説明

電子決済装置および電子決済方法

【課題】 任意の場所で決済が可能でありながらも、その決済した場所を特定することができる電子決済装置、電子決済システム、および電子決済方法を提供すること
【解決手段】 電子決済装置であって、商取引の決済に利用するカードからカード情報を読み取るカードリーダと、当該カードリーダで読み取った情報を有線又は無線通信で取得して、当該取得した情報を外部の決済情報管理サーバに送信する携帯端末とからなり、携帯端末は現在の位置情報を取得する現在位置取得手段を備え、商取引の決済時のトランザクションにおいて、取得した位置情報を外部の決済情報管理サーバに送信すると共に、決済情報管理サーバに対する情報の送信に供する通信網において自己を識別する自己識別情報を外部の決済情報管理サーバに送信する電子決済装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な携帯電子端末を用いて遠隔地で商取引の決済を行う為の電子決済装置、電子決済システム、および電子決済方法に関し、特に電子決済を行う利用者や事業者における不正な決済を阻止するための電子決済装置、電子決済システム、および電子決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人が所有するクレジットカード、デビットカード等のカードを用いて決済をおこなう場合、通常であれば店舗に設置されている端末でカード情報を読み取り、このカード情報と決済情報に基づいて与信のチェック及びクレジット立替払いの承認がなされて決済が行われる。
【0003】
しかしながら、従来利用されている端末は店舗に設置された固定式のものであるから、実際の店舗から離れて遠隔地で決済を行うのは困難であった。
【0004】
そこで、このような遠隔地での決済を実施する技術として、特許文献1(国際公開WO2002/084548号公報)が提案されている。この文献には、機器の組み合わせに関してセキュリティを向上させた電子決済システムが提案されており、典型的には店頭で通常のクレジットカード用のカードリーダがトランザクション端末としての携帯電話に接続されるような構成となっている。そして、かかるクレジットでの決済時におけるセキュリティを高めるために、端末の認証がユーザIDや端末IDなどに加えてカードリーダIDが決済サーバに送られるように構成されている。
【0005】
一方、クレジットカードを用いて遠隔地でも決済を成し得る方法として、インターネット上でのクレジットカードの決済も行われている。かかる決済方法では、一般には代金の支払者がクレジットカード番号と有効期限を入力することにより購入手続きが完了するという方式が主流である。しかしながらこの方法では、盗まれたカード番号による不正使用(なりすまし)などを完全に防ぐことができない。
【0006】
そこで近年では、決済に際して、クレジットカードの利用者がカード発行会社に登録したオンラインクレジット決済専用のパスワードを使用し、利用者とカード発行会社の間で直接本人確認を行う認証技術が提供されている。このようなパスワードの入力により、実店舗における「サイン」記入と同等の本人認証を行うことができ、カード番号を知る第三者による不正利用(なりすまし)を防止することができるようになる。更に、商品やサービスを提供した者(支払いを受ける者)にあっては、パスワード認証を行うことにより不正利用に対するリスクが軽減される。なぜならば、パスワード認証を行うことにより、実店舗と同様の取引とみなされ、クレジットカードが不正使用された時の全額負担の義務が生じないためである。
【0007】
このようにパスワード入力による認証を行うことにより上記のようなメリットが得られるが、一方でパスワードを入力する利用者(支払者)からみれば、今度はパスワードを入力するのに抵抗があるとの問題が生じる。なぜならば、パスワードであってもインターネットなどにおけるネットワーク上において、あるいは入力時において盗用の可能性は否定できないためである。
【0008】
更に、クレジットカード決済時における不正使用を未然に防止する方法として、特許文献2(特開2003-150883号公報)が提案されている。この文献では、利用者が所持するGPS機能付き携帯電話で利用者の位置を特定し、またGPS受信機を配設したPOS端末又はATMで各加盟店におけるPOS端末又は銀行やカードローン会社のATMの設置場所を特定し、商品や提供サービスの代金を支払う場合又はキャッシングを行う場合には、GPSサービス会社にて利用者の位置とPOS端末又はATMの設置場所を照合し、一致する場合にのみクレジットカードの使用を認証するものとなっている。
【特許文献1】国際公開WO2002/084548号公報
【特許文献2】特開2003-150883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のとおりクレジットカードの決済方法であって、遠隔地でも決済を行うべく、特許文献1が提案されているが、この方法は、実店舗に設置されている端末を持ち出し可能にしたものであり、任意の場所で決済を行うことに起因する課題(即ち不正使用など)を解決することができない。
【0010】
具体的には、クレジット決済を可能にするためには、当該決済用の端末の設置場所を特定することが必要になるが、移動体を用いた決済では、この設置場所を特定できないとの課題が生じる。この点、特許文献2ではPOS端末又はATMで各加盟店におけるPOS端末又は銀行やカードローン会社のATMにGPS受信機を配設することで、その場所を特定することが可能ではあるが、そもそもこの文献に記載されているPOS端末やATMは、設置場所が一定であり、移動可能なものとしては構成されていない。かかるPOS端末やATMにおけるGPSによる位置情報は、専らクレジットカードの利用者との場所的な適合を確認するために利用されている。
【0011】
そこで本発明では、任意の場所で決済が可能でありながらも、その決済した場所を特定することができる電子決済装置、電子決済システム、および電子決済方法を提供することを第1の課題とする。
【0012】
また、任意の場所でクレジット決済を行う方法として、インターネット上におけるクレジット決済も存在するが、その決済に際してパスワードの入力については、前述の通り少なからずセキュリティ上の問題が存在する。
【0013】
そこで本発明では、任意の場所である遠隔地において決済を行う場合でも、パスワードの入力を要せずに、支払者のサインを受けることにより本人確認を行うことのできる電子決済装置、電子決済システム、および電子決済方法を提供することを第2の課題とする。
