説明

電子部品の接続構造

【課題】接点間のピッチや外形状、大きさ等が異なる種々の表面実装用の電子部品を接続できる電子部品の接続構造を提供する。
【解決手段】一端17にそれぞれ端子部19aを形成した一対のバスバー13が離間して並列配置され、端子部19aには半導体発光素子25の一方の面に設けられた接点部21に弾接可能な一対の平行な左右接触バネ片23a,24aと、これら各左右接触バネ片23a,24aとで半導体発光素子25を挟持する左右部品座部47a,47bとが対峙して形成され、左右接触バネ片23a,24aのうち隣接する2つの接触バネ片24a,23aがバスバー13間に配置された半導体発光素子25の一対の接点部21と接続され、左右部品座部47a,47bのうち隣接する2つの部品座部47b,47aのが半導体発光素子25の他方の面と該他方の面の両側端で直交する各側面とに当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる接点間ピッチの電子部品を接続可能とする電子部品の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の電気的な接続を確実に行うことで高い信頼性を得る電子部品の接続構造が特許文献1に開示されている。図20に示すように、この電子部品の接続構造は、ハウジングに、一対のバスバー501,503が組み付けられるとともに光源である半導体発光素子(LED)505が組み付けられる。平板形状をなして2分割されたバスバー501,503は、電線接続部507と、ツェナーダイオード接続部509と、抵抗器接続部511と、LED接続部513と、を有する。抵抗器接続部511には、2分割されたバスバー501,503のそれぞれに圧接刃515,515が備えられる。ツェナーダイオード接続部509には、単一の圧接刃517が一方のバスバー501に、単一の圧接刃519が他方のバスバー503に備えられる。
【0003】
ツェナーダイオード521は、一方のリード部523が一方のバスバー501に、他方のリード部525が他方のバスバー503にそれぞれ電気的に接続されることで、抵抗器527の下流側で一対のバスバー501,503に並列に接続され、ダイオードに順起電力が流れる方向で静電気により回路に印加される突発的な大電圧からのLEDを破壊から保護し、ダイオードに逆起電力が流れる方向では通電を阻止し、同じくLEDを破壊から保護する機能を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−149762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子部品の接続構造は、電子部品の形状、大きさに合わせ異なる寸法の接続部(圧接刃515,515,圧接刃517,圧接刃519)を形成した2種類のバスバー501,503が必要となった。また、リード部を有したスルーホール用の電子部品(ツェナーダイオード521,抵抗器527)しか実装できず、近年需要が多く安価となった表面実装用の電子部品の接続ができない問題があった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、接点間のピッチや外形状、大きさ等が異なる種々の表面実装用の電子部品を接続できる電子部品の接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 一端にそれぞれ端子部を形成した少なくとも一対のバスバーが離間して並列配置され、前記各端子部には電子部品の一方の面に設けられた一対の接点部に弾接可能な少なくとも一対の平行な左右接触バネ片と、これら各左右接触バネ片とで前記電子部品を挟持する左右部品座部とが対峙して形成され、前記左右接触バネ片のうち隣接する2つの接触バネ片が前記バスバー間に配置された前記電子部品の一対の前記接点部と接続され、前記左右部品座部のうち隣接する2つの部品座部が前記電子部品の他方の面と該他方の面の両側端で直交する各側面とに当接することを特徴とする電子部品の接続構造。
【0008】
上記(1)の構成の電子部品の接続構造によれば、少なくとも一対の左右接触バネ片と、これら各左右接触バネ片とで電子部品を挟持する左右部品座部とが対峙して形成された端子部を有する少なくとも一対のバスバーが離間して並列配置され、各対のバスバーにおける左右接触バネ片のうち隣接する2つの接触バネ片が、バスバー間に配置された電子部品の一対の接点部と接続される。そこで、所望の間隔で並列配置された各対のバスバー間における端子部には、接点間ピッチや外形状、大きさ等の異なる種々の電子部品が接続可能となる。
