説明

電子的な投与量カウンタ

【課題】使用者に放出すべき薬剤を入れた缶容器を備える、薬剤放出装置の提供。
【解決手段】缶容器(14)は、第1および第2の方向に動くことができる。装置には、また、薬剤の出口個所となるマウスピース(18)がある。缶容器(14)を第1の方向に動かすと、薬剤が使用者に放出される。装置には、さらにまた、電気回路を閉じるためのスイッチ(22)がある。そのスイッチ(22)は、缶容器(14)を第1の方向に動かすとき作動され、電気回路を閉じる。電気回路は、缶容器を第2の方向に動かすと開く。カウンタモジュール(16)は、電気回路が閉じることに応じてカウントを行う。カウンタモジュール(16)は、また、缶容器(14)の中の薬剤の放出履歴を示す。装置には、さらに、カウンタモジュール(16)をマウスピース(18)および缶容器(14)から分離するシール(24)がある。

【発明の詳細な説明】
【前置き】
【0001】
1.技術分野
この発明は、薬剤投与の監視および計数(あるいは計量)の技術に関し、特には、電子的なカウンタモジュールを含む所定用量吸入器に関する。
【0002】
2.発明の背景
患者の口あるいは鼻の通路中に薬剤を供給するために、いろいろな構成の所定用量吸入器(「MDI」)が知られている。薬剤は、アクチュエータから吐出され、患者によって吸い込まれ、口、鼻、のどおよび肺に吸収される。一例を挙げると、喘息患者が薬剤を気道の開口から供給するために一般に用いる装置がある。それらは、「押して吸い込む(プレス&ブリーズ)」吸入器と称され、使用者が缶容器を容易に押し吸入することが求められる。
【0003】
加圧式の所定用量吸入器(「pMDI」)は、たとえば薬剤などの治療物質をヒトの気道あるいは鼻腔に供給することを目的としている。したがって、その所定用量吸入器は、流体プロペラント系に溶解あるいは懸濁した活性物質を含む。流体プロペラント系は、計量弁が密封する加圧容器の中に少なくとも一つの液化ガスを含んでいる。弁を作動すると、所定用量の薬剤を噴霧スプレーの形態で供給し、適切なアダプター/活性剤によって目標に向けられ、経口あるいは経鼻の吸入に提供される。
【0004】
吸入器の他のタイプは、呼吸作動吸入器(「BAI」)である。この呼吸作動吸入器は、一般に加圧式の所定用量吸入器の系で用いられる装置である。呼吸作動吸入器は、吸入検知手段と、適切な吸入プロフィール(吸入特性)に応じて自動的に缶容器を作動する手段(部材)と、それらの二つの間を連絡するトリガー手段(トリガー部材)とを本来的に備える。呼吸作動吸入器は、一般に行われているいずれかの設計、あるいは修正した適用を行い、たとえば、機械、電子機械、空気および流体動力などの今までの手段を用いることにより、約0.1〜20cmの水圧のトリガー力をもたせることができる。「トリガー力」とは、その装置に関係する投与機構を作動させる上で患者に要求される最小の力を意味する。呼吸作動吸入器は、薬剤を放出させるためのトリガー力として、使用者による吸込みを用いるのが通例である。
【0005】
吸入の検知については、装置の圧力変化あるいは流量を直接的あるいは間接的に、そして別々にあるいは組み合わせて測定することによって行う。これを達成する方法についての文献は豊富にあり、動翼あるいは可動フラップ、高分子ダイヤフラム、電子圧力センサ、流量センサ、ならびに機械センサと電子時限回路との組合わせがある。
【0006】
缶容器は、機械的な手段(たとえば、ばね、レバーなど)、電子機械的な手段(たとえば、ソレノイド、モータなど)、あるいは空気圧手段によって作動することができる。缶容器が作動すると、患者が介在するまでは作動位置を維持し、あるいは、作動位置である時間とどまり、何の干渉もなしに自動的に静止位置に戻る。
【0007】
今までの吸入装置で使用者が当惑することは、いつの時点でも缶容器の中にどのくらいの投与量が残っているかに関してである。したがって、使用者は、危ういときに必要な薬剤を欠乏する可能性がある。あるいはまた、使用者は、いつも手元にあるようにするため、いつの時点でも高価な薬剤を余分に持ち合わせるようにしなければならない。さらに、まだたくさんの投与量が残っているとき、薬剤が入った缶容器を処分することによって、病気の治療費用を増すことになる。
【0008】
さらにまた、今までの吸入器に伴う問題は、使用者が投与間の時間を手動で決めざるをえないことである。その結果、薬剤の過剰投与が起こらないようにするため、しかるべき時間が投与間に終わることを使用者が確保しなければならない。同じく、多くの薬剤には、特定の期間に服用することができる最大量がある。その結果、決まった期間(たとえば、24時間)内に所定の投与数よりも多く投与するとき、過剰投与になるおそれがある。再び使用者は、一定の期間にわたって最大の投与数を越えないようにしなければならない。さらに、薬剤については、投与を完了させるために一連の複合した装置作動が必要である。使用者は、それらの作動を正確に監視しなければならない。今の薬剤治療の状態において、使用者は、単一の病気の治療に対し、多数の薬剤を服用することが度々ある。投与のスケジュールが不規則に重なると、患者が間違って服用することによって、本当に困った事態を生じる。
【0009】
そこで、この発明は、今までの吸入器に関連する問題を解決する装置を提供する。この発明による吸入器は、投与する薬量について使用者に情報を与える。
【0010】
この発明によるそれらおよび他の特徴については、以下に述べる詳しい説明内容から明らかになるであろう。
【発明の開示】
【発明のサマリー】
【0011】
この発明では、薬剤を供給する装置を提供する。その装置は、使用者に供給すべき薬剤を入れた缶容器を備える。缶容器は、第1および第2の両方向に動かせる。装置は、また、薬剤が出ていく地点を与えるマウスピースを備える。缶容器を第1の方向に動かすと、薬剤が使用者に供給される。装置にはさらに、電気回路を完了(オンオフ)させるスイッチがある。スイッチは、缶容器を第1の方向に動かすと作動し、電気回路を閉じる(つまり、入れる)。電気回路は、缶容器を第2の方向に動かすと開く(つまり、切れる)。電気回路を入れることに応じて、計数を行うカウンタモジュールが現れる。カウンタモジュールは、また、缶容器における薬剤の供給履歴を表示する。装置は、さらに、カウンタモジュールをマウスピースおよび缶容器から隔てるシールを備える。この分離によって、カウンタモジュールの汚れ防止を援助する。さらには、カウンタモジュールから出るおそれがあるガス状あるいは微粒子の放出物が吸入の流れ経路に入らないようにする。
