電子機器
【課題】電子部品の冷却のために外部から取り入れられる空気に含まれる埃やゴミ等を低減することが課題となっていた。
【解決手段】実施形態の電子機器は、電子部品が収容された筐体の空気取り入れ部の周囲に前記筐体に対して突出して設けられる第1のリブおよび、前記第1のリブと前記空気取り入れ部間の筐体に前記筐体に対して突出して設けられる第2のリブを備える。また、前記空気取り入れ部と前記第1のリブ、前記第2のリブの周囲に設けられるフィルタ支持部を備える。また、前記フィルタ支持部に着脱自在に支持され、前記空気取り入れ部から前記筐体内部に取り入れられる空気のフィルタリングを行うフィルタを備え、前記フィルタ支持部は前記フィルタが挿入される位置に前記フィルタの挿入をガイドするガイド部が前記第1のリブに対向して設けられる。
【解決手段】実施形態の電子機器は、電子部品が収容された筐体の空気取り入れ部の周囲に前記筐体に対して突出して設けられる第1のリブおよび、前記第1のリブと前記空気取り入れ部間の筐体に前記筐体に対して突出して設けられる第2のリブを備える。また、前記空気取り入れ部と前記第1のリブ、前記第2のリブの周囲に設けられるフィルタ支持部を備える。また、前記フィルタ支持部に着脱自在に支持され、前記空気取り入れ部から前記筐体内部に取り入れられる空気のフィルタリングを行うフィルタを備え、前記フィルタ支持部は前記フィルタが挿入される位置に前記フィルタの挿入をガイドするガイド部が前記第1のリブに対向して設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、筐体に収容された電子部品を冷却する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の筐体には熱を発生する電子部品が収容されており、冷却を行う必要が生じている。
電子部品の冷却には、筐体の外部から空気を取り入れ、冷却にあてる方法がある。
しかし、この外部から取り入れられた空気には埃やゴミ等が含まれ、これらの埃やゴミ等が筐体内部に取り込まれ、電子機器を誤動作させたり、火災を発生させたりする原因となる可能性があり、問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−332868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器内部の電子部品の冷却を行う際に、電子機器の外部から空気を取り入れ、冷却にあてる方法があるが、外部から取り入れられた空気には埃やゴミ等が含まれ、電子機器を誤動作させたり、火災を発生させたりする原因となる可能性があった。
【0005】
そこで、電子部品の冷却のために外部から取り入れられる空気に含まれる埃やゴミ等を低減することが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電子機器は、電子部品が収容された筐体を備える。
また、前記電子部品を冷却するために前記筐体内部に向かって空気が取り入れられる前記筐体に設けられた空気取り入れ部を備える。
また、前記筐体の前記空気取り入れ部の周囲に前記筐体に対して突出して設けられる第1のリブを備える。
また、前記第1のリブと前記空気取り入れ部間の筐体に前記筐体に対して突出して設けられる第2のリブを備える。
また、前記空気取り入れ部と前記第1のリブ、前記第2のリブの周囲に設けられるフィルタ支持部を備える。
また、前記フィルタ支持部に着脱自在に支持され、前記空気取り入れ部から前記筐体内部に取り入れられる空気のフィルタリングを行うフィルタを備え、前記フィルタ支持部は前記フィルタが挿入される位置に前記フィルタの挿入をガイドするガイド部が前記第1のリブに対向して設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る電子機器の一例であるテレビ接続機器を示す斜視図。
【図2】図1に示すテレビ接続機器の水平方向に沿った断面図。
【図3】図1に示すテレビ接続機器の内部を背面方向から示した背面図。
【図4】図1に示すテレビ接続機器の水平方向に沿った断面図であって、図2に示す断面図とは異なる高さで切断して示した断面図。
【図5】図1に示すテレビ接続機器の第2のプリント回路板を示した上面図。
【図6】図1に示すテレビ接続機器のF6−F6線に沿った断面図。
【図7】図1に示すテレビ接続機器の水平方向に沿った断面図であって、図2に示す断面図とは異なる高さで切断して示した断面図。
【図8】実施の形態に係る電子機器の一例であるテレビ接続機器の筐体底部の外観を示す図。
【図9】図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部およびフィルタが取り付けられる前の筐体底部の外観を示す図。
【図10】図8に示すテレビ接続機器に取り付けられるフィルタ支持部およびフィルタの外観を示す図。
【図11】図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部が取り付けられた筐体底部の外観を示す図。
【図12】図8に示すテレビ接続機器において、筐体底部に取り付けられたフィルタ支持部にフィルタが挿入または取り出されるようすを示す図。
【図13】図12に示すテレビ接続機器の筐体底部、第1のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示すテレビ接続機器の断面構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図1から図7を参照して、電子機器の一例であるテレビ接続機器の実施形態について説明する。このテレビ接続機器は、薄型テレビ等に接続されて使用されるものであり、例えば各種のテレビ番組を受信する機能および複数のテレビ番組を同時に録画したり、長時間番組を録画したりする機能を有する。このテレビ接続機器では、地上波デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送をそれぞれ受信して、これらの番組を録画することができる。
【0009】
図1に示すように、テレビ接続機器11は、装置の外郭をなした箱状の筐体16を備えている。図2、図3に示すように、テレビ接続機器11は、さらに、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cと、第1および第2のヒートパイプ13A,Bと、第1および第2のヒートシンク14A,Bと、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cを冷却するためのファンユニット15と、を筐体16の内部に備えている。また、テレビ接続機器11は、第1および第2の補助ファンユニット53と、映像を記憶するための記憶装置である第1および第2のハードディスクドライブ装置17A,Bと、認証用のカードを差し込み可能なカードホルダー18と、複数の電源回路部品19を実装した電源回路基板20と、を筐体16の内部に備えている。
【0010】
第1のプリント回路板12Aは、いわゆるチューナ基板であり、第1のプリント配線板23と、第1のプリント配線板23の一方の面(上面)に固定された第1の発熱部品24と、を有している。本実施形態において第1の発熱部品24は、例えば、チューナで構成される。第1のプリント回路板12A全体の発熱量は、例えば、15−20W程度である。図2と図3に示すように、第1のプリント回路板12Aは、上方から見て、第2のヒートパイプ13Bと重なる位置で、第1のヒートパイプ13Aから外れた位置に配置されている。
【0011】
第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aよりも上側の位置に設けられている。第2のプリント回路板12Bは、いわゆるメイン基板(セル基板)であり、テレビ接続機器11の各部品の制御を統括している。第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aとの間に隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向している。図2、図3に示すように、第2のプリント回路板12Bは、ファンユニット15の一部に上側から重なるように配置されている。
【0012】
図2、図3、図5に示すように、第2のプリント回路板12Bは、第2のプリント配線板26と、第2のプリント配線板26の一方の面(下面)に固定された第2の発熱部品27および第3の発熱部品28と、その他の発熱部品と、を備えている。第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aおよび第3のプリント回路板12Cよりも大きく形成されている。第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aおよび第3のプリント回路板12Cの上部を蓋状に覆っており、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cから発生した熱がファンユニット15に積極的に向かうようになっている。
【0013】
第2の発熱部品27は、例えばセルプロセッサと呼ばれる回路部品で構成される。第2の発熱部品27の発熱量は、例えば、50W程度である。また、図3に示すように、第2の発熱部品27は、第1の発熱部品24から外れた位置に設けられている。
【0014】
第3の発熱部品28は、例えばI/Oコントローラ等の回路部品で構成される。第3の発熱部品28の発熱量は、例えば、15W程度である。図3に示すように、第3の発熱部品28は、第1の発熱部品24に重なる位置に配置されている。その他の発熱部品には、RAM等の回路部品が含まれている。従って、第2のプリント回路板12B全体の発熱量は、例えば、50−100W程度であり、第1のプリント回路板12Aよりも大きい発熱量を有している。
