説明

電気エネルギーのための貯蔵要素および貯蔵ブロックの製造方法

電気エネルギーのための貯蔵要素(101,305,501)のエネルギー導体(103,104,502)の配置あるいは形状構成が、特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)を備え、当該特別な配置要素あるいは形状構成要素は、そのような貯蔵要素を同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てる際に、あるいは貯蔵ブロックを、対応する接触要素あるいは保持要素を装備されたエネルギー消費物あるいはエネルギー供給物に接続する際に、1つの貯蔵要素あるいは複数の貯蔵要素の極性反転に対抗する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーのための貯蔵要素およびそのような貯蔵要素から貯蔵ブロックを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギーのための貯蔵要素は、技術の多くの領域において様々な形状で使われる。そのような貯蔵要素の重要な例は、一方ではコンデンサー、他方ではガルバニセルである。
【0003】
いくつかの使用法たとえばソーラー時計や類似の製品では、貯蔵要素としてコンデンサーが好まれる。別の使用法たとえば携帯電話あるいはノートブックコンピュータや類似の製品のようなポータブルの小さな機器にとっては、ガルバニセルの原理に基づく貯蔵要素がより有利である。
【0004】
言及されたタイプの電気エネルギーのための貯蔵要素も、基本的にすべてのタイプも、エネルギー消費物と直接接合され得るか、あるいは、たいていは同種である別の貯蔵要素とともに、いわゆる貯蔵ブロック(バッテリー)に相互接続され得る。同じ極性の電極が互いに接合される貯蔵要素の並列接続では、相互接続によって、貯蔵ブロックの貯蔵能力(容量)が上昇する。相互接続された電極間の電圧は、並列接続の場合、変化しないままである。
【0005】
異なる極性の電極が互いに鎖状に接合される直列接続では、貯蔵ブロックの自由電極の間の電圧が上昇する。それゆえ、それぞれの使用法の要求に応じて、貯蔵要素が貯蔵ブロックに並列接続されるかあるいはまた直列接続されるか、貯蔵要素がエネルギー消費物に直接接合されるかが、通例である。
【0006】
そのような貯蔵要素の使用法のあらゆる形態では、過失による電極の極性反転を回避することが常に必要である。このような問題が生じるのは、導体あるいは導体板とも呼ばれる電極が、形状接続的あるいは力接続的あるいは材料接続的に当該導体板に繋がれた接触要素を介して、エネルギー消費物あるいは(充電プロセスの場合には)エネルギー源に接続されるために、あるいは(貯蔵ブロックが構築されている場合には)別の貯蔵要素の導体と電気的に接合されるために、貯蔵要素あるいは貯蔵ブロックのたいていはホイル状の外装からしばしば単に突出している単純な板としてしばしば実施されているからである。
【0007】
そのような極性反転、すなわち、貯蔵要素の導体の間あるいは導体とエネルギー消費物あるいはエネルギー源の接続要素との間の、用途に反する電気的接合が起これば、過電圧あるいはショート電流による使用システムあるいは貯蔵要素の損傷が、そのような欠陥の典型的な結果となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、そのような欠陥を回避するための技術的な法則を提示することを課題とする。この課題は、本発明に従って、電気エネルギーのための貯蔵要素によって、もしくは独立請求項のいずれか一項に記載のそのような貯蔵要素から貯蔵ブロックを製造するための方法によって、解決される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の有利なさらなる形態は、従属請求項の対象を形成する。
【0010】
本願発明に従えば、貯蔵要素に貯蔵されたエネルギーを誘導するための、逆の電気的極性の少なくとも2つの電気導体を有する、電気エネルギーのための貯蔵要素が備わっており、当該貯蔵要素では、少なくとも1つの導体の配置あるいは形状構成が、特別な配置要素あるいは形状構成要素を備える。この特別な配置要素あるいは形状構成要素は、本発明に係る貯蔵要素を同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てる際に、あるいはそのような貯蔵要素あるいはそのような貯蔵要素から構成される貯蔵ブロックを、対応する接触要素あるいは絶縁要素を装備されたエネルギー消費物あるいはエネルギー供給物に接続する際に、1つの貯蔵要素あるいは複数の貯蔵要素の極性反転に対抗する。
【0011】
配置要素もしくは形状構成要素という表現で、本実施形態との関連においては、この表現がそれぞれ関係する対象物の配置あるいは形状を構成するための、考えられ得る各種の要素と理解されるべきである。この表現が複数形で用いられても、本願発明の各実施形態においてそのような要素が複数用いられなくてはならないことを、必ずしも意味しない。しかしながら、そのような要素を複数用いることは、決してあり得ないことでもない。
【0012】
