説明

電子装置

【課題】電子装置に収容されるバッテリの脱落を防止すること。
【解決手段】バッテリを収容する収容部を有する電子装置において、第1の穴が形成され、電子装置に形成された第1のスリットに挿通される第1の突起と、電子装置に形成された第2の穴に挿通される第2の突起とを備えた、電子装置に取り付けられる第1保持部材と、電子装置に取り付けられた状態で、第1のスリットに挿通されている第1の突起に形成された第1の穴に挿通する第3の突起と、第2の穴に挿通されている第2の突起に係合し、第1の保持部材の開閉方向の移動を規制する第4の突起と、を備える第2の保持部材と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置、特にはバッテリを収容する収容部を有する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子装置が色々な分野で使用されており、現在では列車内での発券、電力やガスの検針員による検針表の作成のために小型の携帯用プリンタが使用されている。これらの携帯用プリンタでは忙しい状態で使用されることから操作が簡単なことが要求される。
【0003】
ところで、このような携帯用プリンタは殆どの場合、固定ホルダと固定ホルダに対して回動して開くことのできる可動ホルダを有し、たとえば、ロール紙の交換の場合には、使用状態では閉じられている可動ホルダを開くようにされており、このような可動ホルダを開く動作もできるだけ簡単にすることが望まれている。
【0004】
このような目的のために、特許文献1(特開2000−118060号公報)、特許文献2(特開2000−225751号公報)に記載の装置が開発されている。ところが、上記の各公報に記載の装置では、可動ホルダの固定ホルダへの密着保持状態を解除するために作業者が力を加える部位と、その後に可動ホルダを回動させるために使用者が力を加える部位が異なり、操作が煩雑である。
一方、携帯用プリンタは固定されていないために、使用者が落としてしまうことがある。そこでこのように落下した場合に、衝撃により簡単に可動ホルダやバッテリの収容部のふたが開かないように、することも要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−118060号公報
【特許文献2】特開2000−225751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、電子装置に収容されるバッテリの脱落を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、バッテリを収容する収容部を有する電子装置において、
第1の穴が形成され、前記電子装置に形成された第1のスリットに挿通される第1の突起と、前記電子装置に形成された第2の穴に挿通される第2の突起とを備えた、前記電子装置に取り付けられる第1保持部材と、
前記電子装置に取り付けられた状態で、前記第1のスリットに挿通されている第1の突起に形成された前記第1の穴に挿通する第3の突起と、前記第2の穴に挿通されている第2の突起に係合し、前記第1の保持部材の開閉方向の移動を規制する第4の突起と、を備えた、前記電子装置に取り付けられる第2の保持部材と、
を備えたことを特徴とする、電子装置が提供される。
請求項2の発明によれば、前記第1保持部材は、前記電子装置に対して回動可能に取り付けられ、前記第4の突起は、前記第1保持部材の回動を規制するように前記第2の突起に係合するようにされている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のバッテリを収容する収容部を有する電子装置は、第1の穴が形成され、前記電子装置に形成された第1のスリットに挿通される第1の突起と、前記電子装置に形成された第2の穴に挿通される第2の突起とを備えた、前記電子装置に取り付けられる第1保持部材と、
前記電子装置に取り付けられた状態で、前記第1のスリットに挿通されている第1の突起に形成された前記第1の穴に挿通する第3の突起と、前記第2の穴に挿通されている第2の突起に係合し、前記第1の保持部材の開閉方向の移動を規制する第4の突起と、を備える第2の保持部材と、を備えている。
このように構成される電子装置では第2保持部材を外さないと第1保持部材が外れず、二重に脱落が防止され、電子装置を落下させてしまったような場合でもバッテリが脱落することは殆どない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の参考例のプリンタの全体の斜視図である。
【図2】レバーの単体の斜視図である。
【図3】第1の参考例のレバーの作用を説明する図であって、(A)は可動ホルダが閉じている状態を示し、(B)はレバーの作用による開き始めを示し、(C)は全開状態まで大きく開いた状態を示している。
