説明

電子部品収納用異形ケース及びこのケースを用いた樹脂注型形電子装置

【課題】開口部と反対側の端部の厚み寸法が他の部分の厚み寸法よりも小さくなっている電子部品収納用異形ケースにおいて、樹脂を注型する際に特別の治具を設けることなく、ケースをその開口部を上方に向けて平面上に起立させることができるようにすること。
【解決手段】ケース10の厚みが最も大きい部分で厚み方向に相対している2つの壁部10a、10bの外面を平坦に形成し、2つの壁部10a、10bの一方の外面に第1の嵌合部11を、他方の外面に第1の嵌合部11と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部12を、それぞれの位置を対応させて設けて、複数のケース10を並べて隣り合う第1の嵌合部11及び第2の嵌合部12を嵌合させることにより、複数のケースを連結して、自立性を有するケースの集合体13を構成できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンを制御する電子式制御装置(ECU)等の電子装置の外装ケースとして用いる電子部品収納用異形ケース及びこのケースを用いた樹脂注型形電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンを制御する電子式制御装置や車両に搭載される機器を制御する制御装置等の電子装置においては、耐候性を持たせるために、装置を構成する電子部品をケース内に収納して該ケース内にエポキシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂を注型し、注型した樹脂により電子部品をモールドしている。
【0003】
この種の電子装置において、ケースとして直方体状または立方体状のものを用いる場合には、ケース内に電子部品を収容した後、該ケースをその開口部を上方に向けて作業台上に起立させた状態で、該ケースの開口部から樹脂を注型することができる。
【0004】
しかしながら、ケースは、常に直方体状または立方体状に構成されるとは限らず、直方体状または立方体状以外の異形のケースが用いられる場合もある。例えば、特許文献1に示されているケースでは、ケース内における電子回路基板の位置決めを容易にするために、開口部と反対側の端部の厚み寸法(高さ寸法)を開口部側の厚み寸法よりも小さくしている。また、ケース内の容積を小さくしてケース内に注型する樹脂の量を節約するために、内部に収容される電子部品の高さに沿うように厚みを変化させた場合には、開口部と反対側の端部の厚み寸法が開口部側の厚み寸法よりも小さくなることがある。図6は、異形のケース1の一例を示したもので、図示のケースは、一端側に開口部1aを有し、開口部1aと反対側の端部1bが、他の部分よりも小さい厚み寸法dを有している。
【0005】
このような異形のケースが用いられる場合には、ケース1の開口部1aと反対側の端部1bの端面1b1の面積が開口部1aの面積よりも小さいため、ケース1をその開口部1aを上方に向けて作業台上に起立させることができない。この場合には、樹脂を注型する際に、図7に示すように、ケース1をその開口部1aを上方に向けて作業台2上に起立させた状態に保持するために、ケースの開口部1aと反対側の端部1bを受け入れて保持する特別の治具3が必要になる。
【0006】
本明細書において、「異形のケース」とは、直方体や立方体といった、箱形のケースの形状として通常採用される形状とは異なる形状を意味する。具体的には、開口部と反対側の端部の厚み寸法が他の部分の厚み寸法よりも小さくなっているために、厚み寸法が異なる複数の部分がケースの奥行き方向に並んでいる形状を意味する。
【特許文献1】特開2003−133749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、電子部品を収容するケースとして異形のケース1が用いられる場合には、ケース1内に樹脂を注型する際にケースを支えておくために特別の治具3を用意する必要があったため、製造コストが高くなるのを避けられなかった。
【0008】
また上記のような異形のケースを用いる電子装置の仕様を変更する場合に、ケースの開口部と反対側の端部の厚み寸法を変更すると、注型の際に用いる治具も変更する必要があり、面倒である。そのため、この種のケースを用いる電子装置の仕様(寸法、形状)を変更する際には、ケースの開口部と反対側の端部の形状及び厚み寸法を変更しないようにしている。