また、左右部品座部のうち隣接する2つの部品座部が電子部品の他方の面と該他方の面の両側端で直交する各側面と当接する。そこで、バスバーの端子部に対する電子部品の横ズレを防止でき、左右接触バネ片と接点部との接続が安定する。
更に、並列配置される少なくとも一対のバスバーを同形状として、バスバー形状を一種類とすることができる。
【0009】
(2) 上記(1)の構成の電子部品の接続構造であって、前記バスバーは、一対の側壁が平行となるようにU字状に折り曲げ形成され、前記側壁のそれぞれに前記接触バネ片及び前記左右部品座部が打ち抜き成形されていることを特徴とする電子部品の接続構造。
【0010】
上記(2)の構成の電子部品の接続構造によれば、バスバーの本体がU字状に折り曲げられて形成され、その対向する一対の側壁に、打ち抜き加工によって左右接触バネ片及び左右部品座部がそれぞれ形成される。これにより、多数の電気接触部を有する弾接構造が容易且つコンパクトに製造可能となる。
【0011】
(3) 一端にそれぞれ端子部を形成した少なくとも一対のバスバーが離間して並列配置され、前記各端子部には電子部品の一方の面に設けられた一対の接点部に弾接可能な接触バネ片と、該接触バネ片とで前記電子部品を挟持する部品座部とが対峙して形成され、前記各端子部における前記接触バネ片が前記バスバー間に配置された前記電子部品の前記各接点部と接続され、前記各端子部における前記部品座部が前記電子部品の他方の面と該他方の面の両側端で直交する各側面とに当接することを特徴とする電子部品の接続構造。
【0012】
上記(3)の構成の電子部品の接続構造によれば、接触バネ片と、該接触バネ片とで電子部品を挟持する部品座部とが対峙して形成された端子部を有する少なくとも一対のバスバーが離間して並列配置され、各端子部における接触バネ片が、バスバー間に配置された電子部品の各接点部と接続される。そこで、所望の間隔で並列配置された各対のバスバー間における端子部には、接点間ピッチや外形状、大きさ等の異なる種々の電子部品が接続可能となる。
また、各端子部における部品座部が電子部品の他方の面と該他方の面の両側端で直交する各側面と当接する。そこで、バスバーの端子部に対する電子部品の横ズレを防止でき、接触バネ片と接点部との接続が安定する。
【0013】
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1項の電子部品の接続構造であって、前記電子部品が半導体発光素子であり、前記半導体発光素子は、発光部が前記バスバーの間に配置され、前記バスバーの前記発光部を挟むそれぞれの側壁面には反射面が形成されることを特徴とする電子部品の接続構造。
【0014】
上記(4)の構成の電子部品の接続構造によれば、半導体発光素子の発光部が、平行に離間配置された少なくとも一対のバスバーの間に挟まれた状態に配置される。発光部を挟む2本のバスバーのそれぞれの側壁が反射面で形成されることにより、発光部から出射される光が反射面で反射して出射の方向に向けられ、出射光の有効利用が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電子部品の接続構造によれば、接点間のピッチや外形状、大きさ等が異なる種々の表面実装用の電子部品を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子部品の接続構造に用いられる一対のバスバーの斜視図である。
【図2】図1に示したバスバーを収容したハウジングの斜視図である。
【図3】図1に示した1つのバスバーの斜視図である。
【図4】(a)は図1に示したバスバーの平面図、(b)はそのA−A断面矢視図、(c)はそのB−B断面矢視図で、電子部品の装着状態を示した図である。
【図5】(a)は半導体発光素子の斜視図、(b)はツェナーダイオードの斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る電子部品の接続構造におけるバスバー組付け工程を説明する図である。
【図7】同様に電子部品組付け工程を説明する図である。
【図8】同様にハウジング組付け工程を説明する図である。
