説明

電子部品の接続構造

【課題】薄型化することができる電子部品の接続構造を提供すること。
【解決手段】箱形形状のハウジング10内に固定された一対の端子20によってハウジング10内に収容される電子部品L,D,Rが電気的に接続される電子部品の接続構造において、一対の端子20の各端子20は、基部21aと、基部21aから横方向伸びた突出片21bと、基部21aから横方向に伸び、端部21ddに向けて突出片21bとの距離を短くするよう伸びた弾性を有してなる接触片21dと、を有してなりハウジング10は、端子20がハウジング10内に収容された場合、突出片21bと接触片21dとの間、かつ基部21aの近傍位置にハウジング10の壁面15cから突出して形成され、ハウジング10の底面あるいは上面を形成する壁11と突出片21bを挟持固定させる端子固定部16を有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子によって電子部品を電気的に接続させる電子部品の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の端子によって電子部品を電気的に接続させる電子部品の接続構造は、ハウジング内に一対の端子が固定して収容され、この一対の端子によって電子部品を電気的に接続させるようにしている。このような電子部品の接続構造は、電子部品と端子との接続信頼性が要求される。このため、電子部品を端子に対して確実に位置決めさせて端子に接続させるようにした電子部品の接続構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載された電子部品の接続構造は、ハウジングと、ハウジングに組み付けられ押圧により回路保護用の電子部品が電気的に接続される圧接刃を対向配置した端子と、を備えた電子機器に用いられる電子部品の接続構造であって、圧接刃に近接して配置された電子部品に有するリード部を圧接刃へ位置決めさせるための位置決めリブが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−149762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載の電子部品の接続構造では、端子に装置の縦方向で突出させた係止部が形成され、この係止部によって端子がハウジング底面の所定位置に固定されるようにしているので、接続構造の縦方向での厚みが増加してしまい、結果的に接続構造の薄型化が難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、薄型化することができる電子部品の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる電子部品の接続構造は、箱形形状のハウジング内に固定された一対の端子によってハウジング内に収容される電子部品が電気的に接続される電子部品の接続構造において、前記一対の端子の各端子は、基部と、前記基部から横方向に伸ばされた突出片と、前記基部から端部に向けて突出片との距離を短くするように横方向に伸ばされ、かつ弾性を有してなる接触片と、を有してなり前記ハウジングは、前記端子が前記ハウジング内に収容された場合、前記突出片と前記接触片との間、かつ前記基部の近傍位置に前記ハウジングの壁面から突出して形成され、前記ハウジングの底面あるいは上面を形成する壁と前記突出片を挟持固定させる端子固定部を有してなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2にかかる電子部品の接続構造は、上記の発明において、前記端子固定部は、前記ハウジングの側壁に形成されてなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3にかかる電子部品の接続構造は、上記の発明において、前記ハウジングは、上面が開口されてなり、前記端子固定部は、前記ハウジングの底面を形成する壁とで前記突出片を挟持固定させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4にかかる電子部品の接続構造は、上記の発明において、前記端子固定部は、下方に向けて前記ハウジングの壁面との距離が離れるように形成された傾斜面を有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1にかかる電子部品の接続構造は、前記一対の端子の各端子が縦方向に固定手段を突出させることなく、前記突出片と前記接触片との間のデッドスペースを有効利用して前記端子を前記ハウジングに固定させることができるので、縦方向の寸法を増加させることなく前記端子を前記ハウジング内に固定させることができ、結果的に薄型化することができる。
【0012】
