説明

電子機器

【課題】消費電力が増加することを抑えつつ、電源が遮断にされた場合に装置全体への電力供給を確実に遮断する電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、AC/DCコンバーター101と、第1コンデンサC1と、スリープCPU91と、を備える。また、電子機器は、AC/DCコンバーター101と第1コンデンサC1との間に接続され、スリープCPU91の制御に基づいて、AC/DCコンバーター101と第1コンデンサC1とを電気的に接続し又は電気的に非接続とする第1スイッチ102と、第1コンデンサC1とスリープCPU91との間に接続され、AC/DCコンバーター101から直流電圧が出力される場合に第1コンデンサC1とスリープCPU91とを電気的に接続し、AC/DCコンバーター101から直流電圧が出力されない場合に第1コンデンサC1とスリープCPU91とを電気的に非接続とする第2スイッチ103と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各部に供給される電力を遮断することが可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の一例としては、プリンターやコピー機等の画像形成装置が挙げられる。画像形成装置には、用紙に画像を形成することが可能な通常モードと、消費電力を低減するために用紙に画像を形成することができない省エネモードとを相互に移行させることが可能なものがある。そのような画像形成装置では、通常モードに設定された場合に、画像形成装置を構成する各部と蓄電池とに電力を供給して、各部を動作可能にさせると共に、蓄電池を充電させるようになっている。さらに、その画像形成装置では、省エネモードに設定された場合に、充電池から画像形成装置の各部に電力を供給するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
また、画像形成装置には、1次側に配置されたACスイッチと、2次側に配置されたDCスイッチとを備える電源装置が配置されるものがある。その電源装置は、ACスイッチとDCスイッチとが連動して動作することにより、画像形成装置が停止した場合に、2次側に接続される負荷に電力が供給されることを防ぐようになっている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−74558号公報
【特許文献2】特開2004−336894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置は、蓄電池から画像形成装置の各部に電力を供給している際に、画像形成装置の電源が遮断(オフ(OFF))にされた場合でも、蓄電池から各部に電力を供給し続ける。これは、電源部がオフにされたことを検知する手段が画像形成装置に設けられていないためである。これにより、特許文献1に記載された画像形成装置は、蓄電池から画像形成装置の各部に電力を供給している際に、画像形成装置の電源がオフ(OFF)にされた場合でも、システムをオフにすることができない可能性がある。
【0006】
また、特許文献2に記載された電源装置は、ACスイッチがオフにされた場合には、そのACスイッチに連動してDCスイッチがオフになる。しかしながら、ACスイッチに連動してDCスイッチをオフにするためには、電源装置は、例えば、フォトカプラー等の絶縁スイッチが必要となるため、消費電力が増加してしまう。
【0007】
本発明は、消費電力が増加することを抑えつつ、電源が遮断にされた場合に装置全体への電力供給を確実に遮断する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバーターと、前記コンバーターに電気的に接続し、電荷を蓄積し又は放電することが可能な電荷蓄積部と、前記コンバーター及び前記電荷蓄積部に電気的に接続する制御部と、前記コンバーターと前記電荷蓄積部との間に電気的に接続され、前記制御部の制御に基づいて、前記コンバーターと前記電荷蓄積部とを電気的に接続し又は電気的に非接続とする第1スイッチと、前記電荷蓄積部と前記制御部との間に電気的に接続され、前記コンバーターから直流電圧が出力される場合に前記電荷蓄積部と前記制御部とを電気的に接続し、前記コンバーターから直流電圧が出力されない場合に前記電荷蓄積部と前記制御部とを電気的に非接続とする第2スイッチと、を備える電子機器に関する。
【0009】
また、前記コンバーターの入力側には、交流電圧が前記コンバーターに入力されるのを遮断することが可能な第3スイッチが電気的に接続されることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、消費電力を低減させるために前記第1スイッチを非接続にするよう制御している場合に、前記制御部に入力される直流電圧の電圧値を検知した結果が所定の電圧値未満になると、前記第1スイッチを電気的に接続するよう制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、消費電力が増加することを抑えつつ、電源が遮断にされた場合に装置全体への電力供給を確実に遮断する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子機器の一実施形態に係るコピー機の全体構成を説明するための図である。
【図2】コピー機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】コピー機の回路構成について説明するための図である。
【図4】省エネモードに設定された場合のコピー機の動作について説明するためのフローチャートである。
