説明

電子部品移送装置用吸着ヘッド

【課題】電子部品の被吸着面が傾いていても、電子部品を確実に真空吸着でき、圧力分布が均一になるように電子部品を押圧できる電子部品移送装置用吸着ヘッドを提供する。
【解決手段】(a)電子部品移送装置に固定される固定部12と、(b)固定部12に保持され、固定部12から突出する先端部20と、(c)第1部材30と、(d)第2部材40とを備える。第2部材40は、先端部20及び第1部材30よりも突出する先端面42sに、電子部品を真空吸着するための吸着孔48が形成されている。第2部材40は、先端面42sと平行な第1軸34を中心に揺動自在に第1部材30に支持される。第1部材30は、第2部材40の先端面42sと平行かつ第1軸34と交差する第2軸24を中心に揺動自在に固定部20に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品移送装置用吸着ヘッドに関し、詳しくは、電子部品移送装置に装着され、電子部品を真空吸着する電子部品移送装置用吸着ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品を固定したり取り外したりするために、電子部品移送装置が用いられている。電子部品移送装置には、電子部品を真空吸着する吸着ヘッドが装着され、吸着ヘッドに電子部品を吸着した状態で吸着ヘッドを移動させることにより、電子部品を移送する。電子部品が吸着される吸着ヘッドの先端面には、真空吸引するための吸着孔が形成されている。一般的には、吸着ヘッドの先端面は平面である。
【0003】
電子部品の被吸着面が凸状曲面である場合には、図5の要部拡大断面図に示すように、吸着孔12aが形成された吸着ヘッドの先端部12kの当接開口部12bを、電子部品Pの被吸着面Aの形状に合わせて略円弧状にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−283265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
搬送用テープ表面に固定されている電子部品や、治具に取り付けられている電子部品を吸着ヘッドで吸着する際に、搬送用テープ表面自体あるいは治具自体が傾いていることがある。また、電子部品が金属キャップなどを有するモジュール部品である場合、吸着される金属キャップの上面が、金属キャップの取り付けバラツキなどにより傾くことがある。
【0006】
このように電子部品の被吸着面が傾いていると、吸着ヘッドと被吸着面との間に空隙が発生し、電子部品を十分に吸着ができず、吸着不良が発生したり、搬送時に電子部品が落下したりすることがある。また、電子部品の金属キャップが傾いて取り付けられていると、測定治具に取り付けるために電子部品の金属キャップを吸着ヘッドで押圧する際に、圧力分布が不均一になり、電子部品の端子と治具に設けられた端子との間で接触不良が発生することがある。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み、電子部品の被吸着面が傾いていても、電子部品を確実に真空吸着でき、圧力分布が均一になるように電子部品を押圧できる電子部品移送装置用吸着ヘッドを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した電子部品移送装置用吸着ヘッドを提供する。
【0009】
電子部品移送装置用吸着ヘッドは、電子部品移送装置に装着されて移動し、電子部品を真空吸着する。電子部品移送装置用吸着ヘッドは、(a)前記電子部品移送装置に固定される固定部と、(b)前記固定部に保持され、前記固定部から突出する先端部と、(c)前記先端部に揺動自在に支持された第1部材と、(d)前記第1部材に揺動自在に支持された第2部材とを備える。前記第2部材は、前記先端部及び前記第1部材よりも突出する先端面を有し、該先端面には電子部品を真空吸着するための吸着孔が形成され、該先端面と平行な第1軸を中心に揺動自在に前記第1部材に支持される。前記第1部材は、前記第2部材の前記先端面と平行かつ前記第1軸と交差する第2軸を中心に揺動自在に前記固定部に支持される。
【0010】
上記構成において、電子部品が吸着される第2部材の先端面は、第1軸を中心に揺動自在であり、かつ、第2軸を中心に揺動自在であり、第1軸と第2軸とが交差する交点を中心に、任意の方向に傾くことができる。そのため、電子部品の被吸着面が傾いていても電子部品を確実に吸着することができ、圧力分布が均一になるように電子部品を押圧できる。
【0011】
