説明

電子装置、電気光学装置及び電子機器

【課題】電流駆動による電気光学素子の駆動制御をより高精度に行い且つ構成素子数の低
減を図る。
【解決手段】駆動電源Vxとドライバ4aとの間に画素回路10が接続されたデータ線の
、駆動電源Vxと画素回路10との間に、ダイオード接続されたトランジスタからなる変
換トランジスタ12を介挿する。この変換トランジスタ12を各画素回路10で共通のト
ランジスタとして利用し、各画素回路を、前記変換トランジスタ12とカレントミラー回
路を構成する駆動用トランジスタと、走査ドライバ4によって駆動され前記変換トランジ
スタ12と駆動用トランジスタとの接続をオンオフする制御用トランジスタと、制御用ト
ランジスタによって駆動用トランジスタのゲートに印加される電圧を保持する容量素子と
から構成し、駆動用トランジスタによって容量素子の保持電圧に応じた電流を有機エレク
トロルミネッセンス素子に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流により駆動される電流駆動素子を備えた電子装置、電子光学装置及び電
子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶を用いた表示装置(以下、ディスプレイという)は薄型表示装置として普及
しつつある。このタイプのディスプレイは、CRTのディスプレイに比べて低消費電力で
省スペースである。したがって、このようなディスプレイの利点を活かし、より低消費電
力で、より省スペースのディスプレイを製造することが重要となる。
【0003】
また、このようなタイプの表示装置に、液晶ではなく電流駆動型発光素子を用いて表示
を行うものがある。この電流駆動型発光素子は、液晶とは異なり、電流が供給されること
により発光する自発光素子であるため、バックライトが不要であり、低電力化という市場
の要求に対応することができる。さらに高い視野角、高いコントラスト比等の面で優れた
表示性能を有している。このような電流駆動型発光素子の中でもエレクトロルミネッセン
ス素子(Electroluminescent devices)は、大面積化、高精細化、フルカラー化を図るこ
とができるので、ディスプレイには特に適している。
【0004】
このエレクトロルミネッセンス素子の中でも、有機エレクトロルミネッセンス素子(Or
ganic Electroluminescent devices)は、高い量子効率のため注目されている。
【0005】
このような、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて表示を行う表示装置としては
、例えば図21に示すような表示装置が提案されている。すなわち、この表示装置は、デ
ータ線Xと走査線Yとの交点に対応して画素回路が配置され、データドライバ51によっ
てデータ線を駆動し、走査ドライバ52によって走査線Yを駆動するようになっている。
【0006】
前記画素回路55は、図22に示すように、例えば、2つのトランジスタ61,62と
、データ保持用の容量素子63と、有機エレクトロルミネッセンス素子64とから構成さ
れている。そして、走査線Yによってトランジスタ61のスイッチング動作を行ってデー
タ線Xから供給されたデータ信号を電荷として容量素子63に保持し、この容量素子63
で保持された電荷によりトランジスタ62が導通状態となり、データ信号に対応する電流
量が有機エレクトロルミネッセンス素子64に供給され、有機エレクトロルミネッセンス
素子64が発光する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子などのように電流駆動型素子は
電圧よりも電流で制御するほうがより容易である。これは、有機エレクトロルミネッセン
ス素子は電流量に対して輝度が決定されるので、データ信号として電流を用いたほうがよ
り制御が正確であるためである。
【0008】
そこで、本発明の重要な目的の一つは、データ信号に対する電流量をデータ線あるいは
導通線に出力することにより、電流駆動素子を流れる電流量が決定される電子装置、電気
光学装置及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目標を達成するために、本発明の電子装置は、通電線と、当該通電線に接続された
複数の単位回路と、前記通電線に接続され、且つ、当該通電線に流れる電流の電流量に基
づいてゲート電圧が設定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、前記
単位回路は、前記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジスタを
有し、前記第2のトランジスタを流れる電流と前記通電線に流れる電流とが非線形関係と
なるように設定されてなることを特徴とする。
また、本発明の電子装置は、上記の電子装置であって、前記第1のトランジスタのゲー
ト電極は当該第1のトランジスタのソース端又はドレイン端と接続されていることを特徴
とする。
上記目標を達成するために、本発明の電子装置は、通電線と、当該通電線に接続された
複数の単位回路と、前記通電線に接続され且つ当該通電線に流れる電流の電流量に基づい
てゲート電圧が設定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、前記単位
回路は、前記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジスタを有し
、前記第2のトランジスタを流れる電流は、前記通電線に流れる電流が大きくなれば、小
さくなるように設定されてなることを特徴とする。
また、本発明の電子装置は、上記の電子装置であって、一端が前記1のトランジスタの
ソース端子又はドレイン端子に接続され、他端が前記第1のトランジスタのゲート端子に
接続された抵抗を有し、通電線に流れる電流をIdataとし、トランジスタの電流駆動
能力を示す利得係数をβとし、前記抵抗の抵抗値をRとしたとき、1/(2R2・β)≦
Idata≦1/(2R2・β)を満たすことを特徴とする。
また、本発明の電子装置は、上記の電子装置であって、前記第1のトランジスタのゲー
ト電極は、当該第1のトランジスタのソース端又はドレイン端と接続されていることを特
徴とする。
上記目標を達成するために、本発明の電気光学装置は、データ線と、走査線と、電気光
学素子を有し且つ前記データ線に接続される複数の単位回路と、前記データ線に接続され
、当該データ線に流れる電流の電流量によりゲート電圧が設定されるトランジスタと、を
備え、前記複数の単位回路のそれぞれは、ゲート電極が前記走査線に接続されたスイッチ
ングトランジスタ、前記電気光学素子に電気的に接続された駆動トランジスタと、と有し
、前記スイッチングトランジスタのソース端又はドレイン端は、前記駆動トランジスタの
ゲート電極に接続されており、前記データ線を介してデータ信号が前記複数の単位回路に
供給され、前記トランジスタと前記駆動トランジスタとは、カレントミラーを構成し、前
記駆動トランジスタを流れる電流と前記データ線に流れる電流とが非線形関係となるよう
に設定されてなることを特徴とする。
また、本発明の電気光学装置は、上記の電気光学装置であって、前記データ信号は、デ
ジタル−アナログ変換回路で生成されたアナログ量を有する電流であることを特徴とする

また、本発明の電気光学装置は、上記の電気光学装置であって、前記データ線に接続さ
れる第1の電源の電圧値と、前記電気光学素子と前記駆動トランジスタを介して接続され
る第2の電源の電圧値とは、所定の比率となるように設定されることを特徴とする。
上記目標を達成するために、本発明の電気光学装置は、データ線と、走査線と、電気光
学素子を有し且つ前記データ線に接続される複数の単位回路と、前記データ線に接続され
、当該データ線に流れる電流の電流量によりゲート電圧が設定されるトランジスタと、を
備え、前記複数の単位回路のそれぞれは、ゲート電極が前記走査線に接続されたスイッチ
ングトランジスタ、前記電気光学素子に電気的に接続された駆動トランジスタと、と有し
、前記スイッチングトランジスタのソース端又はドレイン端は、前記駆動トランジスタの
ゲート電極に接続されており、前記データ線を介してデータ信号が前記複数の単位回路に
供給され、前記トランジスタと前記駆動トランジスタとは、カレントミラーを構成し、前
記駆動トランジスタを流れる電流は、前記データ線に流れる電流が大きくなれば、小さく
なるように設定されてなることを特徴とする。
また、本発明の電気光学装置は、上記の電気光学装置であって、前記電気光学素子は有
機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を、表示部として利用したことを特徴
とする。
上記目標を達成するために、本発明の第1の電子装置は、通電線と、当該通電線に接続
された複数の単位回路と、前記通電線に接続され且つ当該通電線に流れる電流の電流量に
基づいてゲート電圧が設定されるトランジスタと、を備えることを特徴としている。係る
電子装置の例として、例えば、MRAM(Magnetoresistive RAM)セル、有機エレクトロ
