円滑に行うことを可能とすることを言う。その円滑に行うとは、例えば、第三者に電池蓋30を閉蓋状態で抑えてもらうことなく、ロック機構50による固定とその解除とを行うことができることを言う。反発突起41は、実施例2では、ロック機構50により閉蓋状態で固定された状態から、それが解除された状態へと移行した際、電池蓋30を閉蓋状態からほとんど移動させることのない(ホップアップさせることのない)大きさの押圧力に設定されている。すなわち、反発突起41は、後述するように、電池蓋30(内蓋部31)の開閉方向(Y軸方向)に直交する方向(X−Z平面に沿う方向)で封止部材34と開口縁部25aとが密着された際、その密着した状態を解除することのない大きさの押圧力に設定されている。この反発突起41は、実施例2では、閉蓋状態とされた電池蓋30の内蓋部31に対して、開閉方向(Y軸方向)で見て2〜3mmの長さ寸法で圧縮部41aが干渉する大きさ寸法に設定されている。
【0085】
実施例2の撮像装置10Bでは、基本的に実施例1の撮像装置10と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0086】
それに加えて、実施例2の撮像装置10Bでは、蓋収容空間26に反発突起41が設けられていることから、ロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態での固定を解除した後に、閉蓋状態(図21(b)参照)から開蓋状態へ向けて電池蓋30を開閉軸Am回りに回転させることを容易なものとすることができる。これは以下のことによる。電池蓋30では、封止部材34が収納口25の内方へと押し込まれつつ内蓋部31と開口縁部25aとの間で適切に圧縮されて、その封止部材34が開口縁部25aに密接されて閉蓋状態とされている(図21(b)参照)。このため、封止部材34は、閉蓋状態では、収納口25の内方へと部分的に嵌まり込むように圧縮されており、開口縁部25aに対して電池蓋30(内蓋部31)の開閉方向(Y軸方向)とは直交する方向(X−Z平面に沿う方向)で密接されていることとなる(図15、図16および図21(b)参照)。このため、電池蓋30(内蓋部31)では、閉蓋状態が長時間維持されていると、封止部材34と開口縁部25aとが上記した直交方向(X−Z平面に沿う方向)で密着された状態となることが考えられる。このため、ロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態での固定を解除しても、電池蓋30を閉蓋状態(図21(b)参照)から開蓋状態へ向けて開閉軸Am回りに回転させることが困難となる場面が生じ得る。これに対し、実施例2の撮像装置10Bでは、蓋収容空間26に反発突起41を設けていることにより、閉蓋状態(図21(b)参照)とされた電池蓋30(その内蓋部31)に対して開蓋状態(図2参照)(Y軸方向負側)へ向けた押圧力を作用させることができる。ここで、反発突起41は、内蓋部31(電池蓋30)との間でY軸方向すなわち電池蓋30(内蓋部31)の開閉方向に圧縮されるものであることから、閉蓋状態が長時間維持されても、電池蓋30(その内蓋部31)に対して開蓋状態(図2参照)へ向けた押圧力を作用させることができる。よって、撮像装置10Bでは、閉蓋状態(図21(b)参照)から開蓋状態へ向けて電池蓋30を開閉軸Am回りに回転させることを容易なものとすることができる。
【0087】
また、実施例2の撮像装置10Bでは、反発突起41が、閉蓋状態への回転を阻害することのない大きさの押圧力に設定されていることから、電池蓋30を閉蓋状態とすることを容易なものとしつつ、ロック機構50による電池蓋30の閉蓋状態での固定とその解除とを円滑に行うことができる。特に、実施例2では、反発突起41は、ロック機構50により閉蓋状態で固定された状態から、それが解除された状態へと移行した際、電池蓋30を閉蓋状態からほとんど移動させることのない大きさの押圧力に設定されていることから、閉蓋状態とすることとロック機構50の操作とをより容易なものとすることができる。
【0088】
さらに、実施例2の撮像装置10Bでは、反発突起41が、開蓋状態(図2参照)とされた電池蓋30の内蓋部31の上端面31aにおける他端部(X軸方向の負側の端部)に接する位置に設定されていることから、反発突起41における圧縮された状態からの復帰する力(弾性率および圧縮量)をより小さく設定しても、電池蓋30に対して適切な大きさの押圧力を作用させることができるので、閉蓋状態とすることとロック機構50の操作とをより容易なものとすることができる。
【0089】
したがって、実施例2の撮像装置10Bでは、ロック機構50Bにより簡単な操作で蓋部材としての電池蓋30を適切に閉蓋状態で固定することができる。
【0090】
なお、実施例2では、反発突起41が電池室20Bを構成する部材とは別の部品で構成されていたが、閉蓋状態とされた電池蓋30に開蓋状態へ向けた押圧力を作用させるものであれば、電池室20Bを構成する部材と一体的に形成してもよく(例えば、表側壁部20aに反発突起としての突起部を一体的に形成する)、上記した実施例2に限定されるものではない。
【0091】
また、実施例2では、反発突起41を弾性変形が可能な材料で形成していたが、電池蓋30の内蓋部31(そのうちの少なくとも反発突起が接する箇所)を弾性変形が可能な材料で形成してもよく、上記した実施例2に限定されるものではない。
【0092】
なお、上記した各実施例では、本発明に係る電子機器について説明したが、筐体を開口する長尺な収納口を有する収納室と、前記収納口を塞ぐ蓋部材と、該蓋部材を前記収納口に押し当てた状態で前記筐体に対して前記蓋部材を固定するロック機構と、を備える電子機器であって、前記蓋部材は、長尺方向で見た前記収納口の一端に設定された開閉軸線周りに回転可能に一端が支持され、前記ロック機構は、固定位置と解除位置との間で前記蓋部材の長尺方向に平行移動可能に前記蓋部材に設けられる操作部材と、両端位置に引掛爪部を有し中間位置で前記蓋部材の平板面と直交する固定軸線周りに回転可能に前記蓋部材に設けられる複数の引掛部材と、該各引掛部材に対応して設けられ前記操作部材の前記長尺方向への平行移動を前記引掛部材の前記固定軸線周りの回転に変換する変換部と、前記固定軸線方向への前記引掛爪部の移動を制限すべく該引掛爪部を受け入れ可能に前記筐体に設けられる受入溝と、を有し、前記各引掛部材は、前記長尺方向に互いに間隔を置いて前記蓋部材に設けられ、前記変換部は、前記操作部材が前記固定位置とされると、前記両引掛爪部を前記受入溝に進入させるべく前記各引掛部材を前記固定軸線周りに回転させて前記両引掛爪部を短尺方向で前記蓋部材から突出させ、かつ前記操作部材が前記解除位置とされると、前記両引掛爪部を前記受入溝から離脱させるべく前記各引掛部材を前記固定軸線周りに回転させて前記両引掛爪部を前記蓋部材内に収容させる電子機器であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0093】
