説明

電子部品試験装置、ソケットボード組立体、及びインタフェース装置

【課題】被試験電子部品の品種切替時における作業性の向上を図ることが可能な電子部品試験装置を提供する。
【解決手段】電子部品試験装置1は、DUT90が電気的に接続されるDSA10と、DSA10が着脱可能に装着されるハイフィックス30と、ハイフィックス30が着脱可能に装着されるテストヘッド60と、を備えており、ハイフィックス30は、DSA10に係合するフック431を有し、DSA10は、フック431が係合するフック受け部222と、ハイフィックス30に向かって進退可能なプッシュピン24と、を有し、フック431には、プッシュピン24が当接するピン受け部433が形成されており、プッシュピン24がピン受け部433を押圧することで、フック431の係合が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験電子部品の品種に応じてデバイス接続装置を交換可能な電子部品試験装置、並びに、その電子部品試験装置に用いることのできるソケットボード組立体及びインタフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路素子等の被試験電子部品を試験する電子部品試験装置として、ソケットが実装されたソケットボードを、被試験電子部品の品種に応じて交換可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−078048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のソケットボードは、テストヘッド上のハイフィックスにボルト等によって固定されており、被試験電子部品の品種切替に伴うソケットボードの交換作業の作業性が低いという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、被試験電子部品の品種切替時における作業性の向上を図ることが可能な電子部品試験装置、ソケットボード組立体、及びインタフェース装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る電子部品試験装置は、被試験電子部品が電気的に接続されるデバイス接続装置と、前記デバイス接続装置が着脱可能に装着されるインタフェース装置と、前記インタフェース装置が着脱可能に装着されるテストヘッドと、を備えた電子部品試験装置であって、前記インタフェース装置は、前記デバイス接続装置に係合するフックを有し、前記デバイス接続装置は、前記フックが係合するフック受け部と、前記インタフェース装置に向かって進退可能なプッシュピンと、を有し、前記フックには、前記プッシュピンが当接するピン受け部が形成されており、前記プッシュピンが前記ピン受け部を押圧することで、前記フックの係合が解除されることを特徴とする。
【0007】
[2]上記発明において、前記デバイス接続装置は、被試験電子部品が電気的に接続されるソケットと、前記ソケットが一方の主面に実装されたソケットボードと、前記ソケットボードの他方の主面に取り付けられたフレームと、前記プッシュピンに装着された環状のシール部材と、を有し、前記プッシュピンは、前記プッシュピンの軸方向に沿って移動可能に前記ソケットボードに保持され、前記フック受け部は、前記フレームに形成されており、前記フックが前記フック受け部に係合している状態において、前記プッシュピンが前記ピン受け部によって押し上げられて、前記シール部材が前記ソケットボードに密着していてもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記インタフェース装置は、前記テストヘッドに着脱可能に装着される本体部と、前記本体部に着脱可能に装着される機能拡張部と、を有し、前記機能拡張部は、前記ソケットボードと電気的に接続される接続ユニットと、前記接続ユニットが一方の主面に実装された機能ボードと、前記機能ボードの前記一方の主面に取り付けられ、前記接続ユニットを前記機能ボードに固定する固定部材と、を備えており、前記フックは、前記固定部材に形成されていてもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記接続ユニットは、前記ソケットボードのパッドと前記機能ボードのパッドとを電気的に接続するポゴピンと、前記ポゴピンを保持するハウジングと、を有してもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記プッシュピンは、テーパ状の先端を有すると共に、前記ピン受け部も、前記プッシュピンの先端に対応したテーパ状の当接面を有してもよい。
【0011】
[6]本発明に係るソケットボード組立体は、テストヘッド上のインタフェース装置に着脱可能に装着されるソケットボード組立体であって、被試験電子部品が電気的に接続されるソケットが一方の主面に実装されるべくソケットボードと、前記インタフェース装置のフックが係合するフック受け部を有し、前記ソケットボードの他方の主面に取り付けられたフレームと、前記フックの係合を解除するプッシュピンと、を備え、前記プッシュピンは、前記プッシュピンの軸方向に沿って移動可能に前記ソケットボードに保持されていることを特徴とする。