【図5】電流値と効率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明の電子機器の一実施形態について説明する。本発明の電子機器は、通常動作を行う通常モードと、消費される電力を低減させた省電力モードとを相互に移行させることが可能なものである。その電子機器の一例には、コピー機1(画像形成装置)が挙げられる。このため、以下では、コピー機を例示して説明する。まず、コピー機1の全体構成について説明する。図1は、電子機器の一実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のコピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Automatic Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0015】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図1に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0016】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図1において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0017】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーである。
【0018】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が到達するタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0019】
画像形成部40は、トナー画像を形成するためのものであり、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0020】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図1に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0021】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に関して対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0022】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0023】
次に、コピー機1の機能構成について説明する。図2は、コピー機1の機能構成を示すブロック図である。
コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、制御部90とを備える。
【0024】
操作部70は、テンキー(図示せず)、タッチパネル(図示せず)及びスタートキー(図示せず)等を備える。テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネルは、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネルに表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に供給する。
【0025】
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、コピー機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0026】
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。
【0027】
次に、図3を参照して、本実施形態に係るコピー機1の特徴部分の回路構成について説明する。図3は、コピー機1の回路構成について説明するための図である。
【0028】
コピー機1は、電力供給部100(パワーサプライ)と、回路本体120とを備える。電力供給部100は、AC/DCコンバーター101(本発明の「コンバーター」に対応する)と、電荷蓄積部と、第1スイッチ102と、第2スイッチ103と、を備える。また、電力供給部100の入力側の回路には、本体スイッチ111(本発明の「第3スイッチ」に対応する)が配置される。また、回路本体120は、上述した制御部90を備える。制御部90は、スリープCPU(Central Processing Unit)91と、システムCPU92とを備える。
【0029】
本体スイッチ111は、コピー機1の電源をオン(ON)又はオフ(OFF)にするスイッチである。すなわち、本体スイッチ111は、交流電圧がAC/DCコンバーター101に入力されるのを遮断することが可能である。
【0030】
AC/DCコンバーター101は、交流電圧を直流電圧に変換する。AC/DCコンバーター101の入力側(1次側)には、本体スイッチ111が電気的に接続される。
【0031】
電荷蓄積部は、電荷を蓄積し、蓄積した電荷を放電することができるものである。例えば、電荷蓄積部は、コンデンサである。以下では、電荷蓄積部を「第1コンデンサC1」として説明する。第1コンデンサC1は、AC/DCコンバーター101に電気的に接続される。
【0032】
制御部90(スリープCPU91)は、AC/DCコンバーター101及び第1コンデンサC1に電気的に接続される。
【0033】