従って、電子装置の仕様の変更に伴ってケースの形状及び寸法を変更する際には、その変更を、開口部と反対側の端部(注型の際に最下端となる端部)以外の部分の変更のみにとどめる必要があり、ケースの設計の自由度が低くなるという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、開口部と反対側の端部の厚み寸法が他の部分の厚み寸法よりも小さくなっている電子部品収納用異形ケースにおいて、樹脂を注型する際に特別の治具を設けることなく、ケースをその開口部を上方に向けて平面上に起立させることができるようにすることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、開口部と反対側の端部の厚み寸法が他の部分の厚み寸法よりも小さくなっている電子部品収納用異形ケースの設計の自由度を高めることを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、開口部と反対側の端部の厚み寸法が他の部分の厚み寸法よりも小さくなっている電子部品収納用異形ケース内に電子部品を収容してケース内に樹脂を注型した構造の電子装置において、樹脂を注型する際に特別の治具を用いることなく、ケースをその開口部を上方に向けて平面上に起立させることができるようにして、その製造を容易にすることにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、開口部と反対側の端部の厚み寸法が他の部分の厚み寸法よりも小さくなっている電子部品収納用異形ケース内に電子部品を収容してケース内に樹脂を注型した構造の電子装置において、ケースの設計の自由度を高めることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、1つの面が開口部となっていて、該開口部と反対側の端部付近の厚みが他の部分の厚みよりも小さく設定され、内部に電子部品が収納されて前記開口部から樹脂が注型される電子部品収納用異形ケースを対象とする。
【0014】
本発明においては、厚みが最も大きい部分で厚み方向に相対する2つの壁部の外面が平坦に形成され、該2つの壁部の一方の外面に第1の嵌合部が、他方の外面には第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部がそれぞれの位置を対応させて設けられている。
【0015】
上記のように構成すると、ケースを複数個並べて隣り合うケースの第1及び第2の嵌合部を嵌合させて複数のケースを連結した際に、各ケースの開口部を上方に向けた状態で平面上に起立させることができる複数のケースの集合体が構成されるため、ケース内に電子部品を収容した後、複数のケースを治具を用いることなく作業台上に起立させて、各ケース内に樹脂を注型することができる。ケース内への電子部品の挿入は、複数のケースを連結した状態で行ってもよく、ケースを連結する前の状態で行ってもよい。
【0016】
また上記のように構成すると、ケースの開口部と反対側の端部の厚み寸法の如何に係わりなく、複数のケースを連結することにより複数のケースの集合体を構成してケースに自立性を持たせることができるため、電子装置の仕様を変更する場合に、ケースの開口部と反対側の部分の厚み寸法をも変更することができ、ケースの設計の自由度を高めることができる。
【0017】
通常、電子部品収納用のケースは、厚み方向に相対する第1及び第2の壁部と厚み方向に対して直角な幅方向に相対する第3及び第4の壁部と厚み方向及び幅方向の双方に対して直角な奥行き方向の一端を閉鎖する第5の壁部とを有していて、第5の壁部に相対する奥行き方向の他端に開口部が形成されている。この種のケースを、回路基板の位置決めを容易にする等の目的で異形のケースとする場合には、その第5の壁部寄りの部分が最も小さい厚み寸法を有するように形成され、第5の壁部寄りの部分と開口部との間に第5の壁部寄りの部分よりも厚み寸法が大きい部分が少なくとも1つ形成される。
【0018】
このような異形ケースに本発明を適用する場合には、厚み寸法が最も大きい部分で厚み方向に相対している第1の壁部及び第2の壁部の外面を平坦に形成して、厚み寸法が最も大きい部分で相対している第1の壁部及び第2の壁部の平坦な外面の一方に第1の嵌合部を、他方に第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部をそれぞれの位置を対応させて設ける。
【0019】
本発明の好ましい態様では、厚み寸法が最も大きい部分がケースの開口部寄りに設けられる。
【0020】
本発明の好ましい態様では、上記第1の嵌合部が突起からなり、第2の嵌合部は第1の嵌合部を構成する突起と同形状同寸法の突起を嵌合させ得る凹部からなっている。
【0021】
第1及び第2の嵌合部を上記のように構成すると、隣り合わせにしたケースの第1及び第2の嵌合部を向かい合わせにして互いに接近させるだけで簡単にケースを連結することができるため、ケース内に電子部品を収容した後でもケースを連結することができる。またケース内に樹脂を注型した後は、隣り合うケースを引き離すだけで連結を解除することができる。
【0022】
本発明の他の好ましい態様では、上記第1の嵌合部及び第2の嵌合部が、ケースの奥行き方向または幅方向に沿ったスライド変位を相互間に許容した状態で互いに噛み合う形状の突起及び溝により構成される。この場合第1の嵌合部は例えば、横断面が鳩尾状を呈する突起により構成することができ、第2の嵌合部は、鳩尾状の横断面形状を持ってケースの奥行き方向または幅方向に伸びる溝(鳩尾状の突起をスライド自在に嵌合させる溝)により構成することができる。
