説明

電子装置のディスプレイ又はキーパッドのイルミネーションを制御する電子装置及び方法

電子装置(1)は、ディスプレイ(2)とキーパッド(3)の少なくともいずれかのイルミネーションを制御する。電子装置はディスプレイ及びキーパッドを有するユーザインタフェースを備える。照明装置(7)はディスプレイ(7a)とキーパッド(7b)の少なくともいずれかにイルミネーション効果を与え、それによってディスプレイとキーパッドの少なくとも一方を照明する。電子装置はカレンダユニット(21)を更に備える。カレンダユニットに接続された検出器(22)は、例えばカレンダユニットから生成される特定の日、月、年、ミーティングの約束などのカレンダイベントを検出する。また、照明装置及び検出器にはコントローラ(20)が接続され、このコントローラは、検出されたカレンダイベントに応じて照明装置のイルミネーション効果を制御する。本発明は、方法及びコンピュータプログラムにも関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの電子装置に関し、特に、このような電子装置のキーパッド及びディスプレイの少なくともいずれかのイルミネーションに関する。また、本発明は、電子装置のキーパッド及びディスプレイの少なくともいずれかのイルミネーションを制御する方法並びにコンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ等の電子装置が広く用いられている。これらの装置はユーザインタフェース(UI)を有する。ユーザインタフェースには、電子装置へ入力する情報やコマンドを入力するための入力用UIが含まれる。この入力用UIには、マイクロホン、1つ以上のキーを有する英数字キーパッド、ジョイスティック、ロッカーパッド(rockerpad)、タッチスクリーン、ジョグダイアルのようなスクロールボタンなどがある。また、ユーザインタフェースには、情報やデータを表示又はレンダリングするための出力用UIも含まれる。この出力用UIには、スピーカ、バイブレータ、ディスプレイなどがある。
【0003】
従来、電子装置のユーザエクスペリエンス(user experience)は、時間が経過しても大きく変わるものではなかった。しかし、電子装置の耐用期間中に電子装置のユーザエクスペリエンスを変更又はパーソナライズすることがますますポピュラーになっているというのが、現在のトレンドである。
【0004】
電子装置のオーディオエクスペリエンス(audio experience)又はオーディオインプレッション(audio impression)に関しては、従来、携帯電話に新たな着信音をダウンロードすることにより、後で着信音を変更するといった、携帯電話のパーソナライズが知られている。このパーソナライズは、種々のサービスプロバイダによって提供されるリモートサーバから着信音をダウンロードすることによって行うことが可能である。しかし、電子装置のオーディオエクスペリエンスやオーディオインプレッションの変更又はパーソナライズをこのようにして行うためには、ユーザの介在が必要である。
【0005】
しかしながら、電子装置のビジュアルエクスペリエンス(visual experience)又はビジュアルインプレッション(visual impression)は、携帯電話のオーディオエクスペリエンスとは異なり、これらは依然として、時間的に不変のものである。すなわち、電子装置のビジュアルアピアランス(visual appearance)又は外観は、電子装置の耐用期間中、ほぼ同じままである。
【0006】
このように、上述した従来の欠陥、欠点を軽減、緩和、あるいは除去した電子装置、方法、及びコンピュータプログラムを提供することのニーズがある。具体的には、電子装置のビジュアルアピアランスを後で変更できる方法のニーズがある。好適には、ユーザの介入を1回だけ受けるか、又は好適にはほとんど若しくは全くユーザの介入を受けることなく、電子装置のビジュアルアピアランスを変更できるようにするが望まれる。
【0007】
本発明の第1の側面によれば、電子装置は、ディスプレイとキーパッドとを含むユーザインタフェースと、前記ユーザインタフェースに接続され、前記ディスプレイと前記キーパッドの少なくとも一方に対するイルミネーション効果を与え、前記ディスプレイと前記キーパッドの少なくとも一方を照明する照明装置と、カレンダユニットとを備える。検出器が前記カレンダユニットに接続され、この検出器は、前記カレンダユニットから生成されたカレンダイベントを検出する。また、コントローラが前記照明装置と前記検出器とに接続され、このコントローラは、前記検出されたカレンダイベントに応じて前記照明装置のイルミネーション効果を制御する。
【0008】
前記カレンダイベントは、時刻、日、月又は年などの一定の時点とすることができる。
【0009】
前記検出器によって特定のカレンダイベントが検出されたとき、前記コントローラは、前記検出された特定のカレンダイベントに関連づけられた特定のイルミネーション効果を与えるよう前記照明装置に要求する制御信号を、前記照明装置へ送信する。前記照明装置は、前記制御信号を受信し、該制御信号に応答して、前記イルミネーション効果を生成することができる。