本発明の請求項2にかかる電子部品の接続構造は、上述した請求項1と同様の効果を奏するとともに、前記端子固定部が前記ハウジングの側壁に形成されてなるので、縦方向の寸法を増加させることなく前記端子を前記ハウジング内に固定させることができる。
【0013】
本発明の請求項3にかかる電子部品の接続構造は、上述した請求項1と同様の効果を奏するとともに、前記ハウジングが、上面が開口されてなり、前記端子固定部が前記ハウジングの底面を形成する壁とで前記突出片を挟持固定させるようにしているので、前記ハウジングの上面に壁を設けて前記端子を固定させる必要がないため、縦方向の寸法を増加させることなく前記端子を前記ハウジング内に固定させることができ、結果的に薄型化することができる。
【0014】
本発明の請求項4にかかる電子部品の接続構造は、上述した請求項1と同様の効果を奏するとともに、前記端子固定部は、下方に向けて前記ハウジングの壁面との距離が離れるように形成された傾斜面を有してなるので、前記一対の端子の各端子を前記ハウジングの上方から該ハウジング内に収容させる際、前記端子固定部と前記ハウジングの底面を形成する壁との間に前記突出片を容易に配置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造を有してなるLED照明ユニットの構造を示した分解斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した電線保持部を除いた状態のLED照明ユニットの上面図である。
【図3】図3は、図2に示したLED照明ユニットのA−A線断面図である。
【図4】図4は、図2に示したLED照明ユニットのB−B線断面図である。
【図5】図5は、図1に示した電子部品の接続構造の下面図である。
【図6】図6は、図1に示したハウジングの拡大斜視図である。
【図7】図7は、図6に示したハウジングの一部を断面で示した図である。
【図8】図8は、図1に示した端子の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図1に示した電線保持部の詳細を説明するための図である。
【図10】図10は、図1に示したLED照明ユニットの回路構成を示した回路図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造を有してなるLED照明ユニットの組立手順を示した図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造を有してなるLED照明ユニットの組立手順を示した図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造を有してなるLED照明ユニットの組立手順を示した図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造を有してなるLED照明ユニットの組立手順を示した図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造を有してなるLED照明ユニットの組立手順を示した図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明にかかる電子部品の接続構造の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1を有してなるLED照明ユニット100の構造を示した分解斜視図である。図2は、図1に示した電線保持部120を除いた状態のLED照明ユニット100の上面図である。図3は、図2に示したLED照明ユニット100のA−A線断面図である。図4は、図2に示したLED照明ユニット100のB−B線断面図である。図5は、図1に示した電子部品の接続構造1の下面図である。図6は、図1に示したハウジング10の拡大斜視図である。図7は、図6に示したハウジング10の一部を断面で示した図である。図8は、図1に示した端子20の拡大斜視図である。図9は、図1に示した電線保持部120の詳細を説明するための図である。図10は、図1に示したLED照明ユニット100の回路構成を示した回路図である。
なお、図中、便宜上矢印の方向をそれぞれ前方向、後方向、上方向、下方向としている。
【0018】
本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造1を有してなるLED照明ユニット100は、2本の電線Wを一対の端子20に電気的に接続させることによって、LED素子Lによる光の照射を行うものである。このLED照明ユニット100は、図1に示すように、ユニットハウジング110と、電子部品の接続構造1と、電線保持部120とを有してなる。
【0019】