第1スイッチ102は、AC/DCコンバーター101と第1コンデンサC1との間に電気的に接続される。そして、第1スイッチ102は、制御部90(スリープCPU91)の制御に基づいて、AC/DCコンバーター101と第1コンデンサC1とを電気的に接続し又は電気的に非接続とする。
【0034】
第2スイッチ103は、第1コンデンサC1と制御部90(スリープCPU91)との間に電気的に接続される。そして、第2スイッチ103は、AC/DCコンバーター101から直流電圧が出力される場合に、第1コンデンサC1と制御部90とを電気的に接続する。一方、第2スイッチ103は、AC/DCコンバーター101から直流電圧が出力されない場合に、第1コンデンサC1と制御部90とを電気的に非接続とする。
【0035】
上述した制御部90(スリープCPU91)は、消費電力を低減させるために第1スイッチ102を非接続にするよう制御している場合に、制御部90に入力される直流電圧の電圧値を検知した結果が所定の電圧値未満になると、第1スイッチ102を電気的に接続にするよう制御する。
【0036】
次に、コピー機1の回路構成について詳細に説明する。
AC/DCコンバーター101の1次側には、整流素子105及びコピー機1の本体スイッチ111を介して、商用電源110が接続される。AC/DCコンバーター101は、例えば、100Vの交流電圧を3.3Vの直流電圧に変換して2次側に出力する。AC/DCコンバーター101の出力側には、第2コンデンサC2、第1抵抗R1、第2抵抗R2及び第1スイッチ102が接続される。すなわち、第1抵抗R1と第2抵抗R2とは、直列に接続される。また、第1抵抗R1と第2抵抗R2とを直列に接続した回路と、第2コンデンサC2とは、並列に接続される。
なお、AC/DCコンバーター101は、間欠発振できるものであれば、出力電流が減少した場合に、電力の消費を抑えることができる。
【0037】
第1スイッチ102は、例えば、トランジスター等のスイッチ回路である。第1スイッチ102がオン又はオフになることを制御する端子(開閉制御端子(第1スイッチ102がトランジスターの場合には、ベース端子))は、第1抵抗R1と第2抵抗R2との間と、第4スイッチ104とに接続される。
【0038】
第4スイッチ104は、例えば、トランジスター等のスイッチ回路である。第4スイッチ104がオン又はオフになることを制御する端子(開閉制御端子(第4スイッチ104がトランジスターの場合には、ベース端子))は、第3抵抗R3を介してスリープCPU91に接続される。すなわち、第4スイッチ104の開閉制御端子(ベース端子)には、スリープCPU91からスリープ信号が供給される。
【0039】
第4スイッチ104は、スリープCPU91から低(Low)のスリープ信号が供給される場合には、オフになる。この場合、第1スイッチ102は、開閉制御端子(ベース端子)に直流電圧が供給されるため、オンになる。一方、第4スイッチ104は、スリープCPU91から高(High)のスリープ信号が供給される場合には、オンになる。この場合、第1スイッチ102は、開閉制御端子(ベース端子)に直流電圧が供給されないため、オフになる。
【0040】
第1スイッチ102の後段には、システムCPU92が接続されると共に、ダイオードDと、第1コンデンサC1と、第2スイッチ103と、第3コンデンサC3とが接続される。また、第4抵抗R4と第1コンデンサC1とは、直列に接続される。さらに、第4抵抗R4と第1コンデンサC1とが直列に接続された回路と、第3コンデンサC3とは、並列に接続される。
【0041】
システムCPU92には、電力供給部100の出力電圧V1が電源電圧Vccとして供給される。
第1スイッチ102がオンの場合には、ダイオードD及び第4抵抗R4を介してAC/DCコンバーター101から第1コンデンサC1に直流電圧が供給される。これにより、第1コンデンサC1は、相対的に大容量の電荷を蓄積することが可能である。一方、第1コンデンサC1は、第1スイッチ102がオフの場合には、放電する。
【0042】
第2スイッチ103は、例えば、トランジスター等のスイッチ回路である。第2スイッチ103がオン又はオフになることを制御する端子(開閉制御端子(第2スイッチ103がトランジスターの場合には、ベース端子))は、第5抵抗R5を介して、AC/DCコンバーター101と第1スイッチ102との間に電気的に接続される。本体スイッチ111がオンの場合には、第5抵抗R5を介してAC/DCコンバーター101から第2スイッチ103の開閉制御端子(ベース端子)に直流電圧が供給されるため、第2スイッチ103は、オンになる。一方、本体スイッチ111がオフの場合には、AC/DCコンバーター101から第2スイッチ103の開閉制御端子(ベース端子)に直流電圧が供給されないため、第2スイッチ103は、オフになる。
【0043】
第3コンデンサC3の後段には、スリープCPU91が接続される。スリープCPU91には、電力供給部100の出力電圧V2が電源電圧Vccとして供給される。そのスリープCPU91には、スリープCPU91に入力される電源電圧Vccの電圧値を測定するために、第6抵抗R6及び第7抵抗R7が接続される。スリープCPU91は、第6抵抗R6及び第7抵抗R7を利用して電源電圧Vccの電圧値を監視することにより、第1コンデンサC1の蓄電力が低下したか否かを判定する。
【0044】
次に、本実施形態におけるコピー機1の動作について説明する。
まず、コピー機1が用紙Tに画像を形成することが可能な通常モードに設定された場合について説明する。
【0045】
コピー機1が通常モードに設定されている場合には、本体スイッチ111がオンになっているため、AC/DCコンバーター101には、商用電源110から交流電圧が供給される。また、コピー機1が通常モードに設定されている場合には、スリープCPU91は、低(Low)のスリープ信号を出力する。このため、第4スイッチ104は、オフになる。