【0012】
供給履歴については、限定されるわけではないが、缶容器に残る薬剤の投与数、投与順に取った投与数、ある時間にわたって取った投与数、および薬剤を最後に供給したときからの時間を含む。
【0013】
スイッチは、シール中に埋め込んだ電気伝導性の接点がなりうる。あるいはまた、スイッチは、回路基板上に形成することができる。そのスイッチは、缶容器が第1の方向に動くとき、シールの中で突出することによって作用する。スイッチは、また、缶容器のフェルール(はめ輪)部分で直接作用するようにすることもできる。なぜなら、スイッチは、第2のシールによって缶容器から分離されているからである。その他、スイッチを伝導性材料で作った全体シールで構成し、その全体シールによって回路基板上の接点を閉じることができる。
【0014】
一つの実施例において、スイッチは、耐水性のドームスイッチである。ドームスイッチは、いろいろな位置に設けることができる。たとえば、缶容器が動く軸方向に実質的に平行に配置し、缶容器のフェルールで作用させることができる。缶容器が動く軸方向に垂直であり、マウスピースの中に広がる台上にドームスイッチを配置し、缶容器の端の部分で作用させることもできる。さらに、ドームスイッチをアクチュエータの油溜めの上面に配置し、缶容器の端の部分で作用させることができる。さらにまた、ドームスイッチをアクチュエータの油溜めの中に配置し、缶容器を押し下げるとき、アクチュエータによって作用させることができる。あるいはまた、ドームスイッチをマウスピースの外側表面に配置し、使用者が缶容器をマウスピースに対して押し下げるときに押し下げることができる。
【0015】
スイッチとして使用可能な他の例は、カウンタモジュールと電気的に連絡する少なくとも2つの開放接点であり、缶容器の表面が伝導性をもつことを利用し、回路を閉じる。一つの例では、開放接点をアクチュエータの油溜めの上面に配置し、缶容器の金属製の端部分で作用させる。
【0016】
他の実施例において、スイッチをたとえば光センサ、音響センサ、ホール効果あるいは磁気のセンサ、または圧力センサなどの動きセンサ(動きの検知センサ)で形成する。
【0017】
光センサは、光を発し、反射信号を受ける。缶容器の動きに応じて、反射信号は変化する。その変化をセンサで検知し、位置変化の信号を電気回路に与え、カウント(計数)を開始する。
【0018】
音響センサは、音響信号を出し、反射信号を受ける。缶容器の動きに応じて、反射信号が変化し、その変化をセンサが検知する。また、別の例では、音響センサは信号を出さずに、所定用量のエアゾールの音響「サイン」を識別する。
【0019】
磁気センサは、缶容器が第1および第2の方向に動くとき、缶容器あるいはそこに付属した磁性部材における磁気サインが変化することを検知し、缶容器の動きを検出する。あるいは
【0020】
圧力センサについては、アクチュエータの油溜めの中に配置し、缶容器から薬剤を供給することに応じて変化する圧力を検出する。
【0021】
この発明がもつさらに他の特性、特徴および利点については、以下に図面を参照して説明する発明の詳しい説明から明らかになるであろう。
【詳細な説明】
【0022】
この発明の一つの形態の吸入器10を図1に示す。その吸入器は、缶容器ホルダー12、薬剤の缶容器14、カウンタモジュール16およびマウスピース18を備える。カウンタモジュール16はディスプレイ20を含み、その詳細を以下に述べる。図2は吸入器10の斜視図、図3は背面図である。
【0023】
図4は、この発明の一つの形態の吸入器10の内部図を示している。缶容器14には、患者に投与する薬剤が入っている。缶容器14はアクチュエータ28を含み、そのアクチュエータ28は、缶容器14の方向に押し下げられると、加圧薬剤を放出する。缶容器14の一端を密閉するのがフェルール26である。
【0024】
図4は、カウンタモジュール16、およびそれに電気的に接続したディスプレイ20をも示す。図4では、ディスプレイ20をカウンタモジュール16に物理的に支持しているが、それら二つの構成要素については、この発明の考え方の範囲内で別の配置にすることができる。バッテリ30が、ディスプレイ20を含むカウンタモジュール16を作動するために必要なパワーを供給する。また、カウンタモジュール16の一部分にスイッチ22が備わる。図4に示すように、スイッチ22は、プリント回路基板34の外部に支持され、エラストマースイッチシール24によって缶容器14およびマウスピース18から分離している。スイッチ22は、ワイヤあるいはフレキシブルな構成部品(図示しない)を用いることにより回路基板34に電気的に接続されている。
【0025】
図5および図6は、図4の構成要素を吸入器10中に組み込んだ断面構造で示している。カウンタモジュール16と吸入の流れ経路との間をクロスする汚染を防止することが望ましい。そこで、図6が示すように、シール壁36によって、回路基板34上に支持したカウンタモジュール16の構成要素を吸入器10の残りの部分から分離している。同様に、スイッチシール24によって、スイッチ24を吸入器10から分離している。カウンタモジュール16をマウスピース18、缶容器14および缶容器ホルダー12から分離しているため、使用者は、缶容器14を取り外し装置を洗うことができる。その場合、カウンタモジュール16の構成要素を害するおそれがない。それらのシール24および36を用いることによって、カウンタモジュール16は実質的に耐水性がある。その上、シール24および36は、カウンタの電気的な構成部品から出る汚れが吸入の流れ経路に入るのを防ぐ。
【0026】
カウンタモジュール16は回路基板34を備え、カウンタモジュール16のすべてあるいはほぼすべての構成部品をそれに支持する。それらの構成部品には、バッテリ30、ディスプレイ20、スイッチ20、およびアプリケーション用IC(ASIC)がある。カウンタモジュール16は、いろいろな計数モードで作動する。メーカーは、製造時に装置のモードを選択することができる。その他、使用者が装置のモードを選択し、2あるいはそれ以上の数の計数モードで作動することができる。モードの例について、以下に詳しく説明する。