ルミネッセンス素子、またはレーザーダイオードを備えた電子装置を挙げることができる

【0010】
また、第2の電子装置は、上記の電子装置において、前記トランジスタのゲート電極は
、当該トランジスタのソース端又はドレイン端と接続されていることを特徴としている。
本明細書を通して、「前記トランジスタのゲート電極とソース端又はドレイン端が接続さ
れている」とは、ソース端又はドレイン端とゲート電極との間にトランジスタ、ダイオー
ドなどの抵抗素子などが接続されている場合をも含んでいる。
【0011】
本発明の第1及び第2の電子装置では、通電線に接続されたトランジスタのゲート電圧
は、この通電線に流れる電流量に基づいて設定されることとなる。
また、本発明の第3の電子装置は、通電線と、当該通電線に接続された複数の単位回路
と、前記通電線に接続され且つ当該通電線に流れる電流の電流量に基づいてゲート電圧が
設定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、前記単位回路は、前記第
1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジスタを有することを特徴と
している。
【0012】
また、本発明の第4の電子装置は、上記の電子装置において、前記第1のトランジスタ
のゲート電極は、当該第1のトランジスタのソース端又はドレイン端と接続されているこ
とを特徴としている。
【0013】
本発明の第3及び第4の電子装置では、通電線に接続された第1のトランジスタのゲー
ト電圧は、この通電線に流れる電流量に基づいて設定され、第1のトランジスタのゲート
電圧に基づいて第2のトランジスタに流れる電流量が設定される。
【0014】
本発明の第5の電子装置は、通電線と、当該通電線に接続された複数の単位回路と、前
記通電線に接続され、且つ、当該通電線に流れる電流の電流量に基づいてゲート電圧が設
定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、前記単位回路は、その導電
型がp型であって、前記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジ
スタを有することを特徴としている。これによれば、第2のトランジスタに電子素子を接
続した電子デバイスを形成するとき、その電子デバイスの特性に基づいて、係る電子装置
を容易に形成することができる。
【0015】
また、本発明の第6の電子装置は、上記の電子装置において、前記第1のトランジスタ
のゲート電極は当該第1のトランジスタのソース端又はドレイン端と接続されていること
を特徴としている。
【0016】
本発明の第7の電子装置は、通電線と、当該通電線に接続された複数の単位回路と、前
記通電線に接続され、且つ、当該通電線に流れる電流の電流量に基づいてゲート電圧が設
定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、前記単位回路は、前記第1
のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジスタを有し、前記第2のトラ
ンジスタは、その利得係数を前記通電線に流れる電流の電流量より大きな電流量を生成す
るように設定したことを特徴としている。これによれば、第2のトランジスタにて生成さ
れる電流の電流量を通電線に流れる電流の電流量より大きくすることができる。
【0017】
また、本発明の第8の電子装置は、通電線と、当該通電線に接続された複数の単位回路
と、前記通電線に接続され、且つ、当該通電線に流れる電流の電流量に基づいてゲート電
圧が設定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、前記単位回路は、前
記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジスタを有し、前記第2
のトランジスタは、その利得係数を前記通電線に流れる電流の電流量より小さな電流量を
生成するように設定したことを特徴としている。これによれば、第2のトランジスタにて
生成される電流の電流量を通電線に流れる電流の電流量より小さくすることができる。
【0018】
また、本発明の第9の電子装置は、上記の電子装置において、前記第1のトランジスタ
のゲート電極は当該第1のトランジスタのソース端又はドレイン端と接続されていること
を特徴としている。
【0019】
また、本発明の第1の電気光学装置は、データ線と、電気光学素子を有し且つ前記デー
タ線に接続される複数の単位回路と、前記データ線に接続され、当該データ線に流れる電
流の電流量によりゲート電圧が設定されるトランジスタと、を備えることを特徴としてい
る。
【0020】
また、本発明の第2の電気光学装置は、上記の電気光学装置おいて、走査線をさらに備
え、前記複数の単位回路のそれぞれは、前記電気光学素子に電気的に接続された駆動トラ
ンジスタと、ゲート電極が前記走査線に接続されたスイッチングトランジスタ、と有し、
前記データ線を介してデータ信号が前記複数の単位回路に供給されることを特徴としてい
る。
【0021】
また、本発明の第3の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記スイッチン
グトランジスタのソース端又はドレイン端は、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続
されていることを特徴としている。
【0022】
また、本発明の第4の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ信号
は、デジタル−アナログ変換回路で生成されたアナログ量を有する電流であることを特徴
としている。
【0023】
また、本発明の第5の電気光学装置は、上記の記載の電気光学装置において、前記トラ
ンジスタと前記駆動トランジスタとは、カレントミラーを構成することを特徴としている

【0024】
また、本発明の第6の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線に
接続される第1の電源の電圧値と、前記電気光学素子と前記駆動トランジスタを介して接
続される第2の電源の電圧値とは、所定の比率となるように設定されることを特徴として
いる。
【0025】
また、本発明の第7の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記トランジス
タは、前記デジタル−アナログ変換回路と前記データ線との間に配置されていることを特
徴としている。
【0026】
また、本発明の第8の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル-
アナログ変換回路と前記トランジスタとの間に前記データ線が配置されていることを特徴
としている。
【0027】
また、本発明の第9の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記トランジス
タと前記デジタル-アナログ変換回路と前記データ線とは同一基体上に形成されているこ
とを特徴としている。
【0028】
また、本発明の第10の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線
と前記デジタル-アナログ変換回路とは同一基体上に形成されていることを特徴としてい
る。
【0029】
また、本発明の第11の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線
と前記トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴としている。
【0030】
また、本発明の第12の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル
-アナログ変換回路と前記トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴とし
ている。
【0031】
上記の電気光学装置において「基体」の例としては、ガラス基板、石英基板、またはシ
リコン基板などを挙げることができる。
また、本発明の第13の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記トランジ
スタと前記単位回路に含まれるトランジスタと、は薄膜トランジスタで構成されているこ
とを特徴としている。
【0032】
上記の本発明の第13の電気光学装置においては前記単位回路に含まれるトランジスタ
が薄膜トランジスタである場合は、ガラス基板など基体上に、前記トランジスタと、前記
単位回路に含まれるトランジスタが薄膜トランジスタと、を一体形成することができる。
【0033】
また、本発明の第14の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記トランジ
スタは、シリコンベースのMOSトランジスタで構成されていることを特徴としている。
薄膜トランジスタに比べて、シリコンベースのMOSトランジスタは、そのトランジスタ
