説明

電子機器

【課題】ユーザの容易な操作により、画像を拡大し又は画像を縮小する電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、表示面に画像を表示する表示部11と、表示部11に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する検出部12と、検出部12により検出された物理量に基づいて、表示部11に対しての物体の接触状態、近接状態及び非近接状態のうちいずれの状態にあるのかを判定する状態判定部17aと、検出部12により検出された物理量に基づいて、表示面に沿う方向における表示部11に対する物体の位置を特定する位置特定部17bと、状態判定部17aによって物体が表示部11に対して近接状態になっていると判定された場合に、位置特定部17bによって特定された物体の位置を中心にして、検出部12によって検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して表示部11に表示させることを可能にする表示制御部17cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器には、携帯型画像表示装置がある。その携帯型画像表示装置は、筐体の表面と裏面に配置された表示部と、筐体の4つの側面に配置されたタッチセンサ部とを備える。そして、携帯型画像表示装置は、2つのタッチセンサ部によって1つの角部から離れる方向に移動する接触を検知した場合には、表示部に表示される画像を拡大し、2つのタッチセンサ部によって1つの角部に近づく方向に移動する接触を検知した場合には、表示部に表示される画像を縮小する(特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の電子機器には、情報処理装置がある。その情報処理装置は、表示部と受光センサとから構成されるディスプレイパネルを備える。そして、情報処理装置は、表示部に画像が表示された状態で表示部に近接する指が回転された場合、受光センサによって指の回転角度を検出し、その回転角度に応じて画像を拡大し又は縮小する(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−26638号公報
【特許文献2】特開2010−33158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に記載された発明をユーザが利用する場合、ユーザは、画像を拡大し又は画像を縮小する操作方法を記憶しておく必要がある。このため、特許文献1,2に記載された発明は、ユーザによって直感的に操作されるものではない。
【0006】
本発明は、ユーザの直感的な操作により、画像を拡大し又は画像を縮小する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器は、表示面に画像を表示する表示部と、前記表示部に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する検出部と、前記検出部により検出された物理量に基づいて、前記表示部に対して物体が接触している接触状態と、前記表示部から所定の距離未満の領域に物体が位置する近接状態と、前記表示部から前記所定の距離以上の領域に物体が位置する非近接状態とのうちいずれの状態にあるのかを判定する状態判定部と、前記表示面に沿う方向における前記表示部に対する物体の位置を特定する位置特定部と、前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して近接状態になっていると判定された場合に、前記位置特定部によって特定された物体の位置を中心にして、前記検出部によって検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して前記表示部に表示させることを可能にする表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記表示制御部は、前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して近接状態にあると判定された場合に、前記検出部によって検出される物理量に基づいて前記表示部に対する物体の距離が短くなると画像を拡大し、前記検出部によって検出される物理量に基づいて前記表示部に対する物体の距離が長くなると画像を縮小することが好ましい。
【0009】
また、前記表示制御部は、前記状態判定部によって前記表示部に対して物体が近接状態から接触状態に移行したと判定された場合に、拡大した画像の大きさを維持することが好ましい。
【0010】
また、前記表示制御部は、前記状態判定部によって前記表示部に対して物体が接触状態から近接状態を介して非接触状態に移行したと判定された場合に、画像の縮小を解除することが好ましい。
【0011】
