説明

電子装置

【課題】多方向入力ユニットの操作性を向上させる。
【解決手段】携帯電話機は、基板と、リング状に形成され、リングの中心軸周りに回転可能に基板上に設けられたリングマグネットとを備える。また、携帯電話機は、基板とリングマグネットとの間に設けられ、リングマグネットの回転に伴う磁界の変化に応じた信号を出力する2つの磁力センサを備える。また、携帯電話機は、磁力センサから出力される信号に基づいてリングマグネットの回転方向を判定する回転判定部178を備える。また、携帯電話機は、基板とリングマグネットとの間に設けられたコイルと、コイルに流す電流の強さ及び向きの少なくとも一方を変化させるコイル電流制御部180とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの携帯電子装置において、ユーザの操作入力を受け付ける入力インターフェースとして、回転操作型のエンコーダを有する多方向入力ユニットが用いられている。携帯電子装置は、多方向入力ユニットに対するユーザの回転操作に応じて、例えば表示画像をスクロールさせるなどの制御を行う。
【0003】
多方向入力ユニットは、磁石のN極とS極とが交互に連続して設けられてリング状に形成されたリングマグネットを備える。リングマグネットは、ユーザの回転操作に対応してリングの中心軸周りに回転可能に基板上に設けられる。また、多方向入力ユニットは、リングマグネットの回転による磁界の変化に応じた信号を出力するMR(Magnetic Resonance)センサを少なくとも2つ備える。携帯電子装置は、MRセンサから出力される信号に基づいて、リングマグネットの回転方向つまりユーザによる回転操作の回転方向を判定する。
【0004】
このような多方向入力ユニットにおいては、基板とリングマグネットとの間にN極又はS極に固定された固定マグネットを設けることにより、多方向入力ユニットを回転させた際にユーザにクリック感を与えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−296006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術は、多方向入力ユニットの操作性を向上させることについて考慮されていない。
【0007】
例えば、多方向ユニットを回転させる際にユーザが感じるクリック感は、固定マグネットとリングマグネットとの間に発生する引力と斥力によって得られるものである。例えば固定マグネットとして永久磁石を使用した場合、クリック感は固定されてしまい、ユーザの好みに応じてクリック感を変更させることは難しい。
【0008】
また、リングマグネットに形成されたN極及びS極の数によって、多方向入力ユニットを1周させた時のカウント数が固定されるため、多方向入力ユニットの1周に対応するカウント数をユーザの好みに応じて変更することは難しい。その結果、例えば1週のカウント数が小さい場合には、表示部に表示された画面を大きくスクロールさせたいときに、多方向入力ユニットを何周も回転させなければならないので、使い勝手の面で好ましくない。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、多方向入力ユニットの操作性を向上させることができる電子装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する電子装置は、一つの態様において、基板と、リング状に形成され、リングの中心軸周りに回転可能に前記基板上に設けられたリングマグネットとを備える。また、電子装置は、前記基板と前記リングマグネットとの間に設けられ、前記リングマグネットの回転に伴う磁界の変化に応じた信号を出力する少なくとも2つの磁力センサを備える。また、電子装置は、前記磁力センサから出力される信号に基づいて前記リングマグネットの回転方向を判定する回転判定部を備える。また、電子装置は、前記基板と前記リングマグネットとの間に設けられたコイルを備える。また、電子装置は、前記コイルに流す電流の強さ及び向きの少なくとも一方を変化させるコイル電流制御部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する電子装置の一つの態様によれば、多方向入力ユニットの操作性を向上させることができる電子装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】図2は、多方向入力ユニットの部品構成を示す図である。
【図3】図3は、多方向入力ユニットの断面を示す図である。
【図4】図4は、携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図5】図5は、携帯電話機の機能ブロックを示す図である。
【図6A】図6Aは、多方向入力ユニットの基本構成を説明するための図である。
【図6B】図6Bは、多方向入力ユニットの基本動作を説明するための図である。
【図6C】図6Cは、多方向入力ユニットの基本動作を説明するための図である。
【図6D】図6Dは、多方向入力ユニットの基本動作を説明するための図である。
【図7A】図7Aは、クリック感を可変した多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。
【図7B】図7Bは、クリック感を可変した多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【図8A】図8Aは、アシスト機能を備えた多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。
【図8B】図8Bは、アシスト機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【図9A】図9Aは、8カウント時の多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。
【図9B】図9Bは、8カウント時の多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【図10】図10は、8カウント時の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図11A】図11Aは、16カウント時の多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。
【図11B】図11Bは、16カウント時の多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【図12】図12は、16カウント時の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図13A】図13Aは、32カウント時の多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。
【図13B】図13Bは、32カウント時の多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【図14】図14は、32カウント時の多方向入力ユニットの動作を示すフローチャート及び表である。
【図15A】図15Aは、自動回転機能を備えた多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。
【図15B】図15Bは、自動回転機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【図16】図16は、自動回転時の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図17A】図17Aは、自動回転を停止する機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【図17B】図17Bは、自動回転を停止する機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する電子装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。例えば、以下の実施形態では、電子装置の一例として携帯電話機を挙げて説明するが、これに限らず、多方向入力ユニットを備えた電子装置であればよい。
【0014】
図1は、携帯電話機の外観を示す図である。図1に示すように、本実施形態の携帯電話機100は、筐体110と、筐体110に形成された開口部分に設けられた表示部120とを備える。また、携帯電話機100は、表示部120の下部に設けられた多方向入力ユニット150と、多方向入力ユニットを囲むフロントキーモジュール170とを備える。
【0015】
図2は、多方向入力ユニットの部品構成を示す図である。図3は、多方向入力ユニットの断面を示す図である。図2,3に示すように、多方向入力ユニット150は、基板152と、基板152上に設けられたドームスイッチ156と、基板152上に設けられたMRセンサ154a,154bとを備える。ドームスイッチ156とMRセンサ154a,154bは、基板152上に設けられたラバー153に覆われており、ラバー153には、ドームスイッチ156を押圧する押し子153aが形成されている。
【0016】