【0010】
前記照明装置は、該照明装置から放射された光を有するイルミネーション効果を与えることができる。
【0011】
前記照明装置は、該照明装置から放射された光による特定の輝度を有するイルミネーション効果を与えることができる。
【0012】
前記照明装置はイルミネーション効果を与えることができ、そのイルミネーション効果は照明装置から放射される光を有する。その場合、光の輝度は所定時間にわたり増加していく。
【0013】
前記照明装置は、該照明装置から放射されたパルス光又は点滅光によるイルミネーション効果を与えることができる。
【0014】
照明装置は、イルミネーション効果を与えることができ、このイルミネーション効果は照明装置から放射される光を有し、その場合、この放射光は約380nm乃至740nmの電磁気スペクトル(すなわち人間の目に見えるスペクトル)の範囲の波長を有する。
【0015】
前記照明装置はイルミネーション効果を与えることができ、該イルミネーション効果は照明装置から放射される光を有し、この放射光の波長は所定時間にわたり連続的に変動し、該放射光の波長は所定時間内に1つの波長から別の波長へと連続的に変動する。
【0016】
前記照明装置は、前記ディスプレイへ提供されるテーマとなるイルミネーション効果を与えることができる。
【0017】
前記ユーザインタフェースは、前記コントローラに接続され音響効果を与えるスピーカを更に有し、前記コントローラは、前記検出されたカレンダイベントに応じて前記スピーカの前記音響効果を制御することができる。
【0018】
前記音響効果は音楽サウンド又は着信音とすることができる。
【0019】
前記電子装置は、検出された2つの前記カレンダイベントの間の経過時間を計測するタイマを更に備える。前記コントローラは、前記経過時間がしきい値を超えたとき、前記イルミネーション効果を第1のイルミネーション効果から第2のイルミネーション効果へ変更するための制御信号を前記照明装置に送信することができる。
【0020】
前記電子装置はまた、前記コントローラに接続され、前記電子装置の位置を特定する測位ユニットを更に備えることができる。このとき前記コントローラは、前記特定された位置に応じて前記照明装置の前記イルミネーション効果を制御する。更に、又は、前記コントローラは、前記特定された位置に応じてスピーカの音響効果を制御することができる。
【0021】
前記電子装置は、携帯用無線通信機器、移動体無線端末、携帯電話、セルラ電話、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、コンピュータを含むグループから選択された装置でありうる。
【0022】
本発明の第2の側面によれば、電子装置のユーザインタフェースのイルミネーション効果を制御するための方法が提供される。この方法は、前記ユーザインタフェースのキーパッドとディスプレイの少なくとも一方に対するイルミネーション効果を与え、前記ディスプレイと前記キーパッドのうちの少なくとも一方を照明するステップと、カレンダユニットからのカレンダイベントを検出するステップと、検出されたカレンダイベントに応じて前記イルミネーション効果を制御するステップとを有する。
【0023】
本方法は、前記ユーザインタフェースのスピーカに音響効果を与えるステップと、前記検出されたカレンダイベントに応じて前記音響効果を制御するステップとを更に有することができる。
【0024】
本方法は、前記電子装置の位置を特定するステップと、前記特定された位置に応じて前記イルミネーション効果を制御するステップとを更に有することができる。本方法は更に、又は上記とは別に、前記特定された位置に応じて音響効果を制御するステップを有することができる。
【0025】
本発明の第3の側面によれば、電子装置のユーザインタフェースのイルミネーション効果を制御するために、コンピュータ機能を備えた前記電子装置によって実行されるコンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、前記ユーザインタフェースのディスプレイとキーパッドのうちの少なくとも一方に対するイルミネーション効果を与え、前記ディスプレイと前記キーパッドのうちの少なくとも一方を照明するステップのコードと、カレンダユニットからのカレンダイベントを検出するステップのコードと、検出されたカレンダイベントに応じて前記イルミネーション効果を制御するステップのコードとを含む。
【0026】