【0015】
図2、図3に示すように、第3のプリント回路板12Cは、第1のプリント回路板12Aよりも下側の位置に設けられている。第3のプリント回路板12Cは、いわゆる画像処理基板である。第3のプリント回路板12Cは、第1のプリント回路板12Aとの間に隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向している。第3のプリント回路板12Cは、第3のプリント配線板31と、第3のプリント回路板12Cの一方の面(上面)に固定された第4の発熱部品32と、を有している。第4の発熱部品32は、例えば画像処理用の回路部品で構成される。第3のプリント回路板12C全体の発熱量は、例えば、1−10W程度であり、第1のプリント回路板12Aよりも小さい発熱量を有している。このため、3つのプリント回路板12A〜Cは、発熱量の大きい順に上側から並んでいる。
【0016】
図2、図3、図5に示すように、第1のヒートパイプ13Aは、第2の発熱部品27の冷却用に用いられる。第1のヒートパイプ13Aは、2本で構成されており、それぞれ外径8mmのロッド状に形成されている。第1のヒートパイプ13Aは、例えば銅などによって形成された中空な棒状の本体の内部に、水などの作動流体を封入して形成されている。2本の第1のヒートパイプ13Aは、第2の発熱部品27に熱的に接続された第1の端部33と、第1の端部33とは反対側に設けられた第2の端部34と、をそれぞれ有している。第1の端部33は、第1の受熱板35を介して第2の発熱部品27に熱的に接続されている。第2の端部34は、ファンユニット15の近傍に配置されている。
【0017】
より具体的には、一方の第1のヒートパイプ13Aaの第2の端部34は、ファンユニット15の後述する排気口部46の下側の半部46Aに対向している。また、他方の第1のヒートパイプ13Abの第2の端部34は、ファンユニット15の後述する排気口部46の上側の半部46Bに対向している。
【0018】
なお、2つの第1のヒートパイプ13Aは、受熱部分の設置高さが放熱部分の設置高さよりも高い、いわゆるトップヒート状態で設置されている。しかしながら、2つの第1のヒートパイプ13Aは、トップヒート対応のヒートパイプを使用しているため、冷却性能が発揮されない事態は生じない。具体的には、第1のヒートパイプ13Aの内周面に設けるウィックには、銅粉末を一定の厚みで焼結して形成した多孔質層を用いた。
【0019】
第2のヒートパイプ13Bは、第3の発熱部品28の冷却用に用いられる。第1のヒートパイプ13Bは、例えば銅などによって形成された中空な棒状の本体の内部に、水などの作動流体を封入して形成されている。第2のヒートパイプ13Bは、第3の発熱部品28に熱的に接続される第3の端部37と、第3の端部37とは反対側に設けられる第4の端部38と、を有している。第3の端部37は、第2の受熱板39を介して第2の発熱部品27に熱的に接続されている。第4の端部38は、ファンユニット15の排気口部46の近傍に配置されている。より具体的には、第4の端部38は、ファンユニット15の排気口部46よりも上側に配置されている。なお、第2のヒートパイプ13Bは、受熱部分の設置高さが放熱部分の設置高さが略同等に設置されており、トップヒート状態とはなっていない。このため、第2のヒートパイプ13Bに用いるウィックは、第2のヒートパイプ13Bの内周面に形成した複数の細溝である。
【0020】
また、本実施形態では、第4の端部38が排気口部46よりも上側に配置されているが、これに限定されるものではない。第4の端部38が排気口部46に正対するように、排気口部46を大きく設けても良い。
【0021】
また、図2に示すように、ファンユニット15と第2の発熱部品27との間の距離は、ファンユニット15と第3の発熱部品28との間の距離よりも短くなっている。このため、第1のヒートパイプ13Aの長さは、第2のヒートパイプ13Bの長さよりも短いものになっている。
【0022】
図2、図3に示すように、第1のヒートシンク14Aは、第1のヒートパイプ13Aの第2の端部34および第2のヒートパイプ13Bの第4の端部38に接続されて、第1のヒートパイプ13Aおよび第2のヒートパイプ13Bの放熱を促進するものである。第1のヒートシンク14Aは、後述する第1のファンユニット15の排気口部46に対向する位置に配置されている。第1のヒートシンク14Aは、第2の端部34および第4の端部38に接続された複数のフィン41Aを有している。
【0023】
ファンユニット15は、第2のプリント回路板12Bよりも下側の位置に配置されている。ファンユニット15は、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cから発生した熱を筐体16の外部に排出することができる。図4と図6に示すように、ファンユニット15は、ファン本体42と、ファン本体42の周囲を取り囲む箱状のファンケース43と、ファン本体42の回転を駆動するモータ47と、を有している。ファンケース43は、上部に設けられる第1の吸気口部44と、下部に設けられる第2の吸気口部45と、側部に設けられる排気口部46と、を有している。
【0024】
第1の吸気口部44は、筐体16の内部とファンケース43の内部とを連続させている。また、第2の吸気口部45は、筐体16の外部とファンケース43の内部とを連続させている。第1のファンユニット15は、第1の吸気口部44を介して、筐体16の内部から空気を吸気することができる。同様に、第1のファンユニット15は、第2の吸気口部45を介して、筐体16の外部から空気を吸気することができる。第1のファンユニット15は、排気口部46を介して、ファン本体42からの送風を第1のヒートシンク14Aおよび筐体16の外部に向けて送ることができる。
【0025】
図6、図7に示すように、第2のヒートシンク14Bは、第4の発熱部品32と熱的に接続されている。第2のヒートシンク14Bは、上方に向けて起立した複数の放熱フィン51を有している。放熱フィン51は、筐体16に設けられた吸気用の開口部16Aと、ファンユニット15とを結んだ方向に沿った方向に配置されている。このため、開口部16Aからファンユニット15に向かう空気の流れを乱すことなく、第4の発熱部品32の冷却が円滑になされる。
【0026】
ここで、第1および第2のハードディスクドライブ装置17A,Bの冷却作用および第1から第4の発熱部品32の冷却作用について説明する。図2に示すように、第1のハードディスク装置17Aおよび第2のハードディスク装置17Bは、第1の補助ファンユニット52によって筐体16の外部から吸引した空気によって冷却される。また、第1のハードディスク装置17Aおよび第2のハードディスク装置17Bの冷却に使用された空気は、電源回路部品19の冷却にも用いられる。電源回路部品19の冷却に用いられた空気は、第2の補助ファンユニット53の作用によって筐体16の外部に排出される。
【0027】
図6に示すように、第1の発熱部品24で発生した熱は、周囲を流れる空気に伝達されて、ファンユニット15に送られる。ファンユニット15に送られた空気は、排気口部46を介して筐体15の外部に排出される。
【0028】
図3に示すように、第2の発熱部品27で発生した熱は、第1の受熱板35および2本の第1のヒートパイプ13Aを介して、第2の端部34および第1のヒートシンク14Aまで運ばれる。このとき、一方の第1のヒートパイプ13Aの第2の端部34は、ファンユニット15の排気口部46の下側の半部46Aに対向している。この排気口部46の下側の半部46Aには、主として第2の吸気口部45を介して筐体16の外部から吸引された空気が送られる。このため、一方の第1のヒートパイプ13Aaの第2の端部34には、温度の低い空気が送られて、第2の発熱部品27の冷却が他の発熱部品よりも優先的になされる。また、他方の第1のヒートパイプ13Abの第2の端部34は、ファンユニット15の排気口部46の上側の半部46Bに対向している。この他方の第1のヒートパイプ13Aによっても第2の発熱部品27の冷却がなされるため、第2の発熱部品27の冷却はさらに促進される。
【0029】
第3の発熱部品28で発生した熱は、第2の受熱板39および第2のヒートパイプ13Bを介して、第4の端部38および第1のヒートシンク14Aまで運ばれる。このとき、第4の端部38および第1のヒートシンク14Aまで運ばれた熱は、ファンユニット15から送られる空気に伝達されて筐体16の外部に排出される。
【0030】
図6と図7に示すように、第4の発熱部品32で発生した熱は、第2のヒートシンク14Bに伝達される。第2のヒートシンク14Bに伝達された熱は、筐体16の開口部16Aから吸引された空気に伝達され、ファンユニット15の排気口部46に送られてその後筐体16の外部に排出される。第4の発熱部品32の発熱量は小さいので、この第2のヒートシンク14Bによっても第4の発熱部品32の冷却は十分になされる。
【0031】