また、多方向入力ユニット150は、ラバー153上に設けられたリング状の基台158と、基台158に設けられた固定マグネット160と、基台158に設けられたコイル162とを備える。また、多方向入力ユニット150は、押し子153aを介してドームスイッチ156を押圧する操作ボタン164と、基台158と同心状に設けられたリングマグネット166と、基台158及びリングマグネット166を覆う操作体168とを備える。なお、図2では、基台158に、固定マグネット160とコイル162とがそれぞれ1つ設けられる例を示したが、これには限られない。固定マグネット160とコイル162は、以下に説明するように、種々の態様で設けられる。また、図3では、説明の便宜上、MRセンサ154とコイル162を同一断面に図示しているが、実際には以下に説明するように、MRセンサ154とコイル162は同一断面には位置しない。
【0017】
図4は、携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。図4に示すように、本実施形態の携帯電話機100は、アンテナ102、無線部104、マイク106、スピーカ108、及び音声入出力部112を備える。また、携帯電話機100は、メモリ130、表示部120、キー制御部138、及びプロセッサ140を備える。
【0018】
無線部104は、アンテナ102を介して音声や文字などの各種データの無線通信を行う。また、音声入出力部112は、マイク106を介して音声を入力するとともにスピーカ108を介して音声を出力する入出力インターフェースである。
【0019】
メモリ130は、携帯電話機100の各種機能を実行するためのデータを格納するROM(Read Only Memory)132と、各種機能を実行するための各種プログラムを格納するRAM(Random Access Memory)134とを有する。表示部120は、文字や画像などの各種情報を表示する液晶パネルなどの出力インターフェースである。キー制御部138は、携帯電話機100に設けられたキーによる入力操作を受け付ける入力インターフェースである。
【0020】
プロセッサ140は、ROM132又はRAM134に格納された各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等の演算処理部である。プロセッサ140は、ROM132又はRAM134に格納された各種プログラムを実行することにより、上述した無線部104、音声入出力部112、表示部120、およびキー制御部138を制御する。なお、プロセッサ140で実行されるプログラムは、ROM132又はRAM134に格納されるだけではなく、CD(Compact Disc)−ROMやメモリ媒体等の頒布できる記録媒体に記録しておき、記録媒体から読み出して実行することができる。また、ネットワークを介して接続されたサーバにプログラムを格納し、サーバ上でプログラムが動作するようにしておいて、ネットワークを介して接続される携帯電話機100からの要求に応じてサービスを要求元の携帯電話機100に提供することもできる。
【0021】
図5は、携帯電話機の機能ブロックを示す図である。図5に示すように、携帯電話機100は、無線制御部170、表示制御部172、入力制御部174、センサ信号検出部176、回転判定部178、及びコイル電流制御部180を備える。
【0022】
無線制御部170は、無線部104を制御することにより、基地局を介して通信相手の携帯電話機等と音声や文字などの各種データの無線通信の制御を行う。表示制御部172は、メモリ130に格納された文字や画像などの各種情報を表示部に表示するための制御を行う。入力制御部174は、キー制御部138を介して入力されたユーザの入力操作を受け付ける制御を行う。
【0023】
センサ信号検出部176は、MRセンサ154a,154bから出力される信号を検出する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号に変化したときのMRセンサ154bの出力に応じてリングマグネット166の回転方向を判定する。コイル電流制御部180は、コイル162に流す電流の大きさ及び向きの少なくとも一方を制御する。センサ信号検出部176、回転判定部178、及びコイル電流制御部180の詳細は後述する。なお、これらの各機能ブロックは、図4に示したメモリ130に格納された各種のプログラムが、図4に示したプロセッサ140により実行されることにより起動されるプロセスの例を示したものである。
【0024】
次に、多方向入力ユニットの基本構成及び基本動作を説明する。図6Aは、多方向入力ユニットの基本構成を説明するための図である。図6B〜図6Dは、多方向入力ユニットの基本動作を説明するための図である。
【0025】
図6Aに示すように、リングマグネット166は、N極とS極とが交互に連続して設けられてリング状に形成されている。また、リングマグネット166の下部には、N極に固定された固定マグネット160と、MRセンサ154a,154bが設けられる。本実施形態は、リングマグネット166にN極とS極とがそれぞれ8つ設けられる例を示したが、これには限られない。
【0026】
図6Aの例では、MRセンサ154aがリングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、MRセンサ154bがリングマグネットのN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。また、固定マグネット160は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられる。リングマグネット166はユーザの操作によって回転するので、例えばMRセンサ154bがリングマグネットのN極又はS極の位置に対応する際には、固定マグネット160及びMRセンサ154aがリングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応する。
【0027】
また、本実施形態は、固定マグネット160がN極に固定されているので、図6Aのように固定マグネット160のN極とリングマグネットのS極が引き合っている状態で安定しており、クリック感が得られる。図6Aの例では、ユーザがリングマグネット166を1周させるとS極の数の8回クリック感が得られる。
【0028】
図6Bに示すようにリングマグネット166が回転してMRセンサ154aの真上にリングマグネット166のN極が位置する際に、MRセンサ154aはリングマグネット166のN極を検出してL(Low)信号を出力する。続いて、図6Bの矢印で示した方向にリングマグネット166が回転してMRセンサ154aの真上にリングマグネット166のN極とS極の中間が位置する際には、MRセンサ154aはL信号の出力を保持する。
【0029】
一方、リングマグネット166がさらに回転してMRセンサ154aの真上にリングマグネット166のS極が位置する際には、MRセンサ154aはリングマグネット166のS極を検出してH(High)信号を出力する。続いて、リングマグネット166が回転してMRセンサ154aの真上にリングマグネット166のN極とS極の中間が位置する際には、MRセンサ154aはH信号の出力を保持する。このようにして、MRセンサ154aは、リングマグネット166の回転に応じてH信号とL信号を交互に連続して出力する。MRセンサ154bも同様である。
【0030】
図6Cは、リングマグネット166が時計回りに回転した際の、リングマグネット166のN極及びS極と、MRセンサ154a,154bとの位置関係を示すものである。図6Cの(1)に示すように、MRセンサ154aの真上にリングマグネットのS極が位置する際には、MRセンサ154bの真上にリングマグネットのN極とS極の中間が位置する。図6Cの(2)に示すように、リングマグネット166が回転して、MRセンサ154aの真上にリングマグネットのN極とS極の中間が位置する際には、MRセンサ154bの真上にリングマグネットのS極が位置する。図6Cの(3)に示すように、リングマグネット166がさらに回転して、MRセンサ154aの真上にリングマグネットのN極が位置する際には、MRセンサ154bの真上にリングマグネットのN極とS極の中間が位置する。図6Cの(4)に示すように、リングマグネット166がさらに回転して、MRセンサ154aの真上にリングマグネットのN極とS極の中間が位置する際には、MRセンサ154bの真上にリングマグネットのN極が位置する。このように、リングマグネット166のN極及びS極と、MRセンサ154a,154bとの位置関係は、図6Cの(1)〜(4)を繰り返す。
【0031】
図6Dは、リングマグネット166が時計回りに回転した場合と反時計回りに回転した際のMRセンサ154a,154bの出力を示すものである。リングマグネット166が時計回りの場合は、図6Dの上段の(1)〜(4)のように、リングマグネット166の回転に伴って、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した後、MRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化する。続いて、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した後、MRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号に変化したときのMRセンサ154bの出力に応じてリングマグネット166の回転方向を判定する。回転判定部178は、図6D上段のように、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号に変化したときに、MRセンサ154bの出力がL信号の場合には、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0032】
