説明

電子血圧計および電子血圧計のデータ表示方法

【課題】電子血圧計において、複数のカテゴリー条件を指定して蓄積された血圧データを読出し・表示する場合に、操作ボタンの数を極力少なくすること。
【解決手段】電子血圧計を、血圧を測定する血圧測定手段と、時刻を含む時間情報を供給する計時手段と、血圧測定手段により測定された血圧データを含む情報を表示する表示手段と、血圧測定手段により測定された血圧データと、血圧データが測定されたときの条件を示す条件データ、および、計時手段による時間情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された複数の血圧データについての条件を操作する条件操作部であって、複数の設定条件を有する条件選択手段を複数有してなる条件操作部と、条件操作部が操作された場合に、条件選択手段で指定された少なくともふたつの設定条件のいずれをも満たす血圧データを時系列に表示手段に表示する記憶読出し部を有するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子血圧計および電子血圧計のデータ表示方法に関し、特に、血圧値の変動を知ることのできる電子血圧計および電子血圧計のデータ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高血圧を要因とする生活習慣病が増加傾向にあり、健康管理の指標として血圧値が用いられることが一般的となっている。かかる状況下、血圧管理が重要となっており、特にその時系列的変化(トレンド)を把握していることが重要となっている。
そのため、電子血圧計においては、記憶装置を内蔵し、血圧データと時刻データとを関連付けて記憶することが必須の機能となってきている。この場合、当該電子血圧計に記憶された多量の血圧データのうちから、測定時刻等の所望する条件で、測定された血圧データを効率的に検索して表示する機能が重要となってきている。
【0003】
かかる問題に対処した従来技術として、特許文献1の電子血圧計がある。
【0004】
特許文献1に記載された電子血圧計では、血圧データとその血圧データに関する条件を示す条件データとを関連付けてメモリに格納する。
そして、メモリから所望条件の血圧データを読出・表示させるための操作部を有し、操作部で条件を設定すると、当該操作部で指定された条件に関連付けされた血圧データをメモリから読出し、表示部に表示する。
特許文献1のように構成することにより、メモリからの血圧データの読出しの指示と、条件の指定が兼用化され、個別に操作する必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−044437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、複数の条件カテゴリー中の一つのカテゴリーについて条件を指定し、その条件についての血圧データを表示するようになっている。すなわち、複数のカテゴリーを同時に指定して、いずれの条件をも満たすような血圧データの表示を行うものではない。
したがって、例えば、2つの選択条件を有する条件カテゴリーが2つある場合、操作ボタンが2×2で4つ必要となる。
近年、電子血圧計は益々小型化される傾向にある中、各種操作ボタンに割り当てられるスペースも限られつつあり、また多すぎるボタンは煩雑さも招くので、ボタンの数は極力少なくする必要がある。また、ボタンの数が多いことはコスト的にも不利である。
【0007】
本発明は、以上のような背景技術に鑑みて、蓄積された血圧データを読出し・表示する場合において、複数の条件カテゴリーのいずれをも満たすような条件操作を可能とし、併せて操作ボタンの数を極力少なくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電子血圧計は、血圧を測定する血圧測定手段と、時刻を含む時間情報を供給する計時手段と、前記血圧測定手段により測定された血圧データを含む情報を表示する表示手段と、前記血圧測定手段により測定
された血圧データと、前記血圧データが測定されたときの条件を示す条件データ、および、前記計時手段による時間情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の血圧データについての条件を操作する条件操作部であって、複数の設定条件を有する条件選択手段を複数有してなる条件操作部と、前記条件操作部が操作された場合に、前記条件選択手段で指定された少なくともふたつの設定条件のいずれをも満たす血圧データを時系列に前記表示手段に表示する記憶読出し部と、を有する。