そのような貯蔵要素の好ましい実施形態では、当該貯蔵要素の少なくとも1つの導体の配置あるいは形状構成が、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素と協働して、貯蔵要素を同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てることを支援する。
【0013】
特に好ましいのは、さらに、少なくとも1つの導体を有する貯蔵要素であって、当該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素が、この導体の極性のコード化に相当する幾何学模様であるような、少なくとも1つの導体を有する貯蔵要素であろう。
【0014】
特に貯蔵ブロックを構築するために、特に好ましいのは、少なくとも1つの導体を有する貯蔵要素であって、当該導体が、同種の別の貯蔵要素を貯蔵ブロックに組み立てる際に、そのような貯蔵要素の導体と接触要素を介して電気的に接合され得るか、あるいは絶縁要素を使って当該導体から電気的に絶縁され得るように構成されており、かつ当該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素が、貯蔵要素の極性反転に対抗するために、そのような貯蔵要素の用途に応じた組立ての際に、接触要素あるいは絶縁要素の対応する配置要素あるいは形状構成要素に係合するような、少なくとも1つの導体を有する貯蔵要素であろう。
【0015】
そのような貯蔵要素の特に有利なさらなる形態は、少なくとも1つの導体を備えており、当該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素は、こぶ状突起あるいは穿孔としてあるいは幾何学模様としてあるいはそのようなこぶ状突起あるいは穿孔の配置として構成されており、当該特別な配置要素あるいは形状構成要素は、そのような貯蔵要素の用途に応じた組立ての際に、対応するこぶ状突起あるいは対応する穿孔に、あるいは、接触要素あるいは絶縁要素における、幾何学模様あるいはそのようなこぶ状突起あるいは穿孔の配置に係合する。
【0016】
さらに特に好ましいのは、少なくとも1つの導体を有する貯蔵要素であって、当該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素は、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素と協働して、用途に反する貯蔵要素の組立てを防止し、あるいは用途に反する貯蔵要素の組立ての際には、用途に反する電気的接触を防止し、あるいは少なくとも、組み立てられた貯蔵ブロックの形状の、用途に応じた形状との明らかな差異を生じさせるように、構成されている。
【0017】
さらなる特別な利点は、少なくとも1つの導体を有する本発明に係る貯蔵要素であって、当該導体の配置あるいは特別な配置要素あるいは形状構成要素は、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素と協働して、貯蔵要素を貯蔵ブロックに組み立てる際に、貯蔵要素の用途に応じた位置決めを支援するあるいは強制するよう構成されている、少なくとも1つの導体を有する本発明に係る貯蔵要素においてもたらされる。
【0018】
この利点は特に、こぶ状突起および/あるいは穿孔の形状および/あるいは配置が、貯蔵要素を貯蔵ブロックに組み立てる際に、貯蔵要素の用途に応じた位置決めを支援するあるいは強制する貯蔵要素において達成され得る。
【0019】
しかも本願発明に従えば、それぞれの貯蔵要素に貯蔵されたエネルギーを誘導するための、逆の電気的極性のそれぞれ少なくとも2つの電気導体を有する、電気エネルギーのための複数の貯蔵要素から貯蔵ブロックを製造するための方法が備わっており、当該方法では、貯蔵要素は同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てられるが、その前に、そのような貯蔵要素が貯蔵ブロックに組み立てられる際に貯蔵要素の極性反転に対抗する、特別な配置要素あるいは形状構成要素との組立て前に、これらすべてのあるいは少なくともいくつかの貯蔵要素の少なくとも1つの導体の配置あるいは形状構成が構成される。
【0020】
特に好ましいのはこの関連において、組立ての際に、貯蔵ブロックにおける貯蔵要素の目的に応じた位置決めが、これらすべてのあるいは少なくともいくつかの貯蔵要素の少なくとも1つの導体の配置あるいは形状構成によって支援される、貯蔵ブロックの製造方法である。
【0021】
本願発明は、以下において、好ましい実施例に基づき、かつ図を使って、より詳細に記述される。図に示されるのは以下である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術に従った、電気エネルギーのための貯蔵要素の外観の例である。
【図2】電気エネルギーのための本発明に係る貯蔵要素の実施例である。
【図3】電気エネルギーのための本発明に係る貯蔵要素(セル)であって、それに接続する、貯蔵ブロック(セルブロック)を構築するための接触要素もしくは絶縁要素を有する貯蔵要素の実施例である。
【図4】電気エネルギーのための本発明に係る貯蔵要素(セル)であって、それに接続する、貯蔵ブロック(セルブロック)を構築するための接触要素もしくは絶縁要素を有する貯蔵要素の、図3で表された実施例の分解図である。
