説明

電子部品

【課題】ビビリ音を抑制すると共に、容易に電気機器に装着可能な電子部品の提供。
【解決手段】フレーム10に保持固定される電子部品1であって、電子部品1は、素子と、素子を収容する樹脂ケース2と、樹脂ケース2を覆い、対象物に固定される固定部51を有する金属ケース5と、を備え、樹脂ケース2には、金属ケース5外に配置されフレーム10の被装着部11に掛止されるフック25が設けられ、フック25には、被装着部11に掛止される際に被装着部11を受け入れる把持空間25aが金属ケース5の表面から離間した位置に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品に関し、特にケース内に素子等を内蔵する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品、例えばインレットフィルタにおいては、絶縁体である樹脂ケース内に電源ケーブルのコネクタが差し込まれる差し込み部とフィルタ回路等の素子とが内蔵され、この樹脂ケースを金属ケースで覆う構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭57−48722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このインレットフィルタをテレビ等の電気機器に装着する際には、金属ケースに設けられた固定部等により、電気機器の被装着部に装着される。金属ケースは一般に板材を折り曲げ加工して構成されているため、被装着部にインレットフィルタが装着されることにより、被装着部と金属ケースとの間でビビリ音が発生する場合があった。ネジ止めにより完全に固定することでビビリ音は防止できるが、ネジ止めによる構成だと装着が煩わしく仮固定時の位置決めも難しくなっていた。よって本発明は、ビビリ音を抑制すると共に、容易に電気機器に装着可能な電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、対象物に保持固定される電子部品であって、電子部品は、素子と、素子を収容する樹脂ケースと、樹脂ケースを覆い、対象物に固定される固定部を有する金属ケースと、を備え、樹脂ケースには、金属ケース外に配置され対象物の被装着部に掛止されるフックが設けられ、フックには、被装着部に掛止される際に被装着部を受け入れる把持空間が金属ケースの表面から離間した位置に形成されている電子部品を提供する。
【0006】
このような構成によると、フックにより被装着部に電子部品を掛止することができるため、電子部品の対象物への装着が容易になる。またフックは樹脂製であり、フックにおいて被装着部を受け入れる把持空間が金属ケースから離れているため、フックが被装着部に掛止されても、金属ケースと被装着部とが当接することが無く、ビビリ音の発生を防止することができる。
【0007】
上記構成の電子部品において、フックは、一対設けられていることが好ましい。このような構成によると、安定して被装着部に電子部品をフックにより掛止することができる。
【0008】
またフックは、把持空間を画成する底面と、底面と共に把持空間を画成し底面から延びて互いに対向する一対の側面を有し、一対の側面のいずれか一方若しくは両方には側面から突出する突起部が設けられていることが好ましい。
【0009】
このような構成によると、突起部で被装着部を受ける構成を採るため、フックと被装着部との間の接触面積を減らすことができ、より確実にビビリ音の発生を防止することができる。
【0010】
またフックは、把持空間を画成する底面と、底面と共に把持空間を画成し底面から延びて互いに対向する一対の側面を有し、被装着部にフックが掛止されていない状態において一対の側面の間の距離は、一対の側面の間に位置する被装着部の幅より小さくなるように構成されていることが好ましい。またフックは、バネ性を備えた素材から構成されていてもよい。
【0011】
このような構成によると、フックにより被装着部を確実に保持することにより、安定した装着が可能になり、ビビリ音を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電子部品によれば、ビビリ音を抑制すると共に、容易に電気機器に装着可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子部品の上方からの斜視図。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子部品の下方からの斜視図。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子部品の樹脂ケース内を示す部分平面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子部品の樹脂ケース及び金属ケースの導線引き出し側の側面図。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子部品の正面図。