一方、リングマグネット166が反時計回りの場合は、図6Dの下段の(1)〜(4)のように、リングマグネット166の回転に伴って、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した後、MRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化する。続いて、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した後、MRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化する。回転判定部178は、図6D下段のように、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号に変化したときに、MRセンサ154bの出力がH信号の場合には、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。
【0033】
次に、クリック感を可変した多方向入力ユニットについて説明する。図7Aは、クリック感を可変した多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。図7Bは、クリック感を可変した多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【0034】
図7Aに示すように、リングマグネット166の下部には、N極に固定された固定マグネット160と、MRセンサ154a,154bと、コイル162が設けられる。コイル162は、コイル電流制御部180によって交流電流を流すことで磁力を発生する電磁石である。図7Aの例では、MRセンサ154aがリングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、MRセンサ154bがリングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。また、固定マグネット160は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、コイル162は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられる。リングマグネット166はユーザの操作によって回転するので、例えばMRセンサ154bがリングマグネットのN極又はS極の位置に対応する際には、固定マグネット160、コイル162及びMRセンサ154aがリングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応する。
【0035】
図7Aは、コイル電流制御部180によってコイル162がN極の磁石となるように電流を流す例を示すものである。そして、固定マグネット160はN極に固定されているので、図7Aのように固定マグネット160のN極とリングマグネット166のS極、及びコイル162のN極とリングマグネット166のS極が引き合っている状態で安定しており、クリック感が得られる。
【0036】
図7Bは、リングマグネット166が反時計回りに回転した場合のMRセンサ154a、154bの出力、及びコイル162に流す電流を示すものである。図7Bに示すように、コイル162にコイル電流制御部180によって電流を流している間はコイル162がN極の磁石となるので、例えば図6Aのように固定マグネット160を設置するだけの場合に比べて、リングマグネット166のS極を引き付ける力が強くなる。また、コイル電流制御部180によってコイル162に流す電流の大きさを変えることによって、リングマグネット166のS極を引き付ける力を変えることができる。言い換えれば、コイル電流制御部180は、コイル162に流す電流の強さを変化させることにより、コイル162の磁極と、リングマグネット166のコイル162の磁極とは異なる磁極とによって発生するクリック感を変化させることができる。
【0037】
よって、例えばユーザの好みの設定に応じて、クリック感を可変して、多方向入力ユニットの操作性を向上させることができる。なお、図7Aは、固定マグネット160を設置する例を示したが、固定マグネット160を設置しなくてもよい。固定マグネット160を設置しない場合は、コイル162に電流を流さないことで、クリック感をなしに設定することもできる。一方、永久磁石である固定マグネット160と併用することにより、コイル162に電流を流さなくても最低限のクリック感を得られる様にすることができる。
【0038】
次に、アシスト機能を備えた多方向入力ユニットについて説明する。図8Aは、アシスト機能を備えた多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。図8Bは、アシスト機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【0039】
図8Aに示すように、リングマグネット166の下部には、N極に固定された固定マグネット160と、MRセンサ154a,154bと、コイル162が設けられる。コイル162は、コイル電流制御部180によって交流電流を流すことで磁力を発生する電磁石である。図8Aの例では、MRセンサ154aがリングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、MRセンサ154bがリングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。また、固定マグネット160は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、コイル162は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられる。リングマグネット166はユーザの操作によって回転するので、例えばMRセンサ154bがリングマグネットのN極又はS極の位置に対応する際には、固定マグネット160、コイル162及びMRセンサ154aがリングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応する。
【0040】
図8Bは、リングマグネット166が反時計回りに回転した場合のMRセンサ154a、154bの出力、及びコイル電流制御部180によってコイル162に流す電流を示すものである。図8Bに示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162がN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162はN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162のN極に引き付けられてすばやく回転する。その結果、リングマグネット166の回転がアシストされる。言い換えれば、コイル電流制御部180は、リングマグネット166の回転に応じて、コイル162の磁極がコイル162の上部に接近するリングマグネット166の磁極とは異なる磁極になるようにコイル162に流す電流を制御する。
【0041】
これによれば、多方向入力ユニットの回転の初めは抵抗感を感じず、ある程度回してからは自動的に所定の位置にリングマグネット166が移動することで、ユーザが多方向入力ユニットを回転させることを補助することができる。その結果、多方向入力ユニットの操作性を向上させることができる。また、コイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化してすぐにコイル162への通電を停止せず、所定の時間αが経過してからコイル162への通電を停止する。これによれば、リングマグネット166が惰性で回転しないようにすることができる。
【0042】
次に、多方向入力ユニットが1周する間に8カウントを検出する場合の例を説明する。図9Aは、8カウント時の多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。図9Bは、8カウント時の多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【0043】
図9Aに示すように、リングマグネット166の下部には、N極に固定された固定マグネット160と、MRセンサ154a,154bと、コイル162が設けられる。コイル162は、コイル電流制御部180によって交流電流を流すことで磁力を発生する電磁石である。図9Aの例では、MRセンサ154aがリングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、MRセンサ154bがリングマグネットのN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。また、固定マグネット160は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、コイル162は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられる。リングマグネット166はユーザの操作によって回転するので、例えばMRセンサ154bがリングマグネットのN極又はS極の位置に対応する際には、固定マグネット160、コイル162及びMRセンサ154aがリングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応する。