【図5】電気エネルギーのための本発明に係る貯蔵要素の実施例の導体の拡大図である。
【図6】電気エネルギーのための本発明に係る貯蔵要素の実施例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願発明に従えば、貯蔵要素に貯蔵されたエネルギーを誘導するための、逆の電気的極性の少なくとも2つの電気導体(103,104)を有する、電気エネルギーのための貯蔵要素(101,305)が備わっており、当該貯蔵要素では、少なくとも1つの導体(103,104)の配置あるいは形状構成が、特別な配置要素あるいは形状構成要素(202,203)を備える。この特別な配置要素あるいは形状構成要素(202,203)は、本発明に係る貯蔵要素を同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てる際に、あるいはそのような貯蔵要素あるいはそのような貯蔵要素から構成される貯蔵ブロックを、対応する接触要素あるいは絶縁要素を装備されたエネルギー消費物あるいはエネルギー供給物に接続する際に、1つの貯蔵要素あるいは複数の貯蔵要素の極性反転に対抗する。
【0024】
図1においていわゆるパウチセルあるいはコーヒーバッグセルの例で表されているように、導体板(103,104)のしばしば非常に単純な実施形態は、甚大な取り違えの危険性を伴っており、当該危険性は実際、しばしば貯蔵要素の極性反転、すなわち、当該貯蔵要素の導体の間あるいは導体と当該導体に接続された電気接触部との間の、用途に反する電気的接合に至る。そのような貯蔵要素はしばしば電気化学的(ガルバニ)セルであり、電気化学的に有効な当該セルの中身は、しばしばホイル状の外装(102)で囲まれており、電気接続部(導体、電極あるいは類似の名称でも呼ばれる)が当該ホイル状の外装を貫通している。
【0025】
しかしながら本願発明は、他の貯蔵要素たとえばコンデンサーとも関連して実現され得、本実施形態はそれゆえ、合理的に、あらゆるタイプの電気的貯蔵要素と、そのような貯蔵要素から製造される貯蔵ブロックとに当てはまる。電圧は、これらの導体で、しばしば、形状接続的あるいは力接続的あるいは材料接続的に導体板に繋がれた接触要素によってタップされる。これらの接触要素は、片側あるいは両側で導体に接続できる。
【0026】
しばしば、導体の一方の側に接触要素があり、他方の側には絶縁要素あるいは保持要素がある。そのような保持要素は、接触要素を導体に対して圧迫するか、あるいは貯蔵要素あるいは貯蔵ブロックを別の方法で使用の範囲内にしっかりと据え付けるために用いられ得る。導体が、たとえば機器ハウジングの電位を導くべきでない限り、そのような保持要素はその際しばしば、絶縁要素であろう。
【0027】
接触要素は、個々のセルが使用される場合に、直接的あるいは間接的に、電気消費物あるいは電源と接合されている。貯蔵ブロック(バッテリー、セルブロックなど)では、接触要素と絶縁要素は、使用の必要条件に応じて、貯蔵ブロック内での貯蔵要素の並列接続あるいは直列接続の構築に用いられる。
【0028】
図3と図4とに基づいて容易に分かるのは、本発明に係る貯蔵要素を並列接続あるいは直列接続して貯蔵ブロックを簡単に構築するために、本発明に係る貯蔵要素(305)の導体と適切に接合された、接触要素と絶縁要素(304,306,307)の、目的に応じた組み合わせが、どのようにして利用され得るかということである。
【0029】
図3と図4とに表された、貯蔵要素(305)と接触要素と絶縁要素(304,306,307)とから成る複数のアセンブリを積重することによって、たとえば貯蔵要素の直列接続が構築されるべきであれば、そのためにたとえば導電性の接触要素(304)が負の(negative)導体(カソード)の表面に付けられ、正の(positive)導体(アノード)の表面は絶縁要素(306)で覆われる。
【0030】
本発明に従って当該実施例にあるように、接触要素あるいは絶縁要素(304,402,416)に付けられたこぶ状突起(401,414)の間隔と大きさとが、本発明の当該実施例に従った導体に備えられた穿孔(406,413)の間隔と大きさとに適合すれば、これらの措置は、用途に反する電気的接触に対抗する。なぜなら、貯蔵ブロックの組立ての際における、過失による貯蔵要素の用途に反する配列は困難となり、あるいは防止すらされ、あるいは少なくとも直ちに気が付くであろうからである。
【0031】
それゆえ本発明に係る法則によって、貯蔵ブロックを直列接続に構築する際に、異種の極性の導体のみが互いに接合され得るようになる。それに対応することが、同種の極性の導体のみが互いに接合されるよう配慮することがまさに重要である、並列接続での貯蔵ブロックの構築に当てはまる。
【0032】