【0012】
[7]上記発明において、前記プッシュピンに形成された溝に嵌め込まれた環状のシール部材をさらに備え、前記シール部材は、前記ソケットボードの他方の主面側に位置していてもよい。
【0013】
[8]上記発明において、前記プッシュピンは、テーパ状の先端を有してもよい。
【0014】
[9]本発明に係るインタフェース装置は、デバイス接続装置とテストヘッドとの間に介在するインタフェース装置であって、前記インタフェース装置は、前記テストヘッドに着脱可能に装着される本体部と、前記本体部に着脱可能に装着される機能拡張部と、を備え、前記機能拡張部は、前記デバイス接続装置のソケットボードと電気的に接続されるべく接続ユニットと、前記接続ユニットが一方の主面に実装された機能ボードと、前記機能ボードの前記一方の主面に取り付けられ、前記接続ユニットを前記機能ボードに固定する固定部材と、を有し、前記固定部材は、前記デバイス接続装置に係合するフックを有しており、前記フックには、前記デバイス接続装置のプッシュピンが当接するピン受け部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
[10]上記発明において、前記接続ユニットは、前記ソケットボードのパッドと前記機能ボードのパッドとを電気的に接続するポゴピンと、前記ポゴピンを保持するハウジングと、を有してもよい。
【0016】
[11]上記発明において、前記ピン受け部は、テーパ状の当接面を有してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、フックの係合によってデバイス接続装置(又はソケットボード組立体)をインタフェース装置に装着することができる一方で、プッシュピンを押圧することでフックの係合を解除することができるので、被試験電子部品の品種切替時におけるデバイス接続装置の交換の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施形態における電子部品試験装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態におけるDSA、ハイフィックス、及びテストヘッドの断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態におけるDSA及び機能拡張部を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態におけるDSA及び機能拡張部の分解斜視図である。
【図5】図5は、図4のV部の拡大図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態における接続ユニットの断面図である。
【図7】図7(a)は、図5のVIIA-VIIA線に沿った断面図であり、図7(b)は、図5のVIIB-VIIB線に沿った断面図であり、いずれもラッチが係合した状態を示す図である。
【図8】図8(a)は、図5のVIIA-VIIA線に沿った断面図であり、図8(b)は、図5のVIIB-VIIB線に沿った断面図であり、いずれもプッシュピンを押し下げた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本実施形態における電子部品試験装置の全体構成を示す概略断面図である。
【0021】
本実施形態における電子部品試験装置1は、図1に示すように、半導体集積回路素子等の被試験電子部品(以下単に、DUTとも称する。)の電気的特性等を試験する装置であり、DSA(Device Specific Adapter)10と、ハイフィックス(HIFIX:High Fidelity Tester Access Fixture、いわゆるマザーボード)30と、テストヘッド60と、制御装置70と、を備えている。
【0022】
DSA10は、試験時にDUT90が電気的に接続されるソケット11を有しており、ハイフィックス30を介してテストヘッド60に電気的に接続されている。このDSA10は、DUT90の品種に応じて設計されており、DUT90の品種切替時には、その品種に対応したものに交換される。
【0023】
このDSA10は、ハンドラ80に形成された開口81を介してハンドラ80内に臨んでおり、ハンドラ80によってDUT90がDSA10のソケット11に押し付けられることで、DUT90とソケット11とが電気的に接続される。
【0024】
因みに、ハンドラ80は、DUT90に高温又は低温の熱ストレスを印加することが可能となっており、電子部品試験装置1は、DUT90に熱ストレスを印加した状態で、当該DUT90を試験する。このようなハンドラ80としては、例えば、ヒートプレートタイプやチャンバタイプ等を例示することができる。
【0025】