特性の制御が容易であり、トランジスタ特性のバラツキを低減することができる。前記ト
ランジスタがシリコンベースのMOSトランジスタであり、前記単位回路が薄膜トランジ
スタにより構成されている場合は、外付のデータ線ICドライバ内に配置することが可能
であるが、前記トランジスタをウェハ上で作製し、前記トランジスタを前記単位回路を載
置する基体上に再配置することも可能である。
【0034】
なお、駆動トランジスタは電気光学素子に電気的に接続されていればよく、例えばこれ
らの間に他のトランジスタが接続されていてもよい。
また、本発明の第15の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記電気光学
素子に供給される電流量を設定するための、前記データ線を流れる電流量は、前記電気光
学素子に供給される電流量以上であることを特徴とする。電気光学素子に供給するための
電流量が低い場合、それに対応する電流をデータ線に出力して前記トランジスタのゲート
電圧を設定するのに時間を要するが、電気光学素子に供給する電流量以上の電流量をデー
タ線に流すことにより、前記トランジスタのゲート電圧を設定する時間を速くすることが
できる。
【0035】
また、本発明の第16の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記電気光学
素子に供給される電流量を設定するための、前記データ線を流れる電流量は、前記電気光
学素子に供給される電流量以下であることを特徴とする。
【0036】
前記電気光学素子に供給される電流量を設定するために、前記データ線に出力する電流
量を、前記電気光学素子に供給される電流量以下にすることにより消費電力を低減するこ
とができる。
【0037】
本発明の第17の電気光学装置は、データ線と、前記データ線と接続され、当該データ
線に流れるデータ信号の電流量によりゲート電圧が設定される変換トランジスタと、電気
光学素子と、当該電気光学素子と電気的に接続され且つその導電型がp型である駆動トラ
ンジスタと、を有する単位回路とを備えたことを特徴としている。
【0038】
本発明の第17の電気光学装置では、新たな電源追加を伴わずに変換トランジスタ及び
駆動トランジスタを十分にオンすることが可能となる。
また、本発明の第18の電気光学装置は、走査線をさらに備え、前記各単位回路のそれ
ぞれは、ゲート電極が前記走査線に接続されたスイッチングトランジスタを有し、前記デ
ータ線を介してデータ信号が前記複数の単位回路に供給されることを特徴としている。
【0039】
また、本発明の第19の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記スイッチ
ングトランジスタのソース端又はドレイン端は、前記駆動トランジスタのゲート電極に接
続されていることを特徴としている。
【0040】
また、本発明の第20の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ信
号は、デジタル−アナログ変換回路で生成されたアナログ量を有する電流であることを特
徴としている。
【0041】
また、本発明の第21の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタと前記駆動トランジスタとは、カレントミラーを構成することを特徴としている

【0042】
また、本発明の第22の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタは、前記デジタル−アナログ変換回路と前記データ線との間に配置されているこ
とを特徴としている。
【0043】
また、本発明の第23の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル
-アナログ変換回路と前記変換トランジスタとの間に前記データ線が配置されていること
を特徴としている。
【0044】
また、本発明の第24の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタと前記デジタル-アナログ変換回路と前記データ線とは同一基体上に形成されて
いることを特徴としている。
【0045】
また、本発明の第25の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線
と前記デジタル-アナログ変換回路とは同一基体上に形成されていることを特徴としてい
る。
【0046】
また、本発明の第26の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線
と前記変換トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴としている。
【0047】
また、本発明の第27の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル
-アナログ変換回路と前記変換トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴
としている。
【0048】
上記の電気光学装置において、「基体」の例としては、ガラス基板、石英基板、または
シリコン基板などを挙げることができる。
また、本発明の第28の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタと、前記単位回路に含まれる前記スイッチングトランジスタ及び前記駆動トラン
ジスタとは、薄膜トランジスタで構成されていることを特徴としている。
【0049】
また、本発明の第29の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタは、シリコンベースのMOSトランジスタで構成されていることを特徴としてい
る。薄膜トランジスタに比べて、シリコンベースのMOSトランジスタは、そのトランジ
スタ特性の制御が容易であり、トランジスタ特性のバラツキを低減することができる。前
記変換トランジスタがシリコンベースのMOSトランジスタであり、前記単位回路が薄膜
トランジスタにより構成されている場合は、外付のデータ線ICドライバ内に配置するこ
とが可能であるが、前記変換トランジスタをウェハ上で作製し、前記変換トランジスタを
前記単位回路を載置する基体上に再配置することも可能である。
【0050】
なお、駆動トランジスタは電気光学素子に電気的に接続されていればよく、例えばこれ
らの間に他のトランジスタが接続されていてもよい。
本発明の第30の電気光学装置は、データ線と、前記データ線と接続され、当該データ
線に流れるデータ信号の電流量によりゲート電圧が設定される変換トランジスタと、前記
変換トランジスタとカレントミラー回路を構成し、前記データ線に流れるデータ信号の電
流量により大きな電流量を生成するようにその利得係数が設定された駆動トランジスタと
、前記駆動トランジスタと電気的に接続された電気光学素子と、を有する単位回路とを備
えたことを特徴としている。
【0051】
本発明の第30の電気光学装置では、電気光学素子に供給するための電流量が低い場合
、それに対応する電流をデータ線に出力して前記変換トランジスタのゲート電圧を設定す
るのに時間を要するが、電気光学素子に供給する電流量以上の電流量をデータ線に流すこ
とにより、前記変換トランジスタのゲート電圧を設定する時間を速くすることができる。
【0052】
本発明の第31の電気光学装置は、データ線と、前記データ線と接続され、当該データ
線に流れるデータ信号の電流量によりゲート電圧が設定される変換トランジスタと、前記
変換トランジスタとカレントミラー回路を構成し、前記データ線に流れるデータ信号の電
流量により小さな電流量を生成するようにその利得係数が設定された駆動トランジスタと
、前記駆動トランジスタと電気的に接続された電気光学素子と、を有する単位回路とを備
えたことを特徴としている。
【0053】
本発明の第31の電気光学装置では、前記電気光学素子に供給される電流量を設定する
ために、前記データ線に出力する電流量を、前記電気光学素子に供給される電流量以下に
することにより消費電力を低減することができる。
【0054】
本発明の第32の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、走査線をさらに備え
、前記複数の単位回路のそれぞれは、ゲート電極が前記走査線に接続されたスイッチング
トランジスタを有し、前記データ線を介してデータ信号が前記複数の単位回路に供給され
ることを特徴としている。
【0055】
本発明の第33の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記スイッチングト
ランジスタのソース端又はドレイン端は、前記駆動トランジスタのゲート電極に接続され
ていることを特徴としている。
【0056】
また、本発明の第34の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ信
号は、デジタル−アナログ変換回路で生成されたアナログ量を有する電流であることを特
徴としている。
【0057】