例えば、コントローラによって、ミーティングの約束、誕生日などの検出されたカレンダイベントに応じて制御可能なイルミネーション効果を有する照明装置を設けることによって、時間の経過と共に電子装置のキーパッド及びディスプレイの少なくともいずれかへ与えられるイルミネーション効果を変更又はパーソナライズすることが可能となる。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、検出されたカレンダイベントに応じて、時間の経過と共に電子装置のビジュアルアピアランスを変更可能にするための解決方法を提供することになる。時間の経過と共に電子装置のビジュアルアピアランスを変更できることは本発明の実施形態に関する利点である。というのは、この変更によってユーザは電子装置エクスペリエンスを高めることが可能になるからである。現在、電子装置のエモーショナルデザインに対する関心が高まってきているため、この解決方法が将来電子装置の重要な特徴になると考えられる。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、時間の経過と共にオーディオアピアランス(audio appearance)を変更できるようにするための解決方法も提供される。検出されたカレンダイベントに応じてコントローラにより音響効果又は音響出力を制御可能なスピーカを設けることによって、時間の経過と共に音響効果を変更又はパーソナライズすることが可能となる。
【0028】
更に、本発明のいくつかの実施形態によれば、その耐用期間中に電子装置のオーディオアピアランス又はビジュアルアピアランスを変更又はパーソナライズしたりするためにユーザが介入する必要がほとんどないか、あるいはまったくない。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、電子装置のオーディオアピアランスやビジュアルアピアランスを変更又はパーソナライズするための、公知の技術によって提供される方法よりも更に自動化された方法を提供するものである。
【0029】
更にいくつかの実施形態は、カレンダイベントに応じるだけでなく、特定された電子装置の位置に基づいても、電子装置のオーディオアピアランスやビジュアルアピアランスを時間の経過と共に変更できるようにするための解決方法を提供する。これには、電子装置がどこに位置しているかに応じてビジュアルアピアランスやオーディオアピアランスを変更することが可能となり、この変更によって電子装置のユーザエクスペリエンスを更に向上できるという利点がある。
【0030】
本発明のさらなる目的、特徴及び利点は、以下の本発明の実施形態についての詳細な説明から理解されよう。以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について更に詳細に説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】携帯電話として具現化された電子装置の概略図である。
【図2】図1の携帯電話の実施形態のブロック図である。
【図3】図1の携帯電話の別の実施形態のブロック図である。
【図4】図1の携帯電話の更に別の実施形態のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に基づく方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を示す添付図面を参照しながら本発明の実施形態について更に十分に説明する。なお、本発明は各種多数の態様で実施可能であり、本明細書で説明される実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない。むしろこれら実施例は本開示が完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供するものである。同一の番号は図面の説明を通じて同一の要素を示すものとする。
【0033】
図1は、携帯電話1として具現化された電子機器を例示する。本発明の実施形態は、多種多様の電子装置として実施可能である。電子装置は例えば、移動体無線端末、ページャ、コミュニケータ、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、電子手帳、コンピュータなどでありうる。以下の説明は、携帯電話1に関連して行うことにするが、この説明はあくまで例示を目的とするものであり、本発明がこの実施形態に限定されるものと考えるべきではない。
【0034】
図1に示す実施形態では、携帯電話1は液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ2を備え、このディスプレイにデータを表示したり、データを描画したりすることができる。携帯電話1は情報又はコマンドを携帯電話1へ入力するための1以上のキーを有するキーパッド3も備える。更に、携帯電話は通信ネットワーク4の間を往来する信号を受信/送信するための内蔵アンテナ(図示せず)を備え、この通信ネットワーク4を介して携帯電話1は他の電子装置と通信を行うことができる。携帯電話1はマイクロホン5も備え、このマイクロホン5を通じて、ユーザは通話を行うことができる。更に、携帯電話1はスピーカ6を備え、このスピーカ6を通じてユーザは通話を聞いたり、音楽を聴いたりすることができる。
【0035】