【図9】同様に電線ホルダー組付け工程を説明する図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る電子部品の接続構造を用いたLEDユニットの斜視図である。
【図11】(a)は変形例に係るLEDユニットの平面図、(b)はそのC−C断面矢視図、(c)はそのD−D断面矢視図である。
【図12】図11(c)の要部拡大図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る電子部品の接続構造に用いられる一対のバスバーの斜視図である。
【図14】従来の電子部品の接続構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る電子部品の接続構造に用いられる2本のバスバーの斜視図、図2は図1に示したバスバーを収容したハウジングの斜視図である。
本第1実施形態に係る電子部品の接続構造は、図1に示す2本の同一形状のバスバー13を構成の主要部として有している。この2本のバスバー13は、図2に示すハウジング15に収容されて使用される。
【0018】
本第1実施形態に係る2本のバスバー13は、一端17にそれぞれ上下二段の端子部19a,19bを形成し、離間して並列配置される。なお、本実施形態のバスバー13は、複数種(本実施形態では2種類)の第1及び第2の電子部品11a,11bを接続できるように、上下二段の端子部19a,19bを備えているが、本発明の電子部品の接続構造は、これに限定されるものではなく、一段の端子部19aのみの構成でもよい。
【0019】
上段の端子部19aは、第1の電子部品11aの一対の接点部21に弾接可能な一対の平行な左右接触バネ片23a,24aと、これら各左右接触バネ片23a,24aとで電子部品11aを挟持する左右部品座部47a,47bとが対峙して形成される。
下段の端子部19bは、異なる種類の第2の電子部品11bの一対の接点部21に弾接可能な一対の平行な左右接触バネ片23b,24bと、これら各左右接触バネ片23b,24bとで電子部品11bを挟持する左右部品座部49a,49bとが対峙して形成される。

【0020】
本第1実施形態では、1本のバスバー13に、略Y字状に分岐した一対の接触バネ片23,24の先端に二対の左右接触バネ片23a,24a、23b,24bが設けられる。並列配置されたバスバー13の上段における4つの左右接触バネ片23a,24a,23a,24aのうち隣接する2つの左右接触バネ片24a,23aの電気接触部45が、2本のバスバー13間に配置された第1の電子部品11aである半導体発光素子25の一方の面に設けられた一対の接点部21と接続する(図4参照)。また、並列配置されたバスバー13の下段における4つの左右接触バネ片23b,24b,23b,24bのうち1つの左右接触バネ片23bを跨いだ2つの左右接触バネ片24b,24bの電気接触部45が、2本のバスバー13間で半導体発光素子25の下方に位置する第2の電子部品11bであるツェナーダイオード27の一方の面に設けられた一対の接点部21と接続する(図4参照)。
【0021】
図3は図1に示した1つのバスバー13の斜視図である。
バスバー13は、ハウジング15に装着された状態でその一部分がハウジング15の外部に突出される。本実施形態において、バスバー13の一部分がハウジング15から突出する側を「後」、その反対側を「前」と称する。バスバー13の後端には被覆された電線の被覆を切り裂き導体と電気的に接触するための圧接刃31が設けられる。圧接刃31の前部には後部当接片33と、後部弾性脚35と、前部弾性脚37と、前部当接片39とが連設される。
【0022】
図3の背面側の前部当接片39には、バスバー13の一端17(前端)となる上下二段の端子部19a,19bが連結部41(図4(a)参照)を介して連設されている。圧接刃31、後部当接片33、後部弾性脚35、前部弾性脚37、前部当接片39、端子部19a,19bは、板金加工により一体に打ち抜かれた後、図3に示す形状に折り曲げ加工される。バスバー13の端子部19a,19bは、一対の側壁43が平行となるようにU字状に折り曲げ形成され、側壁43のそれぞれに接触バネ片23,24が打ち抜き成形される。バスバー13の本体がU字状に折り曲げられて形成され、その対向する一対の側壁43に、打ち抜き加工によって略Y字状に分岐した接触バネ片23,24の先端に二対の左右接触バネ片23a,24a、23b,24bと、これら左右接触バネ片23a,24a、23b,24bと対峙する左右部品座部47a,47b,49a,49bとが形成されることにより、多数の電気接触部45を有する弾接構造が容易且つコンパクトに製造可能となっている。
