説明

電子装置

【課題】装置の設定作業を行うユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】入力されたデータに基づいて電子処理を行う電子装置であって、操作手順を記述した手順書情報を記憶する手順書情報記憶部と、装置の設定情報を記憶する設定情報記憶部と、前記手順書情報記憶部から読み出した手順書情報に前記設定情報を組み込んだ手順書情報を生成する手順書形成部と、前記手順書情報に組み込まれた設定情報の更新または設定が指示された前記入力データに基づいて、前記設定情報記憶部の該設定情報を更新または設定する装置設定部とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作を支援する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子装置は、複合機のように複雑な機能や設定を有する場合、ユーザは装置を購入した際に添付された操作手順書やベンダのWebサイトに掲載されているオンラインマニュアル等を参照しながら操作を行うようにしている。このような手順書等を参照しながらの装置の操作は、非常に煩わしいものであり、この煩わしさを鑑みたものとして装置内にWebサーバとWeb上で動作可能なプログラムを搭載し、ユーザはWebブラウザを介して装置のWebサーバにアクセスし、その中で操作手順を参照しながら電子装置を操作するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−248657号公報(段落「0012」〜段落「0016」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、電子装置を利用する前に、その装置に対して設置環境や利用環境に応じた各種設定を行なう必要があり、複合機等の多機能な電子装置であれば、その装置の設置のために必要な設定を行なうメニュー構成も複雑になり、ユーザがそのメニュー構成の中から所望の設定項目を探し出さなければならないという煩わしさがある。そこで、電子装置のメニュー構成をパーソナルコンピュータからリモートで取得し、設定を行なうための電子装置の利用支援ソフトウェアを提供するようにしているが、メニューの名称自体が機能名等の装置に関する専門用語であるため、十分な知識を有さないユーザにとって、装置の設定作業は困難な作業であり、ユーザの利便性を十分に満足させるものではないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、装置の設定作業を行うユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、入力されたデータに基づいて電子処理を行う電子装置であって、操作手順を記述した手順書情報を記憶する手順書情報記憶部と、装置の設定情報を記憶する設定情報記憶部と、前記手順書情報記憶部から読み出した手順書情報に前記設定情報を組み込んだ手順書情報を生成する手順書形成部と、前記手順書情報に組み込まれた設定情報の更新または設定が指示された前記入力データに基づいて、前記設定情報記憶部の該設定情報を更新または設定する装置設定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、装置の設定作業を行うユーザの利便性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例における複合機の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における複合機とPCの接続形態を示す説明図
【図3】第1の実施例におけるPCの構成を示すブロック図
【図4】第1の実施例における設定情報を格納するデータテーブルを示す説明図
【図5】第1の実施例における複合機のメニュー構成を示す説明図
【図6】第1の実施例におけるキーワードデータベースの構成を示す説明図
【図7】第1の実施例におけるマニュアル原本のファイルデータを示す説明図
【図8】第1の実施例におけるマニュアル表示画面の説明図
【図9】第1の実施例におけるマニュアル表示画面の説明図
【図10】第1の実施例におけるプログラム起動画面の説明図
【図11】第1の実施例におけるプログラムの全体処理を示すフローチャート
【図12】第1の実施例におけるマニュアル表示処理を示すフローチャート
【図13】第1の実施例における設定処理を示すフローチャート
【図14】第1の実施例におけるキーワード検索処理を示すフローチャート
【図15】第1の実施例における装置選択画面の説明図
【図16】第1の実施例におけるマニュアルの初期ページデータの説明図
【図17】第1の実施例におけるマニュアルの初期ページ画面の説明図
【図18】第1の実施例における装置設定を行うマニュアル画面の説明図
【図19】第1の実施例における装置設定を行うマニュアルデータの説明図
【図20】第1の実施例におけるキーワード検索画面の説明図
【図21】第2の実施例における複合機、PCおよびサーバの接続形態を示す説明図
【図22】第2の実施例における複合機の構成を示すブロック図
【図23】第2の実施例におけるサーバの構成を示すブロック図
【図24】第2の実施例におけるサーバ上のマニュアル原本の格納形態を示す説明図
【図25】第2の実施例におけるサーバ上のマニュアル原本データの説明図
【図26】第2の実施例におけるマニュアル更新時の複合機の処理を示すフローチャート
【図27】第2の実施例におけるマニュアル取得要求時のサーバの処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による電子装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図2は第1の実施例における複合機とPCの接続形態を示す説明図である。
【0011】
図2において、入力されたデータに基づいて電子処理を行う電子装置としての複合機100と、その複合機100との間で動作指示等の送受信を行う情報端末としてのパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)200とがネットワーク300で接続されており、ユーザはPC200を操作することにより、複合機100の操作方法等を説明する手順書としてのマニュアルの表示や複合機100の動作等を規定する設定値の設定操作を行うことができるようになっている。
