説明

電子装置のフィルター構造

【課題】電子装置のフィルターに付着した塵埃の散乱を防止できるようなフィルター構造を提供する。
【解決手段】電子装置のフィルターをフィルターボックスで覆い、装置へ取り付けた時にはフィルターボックスが開口し、装置から取り外す時にはフィルターボックスが密閉するフィルター構造にすることによって、フィルター清掃および交換時の装置内外への塵埃の散乱を防止する。また電子装置内の実装ユニットを保守点検作業の際に手動で装置内外へ出し入れする動作と連動して、フィルターボックス内の清掃用ブラシもしくはフィルター自体を動かして清掃用ブラシでフィルターを拭くことにより、フィルターに付着した塵埃を周囲に散乱させることなく清掃する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置に係り、特にフィルターに付着した塵埃の散乱防止構造を有する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動取引装置には装置内部を冷却する為に冷却ファンが実装されており、装置外の冷たい空気を装置内へ送っている。この時、空気と一緒に入ってくる塵埃の侵入を防ぐ目的で、フィルターを冷却ファン近くに取付けているが、何もせずに放置しておくと次第にフィルターの目が塵埃で詰まり、空気の流れが少なくなってしまう。結果として、装置内の冷却効果が落ちて装置の稼動に悪影響を及ぼしてしまう為、定期的にフィルターの汚れ具合を監視し、フィルターの目が詰まる前に人手で清掃もしくは交換をしなければならない。
【0003】
なおこの種の技術として関連するものには、例えば特許文献1〜3がある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−319784号公報
【特許文献2】特開2000−49481号公報
【特許文献3】特開2008−111590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年ではコンビニエンスストア内等の食品販売場所と接近した同室内に自動取引装置が設置されるケースが増えており、このような設置環境ではフィルター清掃時の塵埃の散乱を嫌われる為、塵埃が散乱しないように注意してフィルターを自動取引装置から取り外した後、室外もしくは店舗外へフィルターを持ち出して清掃や交換をしなければならない。この時、装置外への塵埃の散乱注意はもちろんであるが、装置内への塵埃の散乱も注意が必要である。これは装置内実装ユニットの塵埃による障害等の影響を防ぐ為である。また、コンビニエンスストアでは限られた少ないエリアに自動取引装置が設置されており、自動取引装置の利用者以外の人の通行も多い為に保守点検作業時間の短縮も求められるようになり、保守作業の1つであるフィルター清掃の時間短縮、若しくはフィルター清掃頻度を少なくすることが求められている。
【0006】
本発明の目的は、フィルターに付着した塵埃の散乱を防止できるようなフィルター構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を採用した。
【0008】
装置内に冷却空気を取り入れる吸入口と、塵埃の侵入を防止するフィルターと、空気を吸入する冷却ファンを有する電子装置において、該フィルターをフィルターボックスで覆い、装置へ取り付けた時にはフィルターボックスが開口し、装置から取り外す時にはフィルターボックスが密閉するフィルター構造にすることで、フィルター清掃および交換時の装置内外への塵埃の散乱が防止できる。
【0009】
また、フィルターボックス内に移動可能な清掃用ブラシを設け、フィルターボックスを密閉した状態で清掃用ブラシを移動させてフィルターを拭くことにより、フィルターに付着した塵埃を周囲に散乱させることなく除去することができる。フィルターボックス内で移動させるのは清掃用ブラシではなくても、フィルター自体を動かして清掃用ブラシに擦り付けることにより、該フィルターに付着した塵埃を除去してもよい。このような構造にすることで、装置からフィルターを取り出すことなく装置内でフィルターを清掃することが可能な為、フィルター着脱作業が不要となり、保守点検作業時間の短縮に繋がる。
【0010】