また、本発明の第35の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタと前記駆動トランジスタとは、カレントミラーを構成することを特徴としている

【0058】
また、本発明の第36の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタは、前記デジタル−アナログ変換回路と前記データ線との間に配置されているこ
とを特徴としている。
【0059】
また、本発明の第37の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル
-アナログ変換回路と前記変換トランジスタとの間に前記データ線が配置されていること
を特徴としている。
【0060】
また、本発明の第38の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタと前記デジタル-アナログ変換回路と前記データ線とは同一基体上に形成されて
いる。
【0061】
また、本発明の第39の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線
と前記デジタル-アナログ変換回路とは同一基体上に形成されていることを特徴としてい
る。
【0062】
また、本発明の第40の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線
と前記変換トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴としている。
【0063】
また、本発明の第41の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル
-アナログ変換回路と前記変換トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴
としている。
【0064】
また、本発明の第42の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタと、前記単位回路に含まれる前記スイッチングトランジスタ及び前記駆動トラン
ジスタとは、薄膜トランジスタで構成されていることを特徴としている。
【0065】
また、本発明の第43の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トラ
ンジスタは、シリコンベースのMOSトランジスタで構成されていることを特徴としてい
る。
【0066】
本発明の第44の電気光学装置は、データ信号を供給する複数のデータ線と、前記デー
タ信号の電流量に対してその駆動レンジが異なる電気光学素子をそれぞれ備えた複数の単
位回路とを備えた電気光学装置において、前記データ線に接続され、前記電気光学素子の
駆動レンジに応じた利得係数を有する変換トランジスタと、前記単位回路に設けられ、前
記変換トランジスタとカレントミラーを構成する駆動トランジスタとを備えていることを
特徴としている。電気光学装置の回路構成を、駆動レンジが異なる電気光学素子の特性に
合わせて形成をする必要はなく、全て同じ特性の回路で構成することができる。
【0067】
また、本発明の第45の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記電気光学
素子は、それぞれ、赤、緑及び青色を発光する有機材料で形成された発光層を有する有機
エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴としている。
【0068】
また、本発明の第46の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、走査線をさら
に備え、前記複数の単位回路のそれぞれは、ゲート電極が前記走査線に接続されていたス
イッチングトランジスタを有することを特徴としている。
【0069】
また、本発明の第47の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ信
号は、デジタル−アナログ変換回路で生成されたアナログ量を有する電流であることを特
徴としている。
【0070】
本発明の第48の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トランジス
タは、前記デジタル−アナログ変換回路と前記データ線との間に配置されていることを特
徴としている。
【0071】
本発明の第49の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル-アナ
ログ変換回路と前記変換トランジスタとの間に前記データ線が配置されていることを特徴
としている。
【0072】
本発明の第50の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トランジス
タと前記デジタル-アナログ変換回路と前記データ線とは同一基体上に形成されているこ
とを特徴としている。
【0073】
本発明の第51の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線と前記
デジタル-アナログ変換回路とは同一基体上に形成されていることを特徴としている。
【0074】
本発明の第52の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記データ線と前記
変換トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴としている。
【0075】
本発明の第53の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記デジタル-アナ
ログ変換回路と前記変換トランジスタとは同一基体上に形成されていることを特徴として
いる。
【0076】
本発明の第54の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トランジス
タと、前記単位回路に含まれる前記スイッチングトランジスタ及び前記駆動トランジスタ
とは、薄膜トランジスタで構成されていることを特徴としている。
【0077】
本発明の第55の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記変換トランジス
タは、シリコンベースのMOSトランジスタで構成されていることを特徴としている。
【0078】
また、本発明の第56の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記電気光学
素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴としている。
【0079】
さらに、本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を、表示部として利用したことを特
徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
【0081】
図1は、第1の実施の形態における電気光学装置を適用した表示装置の概略構成を示す
ブロック図である。この表示装置は、ディスプレイに表示するデータや、表示に関するデ
ータを生成するコントローラ1を有し、このコントローラ1は、表示パネル2に含まれる
トランジスタのゲート電極に接続された走査線を駆動する走査ドライバ3と、表示パネル
2に含まれるトランジスタのソースまたはドレインに接続されたデータ線を駆動するデー
タドライバ4と、を制御する。
【0082】
コントローラ1は、また、走査線とデータ線との駆動タイミングのタイミング制御を行
う。
表示パネル2は、図2に示すように、走査ドライバ3によって駆動される複数の走査線
Ynと、データドライバ4によって駆動される複数のデータ線Xmが直交して配線され、
これらの交点に対応して、画素回路10が設けられている。
【0083】
図2に示すように、各データ線Xmを駆動するドライバ4aとは逆側の端部に電源Vx
が配置され、電源Vxとデータ線Xmとの間に変換トランジスタ12が接続されている。
変換トランジスタ12はダイオード接続されたp型トランジスタである。変換トランジス
タ12のゲート電圧はドライバ4aを介してデータ信号に応じてデータ線Xmに出力され
た電流量に基づいて設定される。
【0084】
そして、前記画素回路10は、図3に示すように、電気光学素子としての有機エレクト
ロルミネッセンス素子14と、有機エレクトロルミネッセンス素子14を駆動するための
駆動用トランジスタTr1と、前記駆動用トランジスタTr1を駆動するための制御用ト
ランジスタTr2と、データ線Xmのデータを保持するための容量素子Cとから構成され
ている。
【0085】
本実施形態では、前記各トランジスタTr1及びTr2、及び変換トランジスタ12は
、TFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)であり、こ
れら各画素回路10、データ線Xm、走査線Yn及び変換トランジスタ12は、絶縁基板
上に一体に形成されている。
【0086】
また、駆動用トランジスタTr1は、例えばpチャネル型トランジスタであり、駆動用