【図6】本発明の実施の形態に係る電子部品の樹脂ケースを蓋で覆った状態を示す部分平面図。
【図7】図6のVII−VII線に沿った断面部分矢視図。
【図8】本発明の実施の形態に係る電子部品の樹脂ケースを蓋で覆った状態での樹脂ケース内を示す部分平面図。
【図9】被装着部に電子部品を装着した状態での部分正面図。
【図10】本発明の実施の形態に係る電子部品のフック部分の第一の変形例であり、被装着部に電子部品を装着した状態でのフック部周辺の部分正面図。
【図11】本発明の実施の形態に係る電子部品のフック部分の第二の変形例であり、被装着部に電子部品を装着した状態でのフック部周辺の部分正面図。
【図12】本発明の実施の形態に係る電子部品の保持部の変形例を示す部分側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態による電子部品について図1から図9に基づき説明する。電子部品であるインレットフィルタ1は、外部電源からの図示せぬ電源ケーブルが接続されてインレットフィルタ1が装着されている図示せぬ電気機器にノイズを除去しつつ電力を供給する部品であり、図1に示されるように、樹脂ケース2と、素子3(図3)と、蓋4と、金属ケース5と、金属蓋6と、ケーブル部7とから主に構成されている。
【0015】
樹脂ケース2は、図3に示されるように、略長方形の底壁2Aと底壁2Aの周囲から延出される側壁2Bとを備え、内部に空間2aが画成されるバスタブ状に構成されている。以下の説明において、この底壁2Aの長手方向をインレットフィルタ1の長手方向と定義し、この底壁2Aの短手方向をインレットフィルタの幅方向と定義する。また樹脂ケース2の底壁2Aから側壁2Bが延出される方向をインレットフィルタ1の高さ方向と定義する。
【0016】
樹脂ケース2の底壁2Aには、図2に示されるように外部電源からの図示せぬ電源ケーブルが接続される差し込み部21が設けられている。差し込み部21には差込端子21Aが設けられており、図2及び図3に示されるように差込端子21Aは、樹脂ケース2外から内部に連通して配置されている。また図3に示されるように、樹脂ケース2の底壁2Aにおいて樹脂ケース2の内部には、一対の素子台21B、21Bが設けられており、一対の素子台21B、21Bには、素子3及びケーブル部7がそれぞれはんだ付けされる端子21C、21Cが設けられている。
【0017】
側壁2Bにおいて上端縁には、蓋4がはめ込まれる段部2bが形成されており、側面部分には金属ケース5に形成された後述の係止孔5dに係合する爪2E(図1、図2)が複数設けられている。図3に示されるように側壁2Bにおいて長手方向一端には、一端側壁部2Cが規定されており、一端側壁部2Cには、ケーブル挿通部23が規定される第一壁部と第二ケーブル保持部24が規定される第二壁部とを備える保持部22が、一端側壁部2Cから外方に向けて突出して設けられている。保持部22は、その上端縁が一端側壁部2Cの上端縁と一連に構成されていると共に、その上端縁にも前述の段部2bが形成されている。
【0018】
ケーブル挿通部23は、一端側壁部2Cから長手方向において空間2a外に向けて突出した第一壁部に配置されており、図4に示されるように、上端縁(第一縁部)から下側(底壁2A側)へと向けて延設される第一スリット23aと、第一スリット23aの下端部分から第一スリット23aの延設方向と交差する幅方向一方側及び幅方向他方側にそれぞれ延設される第二スリット23b、23bとが形成されている。ケーブル挿通部23において一方の第二スリット23bと他方の第二スリット23bとの中間位置には、上方へ向けて突出する仕切部23Aが設けられている。これら第一スリット23a、第二スリット23b、23bそれぞれの幅は、ケーブル部7の後述のケーブル7A、7B(図3)の線径より僅かに大きくなるように構成されている。第一スリット23aが上端縁(第一縁部)で開口しているため、後述のケーブル7A、7Bを第一スリット23aの開口から挿入して第二スリット23b、23b内に配置することができる。
【0019】
第二ケーブル保持部24は、長手方向において一端側壁部2Cと同一位置であると共に一端側壁部2Cと同一平面上に位置する第二壁部から構成され、第二ケーブル保持部24の上端縁(第二縁部)は、一端側壁部2Cの上端縁より下側になるように構成されている。また第二ケーブル保持部24には、上端縁(第二縁部)から下側(底壁2A側)へと延設される一対の第三スリット24a、24aが形成されている。一対の第三スリット24a、24aは、図4に示されるように、長手方向からの矢視において第一スリット23aを挟んで幅方向一方側と幅方向他方側とに位置すると共に、第二スリット23b、23bより幅方向で外側に位置するようにずれて配置されている。また第三スリット24a、24aの幅は、ケーブル部7の後述のケーブル7A、7Bの線径より僅かに大きくなるように構成されている。