【図4】第1の参考例の第1の変形例におけるレバーの単体の斜視図である。
【図5】第1の参考例の第2の変形例におけるレバーの単体の斜視図である。
【図6】第1の参考例の第2の変形例におけるレバーの作用を説明する図であって、(A)は可動ホルダが閉じている状態を示し、(B)はレバーの作用による開き始めを示し、(C)は全開状態まで大きく開いた状態を示している。
【図7】第1の参考例の第3の変形例におけるレバーの構造と作用を説明する図であって、(A)は可動ホルダが閉じている状態を示し、(B)はレバーの作用による開き始めを示し、(C)は可動ホルダを押し下げる時の操作、作動を示している。
【図8】第1の参考例の第4の変形例におけるレバーの構造と作用を説明する図であって、(A)は可動ホルダが閉じている状態を示し、(B)はレバーの作用による開き始めを示し、(C)は可動ホルダを押し下げる時の作動を示している。
【図9】(A)は第1の参考例の第5の変形例におけるレバーの構造を説明する図である。(B)は図9の(A)のIXBの方向から見た図である。
【図10】プラテンの保持の仕方を示す図であって、(A)は印字ヘッドで押さえるタイプのものを示し、(B)はプラテンの軸を側方片側から押さえるタイプのものを示し、(C)はプラテンの軸を側方両側から押さえるタイプのものを示している。
【図11】第2の参考例の構造と作用を示す図であって、(A)は開いた状態を示し、(B)は側方レバーの爪が突起に当たった状態を示し、(C)は閉じた状態を示している。
【図12】左右のレバーの連結構造を示す図である。
【図13】本発明の実施形態の側面図である。
【図14】本発明の実施形態の下面図である。
【図15】(A)第1バッテリ保持部材の単体の使用状態の姿勢における上面図である。 (B)図15のXVBの方向から見た図である。 (C)図15のXVCの方向から見た図である。 (D)第1バッテリ保持部材が挿入される固定ホルダの下面図である。
【図16】第1バッテリ保持部材の取り付け手順を示す図である。
【図17】(A)第2バッテリ保持部材の単体の使用状態の姿勢における正面図である。 (B)図17のXVIBの方向から見た図である。 (C)固定ホルダの第2バッテリ保持部材を取り付ける部分を示す図である。 (D)固定ホルダの下面に第2バッテリ保持部材を挿入した状態を下方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明によるプリンタの実施形態を説明する。
初めに第1の参考例のプリンタについて説明する。図1は第1の参考例のプリンタの全体を示す斜視図である。プリンタ1は固定ホルダ20と可動ホルダ10とを有する。固定ホルダ20は下側固定ホルダ20Aと上側固定ホルダ20Bを結合して成り、可動ホルダ10は下側固定ホルダ20Aに支点10a回りを回動できるように取り付けられている。
【0011】
そして、可動ホルダ10に略矩形の穴15が形成されていて、この穴15内に上部作動レバー100が配設されている。図2が上部作動レバー100の単体の斜視図であって、上部作動レバー100は上面部101と、作業者の指により力が加えられる力点部102と、上面部101の側端から下方に延伸する側部103を有する。側部103には支点穴104が形成されていて支点穴104は可動ホルダ10のレバー取り付け部材11(図3参照)に取りつけられた図示しないピンまたは軸に係合せしめられている。
【0012】
図3の(A),(B),(C)は上記のように構成されている第1の参考例の作動を説明する図であって、先ず図3の(A)は可動ホルダ10が閉じられている状態を示している。この時、可動ホルダ10の下面にプラテンホルダ30を介して取り付けられているプラテン50またはプラテン軸51が、印字ヘッド90(図10参照)やモータ91が配設されている駆動部筐体40の側壁41の切り欠き41a内にあるようにして、下側固定ホルダ20Aに間接的に押し付けられ保持されている。
【0013】
図10に示すのはプラテン50を上記のように下側固定ホルダ20Aに間接的に押し付け保持する可動ホルダ保持手段の幾つかの例を示すものであって、図10の(A)は印字ヘッド90をピン70a,70bで駆動部筐体40の側壁41に固定されている印字ヘッド押さえバネ70で押圧し、印字ヘッド90でプラテンを押圧するものである。図10の(B)はプラテン軸51をピン71a,71bで駆動部筐体40の側壁41に固定されているプラテン軸押さえバネ71で押圧するものである。図10の(C)はプラテン軸51を駆動部筐体40の側壁41に適当な手段で固定された樹脂製のプラテン軸押さえ部材72の一対の腕72aで挟持するものである。
上記のようにすることにより、可動ホルダ10は固定ホルダ20に対して動かないように保持されるので、印字ヘッド押さえバネ70、プラテン軸押さえバネ71、プラテン軸押さえ部材72は、可動ホルダ保持手段である。