まず、ユニットハウジング110について説明する。ユニットハウジング110は、電子部品の接続構造1および電線保持部120を収容させるものである。このユニットハウジング110は、電子部品の接続構造1および電線保持部120を内部に収容させるための挿入口となる開口110aが形成された筐体である。また、ユニットハウジング110内には、電子部品の接続構造1および電線保持部120が前から電子部品の接続構造1、電線保持部120の順で配置される。なお、ユニットハウジング110は、照明用開口部111および係合用開口部112を有してなる。
【0020】
照明用開口部111は、ユニットハウジング110の上面を形成する壁に形成された開口であり、ユニットハウジング110内に収容されたLED素子Lから出射される光を外部に向けて出射させるためのものである。なお、照明用開口部111は、レンズ等の透光性の部材によって蓋をされる構造であってもよい。
係合用開口部112は、ユニットハウジング110の開口110a近傍の側壁に形成された開口である。この係合用開口部112は、電線保持部120に設けられた後述するランス部122に係合されるものである。すなわち、係合用開口部112がランス部122と係合されることによって、ユニットハウジング110内に電子部品の接続構造1および電線保持部120を固定させることができる。
【0021】
つぎに、電子部品の接続構造1について説明する。電子部品の接続構造1は、ハウジング10と、ハウジング10内に収容される一対の端子20と、を有してなる。この電子部品の接続構造1は、ハウジング10内に固定された一対の端子20によってハウジング10内に収容される電子部品を電気的に接続させるものである。すなわち、電子部品の接続構造1は、電子部品としてのLED素子Lと、ツェナーダイオードDと、抵抗板Rとを電気的に接続させてハウジング10内に収容させている。この電子部品の接続構造部1がユニットハウジング110内に収容された場合、図3に示すように、LED素子Lが、照明用開口部111に対応する位置に配置され、各電線Wと接続される後述する圧接端子部23bがユニットハウジング110の開口110a側に向けられる。
【0022】
ハウジング10は、絶縁性の材料からなり、上面に開口部10aを形成された筐体である。このハウジング10は、図5〜図7に示すように、矩形状の底壁11と、底壁11の4辺のそれぞれから立設された、前壁12と、前壁12と向かい合う後壁13と、向かい合う一対の側壁14とを有してなる。また、ハウジング10は、LED素子挿入口12aと、ツェナーダイオード挿入口12bと、抵抗板挿入口11aと、分離壁15と、端子固定部16とを有してなる。
【0023】
LED素子挿入口12aは、ハウジング10内にLED素子Lを挿入するため、前壁12に形成された開口である。
ツェナーダイオード挿入口12bは、ハウジング10内にツェナーダイオードDを挿入するため、前壁11に形成された開口である。
抵抗板挿入口11aは、ハウジング10内に抵抗板Rを挿入するため、底壁11に形成された開口である。
【0024】
分離壁15は、向かう合う側壁14の間の位置で側壁14に並列して底壁11から立設され、ハウジング10内部の収容空間をほぼ2等分する壁である。この分離壁15によって2分されたハウジング10内の各収容空間には、各端子20が収容される。これにより、各端子20は、互いに接触されることなく絶縁状態を維持してハウジング10内に収容される。
分離壁15の壁面および分離壁15に向かい合う各側壁14の壁面には、垂直方向に直線状の一対の溝15aが形成され、この一対の溝15aが抵抗板Rをハウジング10内の端子20の接続位置に配置させるガイドとして機能される。
また、分離壁15の前端部、かつLED素子挿入口12aおよびツェナーダイオード挿入口12bに対応する位置には、LED素子LおよびツェナーダイオードDがハウジング10内に収容可能とされる切り込み部15bが形成されている。
【0025】
端子固定部16は、図3に示すように、分離壁15の壁面15cから突出して形成され、ハウジング10の底壁11とで端子20を挟持固定させて、各端子20をハウジング10内に固定させるものである。
【0026】
つぎに端子20について説明する。
端子20は、導電性の板状部材をプレス加工によって一体成形されたものである。端子20は、図8に示すように、長方形状の天板部20aの長手方向に伸びる両辺から下方に向けて屈曲させて形成された第一の部品接続部21および第二の部品接続部22と、天板部20aの後方端部を下方に向けて屈曲させ、さらに後方に向けて屈曲させて形成された電線接続部23とを有してなる。また、天板部20aは、天板部20aの長手方向に伸びる両辺を形成する両縁が下方に向けて屈曲された一対の曲げ縁部20bを有してなる。
【0027】