携帯電話1は、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかにイルミネーション効果を与えるように構成された照明装置7を更に備え、それによってディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかのイルミネーション又はライティングが行われる。本明細書で用いられているように、イルミネーション効果(illumination effect)という用語は、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかを照明する照明装置7から放射される任意の光を意味する。照明装置7は、後述するコントローラ(図2)から送信される制御信号に従って制御される。照明装置7は、後部からディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかを照明するように適合されたバックライトデバイスであってもよい。更に、照明装置7は、RGB LEDデバイスのような発光ダイオード(LED)デバイスから構成されたものであってもよい。いくつかの実施形態では、照明装置は、ディスプレイ2を照明するための第1のバックライトデバイス7aと、キーパッド3を照明するための第2のバックライト7bとによって提供される。ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかのイルミネーションが可能となるため、これが、夜間においても、あるいは、貧弱なライティング環境においても、ディスプレイ上で文字を読んだり所望のキーパッドのキーを選択するなどを行う際のユーザの助けとなることは明らかである。
【0036】
図2は図1に示した携帯電話1の実施形態を例示する図である。携帯電話1は照明装置7のオン/オフを行うコントローラ20を備える。更に、コントローラ20は、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかを照明する照明装置7によって与えられるイルミネーション効果を制御する。コントローラ20は、照明装置7を制御して、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかに1以上のイルミネーション効果を与えるように更に構成される。イルミネーション効果は光の輝度(すなわち照明装置7からの放射光のイルミネーションレベル)であってもよい。更に、イルミネーション効果はパルス光又は点滅光としてもよい。更に、イルミネーション効果は約380nm乃至740nmの電磁気スペクトルの範囲の人間の目に見えるスペクトルの範囲内の一定の波長を持つ光であるとよい。すなわち、人間の目によって知覚されるとき、イルミネーション効果は異なる色の光となることができる。更に、このイルミネーション効果は、所定時間にわたり連続的に変更することが可能な、照明装置7からの放射光を含むようにしてもよい。すなわち、放射光の波長は所定時間の範囲内で1つの波長から別の波長へ連続的に変えるようにするとよい。その結果、人間の目によって知覚されるとき、放射光の色は所定時間にわたり連続的に変化することができる。更に、このイルミネーション効果は放射光であってもよく、放射光の輝度は所定時間にわたって増加する。2以上のイルミネーション効果が、照明装置7によってディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかに与えられる場合、別個の態様か同時の態様かのいずれかの態様で上述のイルミネーション効果のうちの2以上のイルミネーション効果を任意の組み合わせで組み合わせることも可能である。
【0037】
携帯電話1において、図1に例示のコントローラ20は、制御信号を照明装置7へ送信して、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかに対して上述の1以上のイルミネーション効果を与えるよう照明装置7へ要求し、それによってディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかが適宜照明されるようにすることができる。イルミネーション効果がディスプレイ2のみへ与えられると、イルミネーション効果は更にテーマを持つことができる。本明細書において、「テーマ」という用語は、ディスプレイ2の部分のビジュアルの全体的なビジュアルアピアランスを意味しており、特に、メニュー及び強調表示用のカラースキーム、背景画像、ユーザアイコン及びフォルダアイコンなどを含む。例えば、イルミネーション効果は、人間の目によって知覚されるとき、何らかのオブジェクト、すなわちディスプレイ2に表示されるメニュー、背景画像、アイコンなどに関連して放射光の色を変え、それによって、表示オブジェクトの色を時間の経過と共に変動させるようにすることも可能である。
【0038】
携帯電話1はカレンダ機能を有するカレンダユニット21も備える。カレンダ機能は、時刻、日、週、月、年などのある時点のようなカレンダイベントを含む。携帯電話1のユーザは、誕生日、ミーティングの約束、バレンタインデーなどの特別の日付のようなカレンダ機能と相互に情報の交換を行うと共に、カレンダ機能を動作させて、カレンダイベントの入力、編集、又は消去を行うようにすることができる。更に、検出器22は、カレンダユニット21と電子的に接続されて、種々のカレンダイベントを特定するか、又は、一定の時刻、日、週、月、年、誕生日などを決定するようにする。検出器22とカレンダユニット21とは別個のユニットとして図1に例示されてはいるが、これらの2つのユニットは、単一のユニットに一体化することも可能である。