【0014】
更に従前におけるクレジットカード決済では、カード会社がカード会員のカード利用状況から、クレジット立替の承認の判定が保留される場合がある。そしてこのような承認判定の保留があった時には、決済システムのエラー表示においてカード会社へ電話する旨をアナウンスしている。しかしながら、遠隔地でこのようなエラー表示が行われた場合には、カード会社との連絡を取り合うのが困難であり、迅速な対応を果たす上で少なからず課題を有する。
【0015】
そこで本発明は、遠隔地で決済を行った際、承認判定が保留となった場合でも迅速に連絡を行うことのできるようにした電子決済システム、および電子決済方法を提供することを第3の課題とする。
【0016】
更に、通常のクレジット決済においては、カード会社がカード会員のカード利用状況から、クレジット立替の承認を否認したり、分割回数が指定外の回数で取引区分が適正で無い場合や、ある一定金額までは決済を承認するが、その額をオーバーした決済要求が来た場合には取引を否認してエラーメッセージを出す場合がある。このような場合、各カード会員は、具体的にどのようにすれば、カード決済が可能になるかを知りたいが、具体的な方法はカード発行会社にしかわからず、憶測になってしまうのが現状である。
【0017】
そこで本発明は、このような取引を否認するエラーメッセージを受信した場合に、当該取引を承認するための方法を迅速に確認できるようにした電子決済システム、および電子決済方法を提供することを第4の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題の少なくともいずれかを解決するべく、本発明では、携帯端末で現在位置の情報を取得すると共に、この現在位置情報を決済情報と共に送信することで、どのユーザーがどこで決済を行っているのかを明らかにし、不正なカード決済を未然に阻止することのできる電子決済装置を提供する。
【0019】
すなわち本発明では、上記課題の少なくとも何れかを解決する第1の実施形態として、情報通信ネットワークを利用して商取引の決済を行うのに利用される電子決済装置であって、商取引の決済に利用するカードからカード情報を読み取るカードリーダと、当該カードリーダで読み取った情報を有線又は無線通信で取得して、当該取得した情報を外部の決済情報管理サーバに送信する携帯端末とからなり、前記携帯端末は現在の位置情報を取得する現在位置取得手段を備えており、商取引の決済時のトランザクションにおいて、取得した位置情報を外部の決済情報管理サーバに送信すると共に、決済情報管理サーバに対する情報の送信に供する通信網において自己を識別する自己識別情報を、当該外部の決済情報管理サーバに送信する電子決済装置を提供する。
【0020】
上記カードリーダは、接触又は非接触方式でカードに記録されている情報を読み出す読取部を具備しており、更に携帯端末に対して、この読み取ったカード情報を送信するための通信手段を具備している。本発明で想定しているカードは、クレジットカードを主とするが、その他、銀行などが発行するキャッシュカードであってもよく、代金の清算に使用されるカードであればその種類は問わない。
また、当該カードリーダは、携帯端末との間の情報通信のセキュリティを確保するために、内部に接続可能な携帯端末を特定する識別(ID)情報を具備しており、携帯端末とのセッションを開始する際には、当該携帯端末から送信されるID情報との整合性が判断され、IDが一致した場合にのみセッションを行うように構成することが望ましい。
【0021】
また、このカードリーダは、携帯端末との間で情報の送受信を行うことになることから、通信手段を具備することが必要である。かかる通信手段としては、赤外線通信、ブルートゥース(BlueTooth)などの無線通信方式のほか、各種ケーブルを用いた有線による通信であってよい。
【0022】
携帯端末とは、持ち運び可能な大きさおよび機能を有するように構成された端末であって、少なくとも外部の決済情報管理サーバとの情報通信を確立することができるように、無線方式による通信手段を具備することが必要である。このような携帯端末としては、携帯電話の他、PDAや携帯型のコンピュータ(ノート型パソコン)が想定されるが、その他、通信手段と情報処理機能を有する機器であれば使用することができる。ただし、本発明で使用される携帯端末は、少なくとも現在の位置情報を取得するための現在位置情報取得手段を具備することが必要である。かかる現在位置取得手段は、例えばGPS(Global Positioning System)方式で現在位置情報を取得することが考えられるが、その他の方法を使用することもできる。かかる現在位置情報は、商取引の決済時のトランザクションにおいて外部の決済情報管理サーバに送信されることになるが、取引の安全性を確保するため、および決済時におけるトランザクションを軽減するために、決済情報と一緒か、電子決済装置における自己識別情報と一緒に送信されることが望ましい。かかる決済情報と位置情報の統合は、携帯端末が備える演算装置(CPU:中央処理装置)において行うことができる。
【0023】
上記決済情報や電子決済装置の自己識別番号および現在位置情報は、当該電子決済装置と直接的又は間接的に接続された外部の決済情報管理サーバに送信される。ここで、決済情報管理サーバとは、電子決済装置から送信された決済情報を受信し、これを各カード会社や金融機関に対して送信して与信乃至は支払いの承認を得て、これを電子決済装置に返す機能を有しており、いわば決済のためのトランザクションを中継するためのサーバとして捉えることができる。なお、各カード会社や金融機関に対して決済情報を送信する際には、更に他の決済情報管理サーバ(又は中継サーバ)を介して行うように構成することも可能である。
【0024】
以上のように構成された電子決済装置によれば、商品やサービスの提供に対する対価の支払いを受ける利用者(販売・提供業者等)が所有する電子決済装置の使用に際して(即ち決済時において)、その場所を現在位置情報で特定することが可能になり、カード決済における取引の安全性を確保することができる。即ち、この電子決済装置を使用するに際しては、当然のことながら、その使用者(カード決済を行う加盟店など)の所在を明らかにするために、住所等の位置情報を登録する必要があり、決済のトランザクションで送信する現在位置情報は、当該電子決済装置の使用者が、この電子決済装置で決済を行う際に随時参照することが可能になる。そこで、この決済時の現在位置情報と、利用者(加盟店)の登録位置情報が大きく乖離した場合には警告を発することで、不正なカード決済を未然に防止することができる。ここで、レッカー車やタクシーによるサービス代金の決済は、当然加盟店の登録位置情報とは同一ではないが、基本的には一定のエリア内での決済が殆どであることから、当該サービスの提供エリア外での決済時には、当然警告の対象となり確認を必要とする決済として扱うことが考えられる。