なお、DSA10及びハイフィックス30の構成については後に詳述する。
【0026】
テストヘッド60は、DUT90を試験する試験モジュール(ピンエレクトロニクスカード)61を内部に収容している。この試験モジュール61は、DSA10及びハイフィックス30を介して、DUT90との間で試験信号を授受することで、DUT90を試験する。
【0027】
制御装置70は、例えば、プログラムを実行するコンピュータであって、電子部品試験装置1の全体を制御する。この制御装置70は、プログラムに応じてテストヘッド60内のそれぞれの試験モジュール61と通信して、それぞれの試験モジュール61を制御する。
【0028】
次に、本実施形態におけるDSA10とハイフィックス30の構成について、図2〜図6を参照しながら説明する。なお、以下に説明するDSA10やハイフィックス30の構成は一例に過ぎず、特にこれに限定されない。
【0029】
図2は本実施形態におけるDSA、ハイフィックス、及びテストヘッドの断面図、図、図3及び図4は本実施形態におけるDSA及び機能拡張部の斜視図及び分解斜視図、図5は図4のV部の拡大図であり、図6は本実施形態における接続ユニットの断面図である。
【0030】
ハイフィックス30は、テストヘッド60の上に着脱可能に装着されている。一方、DSA10は、テストヘッド60に装着されたそのハイフィックス30の上に着脱可能に装着されている。
【0031】
本実施形態におけるDSA10は、図2〜図4に示すように、ソケット11と、ソケットボード組立体20と、を備えており、ソケットボード組立体20は、ソケットボード21と、ソケットボードフレーム22と、ソケットガイド23と、を有している。
【0032】
ソケットボード20は、パッド213(図6参照)を含む配線パターンを有するプリント配線板であり、一方の主面211(図4における上面)にソケット11が実装されている。
【0033】
ソケット11は、図3に示すように、DUT90の端子と接触する多数のコンタクタ111を有しており、上述のように、ハンドラ80によってDUT90がこのソケット11に押し付けられることで、DUT90の端子とコンタクタ111とが電気的に接続される。なお、コンタクタ111の具体例としては、例えば、ポゴピンや異方導電性フィルム等を例示することができる。
【0034】
また、ソケットボード21の上面211には、DUT90をソケット11に対して位置決めするためのソケットガイド23が取り付けられている。このソケットガイド23は、例えばステンレス等で構成されており、ボルト231によって、ソケットボード21と共にソケットボードフレーム22に固定されている。
【0035】
本実施形態では、このソケットボード21の外周に、ソケットボード21を貫通する保持孔214が形成されている。それぞれの保持孔214にはプッシュピン24が挿入されており、プッシュピン24は、当該プッシュピン24の軸方向に沿って移動可能にソケットボード21に保持されている。
【0036】
このプッシュピン24は、先細となるテーパ状の先端241を有している(図7(b)参照)。また、このプッシュピン24には、周方向に沿った溝242が形成されており、この溝242には、Oリング(オーリング)25が嵌め込まれている。この溝242は、プッシュピン24の先端241の近傍に形成されており、プッシュピン24がソケットボード21の保持孔214に挿入された状態において、Oリング25がソケットボード21の下面212側に位置するようになっている。
【0037】
一方、ソケットボード21の他方の主面212(図4における下面)には、ソケットボードフレーム22が取り付けられている。このソケットボードフレーム22は、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の熱伝導率が低く且つ機械的強度が高い材料から構成される枠状の部材である。ソケットボード21の下面212に形成されたパッド213(図6参照)は、ソケットボードフレーム22の開口を介して下方に露出しており、後述の接続ユニット41と電気的に接続可能となっている。
【0038】
図5に示すように、このソケットボードフレーム22の内面221には、その周方向に延在する突条状のフック受け部222が形成されている。このフック受け部222に、後述するフック431の爪部432が係合することで、DSA10がハイフィックス30に装着される。
【0039】
本実施形態におけるハイフィックス30は、図2に示すように、機能拡張部40と、本体部50と、を備えており、機能拡張部40は本体部50の上に着脱可能に装着されている。
【0040】
機能拡張部40は、図2〜図4に示すように、接続ユニット41と、機能ボード42と、固定ブロック43と、機能ボードフレーム44と、第1のコネクタ45と、を有している。
【0041】
機能ボード42は、パッド423(図6参照)を含む配線パターンを有するプリント配線板であり、一方の主面421(図4における上面)に、接続ユニット41が実装されていると共に、固定ブロック43が取り付けられている。