好ましくは、前記先端部は、前記固定部に対して出没する方向に移動自在に、前記固定部に保持される。前記固定部の内部に、前記先端部が前記固定部から突出する方向に、前記先端部を弾力的に付勢する弾性部材をさらに備える。
【0012】
この場合、第2部材の先端面が電子部品に押し当てられたとき、ばねやゴムなどの弾性部材の弾力によって、第2部材の先端面は固定部側に後退するため、弾性部材を介して適当な圧力で第2部材の先端面を電子部品に押し当てることができる。また、第2部材の先端面が電子部品に接触するときの衝撃が弾性部材によって緩和されるため、電子部品の破損や故障を防ぐことができる。
【0013】
好ましくは、前記第1軸と前記第2軸とが互いに直交する。
【0014】
この場合、第2部材の先端面は、任意の方向に最も円滑に傾くことができる。
【0015】
好ましくは、前記先端部の外側に、前記第1部材及び前記第2部材が配置されている。
【0016】
この場合、第2部材の先端面の面積を、先端部の先端面の面積よりも大きくすることができるので、先端部の先端面に電子部品を吸着する場合よりも大きなサイズの電子部品についても、対応可能となる。
【0017】
好ましくは、前記第2部材の前記先端面は、前記第2部材の前記先端面に真空吸着される電子部品の被吸着面よりも大きい。
【0018】
この場合、電子部品の被吸着面が傾いていても、電子部品の被吸着面全体を第2部材の先端面で覆った状態で吸着でき、電子部品の被吸着面の傾きを確実に吸収できるため、吸着不良や不均一な押圧を低減しやすい。
【0019】
好ましくは、前記第1部材と前記第2部材とは、同軸に配置された筒状の部材である。前記第1軸と前記第2軸との前記交点は、前記第1部材及び前記第2部材の中心軸上に配置される。
【0020】
この場合、第2部材の先端面がどの方向にも均一に揺動するように構成し、電子部品の吸引力を向上することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電子部品移送装置用吸着ヘッドは、電子部品の被吸着面が傾いていても、電子部品を確実に真空吸着することができ、圧力分布が均一になるように電子部品を押圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】吸着ヘッドの(a)部分断面略正面図、(b)断面図である。(実施例)
【図2】吸着ヘッドの断面図である。(比較例)
【図3】吸着ヘッドの動作を示す説明図である。(実施例)
【図4】吸着ヘッドの動作を示す説明図である。(比較例)
【図5】吸着ヘッドの要部拡大断面図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0024】
<実施例> 本発明の実施例の電子部品移送装置用吸着ヘッド10について、図1及び図3を参照しながら説明する。
【0025】
図1(a)は、本発明の実施例の電子部品移送装置用吸着ヘッド10の構成を模式的に示す部分断面略正面図である。図1(b)は、図1(a)の線A−Aに沿って切断した断面図である。
【0026】
図1(a)及び(b)に示すように、吸着ヘッド10は、固定部12と、先端部20と、第1部材30と、第2部材40とが同軸に配置されている。
【0027】
固定部12は、略筒状の空間13を有し、不図示の電子部品搬送装置に固定される。先端部20は、基端20a側が固定部12の略筒状の空間13内に移動自在に保持され、先端20b側が固定部12から突出している。固定部12の略筒状の空間13内には、先端部20を固定部12から突出させる方向に付勢するばね部材14が配置され、先端部20の先端20bが固定部12から所定位置まで突出するようになっている。
【0028】
第1部材30は、筒部31と底部32とを有する略筒形状のキャップ部材であり、固定部12及び先端部20の外側に隙間を設けて同軸に配置される。第2部材40は、筒部41と底部42とを有する略筒形状のキャップ部材であり、第1部材30の外側に隙間を設けて同軸に配置される。
【0029】
図1(b)に示すように、第1部材30は、筒部31に形成された1対の貫通孔31yに、先端部20の先端20b側を貫通する第1軸24の両端がそれぞれ挿通され、第1軸24を介して先端部20に揺動自在に支持されている。第2部材40は、筒部41に形成された1対の貫通孔41xに、第1部材30の筒部31に突設された1対の第2軸34がそれぞれ挿通され、第2軸34を介して第1部材30に揺動自在に支持されている。
【0030】