【0039】
コントローラ20は電子的に検出器22に接続される。あるカレンダイベント(誕生日、ミーティングの約束など)が検出器22によって検出されると、コントローラ20は更に、制御信号を照明装置7へ送信し、それによって、検出されたカレンダイベントに関連づけられたイルミネーション効果を与えるよう照明装置7に要求する。更に、照明装置7は上述の制御信号を受信し、それに応答して特定のイルミネーション効果を生成し、ディスプレイ2とキーパッド3のうちの少なくとも一方へこのイルミネーション効果を与える。
【0040】
特定のイルミネーション効果が特定のカレンダイベントに関連づけられているので、検出された異なるカレンダイベントに応じてディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかを時間の経過と共に別様に照明することが可能となる。こうすることによって、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかに対して異なる日付、月、年、などにおいて異なるイルミネーション効果を与えることができるという点で、携帯電話1のビジュアルアピアランス又はビジュアルインプレッションを変更したりパーソナライズしたりすることが可能となる。例えば、これによって、例えばバレンタインデーには、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかに赤色光、すなわち約625nm乃至740nmの波長を含む光を与えることができる。同様に、検出されたカレンダイベントが特定の種類のミーティングの約束である場合には、ディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかがパルス光又は点滅光を出力することができる。特定のカレンダイベントと特定のイルミネーション効果との関連付けは、携帯電話1において予めプログラムしておくか、あるいは、携帯電話1のユーザインタフェースを介して、携帯電話1のユーザが上記関連付けの編集やプログラミングを行うことによってなされる。
【0041】
1つの実施形態では、照明装置7はディスプレイ2とキーパッドとに同時にイルミネーション効果を与え、それによって例えば、表示された雪片のアイコンがディスプレイ2から落下し、キーパッド3にその落下が続き、キーパッド3の中を雪片が通過できるようにすることもできる。
【0042】
いくつかの実施形態では、携帯電話1は例えば検出器22と一体になっているタイマ(図示せず)を更に備える。このタイマは、検出された2つのカレンダイベントの間の経過時間を決定する。その場合、コントローラは制御信号を照明装置7へ送信し、それによって、経過時間がしきい値を超えたとき、照明装置7は、(赤色で放射される光などの)第1のイルミネーション効果から、(青色で放射される光などの)第2のイルミネーション効果へイルミネーション効果を変えるようにすることができる。このようにして、検出された2つのカレンダイベントの間の経過時間が一定時間を経過したときに、照明されるディスプレイ2とキーパッド3の少なくともいずれかから、人間の目によって知覚されるビジュアルアピアランスを変えることができる。
【0043】
図3は、図1に示した携帯電話1の別の実施形態を示す図である。図3に示すように、携帯電話1は、図2の携帯電話1と類似の構成要素又はユニットを備える。図3に示す実施形態の携帯電話1はスピーカ4を更に備える。このスピーカ4はコントローラ20と電気的に接続される。図3に示す実施形態では、コントローラ20は、特定のイベントが検出器によって検出されると、制御信号をスピーカへ送信し、それによって、検出された特定のカレンダイベントに関連づけられた特定の音響効果を出力するようスピーカに要求する。スピーカは、制御信号を受信し、この制御信号に応答して特定の音響効果を生成し、この音響効果を出力する。音響効果は、着信音や、MP3、AACなどの任意の所定のフォーマットの音楽サウンドなどであってもよい。
【0044】
図2の携帯電話1の技術的効果及び利点に加え、図3の携帯電話は、例えば、検出された異なるカレンダイベントに応じて、スピーカ4が時間の経過と共に異なる着信音を出力することができるというさらなる利点などを有する。こうすることによって、携帯電話1は、時間の経過と共に携帯電話のオーディオアピアランス又はオーディオインプレッションを変更又はパーソナライズすることができる。スピーカは、例えば、異なる日付、月、年、などに応じて、携帯電話が着呼したとき、異なる着信音を出力するように予め設計することができる。例えば、これによってスピーカ4は、バレンタインデーには、着信音としてラブソングを出力することができる。この場合も、特定の日のような特定カレンダイベントと特定のイルミネーション効果との間の関連付けは、携帯電話1において予めプログラムしておくか、あるいは、携帯電話1のユーザインタフェースを介して、携帯電話1のユーザが関連付けの編集やプログラミングを行ったりすることによりなされる。また、これにより、スピーカ4は、例えば、夏には(短音階の)より明るい音やより楽しい音を着信音として出力し、冬には(長音階の)より暗い音を着信音を出力するなど、1年の間で異なる着信音を出力することができる。