第一の部品接続部21は、天板部20aの両縁から立設された板状の一対の基部21aと、各基部21aの下端から前方向(横方向)に伸ばされた一対の突出片21bと、天板部20aと一対の突出片21bとの間の各基部21aから前方向(横方向)に突出された一対の第一の接触片21cおよび一対の第二の接触片21dとを有してなる。
一対の第一の接触片21cは、端部21ccに向けて天板部20aとの距離が短くなるように伸ばされ、かつ弾性を有してなる。
一対の第二の接触片21dは、一対の第一の接触片21cより下方に形成され、端部21ddに向けて突出片21bとの距離が短くなるように伸ばされ、かつ弾性を有してなる。
このように構成された第一の部品接続部21は、LED素子Lが電気的に接続されるLED素子接続部24およびツェナーダイオードDが電気的に接続されるツェナーダイオード接続部25を有してなる。
【0028】
LED素子接続部24は、天板部20aの一対の曲げ縁部20bと、一対の第一の接触片21cとによってLED素子Lを挟持固定させるものである。すなわち、一対の曲げ縁部20bと、一対の第一の接触片21cとの間にLED素子Lが挿入されることによって、一対の第一の接触片21cの弾性を利用してLED素子Lが挟持固定され、一対の端子20とLED素子Lとの電気的接続がなされる。
【0029】
ツェナーダイオード接続部25は、一対の突出片21bと、一対の第二の接触片21dとによってツェナーダイオードDを挟持固定させるものである。すなわち、一対の突出片21bと、一対の第二の接触片21dとの間にツェナーダイオードDが挿入されることによって、一対の第二の接触片21dの弾性を利用してツェナーダイオードDが挟持固定され、一対の端子20とツェナーダイオードDとの電気的接続がなされる。
【0030】
第二の部品接続部22は、一対の基部21aと、天板部20aの両縁から立設された一対の係合部22aと、一対の第三の接触片22dとを有してなる。
一対の係合部22aは、主端面部22bと、鉤状部22cとを有してなる。
主端面部22bは、垂直に伸びる端面を形成された部分である。この主端面部22bは、端子20がハウジング10内に収容された場合、図3に示すように、後壁13の内面に面接触される。
鉤状部22cは、係合部22aの下部の鉤状に形成された部分である。この鉤状部22cは、端子20がハウジング10内に収容された場合、図3に示すように、後壁13の内面側に形成された内面側段差13aに係合される。
【0031】
一対の第三の接触片22dは、図8に示すように、一対の基部21aと一対の係合部22aとの間の位置で天板部20aから下方に伸ばされた一対の弾性片である。この一対の第三の接触片22dは、その端部に向けて一対の基部21aとの距離を短くするように伸ばされている。
このように構成された第二の部品接続部22は、抵抗板Rが電気的に接続される抵抗板接続部26を有してなる。
【0032】
抵抗板接続部26は、一対の基部21aと、一対の第三の接触片22dとによって抵抗板Rを挟持固定させるものである。すなわち、一対の基部21aと、一対の第三の接触片22dとの間に抵抗板Rが挿入されることによって、一対の第三の接触片22dの弾性を利用して抵抗板Rが挟持固定され、端子20と抵抗板Rとの電気的接続がなされる。
【0033】
電線接続部23は、壁面接触部23aと、圧接端子部23bとを有してなる。
壁面接触部23aは、天板部20aが下方に向けて屈曲された部分である。この壁面接触部23aは、図3に示すように、端子20がハウジング10内に収容された場合、後壁13の上端面を含む外面に沿った曲げ形状に形成されている。
【0034】
圧接端子部23bは、図8に示すように、下方に屈曲された壁面接触部23aからさらに後方向に屈曲して形成された部分である。この圧接端子部23bは、U字状に形成された切り欠き23cが形成され、電線Wがこの切り欠き23cに圧入されることによって電線Wと端子20とが電気的に接続される。
【0035】
なお、壁面接触部23aと圧接端子部23bの境界となる屈曲部分は、図3に示すように、後壁13に形成された外面側段差13bと係合するように形成されているので、端子20が壁面接触部23aと一対の係合部22aによって後壁13を挟み込むようになっている。
【0036】
ここで、端子固定部16についてさらに詳細に説明する。
端子固定部16は、図3に示すように、一対の端子20の各端子20がハウジング10内に収容された場合、各端子20の一対の突出片21bと一対の第二の接触片21dとの間、かつ一対の基部21aの近傍に分離壁15の側面から突出して形成され、ハウジング10の底壁11とで突出片21bを挟持固定させ、各端子20をハウジング10内に固定させるものである。
【0037】