【0012】
ここで、複合機100とPC200との接続形態は、接続方式としてUSB(Universal Serial Bus)や、パラレルポートを利用したローカル接続や、またはLAN(Local Area Network)環境を利用したネットワーク接続等であるが、複合機100とPC200とが互いに通信可能に接続された環境であれば、接続形態に制限されないものとする。
【0013】
次に、複合機の構成を図1に基づいて説明する。
【0014】
図1は第1の実施例における複合機の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、複合機100は、ソフトウェアを格納するROM(Read Only
Memory)10、各種情報をデータベースとして格納するHDD(Hard Disk Drive)19、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)23からなる記憶部、その記憶部に格納されたソフトウェアや各種情報に基づいて複合機100全体を制御する制御手段および演算手段としての図示しないCPU(Central Processing Unit)等の制御部で構成されたものである。なお、本実施例では、複合機100が通常有する原稿読取機能、画像形成機能、複写機能等を実現するための構成は、本発明に直接関係しないのでその説明を省略するものとする。
【0016】
ROM10には、各種情報をPC200の表示部に出力させ、またPC200の操作部で入力された各種情報を受け付けるWebサーバ11、および複合機100の各種設定を行なう設定部12が予め格納されている。
【0017】
HDD19は、マニュアル(手順書)を記述した手順書情報としてのマニュアル原本20、マニュアル内の単語データが格納されたキーワード群21、複合機100の設定値としての設定情報22を予め格納する。したがって、このHDD19は、手順書情報を記憶する手順書情報記憶部、および設定情報を記憶する設定情報記憶部として機能する。
【0018】
RAM23は、設定部12が処理を行う際にデータの展開を行なうための作業領域としての記憶領域を確保する。
【0019】
ROM10の設定部12は、要求解析部13、マニュアル検索部14、キーワード検索部15、装置設定部16、マニュアル形成部17、およびデータ送信部18等で構成されている。
【0020】
要求解析部13は、PC200の操作部で入力されたマニュアル取得要求、キーワード転送要求、機器設定要求等の入力データ1を、そのPC200から受信し、受信した入力データ1によって各処理を呼び出すものである。
【0021】
マニュアル検索部14は、要求解析部13からの指示により、HDD19に格納されているマニュアル原本20を検索し、RAM23内のデータ展開用の領域24にマニュアル原本20をコピーし、マニュアル形成部17を呼び出すものである。
【0022】
手順書検索部としてのキーワード検索部15は、要求解析部13からの指示により、指示されたキーワードから抽出した単語に基づいてマニュアル原本20内のすべてのコンテンツ(一連の操作手順を記述する手順書情報としてのマニュアルデータ)を対象として検索し、またHDD19に格納されているキーワード群21を抽出し、RAM23内のデータ展開用の領域24にキーワード群21をコピーし、そのキーワード群21から抽出した関連単語に基づいてマニュアル原本20内のすべてのコンテンツを対象として検索し、その単語または関連単語を含むコンテンツを抽出してマニュアル形成部17を呼び出すものである。
【0023】
装置設定部16は、要求解析部13からの指示により、HDD19に格納されている設定情報22を取得し、RAM23内のデータ展開用の領域24に設定情報22をコピーし、マニュアル形成部17を呼び出すものである。また、要求解析部13からの指示により、HDD19に格納されている設定情報22を設定または更新する。
【0024】
手順書情報形成部としてのマニュアル形成部17は、RAM23内のデータ展開用の領域24にコピーして格納されたマニュアル原本20、キーワード群21、または設定情報22を基に、PC200の表示部に表示させる手順書情報としてのマニュアルデータを生成する。
【0025】
データ送信部18は、マニュアル形成部17で生成されたマニュアルデータをPC200へ送信する。
【0026】
Webサーバ11は、PC200のWebブラウザとの間で各種情報の授受を行い、PC200のWebブラウザで複合機100の操作が行えるようになっており、本実施例では、マニュアルデータや設定情報をPC200との間で送受信する。
【0027】
図4は第1の実施例における設定情報を格納するデータテーブルを示す説明図であり、HDD19に格納されている複合機100の設定情報22を可視化した説明図である。
【0028】
図4において、設定情報22は、識別子としてのインデックス60および親インデックス61、機器情報としてのメニュー設定項目62、ならびに設定値としての値63のレコード情報で構成され、その値63はメニュー設定項目62毎に設定されている。なお、説明64は本実施例を説明する上で本設定情報22のレコード情報を説明するものであり、実際の設定情報22に含まれるものではない。
【0029】
インデックス60は、それぞれのメニュー設定項目62を識別するためのものであり、親インデックス61は、それぞれのメニュー設定項目62が属するインデックス60を示し、このインデックス60および親インデックス61によりメニューの階層構造を構成している。
【0030】
メニュー設定項目62は、複合機100の設定項目を示すものであり、例えば装置設定のメニューのルート項目を示す「装置設定」、装置のシリアル番号(No.)を示す「シリアル番号」、装置の名称を示す「装置名称」等で構成されたものである。
【0031】
値63は、それぞれのメニュー設定項目62に設定された設定値を示し、例えば「シリアル番号」には「AABBCC112233」が設定され、「装置名称」には「XXXX」が設定される。
【0032】
図5は第1の実施例における複合機のメニュー構成を示す説明図であり、図4に示す設定情報22を格納するデータテーブルを元にメニュー構成を階層構造で可視化したものである。
【0033】