【0045】
図4は、図1に示した携帯電話1の更に別の実施形態を示す図である。図4に示すように、携帯電話1は、図3の実施形態の携帯電話1と類似の構成要素又はユニットを備える。図4の携帯電話1は、コントローラ20と電気的に接続された測位ユニット40を更に備える。測位ユニット40は携帯電話1の位置を特定する。測位ユニット40は、GPS衛星からGPS信号を受信するためのアンテナ(図示せず)に接続されたグローバル・ポジショニング・システム(GPS)ユニットなどであってもよい。あるいは、測位ユニット40は、テレコミュニケーションネットワーク4から位置特定情報を受信することによって携帯電話の位置を特定する測位ユニットであってもよい。図4に示す携帯電話1のコントローラ20は、移動体通信装置1の特定された位置に応じて照明装置のイルミネーション効果を制御する。あるいは、図4に示す携帯電話1のコントローラ20は、移動体通信装置1の特定された位置に応じてスピーカ4の音響効果を制御する。
【0046】
図2及び図3の携帯電話1のそれぞれ前述した技術的効果及び利点に加え、図4に例示の携帯電話1は、ディスプレイ2やキーパッド3のビジュアルアピアランスと、スピーカ4のオーディオアピアランスとの少なくともいずれかを携帯電話1の位置に応じて変動させることができるというさらなる利点を有している。こうすることによって、携帯電話1がどこに位置しているかに基づいて携帯電話1の変更又はパーソナライズを行うことができる。1つの実施例として、ユーザとそのユーザの携帯電話1がアラビア半島に位置しているとき、極東音楽の曲や極東のテーマをユーザインタフェースを介して提供することができる。一方、ユーザ及びそのユーザの携帯電話1がスカンジナビアに位置しているとき、スカンジナビアスタイルの携帯電話1のユーザインタフェースのオーディオアピアランス及びビジュアルアピアランスを提供することができる。更に、別例として、オフィスに位置しているときは、オフィスに関連する視覚効果と音響効果の少なくともいずれかの効果を提供でき、家庭や戸外に位置する場合には、個人的な視覚効果と音響効果の少なくともいずれかの効果を提供できる。特定の場所と特定のイルミネーション効果及び音響効果の少なくともいずれかとの間の関連付けは、携帯電話1において予めプログラムしておくか、あるいは、携帯電話1のユーザインタフェースを介して、携帯電話1のユーザが上記関連付けの編集やプログラミングを行うことによりなされる。
【0047】
図5は、本発明の実施形態に基づいて電子装置1のユーザインタフェースのイルミネーション効果を制御する方法を示す。ステップ501において、ユーザインタフェースのディスプレイとキーパッドの少なくとも一方に対してイルミネーション効果が与えられる。したがって、ディスプレイとキーパッドの少なくとも一方が照明されることになる。次のステップ502で、カレンダイベントがカレンダユニットから生成されたかどうかが検出される。カレンダイベントが検出されなかった場合、本方法は終了する。カレンダイベントが検出された場合、方法はステップ503へ進む。ステップ503では、ディスプレイとキーパッドのいずれか又は双方へ与えられるイルミネーション効果は、ステップ502において検出されたカレンダイベントに応じて制御される。いくつかの実施形態では、本方法は、ユーザインタフェースのスピーカへ音響効果も与えるステップ504と、ステップ502において検出されたカレンダイベントに応じて音響効果を制御するステップ505とを更に有することができる。更に別の実施形態では、本方法は、更に、又は上記とは別に、電子装置1の所在位置を決定するステップ506、並びに、決定された所在位置に応じてイルミネーション効果と音響効果のいずれか又は双方を制御するステップ507を有することができる。電子装置1のユーザインタフェースのイルミネーション効果を制御する目的のために、ステップ501乃至507のすべてが必要というわけではない。ただし、この目的を実行するためにはステップ501乃至503のみが必要となる。しかし、ステップ504乃至507は、本発明の更に好適な実施形態に寄与することができるオプションのステップとなる。
【0048】
電子装置がコンピュータ機能を備え、これによってコンピュータプログラムが実行される場合には、当該コンピュータプログラムによって、例えば携帯電話のようなコンピュータ機能を備えた電子装置に本発明による方法を実行させることができる。コンピュータプログラムは、メモリのようなコンピュータ読み取り可能な媒体上に格納される。
【0049】
