説明

電気エネルギー変換素子

【課題】 静電気のような高電圧、小電流の電気エネルギーを、効率的かつ安全に低電圧、大電流の電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換素子を提供する。
【解決手段】 本発明の電気エネルギー変換素子は、突起物2を有し、負の静電気を帯電させる帯電板1と、帯電板1と間隔を置いて備えられ、両端に電極3、5を有し、突起物2と帯電板側の電極3との間の放電により突起物2から放射された電子を受電するpn接合素子4と、突起物2から放射された電子がpn接合素子4内を非弾性散乱する間に生成された電子正孔対からなり、電極3、5を介して取り出された電流を蓄える充電池8を備える。突起物2から放射された高エネルギーの電子は、pn接合素子4内で、半導体のバンドギャップエネルギー程度の低エネルギーの多数の電子正孔対に変換されるので、高電圧、小電流の電気エネルギーが、低電圧、大電流の電気エネルギーに変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧、小電流の電気エネルギーを効率的に低電圧、大電流の電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
自然界には静電気や雷などの形で電気エネルギーが存在しているが、現在のところ、これらの電気エネルギーはほとんど利用されていない。これは、これらの電気エネルギーが非常に高電圧で、しかも電流量は少ないという特徴を有していることに起因している。これらの特徴のため、これらの電気エネルギーを効率的に利用するのは極めて困難である。しかしながら、こうした電気エネルギーを利用する試みがすでにいくつかなされている(たとえば、特開2001−57785号公報(特許文献1)や特開平5−64471号公報(特許文献2)を参照)。
【特許文献1】特開2001−57785号公報
【特許文献2】特開平5−64471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には、静電気によって発生した電荷をキャパシタに蓄積し、必要に応じて電気エネルギーを取り出す方法が示されている。しかしながら、この方法では、静電気を発生させる装置を必要とするために装置が大きくなること、キャパシタに貯まる電荷量に依存して電圧が変化してしまうこと、大きな電力を蓄積した場合、キャパシタ内で放電しやすくなることなどの問題点がある。
【0004】
また、特許文献2に記載の発明は、400℃の高温で水素を使用する点で安全性に大きな問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、静電気のような自然界に存在する高電圧、小電流の電気エネルギーを、効率的かつ安全に低電圧、大電流の電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の電気エネルギー変換素子は、突起物を有し、負の静電気を帯電させる帯電板と、帯電板と間隔を置いて備えられ、両端に電極を有し、突起物と帯電板側の電極との間の放電により突起物から放射された電子を受電するpn接合素子と、突起物から放射された電子がpn接合素子内を非弾性散乱する間に生成された電子正孔対からなる電流を、電極を介して取り出す電気エネルギー取り出し手段を有する。
【0007】
以上のような構成をとることで、突起物から放射された高エネルギーの電子は、pn接合素子内で、半導体のバンドギャップエネルギー程度の低エネルギーの多数の電子正孔対に変換される。以上によって、高電圧、小電流の電気エネルギーが、低電圧、大電流の電気エネルギーに変換される。
【0008】
さらに、pn接合素子のp型領域が帯電板側になるようにすると、突起物から放射された電子によって負に帯電しやすい帯電板側の電極ともう一方の電極との間の電圧が、pn接合素子に逆バイアスを与えるので、生成された多数の電子正孔対からなる電流を効率よく取り出すことができる。
【0009】
また、同様に、本発明の電気エネルギー変換素子は、突起物を有する接地板と、接地板と間隔を置いて備えられ、両端に電極を有し、突起物と正の静電気を帯電させる接地板側の電極との間の放電により突起物から放射された電子を受電するpn接合素子と、突起物から放射された電子がpn接合素子内を非弾性散乱する間に生成された電子正孔対からなる電流を、電極を介して取り出す電気エネルギー取り出し手段により構成してもよい。
【0010】
この場合、pn接合素子のn型領域が接地板側になるようにすると、正に帯電した接地板側の電極ともう一方の電極との間の電圧が、pn接合素子に逆バイアスを与えるので、生成された多数の電子正孔対からなる電流を効率よく取り出すことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、静電気のような自然界に存在する高電圧、小電流の電気エネルギーを、効率的かつ安全に低電圧、大電流の電気エネルギーに変換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
本実施形態は、負に帯電させる突起物を有する帯電板と、この帯電板の突起物と間隔を隔てて対向するpn接合素子とを有する電気エネルギー変換素子に関する。図1は、本実施形態の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示す断面図である。
【0014】