【0025】
また、商品やサービスの提供に対する対価の支払者が保有するカード情報は、カードリーダによって読み込まれることから、この点でも商取引の正確性や安全性を確保することができる。すなわち、有線又は無線通信によって携帯端末と対になったカードリーダでカード情報を読み込むことにより、販売者に、どのデータが実際に決済に必要か認識させることなく、カード情報を携帯端末に送信させることができる。この点、仮にカード情報(カードデータ)を、キーボード等で入力させた場合には、明示的にカード決済を行うための要件がわかってしまい、これにより成済まし等の不正決済を招来しかねないことになる。この点、遠隔地においてもカードリ−ダーを使用することにより、操作者にカード決済の要件(データ)を明示せず、意識させないで(磁気データ等として)読み取らせることが可能になる。
【0026】
更に、携帯端末側に保持される決済のためのアプリケーション(ソフトウェア)として、カード画面読込時、決済情報確認画面、および決済にかかる売上票などにもカード情報を一切表示させない様に構成することで、結果としてカード情報を周囲や操作者に全く晒すこと無くクレジット決済処理を行うことができるようになる。一方、カード情報などをキーボード等で入力する場合には、入力ミスを防ぐ為にも画面等に入力結果を表示せざるを得ず、結果としてカード情報を操作者に明示的に公開することになってしまい、カード決済に必要な情報が漏洩してしまうことになる。
【0027】
よって、上記の本発明にかかる電子決済装置を用いた決済では、カード情報の漏洩を未然に防ぐことができるとの効果を有する。
【0028】
上記本発明にかかる電子決済装置において、前記カードリーダは印刷手段を具備することが望ましい。かかる印刷手段は、携帯端末が、クレジットカードによる立替払いを承認するなどの決済を実行するための承認情報を受信することを契機として(即ち処理開始の合図乃至は指令として)、決済に必要な情報と署名欄を、ロール紙その他の紙媒体を含む各種の媒体に印刷するように構成することが望ましい。このように紙などの印刷媒体に決済情報を印刷し、この決済情報について支払者が承認の為の署名を行い得るようにする事で、パスワードの入力等による本人確認と異なり、その情報の漏洩を確実に阻止することが可能になる。
【0029】
また、本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決するために、上記電子決済装置を用いて構成される電子決済システムを提供する。
【0030】
即ち、商取引の決済のための決済情報を取得する電子決済装置と、前記電子決済装置が取得した決済情報を管理して当該決済情報を外部の決済サーバに送信する決済情報管理サーバとからなる電子決済システムであって、当該電子決済装置として、上記本発明にかかる電子決済装置が使用されており、前記決済情報管理サーバは、前記電子決済装置から送信される位置情報と自己識別情報を受信して決済情報の正否を判断する電子決済システムである。
【0031】
外部の決済サーバは、電子決済装置から送信された決済情報を、決済情報管理サーバを介して受信し、決済の承認を決定する装置であり、クレジットカードによる決済の場合には、通常はカードの発行会社で運営されている。かかる決済サーバは、当該クレジットカード利用者(名義人)の利用状況などを考慮した上で、決済に際して代金支払いの立替を行うか否かの承認を行い、その結果を、最終的には当該電子決済装置に送信するように構成されている。
【0032】
かかる電子決済システムによれば、決済が行われた現在位置情報を管理することが可能になり、例えば当該決済情報を送信するための電子決済装置の使用者の行動(就業状況)を管理することが可能になる。即ち、決済が行われた現在位置情報を定期的乃至は即時に当該電子決済装置の登録住所に通知することで、決済を行った者の労務管理などを行うことが可能になる。
【0033】
更に上記電子決済システムにおいて、前記決済情報管理サーバは、電子決済装置の自己識別番号情報及び利用者の所在情報を記録する利用者情報記憶手段と、商取引の決済時のトランザクションにおいて送信された携帯端末の位置情報と、前記利用者情報記憶手段に記録された利用者の所在情報とを対比する位置情報対比手段を具備することが望ましい。かかる位置情報対比手段を具備することにより、決済サーバに対して決済情報を送信する前、即ち決済情報管理サーバにおいて、電子決済装置から送信される位置情報と自己識別情報に基づいて、決済情報の正当性を即時に判断できることから、決済サーバにおける与信判定の稼動負担を軽減することができる。例えば、実質的に移動不可能な二箇所で時間的に近い決済情報が送信された場合には、何れか一方の決済情報を不正なものと判断することができる。
【0034】
また本発明にかかる電子決済システムにおいて、前記決済情報管理サーバは、外部の決済サーバからクレジット立替承認を保留することを指示する情報の受信を契機として、前記電子決済装置における自己識別番号を前記決済サーバに送信することが望ましい。
【0035】
通常のクレジット決済において、カード会社がカード会員のカード利用状況次第では、クレジット立替の承認の判定が保留される場合がある。このような判定の保留では、通常決済システムのエラー表示においてカード会社へ電話する旨がアナウンスされるが、これはカード利用者が本人であることの確認および購入内容が不正目的の内容で無いことの確認と考えられる。
【0036】
そこで本システムでは、電子決済装置における自己識別番号(例えば携帯端末が携帯電話機である場合には、その携帯電話機を識別する為の電話番号など)を決済サーバのデータベースに登録をしておき、このような判定の保留が発生した場合には、当該決済サーバに対して決済された電子決済装置の自己識別番号(携帯電話機の電話番号など)を即時に通知可能となり、指定されたカード会社の窓口に該当端末の自己識別番号を通知できる。特に携帯端末として携帯電話機が使用され、かつ自己識別番号として携帯電話番号が使用されている場合には、双方の電話をシステムで自動接続させることも可能である。なお、自己識別番号として使用できるのは、電話番号の他にも、それぞれの電子決済装置ごとに設定されるID(識別番号)、メールアドレスなどを使用することができる。特に、このように電子決済装置の自己識別番号を決済サーバに送信することにより、特に不正カードが利用された場合、操作者の加盟店に即時に連絡を行うことができるようになる。