【0046】
AC/DCコンバーター101は、交流電圧を所定の電圧(一例として、3.3V)の直流電圧に変換して出力する。AC/DCコンバーター101から直流電圧が出力されると、第1スイッチ102及び第2スイッチ103はそれぞれオンになる。このため、第1コンデンサC1では、充電が行われる。また、システムCPU92及びスリープCPU91のそれぞれに電源電圧Vccが供給される。
【0047】
次に、コピー機1が消費電力を低減する省エネモードに設定される場合について説明する。図4は、省エネモードに設定される場合のコピー機1の動作について説明するためのフローチャートである。
【0048】
ステップST1において、スリープCPU91は、通常モードから省エネモードに移行するか否かを判断する。例えば、スリープCPU91は、所定の時間、コピー機1が動作しなかった場合に、通常モードから省エネモードに移行すると判断する。省エネモードに移行しない場合(No)には、ステップST1の判断が再度行われる。省エネモードに移行する場合(Yes)には、処理は、ステップST2に進む。
【0049】
ステップST2において、スリープCPU91は、高(High)のスリープ信号を出力する。これにより、第4スイッチ104がオンになる一方、第1スイッチ102がオフになる。また、本体スイッチ111がオンの状態を維持しているため、第2スイッチ103は、オンの状態を維持する。そして、第1コンデンサC1は放電する。このため、スリープCPU91には、第1コンデンサC1から電源電圧Vccが供給される。そして、スリープCPU91は、第6抵抗R6と第7抵抗R7とで構成される回路を介して入力される電源電圧Vccの電圧値を測定することにより、第1コンデンサC1の電圧を監視する。一方、システムCPU92は、電源電圧Vccが供給されなくなるため、動作を停止する。
【0050】
ステップST3において、スリープCPU91は、測定している電源電圧Vcc(第1コンデンサC1の電圧)の電圧値が、所定の電圧値(閾値)未満になったか否かを判断する。ここで、所定の電圧値は、スリープCPU91の最低動作電圧よりも高い電圧値である。電源電圧Vccの電圧値が所定の電圧値よりも高い場合(No)には、ステップST3の判断が再度行われる。電源電圧Vccの電圧値が所定の電圧値よりも低い場合(Yes)には、処理は、ステップST4に進む。
【0051】
ステップST4において、スリープCPU91は、低(Low)のスリープ信号を出力する。これにより、第4スイッチ104がオフになる一方、第1スイッチ102がオンになるため、第1コンデンサC1は、充電される。
【0052】
ステップST5において、スリープCPU91は、ステップST4による第1コンデンサC1の充電が完了したか否かを判断する。充電が完了していない場合(No)には、ステップST5の判断が再度行われる。充電が完了した場合(Yes)には、処理は、ステップST6に進む。
【0053】
ステップST6において、スリープCPU91は、所定の時間、カウントを行う。
【0054】
ステップST7において、スリープCPU91は、ステップST6のカウントが終了すると、高(High)のスリープ信号を出力する。これにより、第4スイッチ104がオンになる一方、第1スイッチ102がオフになる。このように、第1コンデンサC1に対して十分な充電時間を確保することにより、第1コンデンサC1は、確実に充電される。そして、第1コンデンサC1が放電する。すなわち、スリープCPU91には、第1コンデンサC1から電源電圧Vccが供給される。
ステップST7の後は、処理は、ステップST1に戻る。
【0055】
次に、本体スイッチ111がオフにされた場合について説明する。本体スイッチ111がオフにされた場合、AC/DCコンバーター101は、商用電源110から交流電圧が供給されないため、直流電圧を出力しない。これにより、第1スイッチ102及び第2スイッチ103がオフになるため、回路本体120(スリープCPU91及びシステムCPU92)には、電源電圧Vccが供給されない。
【0056】
以上説明したように、本実施形態のコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、本実施形態のコピー機1は、制御部90によって第1スイッチ102を制御することにより、AC/DCコンバーター101と第1コンデンサC1とを電気的に接続し又は電気的に非接続とする。また、コピー機1は、AC/DCコンバーター101から直流電圧が出力される場合に、第2スイッチ103によって第1コンデンサC1と制御部90(スリープCPU91)とを電気的に接続し、AC/DCコンバーター101から直流電圧が出力されない場合に、第2スイッチ103によって第1コンデンサC1と制御部90(スリープCPU91)とを電気的に非接続とする。したがって、コピー機1は、第2スイッチ103を配置したことにより、商用電源110が遮断された場合(本体スイッチ111がオフにされた場合)に装置全体(例えば、スリープCPU91及びシステムCPU92等)への電力供給(電源電圧の供給)を確実に且つ速やかに遮断することができる。
【0057】