また、電子装置内の実装ユニットを保守点検作業の際に手動で装置内外へ出し入れする動作と連動して、フィルターボックス内の清掃用ブラシを移動させてフィルターを拭くことにより、該フィルターに付着した塵埃を周囲に散乱させることなく人手による清掃作業も不要となるフィルター構造の提供が可能となる。ここで、電子装置内の実装ユニットと連動させるのは、清掃用ブラシではなくフィルター自体でも同様の効果が得られる。このような構造にすることで、フィルター着脱作業だけでなく人手によるフィルター清掃作業も不要となり、更なる保守点検作業時間の短縮に繋がる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フィルター構造を有する電子装置において、フィルター清掃および交換時に塵埃を周囲に散乱させることなく作業することができるフィルター構造を提供することができる。また、定期的なフィルターの汚れ具合の監視や、人手による清掃もしくは交換作業が不要なフィルター構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態にかかる自動取引装置1の全体外観図とフィルター構造部分の詳細図である。本実施形態において、自動取引装置1は、例えば、銀行、郵便局、消費者金融会社等の金融機関の支店等に配設されたATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)、CD(Cash Dispenser:現金自動支払機)、両替機等の自動取引装置であるが、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、鉄道の駅、道の駅、バスの停留所、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、遊技場、劇場、博物館、駐車場、食堂、スポーツ施設等に配設された自動券売機であってもよく、その他のいかなる種類の自動機であってもよいが、本発明の実施形態においては、説明の都合上、コンビニエンスストアに設置された現金自動取引装置である場合について説明する。
【0014】
近年ではコンビニエンスストア内やショッピングセンター内の食品販売場所と接近した同室内に自動取引装置1が設置されるケースが増えており、このような設置環境ではフィルター清掃時の塵埃の散乱を嫌われる為、塵埃が散乱しないように注意してフィルター4を自動取引装置1から取り外した後、室外もしくは店舗外へフィルター4を持ち出して清掃や交換をしなければならない。この時、装置外への塵埃の散乱注意はもちろんであるが、装置内への塵埃の散乱も注意が必要である。これは装置内実装ユニット20の塵埃による障害等の影響を防ぐ為である。また、コンビニエンスストアでは限られた少ないエリアに自動取引装置1が設置されており、自動取引装置1の利用者以外の人の通行も多い為に、保守点検作業時間の短縮も求められるようになり、保守作業の1つであるフィルター清掃も時間短縮が求められている。
【0015】
以上より特にコンビニエンスストアにおける自動取引装置1のフィルター構造には、フィルター清掃および交換時の塵埃の散乱防止と、作業時間の短縮が必要となる。そこで本実施形態においては、図1のフィルター構造部分詳細図に示すようにフィルター4を開閉可能なフィルターボックス5で覆い、塵埃の散乱を防止する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施例における、フィルター構造部分を上から見た平面断面図でありフィルター周囲が開口した状態を示す図である。また、この図2はフィルター4を自動取引装置1に取り付けた状態の図である。装置内に冷却空気3を取り入れる風穴13と、塵埃の吸入を防止するフィルター4と、冷却空気3を吸入する冷却ファン2を有する自動取引装置1において、フィルター4を内部フィルターボックス6および外部フィルターボックス9で覆う。内部フィルターボックス6は外部フィルターボックス9に対して可動であり、内部フィルターボックス6には内部スリット7、外部フィルターボックス9には外部スリット10が設けられている。図2ではフィルター4を自動取引装置1に取り付けた状態の為、内部フィルターボックス突起8がフィルターボックスガイド12に押され、圧縮バネ14が圧縮し、内部スリット7と外部スリット10が揃った状態となっており、近傍の冷却ファン2により冷却空気3が装置外から装置内へ流れる状態となっている。この時、内部スリット7と外部スリット10だけでなく、筐体側板11の風穴13とも位置が揃うようにしておく。この状態で自動取引装置1を通常動作させたまま何もせずに放置しておくと、次第にフィルター4の目が塵埃で詰まり、空気の流れが少なくなってしまう。そこでフィルター4を清掃する為に自動取引装置1からフィルター4をフィルターボックス5ごと取り外すことになる。