【0037】
また本発明にかかる電子決済システムにおいて、前記電子決済装置は、決済サーバを運営するクレジットカード会社の問い合わせ先の電話番号を記録したメモリと、当該メモリ内の電話番号を検索する検索手段を具備しており、外部の決済サーバから送信された、クレジット立替承認の保留又は拒否情報の受信を契機として、前記検索手段は記憶手段に記録された問い合わせ電話番号を検索し、当該電話番号を携帯端末に表示するように構成することが望ましい。
【0038】
通常のクレジット決済において、カード会社がカード会員のカード利用状況から、クレジット立替の承認要求を否認したり、分割回数が指定外の回数で取引区分が適正で無い場合や、ある一定金額までは決済を承認するが、その額をオーバーした決済要求が来た場合、取引を否認しエラーメッセージを出す場合がある。このような場合、各カード会員は、具体的にどのようにすれば、カード決済が可能になるかを知りたいが、具体的な方法はカード発行会社しかわからす、憶測になってしまうのが現状である。
【0039】
そこで、本システムでは、携帯電話などの携帯端末に搭載された情報処理手段(CPU)および記憶手段(メモリ)と、当該携帯端末が具備する環境下で動作するソフトウエアとを使用して、決済したカード会社の種類とエラーメッセージ内容を決済サーバから決済情報の通信と同時に入手し、入手したエラー内容から、確認を要するカード会社の問い合わせ先の電話番号を携帯端末内の蓄積データから検索し、その番号を表示するように構成することができる。特に携帯端末として携帯電話機を使用した場合には、検索した電話番号に対して直接音声通話を行うことができるようになる。即ち、携帯端末として携帯電話を使用した場合には、その情報処理機能と、通信モデムとしての機能と、音声電話としての機能を十分に利用して決済を円滑に行うことができるようになる。この作用効果をより具体的に説明すれば、例えば決済情報で要求されている決済額が30万であり、この金額がそのカード使用者の与信額を超えている場合には、25万円の決済額であれば与信限度内となる。このような場合には、決済額を変更することにより決済を行うことが可能になる。更に分割回数が6回払いは承認できない場合でも10回払いであれば承認できる場合もあり、このような場合には分割回数を変更することにより決済を行うことが可能になる。
【0040】
更に、かかる電子決済システムでは、携帯端末に導入するソフトウエアおよびメモリとして、決済サーバから受信したエラー情報を検索キーとして、当該エラー情報が示す内容をメモリー内から検索し、これを表示するように構成することもできる。この場合、当然に各エラーコードと、各エラーコードの解説を携帯端末のメモリー内に保持しておく必要がある。
【0041】
更に本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決するために、商取引の電子決済を迅速かつ確実に行うことのできる電子決済方法を提供する、
【0042】
即ち本発明では、無線形式の通信手段を有する携帯端末が、接触又は非接触形式でカード情報を取得するカードリーダと情報通信を確立するカードリーダ認識ステップと、携帯端末が、決済情報を管理する決済情報管理サーバとの無線方式による情報通信を確立するネットワーク確立ステップと、前記カードリーダが接触又は非接触形式でカード情報を取得して、取得したカード情報を携帯端末のメモリに記録するカード情報取得ステップと、決済の対象となる支払い金額および支払い方法の入力を促す支払い情報入力ステップと、携帯端末が具備する現在位置取得手段により現在の位置情報を取得してメモリに記録する位置情報取得ステップと、上記ステップで取得した、カード情報、支払い情報および位置情報を決済情報管理サーバに送信する決済情報送信ステップとからなる、電子決済方法を提供する。
【0043】
かかる決済方法では、決済の承認に際して、決済が行われた位置情報も使用できることから、不正な決済を未然に阻止することができる。
【0044】
また本発明では、電子決済装置がカード情報取得し、取得したカード情報を含む決済情報を無線通信方式で送信する決済情報送信ステップと、電子決済装置が送信した決済情報に基づいて、クレジット決済の立替承認を行い、承認可否の結果を送信する与信結果情報送信ステップと、電子決済装置が与信結果情報を受信する与信結果情報受信ステップと、電子決済装置が与信結果情報におけるクレジット決済の立替承認の拒否又は保留を指示する情報の受信を契機として、前記電子決済装置における自己識別番号を前記決済サーバに送信する自己識別番号通知ステップとからなる、電子決済方法を提供する。
【0045】
かかる決済方法では、受信した決済情報の正当性を迅速に判断することができ、不正な決済を未然に防ぐことができる。
【0046】
更に本発明では、電子決済装置がカード情報取得し、取得したカード情報を含む決済情報を無線通信方式で送信する決済情報送信ステップと、電子決済装置が送信した決済情報に基づいて、クレジット決済の立替承認を行い、承認可否の結果を送信する与信結果情報送信ステップと、電子決済装置が与信結果情報を受信する与信結果情報受信ステップと、電子決済装置が与信結果情報におけるクレジット決済の立替承認の拒否又は保留を指示する情報の受信を契機として、前記電子決済装置におけるメモリに記録されたクレジット決済の立替承認を行った者の連絡先を検索する連絡先検索ステップと、検索結果を電子決済装置が具備するディスプレイに表示させる連絡先表示ステップとからなる、電子決済方法を提供する。
【0047】
かかる決済方法では、決済の承認が得られない場合でも、その解決策を迅速に得ることができることから、商取引の確実性を増大させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、図面に基づいた具体的な実施の形態に基づいて、本発明にかかる電子決済装置10、電子決済システム1、および電子決済方法を具体的に示す。
【0049】