また、前記表示制御部は、前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して近接状態にあると判定したときから、前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して接触状態にあると判定するまでの時間が所定時間以内の場合に、画像の拡大又は画像の縮小を行わないことが好ましい。
【0012】
また、前記表示制御部は、画像を拡大する場合、前記位置特定部によって特定された物体の位置を中心にして所定の範囲内の画像を拡大し、又は、画像全体を拡大し、前記表示制御部は、画像を縮小する場合、前記位置特定部によって特定された物体の位置を中心にして所定の範囲内の画像を縮小し、又は、画像全体を縮小することが好ましい。
【0013】
また、前記表示制御部は、前記状態判定部によって前記表示部に対して物体が近接状態にあると判定された場合において、前記位置特定部によって前記表示部に対する物体の位置が移動していると判定された際には、画像を拡大し又は画像を縮小する中心を前記位置特定部によって特定された物体の位置に合わせて変更することが好ましい。
【0014】
本発明の電子機器は、表示面に画像を表示する表示部と、前記表示部に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する検出部と、前記検出部により検出された物理量に基づいて、前記表示部に対して物体が接触している接触状態と、前記表示部から所定の距離未満の領域に物体が位置する近接状態と、前記表示部から前記所定の距離以上の領域に物体が位置する非近接状態とのうちいずれの状態にあるのかを判定すると共に、前記表示面に沿う方向における前記表示部に対する物体の位置を特定し、物体が前記表示部に対して近接状態になっていると判定された場合に、特定された物体の位置を中心にして、前記検出部によって検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して前記表示部に表示させることを可能にする制御部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の電子機器は、表示面に画像を表示する表示部と、前記表示部に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する検出部と、前記検出部により検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して前記表示部に表示させることを可能にする制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ユーザの容易な操作により、画像を拡大し又は画像を縮小する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子機器の一実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】表示部に表示される画面の遷移図である。
【図4】表示部に表示される画面について説明するための第1の図である。
【図5】表示部に表示される画面について説明するための第2の図である。
【図6】携帯電話機の動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【0019】
携帯電話機1は、筺体2を備える。筺体2には、正面部に、タッチパネル10と、マイク13と、レシーバ14とが配置される。
【0020】
タッチパネル10は、表示部11と、検出部12とを備える(図2参照)。表示部11は、液晶表示パネル又は有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネル等の画像表示パネルを備える。検出部12は、表示部11の表面に対応して配置される。
【0021】
マイク13は、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声を入力するために用いられる。
レシーバ14は、携帯電話機1のユーザの通話相手が発した音声を出力するために用いられる。
【0022】
次に、図2を参照しながら、携帯電話機1の機能構成を説明する。図2は、携帯電話機1の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
携帯電話機1は、上述した、タッチパネル10(表示部11及び検出部12)と、マイク13と、レシーバ14とを備える。また、携帯電話機1は、通信部15と、記憶部16と、制御部17とを備える。
【0024】
通信部15は、メインアンテナ(図示せず)とRF回路部(図示せず)とを備える。その通信部15は、所定の使用周波数帯で外部装置と通信を行う。具体的には、通信部15は、上記のメインアンテナによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部17に供給する。また、通信部15は、制御部17から供給された信号を変調処理し、上記のメインアンテナを介して外部装置(基地局)に送信する。
【0025】