トランジスタTr1の一端は電源Vddが接続され、他端は有機エレクトロルミネッセン
ス素子14が接続され、有機エレクトロルミネッセンス素子14の他端は接地電位Vss
に接続されている。さらに、この駆動用トランジスタTr1は、変換トランジスタ12と
駆動用トランジスタTr1とはカレントミラーを構成している。
【0087】
一方、制御用トランジスタTr2は、例えばnチャネル型トランジスタで構成され、そ
の一端はデータ線Xmに接続され、他端は駆動用トランジスタTr1のゲート電極及び容
量素子Cに接続されている。また、制御用トランジスタTr2のゲート電極は、走査線Y
nと接続されている。
【0088】
容量素子Cの一端は電源Vcに接続されている。この電源Vcは、例えば,駆動電源V
ddの電位、或いは接地電位Vss或いは任意の電位に設定される。
このような構成にすることによって、走査線駆動信号によって制御用トランジスタTr
2が導通状態となったとき、データ線Xmの電位に応じた電荷が容量素子Cに蓄えられ、
この電荷によって駆動用トランジスタTr1が導通状態となり、容量素子Cに蓄えられた
電荷量に応じた電流量が有機エレクトロルミネッセンス素子14に供給される。
【0089】
本実施形態のデータ線Xm、画素回路10、変換トランジスタ12、駆動用トランジス
タTr1、制御用トランジスタTr2、電源Vx、及び電源Vddは、それぞれ特許請求
の範囲における通電線及びデータ線、単位回路、トランジスタまたは第1のトランジスタ
、第2のトランジスタまたは駆動トランジスタ、スイッチングトランジスタ、第1の電源
、及び第2の電源に対応している。なお、特許請求の範囲におけるデジタル−アナログ変
換回路はデータドライバ4に含まれている。
【0090】
変換トランジスタ12と駆動用トランジスタTr1との特性比または電源Vddの電位
などを任意に設定することによって、データ線Xmに出力される電流量を制御することが
できる。すなわち、Vdd=Vxとした場合、変換トランジスタ12の利得係数を駆動用
トランジスタTr1の利得係数より高く設定すれば、データ線Xmに出力する電流量を高
くすることができるため、容量素子Cに高速で電荷を蓄積することができる。一方、変換
トランジスタ12の利得係数を駆動用トランジスタTr1の利得係数より低く設定すれば
、データ線Xmに出力する電流量を低くすることができるため、消費電力を低減すること
ができる。
【0091】
例えば、駆動用トランジスタTr1の変換トランジスタ12に対する特性比が画素領域
2で均一であれば、データ線Xmに出力される電流量に対して所定の電流量が有機エレク
トロルミネッセンス素子14に供給されることになる。その結果、面内輝度を均一に制御
することができ、表示品位を向上させることができる。
【0092】
また、変換トランジスタ12は同一データ線に接続される各画素回路10に対して共通
であり、各画素回路10の駆動用トランジスタTr1と共通の変換トランジスタ12とが
カレントミラー回路をなしているので、各画素回路10毎に変換トランジスタ12を設け
る必要がなく、画素回路10を構成する素子数を削減することができる。
【0093】
なお、上記第1の実施の形態においては、画素回路10において制御用トランジスタT
r2を、その導電型がn型であるnチャネル型トランジスタで構成した場合について説明
したが、これに限らず、その導電型がp型であるpチャネル型トランジスタで構成しても
よいことはいうまでもない。
【0094】
また、上記第1の実施の形態において、変換トランジスタ12及び駆動用トランジスタ
Tr1をそれぞれ、pチャネル型トランジスタで構成した。ここで、変換トランジスタ1
2及び駆動用トランジスタTr1のソースはそれぞれ電源Vx、電源Vddに接続されて
いる。変換トランジスタ12及び駆動用トランジスタTr1のしきい値電圧が等しくVt
hであるとき、電源Vx、電源Vddの電圧値がVth以上であれば変換トランジスタ1
2及び駆動用トランジスタTr1を十分にオンさせるためには、両トランジスタのドレイ
ンがとりうる電圧値以下にゲート電圧を設定すれば良いことになる。両トランジスタのド
レインがとりうる電圧値とはすなわち接地電位Vssであるので、両トランジスタのゲー
ト電圧にVss相当の電圧値を印可すれば、十分なオン状態が得られることになる。仮に
変換トランジスタ12及び駆動用トランジスタTr1をnチャネル型トランジスタで構成
した場合には、両トランジスタを十分にオンするためにはゲート電圧としてVx+Vth
及びVdd+Vthを印可する必要がある。このことは新たな電源の追加を意味し、表示
装置のコスト増をまねく。
【0095】
また、上記第1の実施の形態において、走査ドライバ3及びデータドライバ4は、薄膜
トランジスタ或いはシリコンベースもMOSトランジスタの何れで構成されていても良い
。走査ドライバ3及びデータドライバ4が、薄膜トランジスタである場合、これらのドラ
イバをガラス基板などの絶縁基板上に一体に形成することができる。走査ドライバ3及び
データドライバ4が、シリコンベースMOSトランジスタで構成されている場合は、通常
、これらのトランジスタは外付のICドライバとなるが、絶縁基板上にこれらのドライバ
を再配置することも可能である。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、画素領域2の構成が異なる
以外は、上記第1の実施の形態と同様であるので、同一部には同一符号を付与しその詳細
な説明は省略する。
【0097】
図4に示すように、変換トランジスタ12が各データ線Xmのデータドライバ4側に配
置されている。
そして、変換トランジスタ12は上記第1の実施の形態と同様にダイオード接続され、
そのゲート電極とドレイン電極とがデータ線Xmに接続され、ソース電極は電源VDに接
続されている。
【0098】
データドライバ4により各データ線Xmに出力された電流量に基づいて変換トランジス
タ12のゲート電圧が設定される。このゲート電圧に基づいて有機エレクトロルミネッセ
ンス素子14に供給される電流量が決定される。第2の実施の形態の場合も上記第1の実
施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0099】
なお、データドライバ4は薄膜トランジスタで構成しても良いが、シリコンベースのM
OSトランジスタで構成しても良い。変換トランジスタ12は薄膜トランジスタであって
も良いし、シリコンベースのMOSトランジスタであっても良い。変換トランジスタ12
がシリコンベースのMOSトランジスタである場合は、変換トランジスタ12とデータド
ライバ4とをICドライバとして一体化することも可能である。変換トランジスタ12が
シリコンベースのMOSトランジスタである場合は、変換トランジスタ12毎のトランジ
スタ特性を均一化することもできるので、有機エレクトロルミネッセンス素子14に供給
する電流量をより精密に制御することが可能である。
【0100】
次に第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、画素領域2の構成が異なる
以外は上記第1の実施の形態と同様であるので、同一部には同一符号を付与しその詳細な
説明は省略する。
【0101】
この第3の実施の形態における画素領域2Bは、図5に示すように、電源Vx側にデー
タドライバ4が設けられ、データ線Xmのデータドライバ4と逆側の端部に、変換トラン
ジスタ12が配置されている。この変換トランジスタ12は、nチャネル型トランジスタ
である。
【0102】
そして、第3の実施の形態における画素回路10Aは、図6に示すように構成されてい
る。すなわち、第3の実施の形態における駆動用トランジスタTr1Aは、nチャネル型
トランジスタで構成され、電源Vddと駆動用トランジスタTr1Aとの間に、有機エレ
クトロルミネッセンス素子14が配置されている。そして、駆動用トランジスタTr1A
のゲート電極と、制御用トランジスタTr2の一端とが接続されている。
【0103】
なお、この場合も、電源Vcは、電源Vddの電位、或いは接地電位Vss或いは任意
の電位に設定されている。
そして、データドライバ4を介して各データ線Xmに出力された、データ信号に応じた
電流量に基づいて、変換トランジスタ12のゲート電圧が設定される。そして、このゲー
ト電圧に対応した電荷量が容量素子Cに蓄積される。この電荷量に基づいて駆動用トラン
ジスタTr1Aが導通状態となり、有機エレクトロルミネッセンス素子14に電流が供給
される。
【0104】
したがって、この場合も上記第1の実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
なお、この場合も、上記第1の実施の形態と同様に、走査ドライバ3及びデータドライ
バ4は、薄膜トランジスタで構成されていても良いし、シリコンベースのMOSトランジ
スタで構成されていても良い。
【0105】
また、画素回路10Aを構成する制御用トランジスタTr2は、nチャネル型及びpチ
ャネル型の何れのトランジスタを用いてもよい。
次に、第4の実施の形態を説明する。
【0106】
この第4の実施の形態は、上記第3の実施の形態において、画素領域2の構成が異なる