【0014】
図3の(A)に戻って、上部作動レバー100に注目すると、その側部103の下面105が駆動部筐体40の端壁42に取り付けられたレバー力受け部材60に当接しており、上部作動レバー100の上面部101は可動ホルダ10の上面と面一な状態である。なお、上部作動レバー100は一端が可動ホルダ10のレバー取り付け部材11に固定されたリターンスプリング100aにより常時閉じる方向に付勢されている。
【0015】
この状態から作業者、あるいは、使用者が上部作動レバー100の力点部102を引き上げると、図3の(B)のように作用点部106がレバー力受け部材60に当接してテコ力が作用し、プラテン50、あるいは、プラテン軸51は図10に示したような保持状態から開放せしめられ、可動ホルダ10は支点10aを中心にして時計回りに回動することが可能となる。図3の(C)は可動ホルダ10を最大限に開いた状態を示しており、ロール紙Rの交換を容易におこなうことができる。
【0016】
ここで、この第1の参考例で特徴的なことは、プラテン50、あるいは、プラテン軸51の保持状態から開放するのと同じ部位、すなわち力点部102、を指の力を作用させながら可動ホルダ10を回動できるということである。
【0017】
図4に示すのは第1の参考例の第1の変形例の上部作動レバー110を示す斜視図であって、この第1の変形例では上部作動レバー110の側部113は連結部117を介して上面部111に取り付けられ、側部113をプリンタ1の巾方向の外側寄りの領域で作動せしめることができ、これに対応して図示しないレバー力受け部も外側寄りの領域に配置できる。
概して、巾方向の中央部分はスペースをとりにくいが、外側寄りの領域はスペースをとりやすく、このように外側寄りの領域に作動部を配置することは設計の自由度が増す。
【0018】
図5に示すのは第1の参考例の第2の変形例の上部作動レバー120を示す斜視図であって、この第2の変形例では上部作動レバー120の側部123は連結部127を介して上面部121に取り付けられているが、支点穴124にはプラテン軸51が係合している。すなわち、上部作動レバー120はプラテン軸51の回りを回転する。リターンスプリング120aの一端はプラテン支持部材30に固定されている。
【0019】
図6の(A)、(B)、(C)は上記の第1の参考例の第2の変形例の作動を図3と同様に示したものであって、第1の参考例と同様に(A)では上部作動レバー120の側部123の下面125が駆動部筐体40の側壁41に取り付けられたレバー力受け部材62に当接しているが、使用者が上部作動レバー120の力点部122を引き上げると、(B)のように作用点部126がレバー力受け部材62に当接してテコ力が作用し、プラテン50、あるいは、プラテン軸51は図10に示したような保持状態から開放せしめられ、可動ホルダ10は支点10aを中心にして時計回りに回動することが可能となる。図6の(C)は可動ホルダ10を最大限に開いた状態を示しており、ロール紙Rの交換を容易におこなうことができる。
【0020】
次に、第1の参考例の第3の変形例について説明する。図7の(A),(B),(C)が第3の変形例の上部作動レバー130の構造と作動を示す図であって、これはレバー130の側部133に凹部138を形成し、これを、可動ホルダ10を閉じ状態のときに、例えば、駆動部筐体40の側壁41に取り付けられたロックピン80に係合せしめて、閉じ状態のロックをおこなうようにしたものである。このようにすることにより、図10に示したようなプラテン50、プラテン軸51の保持機構を除去することもできる。
【0021】
図7の(B)のように、力点部132を引き上げることにより第1の参考例と同様にテコ力が作用し、ロックを解除しながら可動ホルダ10を開けることができる。図7の(C)は、可動ホルダ10を押し下げて閉じるときの操作を示しており、上部作動レバー130を引き上げないで可動ホルダ10を押し下げるとレバー130の側部133の先端がロックピン80に当接するので、ロックピン80に当接しないようになるまで上部作動レバー130を引き上げる必要がある。
【0022】
次に、第1の参考例の第4の変形例について説明する。図8の(A),(B),(C)が第4の変形例の上部作動レバー140の構造と作動を示す図である。
第3の変形例では、可動ホルダ10を閉じる時に、上部作動レバー130を引き上げる必要があったが、この第4の変形例は、これはレバー140の側部143の作用点部146を径の大きいい滑らかな円弧、あるいは斜面でもよい、にしたものである。
【0023】
このようにすることにより、可動ホルダ10を押し下げて閉じるときに図8の(C)に示すように、作用点部146がロックピン80に摺接しながら上部作動レバー140が自動的に引き上げ方向に回動していき、第3の変形例のように上部作動レバー140を引き上げなくても可動ホルダ10を押し下げて閉じることができる。