【0042】
接続ユニット41は、図6に示すように、多数のポゴピン411と、このポゴピン411を保持するハウジング415と、を有している。
【0043】
ポゴピン411は、上プランジャ412と、下プランジャ413と、筒部414と、を有している。いずれのプランジャ412,413も軸方向に移動可能に筒部414に保持されており、筒部414に収容されたコイルスプリング(不図示)の弾性力によって、上下のプランジャ412,413が相互に離遠する方向に付勢されている。
【0044】
接続ユニット41は機能ボード42に実装されており、接続ユニット41の上に固定ブロック43が部分的に被せられることによって、接続ユニット41が機能ボード42に固定されている。なお、固定ブロック43は、ボルト435によって固定されている。
【0045】
この際、接続ユニット41は、機能ボード42のパッド423に下プランジャ413が当接するように、機能ボード42に実装されている。そして、DSA10がハイフィックス30に装着されると、図6に示すように、上プランジャ412が、ソケットボード21のパッド213に当接するので、ポゴピン411を介してソケットボード21と機能ボード42とが電気的に接続される。
【0046】
固定ブロック43は、上述のソケットボードフレーム22と同様に、例えば、PEEK等の熱伝導率が低く且つ機械的強度が高い材料から構成されている。
【0047】
この固定ブロック43は、上方に向かって突出して弾性変形可能な複数のフック431を有している。それぞれのフック431の上部には、2つの爪部432と、ピン受け部433と、が形成されている。
【0048】
それぞれの爪部432は、上述のソケットボードフレーム22のフック受け部222に対応するように配置されている。このフック431の爪部432がフック受け部222に係合することで、DSA10がハイフィックス30に固定される。
【0049】
一方、ピン受け部433は、2つの爪部432の間に設けられており、上述のプッシュピン24に対応するように配置されている。このピン受け部433は、プッシュピン24の先端241に対応したテーパ状の当接面434を有しており、ピン受け部433がプッシュピン24によって押圧されると、フック431全体が内側に屈曲するように弾性変形する。これに伴って、爪部432も内側に向かって移動し、爪部432のフック受け部222への係合が解除される。
【0050】
一方、機能ボード42の他方の主面422(図4における下面)には、機能ボードフレーム44が取り付けられていると共に、第1のコネクタ45が実装されている。この機能ボードフレーム44は、例えばステンレスで構成される枠状の部材であり、その開口には、第1のコネクタ45が位置している。
【0051】
また、図2に示すように、機能ボード42の下面422には、付加回路424が実装されている。この付加回路424は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)から構成されており、一の試験モジュール61からの信号に応じて複数のDUT90と並行して信号の授受を行う。これにより、一つの試験モジュール61が同時に試験するDUT90の数を増加させることができる。
【0052】
また、付加回路424が、試験モジュール61から受け取った信号を高いクロックの信号に変換してDUT90に供給する一方で、DUT90から受け取った信号を低いクロックの信号に変換して試験モジュール61に供給してもよい。これにより、試験モジュール61が試験可能なDUTのクロックよりも高いクロックで動作するDUTを試験することが可能となる。
【0053】
こうした付加回路424を既存の電子部品試験装置に追加することで、高速化及び高機能化した試験にその既存の電子部品試験装置で対応することが可能となる。
【0054】
一方、ハイフィックス30の本体部50は、図2に示すように、機能拡張部40の第1のコネクタ45と嵌合する第2のコネクタ51を上部に有している。この第2のコネクタ51が、上述の第1のコネクタ45と嵌合することで、機能拡張部40が本体部50に電気的に接続される。
【0055】
この第2のコネクタ51は、特に図示しない枠体を介してスペーシングフレーム52に支持されており、スペーシングフレーム52は、若干の上下動が可能なスペース柱53を介して、中継ボード54に支持されている。
【0056】
中継ボード54の下面には、第3のコネクタ55が実装されており、この第3のコネクタ55は、ケーブル56を介して、上述の第2のコネクタ51と電気的に接続されている。この第3のコネクタ55は、テストヘッド60の上部に設けられた第4のコネクタ62と嵌合可能となっており、第3のコネクタ55と第4のコネクタ62とが嵌合することで、ハイフィックス30がテストヘッド60に電気的に接続される。なお、第4のコネクタ62は、特に図示しないケーブル等を介して、試験モジュール61(図1参照)に電気的に接続されている。
【0057】
以下に、DSA10のハイフィックス30への装着方法及び取外し方法について、図7及び図8を参照しながら説明する。