図5に示すようにメニュー構成は階層構造を形成しており、その階層構造は図4に示す個々のメニュー設定項目62のインデックス60、およびそのメニュー設定項目62が属するインデックス60を示す親インデックス61で示される。
【0034】
例えば、図4に示すインデックス60が「51」であるメニュー設定項目62の「シリアル番号」66は、親インデックス61が「50」であるため、親インデックス61が「50」である「装置設定」65の下層として定義され、またインデックス60が「56」であるメニュー設定項目62の「使用プロトコル」69は、親インデックス61が「55」であるため、親インデックス61が「55」である「プロファイル001」68の下層として定義され、さらにインデックス60が「55」であるメニュー設定項目62の「プロファイル001」68は、親インデックス61が「54」であるため、親インデックス61が「50」である「プロファイルの登録」67の下層として定義される。
【0035】
このようにメニュー設定項目62毎に割り当てられたインデックス60および親インデックス61が設けられ、これらの情報により図5に示すメニューの階層構造を構成する。
【0036】
図6は第1の実施例におけるキーワードデータベースの構成を示す説明図であり、HDD19に格納されているキーワード群21を可視化したものである。
【0037】
図6において、キーワード81はマニュアルに記述された単語であり、インデックス80はキーワード81を識別するための識別子である。
【0038】
図7は第1の実施例におけるマニュアル原本のファイルデータを示す説明図であり、HDD19に格納されているマニュアル原本20のファイルデータを可視化したものである。
【0039】
図7において、マニュアル原本20は、タイトル90およびマニュアル上で表示する説明文としてのコンテンツ91で構成され、そのコンテンツ91には、PC200のOS(Operating System)によって異なる手順等は、OS毎(92/93)に記述されている。
【0040】
図8および図9は第1の実施例におけるマニュアル表示画面の説明図であり、図7に示すマニュアル原本20をPC200の表示部に表示させた画面の出力イメージである。図8は、PC200のOSが“OS1”である場合の出力イメージであり、図9は、PC200のOSが“OS2”である場合の出力イメージである。
【0041】
次に、PC200の構成を図3の第1の実施例におけるPCの構成を示すブロック図に基づいて説明する。
【0042】
図3において、PC200は、ソフトウェアや各種情報を格納するHDD30、作業領域としてのRAM50からなる記憶部、その記憶部に格納されたソフトウェアや各種情報に基づいてPC200全体を制御する制御手段および演算手段としての図示しないCPU等の制御部で構成されたものである。
【0043】
HDD30は、本実施例で説明するプログラム(ソフトウェア)であるマニュアルビューア40、環境情報としてのOS情報48、複合機100から受信したマニュアルを保存するためのマニュアル保管領域49を備えた記憶装置である。
【0044】
RAM50は、マニュアルビューア40が処理を行う上でのデータ展開用の領域51が確保されている。
【0045】
マニュアルビューア40は、イベント処理部41、要求解析部42、接続先装置指定部43、OS情報取得部44、送信コマンド生成部45、データ送受信部46、およびファイル表示部47で構成されている。
【0046】
イベント処理部41は、マニュアルビューアの起動、装置検索、マニュアル表示、キーワード検索、装置設定、マニュアルビューアの終了等のユーザ操作のイベント3を要求として受けると、その要求を要求解析部42へ通知する。
【0047】
要求解析部42は、イベント処理部41からの要求を受け、各々の要求により各処理を呼び出す。
【0048】
接続先装置指定部43は、装置検索の要求に応じてネットワークに接続された複合機100から装置検索の対象となる複合機100を検索する。このとき、接続先装置指定部43はネットワークに接続された複合機100へ装置の検索コマンドを複合機に対しての出力4として送信する。また、その検索結果を複合機100からの入力5として受信する。
【0049】
OS情報取得部44は、PC200のOS情報48を取得し、送信コマンド生成部45を呼び出す。
【0050】
送信コマンド生成部45は、OS情報取得部44や要求解析部42から指示されたマニュアル表示、キーワード検索や装置設定の要求に応じて複合機100に対する指示データとしてのコマンドを生成する。
【0051】
データ送受信部46は、送信コマンド生成部45で生成されたコマンドであるマニュアル表示要求、キーワード検索要求、装置設定要求を複合機100に対しての出力4として複合機100へ送信、および複合機100からコマンドに対する応答としてのリプライ情報、マニュアルファイルを複合機100からの入力5として受信する。データ送受信部46は、複合機100からマニュアルデータを受信した場合、そのマニュアルデータをマニュアル保管領域49に格納し、ファイル表示部47を呼び出す。
【0052】
ファイル表示部47は、マニュアル保管領域49からマニュアルデータを抽出し、そのマニュアルデータをユーザに対しての出力6として表示部に表示する。したがって、ユーザは表示部に表示されたマニュアルデータを複合機100のマニュアルとして閲覧することができるようになっている。
【0053】
ここで、マニュアルビューア40が表示する起動画面を図10の第1の実施例におけるプログラム起動画面の説明図に基づいて説明する。
【0054】
図10において、ユーザは、起動画面上に表示された「プリンタの選択」、「マニュアル表示」、「キーワード検索」等の操作メニュー110より、所望の動作を選択することができるようになっている。また、操作方法や画面上のアイコンの意味を参照する場合、ヘルプ111をクリックすることでマニュアルビューア40のヘルプを表示することができるようになっている。このマニュアルビューア40を終了する場合は、中止112をクリックすることでマニュアルビューア40を終了することができるようになっている。
【0055】
上述した構成の作用について説明する。
【0056】
まず、図3に示すPC200のマニュアルビューア40が行う処理を図11の第1の実施例におけるプログラムの全体処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従い、図3を参照しながら説明する。
【0057】