【0027】
カウンタの作動モードには、少なくとも次の例を含む。第1の例において、カウンタは、単一機能モード、つまり、残り投与量モードで作動する。このモードでは、スイッチ22を作動するごとに所定の始動ナンバーから減ずるようになっている。第1のアプリケーションにおいて、ディスプレイ20は、三桁の液晶表示装置(LCD)であり、30°の角度の普通の光で腕の長さの距離で充分に読むことができるほどの大きさである。缶容器が99回分の投与量よりも多くの薬剤を備えていない限り、ディスプレイ20の最初のゼロ表示は空白である。別のアプリケーションにおいて、ディスプレイ20は一般的な表示をし、たとえば20の投与量のような設定数だけが残る時点までは、缶容器中に残る投与量の数を表示する。20の残り投与量に達すると、ディスプレイは一秒に一回点滅し、使用者に缶容器の中味が空に近い状態になっていることを知らせる。カウンタがゼロ(0)に達すると、LCDの桁の一つが0を点滅し、缶容器が空であることを示す。この点滅によって、使用者は、缶容器14が空であることを知る。
【0028】
第2の例において、カウンタは、二機能モード、つまり、残り投与量のほか投与シーケンスモードで作動する。この例では、残り投与量の部分についてカウンタは上に述べたように作動する。さらに、ディスプレイ20は、たとえばトータル3回の作動のような投与シーケンスで取った投与数を表示する。このモードについては、最初の桁のセグメント、説明文、あるいはシンボルによって、ディスプレイ20上にその機能を特定することができる。あるアプリケーションにおいては、一連の中で取った投与数を薬剤を服用した後すぐに表示する。このモードは、たとえば2分間のようなプリセット時間の後、残り投与量モードに自動的に切り換わる。また、希望により使用者が2つのモード間をトグル式に切り換えることができる。
【0029】
第3の例において、カウンタは、三機能モード、つまり、直前の投与からの経過時間、直前の24時間内の投与数、および残り投与量で作動する。残り投与量は上に述べたように作動する。直前の投与からの時間についての機能には、時間(アワー)およびアワーの10分の1の表示時間を含む。そしてまた、表示時間の左のゼロ(0)表示は空白である。この時間は、装置中の缶容器14を最後に押し下げた時からの時間を示す。缶容器14を押し下げることに応じて、タイマーがスタートする。このタイマーは作動し続け、缶容器14を次に押し下げることに応じてゼロにリセットされる。次の時点で缶容器14を押し下げるとき、タイマーは缶容器14をその次に押し下げる時点までの時間を再度カウントする。このような方法で、投与間の運転時間を規則正しく新しくする。第3の例のモードでは、先行する24時間内に供給した投与数を示す。缶容器14を最初に押し下げることに応じて、連続する24時間のクロックがスタートする。クロックは、24時間の間に缶容器が押し下げられる回数を記録する。このような方法で、ある時間にわたって供給された投与数を装置に記録し、かつ使用者に表示する。その他、使用者が、装置の複数の表示モードをトグル式に切り換えることができる。
【0030】
装置が作動するモードを選択することに伴って、メーカーは最初の数を選択することができる。装置は、各作動ごとにその数から1を減じる。これは、プログラム可能であり、メーカーがモード選択を講じるアプリケーション用IC(ASIC)によって適用する。容器の中の一般的な投薬量は、たとえば、60、100、120、150、200および400という薬剤投与分である。この発明の考え方から離れない範囲で、他の投薬量にすることもできることを理解されたい。
【0031】
図7は、スイッチ22、バッテリ30およびディスプレイ20を含むカウンタモジュール16の回路のブロック線図の例である。図7に示す回路にはいくつかの特徴があるが、その一つがセットアップの特徴である。それによって、メーカーは最初の投薬(可能)カウント数を設定することができる。その設定した最初の数は、装置が作動するごとに減少していく。同様に、計数を進めたり減少させたりする制御をすることができる。あるアプリケーションでは、計数のデクレメントよりもインクレメントの方が好ましい。この選択あるいは交代については、計数の増減方向を定める端子に対する接続によって、メーカーが行うことができる。スイッチ22もブロック線図に示している。そのスイッチ22が入力データを与え、それを回路が処理し、ディスプレイ20(図7に示す液晶表示装置)上に表示をする。
【0032】
また、回路がもつ特徴の中に、アンチバウンド回路がある。そのアンチバウンド特徴によって、50ms(ミリセカンド)以下のスイッチ押下げを無視し、誤った信号を計数(カウント)しないようにする。結果として、装置を落としたときの衝撃について、カウントを記録しない。なぜなら、その衝撃は電気スイッチを閉じるだけの充分な時間続くものではない。さらに、投与を二重にカウントしないようにするため、装置は、先行するカウントの後の500ms±75ms以下のもののカウントをしない。さらにまた、装置がバッテリからの電源供給を妨げるような衝撃を万が一受けたとき、アンチバウンド特徴は、たとえば100msのような短い時間カウントを保持する。正規の電源が回復すると、カウントは電源の遮断前の値に復活する。
【0033】
回路の他の特徴として、バッテリが1.5vdcと3vdcを供給する二重電圧回路がある。あるアプリケーションにおいて、ディスプレイ(特に、LCDにおいて)を駆動するためには3ボルトが必要である。上に述べたようなアンチバウンド間隔を発生させるために、発振回路を利用する。同様に、発振回路によって、ディスプレイの点滅速度を制御する。たとえば、残り投与量が20以下に落ちると、ディスプレイは所定の間隔で点滅し、使用者に投与数が低いと警報を出す。点滅の間隔(1秒に一度、あるいは0.5秒に一度)を点滅速度で設定し、発振回路で制御する。
【0034】