【0023】
上記のように構成すると、複数のケースの集合体を構成した後に、連結されているケースを互いに引き離す方向の力が加わった場合に、ケース同士の連結が解除されないようにすることができるため、複数のケースを連結して構成したケースの集合体を製造ラインに流して、各ケース内への電子部品の収納と、ケース内への樹脂の注型とを順次行う場合に、ケースの集合体が製造ラインに沿って搬送される過程で振動等によりケースが分離するおそれをなくすことができ、ケース内への電子部品の挿入とケース内への樹脂の注型とを円滑に行わせることができる。
【0024】
本発明はまた、1つの面が開口部となっていて、該開口部と反対側の端部付近の厚みが他の部分の厚みよりも小さく設定された電子部品収納用異形ケースを備えて、電子装置を構成する電子部品がケース内に収納され、ケース内に絶縁樹脂が注型されている樹脂注型形電子装置に適用される。
【0025】
本発明に係わる樹脂注型形電子装置においては、厚みが最も大きい部分で厚み方向に相対する2つの壁部の外面が平坦に形成されて、2つの壁部の一方の外面に第1の嵌合部が、他方の外面には第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部がそれぞれの位置を対応させて設けられ、ケースを複数個並べて隣り合うケースの第1及び第2の嵌合部を嵌合させて複数のケースを連結した際に、各ケースの開口部を上方に向けた状態で平面上に起立させることができる複数のケースの集合体が構成される。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、異形ケースの厚みが最も大きい部分で厚み方向に相対する2つの壁部の一方の外面に第1の嵌合部を、他方の外面に第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部をそれぞれの位置を対応させて設けたので、ケースを複数個並べて隣り合うケースの第1及び第2の嵌合部を嵌合させて複数のケースを連結することにより、各ケースの開口部を上方に向けた状態で平面上に起立させることができる複数のケースの集合体を構成することができる。従って、ケース内に電子部品を収容した後、複数のケースを治具を用いることなく作業台上に起立させて各ケース内に樹脂を注型することができ、電子装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0027】
また本発明によれば、ケースの開口部と反対側の端部の厚み寸法の如何に係わりなく、複数のケースを連結することにより複数のケースの集合体を構成してケースに自立性を持たせることができるため、電子装置の仕様を変更するに当たってケースの形状及び寸法を変更する際には、必要に応じて、ケースの開口部と反対側の部分の厚み寸法をも変更することができ、ケースの設計の自由度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下図1ないし図4を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係わるケースの平面図、図2は同ケースの正面図、図3は同ケースの底面図である。また図4は複数のケースを連結することにより構成したケースの集合体を各ケースの開口部を上方に向けて作業台上に起立させた状態を示した正面図である。
【0029】
図1ないし図3において、10は本発明に係わる異形のケースで、図示のケース10は、厚み方向(Z方向)に相対する第1及び第2の壁部10a及び10bと、厚み方向(高さ方向)に対して直角な幅方向(Y方向)に相対する第3及び第4の壁部10c及び10dと、厚み方向及び幅方向の双方に対して直角な奥行き方向(X方向)の一端を閉鎖する第5の壁部10eとを有して、第5の壁部10eに相対する奥行き方向の他端に開口部10fが形成されている。ケースの幅方向に相対する第3及び第4の壁部10c及び10dの第2の壁部10b寄りの部分にそれぞれ外側に張り出した腕部10g,10hが形成され、これらの腕部を貫通して取り付け孔10i及び10jが形成されている。
【0030】
図示のケースにおいては、第2の壁部10b全体を平坦として、第1の壁部10aの高さを第5の壁部10a側から開口部10f側に向かって段階的に変化させることにより、第5の壁部10eと開口部10fとの間に、最も小さい厚み寸法d1を有する第5の壁部寄りの部分10Aと、第5の壁部寄りの部分10Aよりも大きい厚み寸法d2を有する中間部分10Bと、中間部分10Bよりも大きい厚み寸法d3を有する開口部寄りの部分(厚み寸法が最も大きい部分)10Cとが順次並ぶように設けられている。
【0031】