【0017】
図3は本発明の第1の実施例における、フィルター構造部分を上から見た平面断面図でありフィルター周囲が密閉した状態を示す図である。また、この図3はフィルター4をフィルターボックス5ごと自動取引装置1から取り外した状態の図である。この状態では、フィルターボックスガイド12で押さえていた内部フィルターボックス突起8が開放され、圧縮バネ14により押し出されることで、内部スリット7と外部スリット10が交互にズレた状態となり、フィルターボックス5内は密閉される。したがってフィルターボックス5内のフィルター4に付着した塵埃を散乱させることなく、装置外へフィルターボックス5を取り出すことが可能となる。装置外へ取り出したフィルターボックス5は、塵埃が散乱しても良い場所で、フィルターボックス5内部のフィルター4を取り出して清掃もしくは交換すれば良い。フィルター清掃もしくは交換後に再び自動取引装置内へフィルターボックス5を取り付けると、内部フィルターボックス突起8がフィルターボックスガイド12に押され、圧縮バネ14が圧縮し、内部スリット7と外部スリット10と筐体側板11の風穴13が揃った状態となり、近傍の冷却ファン2により冷却空気3が装置外から装置内へ流れる状態となる。
【0018】
このように、本実施の形態においては、自動取引装置1のフィルター構造部分にフィルターボックスガイド12、フィルター4、内部フィルターボックス6、内部スリット7、内部フィルターボックス突起8、外部フィルターボックス9、外部スリット10、圧縮バネ14が実装されている。自動取引装置1が通常動作している場合は、フィルターボックス5は開状態となっており冷却空気3を装置内へ吸入すると供に、フィルター4により装置内への塵埃の侵入を防止する。そして装置の保守点検でフィルター4を清掃する為に装置外へ取り出す際には、フィルター4をフィルターボックス5ごとを取り出すことでフィルターボックス5が密閉状態となり、着脱作業時の塵埃の散乱を防止する役割を果たす。
【0019】
なお内部フィルターボックス6は、必ずしもボックスの形態をしていなくともよい。外部フィルターボックス9を装置の外部に取り出したとき、外部スリット10を塞ぐシャッターの役割をすればよいので、外部フィルターボックス9内部に設けたガイドに沿って移動する2枚のシャッター板でもよい。各々のシャッター板は、内部スリット7を有する。これらのシャッター板は連動するように構成してもよいし、両者が独立に移動するように構成してもよい。外部フィルターボックス9を装置の外部に取り出したとき、各シャッター板は外部スリット10を塞ぎ、外部フィルターボックス9を密閉状態とする。
【実施例2】
【0020】
図4は本発明の第2の実施例における、移動可能な清掃用ブラシ15付きフィルター構造を表した平面図である。図2および図3で説明したフィルターボックス5内に移動可能な清掃用ブラシ15を設け、この清掃用ブラシ15を装置内でフィルター4に沿って移動させフィルター4を拭くことにより、フィルターボックス5を装置外へ取り出すことなく、フィルター4の清掃が可能となる。
【0021】
図5は本発明の第2の実施例における、フィルター4を周動可能としたフィルター構造を表した平面図である。図2および図3で説明したフィルターボックス5内にフィルター4を2本の回転軸18周りに巻いた状態で取り付け、該フィルター4を擦り付けるように清掃用ブラシ16を固定する。該回転軸18を回してフィルター4をフィルターボックス5内で周動させて清掃用ブラシ16に擦り付けることにより、フィルターボックス5を装置外へ取り出すことなく、フィルター4の清掃が可能となる。
【0022】