S1a:ユーザの操作によりPC200のマニュアルビューア40が起動されると要求解析部42は、図10に示す起動画面を表示部に表示し、またOS情報取得部44は、OS情報48を取得する。
【0058】
S2a:マニュアルビューア40の起動画面が表示されるとユーザからの装置の選択(図10に示す起動画面の「プリンタの選択」)の指示に基づいて要求解析部42は複合機の選択処理を行う。図15は第1の実施例における装置選択画面の説明図であり、この装置選択画面113においてユーザは複合機の検索範囲の指定114に目的のブロードキャストアドレス(例えば、ネットワークプリンタ)やIPアドレスを選択入力し、検索ボタン115をクリックして検索を実行させる。
【0059】
選択された複合機の検索方法は、ネットワーク上から検索する方法を例として説明すると、ネットワークプリンタの検索方法としては、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを利用し、ネットワーク上の機器が所有するMIB(Management Information Base)のデータベースからオブジェクト識別子(OID)を取得するものであり、ユーザによって指定されたブロードキャストアドレスをもとにネットワーク上の機器に対して機種名やベンダ情報を取得するためのオブジェクト識別子(OID)を取得し、サポート可能な装置か否かを判定し、サポート可能な装置のみを一覧表示116してユーザに知らせる。
【0060】
ユーザは、この一覧表示116に表示された装置から目的の装置を選択するものとする。
【0061】
S3a:ユーザの操作により装置が選択されることで指示を受けた送信コマンド生成部45は、選択された装置と通信が行えるか否かを確認するためのエコーコマンド(例えば、「¥x1b%−12345X@PJL ECHO YYYYY Manual Viewer¥r¥n¥x1b%−12345X」)を生成し、データ送受信部46に処理を依頼する。
【0062】
データ送受信部46は、送信コマンド生成部45から依頼されたコマンドを選択された複合機へ送信し、その複合機からエコーリプライ情報(例えば、「@PJL ECHO YYYYY Manual Viewer」)を受信して当該複合機との接続を開始する。
【0063】
S4a:複合機との接続が開始されるとイベント処理部41は、ユーザによる操作を待機し、表示部に表示した画面でマニュアル表示が選択されると処理をS5aへ、設定が選択されると処理をS6aへ、キーワード検索が選択されると処理をS7aへ移行する。
【0064】
なお、設定の選択は表示部に表示されたマニュアル表示画面に組み込まれた各種設定項目が選択されることにより行われるものとする。また、中止ボタン112が選択されるとマニュアルビューア40の処理を終了する。
【0065】
S5a:S4aにおいてマニュアル表示が選択され、イベント処理部41がマニュアル表示のメニュー選択イベントを受信すると、要求解析部42は、まずOS情報取得部44で取得したOS情報48と、マニュアル取得用のコマンドとを生成するために、送信コマンド生成部45を呼び出す。
【0066】
送信コマンド生成部45は、OS情報48を通知するコマンド(例えば、「PJL SET MANUALVIEWER OSINFO=“OS1”」)と、マニュアル取得命令コマンド(例えば、「PJL GET MANUAL NAME=“Manual.html”」)とを生成し、データ送受信部46に通知する。
【0067】
ここで、「PJL SET MANUALVIEWER OSINFO=“OS1”」の「OSINFO」というキーがPC200の環境情報としてのOS情報を指定するための命令キーであり、本実施例では、「OS1」を指定した例を示している。また、「PJL GET MANUAL NAME=“Manual.html”」の「NAME」キーは、複合機から受信するマニュアルファイルのファイル名称を指定するための命令キーであり、本実施例では、「Manual.html」を指定した例を示している。
【0068】
データ送受信部46は、送信コマンド生成部45で生成されたコマンドを選択された複合機へ送信し、複合機で生成されたマニュアルファイル「Manual.html」を受信し、HDD30のマニュアル保管領域49にそのマニュアルファイルを保存し、ファイル表示部47を呼び出す。
【0069】
ファイル表示部47は、マニュアル保管領域49に保存されたマニュアルファイルを画面上に表示し、処理をS4aへ移行してユーザによる次の操作を待機する。
【0070】
S6a:S4aにおいて装置設定が選択され、イベント処理部41が装置設定のメニュー選択イベントを受信すると、要求解析部42は、装置設定を行うためのコマンドを生成するために、送信コマンド生成部45を呼び出す。
【0071】
送信コマンド生成部45は、装置設定コマンド(例えば、「@PJL SET DEVICESETTING ID=60 VALUE=“TESTSERVER¥SCANDATA”」)を生成し、データ送受信部46に通知する。
【0072】
ここで、「@PJL SET DEVICESETTING ID=60 VALUE=“TESTSERVER¥SCANDATA”」の「ID」というキーが装置設定を示すインデックス番号であり、図4に示すインデックス60に対応するものである。本実施例では、図4に示すインデックス60が「60」である「対象URL」(URL:Uniform Resource Locator)を指定した例を示している。また、「VALUE」というキーが装置設定の値であり、ユーザからの入力値である。本実施例では、「TESTSERVER¥SCANDATA」がユーザにより入力された例を示している。
【0073】
データ送受信部46は、送信コマンド生成部45で生成されたコマンドを選択された複合機へ送信し、複合機に対して新規の設定値を反映させ、更新されたマニュアルファイル「Manual.html」を受信し、HDD30のマニュアル保管領域49にそのマニュアルファイルを保存し、ファイル表示部47を呼び出す。
【0074】
ファイル表示部47は、マニュアル保管領域49に保存されたマニュアルファイルを画面上に表示(S5a)し、処理をS4aへ移行してユーザによる次の操作を待機する。
【0075】
S7a:S4aにおいてキーワード検索が選択され、イベント処理部41がキーワード検索のメニュー選択イベントを受信すると、要求解析部42は、キーワード検索を行うためのコマンドを生成するために、送信コマンド生成部45を呼び出す。