記憶部16は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部17による演算処理に利用される。また、記憶部16は、携帯電話機1の内部で動作するアプリケーションやデータベースを1又は複数記憶する。なお、記憶部16は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0026】
制御部17は、携帯電話機1の全体を制御しており、表示部11及び通信部15に対して制御を行う。
【0027】
以下に、本発明の一実施形態に係る携帯電話機1について詳細に説明する。携帯電話機1は、上述したように、表示部11と、検出部12と、制御部17とを備える。表示部11と、検出部12と、制御部17とは、入力装置3を構成する。
【0028】
表示部11は、表示面に画像を表示する。画像としては、例えば、文書、静止画、動画及びオブジェクト等が挙げられる。オブジェクトとは、所定の機能が割り当てられたアイコンである。
【0029】
検出部12は、表示部11に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する。検出部12は、静電容量式、赤外線式又は光式等のタッチセンサである。一例として、検出部12が静電容量式の場合には、その検出部12は、物理量として静電容量を検出する。また、物体とは、ユーザの指や、スタイラス等のことである。
【0030】
制御部17は、検出部12により検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して表示部11に表示させることを可能とする。より具体的には、制御部17は、検出部12により検出された物理量に基づいて、表示部11に対して物体が接触している接触状態と、表示部11から所定の距離未満の領域に物体が位置する近接状態と、表示部11から所定の距離以上の領域に物体が位置する非近接状態とのうちいずれの状態にあるのかを判定する。さらに、制御部17は、検出部12により検出された物理量に基づいて、表示面に沿う方向における表示部11に対する物体の位置を特定する。そして、制御部17は、物体が表示部11に対して近接状態になっていると判定された場合に、特定された物体の位置を中心にして、検出部12によって検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して表示部11に表示させることを可能にする。
【0031】
より具体的には、制御部17は、状態判定部17aと、位置特定部17bと、表示制御部17cとを備える。
状態判定部17aは、検出部12により検出された物理量に基づいて、表示部11に対して物体が接触している接触状態と、表示部11から所定の距離未満の領域に物体が位置する近接状態と、表示部11から所定の距離以上の領域に物体が位置する非近接状態とのうちいずれの状態にあるのかを判定する。
【0032】
一例として、状態判定部17aは、物理量(例えば、静電容量)が第1の閾値未満の場合には、表示部11に対して物体が非近接状態にあると判定する。また、一例として、状態判定部17aは、物理量(例えば、静電容量)が第1の閾値以上第2の閾値未満の場合には、表示部11に対して物体が近接状態にあると判定する。さらに、一例として、状態判定部17aは、物理量(例えば、静電容量)が第2の閾値以上の場合には、表示部11に対して物体が接触状態にあると判定する。
【0033】
位置特定部17bは、検出部12により検出された物理量に基づいて、表示面に沿う方向における表示部11に対する物体の位置を特定する。例えば、位置特定部17bは、検出部12の座標軸(X軸及びY軸)においていずれの座標で物理量を検出したのかを特定することにより、表示部11に対する物体の位置を特定する。さらに、位置特定部17bは、表示部11の表示面に沿う方向に物体が広がりを持つ場合には、その広がりにおける重心又は中心を物体の位置としてもよく、その広がりの頂部を物体の位置としてもよい。
【0034】
表示制御部17cは、状態判定部17aによって物体が表示部11に対して近接状態になっていると判定された場合に、位置特定部17bによって特定された物体の位置を中心にして、検出部12によって検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して表示部11に表示させることを可能にする。表示制御部17cは、物体が表示部11に対して近接状態となる範囲内において、表示部11に対して物体が近づけられたり遠ざけられたりすると、表示部11に表示させる画像を拡大し又は画像を縮小する。
【0035】
これにより、携帯電話機1は、ユーザが物体を表示部11に近づけたり遠ざけたりすることにより(ユーザの直感的な操作により)、表示部11に表示させる画像を拡大したり縮小したりすることができる。
【0036】