この時、自動取引装置1内のフィルターボックス5を内部フィルターボックス突起8の長さ分スライド移動させることにより、フィルターボックスガイド12で押さえていた内部フィルターボックス突起8が開放され、圧縮バネ14により押し出されることで、内部スリット7と外部スリット10が交互にズレた状態となり、フィルターボックス5内は密閉される。したがってフィルターボックス5内のフィルター4に付着した塵埃を散乱させることなく、装置内でフィルター4の清掃が可能となる。
【0023】
フィルター4から除去した塵埃はフィルターボックス5内に蓄積してもよいし、フィルターボックス5下部に塵埃蓄積ボックスを設け、該塵埃蓄積ボックス内に塵埃を落としてもよい。フィルターボックス5内に塵埃を蓄積する場合は、フィルターボックスのサイズによっては定期的な塵埃の廃棄作業が必要となる。装置の保守点検作業時にフィルターボックス5内に蓄積した塵埃を除去する場合は、あらかじめ清掃済のフィルター4およびフィルターボックス5を準備しておけば、フィルターボックス5を交換するだけで、保守点検作業は終了する。つまりフィルター4およびフィルターボックス5の清掃作業時間をカットすることができる。ここで回収したフィルターボックス5は内部を清掃すれば再利用可能となる。または、フィルターボックス5を紙で製作し、使い捨てにしてもよい。
【0024】
このように、本実施形態においては、実施例1で説明した自動取引装置1のフィルター構造の内部フィルターボックス6内に移動可能な清掃用ブラシ15、もしくは周動可能なフィルター4を実装する。自動取引装置1が通常動作している場合は、フィルターボックス5は開状態となっており冷却空気3を装置内へ吸入すると供に、フィルター4により装置内への塵埃の侵入を防止する。そして装置の保守点検でフィルター4に付着した塵埃を清掃する場合は、塵埃が散乱しないようにフィルターボックス5を密閉状態にして、実施例1では例えば半年に1度等の割合で定期的にフィルターボックス5を装置から取り出して清掃が必要であるが、実施例2では装置からフィルターボックス5を取り出すことなく、装置内で清掃用ブラシ15を移動させることによりフィルター4を清掃することが可能となる。この時発生した塵埃をフィルターボックス5内に蓄積する場合、フィルターボックス5内に蓄積した塵埃については実施例1よりも長い、例えば2年に一度等の割合で定期的にフィルターボックス5を装置から取り出して清掃をすればよい。装置寿命までに発生した塵埃が全て収容可能なサイズにフィルターボックス5を構成した場合は、定期的なフィルターボックス5の取り出し清掃自体が不要となる。つまり装置の保守点検時には、装置内で清掃用ブラシを動かすだけで塵埃を散乱させることなくフィルター4の清掃が可能であり、保守点検作業時間の短縮が実現できる。
【実施例3】
【0025】
コンビニエンスストア等における自動取引装置1には、図1に示すようにカードの読み取りを行うカード取扱ユニットや、明細票の印字を行う明細票ユニット、また硬貨や紙幣の出し入れを行う硬貨入出金ユニット、紙幣入出金ユニット等の各種の装置内実装ユニット20を備えている。これら装置内実装ユニット20はスライドレール19などによって、自動取引装置本体に対してそれぞれ取り外し可能に実装されている。そして装置内実装ユニット20の保守、点検等の場合には、該当する装置内実装ユニット20を自動取引装置本体から取り外す構造となっている。例えば、装置内実装ユニット20の一つである紙幣入出金ユニットに紙幣を補充する必要がある場合、オペレータは紙幣入出金ユニットを自動取引装置本体から取り出し、紙幣を補充した後、この紙幣入出金ユニットを再び自動取引装置本体に取り付けるという一連の動作を行う。本実施例ではこの一連の装置内実装ユニット20の動作とフィルター構造を連動させて、フィルター清掃を行うことで、人手による清掃作業が不要となるフィルター構造を以下に説明する。
【0026】
図6は本発明の第3の実施例における、移動可能な清掃用ブラシ15を連動させたフィルター構造を表した平面図である。図4で説明したフィルターボックス5内の清掃用ブラシ15と内部フィルターボックス6との間に引張バネ21を設け、清掃用ブラシガイド24を介して装置内実装ユニット20に設けた突起23で清掃用ブラシ15を押さえつけることにより、保守、点検等で装置内実装ユニット20を装置外へ取り出した際には押さえつけていた清掃用ブラシ15が引張バネ21の力で移動し、結果としてフィルター4を拭いて清掃することが可能となる。