発振器の他の機能は、ディスプレイの駆動周波数を設定することである。たとえばLCDは、通常、電力を節約するように構成されている。一定の周波数において、人間の目は光が連続しないことを検知することができない。そこで、電力を節約するため、LCDを連続的には照明することなく、むしろ一定のサイクル速度で照明する。その速度は、人間の目があたかも連続的に見える充分な速度である。LCDが実際に照明する総時間を減らすことによって、装置のエネルギー消費、したがって発振回路が生じるサイクル速度を減らす。計数器(カウンタ)、デコーダ、およびコミュテータを含む図7に示す他のエレメントは、ディスプレイの駆動に必要な部品であり、いわゆる当業者に良く知られたものである。
【0035】
図8は、この発明の他の構成を示している。図8に示すように、カウンタモジュール16は装置のマウスピース18側に配置されている。そのような方向性は使用者に有利である。ディスプレイ20がマウスピース18と同じ側に位置するので、使用者は装置を回転させて見る必要がない。さらに、そのような配置は、マウスピースを通る気流が増大する場合に必要である。図8から分かるように、通気孔38が装置の後部にある。そのような特徴をもたせるとき、ディスプレイモジュール16をもっと使いやすい位置に動かすことができる。図8に示す装置のもう一つの特徴はカバー40である。そのカバー40により、装置の不使用時にマウスピース18内に破片が入るのを防ぐ。
【0036】
図8に示す装置において、一つのエラストマーシール36が用いられ、ディスプレイモジュール16の全体を装置10の残りの部分から分離している。エラストマーシール36には突起部分あるいは湾曲部42がある。缶容器14をマウスピース18の方向に押し下げるとき、エラストマーシール36の部分42が缶容器14のフェルール26によって作用する。湾曲した部分42は、フェルール26で遠ざけられ、スイッチ22上の接点を閉じ、カウンタモジュール16を作動させる。
【0037】
同様に、図9は、カウンタの構成部品のすべてをフレキシブルなシール36によって空気の流れから密閉した吸入器10を示している。シール36は、缶容器14が動くに応じて変形し、回路基板34と連絡する。一つの実施例では、スイッチ部品22を基板34に直接取り付けている。それとは別に、図10に示すように、フェルール26の動きで押し下げられるとき、シール36が回路基板34上の接点を閉じる伝導部分23を設けることができる。
【0038】
図11には、回路基板34に直接設けた機械的スイッチを示している。スイッチ22はマウスピース18の中に伸び、フェルール26の部分で缶容器14に接触する。缶容器14を押し下げると、スイッチ22は、フェルール26が通過するに応じて作動される。
【0039】
図12は、耐水性のドームあるいは膜スイッチ44であり、缶容器14のフェルール26の通路中に設けた例を示す。ドームスイッチ44は、フェルール26がスイッチを通るとき缶容器14の動きを検出し、それによって、スイッチ44の接点を閉じる。ドームスイッチ44は、カウンタモジュール16に対して電気的に接続される。
【0040】
図13は、缶容器14の通路中に位置する台46に取り付けたドームスイッチ44を示す。缶容器14が動いて底が近づくとき、ドームスイッチ44と缶容器14のフェルール26とのコンタクトがなされる。この場合、缶容器14が過剰に動くことができることが非常に大切である。それによって、缶容器14がマウスピース18の方向に向かう動きの端あるいは端近くでドームスイッチ44を確実に閉じることができるからである。もしドームスイッチ44が缶容器14に余りに近い位置にあると、それが缶容器14の進みを妨害し、薬剤が充分に放出されなくなるだろう。一方、ドームスイッチ44を缶容器14から余りに離しすぎると、薬剤が供給される間、ドームスイッチ4が閉じなくなり、使用者がカウンタモジュール16を有効に活用し得なくなる。
【0041】
図14には、露出した接点25をもつフレキシブルな回路であり、アクチュエータ28の周囲に配置された例を示す。一般に、缶容器14は、たとえばアルミニウムあるいは鋼鉄のような金属あるいは伝導材料で作られる。したがって、缶容器を押し下げ薬剤を供給するまでは、接点25は開いている。動きの終わりに近づくと、缶容器14のフェルール26が接点25に接触する。フェルール26は伝導材料から作られているので、それが露出接点25に接触すると、回路を完全なものにする。接点25とアクチュエータ28との軸線を合わせると、再現性の高い接点となる。ここで、図13の装置の場合のように、缶容器14が過剰に動くことができることが大切である。しかし、エラストマークッション27を用いることによって、公差を厳格にすることなく行程長の問題に対処することができる。接点25は、カウンタモジュール16に対して電気的に接続されている。図15は図14と同様の構成を示すが、回路の閉じ方が異なる。一方がフェルール26の伝導性を利用して回路を閉じているのに対し、他方では、ドームスイッチ44を用いることにより、フェルール26が内部接点を閉じるに充分な力を与えると回路を完全にするようにしている。
【0042】
図16には、電気回路を閉じるために今までの一般的な接点を用いない例を示している。接点の代わりに、センサー48を用いて缶容器14が動いたか否かを決める。いろいろなタイプのセンサーの中で、光学センサー、音響センサー、およびホール効果あるいは磁気センサーを用いることができる。これらのいずれかのセンサーが缶容器の動きを検出すると、その動きをカウンタモジュール16に連絡し、ディスプレイ20上に表す。光学センサーは、光を発しそれが金属フェルールで反射し、センサーのチップがそれを検出する。音響センサーは、フェルール26までの距離を検知するため音響信号を送受信する。その距離を用いて動きを検出する。別の方法として、音響センサーが送信をせずに、所定用量の噴霧の音響「サイン」を受け認識するようにすることができる。ホール効果センサーは、金属製の缶容器14の動きによって生じるセンサー周りの磁界の変化を検出する。また、他のセンサーについても、この発明の考え方の範囲内で用いることができる。
【0043】