【0024】
次に、第1の参考例の第5の変形例について説明する。上記の第4の変形例はでは、可動ホルダ10を閉じるときに上部作動レバー140を引き上げなくてもよいが、そのために、作用点部146をあまり大きく突出させることができず、ロック作用が弱くなる可能性がある。そこで、この第5の変形例では、ロック部分とテコ力を発生させる部分を分離してある。
【0025】
図9の(A)が第5の変形例の上部作動レバー150の構造を示す側面図であり、(B)は(A)のIXB方向から見た図である。図9の(A)、(B)に示されるように上部作動レバー150の側部153の下側には、巾方向の内側にテコ力発生用の作用点155Aが形成され、外側に押し下げ時にピンロック80に自動的に係合可能なロック用先端部155Bが形成されている。
【0026】
したがって、可動ホルダ10を開く場合には上部作動レバー150を引き上げると作用点155Aにテコ力が作用し、可動ホルダ10を閉じる場合はロック用先端部155Bがロックピン80の外面に摺接していき自動的にロックがおこなわれる。そして、ロック用先端部155Bは単独に形状を決定できるので充分にロックがおこなわれるようにすることができる。
【0027】
次に、第2の参考例について説明する。この第2の参考例は、第1の参考例、および、その各変形例とは異なり、可動ホルダ10を引き上げるためのレバーが上面ではなく側面に設けられている。
図11の(A),(B),(C)が、この第2の実施の形態の構造と作動を説明する図である。
【0028】
先ず、可動ホルダ10を開いた状態を示す(A)を参照して、その構造を説明する。可動ホルダ10に側部レバー取り付け部材12が固定され、側部レバー取り付け部材12には、プラテン支持部材52を介してプラテン50が取り付けられ、また、側部レバー200が支点200aの回りを回動可能に取り付けられている。
【0029】
側部レバー200は下側固定ホルダ20Bの方に延伸する第1アーム201と、第1アームに略直角に可動ホルダ10の支点10aと反対側に延伸する第2アーム202を有する。第1アーム201の先端部には可動ホルダ10の支点10aの側に延伸する爪203が設けられている。第2アーム202の下面にはノブ210が取り付けられ、ノブ210は作業者がアクセスできるように巾方向の外側に突出している。また、第2アーム202と可動ホルダ10の下面の間にはバネ220が配設されている。
【0030】
なお、図11に示されるように、側部レバー200は巾方向の両側に配設され、両者は連結部材205により連結されている。この実施の形態ではノブ210は片側にのみ設けられているが両側に設けてもよい。
一方、下部固定ホルダ20Bの駆動部筐体40と支点10aの間に垂直壁45が立設され、垂直壁45には巾方向外側に突出する突起46が設けられている。
【0031】
図11の(A)の状態から、可動ホルダ10を押し下げると、側部レバー200の第1アーム201の先端部の爪203の先端側の斜めに形成された下面204が、突起46の上側面に当接し、側部レバー200は(B)に示されるようにバネ220を圧縮しながら支点200aの回りを時計回りに回動する。そして、爪203の先端が突起46の図中左側の面を摺動しながら下部固定ホルダ20Bに向かって移動し、やがて、(C)に示されるように、爪203の上面が突起46の下面より下まで移動した時点で爪203は突起46の下側に入り込み、可動ホルダ10はロックされる。
【0032】
逆に、図11の(C)の状態から可動ホルダ10を開く場合には、ノブ210に上向きの力を加えるだけでよい。そうすると、側部レバー200が支点200aの回りを図中時計回りに回転し、第1アーム201の爪203の先端が突起46の左側の面よりも左側に移動し、爪203と突起46の係合が解除され、さらに、ノブ210に上向きの力を加えることにより、可動ホルダ10を開くことができる。
【0033】
このように、この第2の参考例は、第1の参考例よりも、より確実にロックができる。したがって、図10に示したようなプラテン50、プラテン軸51の保持機構を除去することがより確実に可能となる。
また、第1の参考例、および、その各変形例と同様に、ロック状態から開放するときに加える力と、可動ホルダ10を回動するために加える力の方向が同一であり、開放作業が容易である。
【0034】
次に、本発明の実施形態について説明する。この実施形態は、たとえば、プリンタ1を落下したような場合に、プリンタ1の内部に収容されているバッテリが脱落しないようにするものである。
図13、14は、本発明の実施形態のプリンタ1の側面図、及び、下面図であって、下側固定ホルダ20Aの下面に第1バッテリ保持部材300が、側部に第2バッテリ保持部材400が着脱可能に取り付けられている。