【0027】
図7は本発明の第3の実施例における、フィルター4を連動させたフィルター構造を表した平面図である。図5で説明したフィルターボックス5内の2本の回転軸18の内、一方にゼンマイバネ22を設け、装置内実装ユニット20の一部にゼンマイバネ22を取り付けることにより、保守、点検等で装置内実装ユニット20を装置外へ取り出した際にはゼンマイバネ22の力で回転軸18を回してフィルター4をフィルターボックス5内で動かして清掃用ブラシ16に擦り付けることにより、結果としてフィルター4を拭いて清掃することが可能となる。
【0028】
図8に本発明の第2、第3の実施例における、移動可能な清掃用ブラシ付きフィルター構造を表した斜視図を示す。また図9に本発明の第2、第3の実施例における、フィルターを周動可能としたフィルター構造を表した斜視図を示す。図8では装置内実装ユニット20の突起23で清掃用ブラシガイド24を(図8の左側へ)押して連動させ、装置内実装ユニット20を(図8の右側へ)引いた場合には引張バネ21により清掃用ブラシガイド24が動く構造である。これにより清掃用ブラシガイド24に付けた清掃用ブラシ15がフィルター4を拭いて清掃する。また、図9では装置内実装ユニット20の突起23と回転軸18を(メジャー等で使用の)ゼンマイバネ22を介して連動させ、回転軸18に巻いたフィルター4が周動する構造である。ゼンマイバネは装置内実装ユニット20が引き出される動作に連動して引き出されるように構成されている。ゼンマイバネ22を図で左側の回転軸18に取り付けてもよい。図8、図9共に装置内実装ユニット20との連動が無くても、実施例2の様に手動で清掃を行ってもよい。
【0029】
このように、本実施形態においては、実施例2で説明した自動取引装置1のフィルター構造のフィルターボックス5内に装置内実装ユニット20の出し入れ操作に連動させた引張バネ21付き清掃用ブラシ15、もしくはゼンマイバネ22付き回転軸18に巻いたフィルター4を実装する。自動取引装置1が通常動作している場合は、フィルターボックス5は開状態となっており冷却空気3を装置内へ吸入すると供に、フィルター4により装置内への塵埃の侵入を防止する。そして装置の保守点検等で装置内実装ユニット20を装置外へ取り出す際には、フィルターボックス5を密閉状態にして清掃用ブラシ15、もしくはフィルター4を動かすことにより、塵埃の散乱防止はもちろん、フィルター4を装置外に取り出すことなく、また人手により直接フィルター清掃を行うことなく、間接的にフィルター4を清掃することが可能となる。この時発生した塵埃をフィルターボックス5内に蓄積する場合、フィルターボックス5内に蓄積した塵埃については実施例1よりも長い、例えば2年に一度等の割合で定期的にフィルターボックス5を装置から取り出して清掃をすればよい。装置寿命までに発生した塵埃が全て収容可能なサイズにフィルターボックス5を構成した場合は、定期的なフィルターボックス5の取り出し清掃自体が不要となる。つまり装置の保守点検時には、フィルター構造部分へ直接手を加えなくても、塵埃を散乱させることなくフィルター4の清掃が可能であり、保守点検作業時間の短縮が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態にかかる自動取引装置の全体外観図とフィルター構造部分の詳細図である。
【図2】本発明の第1の実施例における、フィルター構造部分を上から見た平面断面図でありフィルター周囲が開口した状態を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例における、フィルター構造部分を上から見た平面断面図でありフィルター周囲が密閉した状態を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例における、移動可能な清掃用ブラシ付きフィルター構造を表した平面図である。
【図5】本発明の第2の実施例における、フィルターを周動可能としたフィルター構造を表した平面図である。