図17は、スペースの節約を図る配置であり、回路部品をマウスピース18の底部に設けた例を示す。たとえば、携帯電話で用いられているフレキシブルな回路を利用することによって、実現可能である。図18に示す例では、バッテリ30をマウスピース18の底部内に配置している。そのような配置によれば、カウンタモジュール16を収容するための大きさを最小限に抑えることができる。この例は、マウスピースの全容積あるいは空気の流れ容積のいずれが重要であるかによって異なる。
【0044】
図18は、アクチュエータ28と一直線に直接取り付けたドームスイッチ44を示す。缶容器14が下方に動くと、アクチュエータ28はスイッチを押し付けて回路を閉じる。スイッチ44は、カウンタモジュール16に電気的に接続されている。
【0045】
この発明のエレメントについての他の配置例を図19が示す。図19において、ドームスイッチ44はマウスピース18の外側に取り付けられている。使用者は、親指をマウスピース18の底部に置くことによって、装置10を保持し、2つの人差し指で缶容器14の上部を押し込む。この押込みの過程でマウスピース18の底部のスイッチ44が閉じる。その場合、スイッチを閉じるために必要な力を注意深く設定し、正確にカウントしスイッチ44が意図せずに閉じないようにすべきである。
【0046】
図20は、アクチュエータの油溜め領域52の圧力を検知する圧力センサー50を示す。アクチュエータ28が圧力センサー50の方向に動くとき、油溜め内の圧力が増す。なぜなら、油溜め内の空気出口はオリフィス(絞り)54だけであるからである。缶容器14から薬剤が放出されるに応じて、アクチュエータの油溜め52内の圧力は大きく増大する。その増大した圧力によって、圧力スイッチ50が作動し、電気回路を閉じる。圧力センサー50は、カウンタモジュール16に電気的に接続されている。
【0047】
この発明のもう一つの実施例は、スイッチ−バルブの遅れについての最適化である。吸入器の操作について図21が示す。吸入器10(あるいは吸入器ホルダー12)中の缶容器14の変位をY軸に沿って、また、時間をX軸に沿ってそれぞれ示している。完璧なシステムでは、カウンタ上のスイッチは、薬剤を供給するためにバルブが開いた瞬間に閉じる。すべての機械製品は付随する寸法的な変化量(つまり、寸法公差)をもつ。そのため、缶容器14からの薬剤の放出およびカウンタ16上のカウント作動は両方共にある範囲の変化量(T、TSW)の中で生じる。カウンタの正確度および信頼性をできる限り保証するため、それら二つの出来事とそれらの寸法公差との相対的なタイミングを注意深く対処しなければならない。特に、どんな場合であってもカウントが始まらなければ薬剤が放出されないことが最高である。
【0048】
実際上、カウントの誤りをなくし、放出およびカウントに関係する公差がある帰結は、薬剤が放出される直前にカウンタを始動させなければならない。名目上のスイッチ閉じXと名目上のバルブ開きYとの間には、時間および変位の遅れがある。
【0049】
図21に示すように、缶容器は所定の時間を通してある距離を動く。動き行程のある距離で、缶容器はトリガーシールに接触する。これを示すのが、X軸を通るトリガーシール動きのラインである。その後すぐに、トリガーシールはスイッチに接触し、引き続いてその後のある時間にスイッチの接点を閉じる。図21において、スイッチ接点の閉じを「スイッチ閉」と呼び破線で示している。これは、時間あるいは距離にしろ、遅れを計算するための第1ポイントである。缶容器が行程を進むとき、スイッチは閉じたままである。行程がさらにある距離進むと、バルブが開く。それを図21の中で「バルブ開」と表示して示す。これは、時間あるいは距離について遅れを決定するための第2ポイントを示す。回路閉とバルブ開との間について、缶容器の時間あるいは行程が異なる分が遅れである。図21において遅れは、線Xと線Yとの間の距離として示す。時間の遅れについては、破線の「スイッチ閉」と「バルブ開」との間で示す。
【0050】
図21が示す他の特徴として、スイッチおよびバルブの両方に対するそれぞれの寸法公差の範囲TSWおよびT がある。図21が示すもう一つの特徴は、スイッチおよびバルブが過剰に移動することがある。これらの部品が過剰に移動することが許されることによって、バルブの作動パラメータについて厳格な公差を求められることなく適用することができる。
【0051】
図8に関連してすでに述べたように、この発明の一つの形態では、エラストマーシール36および湾曲した部分42を用いる。これについて、図22Aおよび22Bがより詳細に示している。そこに示すように、缶容器14が動くにつれて、エラストマーあるいはトリガーシール36は、フェルール26によって変位され、それによってスイッチ22を閉じる。さらに図22Aおよび22Bから分かるように、湾曲した部分42の形状が、エラストマーシール36に対するフェルール26の作用に影響する。湾曲した部分42の形状を変えることによって、接点を閉じるタイミングを変え装置の遅れを最適化することができる。しかし、どのような場合でも、スイッチをバルブが開く前に閉じるようにし、カウントをすることなく薬剤を放出する場面を避けなれればならない。
【0052】
図22Aが示すように、缶容器14を押して静止アクチュエータ28に対して缶容器14を下方に動かすと、バルブ100が開く。バルブ100が薬剤貯蔵室102に接近すると、加圧投与量が排出される。バルブ100は、固有の公差(T)(図21に示す)をもち、それが既知の通過距離で薬剤を確実に放出することになる。したがって、カウンタの遅れを最小限にするため、スイッチアセンブリに関連する公差(TSW)をできるだけ小さくする必要がある。エラストマーシール36の材料特性および湾曲した部分42のデザインを調節することによって、それに応じることができる。
【0053】
湾曲部分42によって、スイッチの動特性(SSW)を正確に制御することができる。そのような湾曲部分42についての2つのデザインを図23Aおよび23Bに示す。図23Aは膜スイッチに対する湾曲部分のデザインの一例である。同様に、接点スイッチに対する湾曲部分のデザインを示す。図23Aおよび23Bは、湾曲部分42a,42bの形状を変えることにより、スイッチ力(F)と変位との間の相互作用を変えることができることを示す。
【0054】