【0035】
図15の(A)は第1バッテリ保持部材300を図14のXVAの方向から見た図であって、外側板部材301の内側に、第1突出部310、第2突出部320、第3突出部330を取り付けたものである。
第1突出部310は台形板311に長穴312を形成してなる。第2突出部320は基部321と基部321から上方に延伸する中間部322と中間部から図中右側に突出する爪部323、および、爪部323の下方に位置する弓状のバネ部324を有する。第3突出部330は補強部332で補強され細く柱状に延伸する柱状部331と柱状部331の先端から図中右方向に突出する爪部333とから成る。
【0036】
第4突出部340は支点突起342を有する支点部材341と支点部材341の回りを囲むガイド部材343を有する。図15の(B)は(A)のXVB方向から見た図であって、(C)は(A)のXVC方向から見た図であって、支点突起342は支点部材341から片側にのみ突出している。
【0037】
図15の(D)は第1バッテリ保持部材300が取り付けられる下側固定ホルダ20Aの下面を示す図であって、第1バッテリ保持部材300の第1突出部310が挿入される第1スリット21、第2突出部320が挿入される第2スリット22、穴23、第1バッテリ保持部材300を保護するための下方に外側板部材301と略同じ厚さだけ突出している第1保護突起24、第2保護突起25、および、第4突出部340の支点部材341が挿入される切り欠き26、支点突起342が係合する穴28が形成されている薄い厚さの支点突起係合部材27が形成されている。
【0038】
図16は第1バッテリ保持部材300を下側固定ホルダ20Aに取り付ける手順を示したものである。
先ず、図16の(A)に示すように第2突出部320の爪部323を第2スリット22の図中右端を画成している第2スリット第1端部部材22aの内側に引っ掛ける。この時、第3突出部330の爪部333は穴23内に挿入される。
【0039】
次いで、(B)に示されるように第2スリット第1端部部材22aの内側に引っ掛けられた第2突出部320の爪部323を中心にして、図中時計回りに回動させ第4突出部材340を切り欠き26(図15の(D)参照)に挿入し、第4突出部材340の支点突起342を支点突起係合部材27の穴28に係合させる。次いで、(C)に示されるように、支点突起342を中心に図中反時計回りに回動させて第2突出部320を第2スリット22に、第3突出部330を穴23内に完全に押し込む。この時、第1突出部310は自動的に第1スリット21内に挿入される。
(D)に示されるのはバッテリBを挿入後に第1バッテリ保持部材300を上記のようにして装着した状態を第2バッテリ保持部材400を装着しない状態で第2バッテリ保持部材400を取り付ける穴から見たものである。
【0040】
次に、図17の(A)、(B)、(C)を参照して第2バッテリ保持部材400について説明する。
(B)に示されるように第2バッテリ保持部材400は、外側板部材401と、外側板部材401の内側に中間部402を介して一体に配設される内側板部材403を有し、内側板部材403にはそれぞれ内側に延伸する第1突起部材410、第2突起部材420、第3突起部材430が形成されている。第2突起部材420、第3突起部材430は(A)に示されるように断面が十字状である。
【0041】
外側板部材401の一方の端部には第4突起部材440が付設され、第4突起部材440は外側板部材401から内側に延伸する第1部分441と、第1部分の内側端部から外側に延伸する第2部分442、第2部分442の外側端部に付設された爪部分443を有する。
第4突起部材440とは反対側の内側板部材403には爪状の第5突起部材450が付設されている。
【0042】
中間部402の周囲は窪みになっているので、この窪みを利用してゴムからなるシール部材460が取り付けられている。ゴムひも470は第2バッテリ保持部材400の紛失を防ぐためのもので一端が第2突起部材420に固定され、他端は下側固定ホルダ20Aに固定されている(図17の(D)参照)。
【0043】
図17の(C)は下側固定ホルダ20Aに形成されている第2バッテリ保持部材400の取り付け部29を示す図であって、29a〜29dはシール部材460が当たるシール受け部であって、その内側の29eはバッテリBが挿入されるバッテリ挿入空間である。図中左側のシール受け部29bは第2バッテリ保持部材400の第5突起部材450が係合できるように内側は抉られている。
参照符号29fで示されるのは第2バッテリ保持部材400の第4突起部材440が挿入される開口部であって内部において穴23とつながっている。参照符号29gで示されるのは第4突起部材440の爪443が係合する突起である。
【0044】