図1(a)及び(b)に示すように、第1軸24の中心軸Yと、第2軸34の中心軸Xと、同軸に配置された固定部12、先端部20、第1部材30及び第2部材40の中心軸Zとは、1点Oで交わり、互いに直交するようになっている。
【0031】
図1(a)に示すように、第2部材40の底部42には貫通孔48が形成され、この貫通孔48に柔軟な管16の一端が接続され、管16の他端が真空ポンプ等の不図示の真空吸引手段に接続され、貫通孔48から真空吸引されるようになっている。これにより、第2部材40の底部42の外表面42s、すなわち先端面42sに、電子部品を吸着することできる。先端面42sは中心軸Zに垂直であり、第1軸24及び第2軸34は先端面42sと平行である。
【0032】
電子部品が吸着される第2部材40の先端面42sは、第1軸24を中心に揺動自在であり、かつ、第2軸34を中心に揺動自在であり、第1軸24と第2軸34との交点Oを中心に、任意の方向に傾くことができる。そのため、電子部品の被吸着面が傾いていても、第2部材40の先端面42sに電子部品を確実に吸着することができ、第2部材40の先端面42sで圧力分布が均一になるように電子部品を押圧することができる。
【0033】
次に、電子部品移送装置用吸着ヘッド10の動作について、図3を参照しながら説明する。図3は、実施例の電子部品移送装置用吸着ヘッド10の動作の説明図である。
【0034】
まず、図3(a)に示すように、治具80内に電子部品6を置いた状態で、吸着ヘッド10の固定部12が固定されている不図示の電子部品移送装置を動作させ、吸着ヘッド10を、治具80内に置かれている電子部品6の上方まで移動させ、吸着ヘッド10の第2部材40の底部42の外表面42s、すなわち先端面42sを、電子部品6に対向させる。電子部品6は、基板2を覆うように基板2に金属キャップ4が接合されており、吸着ヘッド10の先端面42sは、金属キャップ4の上面5に対向する。前述したように、第1部材30は、矢印25で示すように、第1軸24を中心に揺動自在に、先端部20に支持されている。第2部材40は、矢印35で示すように、第2軸34を中心に揺動自在に、第1部材30に支持されている。
【0035】
次いで、図3(b)及び(c)に示すように、電子部品移送装置は、吸着ヘッド10を矢印11b,11cで示すように下降させ、吸着ヘッド10の先端面42sを、電子部品6の上面5に当接させる。
【0036】
このとき、図3(b)に示すように、金属キャップ4の上面5が図において右側が下がるように金属キャップ4が傾いた状態で基板2に接合されている場合、下降する吸着ヘッド10の先端面42sは、まず、電子部品6の上面5の図において左側に当接する。さらに吸着ヘッド10が下降すると、第1部材30及び第2部材40は第1軸24を中心に時計回り方向に回転し、やがて、吸着ヘッド10の先端面42sが電子部品6の上面5全体と当接する。
【0037】
吸着ヘッド10の先端面42sが電子部品6の上面5全体と当接した後、電子部品移送装置により吸着ヘッド10の固定部12がさらに下降すると、電子部品6の上面5の圧力分布は、矢印70で示すように均一になる。
【0038】
このとき、先端部20、第1部材30及び第2部材40は、ばね14の弾力に抗して固定部12側に後退するため、ばね14を介して適当な圧力で、第2部材40の先端面42sを電子部品6の上面5に押し当てることができる。また、第2部材40の先端面42sが電子部品6の上面5に接触するときの衝撃が、ばね14によって緩和されるため、電子部品6の破損や故障を防ぐことができる。
【0039】
一方、図3(c)に示すように、金属キャップ4の上面5の図において手前側が下がるように金属キャップ4が傾いた状態で基板4に接合されている場合、下降する吸着ヘッド10の先端面42sは、まず、電子部品6の上面5の図において奥側に当接し、さらに吸着ヘッド10が下降すると、吸着ヘッド10の先端面42sの手前側が下がるように、第1部材30及び第2部材40が第2軸34を中心に回転し、やがて、第2部材40の先端面42sは電子部品6の上面5全体と当接する。
【0040】
電子部品移送装置によって吸着ヘッド10の固定部12がさらに下降すると、矢印72で示すように、第2部材40の先端面42sは、電子部品6の上面5を押圧する。
【0041】
このとき、先端部20、第1部材30及び第2部材40は、ばね14の弾力に抗して固定部12側に後退するため、ばね16を介して適当な圧力で、第2部材40の先端面42sを電子部品6の上面5に押し当てることができる。また、第2部材40の先端面42sが電子部品6の上面5に接触するときの衝撃が、ばね14によって緩和されるため、電子部品6の破損や故障を防ぐことができる。
【0042】