【0044】
図9Bは、リングマグネット166が時計回り及び反時計回りに回転した場合のMRセンサ154a、154bの出力、及びコイル電流制御部によってコイルに流す電流を示すものである。図9Bの上段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162がN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162はN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162のN極に引き付けられてすばやく回転する。その結果、リングマグネット166の回転がアシストされる。また、コイル電流制御部180は、リングマグネット166が惰性で回転しないように、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化してすぐにコイル162への通電を停止せず、所定の時間αが経過してからコイル162への通電を停止する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がL信号であるので、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0045】
一方、図9Bの下段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162がN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162はN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162のN極に引き付けられてすばやく回転する。その結果、リングマグネット166の回転がアシストされる。また、コイル電流制御部180は、リングマグネット166が惰性で回転しないように、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化してすぐにコイル162への通電を停止せず、所定の時間αが経過してからコイル162への通電を停止する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号であるので、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。このように、回転判定部178は、第1のカウントモードとして、MRセンサ154aによってリングマグネット166のN極又はS極が検出された際の、MRセンサ154bの出力に応じてリングマグネット166の回転方向を検出する。
【0046】
図10は、8カウント時の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。まず、センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、MRセンサ154bの出力の変化とは、L信号からH信号への変化と、H信号からL信号への変化の両方を含むものとする。センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されるまで、ステップS101の処理を繰り返す(ステップS101、No)。コイル電流制御部180は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されたら(ステップS101、Yes)、コイル162に電流を流し始める(ステップS102)。
【0047】
続いて、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したか否かを判定する(ステップS103)。センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されるまでステップS103の処理を繰り返す(ステップS103、No)。コイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら(ステップS103、Yes)、所定時間αが経過した後にコイル162へ流す電流をオフする(ステップS104)。
【0048】
一方、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら(ステップS103、Yes)、MRセンサ154bの出力を確認する(ステップS105)。回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がL信号の場合は、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定して(ステップS106)、ステップS101の処理へ戻る。また、回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がH信号の場合は、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定して(ステップS107)、ステップS101の処理へ戻る。このように回転判定部178は、MRセンサ154aの立ち上がり変化が検出された際のMRセンサ154bの出力によって回転を判定する。よって、回転判定部178は、リングマグネット166が1周する間に、リングマグネット166のS極の数に対応する8カウントを検出することになる。
【0049】
次に、多方向入力ユニットが1周する間に16カウントを検出する場合の例を説明する。図11Aは、16カウント時の多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。図11Bは、16カウント時の多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【0050】
図11Aに示すように、リングマグネット166の下部には、MRセンサ154a,154bと、コイル162が設けられる。コイル162は、コイル電流制御部180によって交流電流を流すことで磁力を発生する電磁石である。図11Aの上段の例では、MRセンサ154aがリングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、MRセンサ154bがリングマグネットのN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。また、コイル162は、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられる。リングマグネット166はユーザの操作によって回転するので、図11Aの下段に示すように、例えばMRセンサ154aがリングマグネット166のN極の位置に対応する際には、MRセンサ154bはリングマグネット166のN極とS極との間の位置に対応し、コイル162はリングマグネット166のN極の位置に対応する。
【0051】
図11Bは、リングマグネット166が時計回り及び反時計回りに回転した場合のMRセンサ154a、154bの出力、及びコイル電流制御部180によってコイル162に流す電流を示すものである。図11Bの上段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162がN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162はN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162のN極に引き付けられてすばやく回転する。その結果、リングマグネット166の回転がアシストされる。また、コイル電流制御部180は、リングマグネット166が惰性で回転しないように、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化してすぐにコイル162への通電を停止せず、所定の時間αが経過してからコイル162への通電を停止する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がL信号であるので、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0052】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162がS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162はS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162のS極に引き付けられてすばやく回転する。その結果、リングマグネット166の回転がアシストされる。また、コイル電流制御部180は、リングマグネット166が惰性で回転しないように、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化してすぐにコイル162への通電を停止せず、所定の時間αが経過してからコイル162への通電を停止する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号であるので、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0053】