より具体的には、端子固定部16は、図7に示すように、ハウジング10の2分された収容空間に対して突出されるように、分離壁15の両側面から突出して形成されている。また、端子固定部16は、下方に向けて分離壁15との距離が離れるように形成された傾斜面16a、および法線を垂直方向に向けた平坦面である下端面16bを有してなる。このため、端子20がハウジング10内に収容された場合、図3に示すように、一対の突出片21bは、端子固定部16の下端面16bと底壁11の上面との間の位置で、端子固定部16と底壁11とに挟まれて固定されている。
ここで、一対の第二の接触片21dは、端部21ddに向けて突出片21bとの距離が短くなるように伸ばされているものの、第二の接触片21dと突出片21bとの距離が離れている基部21a近傍のデッドスペースに端子固定部16が配置されているので、端子固定部16と第二の接触片21dとが干渉しないようになっている。
【0038】
つぎに、電線保持部120について説明する。
電線保持部120は、図9に示すように、折り返して屈曲させた各電線Wの屈曲部分を保持した状態でユニットハウジング110内に収容され、ユニットハウジング110内で各電線Wを各端子20に電気的に接続させるものである。
この電線保持部120は、一対の端子20の各端子20に電気的に接続される2本の電線Wが保持されている。また、電線保持部120は、屈曲保持部121およびランス部122を有してなる。
【0039】
屈曲保持部121は、折り返して屈曲させた各電線Wの屈曲部分を保持するものである。この屈曲保持部121は、各圧接端子部23bに各電線Wの屈曲部分が圧接される位置までユニットハウジング110内に挿入されるように形成されている。また、屈曲保持部121は、圧接端子部23bが電線Wに接続されるように形成された切り込み121aを前端部に有してなる。
ランス部122は、ユニットハウジング110に形成された係合用開口部112と係合することによって、電線保持部120をユニットハウジング110内に固定させるものである。
この電線保持部120が、各電線Wを屈曲して保持させた状態でユニットハウジング110内に収容されることによって一対の圧接端子部23bのそれぞれが各電線Wと電気的に接続される。
【0040】
このような構成のLED照明ユニット100は、図10に示すように、LED素子LとツェナーダイオードDとを並列接続させてLED素子Lを過電圧から保護するように構成されている。
【0041】
つぎに、図11〜図15を用いて本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造1を有してなるLED照明ユニット100の組立手順について説明する。図11〜図15は、本発明の実施の形態にかかる電子部品の接続構造1を有してなるLED照明ユニット100の組立手順を示した図である。
まず、作業者は、図11に示すように、ハウジング10内に一対の端子20を収容する。この際、各端子20はハウジング10の開口部10aから挿入される。この場合、各端子20は、分離壁15側の突出片21bの壁面が端子固定部16の傾斜面16aになめらかに接触しながら下方へ移動され、突出片21bが端子固定部16の下端面16bと底壁11の上面との間に位置されてハウジング10に固定される。
【0042】
その後、作業者は、図12に示すように、LED素子LおよびツェナーダイオードDを一対の端子20に接続させる。より具体的には、LED素子Lが、LED素子挿入口12aからハウジング10内に挿入され、一対の曲げ縁部20bと一対の第一の接触片21cとの間に配置される。この際、LED素子Lが、一対の第一の接触片21cの弾性を利用して一対の曲げ縁部20bと一対の第一の接触片21cとの間隔を押し広げながら挿入さる。このため、一対の第一の接触片21cによって一対の曲げ縁部20bへ向けた付勢力がかかるので、LED素子Lが、図3に示すように、一対の曲げ縁部20bと一対の第一の接触片21cとの間で保持される。
【0043】
ツェナーダイオードDは、ツェナーダイオード挿入口12bから挿入され、一対の突出片21bと、一対の第二の接触片21dとの間に配置される。この際、ツェナーダイオードDが、一対の第二の接触片21dの弾性を利用して一対の突出片21bと一対の第二の接触片21dとの間隔を押し広げながら挿入さる。このため、一対の第二の接触片21dによって一対の突出片21bへ向けた付勢力がかかるので、ツェナーダイオードDが、図3に示すように、一対の突出片21bと、一対の第二の接触片21dとの間で保持される。
【0044】
その後、作業者は、図13に示すように、抵抗板Rを一対の端子20に接続させる。この際、抵抗板Rは、抵抗板挿入口11aから一対の溝15aによってガイドされながらハウジング10内に挿入され、一対の基部21aと一対の第三の接触片22dとの間に配置される。また、抵抗板Rが、一対の第三の接触片22dの弾性を利用して基部21aと一対の第三の接触片22dとの間隔を押し広げながら挿入さる。このため、一対の第三の接触片22dによって一対の基部21aへ向けた付勢力がかかるので、抵抗板Rが、図3に示すように、一対の基部21aと一対の第三の接触片22dとの間で保持される。