電子部品6の上面5が図3(b)及び(c)に示した方向以外に傾いている場合には、図3(b)の動作と図3(c)の動作の組み合わせによって、第2部材40の先端面42sが電子部品6の上面5全体に、圧力分布が均一になるように当接する。
【0043】
図3に示すように、第2部材40の先端面42sが、第2部材40の先端面42sに吸着される電子部品6の上面5よりも大きい場合には、電子部品6の上面5が傾いていても、電子部品6の上面5全体を第2部材40の先端面42sで覆った状態で電子部品6を吸着でき、電子部品6の上面5の傾きを確実に吸収できるため、吸着不良や不均一な押圧を低減しやすい。
【0044】
また、図3(b)及び(c)に示すように電子部品6の上面5が傾いていても、第2部材40の先端面42sが電子部品6の上面5全体に当接した状態で、吸着孔48から真空吸引して電子部品6を吸着すると、電子部品6を確実に吸着することができるため、吸着不良が発生したり搬送時に電子部品が落下したりすることがない。
【0045】
<比較例> 次に、比較例の電子部品移送装置用吸着ヘッド10xについて、図2及び図4を参照しながら説明する。
【0046】
図2は、比較例の電子部品移送装置用吸着ヘッド10xの構成を模式的に示す部分断面略正面図である。
【0047】
図2に示すように、比較例の吸着ヘッド10xは、実施例と同じく、固定部12と、先端部20と、ばね14と、管16とを備える。しかし、実施例とは異なり、第1部材30と第2部材40とを備えていない。
【0048】
先端部20の底部22には貫通孔28が形成され、この貫通孔28に柔軟な管16の一端が接続されている。これにより、先端部20の底部22の外表面22s、すなわち先端面22sに、電子部品を吸着することできる。
【0049】
次に、比較例の吸着ヘッド10xの動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、比較例の吸着ヘッド10xの動作の説明図である。
【0050】
図4(a)に示すように、吸着ヘッド10xの固定部12が固定されている不図示の電子部品移送装置は、吸着ヘッド10xを、治具80に取り付けられている電子部品6の上方まで移動させ、先端部20の底部22の外表面22s、すなわち先端面22sを、電子部品6に対向させる。電子部品6は、基板2を覆うように金属キャップ4が基板2に接合されており、吸着ヘッド10の先端面22sは、金属キャップ4の上面5に対向する。
【0051】
次いで、図4(b)及び(c)に示すように、電子部品移送装置は、吸着ヘッド10を矢印11s,11tで示すように下降させ、吸着ヘッド10の先端面22sを、電子部品6の上面5に当接させる。
【0052】
このとき、図4(b)に示すように、電子部品6の金属キャップ4の上面5が図において左側が高くなるように金属キャップ4が傾いた状態で基板2に接合されている場合、下降する吸着ヘッド10xの先端面22sは、まず、電子部品6の上面5の図において左側に当接する。さらに吸着ヘッド10xが下降すると、電子部品6の図において左側が押し下げられ、電子部品6は図において左回りに回転し、やがて吸着ヘッド10xの先端面42sが電子部品6の上面5全体と当接する。このとき、矢印74で示すように、電子部品6の左側は相対的に強く押し下げられ、右側は相対的に弱く押し下げられ、圧力分布が不均一になる。
【0053】
電子部品6の金属キャップ4が傾かずに基板2に接合されていても、図4(c)に示すように、電子部品6が取り付けられている治具80自体が傾いている場合には、第2部材40の先端面42sで電子部品6の上面5を押圧すると、矢印76で示すように、圧力分布が不均一になる。
【0054】
図4(b)及び(c)に示すように、圧力分布が不均一になると、圧力が弱い箇所では電子部品6の不図示の端子と治具80に設けられた不図示の端子との間の接触不良が発生して、電子部品6について測定できなかったり、測定誤差が大きくなったりする。
【0055】
これに対し、実施例の吸着ヘッド10は、押圧分布が均一になるように電子部品6を押圧することができるので、端子間の接触不良を防止し、電子部品を正確に測定することができる。
【0056】
また、図4(b)及び(c)に示すように、電子部品6の上面5が傾き、先端部20の先端面22sと電子部品6の上面5との間に空隙が発生すると、吸着孔28から真空吸引しても、電子部品6を十分に吸着することができず、吸着不良が発生したり、搬送時に電子部品が落下したりする。
【0057】