エラストマー膜36および湾曲部分42をスイッチ22の始動(トリガー)装置として用いることにより、いくつかのはっきりした利点を得る。最初に、スイッチを閉じるために缶容器が動くべき距離を、スイッチあるいは缶容器を変えることなく容易に変化させることができる。第2に、今までの噴霧−計量バルブの多くが、バルブフェルールに関連するバルブステムの動きに基づいて作動する。この発明では、湾曲部分が直接バルブフェルールに作用し、バルブを開く機械的な指示を最も正確に行うことができる。さらに、湾曲部分のプロフィールは、スイッチ力/変位の曲線を補足し合うように、しかもまた、計量バルブあるいは缶容器のタイプが異なるものについてタイミングおよび行程のパラメータを適合させるように変化させることができる。さらにまた、湾曲部分を作るのに用いるエラストマー材料の特性(つまり、デュロメータ、表面摩擦係数)を変えることによって、バルブおよび/またはスイッチの特性を調節することができる。たとえば、低デュロメータの(「より柔軟な」)材料を用いることによって、スイッチが「底をつく」とき湾曲部分を「押しつぶす」ことができる。これによって、より大きな設計上の許容度をもたらす。エラストマーシール36および湾曲部分42を用いることによる他の利点は、吸入器の部品数を減らすことができることである。エラストマーシール36および湾曲部分42にって、スイッチ中のリターンスプリングを用いることができ、バルブが作動する間に変形した後で湾曲部分を休止位置に戻すことができる。さらに、シールおよび始動(トリガー)部品の両方を一つの部品に結合することができる。
【0055】
さらにまた、このシールについては、アクチュエータ本体10あるいはベースハウジング110上のいずれかに直接形作り、図24Aおよび24Bに示すように二つの部分から構成されるアセンブリにすることができる。それによって、低コスト、「フリーサイズ」アセンブリおよび始動の解決を図ることができる。図24Aは、二つの異なるノズル形態と一緒に用いるベースハウジング110を示す。それらの構成において、同じ電子カウンタモジュール16をいろいろな缶容器および湾曲部分の形状が異なるバルブと一緒に用いることができる。また、たとえばカウントをせずに薬剤の放出をしたり、あるいは薬剤の放出に応じてカウントがなされないなどの異常なカウント問題を解消し、さらにその上に、厳しい公差を軽減する。フェルール26を伴う缶容器14は、スプレーノズル中のステム開口に取り付けられる。したがって、ノズルが、缶容器14およびフェルール26の位置を決める。スイッチ22を入れた同じベースハウジング110にノズル形態を一体化することにより、公差の積重ねを最小限にすることができる。その結果、カウントと放出との間の遅れもまた最小限になる。さらにまた、カウンタとノズルの両機能を一つの比較的小さな補助アセンブリに与えた場合、その実施例は、広範囲のいろいろな形および大きさをもったアクチュエータ本体10に適用することができるだけでなく、缶容器およびバルブの組み合わせのほとんどのものに容易に適用することができる。
【0056】
図24Aおよび24Bに示す二つの部品構成によれば、同じアクチュエータ本体10およびカウンタモジュール16を利用することに加えて、異なるノズル形態をベースハウジング110に形作ることができる。しかもまた、その特徴によって、スイッチ22を作動する湾曲部分42を異ならせることによってノズル性能を比較的容易に変えることができるし、いろいろな缶容器に適応可能である。
【0057】
さらに、製造するとき、いろいろな形態の湾曲部分を得るためにわずか一つの射出成形ツールが必要となるだけである。そこで、異なる湾曲部分を形作るとき、ツール(型)の中のインサートを単に変えるだけで実現できる。
【0058】
したがって、エラストマーシール36および湾曲部分42を用いることにより、投与量カウンタ、および、特には、広範囲な吸入器、缶容器、スイッチおよびノズルをもつベースハウジング110の適応性が増す。
【0059】
多部品構成の別の例を図25に示す。この構成によれば、カウンタを吸入器の中に容易に組み入れることができる。吸入器は、2あるいはそれ以上の部品を備え、それらの部品は異なる材料および/または色をもつであろう。カウンタ機能は、それらの部品の一つの中に入り、他の部品の内部に巣を作るように連結される。図25において、カウンタ16は、上部ハウジング114上にあり、組付けに応じて下部ハウジング112の内部に取り付けられる。そのような配置によれば、部品を追加することなくカウンタをいろいろな吸入器に組み付けることができる。
【0060】
この発明について、最も実際的かつ好ましい実施例と考えられるものに関して説明した。しかし、この発明は、開示した実施例に限定されるわけではない。むしろ、この発明は、いろいろな変形や等価の配置を含み、それらは特許請求の範囲に定める考え方の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の一実施例による吸入器の側面図である。
【図2】この発明の一実施例による吸入器の斜視図である。
【図3】この発明の一実施例による吸入器の背面図である。
【図4】この発明の一実施例による吸入器の内部配置を示す図である。
【図5】この発明の一実施例による吸入器を断面構造で示す斜視図である。
【図6】この発明の一実施例による吸入器を断面構造で示す半面図である。
【図7】この発明の一実施例によるカウンタモジュールのブロック線図である。
【図8】この発明の一実施例であって、装置のマウスピース側に支持されたカウンタモジュールをもつ吸入器を示す図である。
【図9】この発明の少なくとも一つの実施例であって、スイッチを支持した回路基板をもつか、回路基板上の開放接点に当たる膜中の伝導性部材をもつ吸入器を示す図である。
【図10】この発明の一実施例であって、回路基板上の露出接点にコンタクトする伝導性エラストマー製の全体膜/シールをもつ吸入器を示す図である。
【図11】この発明の一実施例であって、マウスピースの中に広がる回路基板に直接支持され、缶容器に直接接触する機械的なスイッチをもつ吸入器を示す図である。
【図12】この発明の一実施例であって、缶容器の通路中のフレキシブル回路上に支持され、缶容器の動きを検出する耐水性ドームスイッチをもつ吸入器を示す図である。