【0020】
図1に示されるように、側壁2Bにおいて、樹脂ケース2の長手方向他端には他端側壁部2D(図1)が規定されており、他端側壁部2Dの外面には、一対のフック25、25が設けられている。一対のフック25、25はそれぞれ同形状であり、樹脂ケース2の幅方向に並んで配置されている。代表として一方のフック25について説明する。フック25は、図5に示されるように樹脂ケース2(図1)から突出する基部25Aと、基部25Aの先端から長手方向に延出される底部25Bと、底部25Bの先端から上方に向けて延出される腕部25Cとから構成されている。基部25Aの他端側壁部2Dからの突出量は、金属ケース5を構成する金属板の板厚より大きくなるように構成されている。よって基部25Aの腕部25Cと対向する面(側面)は、金属ケース5から離間した位置(金属ケース5外面よりも外方位置)に配置される。またフック25には、後述の被装着部11を受け入れる把持空間25aが形成されている。この把持空間25aは、基部25Aの腕部25Cに対向する面と腕部25Cの基部25Aに対向する面とを対向する一対の側面とし、これら一対の側面と連続する底部25Bの面を底面として画成されている。上述のように基部25Aの腕部25Cと対向する面(側面)が金属ケース5から離間した位置に配置されているため、把持空間25aは金属ケース5の表面から離間している。
【0021】
図3に示されるように、素子3は空間2a内に内蔵されており、コイル部品31と一対のコンデンサ32、32とを主に含んで構成されている。コイル部品31は図示せぬリングコアを内蔵するコア部31Aとコア部31Aに巻回される一対の導線31B、31Bから構成されている。コア部31Aは空間2a内において底壁2A上に固定され、一対の導線31B、31Bのうち一方の導線31Bの一端が一方の端子21Cにはんだ付けされて電気的に継線され、他方の導線31Bの一端が他方の端子21Cにはんだ付けで継線されている。また一対の導線31B、31Bの他端は差し込み部21の差込端子21Aに継線されて電気的に接続されている。一対のコンデンサ32、32はそれぞれ一方の端子21C及び他方の端子21Cと金属ケース5とに継線されている。
【0022】
蓋4は、図6に示されるように、平板部41と、突出部42と、突起部43と、割込部44とから主に構成されている。平板部41は、側壁2Bの輪郭に沿った長方形状に構成されており、側壁2B上端縁の段部2b(図3)にはめ込まれて空間2a(図3)を閉鎖するように構成されている。
【0023】
突出部42は、平板部41と同一平面上であって平板部41の長手方向一端側から突出しており、平板部41が側壁2Bにはめ込まれた状態で、保持部22上端縁の段部2b(図3)にはめ込まれるように構成されている。
【0024】
突起部43は、突出部42の突出方向先端に位置し、図7に示されるように突出部42から下側に向けて突出する突起状に構成されている。よって突出部42が保持部22にはめ込まれた状態で、突起部43は第一スリット23a内に挿入される。
【0025】
割込部44は、図7に示されるように突起部43の下端位置から下方へ向けて突出して構成されている。よって突出部42が保持部22にはめ込まれた状態で、割込部44は一方の第二スリット23bと他方の第二スリット23bとの中間に位置し、仕切部23Aと協働して一方の第二スリット23bと他方の第二スリット23bとを分離した二つの空間に区切っている。この割込部44とケーブル挿通部23とにより第一ケーブル保持部が提供される。
【0026】
金属ケース5は、底壁2A及び側壁2Bの外形形状に沿うように薄板の金属板が折り曲げられて構成されており、図1または図2に示されるように、差し込み部21、保持部22、一対のフック25、25をそれぞれ金属ケース5外に突出させる差し込み部用孔5a、保持部用孔5b、フック用孔5c、5cがそれぞれ対応する位置に形成されている。また金属ケース5において側壁2Bと対向する位置には、爪2Eが掛止される係止孔5dが複数個形成されている。爪2Eが係止孔5dに掛止されることにより、金属ケース5が樹脂ケース2に脱落不能に装着される。図1に示されるように金属ケース5において、上端縁部分には、金属蓋6をかしめるカシメ片5Aが設けられている。また金属ケース5において、フック用孔5c、5cが形成されている面の下端位置には、長手方向に延出される固定部51が設けられている。固定部51には後述のネジ13が貫通するネジ穴51aが形成されている。
【0027】