第1の実施形態によれば、テレビ接続機器11は、第1のプリント配線板23と、これに固定される第1の発熱部品24と、を有する第1のプリント回路板12Aと、第2のプリント配線板26と、これに固定される第2の発熱部品27および第3の発熱部品28とを有し、第1のプリント回路板12Aよりも大きい発熱量を有するとともに、第1のプリント回路板12Aよりも上側の位置で、隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向した第2のプリント回路板12Bと、第3のプリント配線板31と、これに固定される第4の発熱部品32とを有し、第1のプリント回路板12Aよりも小さい発熱量を有するとともに、第1のプリント回路板12Aよりも下側の位置で、隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向した第3のプリント回路板12Cと、第1のプリント回路板12A、第2のプリント回路板12B、および第3のプリント回路板12Cを収容する筐体16と、筐体16の内部に収容されるとともに、第1のプリント回路板12A、第2のプリント回路板12B、および第3のプリント回路板12Cから発生した熱を筐体16の外部に排出するファンユニット15と、を具備する。
【0032】
この構成によれば、ファンユニット15によって第1から第4の発熱部品24、27、28、32から発生した熱を筐体16の外部に放出できる。また、このとき、最も発熱量の大きい第2のプリント回路板12Bが最上部に配置されているため、第2のプリント回路板12Bから発生した熱が他のプリント回路板に悪影響を及ぼしてしまうことを防止できる。
【0033】
この場合、第2の発熱部品27および第3の発熱部品28は、第2のプリント配線板26の下面に固定されており、第2のプリント回路板12Bは、ファンユニット15の上側に重なって配置されている。この構成によれば、第2のプリント配線板26が蓋のように作用し、第2の発熱部品27および第3の発熱部品28から発生した熱を、第2のプリント配線板26の下側に配置されたファンユニット15によって効率よく筐体16の外部に排出できる。
【0034】
本実施形態のテレビ接続機器11は、第2の発熱部品27に熱的に接続される第1の端部33と、第1の端部33とは反対側に設けられるとともにファンユニット15の近傍に配置される第2の端部34と、を有した第1のヒートパイプ13Aaを具備し、ファンユニット15は、ファン本体42と、ファン本体42の周囲を取り囲むファンケース43と、を備え、ファンケース43は、上部に設けられるとともに筐体16の内部とファンケース43の内部とを連続させた第1の吸気口部44と、下部に設けられるとともに筐体16の外部とファンケース43の内部とを連続させた第2の吸気口部45と、側部に設けられるとともにファン本体42からの送風を筐体16の外部に向けて送るための排気口部46と、を有し、第2の発熱部品27の発熱量は、第3の発熱部品28の発熱量よりも大きくなっており、第2の端部34は、排気口部46の下側の半部46Aに対向して配置される。
【0035】
この構成によれば、第2の吸気口部45を介して筐体16の外部から吸引された空気は、主として排気口部46の下側の半部46Aに向けて送られる。このため、発熱量の大きい第2の発熱部品27に接続された第1のヒートパイプ13Aaの第2の端部34を効率よく冷却して、第2の発熱部品27の冷却を他の発熱部品よりも優先的に行うことができる。
【0036】
また、テレビ接続機器11は、第3の発熱部品28に熱的に接続される第3の端部37と、第3の端部37とは反対側に設けられるとともにファンユニット15の排気口部46の近傍に配置される第4の端部38と、を有した第2のヒートパイプ13Bを具備する。これによれば、第2のヒートパイプ13Bによって第3の発熱部品28を冷却することができる。その際、第2のヒートパイプ13Bの第4の端部38は、ファンユニット15の排気口部46の下側の半部46Aに配置されるわけではないので、第3の発熱部品28の冷却効率は、第2の発熱部品27の冷却効率よりも劣ることになる。しかし、第3の発熱部品28の発熱量は、第2の発熱部品27の発熱量よりも小さいため冷却効率が劣っていても差し支えない。むしろ、第1のヒートパイプ13Aおよび第2のヒートパイプ13Bのレイアウトを工夫することで、優先度に応じた各発熱部品の冷却を実現できる。
【0037】
本実施形態のように、最上部にある第2のプリント回路板12Bの第2の発熱部品27と接続した第1のヒートパイプ13Aを、第1のプリント回路板12Aよりも下側にあるファンユニット15の近傍、すなわち、排気口部46の下側の半部46Aにまで引き回すようにすると、中間位置にある第1のプリント回路板12Aとこの第1のヒートパイプ13Aとが干渉する恐れがある。本実施形態では、第1のプリント回路板12Aは、第2のヒートパイプ13Bと重なる位置で、第1のヒートパイプ13Aから外れた位置に配置される。これによれば、第1のヒートパイプ13Aと第1のプリント回路板12Aとが干渉してしまうことを防止できる。
【0038】
通常、ヒートパイプの長さが短くなればなるほど、ヒートパイプの熱輸送性能は向上する。本実施形態では、ファンユニット15と第2の発熱部品27との距離は、ファンユニット15と第3の発熱部品28との距離よりも短い。このため、第1のヒートパイプ13Aの長さを第2のヒートパイプ13Bよりも短くすることができる。これによって、第1のヒートパイプ13Aの熱輸送量を大きくして、第2の発熱部品27を効率よく冷却することができる。
【0039】
また、第3の発熱部品28は、第1の発熱部品24に重なる位置に設けられるとともに、第2の発熱部品27は、第1の発熱部品24から外れた位置に設けられる。この構成によれば、発熱量の大きい第2の発熱部品27を第1の発熱部品24から外れた位置に配置することができる。これによって、筐体16の内部の一箇所に熱が集中してしまうことを防止できる。
【0040】
テレビ接続機器11は、筐体16に設けられるとともに、外部から筐体16の内部に空気を取り入れることができる開口部16Aと、第4の発熱部品32の冷却を促進するための複数の放熱フィン51を有した第2のヒートシンク14Bを具備し、複数の放熱フィン51は、開口部16Aとファンユニット15とを結んだ方向に沿った方向に配置される。この構成によれば、開口部16Aからファンユニット15に向けて送られる空気の流れが放熱フィン51によって乱されることがなく、第4の発熱部品32の冷却および第1および第2のヒートパイプ13Bの冷却を円滑に行うことができる。
【0041】
図8は、実施の形態に係る電子機器の一例であるテレビ接続機器の筐体底部の外観を示す図である。
この実施の形態においては、上記説明した電子機器の一例であるテレビ接続機器の筐体底部の構造を説明する。
符号16は上記テレビ接続機器11の筐体であり、ここでは筐体底部である。
符号70は上記筐体底部16に設けられるリブであり、ここでは第1のリブと呼ぶ。この第1のリブ70は、金属等で構成される筐体底部16に、例えばプレス加工等が施され、筐体内部から外部に向けてレール状の段差が突出するように形成された凸部形状の構造である。
【0042】
この第1のリブ70は、略四角形状である筐体底部16の四辺に沿うように形成される。これにより、筐体底部16の機械的強度を向上させることが可能になる。この第1のリブ70は、この実施の形態のように閉じるように形成されると、筐体底部16面内のどの方向に対しても機械的強度を向上させることができる。
【0043】
また、この実施の形態においては、第2のリブ71および第3のリブ72(後述)が形成されている。これら、第2のリブ71および第3のリブ72も第1のリブ70と同様に、金属等で構成される筐体底部16に、例えばプレス加工等が施され、筐体内部から外部に向けてレール状の段差が突出するように形成された凸部形状である。
【0044】
符号60はフィルタである。フィルタ60は、符号61を付したフィルタリング部、符号62を付した引き出し部を備えている。
また、符号63はフィルタ支持部である。フィルタ支持部63は、符号64を付したガイド部、符号65を付したガイド部および符号66を付したガイド部を備えている。
【0045】
フィルタ支持部63は、後述する第2の吸気口部(空気取り入れ部)45、第2のリブ71、第3のリブ72をカバーするように筐体底部16に取り付けられる。
この実施の形態においては、フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、符号90を付した矢印の方向に沿って着脱自在に構成される。そして、ユーザによりフィルタ60がフィルタ支持部63に挿入される。また、ユーザによりフィルタ60がフィルタ支持部63から引き出される。
【0046】
また、フィルタ支持部63にフィルタ60が装着される際は、第2の吸気口部(空気取り入れ部)45がフィルタリング部61により、確実にカバーされるように構成されることが望ましい。
【0047】
そして、フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿って挿入あるいは引き出される。
このフィルタ60が挿入あるいは引き出される方向に対向する筐体16の面(側面)がこの実施形態におけるテレビ接続機器11の正面である。
図9は、図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部およびフィルタが取り付けられる前の筐体底部の外観を示す図である。
フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿って挿入あるいは引き出される。
図に示すように、筐体底部16には第2の吸気口部(空気取り入れ部)45が設けられる。
また、上記のように、筐体底部16には第1のリブ70、第2のリブ71、第3のリブ72が設けられる。
この実施の形態においては、上記のように、この第1のリブ70は、略四角形状である筐体底部16の四辺に沿うように形成される。また、第1のリブ70は第2の吸気口部(空気取り入れ部)45を取り囲むように設けられる。
【0048】
また、第2のリブ71および第3のリブ72は第1のリブ70と第2の吸気口部(空気取り入れ部)45の間に設けられる。