一方、図11Bの下段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162がN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162はN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162のN極に引き付けられてすばやく回転する。その結果、リングマグネット166の回転がアシストされる。また、コイル電流制御部180は、リングマグネット166が惰性で回転しないように、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化してすぐにコイル162への通電を停止せず、所定の時間αが経過してからコイル162への通電を停止する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号であるので、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。
【0054】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162がS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162はS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162のS極に引き付けられてすばやく回転する。その結果、リングマグネット166の回転がアシストされる。また、コイル電流制御部180は、リングマグネット166が惰性で回転しないように、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化してすぐにコイル162への通電を停止せず、所定の時間αが経過してからコイル162への通電を停止する。回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がL信号であるので、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。このように、回転判定部178は、第2のカウントモードとして、MRセンサ154aによってリングマグネット166のN極及びS極が検出された際の、MRセンサ154bの出力に応じてリングマグネット166の回転方向を検出する。
【0055】
図12は、16カウント時の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。まず、センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、MRセンサ154bの出力の変化とは、L信号からH信号への変化と、H信号からL信号への変化の両方を含むものとする。センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されるまで、ステップS201の処理を繰り返す(ステップS201、No)。センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されたら(ステップS201、Yes)、MRセンサ154aの出力を確認する(ステップS202)。
【0056】
コイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力がL信号の場合は、コイル162がN極になるようにコイル162に電流を流し始める(ステップS203)。一方、コイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力がH信号の場合は、コイル162がS極になるようにコイル162に電流を流し始める(ステップS204)。
【0057】
続いて、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力の変化が検出されるか否かを判定する(ステップS205)。ここで、MRセンサ154bの出力の変化とは、L信号からH信号への変化と、H信号からL信号への変化の両方を含むものとする。センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力の変化が検出されるまでステップS205の処理を繰り返す(ステップS205、No)。コイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力の変化が検出されたら(ステップS205、Yes)、MRセンサ154aの出力を確認する(ステップS207)。センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力がL信号の場合は、MRセンサ154bの出力を確認する(ステップS208)。回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がL信号の場合は、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定し(ステップS209)、ステップS201の処理へ戻る。また、回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がH信号の場合は、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定し(ステップS210)、ステップS201の処理へ戻る。
【0058】
一方、センサ信号検出部176は、ステップS207において、MRセンサ154aの出力がH信号の場合は、MRセンサ154bの出力を確認する(ステップS211)。回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がH信号の場合は、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定し(ステップS212)、ステップS201の処理へ戻る。また、回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がL信号の場合は、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定し(ステップS213)、ステップS201の処理へ戻る。このように回転判定部178は、MRセンサ154aの立ち上がり変化及び立ち下がり変化が検出された際のMRセンサ154bの出力によって回転を判定する。よって、回転判定部178は、リングマグネット166が1周する間に、リングマグネット166のS極及びN局の数に対応する16カウントを検出することになる。言い換えれば、コイル電流制御部180によってコイル162をN極,S極と交互に変化させることにより、例えばユーザの好みに応じて本来のリングマグネットのN極、S極の数の倍のカウントをさせることができる。その結果、多方向入力ユニットの操作性を向上させることができる。なお、消費電流削減のため、例えばステップS206のように、一定時間操作が行われない場合に、コイル162へ流す電流を止めることも可能である。またこの処理は、図12中のどの位置で行われても構わない。
【0059】
次に、多方向入力ユニットが1周する間に32カウントを検出する場合の例を説明する。図13Aは、32カウント時の多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。図13Bは、32カウント時の多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【0060】
図13Aに示すように、リングマグネット166の下部には、MRセンサ154a,154bと、コイル162a,162bとが設けられる。コイル162a,162bは、コイル電流制御部180によって交流電流を流すことで磁力を発生する電磁石である。図13Aの最上段の例では、MRセンサ154aがリングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、MRセンサ154bがリングマグネットのN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。また、コイル162aは、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、コイル162bは、リングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。リングマグネット166はユーザの操作によって回転するので、図13Aに示すように、リングマグネット166のN極、S極と、MRセンサ154a,154bと、コイル162a,162bとの位置関係は順次変更される。
【0061】