本実施形態では、厚み寸法が最も大きい部分10Cで厚み方向に相対している第1の壁部10a及び第2の壁部10bの外面が平坦に形成されて、厚み寸法が最も大きい部分で相対している第1の壁部10a及び第2の壁部10bの平坦な外面の一方に第1の嵌合部11(図1参照)が、他方に第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部12(図3参照)がそれぞれの位置を対応させて設けられている。
【0032】
図示の例では、第1の嵌合部11がケースの幅方向に並べて形成された1対の突起11a,11bからなり、第2の嵌合部12は、同じくケースの幅方向に並べて形成された1対の凹部12a,12bからなっている。突起11a,11bは、横断面が円形を呈するように形成されている。凹部12a,12bは、横断面が正方形状を呈するように形成されていて、複数のケースをそれぞれの向きを揃えて並べた状態で、各ケースの突起11a,11bをそれぞれ隣接するケースの対応する凹部12a,12bにきつく嵌合させ得るように、凹部12a,12bの寸法が設定されている。
【0033】
各ケース10内には、その開口部10fから、電子装置を構成する電子部品を実装した回路基板が挿入される。電子部品が実装された回路基板が各ケース内に挿入された後、図4に示すようにケース10を複数個並べて、隣り合うケースの第1及び第2の嵌合部11及び12を嵌合させて、複数のケースを連結することにより、複数のケースの集合体13を構成する。
【0034】
上記のように、ケース10を複数個並べて隣り合うケースの第1及び第2の嵌合部11及び12を嵌合させて複数のケースを連結することにより、複数のケースの集合体13を構成し得るようにしておくと、治具を用いることなく、各ケースの開口部を上方に向けた状態で平面上に起立させることができるため、ケース内に電子部品を収容した後、複数のケースを治具を用いることなく作業台上に起立させることができる。
【0035】
上記のようにして複数のケースを起立させた状態で、各ケース内にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の液を注型して、注型した樹脂を硬化させ、ケース内の電子部品を注型樹脂でモールドすることにより、樹脂注型形電子装置を完成する。
【0036】
上記の説明では、各ケース内に電子部品を挿入した後に、複数のケースを連結するとしたが、図4に示したように複数のケースを連結して複数のケースの集合体を構成した後に、ケースの集合体を製造ラインに流して、各ケース内への電子部品の挿入と樹脂の注型とを順次行うようにしてもよい。
【0037】
上記の実施形態では、第1の嵌合部11及び第2の嵌合部12をそれぞれ1対の突起11a,11b及び1対の凹部12a,12bとしたが、第1の嵌合部11及び第2の嵌合部12をそれぞれ構成する突起及び凹部の数は任意である。また第1の嵌合部及び第2の嵌合部はそれぞれ、隣接配置された他のケースの第2の嵌合部及び第1の嵌合部と互いに嵌合し合って隣接するケース同士を連結する機能を有していればよく、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の構成は上記の例に限定されない。
【0038】
例えば、図5に示したように、第1の嵌合部及び第2の嵌合部を、ケースの幅方向に沿ったスライド変位を相互間に許容した状態で互いに噛み合う形状の突起11a′及び溝12a′により構成することもできる。この場合、突起11a′及び溝12a′は、連結されているケースを互いに引離す方向の(噛み合った状態にある突起及び溝を引離す方向の)力が加わった場合に連結が解除されないような横断面形状を有していることが好ましい。
【0039】
図5に示した例では、突起11a′がケースの幅方向に伸びるように設けられていて、その横断面が鳩尾状を呈するように形成されている。また溝12a′もケースの幅方向に伸びるように設けられていて、その横断面が鳩尾状を呈するように形成されている。
【0040】
図5に示したように、第1の嵌合部及び第2の嵌合部を、ケースの幅方向に沿ったスライド変位を相互間に許容した状態で互いに噛み合う形状の突起11a′及び溝12a′により構成し、互いに噛み合う突起及び溝の横断面形状を、噛み合った状態ある突起及び溝を引離す方向の力がケースに加わった際に連結が解除されないような形状に設定しておくと、複数のケースの集合体を構成した後に、連結されているケースを互いに引き離す方向の力が加わった場合に、ケース同士の連結が解除されないようにすることができる。従って、複数のケースを連結して構成したケースの集合体を製造ラインに流して、各ケース内への電子部品の収納と、ケース内への樹脂の注型とを順次行う場合に、ケースの集合体が製造ラインに沿って搬送される過程で振動等によりケースが分離するおそれをなくすことができ、ケース内への電子部品の挿入とケース内への樹脂の注型とを円滑に行わせることができる。
【0041】