【図13】この発明の一実施形態であって、缶容器の通路中のプラットフォーム上に支持され、缶容器底部の動きを検出する耐水性ドームスイッチをもつ吸入器を示す図である。
【図14】この発明の一実施例であって、フェルールの底が露出接点に接触すると、回路が入る吸入器を示す図である。
【図15】ドームスイッチをもつこの発明の一実施例であって、フェルールの底がドームスイッチを押すと、回路が入る吸入器を示す図である。
【図16】基板に設けたセンサ(光学、音響、あるいはホール効果センサのいずれかを含む)をもつこの発明の一実施例であって、缶容器の動きを検出する吸入器を示す図である。
【図17】この発明の一実施例であって、マウスピースの底の辺りのフレキシブルな回路構成要素上に設けた回路部品をもつ吸入器を示す図である。
【図18】この発明の一実施例であって、アクチュエータの線上に直接設けたドームスイッチをもつ吸入器を示す図である。
【図19】この発明の一実施例であって、マウスピースの外側に設けたドームスイッチをもつ吸入器を示す図である。
【図20】この発明の一実施例の吸入器であって、アクチュエータの油溜め領域内で直接圧力を検出する圧力センサをもつ吸入器を示す図である。
【図21】この発明の一実施例の吸入器の作動を表現した図である。
【図22A】この発明の一実施例であって、エラストマーシールおよびランプを含むスイッチをもつ吸入器について、スイッチが閉じる前の状態を示す図である。
【図22B】この発明の一実施例であって、エラストマーシールおよびランプを含むスイッチをもつ吸入器について、スイッチが閉じたときの状態を示す図である。
【図23A】この発明の一実施例によるランププロフィールであり、膜スイッチの場合を示す図である。
【図23B】この発明の一実施例によるランププロフィールであり、接点スイッチの場合を示す図である。
【図24A】この発明による吸入器のノズル配置の一例を示す図である。
【図24B】この発明による吸入器のノズル配置の別の例を示す図である。
【図25】この発明の一実施例であって、複数の構成部品を含む吸入器ハウジングを示す図である。
【符号の説明】
【0062】
10 吸入器
12 缶容器ホルダー
14 缶容器
16 カウンタモジュール
18 マウスピース
22 スイッチ
24 シール
26 フェルール
28 アクチュエータ
30 バッテリ
34 回路基板
36 シール壁
38 通気孔
40 カバー
42 湾曲部分(ランプ)
48 センサー
100 バルブ
102 薬剤貯蔵室
110 ベースハウジング
112 下部ハウジング
114 上部ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の各構成を備える薬剤放出のための装置。
・放出すべき薬剤を入れた少なくとも一つの缶容器であり、その缶容器は、第1および第2の方向に動くことができる
・前記缶容器を前記第1の方向に動かすとき、前記缶容器から使用者に対し前記薬剤を放出する個所となるマウスピース
・前記缶容器が前記第1の方向に動くとき電気回路を閉じ、前記缶容器が前記第2の方向に動くとき前記電気回路を開くスイッチ手段であって、そのスイッチ手段は、前記缶容器あるいは缶容器の放出を行うことができるように結合されている
・前記電気回路が閉じることに応じてカウントを行い、前記少なくとも一つの缶容器の薬剤放出の履歴を表示するためのカウンタモジュール
・汚染防止のために、前記マウスピースおよび前記缶容器から前記カウンタモジュールを分離するシール
【請求項2】
前記放出の履歴が、前記缶容器に残る薬剤の投与数を含む、請求項1の装置。
【請求項3】
前記放出の履歴が、投与シーケンスで用いた投与数を含む、請求項1の装置。
【請求項4】
前記放出の履歴が、ある時間にわたる投与数を含む、請求項1の装置。
【請求項5】
前記時間は、使用者によって異なる、請求項4の装置。
【請求項6】
前記放出の履歴が、薬剤を最後に投与したときからの時間を含む、請求項1の装置。
【請求項7】
前記カウンタモジュールの表示部分が前記マウスピースの前面にある、請求項1の装置。
【請求項8】
前記カウンタモジュールの表示部分が前記マウスピースの背後にある、請求項1の装置。
【請求項9】
前記カウンタモジュールの表示部分が前記マウスピースの側にある、請求項1の装置。
【請求項10】
前記スイッチ手段が、前記シールに埋め込んだ電気伝導性の接点を含む、請求項1の装置。
【請求項11】
前記カウンタモジュールの少なくとも一部分が、前記マウスピースの中に配置されている、請求項1の装置。
【請求項12】
前記カウンタモジュールの少なくとも一部分が、前記マウスピースの外部に配置されている、請求項1の装置。
【請求項13】
前記シールが、前記缶容器を前記第1の方向に動かしたとき、前記スイッチ手段に作用する湾曲部分を含む、請求項1の装置。
【請求項14】
前記スイッチ手段は、回路基板上に支持され、前記缶容器のフェルール部分で作動され、しかも、前記スイッチ手段は第2のシールによって前記缶容器から分離されている、請求項1の装置。
【請求項15】
前記シールが伝導性材料から作られている、請求項1の装置。
【請求項16】
前記スイッチ手段が耐水性ドームスイッチである、請求項1の装置。
【請求項17】
前記ドームスイッチが、前記缶容器の行程の軸線に対し平行に支持され、前記缶容器のフェルールで作動される、請求項16の装置。
【請求項18】
前記ドームスイッチが、前記缶容器の行程の軸線に直交するように前記マウスピースの中に伸びる台上に支持され、前記缶容器の端の部分で作動される、請求項16の装置。
【請求項19】
前記ドームスイッチが、アクチュエータの油溜めの上面に支持され、前記缶容器の端の部分で作動される、請求項16の装置。
【請求項20】
前記スイッチ手段が、前記カウンタモジュールに電気的に連絡した少なくとも2つの開接点と、前記缶容器が前記第1の方向に動くとき、前記開接点を閉じる前記缶容器の伝導性表面とを備える、請求項16の装置。
【請求項21】
前記少なくとも2つの開接点が、アクチュエータの油溜めの上面に位置し、前記缶容器の金属製の端部で作動される、請求項20の装置。
【請求項22】
前記ドームスイッチが、アクチュエータの油溜めの部分に位置し、前記缶容器が前記第1の方向に動くとき、前記アクチュエータによって作動される、請求項16の装置。