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電子血圧計は、前記条件データが、前記電子血圧計のユーザに関する条件を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電子血圧計は、前記条件選択手段の条件が、前記電子血圧計が使用される、1日のうちの特定の時間帯に関する条件を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電子血圧計は、前記条件選択手段の条件が、血圧の分類に関する条件を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電子血圧計は、前記条件選択手段の条件が、週または月ごとの血圧データに関する条件を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電子血圧計のデータ表示方法は、血圧を測定する血圧測定手段と、時刻を含む時間情報を供給する計時手段と、前記血圧測定手段により測定された血圧データを含む情報を表示する表示手段と、前記血圧測定手段により測定された血圧データと、前記血圧データが測定されたときの条件を示す条件データ、および、前記計時手段による時間情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の血圧データについての条件を操作する条件操作部であって、複数の設定条件を有する条件選択手段を複数有してなる条件操作部と、を有し、前記条件操作部が操作された場合に、前記条件選択手段で指定された少なくともふたつの設定条件のいずれをも満たす血圧データを時系列に前記表示手段に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電子血圧計および電子血圧計のデータ表示方法によれば、蓄積された血圧データを読出し・表示する場合において、複数の条件カテゴリーのいずれをも満たすような条件操作を可能とするとともに、操作ボタンの数を極力少なくすることが可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態1にかかる電子血圧計の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1にかかる電子血圧計のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態1にかかる電子血圧計の操作部の平面図である。
【図4】本発明の実施形態1にかかる血圧測定のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態1にかかる記憶部の構成を示す概念図である。
【図6(A)】本発明の実施形態1にかかる読出し・表示のフローチャートの前半部である。
【図6(B)】本発明の実施形態1にかかる読出し・表示のフローチャートの後半部である。
【図7】本発明の実施形態1にかかる表示部の表示例である。
【図8】本発明の実施形態2にかかる電子血圧計の操作部の平面図である。
【図9(A)】本発明の実施形態2にかかる読出し・表示のフローチャートの前半部である。
【図9(B)】本発明の実施形態2にかかる読出し・表示のフローチャートの後半部である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願発明の趣旨を実現する各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本実施形態にかかる電子血圧計100の斜視図、図2は、本実施形態1にかかる電子血圧計100のハードウエア構成を示すブロック図、図3は電子血圧計100の操作部の平面図である。
【0013】
本実施形態では、電子血圧計100の読出し・表示の条件カテゴリーとして、ユーザ「1」およびユーザ「2」、「朝」および「夜」、の2つのカテゴリーを有しているものを例示して説明する。後述するように、条件カテゴリーはこれらに限定されない。
【0014】
ここで、カテゴリー朝/夜とは、測定した時間帯により区別されるもので、カテゴリー「朝」は午前3時00分〜午前10時59分、カテゴリー「夜」は午後6時00分〜午前2時59分に測定されたデータとして定義される。血圧データの1日のうちの変動を把握するために、一般的に用いられている測定方法に対応した条件カテゴリーである。
【0015】
図1において、符号110は電子血圧計100の本体、120は操作部、130は表示部、140はカフ、150は空気管を示す。図2において、符号210は血圧測定部、220は記憶部、230は電子血圧計100の動作を制御するCPU、240は時計部を示す。
【0016】
また、図2における610は操作部120に配置される測定・停止ボタン、620はユーザ選択ボタン、630は朝・夜選択ボタン、640はデータ前進ボタン、650はデータ後退ボタン、670は時計設定ボタンである。
【0017】
操作部120、ユーザ選択ボタン620、朝・夜選択ボタン630、データ前進ボタン640/データ後退ボタン650のそれぞれが、請求項1に記載の「条件操作部」、「条件データ」、「条件選択手段」、「記憶読出し部」を構成する。
【0018】