【0058】
図7(a)及び図7(b)はDSA10をハイフィックス30の機能拡張部40に装着した状態を示す図であり、図8(a)及び図8(b)はDSA10をハイフィックス30の機能拡張部40から取り外し可能な状態を示す図である。
【0059】
DSA10をハイフィックス30に装着する場合には、先ず、図3に示すように、フック431がフック受け部222に対向するように、DSA10をハイフィックス30の機能拡張部40上に位置させる。
【0060】
次いで、DSA10を機能拡張部40に接近させて、図7(a)に示すように、フック431の爪部432をフック受け部222に係合させることで、DSA10をハイフィックス30に固定する。これにより、接続ユニット41のポゴピン411がソケットボード21のパッド213に当接して、接続ユニット41を介してソケットボード21と機能ボード42とが電気的に接続される。
【0061】
また、この際、図7(b)に示すように、プッシュピン24がピン受け部433に当接して、ピン受け部433がプッシュピン24を上方に押し上げるので、Oリング25がソケットボード21の下面212に密着して、プッシュピン24とソケットボード21との間を密閉する。このため、ハンドラ80によってDUT90に高温又は低温の熱ストレスを印加している場合に、保持孔214を介して、ハンドラ80から熱気や冷気がハイフィックス30内に流入するのを抑制することができ、熱気や冷気により付加回路424が損傷するのを防止することができる。
【0062】
これに対し、DUT90の品種切替に伴ってDSA10をハイフィックス30から取り外す場合には、図8(b)に示すように、治具100によってプッシュピン24を押し下げる。これにより、プッシュピン24によってピン受け部433が押圧されて、フック431全体が内側に向かって弾性変形する。このフック431の弾性変形に伴って、図8(a)に示すように、爪部432が内側に向かって移動するので、フック受け部222から爪部432が外れて、フック431の係合が解除される。この状態でDSA10を持ち上げることで、DSA10をハイフィックス30から取り外すことができる。
【0063】
以上のように、本実施形態では、フック431の係合によってDSA10をハイフィックス30に確実に固定できる一方で、プッシュピン24を押すことでフック431の係合を簡単に解除することができる。このため、DUT90の品種切替時におけるDSA10の交換の作業性が向上する。
【0064】
また、本実施形態では、フック431がフック受け部222に係合している状態において、プッシュピン24がピン受け部433によって押し上げられており、Oリング25がソケットボード21の下面212に密着している。このため、プッシュピン24と保持孔214の開口との間をOリング25が密閉するので、保持孔214を介して、ハンドラ80から熱気や冷気がハイフィックス30内に流入するのを抑制することができ、付加回路424の損傷を防止することができる。
【0065】
本実施形態におけるDSA10が本発明におけるデバイス接続装置の一例に相当し、本実施形態におけるハイフィックス30が本発明におけるインタフェース装置の一例に相当し、本実施形態におけるソケットボードフレーム22が本発明におけるフレームの一例に相当し、本実施形態におけるOリング25が本発明におけるシール部材の一例に相当し、本実施形態における固定ブロック43が本発明における固定部材の一例に相当する。
【0066】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0067】
例えば、機能拡張部を介さずにDSAをハイフィックスの本体部に直接装着するタイプの電子部品試験装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…電子部品試験装置
10…DSA
11…ソケット
20…ソケットボード組立体
21…ソケットボード
214…保持孔
22…ソケットボードフレーム
222…フック受け部
23…ソケットガイド
24…プッシュピン
241…先端
242…溝
25…Oリング
30…ハイフィックス
40…機能拡張部
41…接続ユニット
411…ポゴピン
415…ハウジング
42…機能ボード
43…固定ブロック
431…フック
432…爪部
433…ピン受け部
434…当接面
44…機能ボードフレーム
50…本体部
60…テストヘッド
70…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験電子部品が電気的に接続されるデバイス接続装置と、
前記デバイス接続装置が着脱可能に装着されるインタフェース装置と、
前記インタフェース装置が着脱可能に装着されるテストヘッドと、を備えた電子部品試験装置であって、
前記インタフェース装置は、前記デバイス接続装置に係合するフックを有し、
前記デバイス接続装置は、
前記フックが係合するフック受け部と、
前記インタフェース装置に向かって進退可能なプッシュピンと、を有し、