これに対し、実施例の吸着ヘッド10は、電子部品6の上面5の傾きに応じて、第2部材40の先端面42sが傾き、第2部材40の先端面42sと電子部品6の上面5との間に空隙が発生しないようにすることができるため、電子部品6を確実に吸着することができ、吸着不良が発生したり搬送時に電子部品が落下したりすることがない。
【0058】
<まとめ> 以上に説明したように、第2部材の先端面が任意の方向に自在に傾くことができるように構成することで、電子部品の被吸着面が傾いていても、電子部品を確実に真空吸着することができ、圧力分布が均一になるように電子部品を押圧することができる。
【0059】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【0060】
例えば、先端部を付勢するばね部材を設けない構成とすることも可能である。第1軸と第2軸とが直交しない構成とすることも可能である。
【0061】
先端部と、第1部材と、第2部材との内外の関係は任意であり、例えば、第2部材の内側に第1部材が配置され、第1部材の内側に先端部が配置される構成や、第2部材の内側に先端部が配置され、先端部の内側に第1部材が配置される構成であってもよい。先端部と、第1部材及び第2部材とが同軸に配置されない構成とすることも可能である。
【0062】
第1部材や第2部材は、略筒形状のキャップ部材に限らず、揺動自在に支持される形状であればよい。また、電子部品を吸着する第2部材の先端面は、電子部品の被吸着面と同じ大きさであっても、電子部品の被吸着面よりも小さくてもよい。
【符号の説明】
【0063】
5 被吸着面
6 電子部品
10,10x 電子部品移送装置用吸着ヘッド
12 固定部
14 ばね(弾性部材)
16 管
20 先端部
22s 先端面
24 第1軸
28 吸着孔
30 第1部材
34 第2軸
40 第2部材
42s 先端面
48 吸着孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品移送装置に装着されて移動し、電子部品を真空吸着する、電子部品移送装置用吸着ヘッドであって、
前記電子部品移送装置に固定される固定部と、
前記固定部に保持され、前記固定部から突出する先端部と、
前記先端部に揺動自在に支持された第1部材と、
前記第1部材に揺動自在に支持された第2部材と、
を備え、
前記第2部材は、前記先端部及び前記第1部材よりも突出する先端面を有し、該先端面には電子部品を真空吸着するための吸着孔が形成され、該先端面と平行な第1軸を中心に揺動自在に前記第1部材に支持され、
前記第1部材は、前記第2部材の前記先端面と平行かつ前記第1軸と交差する第2軸を中心に揺動自在に前記固定部に支持されることを特徴とする、電子部品移送装置用吸着ヘッド。
【請求項2】
前記先端部は、前記固定部に対して出没する方向に移動自在に、前記固定部に保持され、
前記固定部の内部に、前記先端部が前記固定部から突出する方向に、前記先端部を弾力的に付勢する弾性部材をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の電子部品移送装置用吸着ヘッド。
【請求項3】
前記第1軸と前記第2軸とが互いに直交することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子部品移送装置用吸着ヘッド。
【請求項4】
前記先端部の外側に、前記第1部材及び前記第2部材が配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の電子部品移送装置用吸着ヘッド。
【請求項5】
前記第2部材の前記先端面は、前記第2部材の前記先端面に真空吸着される電子部品の被吸着面よりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子部品移送装置用吸着ヘッド。
【請求項6】
前記第1部材と前記第2部材とは、同軸に配置された筒状の部材であり、
前記第1軸と前記第2軸との前記交点は、前記第1部材及び前記第2部材の中心軸上に配置されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の電子部品移送装置用吸着ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−221365(P2010−221365A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73001(P2009−73001)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】