また、第2のリブ71および第3のリブ72は、ここでは図示しないフィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿って平行に、伸びるように形成される。
【0049】
これにより、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿ってガイドする役割を果たす。
【0050】
また、筐体16内部では電子部品等から振動が発生するが、フィルタ60は、この第2のリブ71および第3のリブ72を介して筐体底部16に対向するため、筐体16内部で発生した振動がフィルタ60に伝達される可能性を低減することができる。
【0051】
なお、この実施の形態においては上記第2のリブ71および第3のリブ72を用いて説明を行ったが、少なくとも第2のリブ71を構成すれば、上記効果は期待できる。また、上記の他に、同様のリブを第2のリブ71および第3のリブ72に平行に構成することによって、さらに上記効果が期待できる。
【0052】
図10は、図8に示すテレビ接続機器に取り付けられるフィルタ支持部およびフィルタの外観を示す図である。
この実施の形態においては、フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿って挿入あるいは引き出される。
図示するように、フィルタ支持部63はガイド部64、ガイド部65、ガイド部66を備えている。
ガイド部64はブリッジ構造となっており、第1のリブに対向して設けられる。そして、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を、上記テレビ接続機器11を通常に置いた際の下側からガイドし、支持する。また、第1のリブは、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を同上側からガイドし、支持する。
【0053】
これにより、フィルタ60のフィルタ支持部63への着脱を容易にする。
ガイド部65、ガイド部66は、上記テレビ接続機器11を通常に置いた際の横方向に対し、いわゆるスカート形状になっている。そして、フィルタ60が挿入される入り口側を広く、そして、フィルタ60がフィルタ支持部64内部に挿入される方向に沿って狭くなるように構成される。
【0054】
これにより、フィルタ60のフィルタ支持部63への着脱を容易にする。
また、フィルタ60は引き出し部62を備えている。この引き出し部62を備えることにより、ユーザによるフィルタ60の引き出しを容易にする。
図11は、図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部が取り付けられた筐体底部の外観を示す図である。
図に示すように、上記ガイド部64、上記ガイド部65、上記ガイド部66を備えるフィルタ支持部63は筐体底部16に、第2の吸気口部(空気取り入れ部)45および第2のリブ71、第3のリブ72をカバーするように取り付けられる。
【0055】
図12は、図8に示すテレビ接続機器において、筐体底部に取り付けられたフィルタ支持部にフィルタが挿入または取り出されるようすを示す図である。
この実施の形態においては、図に示すように、テレビ接続機器11の筐体底部16に取り付けられたフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿ってフィルタ60が挿入または取り出される。
【0056】
上記のように、フィルタ支持部63のガイド部64は、第1のリブに対向したブリッジ構造となっており、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60をテレビ接続機器11の下側(筐体底部側)からガイドし、支持する。
【0057】
また、第1のリブは、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60の上部に位置し、このフィルタ60を上部側からガイドし、支持する。
【0058】
また、ガイド部65、ガイド部66は、上記テレビ接続機器11にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際の横方向に上記のようにスカート形状になっている。そして、フィルタ60が挿入される入り口側を広く、そして、フィルタ60がフィルタ支持部64内部に挿入される方向に沿って狭くなるように構成され、フィルタ60のフィルタ支持部63への着脱を容易にする。
【0059】
また、第2のリブ71および第3のリブ72は、上記のように、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿って平行に、伸びるように形成されている。
【0060】
これにより、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿ってガイドする役割を果たす。
【0061】
図13は、図12に示すテレビ接続機器の筐体底部、第1のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示すテレビ接続機器の断面構造を示す図である。
【0062】
図13(a)は、図12に示す符号100を付した破線(第2のリブ71と重複しない位置)近傍の第1のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示している。
【0063】
図に示すように、筐体底部16の外側の面に第1のリブ70が設けられ、この第1のリブ70に対向する位置にフィルタ支持部63に設けられるブリッジ形状のガイド部64が設けられる。
【0064】
また、ガイド部64は、第1のリブ70とフィルタ60が挿入される方向90に対向する面で実質的に揃っている。
そして、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60をテレビ接続機器11の下側からガイドし、支持する。
また、第1のリブは、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60の上部に位置し、このフィルタ60を上部側からガイドし、支持する。
【0065】
図13(b)は、符号101を付した破線(第2のリブ71と重複する位置)近傍の第1のリブ、第2のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示している。
【0066】
図に示すように、上記に加え、筐体底部16の外側の面に第2のリブ71が設けられ、フィルタ支持部63の内部にフィルタ60が挿入されるあるいはフィルタ支持部63の内部からフィルタ60が引き出される際に、フィルタ60をガイドするガイドレールの役割を果たす。
【0067】
また、このように第2のリブ71を構成することによって、筐体16内部で発生した振動がフィルタ60に伝達される可能性を低減することができる。
上記のように構成することによって、この発明の実施の形態においては、電子部品の冷却のために外部から取り入れられる空気に含まれる埃やゴミ等を低減することが可能になる。
【0068】
なお、上記実施形態は、記述そのものに限定されるものではなく、実施段階では、その趣旨を逸脱しない範囲で、構成要素を種々変形して具体化することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
11…テレビ接続機器、12A〜C…第1〜第3のプリント回路板、13A,B…第1および第2のヒートパイプ、14B…第2のヒートシンク、15…ファンユニット、16…筐体、16A…開口部、23…第1のプリント配線板、24…第1の発熱部品、26…第2のプリント配線板、27…第2の発熱部品、28…第3の発熱部品、31…第3のプリント配線板、32…第4の発熱部品、33…第1の端部、34…第2の端部、37…第3の端部、38…第4の端部、42…ファン本体、43…ファンケース、44…第1の吸気口部、45…第2の吸気口部(空気取り入れ部)、46…排気口部、46A…下側の半部、46B…上側の半部、51…放熱フィン、60…フィルタ、61…フィルタリング部、62…引き出し部、63…フィルタ支持部、64…ガイド部、65…ガイド部、66…ガイド部、70…第1のリブ、71…第2のリブ、72…第3のリブ。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、筐体に収容された電子部品を冷却する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の筐体には熱を発生する電子部品が収容されており、冷却を行う必要が生じている。
電子部品の冷却には、筐体の外部から空気を取り入れ、冷却にあてる方法がある。
しかし、この外部から取り入れられた空気には埃やゴミ等が含まれ、これらの埃やゴミ等が筐体内部に取り込まれ、電子機器を誤動作させたり、火災を発生させたりする原因となる可能性があり、問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−332868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器内部の電子部品の冷却を行う際に、電子機器の外部から空気を取り入れ、冷却にあてる方法があるが、外部から取り入れられた空気には埃やゴミ等が含まれ、電子機器を誤動作させたり、火災を発生させたりする原因となる可能性があった。
【0005】
そこで、電子部品の冷却のために外部から取り入れられる空気に含まれる埃やゴミ等を低減することが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電子機器は、電子部品が収容された筐体を備える。