図5に示した例では、第1の嵌合部及び第2の嵌合部をそれぞれ、ケースの幅方向に沿ったスライド変位を相互間に許容した状態で互いに噛み合う突起11a′及び溝12a′により構成したが、第1の嵌合部及び第2の嵌合部を、ケースの奥行き向に沿ったスライド変位を相互間に許容した状態で互いに噛み合う突起11a′及び溝12a′により構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係わるケースの平面図である。
【図2】同ケースの正面図である。
【図3】同ケースの底面図である。
【図4】本発明の実施形態に係わる複数のケースを連結することにより構成したケースの集合体を各ケースの開口部を上方に向けて作業台上に起立させた状態を示した正面図である。
【図5】本発明の他の実施形態においてケースに設ける嵌合部の構成を説明するための要部正面図である。
【図6】従来のケースの正面図である。
【図7】図6に示したケースを起立させた状態を示した正面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 ケース
10a ケースの第1の壁部
10b ケースの第2の壁部
10c ケースの第3の壁部
10d ケースの第4の壁部
10e ケースの第5の壁部
10f ケースの開口部
10A ケースの開口部と反対側の端部
11 第1の嵌合部
12 第2の嵌合部
13 複数のケースの集合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの面が開口部となっていて、該開口部と反対側の端部付近の厚みが他の部分の厚みよりも小さく設定され、内部に電子部品が収納されて前記開口部から樹脂が注型される電子部品収納用異形ケースにおいて、
厚みが最も大きい部分で厚み方向に相対している2つの壁部の外面が平坦に形成されて、前記2つの壁部の一方の外面に第1の嵌合部が、他方の外面に前記第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部がそれぞれの位置を対応させて設けられていること、
を特徴とする電子部品収納用異形ケース。
【請求項2】
厚み方向に相対する第1及び第2の壁部と前記厚み方向に対して直角な幅方向に相対する第3及び第4の壁部と前記厚み方向及び幅方向の双方に対して直角な奥行き方向の一端を閉鎖する第5の壁部とを有して、前記第5の壁部に相対する奥行き方向の他端に開口部が形成され、前記第5の壁部寄りの部分が最も小さい厚み寸法を有するように形成されていて、前記第5の壁部寄りの部分と前記開口部との間に前記第5の壁部寄りの部分よりも厚み寸法が大きい部分が少なくとも1つ形成され、内部に電子部品が収納されて樹脂が注型される電子部品収納用異形ケースにおいて、
厚み寸法が最も大きい部分で厚み方向に相対している第1の壁部及び第2の壁部の外面が平坦に形成されて、該厚み寸法が最も大きい部分で相対している第1の壁部及び第2の壁部の平坦な外面の一方に第1の嵌合部が、他方に第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部がそれぞれの位置を対応させて設けられていること、
を特徴とする電子部品収納用異形ケース。
【請求項3】
前記厚み寸法が最も大きい部分は前記開口部寄りに設けられている請求項1または2に記載の電子部品収納用異形ケース。
【請求項4】
前記第1の嵌合部は突起からなり、前記第2の嵌合部は前記第1の嵌合部を構成する突起と同形状同寸法の突起を嵌合させ得る凹部からなっている請求項1,2または3に記載の電子部品収納用異形ケース。
【請求項5】
前記第1の嵌合部及び第2の嵌合部は、前記ケースの奥行き方向または幅方向に沿ったスライド変位を相互間に許容した状態で互いに噛み合う形状の突起及び溝により構成されている請求項1,2または3に記載の電子部品収納用異形ケース。
【請求項6】
1つの面が開口部となっていて、該開口部と反対側の端部付近の厚みが他の部分の厚みよりも小さく設定された電子部品収納用異形ケースを備えて、電子装置を構成する電子部品が前記ケース内に収納され、前記ケース内に絶縁樹脂が注型されている樹脂注型形電子装置において、
厚みが最も大きい部分で厚み方向に相対する2つの壁部の外面が平坦に形成されて、前記2つの壁部の一方の外面に第1の嵌合部が、他方の外面には前記第1の嵌合部と同形状同寸法を有する嵌合部を嵌合させ得る構造の第2の嵌合部がそれぞれの位置を対応させて設けられ、
前記ケースを複数個並べて隣り合うケースの第1及び第2の嵌合部を嵌合させて前記複数のケースを連結した際に、各ケースの開口部を上方に向けた状態で平面上に起立させることができる複数のケースの集合体が構成されること、
を特徴とする樹脂注型形電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−177354(P2008−177354A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−9348(P2007−9348)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】