図13Bは、リングマグネット166が時計回り及び反時計回りに回転した場合のMRセンサ154a、154bの出力、及びコイル電流制御部180によってコイル162a,162bに流す電流を示すものである。図13Bの上段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがS極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154aの出力がL信号であるので、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0062】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがN極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がL信号であるので、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0063】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがN極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号であるので、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0064】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがS極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号であるので、リングマグネット166が時計回りに回転していると判定する。
【0065】
一方、図13Bの下段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがN極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154aの出力がL信号であるので、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。
【0066】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがN極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号であるので、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。
【0067】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがS極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154aの出力がH信号であるので、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。
【0068】
また、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがS極の磁石になるように電流を流す。そして、回転判定部178は、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がL信号であるので、リングマグネット166が反時計回りに回転していると判定する。このように、回転判定部178は、第3のカウントモードとして、MRセンサ154aによってリングマグネット166のN極及びS極が検出された際のMRセンサ154bの出力に応じてリングマグネット166の回転方向を検出する。これに加えて、回転判定部178は、第3のカウントモードとして、MRセンサ154bによってリングマグネット166のN極及びS極が検出された際のMRセンサ154aの出力に応じてリングマグネット166の回転方向を検出する。
【0069】
図14は、32カウント時の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。まず、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力の変化が検出されるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、MRセンサ154aの出力の変化とは、L信号からH信号への変化と、H信号からL信号への変化の両方を含むものとする。回転判定部178及びコイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力の変化が検出されたら(ステップS301、Yes)、表1に従って回転方向を判定し、コイル162aへの電流を制御する(ステップS302)。
【0070】
すなわち、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は反時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162aがN極になるように電流を制御する。また、MRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がL信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162aがN極になるように電流を制御する。また、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がH信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162aがS極になるように電流を制御する。また、MRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154bの出力がL信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は反時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162aがS極になるように電流を制御する。
【0071】
一方、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力の変化が検出されない場合は(ステップS301、No)、MRセンサ154bの出力の変化が検出されるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、MRセンサ154bの出力の変化とは、L信号からH信号への変化と、H信号からL信号への変化の両方を含むものとする。センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されない場合は(ステップS303、No)、ステップS301の処理へ戻る。回転判定部178及びコイル電流制御部180は、MRセンサ154bの出力の変化が検出されたら(ステップS303、Yes)、表2に従って回転方向を判定し、コイル162aへの電流を制御する(ステップS304)。
【0072】
すなわち、MRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154aの出力がH信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162bがN極になるように電流を制御する。また、MRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154aの出力がH信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は反時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162bがS極になるように電流を制御する。また、MRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化した際のMRセンサ154aの出力がL信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は反時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162bがN極になるように電流を制御する。また、MRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化した際のMRセンサ154aの出力がL信号の場合は、回転判定部178はリングマグネット166の回転方向は時計回りであると判定する。そして、コイル電流制御部180はコイル162bがS極になるように電流を制御する。
【0073】
このように回転判定部178は、MRセンサ154aの立ち上がり変化及び立ち下がり変化が検出された際のMRセンサ154bの出力によって回転を判定する。これに加えて、回転判定部178は、MRセンサ154bの立ち上がり変化及び立ち下がり変化が検出された際のMRセンサ154aの出力によって回転を判定する。よって、回転判定部178は、リングマグネット166が1周する間に、32カウントを検出することになる。また、MRセンサ154a及びMRセンサ154bの変化を検出するたびに、2個のコイルの電流を制御することにより、リングマグネット166が1周する間に32回のクリック感が得られる。つまり、コイルを2個搭載し、各コイル162a,162bをN極、S極と交互に変化させることにより、例えばユーザの好みに応じて、クリック回数を増やし、リングマグネット166のN極、S極の数の4倍のカウントをさせることができる。その結果、多方向入力ユニットの操作性を向上させることができる。
【0074】