【図6】本発明の第3の実施例における、清掃用ブラシを連動させたフィルター構造を表した平面図である。
【図7】本発明の第3の実施例における、フィルターを連動させたフィルター構造を表した平面図である。
【図8】本発明の第2、第3の実施例における、移動可能な清掃用ブラシ付きフィルター構造を表した斜視図である。
【図9】本発明の第2、第3の実施例における、フィルターを周動可能としたフィルター構造を表した斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1…自動取引装置、2…冷却ファン、3…冷却空気、4…フィルター、5…フィルターボックス、6…内部フィルターボックス、7…内部スリット、8…内部フィルターボックス突起、9…外部フィルターボックス、10…外部スリット、14…圧縮バネ、15…清掃用ブラシ、16…清掃用ブラシ、18…回転軸、19…スライドレール、20…装置内実装ユニット、21…引張バネ、22…ゼンマイバネ、23…突起、24…清掃用ブラシガイド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内に冷却空気を取り入れる吸入口と、塵埃の吸入を防止するフィルターと、空気を吸入する冷却ファンとを有する電子装置において、該フィルターをフィルターボックス内に収容し、該フィルターボックスを装置へ取り付けた状態ではフィルターボックスの通風口が該吸入口を介して空気を取り入れるように開口し、装置から取り外した状態では該フィルターボックスが密閉するフィルター構造にしたことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
請求項1記載の電子装置において、該フィルターボックス内に移動可能な清掃用ブラシを設け、該清掃用ブラシを移動させてフィルターを拭くことにより、該フィルターに付着した塵埃を除去するフィルター構成にしたことを特徴とする電子装置。
【請求項3】
請求項1記載の電子装置において、該フィルターボックス内に清掃用ブラシを固定設置し、該フィルターを周動させて該フィルターを該清掃用ブラシに擦り付けることにより、該フィルターに付着した塵埃を除去するフィルター構成にしたことを特徴とする電子装置。
【請求項4】
請求項2記載の電子装置において、装置保守時の装置内実装ユニットの出し入れ操作に連動して該清掃用ブラシを移動させて該フィルターを拭くことにより、該フィルターに付着した塵埃を除去するフィルター構成にしたことを特徴とする電子装置。
【請求項5】
請求項3記載の電子装置において、装置保守時の装置内実装ユニットの出し入れ操作に連動して該フィルターを周動させてフィルターを該清掃用ブラシに擦り付けることにより、該フィルターに付着した塵埃を除去するフィルター構成にしたことを特徴とする電子装置。
【請求項6】
電子装置内に冷却空気を取り入れるための通風口を有し、塵埃の吸入を防止するためのフィルターを収容するフィルターボックスであって、該フィルターボックスを電子装置へ取り付けた状態では該通風口を開口し、電子装置から取り外した状態では該フィルターボックスが密閉するようなシャッター機構を設けたことを特徴とするフィルターボックス。
【請求項7】
請求項6記載のフィルターボックスにおいて、該フィルターボックス内に移動可能な清掃用ブラシを設け、該清掃用ブラシを移動させてフィルターを拭くことにより、該フィルターに付着した塵埃を除去するフィルター構成にしたことを特徴とするフィルターボックス。
【請求項8】
請求項6記載のフィルターボックスにおいて、該フィルターボックス内に清掃用ブラシを固定設置し、該フィルターを周動させて該フィルターを該清掃用ブラシに擦り付けることにより、該フィルターに付着した塵埃を除去するフィルター構成にしたことを特徴とするフィルターボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−73784(P2010−73784A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237820(P2008−237820)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】