それに対応することが、本発明のさらなる実施形態、すなわち、こぶ状突起と穿孔の代わりに、あるいは幾何学模様あるいはそのようなこぶ状突起と穿孔の配置の代わりに、少なくとも1つの導体(103,104)あるいは接触要素あるいは絶縁要素の別の配置あるいは形状構成、あるいは、別の特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204)を有するそのような導体あるいは接触要素あるいは絶縁要素の配置あるいは形状構成の別の組み合わせが使用されてよく、当該特別な配置要素あるいは形状構成要素は、そのような貯蔵要素を別の特に同種の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てる際に、あるいは、貯蔵要素あるいはそのような貯蔵要素から成る貯蔵ブロックを、対応する接触要素あるいは絶縁要素を装備されたエネルギー消費物あるいはエネルギー供給物に接続する際に、1つあるいは複数のガルバニセルの極性反転に対抗する、実施形態にも当てはまる。
【0033】
本願発明の重要な思想は、別の言葉で言い表せば、導体と、それに接続する接触要素および/あるいはそれに接続する絶縁要素あるいは保持要素に、セルの極性反転に対抗するあるいは排除すらする「幾何学コード」を備えることにある。本発明に係るセルが、逆向きに(すなわち用途に反して)取り付けられたならば、電極の電気的な極性を「幾何学的な方法で」、すなわちその特別な配置要素あるいは形状構成要素を使ってコード化する、本発明に係る導体、接触要素、絶縁要素あるいは保持要素の特性が、貯蔵要素の電気的接触および/あるいは組立てあるいは取り付けを防ぎ、あるいは、たとえば貯蔵ブロックにおいて貯蔵要素が偏心にあるいはずれて配置されることによって、組立工に明確かつはっきりと誤りを知らせる。
【0034】
電気的極性を幾何学コード化するための要素、すなわち、導体(103,104)の配置と形状構成、当該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)あるいは、導体とともに用いられるべき接触要素、絶縁要素あるいは保持要素の対応する配置要素あるいは形状構成要素(401,403,408,410,414,415)はその際、本発明の実施形態に応じて、たとえば、穿孔、陥凹部、隆起、こぶ状突起、突出部、ノッチ、棒状部あるいは類似の配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,401,403,404,405,406,407,408,410,412,413,414,415)の可変の間隔あるいは数を有する模様であってよい。導体の大きさ、形状あるいは特別な配置(角付け、セルでの位置など)さえも、あるいは当該導体の特殊な形状構成(分岐、湾曲など)さえも、すでに、たとえば対応する接触要素あるいは絶縁要素のような対応する相手に対して貯蔵要素の配置が正しい位置である場合にのみ、当該相手の対応する配置要素と形状要素に、用途に応じて係合する、極性のそのような「幾何学コード」となり得る。
【0035】
導体の本発明に係るコード化が、すでに貯蔵要素の製造プロセスの完了前に行われるならば、本発明は特に有利に作用する。なぜならば、この措置によって、さらなる製造プロセスにおける貯蔵要素の極性反転に対抗できるからである。これが不可能な所では、組立ての際の極性反転に対抗するために、コード化された導体を元々備えていない貯蔵要素の導体を、貯蔵ブロックの組立て前にコード化することが望ましい。
【0036】
図2、図3、図4、図5、図6において平型のパウチセルの例で表されているように、本発明は、簡単な穴型(202,203)もしくは(406,413)によってすでに実現され得、当該穴型は、本発明の使用事例と実施形態に応じて、対応する接触要素あるいは絶縁要素(304,306,307,402,409,411,416)における、対応する穴型および/あるいはこぶ状突起型(301,302,303,401,403,408,410,412,414,415)と嵌合する。
【0037】
詳細図において図5は、接触要素あるいは絶縁要素(505)のこぶ状突起(504)もしくは穿孔(503)が、そのような要素とただ機械的あるいは電気的に接合されている、貯蔵要素(501)の導体(502)の対応する穿孔にいかにして適合するかを示している。
【0038】
上面図において図6は、コード化された穿孔(602,603)の異なる間隔(S1,S2)を簡単に選択することによって、極性反転にいかにして対抗できるかを示している。コード化されたこれらの穿孔は、図4も示しているように、必要な場合には、本発明の実施形態に応じて、場合によっては単にしっかりとした取り付けにのみ用いられる、もしかするとすでに存在する、コード化されたあるいはコード化されていないさらなる穿孔(405,407,410,412,601,604)に容易に追加されて、導体にもたらされることができる。
【0039】
導体および/あるいは接触要素あるいは絶縁要素の配置要素あるいは形状構成要素を適切に実施すれば、本発明に係る貯蔵要素は、当該貯蔵要素の形状構成あるいは配置によって、あるいは当該貯蔵要素の少なくとも1つの導体(103,104,502)の配置あるいは形状構成によって、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素(402,409,411,416)と協働して、貯蔵要素を同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てることを支援するという、付加的な利点が生じる。これはたとえば、図3と図4とに示された実施形態で表されているように、パウチセルあるいはコーヒーバッグセルの形状が貯蔵ブロックへの積重を支援する場合、あるいは導体(103,104,502)あるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素(402,409,411,416)の配置あるいは形状構成が貯蔵ブロックへの積重を支援する場合に、言えることである。