図1は、本実施の形態にかかる電子決済システム1の全体構成を示す略図であり、任意の場所で決済を行うための電子決済装置10と、この電子決済装置10からの決済情報を受信する決済情報管理サーバ20と、決済情報管理サーバ20が受信した決済情報を各決済サーバ40に配信する中継サーバ30と、中継サーバ30から送信された決済情報を受信して、立替や支払いなどの決済を行うか否かを判断する決済サーバ40とで構成されている。一般的な場合を想定すれば、電子決済装置10は商品を販売したりサービスを提供する事業者が所持し、決済情報管理サーバ20は、この電子決済装置10の所持者との間で決済情報を提供することを約した事業者側に設置され、中継サーバ30は決済情報の送受信を円滑に行うための装置として設置され、例えば各種クレジット情報照会サービス(例えば株式会社NTTデータが提供するCAFIS:Credit And Finance Information Systemなど)を使用することができる。また、決済サーバ40は決済情報に基づいて決済を行うか否かを判断するための装置であり、決済に使用されるクレジットカードを発行したクレジット会社や、キャッシュカードを発行した銀行などによって管理されている。
【0050】
そして電子決済装置10と決済情報管理サーバ20、決済情報管理サーバ20と中継サーバ30、および中継サーバ30と決済サーバ40は、それぞれ双方向通信可能な情報通信ネットワークNで接続されており、何れのネットワークNも送受信される情報が漏洩することの無いような閉じたネットワークNが使用されている。特に電子決済装置10と決済情報管理サーバ20との間における通信は、電子決済装置10が任意の場所で使用されるものであることから、無線通信方式が採用される必要があり、例えば携帯電話機50通信回線を利用することができる。また、決済情報管理サーバ20とCAFISなどの各種クレジット情報照会システムとのネットワークN、及びCAFISなどの各種クレジット情報照会システム(30)と決済サーバ40とのネットワークには、従来のCAFISに使用されている通信回線を使用することができる。
【0051】
次に、上記の電子決済装置10に関する具体的な構成を図2に基づいて説明する。図2は、この実施の形態にかかる電子決済装置10の構成を示す略図であり、特に携帯電話機50とプリンタを具備するカードリーダー60で構成されている。特に本実施の形態で使用されている携帯電話機50は、携帯通信網における通信を確立する為の第1通信手段51、各種データを記録するメモリ52、情報処理手段としてのCPU53、表示装置としてのディスプレイ54、入力手段としての入力キー55を具備する必要があり、更にGPSを利用して自己の位置情報を取得することができる位置情報取得手段56と、赤外線通信やBluetoothによる通信を行う第2通信手段57を具備している。
また、カードリーダー60は、磁気またはICによりカード情報を取得するカード情報読み取り部61、この読み取ったカード情報を携帯電話機50に送信し、携帯電話機50からの印刷情報を受信する通信手段62、および印刷情報等を処理する集積回路63と、情報を印刷するためのプリンタ64を具備している。
【0052】
以上のように構成された決済システムにおける処理手順を、図3のトランザクション及び処理内容を示す図面、図4〜7の携帯電話機画面の遷移図、図8の顧客データベースの項目を示す図面、図9の否認電文データベースの項目を示す図面を参照しながら説明する。なお、携帯電話機50におけるメモリ52には、予め以下の処理を実行する為のアプリケーション(ソフトウエア)が導入されている。
【0053】
このセッションの開始に際して、何らかの商品又はサービスの提供を受けた消費者から、その代金の支払い方法として、クレジットカードでの支払いの申し出があると、事業者が所有する電子決済装置10により、決済処理を開始する。
【0054】
具体的には、携帯電話機50における入力キーを操作して決済情報管理サーバ20に対して、カード決済トランザクションの開始を要求する。この開始要求に際しては、図4の「A−2ログイン」画面に示すように、決済情報管理サーバ20とのセッションに必要な既定の(即ち予め付与された)パスワードの入力を要求することとし(S10)、このパスワードが決済情報管理サーバ20に記録している端末情報データベースのパスワードと一致した場合にカード決済のトランザクションを開始するように構成している(S20)。従って、決済情報管理サーバ20には、図8に示すようなフィールド項目からなる顧客データベースD10が設けられる。この顧客データベースD10には、顧客名、顧客の連絡先電話番号、住所、携帯電話番号、パスワードの他、この電子決済装置10と所有者(事業者)を特定するための各種項目を記録することができる。なお、トランザクションの開始に際して、携帯電話番号をIDとして使用することで、別途IDの入力を省略することができる。これは、携帯電話番号の場合、重複した値が存在せず、且つ携帯電話機50における設定次第では、当該発信者番号を相手方に通知できるようにできる為である。なお、当然のことながら、別途IDの入力を要求するように構成し、更にセキュリティーを高めることもできる。
【0055】
そして、決済情報管理サーバ20における電子決済装置10の照合が終わった時点で、電子決済装置10と決済情報管理サーバ20とのトランザクションが開始され、電子決済装置10においては、それを構成する携帯電話機50とカードリーダー60との接続処理が開始される(S12)。本実施の形態では、携帯電話機50とカードリーダー60(プリンタ)との接続は、図5の「B−3プリンタ設定」の画面に示すように、IPアドレスとPINコードによって管理しているが、両者の接続時における整合性を保つ為に、両者の接続に際してもIDによる認証を行うことが望ましい。即ち、携帯電話機50の第2通信手段からID(アクセスコード)をカードリーダー60に送信し、カードリーダー60側でその認証を完了することにより、両者における情報の送受信を行い得るように構成する。このため、カードリーダー60側にはIDを記録するメモリーと、その照合を行う情報処理部が設けられることが望ましい。
【0056】
携帯電話機50とカードリーダー60との接続が完了すると、図6の「C−2カード読込(待機)」の画面に示すように、カードリーダー60において、決済を行う者(商品やサービスの購入者)が所有するカードの情報を読み取る(S13)。カードリーダー60で読み取ったカード情報は、当該カードリーダー60における通信手段から携帯電話機50に送信され、携帯電話機50における第2通信手段でカード情報を受領する。
【0057】
カード情報を読み取った後に、図6の「D−1支払い入力」の画面に示すように、携帯電話機50において支払い情報を入力する画面(支払入力画面)をディスプレイに表示させ、金額や支払い方法、および分割払いの場合における分割回数の入力を要求する。この支払入力画面については、操作者(事業者)が携帯電話機50の入力キーを操作することによって必要な情報を入力し(S14)、携帯電話機50においては、この入力された値を取得する。