金属蓋6は、図1に示されるように、蓋4において平板部41(図6)のみを覆うように薄板の金属板が折り曲げられて構成され、略長方形に形状化される閉止部61と、閉止部61の略長方形の外縁から下方に向けて延びるスカート部62とを備えて構成されている。このスカート部62内に金属ケース5の上端縁を収容した状態で、金属ケース5のカシメ片5Aを折り曲げることにより、金属蓋6が金属ケース5に固定され、樹脂ケース2を閉止することができる。
【0028】
ケーブル部7は、図3に示されるように、2本のケーブル7A、7Bから構成されている。ケーブル7Aは、一方の端子21Cに継線されており、幅方向一端側の第三スリット24a内を通過した後に幅方向一端側の第二スリット23bに挿入されて樹脂ケース2の外部に延出されている。ケーブル7Bは、他方の端子21Cに継線されており、幅方向他端側の第三スリット24a内を通過した後に幅方向他端側の第二スリット23bに挿入されて樹脂ケース2の外部に延出されている。
【0029】
保持部22に上述のようにケーブル部7が挿通された状態で、蓋4が閉められて樹脂ケース2が閉止される。この状態において、図7に示されるように、第一スリット23a内には突起部43が挿入され、一方の第二スリット23bと他方の第二スリット23bとの間には割込部44が位置するため、図5、図8に示されるように、ケーブル7A、7Bはそれぞれ一方の第二スリット23bの延設方向先端側と他方の第二スリット23bの延設方向先端側とに移動する。第二スリット23bと第三スリット24aとは上述のように互いにずれた位置に配置されているため、ケーブル7A、7Bは第二スリット23bで拘束されつつ第三スリット24aに掛止された状態になる。即ち、図8に示されるようにケーブル部7は、保持部22の前後で屈曲する状態を採り、八の字状に位置規制されて保持部22に保持される。保持部22に保持されることにより、ケーブル部7が樹脂ケース2から引き抜かれることが抑制される。また蓋4を閉めない状態であっても、少なくともケーブル挿通部23にケーブル7A、7Bを挿通することにより、ケーブル7A、7Bの脱落を抑制することができる。よって容易に蓋4を閉めてケーブル部7が保持された状態にすることができる。
【0030】
また蓋4で空間2aを閉止した後に、金属蓋6で、蓋4及び樹脂ケース2を覆い、更にカシメ片5Aにより金属蓋6をかしめることにより、空間2aが閉止されて、かつ不意に開放されることが防がれる。金属蓋6は、図1に示されるように蓋4において平板部41のみ覆っており、突出部42を覆わない構成を採っている。このように、金属蓋6において蓋4の一部のみを覆わない構成を採ることにより、金属蓋6で樹脂ケース2を覆った後に蓋4の存在の確認をすることができ、蓋4の閉め忘れを防止することができる。
【0031】
上記構成のインレットフィルタ1を装着の対象物である図示せぬ電気機器のフレーム10に装着するには、図9に示されるように、フレーム10の被装着部11を把持空間25a内に受け入れるように、一対のフック25、25をそれぞれ被装着部11に掛止すると共に固定部51をフレーム10の被固定部12に沿わせ、仮固定を行う。この状態において、インレットフィルタ1は、二個のフック25で被装着部11に掛止されているため、フレーム10に対してインレットフィルタ1にぐらつき等が発生しにくく、安定した掛止状態を保つことができる。また固定部51を被固定部12にネジにより固定せずとも、少なくとも一対のフック25、25によりインレットフィルタ1がフレーム10に仮固定されているため、製造時の検収等においても、特に問題なくインレットフィルタ1を使用することができる。
【0032】
ネジ穴51aを貫通してネジ13により固定部51を被固定部12に固定することにより、インレットフィルタ1がフレーム10に本固定される。この状態において、固定部51と被固定部12とはネジ13で圧接されているため、隙間が発生することが無く、故にビビリ音は発生しない。またフック25と被装着部11との間では、フック25周辺の金属ケース5が把持空間25aから離間しているため、把持空間25aに受け入れられている被装着部11と金属ケース5とが接触することは防がれ、かつフック25が樹脂素材であることから金属同士の接触が無く、被装着部11とフック25及び金属ケース5との間でのビビリ音の発生も防がれる。
【0033】
本発明による電子部品は、上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。例えば図10に示されるように、フック25の把持空間25aを画成する内面の幅を、被装着部11の幅と同じ、若しくは被装着部11の幅より狭くしても良い。このような構成によると、フック25により被装着部11を確実に保持することができるので、インレットフィルタ1を、更に安定した状態でフレーム10に装着することができ、ビビリ音を更に低減することができる。この構成においては、樹脂ケース2を構成する樹脂より更にバネ性の高い素材からフック25を構成することにより、より安定してフック25を被装着部11に掛止することが可能になる。