【0023】
図4(a)は図1に示したバスバー13の平面図、(b)はそのA−A断面矢視図、(c)はそのB−B断面矢視図で、電子部品の装着状態を示した図、図5(a)は半導体発光素子25の斜視図、(b)はツェナーダイオード27の斜視図である。
1本のバスバー13において、一対の接触バネ片23,24は、平行となるように形成され、略Y字状に分岐した各先端に二対の左右接触バネ片23a,24a、23b,24bを有する。各左右接触バネ片23a,24a、23b,24bの先端に突設される電気接触部45は、接点が頂角となる三角形状に形成される。図4(a)に示すように、バスバー13は、2本が平行に離間配置される。これにより、並列配置されたバスバー13の左右接触バネ片23a,24a、23b,24bの先端の電気接触部45は、図4(c)に示すように、片側4箇所ずつの8箇所に配置されることになる。
【0024】
並列配置されたバスバー13の上段における4つの左右接触バネ片23a,24a,23a,24aの上側4箇所の電気接触部45には、それぞれのバスバー13に形成された上方の左右部品座部47a,47b,47a,47bが対峙される。
各端子部19aにおける左右部品座部47a,47bは、第1の電子部品11aにおける他方の面(図4中、上面)に当接する第1当接部44と、該他方の面の両側端で直交する各側面(図4中、左右側面)に当接する第2当接部46と、を備えている。
また、並列配置されたバスバー13の下段における4つの左右接触バネ片23b,24b,23b,24bの下側4箇所の電気接触部45には、それぞれのバスバー13に形成された下方の左右部品座部49,49b,49a,49bが対峙される。
【0025】
上方の左右部品座部47a,47b,47a,47bと、上段における4つの左右接触バネ片23a,24a,23a,24aの上側4箇所の電気接触部45との間には、半導体発光素子25が装着されている。下段における4つの左右接触バネ片23b,24b,23b,24bの下側4箇所の電気接触部45と、下方左右部品座部49との間には、ツェナーダイオード27が装着されている。半導体発光素子25は、図5(a)に示すように、一方の面に一対の接点部21が設けられた表面実装用の第1の電子部品11aとなっている。また、ツェナーダイオード27も、図5(b)に示すように、一方の面に一対の接点部21が設けられた表面実装用の第2の電子部品11bとなっている。
【0026】
半導体発光素子25は、図4(c)に示すように、接点部21を設けられた一方の面が、上段の左右接触バネ片23a,24aの電気接触部45に向けられ、他方の面(背面25a)が上方の左右部品座部47a,47b,47a,47bに当接される。ツェナーダイオード27は、接点部21を設けられた一方の面が、下段の左右接触バネ片23b,24bの電気接触部45の側に向けられ、他方の面(背面)が下方の左右部品座部49に当接される。
【0027】
本実施形態では、半導体発光素子25の接点間ピッチが、ツェナーダイオード27の接点間ピッチよりも小さい。つまり、2つの電子部品11a,11bは、異なる接点間ピッチとなっている。本実施形態の電子部品の接続構造では、このような異なる接点間ピッチの2種類の電子部品11a,11bを同時に実装可能としている。
【0028】
すなわち、図4(c)に示すように、並列配置されたバスバー13の上段における4つの左右接触バネ片23a,24a,23a,24aのうち隣接する2つの左右接触バネ片24a,23aの電気接触部45が半導体発光素子25の一対の接点部21に接触し、上方の4つの左右部品座部47a,47b,47a,47bのうち隣接する2つの左右部品座部47b,47aが半導体発光素子25の他方の面側に当接している。
詳しくは、各左右部品座部47b,47aの第1当接部44が半導体発光素子25の背面25aに当接し、各左右部品座部47b,47aの第2当接部46が半導体発光素子25の背面25aの左右両側端で直交する各側面25bに当接している。
【0029】