次に、自動回転機能を備えた多方向入力ユニットの説明を行う。図15Aは、自動回転機能を備えた多方向入力ユニットの構成を説明するための図である。図15Bは、自動回転機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。
【0075】
図15Aに示すように、リングマグネット166の下部には、MRセンサ154a,154bと、コイル162a,162bとが設けられる。コイル162a,162bは、コイル電流制御部180によって交流電流を流すことで磁力を発生する電磁石である。図15Aの最上段の例では、MRセンサ154aがリングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、MRセンサ154bがリングマグネットのN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。また、コイル162aは、リングマグネット166のS極の位置に対応して設けられ、コイル162bは、リングマグネット166のN極とS極の中間の位置に対応して設けられる。リングマグネット166はユーザの操作によって回転するので、図15Aに示すように、リングマグネット166のN極、S極と、MRセンサ154a,154bと、コイル162a,162bとの位置関係は順次変更される。
【0076】
図15Bは、リングマグネット166が時計回り及び反時計回りに回転した場合のMRセンサ154a、154bの出力、及びコイル電流制御部180によってコイル162a,162bに流す電流を示すものである。図15Bの上段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162aはN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162aのN極に引き付けられて回転する。
【0077】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162bはN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162bのN極に引き付けられて回転する。
【0078】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162aはS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162aのS極に引き付けられて回転する。
【0079】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162bはS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162bのS極に引き付けられて回転する。以上のようにコイル162a,162bの電流を制御することによって、リングマグネット166は自動で時計回りに回転する。
【0080】
一方、図15Bの下段に示すように、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162aはN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162aのN極に引き付けられて回転する。
【0081】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162bはS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162bのS極に引き付けられて回転する。
【0082】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162aはS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162aのS極に引き付けられて回転する。
【0083】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162bはN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162bのN極に引き付けられて回転する。以上のようにコイル162a,162bの電流を制御することによって、リングマグネット166は自動で反時計回りに回転する。このように、コイル電流制御部180は、リングマグネット166の回転に応じて、コイル162aの磁極がコイル162aの上部に接近するリングマグネット166の磁極とは異なる磁極になるようにコイル162aに流す電流を制御する。これに加えて、コイル電流制御部180は、コイル162bの磁極がコイル162bの上部に接近するリングマグネット166の磁極とは異なる磁極になるようにコイル162bに流す電流を制御する。
【0084】
図16は、自動回転時の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。図16は、多方向入力ユニット150が時計方向に自動回転する際の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。まず、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力の立ち上がり変化が検出されるか否かを判定する(ステップS401)。コイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力の立ち上がり変化が検出されたら(ステップS401、Yes)、コイル162aへの電流出力を停止する(ステップS402)。そして、コイル電流制御部180は、コイル162bがN極になるようにコイル162bへの電流出力を開始して(ステップS403)、ステップS401の処理へ戻る。
【0085】
一方、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力の立ち上がり変化が検出されない場合は(ステップS401、No)、MRセンサ154aの出力の立ち下がり変化が検出されるか否かを判定する(ステップS404)。コイル電流制御部180は、MRセンサ154aの出力の立ち下がり変化が検出されたら(ステップS404、Yes)、コイル162aへの電流出力を停止する(ステップS405)。そして、コイル電流制御部180は、コイル162bがS極になるようにコイル162bへの電流出力を開始して(ステップS406)、ステップS401の処理へ戻る。
【0086】
また、センサ信号検出部176は、MRセンサ154aの出力の立ち下がり変化が検出されない場合は(ステップS404、No)、MRセンサ154bの出力の立ち上がり変化が検出されるか否かを判定する(ステップS407)。コイル電流制御部180は、MRセンサ154bの出力の立ち上がり変化が検出されたら(ステップS407、Yes)、コイル162bへの電流出力を停止する(ステップS408)。そして、コイル電流制御部180は、コイル162aがS極になるようにコイル162bへの電流出力を開始して(ステップS409)、ステップS401の処理へ戻る。
【0087】
また、センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の立ち上がり変化が検出されない場合は(ステップS407、No)、MRセンサ154bの出力の立ち下がり変化が検出されるか否かを判定する(ステップS410)。コイル電流制御部180は、MRセンサ154bの出力の立ち下がり変化が検出されたら(ステップS410、Yes)、コイル162bへの電流出力を停止する(ステップS411)。そして、コイル電流制御部180は、コイル162aがN極になるようにコイル162bへの電流出力を開始して(ステップS412)、ステップS401の処理へ戻る。センサ信号検出部176は、MRセンサ154bの出力の立ち下がり変化が検出されない場合は(ステップS410、No)、ステップS401の処理へ戻る。このように、コイル電流制御部180によってコイル162a,162bへ流す電流を制御することによって、ユーザが多方向入力ユニットを指で回さなくても、自動回転させることができるので、多方向入力ユニットの操作性を向上させることができる。
【0088】
次に、自動回転を停止する機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明する。図17A,図17Bは、自動回転を停止する機能を備えた多方向入力ユニットの動作を説明するための図である。図17Aは、多方向入力ユニットが時計回りに自動回転している途中で多方向入力ユニットが反時計回りに回転された際の、MRセンサ154a、154bの出力、及びコイル電流制御部180によってコイル162a,162bに流す電流を示すものである。
【0089】
図17Aに示すように、まず、リングマグネット166が回転し始めてセンサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162aはN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162aのN極に引き付けられて回転する。
【0090】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162bがN極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162bはN極の磁石になるので、リングマグネット166のS極がコイル162bのN極に引き付けられて回転する。