【0076】
送信コマンド生成部45は、キーワード検索コマンド(例えば、「@PJL SET MANUALVIEWER KEYWORD=“スキャン” NAME=“Result.html”」)を生成し、データ送受信部46に通知する。
【0077】
ここで、「@PJL SET MANUALVIEWER KEYWORD=“スキャン” NAME=“Result.html”」の「KEYWORD」というキーがキーワードを指定するための命令キーであり、本実施例では、「スキャン」をキーワードとしてユーザが入力して指定した例を示している。また、「NAME」というキーが複合機から受信するキーワード検索結果のファイル名称を指定するための命令キーであり、本実施例では、「Result.html」を指定した例を示している。
【0078】
データ送受信部46は、送信コマンド生成部45で生成されたコマンドを選択された複合機へ送信し、その複合機から指定したキーワードを含むマニュアルをマニュアルファイル「Manual.html」として受信し、HDD30のマニュアル保管領域49にそのマニュアルファイルを保存し、ファイル表示部47を呼び出す。
【0079】
ファイル表示部47は、マニュアル保管領域49に保存されたマニュアルファイルを画面上に表示(S5a)し、処理をS4aへ移行してユーザによる次の操作を待機する。
【0080】
次に、図11のS5aにおいてマニュアル表示の指示を受信した複合機が行う処理を図12の第1の実施例におけるマニュアル表示処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
【0081】
S1b:複合機100の要求解析部13は、まず新規にマニュアルを取得するのか、または装置設定による更新後の再取得なのかを判定する。要求解析部13は、PC200から受信したコマンドが、マニュアル表示コマンドの場合、新規と判定して処理をS2bへ移行し、装置設定コマンドの場合、更新後の再取得と判定して処理をS6bへ移行する。
【0082】
S2b:要求解析部13で新規にマニュアルを取得すると判定されると、マニュアル検索部14はHDD19を検索してマニュアルテンプレートとしてのマニュアル原本20を抽出し、そのマニュアル原本20をRAM23のデータ展開用の領域24に一時保管する。
【0083】
S3b:次に、要求解析部13は、OS指定のコマンド(例えば、「PJL SET MANUALVIEWER OSINFO=“OS1”」)を受信しているか否かを判定し、OS情報の有無、すなわちOSバージョンによる条件の有無を判定する。OS情報が有ると判定すると処理をS4bへ移行し、無いと判定すると処理をS6bへ移行する。
【0084】
S4b:OS情報が有ると判定すると要求解析部13は、マニュアル形成部17に処理を移行させ、マニュアル形成部17は、データ展開用の領域24に一時保管されたマニュアル原本20を開き、図7に示すファイルデータの「OS1」という識別子に基づきPC200のOSに特化したコンテンツの存否を判定し、OSに特化したコンテンツが検出できた場合は、OS情報に特化したコンテンツ以外を除外したコピーファイル、すなわち指定されたOS情報を含むコンテンツのコピーファイルを作成して処理をS6bへ移行する。
【0085】
S5b:一方、OSに特化したコンテンツが検出できなかった場合、マニュアル形成部17は、OS情報をクリアし、OSバージョンによるマニュアル原本20のフィルタ操作は行わない。この場合、OS情報によらない全コンテンツの表示が行われることになる。
【0086】
S6b:コピーファイルの生成が完了すると要求解析部13は、装置設定部16を呼び出し、マニュアル原本20の設定値の埋め込み部分に該当する設定情報22を取得する。
【0087】
ここで、埋め込み部分とは、マニュアル原本20のファイルデータ内に定義されているものであり、図16に示す例では、「TYPE」要素が「DEVICE」であり、「FUNC」要素が「VALUESET」と定義されている部分とする。
【0088】
本実施例では、取得の対象となるのは、「SET」要素で定義されている「ID番号」であり、そのID番号は図4に示す装置設定情報テーブルの機器情報の識別子としてのインデックス60に対応した値となる。例えば、図16に示す例では、「SET=51」なのでID番号は「51」であり、インデックス60が「51」である「シリアル番号」の設定情報として「AABBCC112233」を取得することになる。
【0089】
S7b:設定情報を取得した後、マニュアル形成部17に処理を移行させ、マニュアル形成部17は、取得した設定情報をコピーファイルの文章中の〔%%VALUE%%〕に埋め込むことでマニュアルデータを生成する。図17は生成されたコンテンツの例を示し、設定情報が埋め込まれた部分は「製品のシリアル番号は、「AABBCC112233」です。」となる。このようにしてマニュアル形成部17は設定情報を組み込んだマニュアルデータを生成する。
【0090】
S8b:生成されたマニュアルは、データ送信部18によりWebサーバ11を介し、PC200にファイル名を“Manual.html”としたファイル形式で送信され、複合機100のマニュアル表示処理を終了する。
【0091】
次に、図11のS6aにおいて設定の指示を受信した複合機が行う処理を図13の第1の実施例における設定処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図18を参照しながら説明する。
【0092】
図18は第1の実施例における装置設定を行うマニュアル画面の説明図であり、ユーザの操作により複合機100で読み取った原稿のスキャンデータをユーザ自身のPCまたはサーバ上の共有フォルダに保存する準備をするための画面を示している。本実施例では、この画面においてユーザが未設定である「対象URL」121に「TESTSERVER¥SCANDATA」が設定され、その設定の指示を受信した場合を説明する。
【0093】
なお、図18に示す画面はPC200の表示部に表示されるものであり、既にPC200の表示部に表示されたマニュアル表示画面に組み込まれた各種設定項目が選択されることにより表示される画面である。また、図19は装置設定を行うマニュアルデータの説明図ある。さらに、プロファイル名117、プロトコル118、ポート番号119、およびユーザ名120は設定済みであるとする。