一方、並列配置されたバスバー13の下段における4つの左右接触バネ片23b,24b,23b,24bのうち1つの左右接触バネ片23bを跨いだ2つの左右接触バネ片24b,24bの電気接触部45がツェナーダイオード27の一対の接点部21に接触し、下方の4つの左右部品座部49a,49b,49a,49bのうち1つの左右部品座部49aを跨いだ2つの左右部品座部49b,49bがツェナーダイオード27の背面に当接している。
【0030】
すなわち、図4(c)において、半導体発光素子25は、並列配置されたバスバー13の上段の電気接触部45において、左側から2番目の電気接触部45と、左側から3番目の電気接触部45とに接続される。また、ツェナーダイオード27は、並列配置されたバスバー13の下段の電気接触部45において、左側から1番目の電気接触部45と、左側から3番目の電気接触部45とに接続されるが、左側から2番目の電気接触部45と、左側から4番目の電気接触部45とに接続することもできる。また、本実施形態において、ツェナーダイオード27は、接点間ピッチが、電気接触部45の接点間ピッチの2倍の距離となるものが用いられているが、接点間ピッチが電気接触部45の接点間ピッチの3倍の距離となるものも用いることができる。この場合、ツェナーダイオード27の一対の接点部21は、左側から1番目の電気接触部45と、左側から4番目の電気接触部45とに接続される。
【0031】
次に、上記構成の電子部品11の接続構造の組付け工程を説明する。
図6は本発明の第1実施形態に係る電子部品の接続構造におけるバスバー組付け工程を説明する図、図7は同様に電子部品組付け工程を説明する図、図8は同様にハウジング組付け工程を説明する図、図9は同様に電線ホルダー組付け工程を説明する図、図10は本発明の第1実施形態に係る電子部品の接続構造を用いたLEDユニット53の斜視図である。
上記実施形態の電子部品の接続構造は、例えばLEDユニット53に好適に採用することができる。電子部品の接続構造をLEDユニット53に適用するには、図6に示すように、2本のバスバー13をハウジング15に装着する。
【0032】
ハウジング15には2つのバスバー収用室55が形成される。バスバー収用室55は、後端が後壁57となり、その前方の内壁面に一対の保持溝59がそれぞれのバスバー収用室55に形成されている。バスバー収用室55に挿入されたバスバー13は、後部当接片33と後部弾性脚35とで後壁57を挟持し、ハウジング15から脱落規制されて装着される。
【0033】
図7に示すように、ハウジング15の前面にはLED装着開口部61と、ダイオード装着開口部63とが上下2段で形成されている。LED装着開口部61には、半導体発光素子25が、接点部21を下側にして挿入される。ダイオード装着開口部63には、ツェナーダイオード27が、接点部21を上側にして挿入される。これにより、それぞれの接点部21が図4(c)に示したように、それぞれの電気接触部45に接続される。また、ハウジング15の底面には抵抗装着開口部(図示せず)が形成されており、抵抗器28が挿入される。これにより、手前のバスバー13における前部当接片39と前部弾性脚37とで抵抗器28を挟持し、前部弾性脚37の電気接触部が抵抗器28の一対の接点部に接続される(図1参照)。
ここで、本実施形態に係るLEDユニット53は、半導体発光素子25及びツェナーダイオード27と、陽極端子及び負極端子との間にそれぞれ抵抗器28を設けた回路とする必要がある。そこで、図7に示すように、手前のバスバー13における一対の前部当接片39及び前部弾性脚37の間に破断部16が形成される。これにより、手前のバスバー13に装着された抵抗器28は、半導体発光素子25及びツェナーダイオード27と直列接続される。
【0034】
図8に示すように、半導体発光素子25と、ツェナーダイオード27とを装着したハウジング15は、レンズカバー65に装着される。レンズカバー65の後端面にはハウジング挿入開口67が形成されている。レンズカバー65に挿入されたハウジング15は、圧接刃31がレンズカバー65の内部で後方に向かって突出している。
【0035】
図9に示すように、ハウジング15を装着したレンズカバー65には電線ホルダー69がハウジング挿入開口67から挿入される。電線ホルダー69の3方の外面にはコ字状の電線保持溝71が2箇所に形成されている。それぞれの電線保持溝71には被覆付き電線29がコ字状に曲げられて装着される。電線ホルダー69の前面にはそれぞれの電線保持溝71を跨って、水平な圧接刃進入スリット73が形成されている。これにより、電線ホルダー69がレンズカバー65に挿入されると、レンズカバー65の内部で後方に向かって突出したバスバー13の圧接刃31が、圧接刃進入スリット73に進入し、圧接刃31と電線29の導体とが接続されるようになされている。