図17の(D)は、バッテリBをバッテリ挿入空間29eに挿入後、第1バッテリ保持部材300を装着し、さらに、第2バッテリ保持部材400を装着した状態を下側見た図である。
この状態で、第2バッテリ保持部材400の第1突起部材410が第1バッテリ保持部材300の第1部材310の穴312に係合し、第2バッテリ保持部材400の第4突起部材440が第1バッテリ保持部材300の第3部材330の爪333の下面側に位置する。
【0045】
したがって、第2バッテリ保持部材400を回動して開かない限り第1バッテリ保持部材300を外すことはできない。そして、第2バッテリ保持部材400は第4突起部材440の爪443を手動で突起29gから外すことが必要であるので、単なる落下だけではバッテリBは外れることがない。
【0046】
また、第2バッテリ保持部材400の第2突起部材420、第3突起部材430、第1バッテリ保持部材の第2突起部320もバッテリBが外側に出るのを阻止し、バッテリBの動きを阻止している。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は電子装置、特に携帯用電子装置への適用に適している。
【符号の説明】
【0048】
1 プリンタ
10 可動ホルダ
11 上部レバー取り付け部材
12 側部レバー取り付け部材
15 穴
20 固定ホルダ
21 第1スリット
22 第2スリット
22a 第2スリット第1端部部材
23 穴
20A 下側固定ホルダ
20B 上側固定ホルダ
24,25 第1,2保護突起
26 切り欠き
27 支点突起係合部材
28 穴
29 第2バッテリ保持部材取り付け部
29a〜29d シール受け部
29e バッテリ挿入空間
29f 開口部
29g 突起
30 プラテンホルダ
40 駆動部筐体
41 駆動部側壁
50 プラテン
51 プラテン軸
60,61,62,63,64,65 レバー力受け部
70 印字ヘッド押さえバネ
71 プラテン軸押さえバネ
72 プラテン軸押さえ部材
80 ロックピン
90 印字ヘッド
91 モータ
100,110,120,130,140,150 上部レバー
101,111,121,131,141,151 上面部
102,112,122,132,142,152 力点部
103,113,123,133,143,153 側部
104,114,124,134,144,154 支点穴
105,115,125,135,145,155 下面部
106,116,126,136,146,156 作用点部
117,127 連結部
200 側部レバー
200a 支点
201 第1レバー
202 第2レバー
203 爪
204 爪下面
205 連結部材
210 ノブ
220 バネ
300 第1バッテリ保持部材
301 外側板部材
310 第1突出部
320 第2突出部
323 爪部
324 バネ部
330 第3突出部
333 爪部
340 第4突出部
341 支点部材
342 支点突起
343 ガイド部材
400 第2バッテリ保持部材
401 外側板部材
402 中間部
403 内側板部材
410 第1突起部材
420 第2突起部材
430 第3突起部材
440 第4突起部材
443 爪部分
450 第5突起部材
460 シール部材
470 ゴムひも

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを収容する収容部を有する電子装置において、
第1の穴が形成され、前記電子装置に形成された第1のスリットに挿通される第1の突起と、前記電子装置に形成された第2の穴に挿通される第2の突起とを備えた、前記電子装置に取り付けられる第1保持部材と、
前記電子装置に取り付けられた状態で、前記第1のスリットに挿通されている第1の突起に形成された前記第1の穴に挿通する第3の突起と、前記第2の穴に挿通されている第2の突起に係合し、前記第1の保持部材の開閉方向の移動を規制する第4の突起と、を備えた、前記電子装置に取り付けられる第2の保持部材と、
を備えたことを特徴とする、電子装置。
【請求項2】
前記第1保持部材は、前記電子装置に対して回動可能に取り付けられ、
前記第4の突起は、前記第1保持部材の回動を規制するように前記第2の突起に係合する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−79702(P2012−79702A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239613(P2011−239613)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【分割の表示】特願2009−133278(P2009−133278)の分割
【原出願日】平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】