ここまでの組立作業によって、電子部品の接続構造1が完成される。
【0045】
その後、作業者は、図14に示すように、電子部品の接続構造1をユニットハウジング110内に収容する。これによって、LED素子Lがユニットハウジング110の照明用開口部111に対応した位置に配置される。また、一対の端子20の各圧接端子部23bが、ユニットハウジング110の開口110a側に向けて配置される。
【0046】
その後、作業者は、図15に示すように、電線保持部120をユニットハウジング110内に収容する。これによって、LED照明ユニット100が完成される。電線保持部120がユニットハウジング110の開口110aからユニットハウジング110内の所定位置まで押し込まれると各電線Wが各圧接端子部23bの切り欠き23c内に圧入され、各電線Wと各端子20とが電気的に接続される。このように、各電線Wと各端子20とが電気的に接続された状態で、ランス部122がユニットハウジング110の係合用開口部112に係合されるので、電線保持部120が各電線Wと各端子20の接続を維持した状態でユニットハウジング110内に固定される。
【0047】
本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、各端子20が縦方向に固定手段を突出させることなく、一対の突出片21bと一対の第二の接触片21dとの間のデッドスペースを有効利用して各端子20をハウジング10に固定させることができるので、縦方向の寸法を増加させることなく各端子20をハウジング10内に固定させることができ、結果的に薄型化することができる。
【0048】
また、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、端子固定部16が分離壁15の側面15aに形成されてなるので、縦方向の寸法を増加させることなく各端子20をハウジング10内に固定させることができる。
【0049】
また、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、ハウジング10は上面が開口されてなり、端子固定部16がハウジング10の底壁11とで各端子20の一対の突出片21bを挟持固定させるようにしているので、ハウジング10の上面に壁を設けることなく各端子20をハウジング10内に固定させることができ、結果的に薄型化することができる。
【0050】
また、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、端子固定部16が下方に向けて分離壁15の側面からの距離が離れるように形成された傾斜面16aを有してなるので、各端子20をハウジング10の上方からハウジング10内に収容させる際、端子固定部16と底壁11との間に突出片21bを容易に配置させることができる。
【0051】
(変形例)
ここで、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1の変形例について図16を用いて説明する。図16は、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造の変形例を示した図である。
本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、端子固定部16がハウジング10の底壁11とで端子20を挟持固定させるものを例示したが、この変形例の電子部品の接続構造2では、端子固定部18が、ハウジング10が上面を形成する上壁17とで端子20を挟持固定させている。
端子固定部18は、一対の端子20の各端子20がハウジング10内に収容される場合、各端子20の天板部20aと一対の第一の接触片21cとの間、かつ一対の基部21aの近傍に分離壁15の側面から突出して形成され、ハウジング10の上壁17とで天板部20aを挟持固定させ、各端子20をハウジング10内に固定させるものである。すなわち、天板部20aは、基部21aから横方向伸ばされているため、突出片21bと同様の機能をなしている。このため、この変形例の電子部品の接続構造2は、実施の形態の電子部品の接続構造1と同様に、縦方向の寸法を増加させることなく各端子20をハウジング10内に固定させることができ、結果的に薄型化することができる。
【0052】
なお、この変形例の上壁17は、端子固定部18とで端子20を挟持固定させることができれば、ハウジング10の上面の一部に形成されるだけでよい。
また、よい好ましくは、端子固定部18とで挟持固定させる部分の端子20の縦方向の厚さを薄く形成するとよい。この場合、上壁17を設けたとしても縦方向の厚さを増加させることがない。
【0053】