以外は、上記第3の実施の形態と同様であるので、同一部には同一符号を付与し、その詳
細な説明は省略する。
【0107】
すなわち、この第4の実施の形態における画素領域2Cは、図7に示すように、データ
線Xm及び走査線Ynの交点に対応して画素回路10Aが設けられ、変換トランジスタ1
2は、各データ線Xmのデータドライバ4側に設けられ、データドライバ4と隣接して配
置されている。
【0108】
そして、変換トランジスタ12は上記第3の実施の形態と同様にダイオード接続されて
いる。
走査ドライバ3において走査線Y1を駆動し、データドライバ4によりデータ線Xmに
出力された、データ信号に対応した電流量に基づいて変換トランジスタ12のゲート電圧
が設定され、このゲート電圧に対応した電荷量が容量素子に蓄積される。この蓄積された
電荷量に基づいて、駆動用トランジスタTr1Aが導通状態となり、有機エレクトロルミ
ネッセンス素子14に電流が供給される。
【0109】
なお、この場合も、データドライバ4は薄膜トランジスタにより構成されていても良い
し、また、シリコンベースのMOSトランジスタにより構成されても良いが、シリコンベ
ースのMOSトランジスタの方がより高い精度で電流量を制御するには適している場合が
ある。
【0110】
次に第5の実施の形態を説明する。
この第5の実施の形態は、上記第2の実施の形態において、データ線Xmに出力される
電流量と、画素回路10の有機エレクトロルミネッセンス素子14に供給する電流量の比
を変化させるようにしたものである。
【0111】
画素領域2Aとデータドライバ4との間に電流電圧変換回路5が介挿されている。この
電流電圧変換回路5は、図8に示すように、データ線Xmにドレイン端、ソース端に駆動
電源VDが接続された変換トランジスタ12と、データ線Xmとドレイン端との接続点と
、ドライバ4aとの間に介挿された抵抗13と、から構成され、抵抗13とドライバ4a
との間の電位が変換トランジスタ12のゲート電極に接続されている。
【0112】
ここで、例えば、駆動電源VD=駆動電源Vddであるとすると、各画素回路10及び
電流電圧変換回路5は、図9のように表すことができる。
前記変換トランジスタ12のしきい値電圧と駆動用トランジスタTr1のしきい値電圧
とが等しく、各トランジスタがそれぞれ飽和領域で動作しているとき、これらの間には次
式(1)〜(3)が成り立つ。
【0113】
なお、式中の、Idataはドライバ4aの出力電流量、βはトランジスタの電流供給
能力を示す係数(利得係数)、VG1は抵抗13とドライバ4aとの間の電位、VTHは
変換トランジスタ12及び駆動用トランジスタTr1のしきい値電圧、IOELは有機エ
レクトロルミネッセンス素子14に供給される電流値、kはIdataとIOELとの電
流比を表す定数、VG2は変換トランジスタ12と抵抗13との間の電位、Rは抵抗13
の抵抗値である。
【0114】
Idata=(1/2)・β・(Vdd−VG1−VTH)2・・・(1)
IOEL=(1/2)・kβ・(Vdd−VG2−VTH)2・・・(2)
VG2−VG1=R・Idata・・・(3)
これら(1)〜(3)式から、次式(4)を得ることができる。
【0115】
【数1】

したがって、(4)式から、IdataとIOELとの関係を、図10の特性図ように
設定することができるので、図10において、例えば、1/(2R2・β)≦Idata
≦2/(R2・β)の範囲を用いるようにすれば、Idataの変化とIOELの変化と
を逆向きに設定することができる。
【0116】
なお、この場合も、走査ドライバ3、データドライバ4及び電流電圧変換回路5を薄膜
トランジスタまたはシリコンベースのMOSトランジスタの何れで構成されていてもよく
、また、データドライバ4と電流電圧変換回路5とを一体に形成するようにしてもよい。
【0117】
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
この第6の実施の形態は、図11に示すように、電源Vxと画素領域2Cとの間に、デ
ータドライバ4及び電流電圧変換回路5Aが介挿されている。
【0118】
前記画素領域2Cは、データ線Xm及び走査線Ynの交点に対応して画素回路10Aが
配置されて構成されている。
前記電流電圧変換回路5Aは、図11に示すように、nチャネル型の変換トランジスタ
12と抵抗13とから構成され、変換トランジスタ12のソース端は電源Vsに接続され
、ドレイン端はデータ線Xmに接続されている。そして、データ線Xmとドレイン端との
接続点と、ドライバ4aとの間に変換トランジスタ12のゲート電極が接続されている。
さらに、データ線Xmのゲート電極の接続点とドレイン電極の接続点との間に抵抗13が
介挿されている。
【0119】
したがって、この場合も、上記第5の実施の形態と同様の動作となり、第5の実施の同
様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。
【0120】
この第7の実施の形態は、図12に示すように、画素領域2Aとデータドライバ4との
間に電流電圧変換回路5Bが介挿されている。
前記画素領域2Aは、データ線Xm及び走査線Ynの交点に対応して配置された画素回
路10により構成されている。
【0121】
電流電圧変換回路5Bは、図12に示すように、pチャネル型の変換トランジスタ12
と、抵抗13とから構成され、変換トランジスタ12のソース端とデータ線Xmとが接続
され、そのドレイン電極と駆動電源VDとの間に抵抗13が介挿されている。そして、デ
ータ線Xmのソース端の接続点と、ドライバ4aとの間に変換トランジスタ12のゲート
電極が接続されている。
【0122】
ここで、例えば、電源VD=電源Vddであるとすると、各画素回路10及び電流電圧
変換回路5は、図13のように表すことができる。
そして、前記変換トランジスタ12のしきい値電圧と駆動用トランジスタTr1のしき
い値電圧とが等しく、各トランジスタがそれぞれ飽和領域で動作しているとき、これらの
間には次式(5)〜(7)が成り立つ。
【0123】
なお、式中の、Idataはドライバ4aの出力電流量、βはトランジスタの電流供給
能力を示す係数(利得係数)、VS1は抵抗13とドライバ4aとの間の電位、VTHは
変換トランジスタ12及び駆動用トランジスタTr1のしきい値電圧、IOELは有機エ
レクトロルミネッセンス素子14に供給される電流値、kはIdataとIOELとの電
流比を表す定数、Rは抵抗13の抵抗値である。
【0124】
Idata=(1/2)・β・(VS1−VG−VTH)2・・・(5)
IOEL=(1/2)・kβ・(Vdd−VG−VTH)2・・・(6)
Vdd−VS1=R・Idata・・・(7)
これら(5)〜(7)式から、次式(8)を得ることができる。
【0125】
【数2】

したがって(8)式から、IdataとIOELとの関係は、図14の特性図のように
表すことができる。よって、ΔIdataとΔIOELとの間に、非線形関係をもたせる
ことができ、出力電流量Idataの変化に対してΔIOELをより大きく変化させるこ
とができる。
【0126】
次に、本発明の第8の実施の形態を説明する。
この第8の実施の形態は、図15に示すように、データドライバ4と画素領域2Cとの
間に、電流電圧変換回路5Cが介挿されている。
【0127】
前記画素領域2Cは、データ線Xmと走査線Ynとの交点に対応して配置された画素回
路10Aにより構成されている。
電流電圧変換回路5Cは、図15に示すように、nチャネル型の変換トランジスタ12
と抵抗13とから構成され、変換トランジスタ12のドレイン端は、データ線Xmに接続
され、そのソースと電源Vsとの間に抵抗13が介挿されている。また、データ線Xmの
変換トランジスタ12のドレイン端との接続点と、ドライバ4aとの間に変換トランジス
タ12のゲート電極が接続されている。
【0128】
したがって、この場合も、上記第7の実施の形態と同様であって、ドライバ4aの出力
電流量に対し、画素回路10Aの駆動用トランジスタTr1Aを流れる電流量は大きくな
るから、第7の実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0129】
なお、前記第5乃至第8の実施の形態において、電流電圧変換回路5は、薄膜トランジ
スタにより構成されても良く、また、シリコンベースのMOSトランジスタにより構成さ
れていても良い。また、データドライバ4と電流電圧変換回路5とを一体に形成するよう
にしても良い。
【0130】
次に、本発明の第9の実施の形態を説明する。
この第9の実施の形態は、本発明に係る電気光学装置をフルカラーのディスプレイに適
用した場合である。尚、この第9の実施の形態では、上記第1の実施の形態において、画
素領域2の構成が異なる以外は上記第1の実施の形態と同様であるので、同一部または同
一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0131】
図16は、第9の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図であ
る。図16に示すように、画素領域2Dは、走査線Ynに沿って、赤色、緑色及び青色の