また、前記電子部品を冷却するために前記筐体内部に向かって空気が取り入れられる前記筐体に設けられた空気取り入れ部を備える。
また、前記筐体の前記空気取り入れ部の周囲に前記筐体に対して突出して設けられる第1のリブを備える。
また、前記第1のリブと前記空気取り入れ部間の筐体に前記筐体に対して突出して設けられる第2のリブを備える。
また、前記空気取り入れ部と前記第1のリブ、前記第2のリブの周囲に設けられるフィルタ支持部を備える。
また、前記フィルタ支持部に着脱自在に支持され、前記空気取り入れ部から前記筐体内部に取り入れられる空気のフィルタリングを行うフィルタを備え、前記フィルタ支持部は前記フィルタが挿入される位置に前記フィルタの挿入をガイドするガイド部が前記第1のリブに対向して設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る電子機器の一例であるテレビ接続機器を示す斜視図。
【図2】図1に示すテレビ接続機器の水平方向に沿った断面図。
【図3】図1に示すテレビ接続機器の内部を背面方向から示した背面図。
【図4】図1に示すテレビ接続機器の水平方向に沿った断面図であって、図2に示す断面図とは異なる高さで切断して示した断面図。
【図5】図1に示すテレビ接続機器の第2のプリント回路板を示した上面図。
【図6】図1に示すテレビ接続機器のF6−F6線に沿った断面図。
【図7】図1に示すテレビ接続機器の水平方向に沿った断面図であって、図2に示す断面図とは異なる高さで切断して示した断面図。
【図8】実施の形態に係る電子機器の一例であるテレビ接続機器の筐体底部の外観を示す図。
【図9】図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部およびフィルタが取り付けられる前の筐体底部の外観を示す図。
【図10】図8に示すテレビ接続機器に取り付けられるフィルタ支持部およびフィルタの外観を示す図。
【図11】図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部が取り付けられた筐体底部の外観を示す図。
【図12】図8に示すテレビ接続機器において、筐体底部に取り付けられたフィルタ支持部にフィルタが挿入または取り出されるようすを示す図。
【図13】図12に示すテレビ接続機器の筐体底部、第1のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示すテレビ接続機器の断面構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図1から図7を参照して、電子機器の一例であるテレビ接続機器の実施形態について説明する。このテレビ接続機器は、薄型テレビ等に接続されて使用されるものであり、例えば各種のテレビ番組を受信する機能および複数のテレビ番組を同時に録画したり、長時間番組を録画したりする機能を有する。このテレビ接続機器では、地上波デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送をそれぞれ受信して、これらの番組を録画することができる。
【0009】
図1に示すように、テレビ接続機器11は、装置の外郭をなした箱状の筐体16を備えている。図2、図3に示すように、テレビ接続機器11は、さらに、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cと、第1および第2のヒートパイプ13A,Bと、第1および第2のヒートシンク14A,Bと、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cを冷却するためのファンユニット15と、を筐体16の内部に備えている。また、テレビ接続機器11は、第1および第2の補助ファンユニット53と、映像を記憶するための記憶装置である第1および第2のハードディスクドライブ装置17A,Bと、認証用のカードを差し込み可能なカードホルダー18と、複数の電源回路部品19を実装した電源回路基板20と、を筐体16の内部に備えている。
【0010】
第1のプリント回路板12Aは、いわゆるチューナ基板であり、第1のプリント配線板23と、第1のプリント配線板23の一方の面(上面)に固定された第1の発熱部品24と、を有している。本実施形態において第1の発熱部品24は、例えば、チューナで構成される。第1のプリント回路板12A全体の発熱量は、例えば、15−20W程度である。図2と図3に示すように、第1のプリント回路板12Aは、上方から見て、第2のヒートパイプ13Bと重なる位置で、第1のヒートパイプ13Aから外れた位置に配置されている。
【0011】
第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aよりも上側の位置に設けられている。第2のプリント回路板12Bは、いわゆるメイン基板(セル基板)であり、テレビ接続機器11の各部品の制御を統括している。第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aとの間に隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向している。図2、図3に示すように、第2のプリント回路板12Bは、ファンユニット15の一部に上側から重なるように配置されている。
【0012】
図2、図3、図5に示すように、第2のプリント回路板12Bは、第2のプリント配線板26と、第2のプリント配線板26の一方の面(下面)に固定された第2の発熱部品27および第3の発熱部品28と、その他の発熱部品と、を備えている。第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aおよび第3のプリント回路板12Cよりも大きく形成されている。第2のプリント回路板12Bは、第1のプリント回路板12Aおよび第3のプリント回路板12Cの上部を蓋状に覆っており、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cから発生した熱がファンユニット15に積極的に向かうようになっている。
【0013】
第2の発熱部品27は、例えばセルプロセッサと呼ばれる回路部品で構成される。第2の発熱部品27の発熱量は、例えば、50W程度である。また、図3に示すように、第2の発熱部品27は、第1の発熱部品24から外れた位置に設けられている。
【0014】
第3の発熱部品28は、例えばI/Oコントローラ等の回路部品で構成される。第3の発熱部品28の発熱量は、例えば、15W程度である。図3に示すように、第3の発熱部品28は、第1の発熱部品24に重なる位置に配置されている。その他の発熱部品には、RAM等の回路部品が含まれている。従って、第2のプリント回路板12B全体の発熱量は、例えば、50−100W程度であり、第1のプリント回路板12Aよりも大きい発熱量を有している。
【0015】
図2、図3に示すように、第3のプリント回路板12Cは、第1のプリント回路板12Aよりも下側の位置に設けられている。第3のプリント回路板12Cは、いわゆる画像処理基板である。第3のプリント回路板12Cは、第1のプリント回路板12Aとの間に隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向している。第3のプリント回路板12Cは、第3のプリント配線板31と、第3のプリント回路板12Cの一方の面(上面)に固定された第4の発熱部品32と、を有している。第4の発熱部品32は、例えば画像処理用の回路部品で構成される。第3のプリント回路板12C全体の発熱量は、例えば、1−10W程度であり、第1のプリント回路板12Aよりも小さい発熱量を有している。このため、3つのプリント回路板12A〜Cは、発熱量の大きい順に上側から並んでいる。
【0016】
図2、図3、図5に示すように、第1のヒートパイプ13Aは、第2の発熱部品27の冷却用に用いられる。第1のヒートパイプ13Aは、2本で構成されており、それぞれ外径8mmのロッド状に形成されている。第1のヒートパイプ13Aは、例えば銅などによって形成された中空な棒状の本体の内部に、水などの作動流体を封入して形成されている。2本の第1のヒートパイプ13Aは、第2の発熱部品27に熱的に接続された第1の端部33と、第1の端部33とは反対側に設けられた第2の端部34と、をそれぞれ有している。第1の端部33は、第1の受熱板35を介して第2の発熱部品27に熱的に接続されている。第2の端部34は、ファンユニット15の近傍に配置されている。
【0017】
より具体的には、一方の第1のヒートパイプ13Aaの第2の端部34は、ファンユニット15の後述する排気口部46の下側の半部46Aに対向している。また、他方の第1のヒートパイプ13Abの第2の端部34は、ファンユニット15の後述する排気口部46の上側の半部46Bに対向している。
【0018】
なお、2つの第1のヒートパイプ13Aは、受熱部分の設置高さが放熱部分の設置高さよりも高い、いわゆるトップヒート状態で設置されている。しかしながら、2つの第1のヒートパイプ13Aは、トップヒート対応のヒートパイプを使用しているため、冷却性能が発揮されない事態は生じない。具体的には、第1のヒートパイプ13Aの内周面に設けるウィックには、銅粉末を一定の厚みで焼結して形成した多孔質層を用いた。
【0019】