また、上記した各実施例では、ロック機構50において、長尺方向に2つの引掛部材52が設けられて構成されていたが、引掛部材52の個数は電池蓋30における剛性を勘案して適宜設定すればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0094】
さらに、上記した各実施例では、電子機器の一例として電池室(20、20B)を有する撮像装置(10、10B)を示したが、筐体を開口する長尺な収納口を有する収納室が設けられた電子機器であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
【0095】
以上、本発明の電子機器を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は各実施例に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0096】
10、10B (電子機器としての)撮像装置
11 筐体
20、20B (収納室としての)電池室
12 撮影光学系
13 撮像素子
25 収納口
25a 開口縁部
27 受入溝
28 受入穴
30 (蓋部材としての)電池蓋
31 内蓋部
41 反発突起
50、50B ロック機構
51 操作部材
52 引掛部材
52b 引掛爪部
52d 固定軸線
53 引掛片部
57 (変換部としての)解除側押壁部
58 (変換部としての)固定側押壁部
Am 開閉軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開2008−10478号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を開口する長尺な収納口を有する収納室と、前記収納口を塞ぐ蓋部材と、該蓋部材を前記収納口に押し当てた状態で前記筐体に対して前記蓋部材を固定するロック機構と、を備える電子機器であって、
前記蓋部材は、長尺方向で見た前記収納口の一端に設定された開閉軸線周りに回転可能に一端が支持され、
前記ロック機構は、固定位置と解除位置との間で前記蓋部材の長尺方向に平行移動可能に前記蓋部材に設けられる操作部材と、両端位置に引掛爪部を有し中間位置で前記蓋部材の平板面と直交する固定軸線周りに回転可能に前記蓋部材に設けられる複数の引掛部材と、該各引掛部材に対応して設けられ前記操作部材の前記長尺方向への平行移動を前記引掛部材の前記固定軸線周りの回転に変換する変換部と、前記固定軸線方向への前記引掛爪部の移動を制限すべく該引掛爪部を受け入れ可能に前記筐体に設けられる受入溝と、を有し、
前記各引掛部材は、前記長尺方向に互いに間隔を置いて前記蓋部材に設けられ、
前記変換部は、前記操作部材が前記固定位置とされると、前記両引掛爪部を前記受入溝に進入させるべく前記各引掛部材を前記固定軸線周りに回転させて前記両引掛爪部を短尺方向で前記蓋部材から突出させ、かつ前記操作部材が前記解除位置とされると、前記両引掛爪部を前記受入溝から離脱させるべく前記各引掛部材を前記固定軸線周りに回転させて前記両引掛爪部を前記蓋部材内に収容させることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記変換部は、前記操作部材に設けられ、前記短尺方向で見て前記固定軸線から偏芯する位置において、前記長尺方向で前記各引掛部材に接する突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記突起部は、前記短尺方向で見て前記固定軸線から偏芯する位置において、前記長尺方向で前記各引掛部材を挟むべく対を為して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ロック機構は、前記操作部材における前記蓋部材の他端側となる先端部から前記長尺方向に延びる引掛片部と、前記固定軸線方向への前記引掛片部の移動を制限すべく該引掛片部を受け入れ可能に前記筐体に設けられる受入穴と、を有し、
前記引掛片部は、前記操作部材が前記固定位置とされると、前記蓋部材から前記長尺方向に突出されて前記受入穴に進入され、かつ前記操作部材が前記解除位置とされると、前記蓋部材内に収容されて前記受入穴から離脱されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記各引掛部材は、金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記蓋部材は、前記収納口内へと押し込まれることで該収納口に押し当てられる内壁部を有し、
前記収納室には、押し込まれた前記内壁部と接して前記固定軸線方向であって前記蓋部材を前記収納口に押し当てる方向とは反対側への押圧力を前記蓋部材に作用させる反発突起が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
撮像光学系と、該撮像光学系により形成された被写体像を取得する撮像素子と、前記収納室と、前記蓋部材と、前記ロック機構と、を備える撮像装置であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2012−237844(P2012−237844A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106079(P2011−106079)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】