光を発光する有機材料で構成された発光層を有する各色用有機エレクトロルミネッセンス
素子14R,14G,14Bを有する赤、緑色及び青色用画素回路10R,10G,10
Bが、順次繰り返されて設けられている。また、前記画素領域2Dは、各データ線Xmに
沿って同色の画素回路10R,10G,10Bがそれぞれ設けられている。つまり、赤色
用画素回路10Rは、データ線X1,X4,X7,・・・と接続されている。緑色用画素
回路10Gは、データ線X2,X5,X8,・・・と接続されている。青色用画素回路1
0Bは、青用データ線X3,X6,X9,・・・と接続されている。
【0132】
そして、赤色用画素回路10Rと接続された前記データ線X1,X4,X7,・・・は
、赤色用変換トランジスタ12Rと接続されている。赤色用変換トランジスタ12Rは、
前記赤色用の有機エレクトロルミネッセンス素子14Rが発光する駆動レンジとしての電
流レンジを生成するようにその利得係数が設定されている。赤色用変換トランジスタ12
Rは、同赤色用変換トランジスタ12Rを駆動させるための電圧を供給する赤色用電源V
xRに接続されている。また、各赤色用画素回路10Rと接続された前記データ線X1,
X4,X7,・・・は、前記赤色用電源VxRとは逆側の端部に配置された、同データ線
X1,X4,X7,・・・を駆動する赤色用ドライバ4aRにそれぞれ接続されている。
すなわち、赤色用ドライバ4aRと赤色用変換トランジスタ12Rとの間に前記データ線
X1,X4,X7,・・・が配置されている。
【0133】
緑色用画素回路10Gと接続された前記データ線X2,X5,X8,・・・は、緑色用
変換トランジスタ12Gと接続されている。緑色用変換トランジスタ12Gは、前記緑色
用の有機エレクトロルミネッセンス素子14Gが発光する駆動レンジとしての電流レンジ
を生成するようにその利得係数が設定されている。緑色用変換トランジスタ12Gは、同
緑色用変換トランジスタ12Gを駆動させるための電圧を供給する緑色用電源VxGに接
続されている。また、各緑色用画素回路10Gと接続された前記データ線X2,X5,X
8,・・・は、前記緑色用電源VxGとは逆側の端部に配置された、同前記データ線X2
,X5,X8,・・・を駆動する緑色用ドライバ4aGにそれぞれ接続されている。すな
わち、緑色用ドライバ4aGと緑色用変換トランジスタ12Gとの間に前記データ線X2
,X5,X8,・・・が配置されている。
【0134】
青色用画素回路10Bと接続された前記データ線X3,X6,X9,・・・は、青色用
変換トランジスタ12Bと接続されている。青色用変換トランジスタ12Bは、前記青色
用の有機エレクトロルミネッセンス素子14Bが発光する駆動レンジとしての電流レンジ
を生成するようにその利得係数が設定されている。青色用変換トランジスタ12Bは、同
青色用変換トランジスタ12Bを駆動させるための電圧を供給する青色用電源VxBに接
続されている。また、各青色用画素回路10Bと接続された前記データ線X3,X6,X
9,・・・は、前記青色用電源VxBとは逆側の端部に配置された、同前記データ線X3
,X6,X9,・・・を駆動する青色用ドライバ4aBにそれぞれ接続されている。すな
わち、青色用ドライバ4aBと青色用変換トランジスタ12Bとの間に前記データ線X3
,X6,X9,・・・が配置されている。
【0135】
尚、前記赤、緑及び青色用変換トランジスタ12R,12G,12Bは、それぞれ、p
チャネル型トランジスタである。
そして、このように構成された画素領域2Dを有する電気光学装置においては、前記し
たように、各色用変換トランジスタ12R,12G,12Bのそれぞれの利得係数を調整
することによって、各色用の有機エレクトロルミネッセンス素子14R,14G,14B
を発光させる電流レンジを調整することができる。
【0136】
従って、各色用ドライバ4aR,4aG,4aBは、各色用の有機エレクトロルミネッ
センス素子14R,14G,14Bの特性に合わせてそれぞれの特性の異なる回路形成を
する必要はなく、全て同じ特性の回路で構成することができる。ここで、図15における
変換トランジスタ12R,12G,12Bの配置場所については、本実施形態で示した場
所に限定されるものではなく、例えば、第2〜第8の実施の形態で示した配置を適用する
ことも可能である。
【0137】
なお、上記各実施の形態においては、走査ドライバ3及びデータドライバ4を薄膜トラ
ンジスタにより構成されていても良く、またシリコンベースのMOSトランジスタにより
構成されていても良い。
【0138】
また、上記各実施の形態において、画素回路10又は10Aをマトリクス状に配置した
表示装置に適用した場合について説明したが、どのような形状に配置した場合であっても
適用することができる。
【0139】
また、上記各実施の形態においては、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた場合
について説明したが、これに限るものではなく、例えば発光ダイオード(LED)、レー
ザーダイオード(LD)、FE(Field emission)素子等の電流駆動によ
り発光する素子を備えた電子装置に対しても、本発明に係る回路構成は適用することがで
きる。これ以外に磁気抵抗RAM(Magnetoresistive RAM)などの非発光型の電流駆動素
子を備えた電子装置に対しても本発明に係る回路構成にも適用することができる。
【0140】
磁気抵抗RAMは、例えば、図17に示すように、強磁性金属層からなる2つの電極2
1及び22間に、絶縁体からなる障壁層23が介挿されて構成されている。そして、前記
電極21及び22巻に、前記障壁層23を介してトンネル電流を流したときに、このトン
ネル電流の大きさが上下の強磁性金属の磁化の向きによって変化することを利用して、記
憶を行うようにしたものである。つまり、一方の電極22を基準層としてその磁化の向き
を固定し、他方の電極21をデータ記録層とする。そして、書き込み電極24に電流を流
し、これによって発生する磁界により、データ記録層としての電極21の磁化の向きを変
えることによって情報の記録を行う。そして、記録情報の読み出しを行う場合には、書き
込み電極24に逆方向の電流を流し、このときのトンネル抵抗の変化を電気的に読み出す
ことによって行っている。
【0141】
また、前記有機エレクトロルミネッセンス装置としては、例えば、モバイル型のパーソ
ナルコンピュータ、携帯電話、ディジタルスチルカメラ等に適用することができる。
【0142】
図18は、モバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
図18において、パーソナルコンピュータ100は、キーボード102を備えた本体部
104と、前述の電気光学装置が適用された有機エレクトロルミネッセンス装置からなる
表示ユニット106とから構成されている。
【0143】
図19は、携帯電話の斜視図である。図19において、携帯電話200は、複数の操作
ボタン202の他、受話口204、送話口206と共に、前述の電気光学装置が適用され
た有機エレクトロルミネッセンス装置からなる表示パネル208を備えている。
【0144】
図20は、ディジタルスチルカメラ300の構成を示す斜視図である。なお、外部機器
との接続についても簡易的に示している。
通常のカメラは、被写体の光像によってフィルムを感光するのに対してディジタルスチ
ルカメラ300は被写体の光像をCCD(Charge coupled device)等の撮像素子により
光電変換して撮像信号を生成するものである。ここで、ディジタルスチルカメラ300に
おけるケース302の背面には、上述した電気光学装置が適用された有機エレクトロルミ
ネッセンス装置からなる表示パネル304が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて
、表示を行う構成となっている。このため、表示パネル304は、被写体を表示するファ
インダとして機能する。また、ケース302の観察側(図においては裏面側)には、光学
レンズやCCD等を含んだ受光ユニット306が設けられている。
【0145】
ここで、撮像者が表示パネル304に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン
308を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板310のメモリに
転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ300にあっては、ケース302
の側面にビデオ信号出力端子312と、データ通信用の入出力端子314とが設けられて
いる。そして、図に示されるように、前者のビデオ信号出力端子312には、テレビモニ
タ430が、また、後者のデータ通信用の入出力端子314にはパーソナルコンピュータ
440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作によって、回路基板3
10のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ430や、パーソナルコンピュータ