【0040】
この実施例においては、こぶ状突起と穿孔の互いに適合し合う配置と寸法付けが、貯蔵要素を貯蔵ブロックに組み立てる際に当該貯蔵要素を用途に応じて位置決めすることさえも支援している。なぜならば、これらの配置要素と形状構成要素の用途に応じた係合は、貯蔵要素の用途に応じた位置決めを強制的に必要とするからである。
【符号の説明】
【0041】
101 貯蔵要素
102 ホイル状の外装
103 導体
104 導体
201 特別な配置要素あるいは形状構成要素
202 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
203 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
204 特別な配置要素あるいは形状構成要素
301 特別な配置要素あるいは形状構成要素
302 特別な配置要素あるいは形状構成要素
303 特別な配置要素あるいは形状構成要素
304 接触要素あるいは絶縁要素
305 貯蔵要素
306 接触要素あるいは絶縁要素
307 接触要素あるいは絶縁要素
401 特別な配置要素あるいは形状構成要素、こぶ状突起
402 接触要素あるいは絶縁要素
403 特別な配置要素あるいは形状構成要素
404 特別な配置要素あるいは形状構成要素
405 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
406 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
407 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
408 特別な配置要素あるいは形状構成要素
409 接触要素あるいは絶縁要素
410 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
411 接触要素あるいは絶縁要素
412 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
413 特別な配置要素あるいは形状構成要素、穿孔
414 特別な配置要素あるいは形状構成要素、こぶ状突起
415 特別な配置要素あるいは形状構成要素
416 接触要素あるいは絶縁要素
501 貯蔵要素
502 導体
503 穿孔
504 こぶ状突起
505 接触要素あるいは絶縁要素
601 穿孔
602 穿孔
603 穿孔
604 穿孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵要素に貯蔵されたエネルギーを誘導するための、逆の電気的極性の少なくとも2つの電気導体(103,104,502)を有する、電気エネルギーのための貯蔵要素(101,305,501)において、
少なくとも1つの前記導体(103,104,502)の配置あるいは形状構成が、特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)を備え、該特別な配置要素あるいは形状構成要素は、
a)そのような貯蔵要素を同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てる際に、あるいは
b)前記貯蔵要素あるいはそのような貯蔵要素から成る貯蔵ブロックを、対応する接触要素あるいは絶縁要素を装備されたエネルギー消費物あるいはエネルギー供給物に接続する際に、
前記貯蔵要素あるいは前記貯蔵ブロックの極性反転に対抗することを特徴とする貯蔵要素。
【請求項2】
該貯蔵要素の形状構成あるいは配置が、あるいは該貯蔵要素において該貯蔵要素の少なくとも1つの導体(103,104,502)の配置あるいは形状構成が、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素(402,409,411,416)と協働して、前記貯蔵要素を同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てることを支援する請求項1に記載の貯蔵要素。
【請求項3】
前記貯蔵要素が少なくとも1つの導体を有し、該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)が、前記導体の極性のコード化に相当する幾何学模様である、請求項1に記載の貯蔵要素。
【請求項4】
前記貯蔵要素が少なくとも1つの導体(103,104,502)を有し、該導体が、
a)同種の別の貯蔵要素を貯蔵ブロックに組み立てる際に、そのような貯蔵要素の導体と接触要素を介して電気的に接合され得るか、あるいは絶縁要素を使って前記導体から電気的に絶縁され得るように構成されており、かつ