【0058】
支払入力画面における支払い情報の入力が完了すると、携帯電話機50におけるアプリケーションはGPS測位を実行し、現在の位置情報を取得する(S15)。この状態を図6の「D−5 GPS測位(支払)」の画面に示す。
【0059】
そして携帯電話機50では、図6の「D−2支払通信」の画面に示すように、上記の操作乃至は処理によって携帯電話機50が取得した情報、即ち決済に使用されるカード情報、支払い情報および現在位置情報等を決済情報(決済に使用される電文)として決済情報管理サーバ20に送信する(S16)。この決済情報の送信に際しては携帯電話機50における第1通信手段51が使用され、携帯電話機50通信網を介して決済情報管理サーバ20に送信される。
【0060】
決済情報管理サーバ20においては、電子決済装置10から送信された決済情報を受信すると(S17)、決済電文中に含まれる位置情報を抽出し、当該位置情報の妥当性の照合を行う(S18)。例えば、時間的に近い2つの決済が行われた場合に、その決済が行われた場所が当該時間の差との関係で移動が困難な場合には、当該決済の申込を不当なものとして警告を発することができる。また、この電子決済装置10を使用している者(事業者)の営業圏内で決済が行われたか否かを判断し、営業圏内から著しく離れた場所で決済が行われた場合には、当該決済の申込を不当なものとして警告を発することができる。このように決済要求の承認に際して、これらの位置情報に基づいた判断の結果、何らかの不適切な事項がある場合(S19)には、その内容を警告として電子決済装置10に送信することができる(S20)。一方、位置情報に基づく決済情報の要求に際して特に問題がなければ(S21)、当該決済を要求する情報(決済要求情報)は、図1における中継サーバ30を介して決済サーバ40に送信される(S22)。なお、決済された場所が営業圏内か否かについては、過去に決済された時の位置情報を蓄積しておき、当該位置情報から判断することもできる。
【0061】
決済サーバ40においては、受信した決済要求情報について決済を行うか否か(即ち、要求された決済を承認するか否か)の承認判定を行い(S23)、その結果を、中継サーバ30を介して決済情報管理サーバ20に送信する(S24)。決済情報管理サーバ20では判定結果情報を受信し(S25)、その判定結果情報を解析する(S26)。この判定結果情報は、判定承認番号、処理日時、カード会社名、カード会社電話番号、承認番号、エラーコードなどで構成される電文として受信されることから、当該判定結果の解析に際しては、判定承認番号の有無に基づいて、要求した決済情報の承認または否認が判断されることになる。
【0062】
決済情報管理サーバ20における判定情報解析の結果、要求された決済を承認するとの承認判定が行われていた場合には(S27)、当該承認情報は決済情報管理サーバ20から電子決済装置10に送信される。電子決済装置10においては、当該決済の承認情報を受信すると(S29)、当該決済の承認情報の内容をディスプレイに支払い結果として表示させる(図6の「D−3支払結果」画面)。即ち、ディスプレイ上には、決済に使用したカード番号(一部又は全部)、決済にかかる金額、決済の承認番号、支払い方法、分割払いにおける支払い回数を表示させる。また、この支払い結果を表示する画面には、カードリーダー60が具備するプリンタに対して印刷を指示するアイコンが設けられている。操作者および支払いを行う者がこの支払い結果を確認し、当該印刷を指示するアイコンを選択することにより、この決済に関する情報が第2通信手段からカードリーダー60に送信される。この決済に関する情報を受領したカードリーダー60においては、当該決済に関する情報をプリンタで印刷する(S30)。印刷された決済情報については、決済を行う者(支払者)が署名することにより、正式に決済が行われたことになる。なお、このカードリーダー60で印刷される決済情報は、図7の携帯電話画面の遷移図に示すように、支払者側の控えと事業者側の控えの2部印刷されることが望ましい。また、当該決済に関する情報をプリンタで印刷しないで携帯電話におけるアプリケーションを終了しようとした場合には、図6の「D−4印刷省略確認」画面に示すように、警告を発することが望ましい。
【0063】
一方、決済情報管理サーバ20における判定情報解析の結果、要求された決済を承認しないとの否認判定が行われていた場合(即ち、決済承認番号が付与されていない場合)には(S31)、当該否認情報の内容の解析が行われる(S32)。即ち、判定結果の電文中から決済承認番号の欄を抽出し、当該欄に決済承認番号が付与されていない場合にはカード会社電話番号とエラーコードを抽出する。
【0064】
抽出したエラーコードは、決済情報管理サーバ20における否認電文データベースD20の検索キーとして使用され、決済情報管理サーバ20では、この検索結果に基づいて当該エラーコードに対応するエラー内容及び対処方法を抽出する。このため決済情報管理サーバ20には、エラーコードに対応させて、当該エラーコードの内容及び対処方法を記録したデータベースを具備する必要がある。図9は、この否認電文データベースD20のフィールド項目の一例を示しており、この中にはエラーコードに対応付けて、表示メッセージ、エラー内容、対応方法を記述している。例えば、通信電文からエラーコード「G60」が抽出された場合には、このコードに対応するエラー内容「事故カード」および対処方法「事故カードが入力された場合です。カードをお預かりの上、結果表示欄の取り扱い会社にお問い合わせ下さい。」との対処方法が抽出される。そしてこの解析結果としての当該エラー内容および対処方法と、通信電文から抽出したカード会社電話番号を電子決済装置10に送信する様に構成されている(S33)。
【0065】
電子決済装置10では、決済情報管理サーバ20における判定情報解析の結果、要求した決済が承認されない否認判定となった場合には、当該決済情報管理サーバ20から送信されるエラー内容と対処方法、及び決済を要求したカード会社の電話番号を取得し(S34)、これをディスプレイに表示させることができる。これにより、決済が否認された場合にも、その理由や対処方法、および連絡先を迅速に把握することができ、その結果、迅速な決済や取引の安全を図ることができる。
【0066】