また、表示制御部17cは、状態判定部17aによって物体が表示部11に対して近接状態にあると判定された場合に、検出部12によって検出される物理量に基づいて表示部11に対する物体の距離が短くなると画像を拡大し、検出部12によって検出される物理量に基づいて表示部11に対する物体の距離が長くなると画像を縮小することが好ましい。すなわち、表示制御部17cは、検出部12によって検出される物理量が、表示部11と物体との距離が縮まることを示す場合には、表示部11に表示される画像を拡大する。また、表示制御部17cは、検出部12によって検出される物理量が、表示部11と物体との距離が長くなることを示す場合には、表示部11に表示される画像を縮小する。
【0037】
物理量に応じた画像の拡大率又は画像の縮小率は、表示制御部17cに予め設定されている。また、物理量に応じた画像の拡大率又は画像の縮小率は、ユーザによって適宜設定されることも可能である。
これにより、携帯電話機1は、表示部11に対して物体が近接状態にある場合において、表示部11に物体が近づくと画像を拡大し、表示部11から物体が遠ざかると画像を縮小することができる。
【0038】
また、表示制御部17cは、状態判定部17aによって表示部11に対して物体が近接状態から接触状態に移行したと判定された場合に、拡大した画像の大きさを維持することが好ましい。表示制御部17cは、表示部11に対して物体が近づく場合に、表示部11に表示される画像を徐々に拡大させる。さらに、表示制御部17cは、表示部11に物体が接触した場合に、拡大した画像の平面サイズ(拡大率)を維持する。
これにより、携帯電話機1は、表示部11と物体の距離に応じた処理を行うことができる。
【0039】
また、表示制御部17cは、状態判定部17aによって表示部11に対して物体が接触状態から近接状態を介して非接触状態に移行したと判定された場合に、画像の縮小を解除することが好ましい。表示制御部17cは、表示部11から物体を遠ざける場合には、表示部11に表示される画像を徐々に縮小させる。さらに、表示制御部17cは、表示部11に対して物体が非近接状態になった場合には、表示部11に表示される画像の縮小を停止する。すなわち、表示制御部17cは、表示部11に表示される画像の平面サイズが、画像の拡大又は縮小を行う前の初期の平面サイズ(拡大率、縮小率)に戻った場合には、画像の拡大又は縮小を行う処理を停止する。
これにより、携帯電話機1は、表示部11と物体の距離に応じた処理を行うことができる。
【0040】
また、表示制御部17cは、状態判定部17aによって物体が表示部11に対して近接状態にあると判定したときから、状態判定部17aによって物体が表示部11に対して接触状態にあると判定するまでの時間が所定時間以内の場合に、画像の拡大、又は、画像の縮小を行わないことが好ましい。
【0041】
時間は、計時部(図示せず)によって計時される。すなわち、表示制御部17cは、表示部11に対して物体が近接状態になったと判定したときに、計時部に計時を開始させる。さらに、表示制御部17cは、計時部によって計時される時間が所定時間以内に、表示部11に物体が接触したか否かを判断する。表示制御部17cは、所定時間以内に表示部11に対して物体が接触したと判断した場合には、画像を拡大する処理、又は、画像を縮小する処理を行わない。
これにより、携帯電話機1は、画像を拡大する場合に、一定の時間の重みを付けることができる。
【0042】
また、表示制御部17cは、画像を拡大する場合、位置特定部17bによって特定された物体の位置を中心にして所定の範囲内の画像を拡大し、又は、画像全体を拡大することが好ましい。
また、表示制御部17cは、画像を縮小する場合、位置特定部17bによって特定された物体の位置を中心にして所定の範囲内の画像を縮小し、又は、画像全体を縮小することが好ましい。
所定の範囲(領域)の外形は、円形や楕円形や矩形等の任意の形状である。また、物体の位置(所定の範囲の中心)から所定の範囲の周縁部までの距離は、予め設定され、又はユーザによって適宜設定されている。
表示制御部17cは、画像を拡大する場合に、所定の範囲内の画像を拡大する、又は、画像を縮小することと、画像全体を拡大する、又は、縮小することとを切り替え可能とすることができる。
これにより、携帯電話機1は、表示部11に表示される画像を拡大する、又は、画像を縮小することができる。
【0043】
また、表示制御部17cは、状態判定部17aによって表示部11に対して物体が近接状態にあると判定された場合において、位置特定部17bによって表示部11に対する物体の位置が移動していると判定された際には、画像を拡大し又は画像を縮小する中心を位置特定部17bによって特定された物体の位置に合わせて変更することが好ましい。
【0044】
表示部11に対して物体が近接状態にある場合には、表示制御部17cは、物体の現在位置が画像を拡大するときの中心となるように、物体の移動に応じてその中心を移動させる。一例として、表示部11の表示面に沿って物体が表示部11の上方に移動する場合には、表示制御部17cは、画像を拡大するときの中心を表示部11の上方に移動させる。
これにより、携帯電話機1は、物体の位置に応じた画像領域を拡大することができる。
【0045】
次に、携帯電話機1の動作について説明する。図3は、表示部11に表示される画面の遷移図である。図4は、表示部11に表示される画面について説明するための第1の図である。図5は、表示部11に表示される画面について説明するための第2の図である。図6は、携帯電話機1の動作について説明するためのフローチャートである。