図3は、上記の操作部120上の各ボタンのレイアウト例を図示するものである。
【0019】
まず、電子血圧計100の動作の概略を説明する。電子血圧計の血圧測定方法としては様々な原理によるものが公知であり、ここではオシロメトリック法を例示して説明するが、本発明の血圧測定方法はこれに限定されない。
【0020】
ユーザが測定・停止ボタン610を押して、CPU230が測定開始の指示を受信すると、CPU230は血圧測定部210に血圧測定シーケンスを起動する制御信号を送信する。
血圧測定部210は、該制御信号を受信すると、空気管150を通じてカフ140に空気を送り込んで膨張させる。膨張したカフ140の圧力変動からカフ圧に重畳された脈波成分を抽出し、この脈波振幅から所定のアルゴリズムにより最高血圧と最低血圧を算出する。
【0021】
取得した血圧データは、表示部130に表示され、同時に、血圧測定部210からCPU230を経由して記憶部220に格納される。血圧測定部210には計時部としての時計部240が接続されており、血圧データは、この時計部240による時刻データ、すなわち、年月日、時分を示すデータとともに、一つのレコードとして記憶部220に格納される。
また、取得した血圧データは、操作部120のボタン操作に応じ、例えば、ユーザ「1」
の「朝」データように、ユーザ所望の条件で表示部130に表示することができる。
本発明は、この血圧データの表示部130への表示方法の改良を主眼としている。
つぎに、図4を参照して、電子血圧計100の血圧測定動作を詳しく説明する。図4は、本実施形態の血圧測定のフローチャートである。
【0022】
本実施形態では、1台の電子血圧計100を複数のユーザで共用可能なように構成されている。ユーザの数は特に限定されないが、ここでは2人(ユーザ「1」およびユーザ「2」)を例示して説明する。
【0023】
ユーザが測定・停止ボタン610を押下すると(S410)、電子血圧計100は血圧および脈拍を測定し(S412)、表示部130に表示する(S414)。ユーザは、必要に応じ体動表示(図7の符号764参照)、脈間隔変動表示(図7の符号762参照)を確認して、当該データを記憶させたい場合にはユーザ選択ボタン620を押下する。この押下の後、測定・停止ボタンの押下をトリガとして、当該データは、記憶部における当該ユーザの格納領域に格納される(S418)。
【0024】
ちなみに体動表示とは、測定中にユーザの手や手首などが動き、大きな圧力変化が検知された場合には、測定結果に不確実性があるので、測定後表示部に表示してユーザに知らせる機能である。また、脈間隔変動表示とは、測定中の脈の間隔が不規則な場合(いわゆる、不規則脈波IHB(Irregular Heart Beat))には、測定結果に不確実性があるので、測定後表示部に表示してユーザに知らせる機能である。
【0025】
いずれの場合も測定結果の信頼性が低いので、ユーザは再測定を行うのが好ましい。本機能はそのための用に供する機能である。
【0026】
ここで、上述においては、ユーザのユーザ選択ボタン620の押下を血圧測定の後としたが、これを血圧測定の測定・停止ボタン610の押下の直前、あるいは直後で行うようにしてもよい。この場合、上述のように、記憶部への格納のトリガをユーザ選択ボタン620の再度の押下で兼用することもできるし、別途格納ボタンを設けるようにしてもよい。
【0027】
格納すべき血圧データおよび当該血圧データに関連付けられたデータとしては、例えば、年月日、時分「TIM」、最高血圧「SBP」(Systolic Blood Pressure、mmHg、収縮期血圧ともいう)、最低血圧「DBP」(Diastolic Blood Pressure、mmHg、拡張期血圧ともいう)、脈拍数「PLS」(/分)とする(S418)。
ついで、記憶部220の構成を説明する。図5は,本実施形態にかかる記憶部の構成を示す概念図である。
記憶部220は、例えばRAMで構成され、図5のADDRiは当該RAMのアドレスを、Rijは血圧データの1レコードを示している。
記憶部220は、ユーザ数に応じ領域区分されており、図5においては、符号310がユーザ「1」の記憶部領域、320がユーザ「2」の記憶部領域を示している。
そして、図4のフローチャートにおいて、ユーザ「1」が選択され、初めて血圧データ格納の指示がなされたとすると、図5のADDR1に、レコードR11として当該血圧データが測定時刻とともに記憶される。すなわち、R11の内容は、
R11=(TIM1、SBP1、DBP1、PLS1)
である。
以下、ユーザ1の継続的な測定に対応して、R12・・・R1i・・・R1nとレコードが記憶されていく。図5においては、ユーザ1の測定データがレコードとしてn個記憶部220に格納されている状態を示している。
上述の動作はユーザ2についても同様であり、図5においては、ユーザ2の血圧データとして、m個のレコード、R21、R22・・・R2j・・・R2mが格納されている。