本明細書において用いられている用語は特定の実施形態について単に説明することを目的とするものであって、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書で用いられているように、単数形を示す「a」、「an」、「the」は文脈が別様に示していない限り複数形も同様に含むことを意図するものである。「備える(comprises)」と、「備えている(comprising)」と、「含む(includes)」と、「含んでいる(including)」との少なくともいずれかの用語は、本明細書において用いられる場合、上述の特徴、数値、ステップ、処理、要素と構成要素の少なくともいずれかの存在を特定する用語であるが、1以上の他の特徴、数値、ステップ、処理、要素、構成要素及びこれらのグループの少なくともいずれかの存在又は追加を除外するものではないことを更に理解されたい。
【0050】
別段の規定がない限り、本明細書において用いられる(技術的用語と科学的用語とを含む)すべての用語は、本発明が属している技術分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有するものとする。本明細書において用いられている用語は、本明細書及び関連する技術分野の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本明細書で明示的に別段の定義がない限り、理想化した意味に解釈したり、過度に形式的な意味に解釈したりすべきではないことは更に理解されよう。
【0051】
以上、特定の実施形態を参照しながら本発明について説明した。しかし、上記記載の実施形態とは別の実施形態も本発明の範囲内において可能である。例えば、検出されたカレンダイベントに応じて音響効果のみを与えることができる電子装置を提供することも可能であり、したがって、必ずしも音響効果とイルミネーション効果の双方を組み合わせて提供する必要があるわけではない。更に、携帯電話1の特定された位置のみに応じて音響効果とイルミネーション効果の少なくともいずれかを与える能力を備えることができる電子装置を提供することも可能であり、したがって、必ずしも携帯電話1の検出されたカレンダイベントと特定された位置の双方の組み合わせに応じて、音響効果とイルミネーション効果の少なくともいずれかの効果を与える能力を備える必要があるわけではない。ハードウェア又はソフトウェアあるいはハードウェアとソフトウェアの双方を組み合わせることによって上記方法を実行する方法ステップであって、上述の方法ステップとは異なる方法ステップを本発明の範囲で提供することも可能である。本発明の異なる特徴と方法ステップとは、上述した以外の他の組み合せの形で組み合せることもできる。本発明は特許請求の範囲の記載のみによって限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイとキーパッドとを含むユーザインタフェースと、
前記ユーザインタフェースに接続され、前記ディスプレイと前記キーパッドの少なくとも一方に対するイルミネーション効果を与え、前記ディスプレイと前記キーパッドの少なくとも一方を照明する照明装置と、
カレンダユニットと、
前記カレンダユニットに接続され、前記カレンダユニットから生成されたカレンダイベントを検出する検出器と、
前記照明装置と前記検出器とに接続され、前記検出されたカレンダイベントに応じて前記照明装置のイルミネーション効果を制御するコントローラと、
を有することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記検出器によって特定のカレンダイベントが検出されたとき、
前記コントローラは、前記検出された特定のカレンダイベントに関連づけられた特定のイルミネーション効果を与えるよう前記照明装置に要求する制御信号を、前記照明装置へ送信し、
前記照明装置は、前記制御信号を受信し、該制御信号に応答して、前記イルミネーション効果を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記照明装置は、該照明装置から放射された光を有するイルミネーション効果を与えることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記照明装置は、該照明装置から放射された光による特定の輝度を有するイルミネーション効果を与えることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記照明装置は、所定時間にわたり増加する輝度を有するイルミネーション効果を与えることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項6】
前記照明装置は、該照明装置から放射されたパルス光又は点滅光によるイルミネーション効果を与えることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項7】
前記照明装置は、前記照明装置から放射された、約380nm乃至740nmの電磁気スペクトル、すなわち人間の目に見えるスペクトルの範囲の波長を有する光によるイルミネーション効果を与えることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項8】