第2のヒートパイプ13Bは、第3の発熱部品28の冷却用に用いられる。第1のヒートパイプ13Bは、例えば銅などによって形成された中空な棒状の本体の内部に、水などの作動流体を封入して形成されている。第2のヒートパイプ13Bは、第3の発熱部品28に熱的に接続される第3の端部37と、第3の端部37とは反対側に設けられる第4の端部38と、を有している。第3の端部37は、第2の受熱板39を介して第2の発熱部品27に熱的に接続されている。第4の端部38は、ファンユニット15の排気口部46の近傍に配置されている。より具体的には、第4の端部38は、ファンユニット15の排気口部46よりも上側に配置されている。なお、第2のヒートパイプ13Bは、受熱部分の設置高さが放熱部分の設置高さが略同等に設置されており、トップヒート状態とはなっていない。このため、第2のヒートパイプ13Bに用いるウィックは、第2のヒートパイプ13Bの内周面に形成した複数の細溝である。
【0020】
また、本実施形態では、第4の端部38が排気口部46よりも上側に配置されているが、これに限定されるものではない。第4の端部38が排気口部46に正対するように、排気口部46を大きく設けても良い。
【0021】
また、図2に示すように、ファンユニット15と第2の発熱部品27との間の距離は、ファンユニット15と第3の発熱部品28との間の距離よりも短くなっている。このため、第1のヒートパイプ13Aの長さは、第2のヒートパイプ13Bの長さよりも短いものになっている。
【0022】
図2、図3に示すように、第1のヒートシンク14Aは、第1のヒートパイプ13Aの第2の端部34および第2のヒートパイプ13Bの第4の端部38に接続されて、第1のヒートパイプ13Aおよび第2のヒートパイプ13Bの放熱を促進するものである。第1のヒートシンク14Aは、後述する第1のファンユニット15の排気口部46に対向する位置に配置されている。第1のヒートシンク14Aは、第2の端部34および第4の端部38に接続された複数のフィン41Aを有している。
【0023】
ファンユニット15は、第2のプリント回路板12Bよりも下側の位置に配置されている。ファンユニット15は、第1〜第3のプリント回路板12A〜Cから発生した熱を筐体16の外部に排出することができる。図4と図6に示すように、ファンユニット15は、ファン本体42と、ファン本体42の周囲を取り囲む箱状のファンケース43と、ファン本体42の回転を駆動するモータ47と、を有している。ファンケース43は、上部に設けられる第1の吸気口部44と、下部に設けられる第2の吸気口部45と、側部に設けられる排気口部46と、を有している。
【0024】
第1の吸気口部44は、筐体16の内部とファンケース43の内部とを連続させている。また、第2の吸気口部45は、筐体16の外部とファンケース43の内部とを連続させている。第1のファンユニット15は、第1の吸気口部44を介して、筐体16の内部から空気を吸気することができる。同様に、第1のファンユニット15は、第2の吸気口部45を介して、筐体16の外部から空気を吸気することができる。第1のファンユニット15は、排気口部46を介して、ファン本体42からの送風を第1のヒートシンク14Aおよび筐体16の外部に向けて送ることができる。
【0025】
図6、図7に示すように、第2のヒートシンク14Bは、第4の発熱部品32と熱的に接続されている。第2のヒートシンク14Bは、上方に向けて起立した複数の放熱フィン51を有している。放熱フィン51は、筐体16に設けられた吸気用の開口部16Aと、ファンユニット15とを結んだ方向に沿った方向に配置されている。このため、開口部16Aからファンユニット15に向かう空気の流れを乱すことなく、第4の発熱部品32の冷却が円滑になされる。
【0026】
ここで、第1および第2のハードディスクドライブ装置17A,Bの冷却作用および第1から第4の発熱部品32の冷却作用について説明する。図2に示すように、第1のハードディスク装置17Aおよび第2のハードディスク装置17Bは、第1の補助ファンユニット52によって筐体16の外部から吸引した空気によって冷却される。また、第1のハードディスク装置17Aおよび第2のハードディスク装置17Bの冷却に使用された空気は、電源回路部品19の冷却にも用いられる。電源回路部品19の冷却に用いられた空気は、第2の補助ファンユニット53の作用によって筐体16の外部に排出される。
【0027】
図6に示すように、第1の発熱部品24で発生した熱は、周囲を流れる空気に伝達されて、ファンユニット15に送られる。ファンユニット15に送られた空気は、排気口部46を介して筐体15の外部に排出される。
【0028】
図3に示すように、第2の発熱部品27で発生した熱は、第1の受熱板35および2本の第1のヒートパイプ13Aを介して、第2の端部34および第1のヒートシンク14Aまで運ばれる。このとき、一方の第1のヒートパイプ13Aの第2の端部34は、ファンユニット15の排気口部46の下側の半部46Aに対向している。この排気口部46の下側の半部46Aには、主として第2の吸気口部45を介して筐体16の外部から吸引された空気が送られる。このため、一方の第1のヒートパイプ13Aaの第2の端部34には、温度の低い空気が送られて、第2の発熱部品27の冷却が他の発熱部品よりも優先的になされる。また、他方の第1のヒートパイプ13Abの第2の端部34は、ファンユニット15の排気口部46の上側の半部46Bに対向している。この他方の第1のヒートパイプ13Aによっても第2の発熱部品27の冷却がなされるため、第2の発熱部品27の冷却はさらに促進される。
【0029】
第3の発熱部品28で発生した熱は、第2の受熱板39および第2のヒートパイプ13Bを介して、第4の端部38および第1のヒートシンク14Aまで運ばれる。このとき、第4の端部38および第1のヒートシンク14Aまで運ばれた熱は、ファンユニット15から送られる空気に伝達されて筐体16の外部に排出される。
【0030】
図6と図7に示すように、第4の発熱部品32で発生した熱は、第2のヒートシンク14Bに伝達される。第2のヒートシンク14Bに伝達された熱は、筐体16の開口部16Aから吸引された空気に伝達され、ファンユニット15の排気口部46に送られてその後筐体16の外部に排出される。第4の発熱部品32の発熱量は小さいので、この第2のヒートシンク14Bによっても第4の発熱部品32の冷却は十分になされる。
【0031】
第1の実施形態によれば、テレビ接続機器11は、第1のプリント配線板23と、これに固定される第1の発熱部品24と、を有する第1のプリント回路板12Aと、第2のプリント配線板26と、これに固定される第2の発熱部品27および第3の発熱部品28とを有し、第1のプリント回路板12Aよりも大きい発熱量を有するとともに、第1のプリント回路板12Aよりも上側の位置で、隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向した第2のプリント回路板12Bと、第3のプリント配線板31と、これに固定される第4の発熱部品32とを有し、第1のプリント回路板12Aよりも小さい発熱量を有するとともに、第1のプリント回路板12Aよりも下側の位置で、隙間を有して第1のプリント回路板12Aに対向した第3のプリント回路板12Cと、第1のプリント回路板12A、第2のプリント回路板12B、および第3のプリント回路板12Cを収容する筐体16と、筐体16の内部に収容されるとともに、第1のプリント回路板12A、第2のプリント回路板12B、および第3のプリント回路板12Cから発生した熱を筐体16の外部に排出するファンユニット15と、を具備する。
【0032】
この構成によれば、ファンユニット15によって第1から第4の発熱部品24、27、28、32から発生した熱を筐体16の外部に放出できる。また、このとき、最も発熱量の大きい第2のプリント回路板12Bが最上部に配置されているため、第2のプリント回路板12Bから発生した熱が他のプリント回路板に悪影響を及ぼしてしまうことを防止できる。
【0033】
この場合、第2の発熱部品27および第3の発熱部品28は、第2のプリント配線板26の下面に固定されており、第2のプリント回路板12Bは、ファンユニット15の上側に重なって配置されている。この構成によれば、第2のプリント配線板26が蓋のように作用し、第2の発熱部品27および第3の発熱部品28から発生した熱を、第2のプリント配線板26の下側に配置されたファンユニット15によって効率よく筐体16の外部に排出できる。
【0034】
本実施形態のテレビ接続機器11は、第2の発熱部品27に熱的に接続される第1の端部33と、第1の端部33とは反対側に設けられるとともにファンユニット15の近傍に配置される第2の端部34と、を有した第1のヒートパイプ13Aaを具備し、ファンユニット15は、ファン本体42と、ファン本体42の周囲を取り囲むファンケース43と、を備え、ファンケース43は、上部に設けられるとともに筐体16の内部とファンケース43の内部とを連続させた第1の吸気口部44と、下部に設けられるとともに筐体16の外部とファンケース43の内部とを連続させた第2の吸気口部45と、側部に設けられるとともにファン本体42からの送風を筐体16の外部に向けて送るための排気口部46と、を有し、第2の発熱部品27の発熱量は、第3の発熱部品28の発熱量よりも大きくなっており、第2の端部34は、排気口部46の下側の半部46Aに対向して配置される。
【0035】
この構成によれば、第2の吸気口部45を介して筐体16の外部から吸引された空気は、主として排気口部46の下側の半部46Aに向けて送られる。このため、発熱量の大きい第2の発熱部品27に接続された第1のヒートパイプ13Aaの第2の端部34を効率よく冷却して、第2の発熱部品27の冷却を他の発熱部品よりも優先的に行うことができる。
【0036】