ここで、上述の例では、各ユーザの記憶部領域310および320に、朝・夜の区別なく時刻順に格納するようにしているが、記憶部領域310および320のそれぞれに朝領域、夜領域を設け、測定した時点で、時刻に応じ振り分けるように構成してもよい。
次に、本実施形態の読出し・表示動作を説明する。図6(A),(B)は本実施形態の読出し・表示のフローチャートである。
【0028】
まずユーザは、ユーザ選択ボタン620を押下し(S510)、次いで、朝・夜選択ボタン630を押下する(S512)。これらの操作により、2つのカテゴリーについての条件が指定されたことになる。ここでは、ユーザ「1」が、「朝」ボタンを選択したものとする。
【0029】
次いで、ユーザはデータ前進ボタン640かデータ後退ボタン650のいずれかを選択して押下する(S514)。
【0030】
データ前進ボタン640が選択された場合、電子血圧計100は、ユーザ「1」の「朝」カテゴリーに合致するレコードを最も新しいものから順に読出し・表示する(S516)。すなわち、図5において、R11〜R1nのうち、TIMiで判断して、朝カテゴリーに合致するレコードを選択し、新しい順から逐次表示していく。
【0031】
あるいは、前述のように、記憶部220が朝・夜の記憶部領域を有している場合には、当該領域のレコードを最も新しい順に表示していく。
【0032】
以下、データ前進ボタン640が押下される毎に(S518〜S520)、新しい順に表示して(S522)終了する。
【0033】
また、データ前進ボタン640以外のボタンが押下された場合(S520、あるいは、S524〜S526)には、S516に戻り、再指定された条件でレコードを選択し直し、逐次表示していく。
【0034】
データ後退ボタン650が選択された場合には、上述とは逆に、ユーザ「1」の「朝」カテゴリーに合致するレコードを最も古いものから順に読出し・表示する。以下データ前進ボタン640が押下された場合と同様の手順で読出し・表示する。
【0035】
記憶部220の読出し方法は、R11とR1nとがエンドレスにつながるように、すなわち、例えばデータ前進ボタン640が選択されていた場合に、R11の次はR1nが読み出されるようにし、循環的に読み出されるように構成してもよい。
【0036】
また、データ前進ボタン640またはデータ後退ボタン650が押下され続けた場合には、早送りされるように構成されてもよい。
ここで、図6(A)において、ユーザが朝・夜選択ボタンを押下しないで(すなわち、図6(A)でS512が省略されて)データ前進ボタンあるいはデータ後退ボタンを押下した場合には、朝・夜の区別なく、図5におけるレコードを最も新しいものから、あるいは最も古いものから順番に読出し・表示させるように構成することも可能である。
【0037】
図7は、表示部130の表示例を図示している。
【0038】
図7において、符号720はユーザ表示部、730は朝・夜表示部を示し、選択されたユーザ「1」、「朝」表示が点灯状態となっている。当該表示方法はこれに限らず、操作
部120におけるそれぞれのボタンを、それぞれの選択を示すべく点灯させるようにして構成することも可能である。
【0039】
符号712は最高血圧、714は最低血圧、716は脈拍の測定データを表示している。符号742はメモリ表示部であり、記憶部の内容の読出し・表示モードのときに点灯する。
【0040】
符号744は平均表示部であり、後述の、血圧データの平均値を読出し・表示するときに点灯する。
【0041】
符号762、764は、それぞれ先述の脈間隔変動、体動を表示する表示部であり、当該変動発生時に点灯する。
【0042】
符号782は、バッテリ残量表示部であり、772は時計表示部である。
【0043】
符号760は、血圧値のレベルを示す血圧分類表示部であり、測定した血圧データに対し赤、黄、青の3段階で表示するようにしている。
【0044】
血圧分類については、国際的に複数の基準が存在するが、例えば日本高血圧学会の「高血圧ガイドライン」では、以下のように規定している。
(A)高血圧の目安:最高血圧値135mmHg以上、または、最低血圧値85mmHg以上
(B)正常高値の目安:(A)でも(C)でもない測定値
(C)正常血圧の目安:最高血圧値125mmHg未満、かつ、最低血圧値80mmHg未満
電子血圧計100では、(A)を赤色で、(B)を黄色で、(C)を青で表示するようにしている。
以上詳述したうように、本発明の電子血圧計および電子血圧計のデータ表示方法によれば、蓄積された血圧データを読出し・表示する場合において、複数の条件カテゴリー(本実施形態では、ユーザ「1」/ユーザ「2」および「朝」/「夜」の2つのカテゴリー)のいずれをも満たすような条件操作を可能とするとともに、操作ボタンの数を極力少なくすることが可能となるという効果を奏することができる。
【実施例2】
【0045】
図8は、本実施形態の電子血圧計100の操作部の平面図、図9(A)、(B)は、本実施形態の読出し・表示のフローチャートを図示している。
【0046】