【0094】
S1c:複合機100の要求解析部13は、自身の設定が行える状態か否かを判定し、行えない状態であると判定すると設定が行える状態になるまで待機する。ここで、設定が行えない状態とは、装置が印刷やスキャン等の他の操作で稼動している状態である。
【0095】
S2c:設定が行える状態であると判定すると要求解析部13は、PC200から受信したコマンド「@PJL SET DEVICESETTING ID=60 VALUE=“TESTSERVER¥SCANDATA”」を解析し、そのコマンドに組み込まれたID=60の設定内容を“TESTSERVER¥SCANDATA”に更新(または、設定)する指示を装置設定部16に通知する。
【0096】
その更新指示を受信した装置設定部16は、設定情報22を格納するデータテーブルのID=60(インデックスが60)の対象URLの設定に対して“TESTSERVER¥SCANDATA”という文字列データを設定値として書き込む。
【0097】
S3c:装置設定部16は、設定情報22に書き込んだ設定値と受信した設定値とを比較し、設定値の更新ができたか否かを判定する。更新に成功したと判定すると設定処理を終了し、更新に成功していないと判定すると処理をS4cへ移行する。
【0098】
S4c:更新に成功していないと判定した装置設定部16は、設定値の更新を行ってから所定の時間(例えば、1分間)が経過したか否かを判定し、その所定の時間を経過していないと判定すると処理をS3cへ移行し、設定値の更新が成功したか否かの監視を継続し、所定の時間が経過したと判定すると処理をS5cへ移行する。
【0099】
S5c:所定の時間が経過したと判定した装置設定部16は、設定値の更新に失敗したものとして処理を終了する。
【0100】
なお、新たな設定値が設定され、本設定処理を終了すると、複合機100に新たな設定値が設定されたため、PC200のマニュアルビューアはマニュアルの更新を行うため再び図11のS5aに示すマニュアル表示処理を行う。
【0101】
次に、図11のS7aにおいてキーワード検索の指示を受信した複合機が行う処理を図14の第1の実施例におけるキーワード検索処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図20を参照しながら説明する。
【0102】
図20は第1の実施例におけるキーワード検索画面の説明図であり、ユーザの操作により検索するキーワードの入力を受け付ける画面を示している。本実施例では、この画面においてユーザの操作により「スキャン」というキーワード122が入力され、そのキーワード122を検索(123)する指示を受信した場合を説明する。なお、この画面はPC200の表示部に表示されるものである。
【0103】
S1d:複合機100の要求解析部13は、PC200から受信したコマンド「@PJL SET MANUALVIEWER KEYWORD=“スキャン” NAME=“Result.html”」を解析し、「スキャン」というキーワードをキーワード検索部15へ通知する。キーワード検索部15は、キーワードが空白(16進数で“20”)で区切られている場合は、分割して抽出した単語毎に以下のS9dまでの処理を繰り返して行う。
【0104】
S2d:キーワード検索部15は、抽出した単語に基づいてマニュアル原本20内のすべてのコンテンツを対象として検索する。
【0105】
S3d:キーワード検索部15は、その単語を含むコンテンツが発見できた場合、処理をS4dへ移行し、発見できない場合は処理をS5dへ移行する。
【0106】
S4d:その単語を含むコンテンツを発見したキーワード検索部15は、そのコンテンツ名を記憶部に一時記憶して蓄積し、処理をS8dへ移行して次のコンテンツを対象とした検索を継続する。
【0107】
S5d:S3dにおいて、当該単語を含むコンテンツを発見できなかった場合、キーワード検索部15は、図6に示すキーワードデータベースから当該単語に一致する単語のインデックスを抽出し、そのインデックスの前後のインデックス番号の単語に基づいて再度マニュアル原本20内のすべてのコンテンツを対象として検索する。
【0108】
S6d:キーワード検索部15は、その単語を含むコンテンツが発見できた場合、処理をS4dへ移行し、発見できない場合は処理をS7dへ移行する。
【0109】
S7d:キーワード検索部15は、抽出したインデックスの前後のインデックス番号のすべての単語に基づく検索を行う。(S5d〜S7d)
S8d:キーワード検索部15は、S3d〜S7dの処理を繰り返して行い、抽出した単語に基づいてマニュアル原本20内のすべてのコンテンツファイルを対象として検索する。
【0110】
S9d:キーワード検索部15は、キーワードから抽出した単語毎の検索処理(S2d〜S8d)を繰り返して行い、抽出した単語毎の検索処理を終了すると処理をS10dへ移行する。
【0111】
S10d:すべてのコンテンツファイルを対象とし、抽出した単語毎の検索処理を終了したキーワード検索部15は、蓄積されたコンテンツ名に基づきそのコンテンツ名に対応したコンテンツファイルデータをデータ展開用の領域24に保存し、キーワード検索処理を終了する。
【0112】
このキーワード検索処理が完了すると、複合機100のマニュアル形成部17は、データ展開用の領域24に保存されたコンテンツファイルデータを元にマニュアルデータを生成し、データ送信部18へ通知する。なお、マニュアル形成部17は、図12のS6bと同様に、生成するマニュアルデータに設定情報22を組み込むものとする。
【0113】
データ送信部18は、通知されたマニュアルデータを、Webサーバ11を介してPC200へファイル名「Manual.html」として送信し、PC200の表示部にそのマニュアルを表示させる。
【0114】
以上説明したように、ユーザは対象となる複合機を選択するだけで、その複合機用のマニュアルやユーザ自身のPCのOS環境に最適な操作手順、さらにキーワードを用いて所望のマニュアルを参照できるため、ユーザは必要な情報のみを参照することができるようになる。
【0115】
また、ユーザは、マニュアルに記載されている操作手順の内容からリアルタイムに複合機の現在の設定状況と、まだ設定されていない設定項目を知ることができ、未設定の項目についてはマニュアル上から設定操作を行うことができるようになる。また、既に設定されている設定項目についてもマニュアル上から設定変更操作を行うことができるようになる。