前記フックには、前記プッシュピンが当接するピン受け部が形成されており、
前記プッシュピンが前記ピン受け部を押圧することで、前記フックの係合が解除されることを特徴とする電子部品試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品試験装置であって、
前記デバイス接続装置は、
被試験電子部品が電気的に接続されるソケットと、
前記ソケットが一方の主面に実装されたソケットボードと、
前記ソケットボードの他方の主面に取り付けられたフレームと、
前記プッシュピンに装着された環状のシール部材と、を有し、
前記プッシュピンは、前記プッシュピンの軸方向に沿って移動可能に前記ソケットボードに保持され、
前記フック受け部は、前記フレームに形成されており、
前記フックが前記フック受け部に係合している状態において、前記プッシュピンが前記ピン受け部によって押し上げられて、前記シール部材が前記ソケットボードに密着していることを特徴とする電子部品試験装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電子部品試験装置であって、
前記インタフェース装置は、
前記テストヘッドに着脱可能に装着される本体部と、
前記本体部に着脱可能に装着される機能拡張部と、を有し、
前記機能拡張部は、
前記ソケットボードと電気的に接続される接続ユニットと、
前記接続ユニットが一方の主面に実装された機能ボードと、
前記機能ボードの前記一方の主面に取り付けられ、前記接続ユニットを前記機能ボードに固定する固定部材と、を備えており、
前記フックは、前記固定部材に形成されていることを特徴とする電子部品試験装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子部品試験装置であって、
前記接続ユニットは、
前記ソケットボードのパッドと前記機能ボードのパッドとを電気的に接続するポゴピンと、
前記ポゴピンを保持するハウジングと、を有することを特徴とする電子部品試験装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の電子部品試験装置であって、
前記プッシュピンは、テーパ状の先端を有すると共に、
前記ピン受け部も、前記プッシュピンの先端に対応したテーパ状の当接面を有することを特徴とする電子部品試験装置。
【請求項6】
テストヘッド上のインタフェース装置に着脱可能に装着されるソケットボード組立体であって、
被試験電子部品が電気的に接続されるソケットが一方の主面に実装されるべくソケットボードと、
前記インタフェース装置のフックが係合するフック受け部を有し、前記ソケットボードの他方の主面に取り付けられたフレームと、
前記フックの係合を解除するプッシュピンと、を備え、
前記プッシュピンは、前記プッシュピンの軸方向に沿って移動可能に前記ソケットボードに保持されていることを特徴とするソケットボード組立体。
【請求項7】
請求項6に記載のソケットボード組立体であって、
前記プッシュピンに形成された溝に嵌め込まれた環状のシール部材をさらに備え、
前記シール部材は、前記ソケットボードの他方の主面側に位置していることを特徴とするソケットボード組立体。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のソケットボード組立体であって、
前記プッシュピンは、テーパ状の先端を有していることを特徴とするソケットボード組立体。
【請求項9】
デバイス接続装置とテストヘッドとの間に介在するインタフェース装置であって、
前記インタフェース装置は、
前記テストヘッドに着脱可能に装着される本体部と、
前記本体部に着脱可能に装着される機能拡張部と、を備え、
前記機能拡張部は、
前記デバイス接続装置のソケットボードと電気的に接続されるべく接続ユニットと、
前記接続ユニットが一方の主面に実装された機能ボードと、
前記機能ボードの前記一方の主面に取り付けられ、前記接続ユニットを前記機能ボードに固定する固定部材と、を有し、
前記固定部材は、前記デバイス接続装置に係合するフックを有しており、
前記フックには、前記デバイス接続装置のプッシュピンが当接するピン受け部が形成されていることを特徴とするインタフェース装置。
【請求項10】
請求項9に記載のインタフェース装置であって、
前記接続ユニットは、
前記ソケットボードのパッドと前記機能ボードのパッドとを電気的に接続するポゴピンと、
前記ポゴピンを保持するハウジングと、を有することを特徴とするインタフェース装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のインタフェース装置であって、
前記ピン受け部は、テーパ状の当接面を有することを特徴とするインタフェース装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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