図8において、本実施形態の電子血圧計100の操作部800には、実施例1の操作部120に対し、血圧分類ボタン660が追加されている点が異なる。
血圧分類ボタン660に表示された、高/中/低の表示は、それぞれ上述の(A)高血圧の目安/(B)正常高値の目安/(C)正常血圧の目安に対応している。
血圧測定フローは実施例1と同様であるので、説明を省略する。本実施例でも、実施例1と同様、ユーザは「1」で朝・夜は「朝」が選択されるものとする。
【0047】
図9(A)を参照して、本実施例では、ユーザ選択ボタン620、朝・夜選択ボタン630の押下後に(S910〜S912)、血圧分類ボタン660を押下可能なように構成している(S914)。朝・夜選択ボタン630、血圧分類ボタン660の押下する順序は入れ替えてもよい。これらの操作により、3つのカテゴリーについての条件が指定されたことになる。
【0048】
血圧分類ボタン660は、押下されるたびに高→中→低→高とエンドレスで3態様に切り替わるスイッチであり、それぞれの態様に応じ血圧分類が表示部130の血圧分類表示部760に表示されるようになっている。
【0049】
血圧分類ボタン660が押下され、データ前進ボタン640またはデータ後退ボタン650が押下されると、電子血圧計100は、ユーザ「1」かつ「朝」データで、かつ、選択された「高」/「中」/「低」のいずれかの分類に適合する血圧データのレコードを記録部220から読み出し、表示部に表示する(S918)。
【0050】
その後の動作は、実施例1と同様に、データ前進ボタン640/データ後退ボタン650、血圧分類ボタン660、朝・夜選択ボタン630、ユーザ選択ボタン620の選択の有無によって場合分けされ、条件に適合した表示がなされる(S920〜S930)。
以上説明したように、本発明の電子血圧計および電子血圧計のデータ表示方法によれば、蓄積された血圧データを読出し・表示する場合において、ユーザ「1」/ユーザ「2」、「朝」/「夜」、および、血圧分類「高」/「中」/「低」の3つのカテゴリーのいずれをも満たすような条件操作を可能とするとともに、操作ボタンの数がさらに少なくなるという効果を奏することができる。
【実施例3】
【0051】
本実施形態は、実施例2において、さらに新たなカテゴリーとして、週・月選択ボタンを設けたものである。
【0052】
操作部のレイアウトは、図8において、さらに週・月選択ボタンを配置すればよいので図示を省略する。また、読出し・表示のフローについては、図9(A)におけるS914とS916との間に、「週・月選択ボタンを押す」のステップを追加し、S920とS926との間に、「週・月選択ボタンを押す?」のステップを追加すればよいので、図示を省略する。以上のように構成することにより、本実施形態では、4つのカテゴリーについての条件が指定されることになる。
【0053】
本実施形態では、ユーザ条件として「1」が、朝・夜条件として「朝」が、血圧分類条件として「高」が選択されるものとする。
【0054】
本実施形態における条件「週」は、週ごとの平均値を算出し、これを週単位で時系列に読出し・表示する条件であり、条件「月」は、月ごとの平均値を算出し、これを月単位で時系列に読出し・表示する条件である。
【0055】
1週における平均値は、例えば、日曜日から土曜日までの、ユーザ「1」、「朝」、「高」血圧分類の各条件に適合する血圧レコードを読出し、平均値を算出する。1日のうちに当該レコードが複数存在する場合には、あらかじめその平均を算出したのち、週平均を算出すればよい。
【0056】
また1月における平均値は、例えば、上記で求めた週平均をさらに月ごとに平均して求める。
上記において、週あるいは月を選択する場合に、カレンダーを表示部130に表示してユーザが所望の週あるいは月を選択できるように構成してもよい。
以上説明したように、本発明の電子血圧計および電子血圧計のデータ表示方法によれば、蓄積された血圧データを読出し・表示する場合において、ユーザ「1」/ユーザ「2」、「朝」/「夜」、血圧分類「高」/「中」/「低」、および、「週」/「月」の4つのカテゴリーのいずれをも満たすような条件操作を可能とするとともに、操作ボタンの数がさらに少なくなるという効果を奏することができる。
【0057】
なお、本実施形態の電子血圧計は、上記の構成に限定されるものではなく、種々の変形例や応用例が可能である。
【0058】
例えば、本実施例では、カテゴリーとして、ユーザ、朝/夜、血圧分類、週/月の4つを例示して説明したが、その他、体動の有/無、IHBの有/無等をカテゴリーとしてもよいし、またこれらカテゴリーの任意の組み合わせに適用することもできる。
【0059】
また、本実施形態の電子血圧計は、様々な条件カテゴリーが、カテゴリーにより選択できる条件の数が異なる(例えば、「朝」/「夜」のカテゴリーは条件が2つであるが、血圧分類「高」/「中」/「低」のカテゴリーは条件が3つである)が、全てのカテゴリーで条件選択の操作とデータの送り操作を同じ様に行うことができる。このため、ユーザは複数のカテゴリーの複数の条件をどのように組み合わせてデータを参照するときも同様の操作方法で行うことができ、ユーザは参照したいデータを簡単に表示させて参照することができる。