b)前記導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)が、貯蔵要素の極性反転に対抗するために、そのような貯蔵要素(101,305,501)の用途に応じた組立ての際に、前記接触要素あるいは前記絶縁要素の対応する配置要素あるいは形状構成要素(401,403,408,410,414,415)に係合する、請求項1から3のいずれか一項に記載の貯蔵要素。
【請求項5】
前記貯蔵要素が少なくとも1つの導体を有し、該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)は、こぶ状突起あるいは穿孔としてあるいは幾何学模様としてあるいはそのようなこぶ状突起あるいは穿孔の配置として構成されており、前記特別な配置要素あるいは形状構成要素は、そのような貯蔵要素の用途に応じた組立ての際に、対応するこぶ状突起あるいは対応する穿孔に、あるいは、前記接触要素あるいは前記絶縁要素における、幾何学模様あるいはそのようなこぶ状突起あるいは穿孔(301,302,303,401,403,408,410,412,414,415)の配置に係合する、請求項4に記載の貯蔵要素。
【請求項6】
前記貯蔵要素が少なくとも1つの導体を有し、該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)は、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素と協働して、用途に反する貯蔵要素の組立てを防止するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の貯蔵要素。
【請求項7】
前記貯蔵要素が少なくとも1つの導体を有し、該導体の特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)は、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素と協働して、用途に反する貯蔵要素の組立ての際には、用途に反する電気的接触を防止するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の貯蔵要素。
【請求項8】
前記貯蔵要素が少なくとも1つの導体を有し、該導体の配置あるいは特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)は、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素と協働して、用途に反する貯蔵要素の組立ての際には、組み立てられた貯蔵ブロックの形状の、用途に応じた形状との明らかな差異を生じさせるように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の貯蔵要素。
【請求項9】
前記貯蔵要素が少なくとも1つの導体を有し、該導体の配置あるいは特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)は、単独であるいは対応する接触要素あるいは絶縁要素と協働して、貯蔵要素を貯蔵ブロックに組み立てる際に、前記貯蔵要素の用途に応じた位置決めを支援するあるいは強制するよう構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の貯蔵要素。
【請求項10】
前記こぶ状突起および/あるいは前記穿孔の形状および/あるいは配置が、貯蔵要素を貯蔵ブロックに組み立てる際に、前記貯蔵要素の用途に応じた位置決めを支援するあるいは強制する、請求項5と関連する請求項1から9のいずれか一項に記載の貯蔵要素。
【請求項11】
それぞれの貯蔵要素に貯蔵されたエネルギーを誘導するための、逆の電気的極性のそれぞれ少なくとも2つの電気導体(103,104)を有する、電気エネルギーのための複数の貯蔵要素から貯蔵ブロックを製造するための方法において、
a)前記貯蔵要素は同種の別の貯蔵要素と貯蔵ブロックに組み立てられるが、その前に、
b)そのような貯蔵要素が貯蔵ブロックに組み立てられる際に前記貯蔵要素の極性反転に対抗する、特別な配置要素あるいは形状構成要素(201,202,203,204,301,302,303,404,405,406,407,412,413)との組立て前に、これらすべてのあるいは少なくともいくつかの貯蔵要素の少なくとも1つの前記導体(103,104)の配置あるいは形状構成が構成されることを特徴とする方法。
【請求項12】
貯蔵ブロックの製造方法であって、組立ての際に、前記貯蔵ブロックにおける前記貯蔵要素の目的に応じた位置決めが、これらすべてのあるいは少なくともいくつかの貯蔵要素の少なくとも1つの前記導体(103,104)の配置あるいは形状構成によって支援される、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−519361(P2012−519361A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552348(P2011−552348)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001217
【国際公開番号】WO2010/099905
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】