【0036】
レンズカバー65に挿入された電線ホルダー69は、レンズカバー65の側部に形成される係止穴75に、側面に突設した係止爪77を係止して、レンズカバー65からのハウジング15と、電線ホルダー69自身との離脱が規制される。レンズカバー65に、ハウジング15、電線ホルダー69が装着されることで図10に示すLEDユニット53が構成される。
【0037】
このように、本第1実施形態の電子部品の接続構造では、二対の平行な左右接触バネ片23a,24a、23b,24bが上下2段に配置して形成された端子部19a,19bを有する2本のバスバー13が離間して並列配置される。そして、並列配置されたバスバー13の上段における4つの左右接触バネ片23a,24a,23a,24aのうち隣接する2つの左右接触バネ片24a,23aの電気接触部45が、2本のバスバー13間に配置された半導体発光素子25の一対の接点部21に接続される。また、並列配置されたバスバー13の下段における4つの左右接触バネ片23b,24b,23b,24bのうち1つの左右接触バネ片23bを跨いだ2つの左右接触バネ片24b,24bの電気接触部45が、2本のバスバー13間で半導体発光素子25の下方に位置するツェナーダイオード27の一対の接点部21に接続され、接点間ピッチ、外形状、大きさが異なる電子部品11が接続可能となる。
【0038】
また、略Y字状に分岐した各先端に二対の平行な左右接触バネ片23a,24a、23b,24bが形成された一対の接触バネ片23,24を有するバスバー13が、2本平行に離間配置されることで、片側4箇所の電気接触部45が両側で8箇所配置される。これにより、並列配置された2本のバスバー13の上段における4つの左右接触バネ片23a,24a,23a,24aのうち隣接する2つの左右接触バネ片24a,23aの電気接触部45に大きさ及び接点間ピッチの小さい半導体発光素子25が接続可能となり、下段における4つの左右接触バネ片23b,24b,23b,24bのうち1つの左右接触バネ片23bを跨いだ2つの左右接触バネ片24b,24bの電気接触部45に大きさ及び接点間ピッチの大きいツェナーダイオード27が接続可能となる。
【0039】
更に、上方の4つの左右部品座部47a,47b,47a,47bのうち隣接する2つの左右部品座部47b,47aは、半導体発光素子25の背面25aに当接する第1当接部44と、半導体発光素子25の背面25aの左右両側端で直交する各側面25bに当接する第2当接部46とを備える。そこで、バスバー13の端子部19aに対する半導体発光素子25の横ズレを防止でき、左右接触バネ片24b,24bと接点部21との接続が安定する。
更に、上記実施形態のバスバー13によれば、並列配置される一対のバスバー13を同形状として、バスバー形状を一種類とすることができる。
【0040】
次に、上記した電子部品の接続構造の変形例を説明する。
図11(a)は変形例に係るLEDユニット53の平面図、(b)はそのC−C断面矢視図、(c)はそのD−D断面矢視図、図12は図11(c)の要部拡大図である。
この変形例に係る電子部品の接続構造は、第1の電子部品11aが半導体発光素子25であり、その発光部79が2本のバスバー13Aの間に配置される。一方、2本のバスバー13Aには、発光部79を挟むそれぞれの側壁面81に、反射面83が形成されている。
【0041】
この変形例では、半導体発光素子25の発光部79が、平行に離間配置された2本のバスバー13Aの間に挟まれた状態に配置される。発光部79を挟む2本のバスバー13Aのそれぞれの側壁43の側壁面81に反射面83が形成されることにより、図12に示すように、発光部79から出射される光が反射面83で反射して出射の方向に配置されたレンズカバー65のレンズ65aに向けられ、出射光の有効利用が可能となっている。
【0042】
次に、本発明の第2実施形態に係る電子部品の接続構造について説明する。
図13は本発明の第2実施形態に係る電子部品の接続構造に用いられる一対のバスバーの斜視図である。
本第2実施形態に係る電子部品の接続構造は、図13に示すように、左右対称な一対のバスバー201,203を主要部として有している。この一対のバスバー201,203は、上記第1実施形態と同様に、図2に示したハウジング15に収容されて使用される。