また、テレビ接続機器11は、第3の発熱部品28に熱的に接続される第3の端部37と、第3の端部37とは反対側に設けられるとともにファンユニット15の排気口部46の近傍に配置される第4の端部38と、を有した第2のヒートパイプ13Bを具備する。これによれば、第2のヒートパイプ13Bによって第3の発熱部品28を冷却することができる。その際、第2のヒートパイプ13Bの第4の端部38は、ファンユニット15の排気口部46の下側の半部46Aに配置されるわけではないので、第3の発熱部品28の冷却効率は、第2の発熱部品27の冷却効率よりも劣ることになる。しかし、第3の発熱部品28の発熱量は、第2の発熱部品27の発熱量よりも小さいため冷却効率が劣っていても差し支えない。むしろ、第1のヒートパイプ13Aおよび第2のヒートパイプ13Bのレイアウトを工夫することで、優先度に応じた各発熱部品の冷却を実現できる。
【0037】
本実施形態のように、最上部にある第2のプリント回路板12Bの第2の発熱部品27と接続した第1のヒートパイプ13Aを、第1のプリント回路板12Aよりも下側にあるファンユニット15の近傍、すなわち、排気口部46の下側の半部46Aにまで引き回すようにすると、中間位置にある第1のプリント回路板12Aとこの第1のヒートパイプ13Aとが干渉する恐れがある。本実施形態では、第1のプリント回路板12Aは、第2のヒートパイプ13Bと重なる位置で、第1のヒートパイプ13Aから外れた位置に配置される。これによれば、第1のヒートパイプ13Aと第1のプリント回路板12Aとが干渉してしまうことを防止できる。
【0038】
通常、ヒートパイプの長さが短くなればなるほど、ヒートパイプの熱輸送性能は向上する。本実施形態では、ファンユニット15と第2の発熱部品27との距離は、ファンユニット15と第3の発熱部品28との距離よりも短い。このため、第1のヒートパイプ13Aの長さを第2のヒートパイプ13Bよりも短くすることができる。これによって、第1のヒートパイプ13Aの熱輸送量を大きくして、第2の発熱部品27を効率よく冷却することができる。
【0039】
また、第3の発熱部品28は、第1の発熱部品24に重なる位置に設けられるとともに、第2の発熱部品27は、第1の発熱部品24から外れた位置に設けられる。この構成によれば、発熱量の大きい第2の発熱部品27を第1の発熱部品24から外れた位置に配置することができる。これによって、筐体16の内部の一箇所に熱が集中してしまうことを防止できる。
【0040】
テレビ接続機器11は、筐体16に設けられるとともに、外部から筐体16の内部に空気を取り入れることができる開口部16Aと、第4の発熱部品32の冷却を促進するための複数の放熱フィン51を有した第2のヒートシンク14Bを具備し、複数の放熱フィン51は、開口部16Aとファンユニット15とを結んだ方向に沿った方向に配置される。この構成によれば、開口部16Aからファンユニット15に向けて送られる空気の流れが放熱フィン51によって乱されることがなく、第4の発熱部品32の冷却および第1および第2のヒートパイプ13Bの冷却を円滑に行うことができる。
【0041】
図8は、実施の形態に係る電子機器の一例であるテレビ接続機器の筐体底部の外観を示す図である。
この実施の形態においては、上記説明した電子機器の一例であるテレビ接続機器の筐体底部の構造を説明する。
符号16は上記テレビ接続機器11の筐体であり、ここでは筐体底部である。
符号70は上記筐体底部16に設けられるリブであり、ここでは第1のリブと呼ぶ。この第1のリブ70は、金属等で構成される筐体底部16に、例えばプレス加工等が施され、筐体内部から外部に向けてレール状の段差が突出するように形成された凸部形状の構造である。
【0042】
この第1のリブ70は、略四角形状である筐体底部16の四辺に沿うように形成される。これにより、筐体底部16の機械的強度を向上させることが可能になる。この第1のリブ70は、この実施の形態のように閉じるように形成されると、筐体底部16面内のどの方向に対しても機械的強度を向上させることができる。
【0043】
また、この実施の形態においては、第2のリブ71および第3のリブ72(後述)が形成されている。これら、第2のリブ71および第3のリブ72も第1のリブ70と同様に、金属等で構成される筐体底部16に、例えばプレス加工等が施され、筐体内部から外部に向けてレール状の段差が突出するように形成された凸部形状である。
【0044】
符号60はフィルタである。フィルタ60は、符号61を付したフィルタリング部、符号62を付した引き出し部を備えている。
また、符号63はフィルタ支持部である。フィルタ支持部63は、符号64を付したガイド部、符号65を付したガイド部および符号66を付したガイド部を備えている。
【0045】
フィルタ支持部63は、後述する第2の吸気口部(空気取り入れ部)45、第2のリブ71、第3のリブ72をカバーするように筐体底部16に取り付けられる。
この実施の形態においては、フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、符号90を付した矢印の方向に沿って着脱自在に構成される。そして、ユーザによりフィルタ60がフィルタ支持部63に挿入される。また、ユーザによりフィルタ60がフィルタ支持部63から引き出される。
【0046】
また、フィルタ支持部63にフィルタ60が装着される際は、第2の吸気口部(空気取り入れ部)45がフィルタリング部61により、確実にカバーされるように構成されることが望ましい。
【0047】
そして、フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿って挿入あるいは引き出される。
このフィルタ60が挿入あるいは引き出される方向に対向する筐体16の面(側面)がこの実施形態におけるテレビ接続機器11の正面である。
図9は、図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部およびフィルタが取り付けられる前の筐体底部の外観を示す図である。
フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿って挿入あるいは引き出される。
図に示すように、筐体底部16には第2の吸気口部(空気取り入れ部)45が設けられる。
また、上記のように、筐体底部16には第1のリブ70、第2のリブ71、第3のリブ72が設けられる。
この実施の形態においては、上記のように、この第1のリブ70は、略四角形状である筐体底部16の四辺に沿うように形成される。また、第1のリブ70は第2の吸気口部(空気取り入れ部)45を取り囲むように設けられる。
【0048】
また、第2のリブ71および第3のリブ72は第1のリブ70と第2の吸気口部(空気取り入れ部)45の間に設けられる。
また、第2のリブ71および第3のリブ72は、ここでは図示しないフィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿って平行に、伸びるように形成される。
【0049】
これにより、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿ってガイドする役割を果たす。
【0050】
また、筐体16内部では電子部品等から振動が発生するが、フィルタ60は、この第2のリブ71および第3のリブ72を介して筐体底部16に対向するため、筐体16内部で発生した振動がフィルタ60に伝達される可能性を低減することができる。
【0051】
なお、この実施の形態においては上記第2のリブ71および第3のリブ72を用いて説明を行ったが、少なくとも第2のリブ71を構成すれば、上記効果は期待できる。また、上記の他に、同様のリブを第2のリブ71および第3のリブ72に平行に構成することによって、さらに上記効果が期待できる。
【0052】
図10は、図8に示すテレビ接続機器に取り付けられるフィルタ支持部およびフィルタの外観を示す図である。
この実施の形態においては、フィルタ60はこのフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿って挿入あるいは引き出される。
図示するように、フィルタ支持部63はガイド部64、ガイド部65、ガイド部66を備えている。
ガイド部64はブリッジ構造となっており、第1のリブに対向して設けられる。そして、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を、上記テレビ接続機器11を通常に置いた際の下側からガイドし、支持する。また、第1のリブは、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を同上側からガイドし、支持する。
【0053】
これにより、フィルタ60のフィルタ支持部63への着脱を容易にする。
ガイド部65、ガイド部66は、上記テレビ接続機器11を通常に置いた際の横方向に対し、いわゆるスカート形状になっている。そして、フィルタ60が挿入される入り口側を広く、そして、フィルタ60がフィルタ支持部64内部に挿入される方向に沿って狭くなるように構成される。
【0054】
これにより、フィルタ60のフィルタ支持部63への着脱を容易にする。
また、フィルタ60は引き出し部62を備えている。この引き出し部62を備えることにより、ユーザによるフィルタ60の引き出しを容易にする。
図11は、図8に示すテレビ接続機器において、フィルタ支持部が取り付けられた筐体底部の外観を示す図である。
図に示すように、上記ガイド部64、上記ガイド部65、上記ガイド部66を備えるフィルタ支持部63は筐体底部16に、第2の吸気口部(空気取り入れ部)45および第2のリブ71、第3のリブ72をカバーするように取り付けられる。
【0055】
