説明

電子装置及び電子装置のボンディング方法

電子装置(1)は、基板(2)と基板に結合されかつボンド接触子担体(5)を持つ電子装置ハウジング(3)とを持っている。ボンド接触子担体(5)は、支持体(6)がボンド接触子担体(5)へ予荷重を及ぼすように、支持体(6)を介して基板(2)に支持されている。ボンド接触子担体(5)の近い支持により、ボンディング過程においてボンド接触子担体が姿勢をよく規定される。その結果確実なボンディングが行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の電子装置に関する。更に本発明は、請求項5に記載の電子装置のボンディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の上位概念に記載の電子装置は、公然の先使用により公知である。そこでは電子装置ハウジングが、ボンド接触子担体の近くにある載置リブを介して基板に支持されている。製造公差特に基板又は載置リブの凹凸により、電子装置ハウジングが少なくとも部分的に載置リブを介して基板に当接しないことがある。その結果これらの範囲において、ボンド接触子担体の近くで電子装置ハウジングの支持が行われなくなる。ボンド接触子担体の姿勢は、この不十分な支持のため、不正確にしか規定されない。ボンド接触子担体の不十分な支持により、ボンディングの際ボンド接触子担体が振動する傾向がある。ボンド結合を確実にするため、いわゆる安全ボンドを置くことができねばならないが、この安全ボンドのために場所が必要である。従って確実なボンディングを保証するため、ボンド接触子担体を比較的大きく構成せねばならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の課題は、最初にあげた種類の電子装置を発展させて、ボンド結合を行う際一層大きい安全性が与えられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によればこの課題は、請求項1の特徴によって解決される。
【0005】
本発明による支持体は、ボンド接触子担体が予荷重をかけられて基板に支持されるのを確実にする。その場合少なくとも1つのボンド接触子担体は、支持体を介して確実に支持されているので、その姿勢が明確に規定される。予荷重をかけられる支持のため、少なくとも1つのボンド接触子担体の振動傾向が特に阻止される。従ってコンパクトなボンド接触子担体で作業することができる。場合によっては第2のいわゆる安全ボンドをなくすことができ、それによりボンド接触子担体の構成が更にコンパクトになる。従って隣接する複数のボンド接触子担体が存在する場合、ボンドラスタを一層狭くすることができ、その結果電子装置ハウジングのボンド範囲がコンパクトになる。
【0006】
請求項2による突出により、多くの製造費なしに確実な予荷重が生じる。
【0007】
請求項3による支持体は、基板と電子装置ハウジングの組合わせが変わっても、予荷重をかけられる支持を可能にし、支持体の寸法設定が、電子装置ハウジング及びボンド接触子担体と基板との間隔に合わされる。支持体と電子装置ハウジングとの機械的結合は、特に係止によって行うことができる。
【0008】
請求項4による支持体は、環としての形成に関するものであるが、電子装置ハウジングに簡単に合わされる。支持体を複数の個別セグメントとして構成すると、支持体を形成する際大きい融通性が可能となる。基盤及び電子装置ハウジングの異なる形状への適合が可能である。個別セグメントは特に電子装置ハウジングに係止でき、それにより支持体の良好な姿勢規定が保証される。
【0009】
本発明の別の課題は、ボンド結合を確実に準備する方法を提示することである。
【0010】
本発明によればこの課題は、請求項5に示す特徴を持つ方法によって解決される。本発明による方法の利点は、本発明による電子装置に関して上述したことと同じである。
【0011】
本発明の実施例が図面に基いて以下に詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、斜視図で、別の電子部品この場合チップとの接触のために準備されている電子装置1を示している。電子装置1は、電子装置ハウジング3を保持する基板2を含んでいる。基板2は電子装置ハウジング3に接着されている。電子装置ハウジング3は、特に載置リブ4を介して基板2上にある。載置リブ4は、電子装置ハウジング3の多数のボンド舌片5の近くに設けられている。ボンド舌片5は、電子装置ハウジング3を図示してない別の電子部品と電気接触させるためのボンド接触子担体として用いられる。
【0013】
ボンド舌片5は、支持体6を介して基板2に支持されている。支持体6は、基板2上に載りかつほぼ長方形状に取巻く環の形の支持枠として形成されている。支持体6は基板2とは別個の部品である。基板2上の支持体6の高さ、即ち基板2からのその突出は、ボンド舌片5と基板2との間隔より大きい。この過大寸法は非常に小さく、その結果支持体6は、この上に支持されるボンド舌片5に予荷重力を及ぼす。
【0014】
電子装置1を別の電子部品のボンド接触子担体にボンディングする際、それは次のように行われる。まず支持体6が、電子装置ハウジング3に機械的に結合され、例えば係止される。続いて電子装置ハウジング3が基板2上に置かれて、これに接着される。この結合段階後、支持体6がボンド舌片5に予荷重力を及ぼす。続いて電子装置ハウジング3のボンド舌片5と少なくとも1つの別の部品の別のボンド接触子担体とのボンド結合が行われる。
【0015】
その代わりに、支持体を、基板2から突出する複数の個別セグメントとして、即ち複数の個々の支持部分から形成することができ、これらの支持部分は電子装置ハウジング3に係止されるか又はスナップ止めされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 電子装置の斜視図を示す。
【図2】 図1のII−II線による切断部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(2)と基板(2)に結合されかつ少なくとも1つの接触子担体(5)を持つ電子装置ハウジング(3)とを有する電子装置(1)であって、支持体(6)がボンド接触子担体(5)に予荷重力を及ぼすように、ボンド接触子担体(5)が支持体(6)を介して基板(2)に支持されていることを特徴とする、電子装置。
【請求項2】
基板(2)からの支持体(6)の突出が、ボンド接触子担体(5)と基板(2)との間隔より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
支持体(6)が、基板(2)とは別体で電子装置ハウジング(3)に結合されている部品であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
支持体(6)が、突出する環又は複数の突出する個別セグメントとして構成されていることを特徴とする、請求項1〜3の1つに記載の電子装置。
【請求項5】
基板(2)を準備し、支持体(6)がボンド接触子担体(5)に予荷重力を及ぼすように、支持体(6)を介して電子装置ハウジング(3)を基板(2)に結合し、
電子装置ハウジング(3)のボンド接触子担体(5)と別のボンド接触子担体との間にボンド結合を行う
方法段階を持つ電子装置(1)のボンディング方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−520092(P2007−520092A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552450(P2006−552450)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/DE2004/002731
【国際公開番号】WO2005/074341
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(503355292)コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (79)
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
【住所又は居所原語表記】Sieboldstrasse 19, D−90411 Nuernberg, Germany
【Fターム(参考)】