【0043】
本第2実施形態に係る一対のバスバー201,203は、一端117にそれぞれ上下二段の端子部119a,119bを形成し、離間して並列配置される。なお、本実施形態のバスバー201,201は、複数種(本実施形態では2種類)の第1及び第2の電子部品11a,11bを接続できるように、上下二段の端子部119a,119bを備えているが、本発明の電子部品の接続構造は、これに限定されるものではなく、一段の端子部119aのみの構成でもよい。
【0044】
上段の端子部119aには、第1の電子部品11aの一対の接点部21にそれぞれ弾接可能な接触バネ片123,124と、各接触バネ片123,124とで電子部品11aを挟持する部品座部147,149とが対峙して形成される。
下段の端子部119bは、異なる種類の第2の電子部品11bの一対の接点部21にそれぞれ弾接可能な接触バネ片223,224と、これら各接触バネ片223,224とで電子部品11bを挟持する部品座部247,249とが対峙して形成される。
【0045】
本実施形態の一対のバスバー201,203は、一端にそれぞれ上下二段の端子部119a,119bを構成するように互いに左右対称に形成されて、離間して並列配置される。なお、本実施形態のバスバー201,203は、複数種(本実施形態では2種類)の第1及び第2の電子部品11a,11bを接続できるように、上下二段の端子部119a,119bを構成しているが、本発明の電子部品の接続構造は、これに限定されるものではなく、一段の端子部119aのみの構成でもよい。
【0046】
本第2実施形態では、各バスバー201,203に、上段の端子部119aを構成する接触バネ片123,124と、下段の端子部119bを構成する接触バネ片223,224とが設けられる。
そして、並列配置されたバスバー201,203の上段における2つの接触バネ片123,124の電気接触部145が、一対のバスバー201,203間に配置された第1の電子部品11aである半導体発光素子25の一方の面に設けられた一対の接点部21と接続する。また、並列配置されたバスバー201,203の下段における2つの接触バネ片223,224の電気接触部45が、一対のバスバー201,203間で半導体発光素子25の下方に位置する第2の電子部品11bであるツェナーダイオード27の一方の面に設けられた一対の接点部21と接続する。
【0047】
また、バスバー201,203の後端には、上記第1実施形態のバスバー13と同様に、被覆された電線の被覆を切り裂き導体と電気的に接触するための圧接刃31が設けられる。圧接刃31の前部には後部当接片33と、後部弾性脚35と、前部弾性脚37と、前部当接片39とが連設される。
【0048】
各バスバー201(203)の端子部119a,119bは、外側壁143の上端部が平行となるように内方へ逆J字状に折り曲げ形成され、外側壁143のそれぞれに接触バネ片123,223(124,224)が打ち抜き成形される。
各バスバー201(203)の本体が逆J字状に折り曲げられて形成された外側壁143の上端部には、接触バネ片123(124)に対時する部品座部147(149)が形成され、外側壁143の下端部には、接触バネ片223(224)に対時する部品座部247(249)が形成される。接触バネ片123(124)は、外側壁143の中間部を折り曲げ部に沿って内方へ直角に切り起こし片151を切り起こした断面L字状に形成され、上面に凸状の電気接触部145を有する。
【0049】
部品座部147(149)は、第1の電子部品11aにおける他方の面(図13中、上面)に当接する第1当接部144と、該他方の面の両側端で直交する各側面(図13中、左右側面)に当接する第2当接部46と、を備えている。第1当接部144は、外側壁143の上端部を内方へ逆J字状に折り曲げ形成した内側壁の下端縁に形成される。第2当接部146は、外側壁143の上端部近傍を折り曲げ部に沿って内方へ直角に切り起こし形成した切り起こし片153の先端縁に形成されている。
【0050】
打ち抜き加工によって接触バネ片123,223(124,224)と、これら接触バネ片123,223(124,224)と対峙する部品座部147,247(149,249)とが形成されることにより、多数の電気接触部45,145を有する弾接構造が容易且つコンパクトに製造可能となっている。