前記照明装置は、該照明装置から放射された光を含み、前記光の波長が所定時間にわたって連続的に変動し、これにより前記光の波長が前記所定時間内に1つの波長から別の波長へと連続的に変動するようにイルミネーション効果を与えることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項9】
前記照明装置は、前記ディスプレイへ提供されるテーマとなるイルミネーション効果を与えることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項10】
前記ユーザインタフェースは、前記コントローラに接続され音響効果を与えるスピーカを更に有し、前記コントローラは、前記検出されたカレンダイベントに応じて前記スピーカの前記音響効果を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
前記音響効果は音楽サウンド又は着信音であることを特徴とする請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
前記カレンダイベントは、時刻、日、月、又は年による特定の時点であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項13】
検出された2つの前記カレンダイベントの間の経過時間を計測するタイマを更に備え、
前記コントローラは、前記経過時間がしきい値を超えたとき、前記イルミネーション効果を第1のイルミネーション効果から第2のイルミネーション効果へ変更するための制御信号を前記照明装置に送信する
ことを特徴とする請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記コントローラに接続され、前記電子装置の位置を特定する測位ユニットを更に備え、
前記コントローラは、前記特定された位置に応じて前記照明装置の前記イルミネーション効果を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項15】
前記コントローラに接続され、前記電子装置の位置を特定する測位ユニットを更に備え、
前記コントローラは、前記特定された位置に応じて前記スピーカの前記音響効果を制御する
ことを特徴とする請求項10に記載の電子装置。
【請求項16】
前記電子装置は、携帯用無線通信機器、移動体無線端末、携帯電話、セルラ電話、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、コンピュータを含むグループから選択された装置であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項17】
電子装置のユーザインタフェースのイルミネーション効果を制御するための方法であって、
前記ユーザインタフェースのキーパッドとディスプレイの少なくとも一方に対するイルミネーション効果を与え、前記ディスプレイと前記キーパッドのうちの少なくとも一方を照明するステップと、
カレンダユニットからのカレンダイベントを検出するステップと、
検出されたカレンダイベントに応じて前記イルミネーション効果を制御するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
前記ユーザインタフェースのスピーカに音響効果を与えるステップと、
前記検出されたカレンダイベントに応じて前記音響効果を制御するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電子装置の位置を特定するステップと、
前記特定された位置に応じて前記イルミネーション効果を制御するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記電子装置の位置を特定するステップと、
前記特定された位置に応じて前記音響効果を制御するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
電子装置のユーザインタフェースのイルミネーション効果を制御するために、コンピュータ機能を備えた前記電子装置によって実行されるコンピュータプログラムであって、
前記ユーザインタフェースのディスプレイとキーパッドのうちの少なくとも一方に対するイルミネーション効果を与え、前記ディスプレイと前記キーパッドのうちの少なくとも一方を照明するステップのコードと、
カレンダユニットからのカレンダイベントを検出するステップのコードと、
検出されたカレンダイベントに応じて前記イルミネーション効果を制御するステップのコードと、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−512038(P2010−512038A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538655(P2009−538655)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054936
【国際公開番号】WO2008/068056
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】