【0116】
特に、複合機100を利用する前に、その複合機100に対して設置環境や利用環境に応じた各種設定を行なう場合の設定操作を容易にすることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0117】
以上説明したように、第1の実施例では、ユーザにより選択された複合機のマニュアルやユーザが操作するパーソナルコンピュータのOS環境に適合した操作手順、さらにキーワードを用いて所望のマニュアルを参照できるようにしたことにより、ユーザの利便性を向上させることができるという効果が得られる。
【0118】
また、複合機のマニュアルに現在の設定状況を表示し、未設定の項目や設定の変更を行う項目についてはマニュアルを表示した画面から設定操作を行えるようにしたことにより、さらにユーザの利便性を向上させることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0119】
第2の実施例の構成は、複合機、PCおよびサーバがインターネットを経由して通信可能に接続されたものとしている。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0120】
図21は第2の実施例における複合機、PCおよびサーバの接続形態を示す説明図である。
【0121】
図21において、複合機100と、PC200と、サーバ500とがインターネット経由で互いにアクセスすることにより、本実施例で説明する機能を利用することができるようになる。
【0122】
図22は第2の実施例における複合機の構成を示すブロック図である。
【0123】
図22において、マニュアル検索部25は、図21に示すサーバ500との間で通信を行い、すなわちサーバ500へマニュアル取得要求を通知し、そのサーバ500からの応答としてマニュアル原本を受信し、HDD19に保存するマニュアル原本20を更新するものである。
【0124】
なお、複合機100の構成は、マニュアル検索部25が第1の実施例の構成と異なり、その他の部位は上述した第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。また、PC200の構成は、上述した第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
【0125】
図23は第2の実施例におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【0126】
図23において、サーバ500は、ソフトウェアや各種情報を格納するHDD510、作業領域としてのRAM515からなる記憶部、その記憶部に格納されたソフトウェアや各種情報に基づいてサーバ500全体を制御する制御手段および演算手段としての図示しないCPU等の制御部で構成されたものである。
【0127】
HDD510には、複合機100からの要求によりマニュアル原本514をその複合機100へ配布するためのマニュアル配布プログラム511と、更新されたマニュアル原本514とが予め格納されている。
【0128】
RAM515には、マニュアル配布プログラム511が処理を行う際にデータ展開を行なうためのメモリ領域としてのデータ展開用の領域516が確保されている。
【0129】
マニュアル配布プログラム511のマニュアル検索部512は、複合機100からの要求を受信し、HDD510内からマニュアル原本514を抽出し、抽出したマニュアル原本514をデータ展開用の領域516へ一時格納する。
【0130】
マニュアル配布部513は、データ展開用の領域516に格納されたマニュアル原本514を複合機100へ送信する。
【0131】
図24は第2の実施例におけるサーバ上のマニュアル原本の格納形態を示す説明図であり、図23に示すサーバ500のHDD510のマニュアル原本514には、製品名520毎にフォルダが形成され、それぞれのフォルダには、製品用のマニュアル原本521が格納されている。
【0132】
図25は第2の実施例におけるサーバ上のマニュアル原本データの説明図であり、図23に示すサーバ500のHDD510のマニュアル原本514を図示したものである。このマニュアル原本514は、バージョン530が設けられており、そのバージョン530によりバージョン管理ができるようになっている。なお、図7に示す第1の実施例のマニュアル原本20から更新された点として、新規OSとしての「OS3」531に対応したものとなっている。
【0133】
上述した構成の作用について説明する。
【0134】
まず、図22に示す複合機100のマニュアル検索部25が行うマニュアル更新時の処理を図26の第2の実施例におけるマニュアル更新時の複合機の処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図22を参照しながら説明する。
【0135】
S1e:複合機100のマニュアル検索部25は、予め設定されている更新期間(例えば、1箇月)の時間経過を監視し、その更新期間を経過したら処理をS2eへ移行する。
【0136】
S2e:マニュアル検索部25は、設定情報22から複合機100の装置名称(図4に示すインデックス=52)を製品名として取得する。
【0137】
S3e:装置名称を取得したマニュアル検索部25は、設定情報22からマニュアルの版数を取得する。
【0138】
S4e:装置名称およびマニュアルの版数を取得したマニュアル検索部25は、サーバ500に対してマニュアル検索用のURL(例えば、http://Server001/Manuals/default.html?Model=XXXX&V=1.0)を送信し、マニュアルが更新されているか否かを問い合わせ、その応答によりマニュアルが更新されていると判定すると処理をS5eへ移行し、更新されていないと判定するとマニュアル原本20を更新することなく本処理を終了する。
【0139】
ここで、上記のURLのうち、「Model」キーは製品名を示し、「V」キーは版数を示している。
【0140】
S5e:マニュアルが更新されていると判定したマニュアル検索部25は、サーバ500上に更新された図24に示すマニュアル原本521をサーバ500からダウンロード(転送)し、マニュアル原本20をダウンロードしたマニュアル原本521に更新する。
【0141】