【請求項23】
前記ドームスイッチが、前記マウスピースの外面に位置し、使用者が前記缶容器を前記マウスピースに向かって押し下げ前記缶容器を前記第1の方向に動かすときに押し下げられる、請求項16の装置。
【請求項24】
前記スイッチ手段が動きセンサから構成される、請求項1の装置。
【請求項25】
前記動きセンサが光センサであり、その光センサは光を発しかつ反射信号を受け、前記缶容器の動きに応じて前記反射信号は変化し、前記センサがその変化した信号を検知し、前記回路に入力して前記カウントを変える、請求項24の装置。
【請求項26】
前記センサは、前記缶容器が前記第1の方向に動かされるとき、作用し前記缶容器の位置の変化を検出するように配置されている、請求項25の装置。
【請求項27】
前記動きセンサが音響センサであり、その音響センサは音響信号を出し、反射信号を受け、前記缶容器の動きに応じて前記反射信号が変化し、その変化した信号を前記センサで検知し中に入れた接点を閉じる、請求項24の装置。
【請求項28】
前記動きセンサが音響センサであり、その音響センサは所定用量のエアゾールの音響サインを検知する、請求項24の装置。
【請求項29】
前記センサは、前記前記缶容器が前記第1の方向に動かされるとき、作用し前記缶容器の位置の変化を検出するように配置されている、請求項27の装置。
【請求項30】
前記動きセンサが磁気センサであり、前記缶容器の動きに応じて前記缶容器の磁気サインが変化し、その変化を前記センサで検知し、前記回路に入力して前記カウントを変える、請求項24の装置。
【請求項31】
前記センサは、前記前記缶容器が前記第1の方向に動かされるとき、作用し前記缶容器の配置の変化を検出するように構成されている、請求項27の装置。
【請求項32】
前記センサが圧力センサである、請求項24の装置。
【請求項33】
前記圧力センサが、アクチュエータの油溜めの中に位置し、前記缶容器から前記薬剤を放出することに応じる圧力の変化を検出する、請求項32の装置。
【請求項34】
次の各構成を備える薬剤放出のための装置。
・放出すべき薬剤を入れた少なくとも一つの缶容器であり、その缶容器は、第1および第2の方向に動くことができる
・前記缶容器が前記第1の方向に動くとき電気回路を閉じ、前記缶容器が前記第2の方向に動くとき前記電気回路を開くスイッチ手段
・前記電気回路が閉じることに応じてカウントを行い、前記少なくとも一つの缶容器の薬剤放出の履歴を表示するためのカウンタモジュール
・汚染防止のために前記缶容器から前記スイッチ手段を分離する湾曲したシールであって、その湾曲したシールは、前記缶容器が第1の方向に動くことに応じて前記缶容器によって作動され、しかもまた、その湾曲したシールは前記スイッチ手段に作用し前記電気回路を閉じる
【請求項35】
前記放出の履歴が、前記缶容器に残る薬剤の投与数を含む、請求項34の装置。
【請求項36】
前記放出の履歴が、投与シーケンスで用いた投与数を含む、請求項34の装置。
【請求項37】
前記放出の履歴が、ある時間にわたる投与数を含む、請求項34の装置。
【請求項38】
前記時間は、使用者によって異なる、請求項34の装置。
【請求項39】
前記放出の履歴が、薬剤を最後に投与したときからの時間を含む、請求項34の装置。
【請求項40】
前記カウンタモジュールの表示部分が出口マウスピースの前面にある、請求項34の装置。
【請求項41】
前記カウンタモジュールの表示部分が出口マウスピースの背後にある、請求項34の装置。
【請求項42】
前記カウンタモジュールの表示部分が出口マウスピースの側にある、請求項34の装置。
【請求項43】
前記スイッチ手段が、前記シールに埋め込んだ電気伝導性の接点を含む、請求項34の装置。
【請求項44】
前記缶容器のフェルール部分が前記湾曲したシールに作用する、請求項34の装置。
【請求項45】
前記カウンタおよび湾曲したシールが、共通の部品内に形成されている、請求項34の装置。
【請求項46】
前記缶容器のノズル用の油溜めをさらに備え、前記カウンタ、湾曲したシールおよびその油溜めが、共通の部品内に形成されている、請求項34の装置。
【請求項47】
前記共通部品が射出成形品である、請求項45の装置。
【請求項48】
前記共通部品が射出成形品である、請求項46の装置。
【請求項49】
前記共通の部品が、いろいろな形状および大きさの缶容器に対する缶容器ホルダーに適応可能である、請求項45の装置。
【請求項50】
前記共通の部品が、いろいろな形状および大きさの缶容器に対する缶容器ホルダーに適応可能である、請求項46の装置。
【請求項51】
前記カウンタが、いろいろな形状および大きさの缶容器に対する缶容器ホルダーに適応可能である、請求項34の装置。
【請求項52】
缶容器ホルダー、缶容器、マウスピースおよびカウンタを含む各部品から構成され、前記カウンタは、いろいろな形状および大きさの缶容器ホルダー、缶容器およびマウスピースと一緒に用いることができる、請求項34の装置。
【請求項53】
前記カウンタモジュールが、いろいろな形状および大きさの缶容器に対する缶容器ホルダーに適応可能である、請求項1の装置。
【請求項54】
缶容器ホルダー、缶容器、マウスピースおよびカウンタを含む各部品から構成され、前記カウンタは、いろいろな形状および大きさの缶容器ホルダー、缶容器およびマウスピースと一緒に用いることができる、請求項1の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【公表番号】特表2006−528520(P2006−528520A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521303(P2006−521303)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/023987
【国際公開番号】WO2005/009325
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(503469762)ケイオウエス ライフ サイエンスイズ,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】