また、コピー機1は、AC/DCコンバーター101の2次側に第2スイッチ103を配置して、AC/DCコンバーター101の出力に基づいて第2スイッチ103のオン又はオフを制御するため、消費電力が増加することを抑えることができる。すなわち、本体スイッチのオフを検出することに基づいて第2スイッチをオフにする場合には、本体スイッチがオフにされたことを検知して、検知結果を第2スイッチに伝送する回路が必要になる。例えば、本体スイッチがオフにされたことの検知結果をフォトカプラーにて伝送する場合には、フォトカプラーのフォトダイオードに約10mAの電流を供給する必要がある。そして、商用電源の電圧値が100Vの場合には、フォトカプラーの消費電力は、1Wとなる。これに対し、本実施形態のコピー機1は、第2スイッチ103をオフにする場合に必要な電力は数十mWであり、AC/DCコンバーター101を動作させるのに必要な電力(約0.3W)を考慮しても、消費電力が増加することを抑えることができる。
【0058】
また、コピー機1では、交流電圧がAC/DCコンバーター101に入力されるのを遮断することが可能な本体スイッチ111がAC/DCコンバーター101の入力側に接続される。これにより、コピー機1は、本体スイッチ111がオフにされた場合に、AC/DCコンバーター101に供給される交流電圧を遮断することができる。
【0059】
また、コピー機1は、消費電力を低減させるために制御部90(スリープCPU91)によって第1スイッチ102を非接続にするよう制御している場合に、制御部90(スリープCPU91)に入力される直流電圧の電圧値を検知した結果が所定の電圧値未満になると、第1スイッチ102を電気的に接続する。これにより、コピー機1は、通常モードと省エネモードとを相互に移行させることができる。また、コピー機1は、省エネモードに設定された場合、通常モードに設定された期間に効率よく充電された第1コンデンサC1から電源供給を行うため、消費電力を低減させることが可能になる。
【0060】
また、図5は、電流値と効率との関係を示す図である。例えば、通常モードに設定された場合の電源電圧が3.3Vで最大出力電流が10A、効率が約80%の電源が存在すると仮定すると、省エネモードに設定された場合の出力電圧が3.3Vで出力電流が300mAとすると、効率は、約40%となる(図5参照)。これに対し、本実施形態のコピー機1では、省エネモードに設定された際に電力を1時間以上保持できる第1コンデンサC1(容量700F)を搭載した場合には、第1コンデンサC1への充電は、チャージ電流5Aで約4分かかる。この場合、コピー機1は、第1コンデンサC1の負荷電流が5Aであれば、75%以上の効率を確保することができる。
【0061】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態のコピー機1は、カラーコピー機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロコピー機であってもよい。
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態のコピー機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
また、コピー機によってトナー画像が定着される被画像形成媒体は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。
【0062】
また、本発明の電子機器は、上述したコピー機1に限定されることはない。すなわち、本発明の電子機器は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能及びスキャナー機能を備える複合機であってもよく、プリンターであってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…コピー機(画像形成装置)、90…制御部、91…スリープCPU、101…AC/DCコンバーター(コンバーター)、102…第1スイッチ、103…第2スイッチ、111…本体スイッチ(第3スイッチ)、C1…第1コンデンサ(電荷蓄積部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流電圧に変換するコンバーターと、
前記コンバーターに電気的に接続し、電荷を蓄積し又は放電することが可能な電荷蓄積部と、
前記コンバーター及び前記電荷蓄積部に電気的に接続する制御部と、
前記コンバーターと前記電荷蓄積部との間に電気的に接続され、前記制御部の制御に基づいて、前記コンバーターと前記電荷蓄積部とを電気的に接続し又は電気的に非接続とする第1スイッチと、
前記電荷蓄積部と前記制御部との間に電気的に接続され、前記コンバーターから直流電圧が出力される場合に前記電荷蓄積部と前記制御部とを電気的に接続し、前記コンバーターから直流電圧が出力されない場合に前記電荷蓄積部と前記制御部とを電気的に非接続とする第2スイッチと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記コンバーターの入力側には、交流電圧が前記コンバーターに入力されるのを遮断することが可能な第3スイッチが電気的に接続される
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、消費電力を低減させるために前記第1スイッチを非接続にするよう制御している場合に、前記制御部に入力される直流電圧の電圧値を検知した結果が所定の電圧値未満になると、前記第1スイッチを電気的に接続するよう制御する
請求項1又は2に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−73193(P2013−73193A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214162(P2011−214162)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】