次に、図23に示すサーバ500が行うマニュアル取得要求処理を図27の第2の実施例におけるマニュアル取得要求時のサーバの処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図23を参照しながら説明する。
【0142】
S1f:複合機100からマニュアル取得要求としてマニュアル検索用のURL(例えば、http://Server001/Manuals/default.html?Model=XXXX&V=1.0)を受信したサーバ500のマニュアル検索部512は、そのマニュアル検索用のURLから製品名(例えば、XXXX)を抽出し、HDD510のマニュアル原本514から図24に示す製品名(例えば、XXXX520)のフォルダを辿り、マニュアル原本521を取得(検出)し、処理をS2fへ移行する。ここで、マニュアル原本521が取得(検出)できない場合は、その旨を複合機100へ通知して処理を終了する。
【0143】
S2f:マニュアル原本521を取得したマニュアル検索部512は、そのマニュアル原本521を開き、図25に示すマニュアル原本の版数530を取得し、マニュアル原本521のバージョンとマニュアル検索用のURLから抽出した版数とを比較し、版数が更新されているか否かを判定する。
【0144】
例えば、マニュアル原本521の図25に示す版数530は「2.0」であり、複合機100から受信したマニュアル検索用のURLの版数、すなわち複合機100のHDD19に格納されているマニュアル原本20の版数は「1.0」であるため、サーバ500に格納されたマニュアルが更新されていると判定する。
【0145】
S3f:サーバ500に格納されたマニュアルが更新されていると判定すると、サーバ500のマニュアル配布部513は、マニュアル原本521を複合機100に対してダウンロードさせ、複合機100へマニュアル原本521を配布して処理を終了する。
【0146】
一方、S2fにおいて、サーバ500に格納されたマニュアルが更新されていないと判定するとマニュアル配布部513は、マニュアル原本521を複合機100に対してダウンロードすることなく、処理を終了する。
【0147】
このように、複合機内のマニュアル原本を自動的に更新することにより、ユーザは常に最新版のマニュアルを参照することができるようになる。
【0148】
以上説明したように、第2の実施例では、サーバに格納されたマニュアル原本を複合機にダウンロードして複合機内のマニュアル原本を自動的に更新することにより、第1の実施例の効果に加え、ユーザは常に最新版のマニュアルを参照することができるようになるという効果が得られる。
【0149】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、電子装置を複合機として説明したが、それの限られることなく、電子装置をプリンタ、ファクシミリ、スキャナ、携帯電話や携帯情報端末等としても良い。
【符号の説明】
【0150】
10 ROM
11 Webサーバ
12 設定部
13、42 要求解析部
14 マニュアル検索部
15 キーワード検索部
16 装置設定部
17 マニュアル形成部
18 データ送信部
19、30 HDD
20 マニュアル原本
21 キーワード群
22 設定情報
23、50 RAM
24、51 データ展開用の領域
25 マニュアル検索部
40 マニュアルビューア
41 イベント処理部
43 接続先装置指定部
44 OS情報取得部
45 送信コマンド生成部
46 データ送受信部
47 ファイル表示部
48 OS情報
49 マニュアル保管領域
100 複合機
200 PC
300 ネットワーク
500 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたデータに基づいて電子処理を行う電子装置であって、
操作手順を記述した手順書情報を記憶する手順書情報記憶部と、
装置の設定情報を記憶する設定情報記憶部と、
前記手順書情報記憶部から読み出した手順書情報に前記設定情報を組み込んだ手順書情報を生成する手順書形成部と、
前記手順書情報に組み込まれた設定情報の更新または設定が指示された前記入力データに基づいて、前記設定情報記憶部の該設定情報を更新または設定する装置設定部とを有することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記入力されたデータは、キーワードを含み、
前記キーワードに基づいて前記手順書情報記憶部を検索し、該キーワードを含む手順書情報を抽出する手順書検索部を備え、
前記手順書形成部は、前記手順書検索部が抽出した手順書情報に前記設定情報を組み込んだ手順書情報を生成することを特徴とする電子装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記入力されたデータは、前記電子装置に対して操作を行う情報端末の環境情報を含み、
前記手順書形成部は、該環境情報を含む手順書情報を前記手順書情報記憶部から読み出すことを特徴とする電子装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項において、
前記設定情報は、機器情報毎に設定される設定値であることを特徴とする電子装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記手順書情報は、前記機器情報の識別子と、該識別子に対応付けられた設定値とを含むことを特徴とする電子装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記手順書形成部は、前記機器情報の識別子と、該識別子に設定値とを対応付けて前記手順書情報を生成することを特徴とする電子装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項において、
前記手順書情報記憶部に記憶された手順書情報は、サーバから転送されて更新されることを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−229032(P2011−229032A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98307(P2010−98307)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】