440に出力される構成となっている。
【0146】
なお、電子機器としては、図18のパーソナルコンピュータや、図19の携帯電話、図
20のディジタルスチルカメラの他にも、テレビ、ビューファインダ型及びモニタ直視型
のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワード
プロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器
等を挙げることができる。そして、これらの各種電子機器に表示部として、上述した電気
光学装置からなる表示装置が適用可能なのはいうまでもない。
【0147】
本発明によれば、電流駆動による電気光学素子の駆動制御をより高精度に行い且つ構成
素子数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明を適用した表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における画素回路の一例を示す回路図である。
【図4】第2の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】第3の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第3の実施の形態における画素回路の一例を示す回路図である。
【図7】第4の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図8】第5の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図9】第5の実施の形態の動作説明に供する回路図である。
【図10】第5の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図11】第6の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図12】第7の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図13】第7の実施の形態の動作説明に供する回路図である。
【図14】第7の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図15】第8の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図16】第9の実施の形態における表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図17】本発明に係る電気光学装置を適用した磁気抵抗RAMの概略構成を示す構成図である。
【図18】本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たるディジタルスチルカメラの背面側の構成を示す斜視図である。
【図21】従来の表示装置の一例を示すブロック図である。
【図22】従来の画素回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0149】
1…コントローラ、2,2A,2B,2C,2D…画素領域、3…走査ドライバ、4…
データドライバ、4a…ドライバ、5,5A,5B,5C…電流電圧変換回路、10,1
0A…画素回路、12…変換トランジスタ、13…抵抗、14…有機エレクトロルミネッ
センス素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電線と、
当該通電線に接続された複数の単位回路と、
前記通電線に接続され、且つ、当該通電線に流れる電流の電流量に基づいてゲート電圧
が設定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、
前記単位回路は、前記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジ
スタを有し、
前記第2のトランジスタを流れる電流と前記通電線に流れる電流とが非線形関係となる
ように設定されてなることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記第1のトランジスタのゲート電極は当該第1のトランジスタのソース端又はドレイ
ン端と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
通電線と、
当該通電線に接続された複数の単位回路と、
前記通電線に接続され且つ当該通電線に流れる電流の電流量に基づいてゲート電圧が設
定される第1のトランジスタと、を備えた電子装置であって、
前記単位回路は、前記第1のトランジスタとカレントミラーを構成する第2のトランジ
スタを有し、
前記第2のトランジスタを流れる電流は、前記通電線に流れる電流が大きくなれば、小
さくなるように設定されてなることを特徴とする電子装置。
【請求項4】
一端が前記1のトランジスタのソース端子又はドレイン端子に接続され、他端が前記第
1のトランジスタのゲート端子に接続された抵抗を有し、
通電線に流れる電流をIdataとし、トランジスタの電流駆動能力を示す利得係数を
βとし、前記抵抗の抵抗値をRとしたとき、1/(2R2・β)≦Idata≦1/(2
R2・β)を満たすことを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第1のトランジスタのゲート電極は、当該第1のトランジスタのソース端又はドレ
イン端と接続されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子装置。
【請求項6】
データ線と、
走査線と、
電気光学素子を有し且つ前記データ線に接続される複数の単位回路と、
前記データ線に接続され、当該データ線に流れる電流の電流量によりゲート電圧が設定
されるトランジスタと、を備え、
前記複数の単位回路のそれぞれは、ゲート電極が前記走査線に接続されたスイッチング
トランジスタ、前記電気光学素子に電気的に接続された駆動トランジスタと、と有し、
前記スイッチングトランジスタのソース端又はドレイン端は、前記駆動トランジスタの
ゲート電極に接続されており、前記データ線を介してデータ信号が前記複数の単位回路に
供給され、
前記トランジスタと前記駆動トランジスタとは、カレントミラーを構成し、
前記駆動トランジスタを流れる電流と前記データ線に流れる電流とが非線形関係となる
ように設定されてなることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
前記データ信号は、デジタル−アナログ変換回路で生成されたアナログ量を有する電流
であることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記データ線に接続される第1の電源の電圧値と、前記電気光学素子と前記駆動トラン
ジスタを介して接続される第2の電源の電圧値とは、所定の比率となるように設定される
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の電気光学装置。
【請求項9】
データ線と、
走査線と、
電気光学素子を有し且つ前記データ線に接続される複数の単位回路と、
前記データ線に接続され、当該データ線に流れる電流の電流量によりゲート電圧が設定
されるトランジスタと、を備え、
前記複数の単位回路のそれぞれは、ゲート電極が前記走査線に接続されたスイッチング
トランジスタ、前記電気光学素子に電気的に接続された駆動トランジスタと、と有し、
前記スイッチングトランジスタのソース端又はドレイン端は、前記駆動トランジスタの
ゲート電極に接続されており、前記データ線を介してデータ信号が前記複数の単位回路に
供給され、
前記トランジスタと前記駆動トランジスタとは、カレントミラーを構成し、
前記駆動トランジスタを流れる電流は、前記データ線に流れる電流が大きくなれば、小
さくなるように設定されてなることを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
前記電気光学素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項
6乃至9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項11】
請求項6乃至9のいずれか一項に記載の電気光学装置を、表示部として利用したことを
特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−233399(P2007−233399A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97088(P2007−97088)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【分割の表示】特願2002−223166(P2002−223166)の分割
【原出願日】平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】