なお、上記の実施の形態では、決済情報管理サーバ20において決済の判定情報を解析し、要求した決済が否認されている場合において、その否認情報の解析を行っているが、このような機能は電子決済装置10側、より具体的には携帯電話機50機に搭載させることもできる。即ち、携帯電話機50機におけるメモリ内に上記した否認電文データベースを設け、携帯電話機50機が備える情報処理手段としてのCPUで判定情報におけるカード会社の電話番号とエラーコードを抽出し、このエラーコードを検索キーとして、当該否認電文データベースを検索してエラー内容と対処方法を抽出し、ディスプレイに表示させることができる。
【0067】
以上のように構成された電子決済システム1によれば、不正な決済が行われた場合には、決済を要求する決済情報(決済要求電文)中の位置情報に基づいて判断することができる。そしてこのような位置情報に基づく決済情報の正当性は、決済情報管理サーバ20において行うことができることから、CAFIS等の中継サーバ30に送信する前に、迅速に確認することができる。
【0068】
更に、決済サーバ40において、決済の承認判定が行われ場合に送信される判定結果(決済判定電文)については、その内容を決済情報管理サーバ20において内容と対処法、さらに連絡先を抽出し、送信することができるので、仮に決済の承認が得られなかった場合でも、迅速に対応することができる。特に、盗難にあったり、紛失したり、融資限度額をオーバーしてしまっているなどの理由により、有効性を喪失したカード(事故カード)が使用された場合には、携帯電話機50のディスプレイに表示された対処法に基づいて、当該決済に使用されたカードをその場で預かることができることから、クレジットカードの不正使用などに基づく商取引上の安全性を確保することができるようになる。
【0069】
次に、図10を参照しながら、この電子決済システム1を構成する決済情報管理サーバ20や決済サーバ40を構成するとして用いられるコンピュータのハードウエア構成の例について説明する。
【0070】
コンピュータ800は、CPU801、メモリ802、音声出力装置803、ネットワークインタフェース804、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、マウス809、外部記憶装置810、記録媒体駆動装置811、記録媒体インタフェース812、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス813を含んで構成することができる。ただし、サーバ110については、少なくとも、音声出力装置803、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、およびマウス809は、必須の構成要素ではない。また、クライアント40については、少なくとも、音声出力装置803は、必須の構成要素ではない。
【0071】
CPU801は、コンピュータ800の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、
各プログラムの実行をコントロールし、本発明に係る電子決済システム1の各構成要素(各サーバ)の動作を制御する。メモリ802は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ800の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU801で実行され、本実施の形態にかかるサーバの各機能(決済情報管理サーバにあっては検索機能)を実現するためのプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータ(顧客データベース、否認電文データベースなど)が格納される。
【0072】
音声出力装置803は、たとえば、スピーカ等の、音声を出力する機器であり、ネットワークインタフェース804は、ネットワーク820に接続するためのインタフェースである。ネットワーク820は、図1に示したネットワーク130に対応する。
【0073】
ディスプレイコントローラ805は、CPU801が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ805で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示装置806に出力される。表示装置806は、たとえば、LCDやCRTで構成されるディスプレイ装置である。
【0074】
入力機器インタフェース807は、キーボード808やマウス809から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU801に送信する。キーボード808やマウス809は、クライアント40において検索キー情報の入力や出力内容情報の特定に際して必要となる。
【0075】
外部記憶装置810は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ802のRAMにロードされる。サーバ110の演算に使用される演算ファイルや、各種のデータファイル、例えば顧客ファイルや実績ファイルなどが格納される記憶手段が、この外部記憶装置810に相当する。
【0076】
記録媒体駆動装置811は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型ディスクタイプの記録媒体830の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体830には、本発明に係る電子決済システム1を実現するためのプログラムも記録することが可能である。記録媒体830に記録されているデータは、記録媒体駆動装置811を介して外部記憶装置810に格納され、プログラムであれば、実行時にメモリ802のRAMにロードされる。
【0077】
また、本発明に係る電子決済システム1を実現するためのプログラムの他の流通形態としては、ネットワーク上の所定のサーバから、ネットワーク820およびネットワークインタフェース804を介して外部記憶装置810に格納され、あるいは直接実行されるということも考えられる。このようなルートで格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にメモリ802のRAMにロードされ、実行される。
【0078】
記録媒体インタフェース812は、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティックといった、半導体メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)を備える可搬型メモリタイプの記録媒体840と接続端子等で接続し、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体840には、ディスクタイプの記録媒体830と同様に、本発明に係る車両情報提供ネットワークシステム1を実現するためのプログラムを記録することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施の形態にかかる電子決済システムの全体構成を示す略図