【0051】
上述した本第2実施形態の電子部品の接続構造によれば、接触バネ片123,124と、該接触バネ片123,124とで半導体発光素子25を挟持する部品座部147,149とが対峙して形成された端子部119aを有する一対のバスバー201,203が適宜離間して並列配置され、端子部119aにおける接触バネ片123,124が、バスバー201,203間に配置された半導体発光素子25の各接点部21と接続される。そこで、所望の間隔で並列配置されたバスバー201,203間における端子部119aには、接点間ピッチや外形状、大きさ等の異なる種々の半導体発光素子25が接続可能となる。
【0052】
また、端子部119aにおける部品座部147,149は、半導体発光素子25の背面25aに当接する第1当接部144と、半導体発光素子25の背面25aの左右両側端で直交する各側面25bに当接する第2当接部146とを備える。そこで、バスバー201,203の端子部119aに対する半導体発光素子25の横ズレを防止でき、接触バネ片123,124と接点部21との接続が安定する。
尚、並列配置される一対のバスバー201,203を連結部を解して一体の対称形状として打ち抜き形成した後、連結部を切断して分離することにより、一対のバスバー201,203を打ち抜き形成する金型を一種類とすることもできる。
【0053】
本発明の電子部品の接続構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0054】
11a 第1の電子部品(電子部品)
11b 第2の電子部品
13 バスバー
17 一端
19a 端子部
19b 端子部
21 接点部
23 接触バネ片
23a,24a 左右接触バネ片
23b,24b 左右接触バネ片
24 接触バネ片
25 半導体発光素子(第1の電子部品)
27 ツェナーダイオード(第2の電子部品)
43 側壁
45 電気接触部
79 発光部
81 側壁面
83 反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端にそれぞれ端子部を形成した少なくとも一対のバスバーが離間して並列配置され、前記各端子部には電子部品の一方の面に設けられた一対の接点部に弾接可能な少なくとも一対の平行な左右接触バネ片と、これら各左右接触バネ片とで前記電子部品を挟持する左右部品座部とが対峙して形成され、
前記左右接触バネ片のうち隣接する2つの接触バネ片が前記バスバー間に配置された前記電子部品の一対の前記接点部と接続され、前記左右部品座部のうち隣接する2つの部品座部が前記電子部品の他方の面と該他方の面の両側端で直交する各側面とに当接することを特徴とする電子部品の接続構造。
【請求項2】
請求項1記載の電子部品の接続構造であって、
前記バスバーは、一対の側壁が平行となるようにU字状に折り曲げ形成され、前記側壁のそれぞれに前記接触バネ片及び前記左右部品座部が打ち抜き成形されていることを特徴とする電子部品の接続構造。
【請求項3】
一端にそれぞれ端子部を形成した少なくとも一対のバスバーが離間して並列配置され、前記各端子部には電子部品の一方の面に設けられた一対の接点部に弾接可能な接触バネ片と、該接触バネ片とで前記電子部品を挟持する部品座部とが対峙して形成され、
前記各端子部における前記接触バネ片が前記バスバー間に配置された前記電子部品の前記各接点部と接続され、前記各端子部における前記部品座部が前記電子部品の他方の面と該他方の面の両側端で直交する各側面とに当接することを特徴とする電子部品の接続構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の電子部品の接続構造であって、
前記電子部品が半導体発光素子であり、
前記半導体発光素子は、発光部が前記バスバーの間に配置され、
前記バスバーの前記発光部を挟むそれぞれの側壁面には反射面が形成されることを特徴とする電子部品の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−80678(P2013−80678A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221273(P2011−221273)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】