【0046】
図6に示すステップST1において、表示制御部17cは、表示部11に画像を表示させる。例えば、図3(A)に示すように、表示制御部17cは、複数のオブジェクト21を表示部11に表示させる。
【0047】
ステップST2において、検出部12は、起動する。これにより、検出部12は、物理量を検出することが可能になる。
【0048】
ステップST3において、状態判定部17aは、検出部12によって検出された物理量に基づいて、表示部11に対して物体が近接状態になったか否かを判断する。物体が近接状態になっていない場合(No)には、ステップST3の判断が再度行われる。物体が近接状態になっている場合(Yes)には、処理は、ステップST4に進む。
【0049】
ステップST4において、位置特定部17bは、表示部11の表示面に沿う方向における物体の位置を特定する。
【0050】
ステップST5において、表示制御部17cは、ステップST4において特定された物体の位置を中心にして、検出部12によって検出された物理量に応じて、表示部11に表示される画像を拡大し又は画像を縮小する。拡大された画像又は縮小された画像は、表示部11に表示される。
【0051】
例えば、図3(B)に示すように、表示制御部17cは、物体(ユーザの指)が表示部11に近づくと、画像(オブジェクト21)を拡大して表示部11に表示させる。また、図4に示すように、物体(ユーザの指)が表示部11に近づくと、表示制御部17cは、位置特定部17bによって特定された物体の位置を中心にして所定の範囲内の画像(オブジェクト21)を拡大して表示部11に表示させる。さらに、図5に示すように、物体(ユーザの指)が移動する場合には、表示制御部17cは、画像(オブジェクト21)を拡大し又は画像(オブジェクト21)を縮小するときの中心位置をその物体の移動に合わせて移動させる。
【0052】
ステップST6において、状態判定部17aは、検出部12によって検出された物理量に基づいて、表示部11に対して物体が接触状態になったか否かを判断する。物体が接触状態になっていない場合(No)には、処理は、ステップST4に戻る。物体が接触状態になった場合(Yes)には、処理は、ステップST7に進む。
【0053】
ステップST7において、表示制御部17cは、例えば、図3(A)に示す複数のオブジェクトのうちの1つが選択されたとして、物体が接触した位置に表示されるオブジェクトの色又は大きさを変更して表示部11に表示させる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の携帯電話機1によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、携帯電話機1は、ユーザが物体を表示部11に近づけたり遠ざけたりすることにより(ユーザの直感的な操作により)、表示部11に表示させる画像を拡大したり縮小したりすることができる。
【0055】
また、携帯電話機1は、表示部11に対して物体が近接状態にある場合において、表示部11に物体が近づくと画像を拡大し、表示部11から物体が遠ざかると画像を縮小することができる。
また、携帯電話機1は、表示部11と物体の距離に応じた処理を行うことができる。
また、携帯電話機1は、画像を拡大する、又は、画像を縮小する場合に、一定の時間の重みを付けることができる。
【0056】
これにより、携帯電話機1は、ユーザが物体を表示部11に近づけたり遠ざけたりすることにより(ユーザの容易な操作により)、表示部11に表示させる画像を拡大したり縮小したりすることができる。
【0057】
なお、本発明の電子機器は、上述した携帯電話機1に限定されることはなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistant)やポータブルゲーム機やポータブルナビゲーションデバイス等であってもよい。
【0058】
なお、拡大又は縮小の倍率はユーザ任意に設定できるものとしてもよい。また、物理量が変化する速度により、画像の拡大又は画像の縮小の倍率を変更してもよい。例えば、物体が表示部に対して速く近付く(速度が速い)場合は拡大倍率が大きくなり、反対に物体が表示部に対してゆっくりと近付く(速度が遅い)場合は拡大倍率が小さくなるとしてもよい。
【0059】
また、上述した実施形態では、検出部は、表示部に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出するとしたが、表示部に対する物体の距離を検出するものであってもよい。また、表示部に対する物体の距離は物理量から換算してもよく、測距センサや光学式のセンサを適用してもよい。なお、表示部に対する物体の距離は所定の範囲内の距離であり、所定の範囲内の距離に応じて表示部の画像を拡大し又は画像を縮小するものとする。
【符号の説明】
【0060】
1 携帯電話機(電子機器)
11 表示部
12 検出部
17 制御部