図12は、図8に示すテレビ接続機器において、筐体底部に取り付けられたフィルタ支持部にフィルタが挿入または取り出されるようすを示す図である。
この実施の形態においては、図に示すように、テレビ接続機器11の筐体底部16に取り付けられたフィルタ支持部63に、矢印90の方向に沿ってフィルタ60が挿入または取り出される。
【0056】
上記のように、フィルタ支持部63のガイド部64は、第1のリブに対向したブリッジ構造となっており、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60をテレビ接続機器11の下側(筐体底部側)からガイドし、支持する。
【0057】
また、第1のリブは、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60の上部に位置し、このフィルタ60を上部側からガイドし、支持する。
【0058】
また、ガイド部65、ガイド部66は、上記テレビ接続機器11にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際の横方向に上記のようにスカート形状になっている。そして、フィルタ60が挿入される入り口側を広く、そして、フィルタ60がフィルタ支持部64内部に挿入される方向に沿って狭くなるように構成され、フィルタ60のフィルタ支持部63への着脱を容易にする。
【0059】
また、第2のリブ71および第3のリブ72は、上記のように、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿って平行に、伸びるように形成されている。
【0060】
これにより、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60を、フィルタ60がフィルタ支持部63に挿入あるいは引き出される方向(矢印90)に沿ってガイドする役割を果たす。
【0061】
図13は、図12に示すテレビ接続機器の筐体底部、第1のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示すテレビ接続機器の断面構造を示す図である。
【0062】
図13(a)は、図12に示す符号100を付した破線(第2のリブ71と重複しない位置)近傍の第1のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示している。
【0063】
図に示すように、筐体底部16の外側の面に第1のリブ70が設けられ、この第1のリブ70に対向する位置にフィルタ支持部63に設けられるブリッジ形状のガイド部64が設けられる。
【0064】
また、ガイド部64は、第1のリブ70とフィルタ60が挿入される方向90に対向する面で実質的に揃っている。
そして、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60をテレビ接続機器11の下側からガイドし、支持する。
また、第1のリブは、フィルタ支持部63にフィルタ60が挿入あるいは引き出される際に、フィルタ60の上部に位置し、このフィルタ60を上部側からガイドし、支持する。
【0065】
図13(b)は、符号101を付した破線(第2のリブ71と重複する位置)近傍の第1のリブ、第2のリブ、フィルタ支持部に設けられるガイド部およびフィルタの位置関係を示している。
【0066】
図に示すように、上記に加え、筐体底部16の外側の面に第2のリブ71が設けられ、フィルタ支持部63の内部にフィルタ60が挿入されるあるいはフィルタ支持部63の内部からフィルタ60が引き出される際に、フィルタ60をガイドするガイドレールの役割を果たす。
【0067】
また、このように第2のリブ71を構成することによって、筐体16内部で発生した振動がフィルタ60に伝達される可能性を低減することができる。
上記のように構成することによって、この発明の実施の形態においては、電子部品の冷却のために外部から取り入れられる空気に含まれる埃やゴミ等を低減することが可能になる。
【0068】
なお、上記実施形態は、記述そのものに限定されるものではなく、実施段階では、その趣旨を逸脱しない範囲で、構成要素を種々変形して具体化することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
11…テレビ接続機器、12A〜C…第1〜第3のプリント回路板、13A,B…第1および第2のヒートパイプ、14B…第2のヒートシンク、15…ファンユニット、16…筐体、16A…開口部、23…第1のプリント配線板、24…第1の発熱部品、26…第2のプリント配線板、27…第2の発熱部品、28…第3の発熱部品、31…第3のプリント配線板、32…第4の発熱部品、33…第1の端部、34…第2の端部、37…第3の端部、38…第4の端部、42…ファン本体、43…ファンケース、44…第1の吸気口部、45…第2の吸気口部(空気取り入れ部)、46…排気口部、46A…下側の半部、46B…上側の半部、51…放熱フィン、60…フィルタ、61…フィルタリング部、62…引き出し部、63…フィルタ支持部、64…ガイド部、65…ガイド部、66…ガイド部、70…第1のリブ、71…第2のリブ、72…第3のリブ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が収容された筐体と、
前記電子部品を冷却するために前記筐体内部に向かって空気が取り入れられる前記筐体に設けられた空気取り入れ部と、
前記筐体の前記空気取り入れ部の周囲に前記筐体に対して突出して設けられる第1のリブと、
前記第1のリブと前記空気取り入れ部間の筐体に前記筐体に対して突出して設けられる第2のリブと、
前記空気取り入れ部と前記第1のリブ、前記第2のリブの周囲に設けられるフィルタ支持部と、
前記フィルタ支持部に着脱自在に支持され、前記空気取り入れ部から前記筐体内部に取り入れられる空気のフィルタリングを行うフィルタを備え、
前記フィルタ支持部は前記フィルタが挿入される位置に前記フィルタの挿入をガイドするガイド部が前記第1のリブに対向して設けられる電子機器。
【請求項2】
前記第2のリブは前記フィルタが挿入される方向に沿うように設けられる請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ガイド部は前記フィルタが挿入される、入り口側を広く、フィルタが挿入される方向に沿って狭くなるように構成される請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記フィルタは前記フィルタ支持部に挿入されたフィルタを引き出すための引き出し部をさらに備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記空気取り入れ部は前記筐体の底部に設けられる請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1のリブは前記筐体の側部近傍の前記筐体の底部に設けられ、前記フィルタ支持部の前記フィルタが挿入される挿入口近傍において、前記ガイド部は前記第1のリブと前記フィルタが挿入される方向に対向する面で実質的に揃う部分を構成する請求項1に記載の電子機器。
【請求項1】
電子部品が収容された筐体と、
前記電子部品を冷却するために前記筐体内部に向かって空気が取り入れられる前記筐体に設けられた空気取り入れ部と、
前記筐体の前記空気取り入れ部の周囲に前記筐体に対して突出して設けられる第1のリブと、
前記第1のリブと前記空気取り入れ部間の筐体に前記筐体に対して突出して設けられる第2のリブと、
前記空気取り入れ部と前記第1のリブ、前記第2のリブの周囲に設けられるフィルタ支持部と、
前記フィルタ支持部に着脱自在に支持され、前記空気取り入れ部から前記筐体内部に取り入れられる空気のフィルタリングを行うフィルタを備え、
前記フィルタ支持部は前記フィルタが挿入される位置に前記フィルタの挿入をガイドするガイド部が前記第1のリブに対向して設けられる電子機器。
【請求項2】
前記第2のリブは前記フィルタが挿入される方向に沿うように設けられる請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ガイド部は前記フィルタが挿入される、入り口側を広く、フィルタが挿入される方向に沿って狭くなるように構成される請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記フィルタは前記フィルタ支持部に挿入されたフィルタを引き出すための引き出し部をさらに備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記空気取り入れ部は前記筐体の底部に設けられる請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1のリブは前記筐体の側部近傍の前記筐体の底部に設けられ、前記フィルタ支持部の前記フィルタが挿入される挿入口近傍において、前記ガイド部は前記第1のリブと前記フィルタが挿入される方向に対向する面で実質的に揃う部分を構成する請求項1に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−64897(P2012−64897A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210081(P2010−210081)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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