【図2】実施の形態にかかる電子決済装置の構成を示す略図
【図3】トランザクション及び処理内容を示す図面
【図4】携帯電話機画面の遷移図
【図5】携帯電話機画面の遷移図
【図6】携帯電話機画面の遷移図
【図7】携帯電話機画面の遷移図
【図8】顧客データベースの項目を示す図面
【図9】否認電文データベースの項目を示す図面
【図10】コンピュータのハードウエア構成を示す略図
【符号の説明】
【0080】
10 電子決済装置
20 決済情報管理サーバ
30 中継サーバ
40 決済サーバ
50 携帯電話機
51 通信手段
52 メモリ
54 ディスプレイ
55 入力キー
56 位置情報取得手段
60 カードリーダー
64 プリンタ
D10 顧客データベース
D20 否認電文データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信ネットワークを利用して商取引の決済を行うのに利用される電子決済装置であって、
商取引の決済に利用するカードからカード情報を読み取るカードリーダと、当該カードリーダで読み取った情報を有線又は無線通信で取得して、当該取得した情報を外部の決済情報管理サーバに送信する携帯端末とからなり、
前記携帯端末は現在の位置情報を取得する現在位置取得手段を備えており、商取引の決済時のトランザクションにおいて、取得した位置情報を外部の決済情報管理サーバに送信すると共に、決済情報管理サーバに対する情報の送信に供する通信網において自己を識別する自己識別情報を、当該外部の決済情報管理サーバに送信することを特徴とする電子決済装置。
【請求項2】
前記カードリーダは印刷手段を具備しており、前記携帯端末が決済を実行するための承認情報を受信することを契機として、当該印刷手段は決済に必要な情報と署名欄を媒体に印刷する請求項1に記載の電子決済装置。
【請求項3】
商取引の決済のための決済情報を取得する電子決済装置と、前記電子決済装置が取得した決済情報を管理して当該決済情報を外部の決済サーバに送信する決済情報管理サーバとからなる電子決済システムであって、
当該電子決済装置として、請求項1又は2に記載の電子決済装置が使用されており、
前記決済情報管理サーバは、前記電子決済装置から送信される位置情報と自己識別情報を受信して決済情報の正否を判断することを特徴とする、電子決済システム。
【請求項4】
前記決済情報管理サーバは、
電子決済装置の自己識別番号情報及び利用者の所在情報を記録する利用者情報記憶手段と、
商取引の決済時のトランザクションにおいて送信された携帯端末の位置情報と、前記利用者情報記憶手段に記録された利用者の所在情報とを対比する位置情報対比手段を具備する請求項3に記載の電子決済システム。
【請求項5】
前記決済情報管理サーバは、外部の決済サーバからクレジット立替承認を保留することを指示する情報の受信を契機として、前記電子決済装置における自己識別番号を前記決済サーバに送信する請求項3又は4に記載の電子決済システム。
【請求項6】
前記電子決済装置は、決済サーバを運営するクレジットカード会社の問い合わせ先の電話番号を記録したメモリと、当該メモリ内の電話番号を検索する検索手段を具備しており、
外部の決済サーバから送信された、クレジット立替承認の保留又は拒否情報の受信を契機として、前記検索手段は記憶手段に記録された問い合わせ電話番号を検索し、当該電話番号を携帯端末に表示させる請求項3〜5の何れか一項に記載の電子決済システム。
【請求項7】
無線形式の通信手段を有する携帯端末が、接触又は非接触形式でカード情報を取得するカードリーダと情報通信を確立するカードリーダ認識ステップと、
携帯端末が、決済情報を管理する決済情報管理サーバとの無線方式による情報通信を確立するネットワーク確立ステップと、
前記カードリーダが接触又は非接触形式でカード情報を取得して、取得したカード情報を携帯端末のメモリに記録するカード情報取得ステップと、
決済の対象となる支払い金額および支払い方法の入力を促す支払い情報入力ステップと、
携帯端末が具備する現在位置取得手段により現在の位置情報を取得してメモリに記録する位置情報取得ステップと、
上記ステップで取得した、カード情報、支払い情報および位置情報を決済情報管理サーバに送信する決済情報送信ステップとからなる、電子決済方法。
【請求項8】
電子決済装置がカード情報取得し、取得したカード情報を含む決済情報を無線通信方式で送信する決済情報送信ステップと、
電子決済装置が送信した決済情報に基づいて、クレジット決済の立替承認を行い、承認可否の結果を送信する与信結果情報送信ステップと、
電子決済装置が与信結果情報を受信する与信結果情報受信ステップと、
電子決済装置が与信結果情報におけるクレジット決済の立替承認の拒否又は保留を指示する情報の受信を契機として、前記電子決済装置における自己識別番号を前記決済サーバに送信する自己識別番号通知ステップとからなる、電子決済方法。
【請求項9】
電子決済装置がカード情報取得し、取得したカード情報を含む決済情報を無線通信方式で送信する決済情報送信ステップと、
電子決済装置が送信した決済情報に基づいて、クレジット決済の立替承認を行い、承認可否の結果を送信する与信結果情報送信ステップと、
電子決済装置が与信結果情報を受信する与信結果情報受信ステップと、
電子決済装置が与信結果情報におけるクレジット決済の立替承認の拒否又は保留を指示する情報の受信を契機として、前記電子決済装置におけるメモリに記録されたクレジット決済の立替承認を行った者の連絡先を検索する連絡先検索ステップと、
検索結果を電子決済装置が具備するディスプレイに表示させる連絡先表示ステップとからなる、電子決済方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−289063(P2009−289063A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141449(P2008−141449)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(508160819)ITカーズ株式会社 (8)
【出願人】(500371765)株式会社ジィ・シィ企画 (1)
【Fターム(参考)】