17a 状態判定部
17b 位置特定部
17c 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に画像を表示する表示部と、
前記表示部に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する検出部と、
前記検出部により検出された物理量に基づいて、前記表示部に対して物体が接触している接触状態と、前記表示部から所定の距離未満の領域に物体が位置する近接状態と、前記表示部から前記所定の距離以上の領域に物体が位置する非近接状態とのうちいずれの状態にあるのかを判定する状態判定部と、
前記表示面に沿う方向における前記表示部に対する物体の位置を特定する位置特定部と、
前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して近接状態になっていると判定された場合に、前記位置特定部によって特定された物体の位置を中心にして、前記検出部によって検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して前記表示部に表示させることを可能にする表示制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して近接状態にあると判定された場合に、前記検出部によって検出される物理量に基づいて前記表示部に対する物体の距離が短くなると画像を拡大し、前記検出部によって検出される物理量に基づいて前記表示部に対する物体の距離が長くなると画像を縮小する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記状態判定部によって前記表示部に対して物体が近接状態から接触状態に移行したと判定された場合に、拡大した画像の大きさを維持する
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記状態判定部によって前記表示部に対して物体が接触状態から近接状態を介して非接触状態に移行したと判定された場合に、画像の縮小を解除する
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して近接状態にあると判定したときから、前記状態判定部によって物体が前記表示部に対して接触状態にあると判定するまでの時間が所定時間以内の場合に、画像の拡大又は画像の縮小を行わない
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示制御部は、画像を拡大する場合、前記位置特定部によって特定された物体の位置を中心にして所定の範囲内の画像を拡大し、又は、画像全体を拡大し、
前記表示制御部は、画像を縮小する場合、前記位置特定部によって特定された物体の位置を中心にして所定の範囲内の画像を縮小し、又は、画像全体を縮小する
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記状態判定部によって前記表示部に対して物体が近接状態にあると判定された場合において、前記位置特定部によって前記表示部に対する物体の位置が移動していると判定された際には、画像を拡大し又は画像を縮小する中心を前記位置特定部によって特定された物体の位置に合わせて変更する
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
表示面に画像を表示する表示部と、
前記表示部に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する検出部と、
前記検出部により検出された物理量に基づいて、前記表示部に対して物体が接触している接触状態と、前記表示部から所定の距離未満の領域に物体が位置する近接状態と、前記表示部から前記所定の距離以上の領域に物体が位置する非近接状態とのうちいずれの状態にあるのかを判定すると共に、前記表示面に沿う方向における前記表示部に対する物体の位置を特定し、物体が前記表示部に対して近接状態になっていると判定された場合に、特定された物体の位置を中心にして、前記検出部によって検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して前記表示部に表示させることを可能にする制御部と、
を備える電子機器。
【請求項9】
表示面に画像を表示する表示部と、
前記表示部に対する物体の距離に応じて変化する物理量を検出する検出部と、
前記検出部により検出された物理量に応じて画像を拡大し又は画像を縮小して前記表示部に表示させることを可能にする制御部と、
を備える電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−238177(P2012−238177A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106682(P2011−106682)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】