なお、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、一対の端子20を用いるものを例示したが、これに限らない。すなわち、電子部品と電気的に接続される2つ以上の端子をもちいればよい。
【0054】
また、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、端子20が板状の部材をプレスによって成形したものを例示したが、これに限らない。すなわち、基部21aと、基部21aから横方向伸ばされた突出片21bあるいは天板部20aと、基部21aから端部に向けて突出片21bあるいは天板部20aとの距離を短くするように横方向に伸ばされ、かつ弾性を有してなる接触片と、を有してなる端子であればよい。
【0055】
また、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、端子固定部16が分離壁15の側面に形成されるものを例示したが、これに限らない。すなわち、各端子20がハウジング10内に収容された場合、一対の突出片21bと一対の第二の接触片21dとの間、かつ一対の基部21aの近傍位置にハウジング10の壁面から突出して形成されていればよい。例えば、端子固定部16が側壁14に形成されるようにしてもよい。
【0056】
また、本発明の実施の形態の電子部品の接続構造1は、電子部品としてLED素子L、ツェナーダイオードDおよび抵抗板Rが、一対の端子20と電気的に接続されるものを例示したが、これに限らない。すなわち、その他の電子部品が一対の端子20に接続されるものであってもよい。
【0057】
なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0058】
1、2 電子部品の接続構造
10 ハウジング
10a 開口部
11 底壁
11a 抵抗板挿入口
12 前壁
12a LED素子挿入口
12b ツェナーダイオード挿入口
13 後壁
13a 内面側段差
13b 外面側段差
14 側壁
15 分離壁
15a 溝
15b 切り込み部
15c 壁面
16、18 端子固定部
16a 傾斜面
16b 下端面
17 上壁
20 端子
20a 天板部
20b 曲げ縁部
21 第一の部品接続部
21a 基部
21b 突出片
21c 第一の接触片
21cc 端部
21d 第二の接触片
21dd 端部
22 第二の部品接続部
22a 係合部
22b 主端面部
22c 鉤状部
22d 第三の接触片
23 電線接続部
23a 壁面接触部
23b 圧接端子部
23c 切り欠き
24 LED素子接続部
25 ツェナーダイオード接続部
26 抵抗板接続部
100 LED照明ユニット
110 ユニットハウジング
110a 開口
111 照明用開口部
112 係合用開口部
120 電線保持部
121 屈曲保持部
121a 切り込み
122 ランス部
L LED素子
D ツェナーダイオード
R 抵抗板
W 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形形状のハウジング内に固定された一対の端子によってハウジング内に収容される電子部品が電気的に接続される電子部品の接続構造において、
前記一対の端子の各端子は、
基部と、前記基部から横方向に伸ばされた突出片と、前記基部から端部に向けて突出片との距離を短くするように横方向に伸ばされ、かつ弾性を有してなる接触片と、
を有してなり
前記ハウジングは、
前記端子が前記ハウジング内に収容された場合、前記突出片と前記接触片との間、かつ前記基部の近傍位置に前記ハウジングの壁面から突出して形成され、前記ハウジングの底面あるいは上面を形成する壁と前記突出片を挟持固定させる端子固定部を有してなることを特徴とする電子部品の接続構造。
【請求項2】
前記端子固定部は、
前記ハウジングの側壁に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の接続構造。
【請求項3】
前記ハウジングは、
上面が開口されてなり、
前記端子固定部は、
前記ハウジングの底面を形成する壁とで前記突出片を挟持固定させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品の接続構造。
【請求項4】
前記端子固定部は、
下方に向けて前記ハウジングの壁面との距離が離れるように形成された傾斜面を有してなることを特徴とする請求項3に記載の電子部品の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−134054(P2012−134054A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286238(P2010−286238)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】