【0060】
また、本実施形態では、表示部と操作部を分離した態様を例示して説明したが、操作部をタッチパネル形態とし、表示部に組み込むことも可能である。
【符号の説明】
【0061】
100 電子血圧計
110 本体
120 操作部
130 表示部
140 カフ
150 空気管
210 血圧測定部
220 記憶部
230 CPU
240 時計部
310 ユーザ1の記憶部領域
320 ユーザ2の記憶部領域
610 測定・停止ボタン
620 ユーザ選択ボタン
630 朝・夜選択ボタン
640 データ前進ボタン
650 データ後退ボタン
660 血圧分類ボタン
670 時計設定ボタン
712 最高血圧表示部
714 最低血圧表示部
716 脈拍表示部
720 ユーザ表示部
730 朝・夜表示部
742 メモリ表示部
744 平均表示部
760 血圧分類表示部
762 脈間隔変動表示部
764 体動表示部
772 時計表示部
782 バッテリ残量表示部
800 操作部
Ri 血圧データのレコード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
血圧を測定する血圧測定手段と、
時刻を含む時間情報を供給する計時手段と、
前記血圧測定手段により測定された血圧データを含む情報を表示する表示手段と、
前記血圧測定手段により測定された血圧データと、前記血圧データが測定されたときの条件を示す条件データ、および、前記計時手段による時間情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の血圧データについての条件を操作する条件操作部であって、複数の設定条件を有する条件選択手段を複数有してなる条件操作部と、
前記条件操作部が操作された場合に、前記条件選択手段で指定された少なくとも二つの設定条件のいずれをも満たす血圧データを時系列に前記表示手段に表示する記憶読出し部と、
を有する電子血圧計。
【請求項2】
前記条件データが、前記電子血圧計のユーザに関する条件を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
【請求項3】
前記条件選択手段の条件が、前記電子血圧計が使用される、1日のうちの特定の時間帯に関する条件を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子血圧計。
【請求項4】
前記条件選択手段の条件が、血圧の分類に関する条件を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子血圧計。
【請求項5】
前記条件選択手段の条件が、週または月ごとの血圧データに関する条件を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子血圧計。
【請求項6】
血圧を測定する血圧測定手段と、
時刻を含む時間情報を供給する計時手段と、
前記血圧測定手段により測定された血圧データを含む情報を表示する表示手段と、
前記血圧測定手段により測定された血圧データと、前記血圧データが測定されたときの条件を示す条件データ、および、前記計時手段による時間情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の血圧データについての条件を操作する条件操作部であって、複数の設定条件を有する条件選択手段を複数有してなる条件操作部と、を有し、
前記条件操作部が操作された場合に、前記条件選択手段で指定された少なくとも二つの設定条件のいずれをも満たす血圧データを時系列に前記表示手段に表示することを特徴とする電子血圧計のデータ表示方法。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図7】
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【図8】
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【図9(A)】
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【図9(B)】
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【公開番号】特開2012−200512(P2012−200512A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69976(P2011−69976)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(507351883)シチズン・システムズ株式会社 (82)
【Fターム(参考)】