【0034】
また図11に示されるように、フック25の把持空間25aを画成する内面に、ビート状の突起部25Dを設け、この突起部25Dにより被装着部11を受ける構成を採ってもよい。このような構成によると、フック25と被装着部11との間の接触面積を減らすことができ、より確実にビビリ音の発生を防止することができる。
【0035】
また図12に示されるように、第一ケーブル保持部を構成するケーブル挿通部23において、一方の第二スリット23bと他方の第二スリット23bとのそれぞれの内周面にビート部23Bを設けてもよい。また第二ケーブル保持部24の一対の第三スリット24a、24aの内周面にも同様のビート部24Aを設けてもよい。このような構成によると、ケーブル部7をビート部23B、ビート部24Aで挟持する構成を採ることができ、より確実にケーブル部7を保持することができる。
【0036】
また金属蓋6は、蓋4において平板部のみを覆い、他の部分を覆わない構成としたがこれに限らず、蓋4を構成する部材の一部のみを残して他の部分を覆う構成を採ればよい。このような構成であれば、金属蓋6を閉止した後に蓋4の閉め忘れの有無を確認することができる。
【0037】
本発明は、ケース内に素子が配置され、その素子からケース外にケーブルが延出される構成を採る電子部品であるならば、上述のインレットフィルタに関わらず適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・インレットフィルタ 2・・樹脂ケース 2A・・底壁 2B・・側壁
2C・・一端側壁部 2D・・他端側壁部 2E・・爪 2a・・空間 2b・・溝
3・・素子 4・・蓋 5・・金属ケース 5A・・カシメ片
5a・・差し込み部用孔 5b・・保持部用孔 5c・・フック用孔 5d・・係止孔
6・・金属蓋 7・・ケーブル部 7A・・ケーブル 7B・・ケーブル
10・・フレーム 11・・被装着部 12・・被固定部 13・・ネジ
21・・差し込み部 21A・・差込端子 21B・・素子台 21C・・端子
22・・保持部 23・・ケーブル挿通部 23A・・仕切部 23B・・ビート部
23a・・第一スリット 23b・・第二スリット 24・・第二ケーブル保持部
24A・・ビート部 24a・・第三スリット 25・・フック 25A・・基部
25B・・底部 25C・・腕部 25D・・突起部 25a・・把持空間
31・・コイル部品 31A・・コア部 31B・・導線 32・・コンデンサ
41・・平板部 42・・突出部 43・・突起部 44・・割込部 51・・固定部
51a・・ネジ穴 61・・閉止部 62・・スカート部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に保持固定される電子部品であって、該電子部品は、
素子と、
該素子を収容する樹脂ケースと、
該樹脂ケースを覆い、該対象物に固定される固定部を有する金属ケースと、を備え、
該樹脂ケースには、該金属ケース外に配置され該対象物の被装着部に掛止されるフックが設けられ、該フックには、該被装着部に掛止される際に該被装着部を受け入れる把持空間が該金属ケースの表面から離間した位置に形成されていることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
該フックは、一対設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
該フックは、該把持空間を画成する底面と、該底面と共に該把持空間を画成し該底面から延びて互いに対向する一対の側面を有し、該一対の側面のいずれか一方若しくは両方には該側面から突出する突起部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電子部品。
【請求項4】
該フックは、該把持空間を画成する底面と、該底面と共に該把持空間を画成し該底面から延びて互いに対向する一対の側面を有し、該被装着部に該フックが掛止されていない状態において該一対の側面の間の距離は、該一対の側面の間に位置する該被装着部の幅より小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一に記載の電子部品。
【請求項5】
該フックは、バネ性を備えた素材から構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−134923(P2011−134923A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293774(P2009−293774)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】