【0091】
続いて、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162aはS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162aのS極に引き付けられて回転する。
【0092】
その後、多方向入力ユニット150が時計回りに回転していれば、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されるはずである。しかし、図17Aに示すように、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されたら、回転判定部178は、例えばユーザによって多方向入力ユニット150が反時計回りに回転されたと判定する。そして、その後コイル電流制御部180は、多方向入力ユニット150を自動回転させない通常モードに戻る。このように、回転判定部178は、一方のMRセンサ154bでリングマグネット166が検出された後、MRセンサ154bでリングマグネット166が検出された場合に、リングマグネット166が逆方向に回転したと判定する。特に、回転判定部178は、一方のMRセンサ154bでリングマグネット166が検出された後、他方のMRセンサ154aでリングマグネット166が検出されずに、MRセンサ154bで検出された場合に、リングマグネット166が逆方向に回転したと判定する。
【0093】
また、図17Bに示すように、センサ信号検出部176によってMRセンサ154bの出力がL信号からH信号へ変化したことが検出されたら、コイル電流制御部180は、コイル162aがS極の磁石になるように電流を流す。これによって、コイル162aはS極の磁石になるので、リングマグネット166のN極がコイル162aのS極に引き付けられて回転する。
【0094】
その後、多方向入力ユニット150が時計回りに回転していれば、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力がH信号からL信号へ変化したことが検出されるはずである。しかし、図17Bに示すように、あらかじめ設定された所定時間βの間、センサ信号検出部176によってMRセンサ154aの出力変化が検出されない場合は、回転判定部178は、例えばユーザによって多方向入力ユニット150の回転が停止されたと判定する。そして、その後コイル電流制御部180は、多方向入力ユニット150を自動回転させない通常モードに戻る。このように、回転判定部178は、一方のMRセンサ154bでリングマグネット166が検出された後、あらかじめ設定された所定の時間βが経過するまで他方のMRセンサ154aでリングマグネット166が検出されない場合に、リングマグネット166の回転が停止したと判定する。
【0095】
このように、多方向入力ユニット150の自動回転を行っている際に、ユーザが多方向入力ユニットを逆方向へ回転させるか、又は多方向入力ユニットの回転を停止されることにより、自動回転を停止させることができる。例えば、表示部120に表示された画面を大きくスクロールしたい場合に、ユーザは多方向入力ユニット150を最初に少し回転させて多方向入力ユニット150を自動回転させる。そして、表示部120に目的の画面が表示されたところで、多方向入力ユニット150に触れて自動回転を停止させたり、スクロールさせすぎた場合には逆回転させたりすることによって、簡単に目的の画面を表示させることができる。その結果、多方向入力ユニット150の操作性を向上させることができる。
【0096】
なお、本実施形態は、主に携帯電話機100を中心に説明したが、これに限らず、あらかじめ用意された電子装置の制御プログラムをコンピュータで実行することによって、上述の実施形態と同様の機能を実現することができる。すなわち、電子装置の制御プログラムは、基板と、リング状に形成され、リングの中心軸周りに回転可能に前記基板上に設けられたリングマグネットと、前記基板と前記リングマグネットとの間に設けられ、前記リングマグネットの回転に伴う磁界の変化に応じた信号を出力する2つの磁力センサと、前記基板と前記リングマグネットとの間に設けられたコイルと、を備えた電子装置に、以下の処理を実行させる。すなわち、電子装置の制御プログラムは、電子装置に、前記磁力センサから出力される信号に基づいて前記リングマグネットの回転方向を判定し、前記コイルに流す電流の強さ及び向きの少なくとも一方を変化させる処理を実行させる。なお、電子装置の制御プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介してコンピュータに配布することができる。また、電子装置の制御プログラムは、電子機器に設けられたメモリ、ハードディスク、その他のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【符号の説明】
【0097】
100 携帯電話機
150 多方向入力ユニット
152 基板
154a,154b MRセンサ
160 固定マグネット
162a,162b コイル
166 リングマグネット
176 センサ信号検出部
178 回転判定部
180 コイル電流制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
リング状に形成され、リングの中心軸周りに回転可能に前記基板上に設けられたリングマグネットと、
前記基板と前記リングマグネットとの間に設けられ、前記リングマグネットの回転に伴う磁界の変化に応じた信号を出力する2つの磁力センサと、
前記磁力センサから出力される信号に基づいて前記リングマグネットの回転方向を判定する回転判定部と、
前記基板と前記リングマグネットとの間に設けられたコイルと、
前記コイルに流す電流の強さ及び向きの少なくとも一方を変化させるコイル電流制御部と、
を備えた電子装置。
【請求項2】
前記リングマグネットは、磁石のN極とS極とが交互に連続してリング状に形成され、
前記コイル電流制御部は、前記リングマグネットの回転に応じて、前記コイルの磁極が前記コイルの上部に接近するリングマグネットの磁極とは異なる磁極になるように前記コイルに流す電流を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記リングマグネットは、磁石のN極とS極とが交互に連続してリング状に形成され、
前記回転判定部は、前記2つの磁力センサのうちの第1磁力センサによって前記リングマグネットのN極又はS極が検出された際の、第2磁力センサの出力に応じて前記リングマグネットの回転方向を検出する第1のカウントモード、
前記第1磁力センサによって前記リングマグネットのN極及びS極が検出された際の、前記第2磁力センサの出力に応じて前記リングマグネットの回転方向を検出する第2のカウントモード、及び
前記第1磁力センサによって前記リングマグネットのN極及びS極が検出された際の、前記第2磁力センサの出力と、前記第2磁力センサによって前記リングマグネットのN極及びS極が検出された際の、前記第1磁力センサの出力とに応じて前記リングマグネットの回転方向を検出する第3のカウントモード、のうち少なくとも2つのカウントモードを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記コイルは、前記基板と前記リングマグネットとの間に2つ設けられ、
前記コイル電流制御部は、前記リングマグネットの回転に応じて、前記2つのコイルのうちの一方の第1コイルの磁極が前記第1コイルの上部に接近するリングマグネットの磁極とは異なる磁極になるように前記第1コイルに流す電流を制御するとともに、他方の第2コイルの磁極が前記第2コイルの上部に接近するリングマグネットの磁極とは異なる磁極になるように前記第2コイルに流す電流を制御することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記リングマグネットは、磁石のN極とS極とが交互に連続してリング状に形成され、
前記回転判定部は、前記2つの磁力センサのうちの一方の第1磁力センサによって前記リングマグネットのN極又はS極が検出された後、他方の第2磁力センサによって前記リングマグネットのN極又はS極が検出されずに、前記第1磁力センサによって前記リングマグネットのN極又はS極が検出された場合に、前記リングマグネットが逆方向に回転したと判定する請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記リングマグネットは、磁石のN極とS極とが交互に連続してリング状に形成され、
前記回転判定部は、前記2つの磁力センサのうちの一方の第1磁力センサによって前記リングマグネットのN極又はS極が検出された後、あらかじめ設定された所定の時間が経過するまで他方の第2磁力センサによって前記リングマグネットのN極又はS極が検出されない場合に、前記リングマグネットの回転が停止したと判定する請求項1に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【公開番号】特開2013−69163(P2013−69163A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207965(P2011−207965)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】