図1の電気エネルギー変換素子は、帯電板1と帯電板1に電気的に接続した突起物2を含む。帯電板1は、例えば、厚さ500μm、10mm四方のアルミニウム製で、片面に機械加工による粗面処理で作製した突起物2を持つ。pn接合素子4は、例えば、厚さ300μmのn型シリコン基板に、イオン注入やエピタキシャル成長などにより作製した厚さ5μmのp型領域を有する。さらにp型領域側には、例えば、厚さ50nmのアルミニウム製上部電極3をオーミック接合させる。また、裏面にもオーミック接合した下部電極5を有する。
【0015】
帯電板1とpn接合素子4は、帯電板1の突起物2と上部電極3とが、例えば約20μmの距離を離して向かい合うように、セラミックパッケージ7を用いて固定される。また、下部電極5は、充電池8に接続されており、発生した電荷を充電池8に蓄積することができる。
【0016】
本実施形態の電気エネルギー変換素子の動作原理は、以下のとおりである。まず、負に大きく帯電した物体を、帯電板1に接触させたり、接近させたりして、帯電板1を負に帯電させる。その結果、突起物2と上部電極3の間に、帯電量に応じた電界が生じ、ある電界強度に達したときに放電が起きる。
【0017】
放電によって、突起物2の先端から高エネルギーの電子が放出されると、電子は上部電極3を突き抜け、半導体領域に達する過程で非弾性散乱を繰り返して、多数の電子正孔対を生成する。この過程において、高エネルギーの電子は、半導体のバンドギャップエネルギー程度の数eVにエネルギーが下がるが、キャリア数が大幅に増加するため、電流量が大幅に増大する。電子と正孔は、拡散によってそれぞれ下部電極5、上部電極3、リード線を介して、充電池8に蓄積される。
【0018】
電極はpn接合素子全体を覆ってもよいが、pn接合素子への電界放出電子の到達効率を向上するために、櫛形電極のようにpn接合素子の一部を露出させてもよい。その場合、pn接合素子の露出部分は、Si酸化膜で覆っても良い。
【0019】
また、上部電極3は、放電により負に帯電する結果、図1のようにpn接合素子4の帯電板側がp型領域の場合、pn接合素子4に逆バイアス電圧がかかる。その結果、pn接合素子4内に生成した電子、正孔は効率的にそれぞれ下部電極5、上部電極3に到達するので、発電効率の向上が期待できる。ただし、pn接合素子4の帯電板側がn型領域の場合であっても、効率は低下するものの、本発明の電気エネルギー変換は可能である。
【0020】
さらに、帯電板1または上部電極3に帯電する電圧を、制御回路などにより適切に保つことで、pn接合素子4や充電池8が最適に動作するようにできる。
【0021】
(第2の実施形態)
本実施形態は、突起物にカーボンナノチューブを用いた電気エネルギー変換素子に関する。
【0022】
図2にカーボンナノチューブからなる突起物を有する電気エネルギー変換素子の模式図を示す。第1の実施形態では、突起物の作製に機械加工を用いた。しかし、効率よく電界放出させるためには、先端の局率半径が小さく、高さ/直径のアスペクト比が大きくする必要がある。そこで、突起物にカーボンナノチューブを利用することで、変換効率を向上することができる。
【0023】
帯電板11は、例えば、厚さ500μm、10mm四方のモリブデン製である。突起物を作成する面には、例えば、エタノールに0.1重量%の鉄アセチルアセトナートを溶解した溶液を滴下し、スピンコートする。
【0024】
次に、例えば、この帯電板11をガラス管内に保持して、電気炉を用いて大気中400℃で加熱処理し、炭素分を除去した後、真空中で800℃に過熱した状態で、アルゴンで30倍に希釈した水素を5分暴露すると、基板表面に鉄金属の触媒微粒子12が生成する。そこに、例えば、10torr程度のエタノール蒸気を流すと、基板に垂直方向に多層カーボンナノチューブが成長する。例えば、成長時間10分のとき、約300nm程度の長さの多層カーボンナノチューブ13の成長を確認した。
【0025】
この帯電板11を、第1の実施形態の電気エネルギー変換素子と同様に、pn接合素子14、セラミックパッケージ15、充電池16と組み合わせることで、よりエネルギー変換効率の高い電気エネルギー変換素子を得ることができる。
【0026】
また、この方法で作製した多層カーボンナノチューブは、長さの均一性が高いために、素子面内での放電の分布に偏りが少なく、エネルギー変換効率に優れている。
【0027】
また、この方法で作製した多層カーボンナノチューブは導電性であるが、さらに電気伝導度を高めるために、蒸着やメッキなどによって多層カーボンナノチューブを金属膜で覆うことが出来る。その結果、電気伝導度向上に加えて、突起物耐久性も向上することが出来る。
【0028】
(第3の実施形態)
本実施形態は、突起物にリソグラフィによって形成された半導体ナノワイヤを用いた電気エネルギー変換素子に関する。
【0029】
図3に、リソグラフィによって形成された半導体ナノワイヤからなる突起物を有する電気エネルギー変換素子の模式図を示す。帯電板21は、例えば、厚さ500μm、1辺10mmの高濃度ドープシリコン基板である。まず、この帯電板21に、例えば、リフトオフプロセスを用いて厚さ50nm、直径100nmの金のドットパターン22を300nmのピッチで形成する。続いて、例えば、基板に酸素プラズマ処理を施し、余分な炭素樹脂分を除去した後、アルゴン雰囲気で400℃に加熱する。さらに、例えば、Heで10倍に希釈したシランガスを10sccm程度流すと、図3のように帯電板21に金のドットパターン22の直径程度のシリコンナノワイヤ23が成長する。
【0030】
この帯電板21を、第1の実施形態の電気エネルギー変換素子と同様に、pn接合素子24、セラミックパッケージ25、充電池26と組み合わせることで、よりエネルギー変換効率の高い電気エネルギー変換素子を得ることができる。
【0031】
また、この方法で作製したシリコンナノワイヤは、長さの均一性が高いために、素子面内での放電の分布に偏りが少なく、エネルギー変換効率に優れている。
【0032】
また、この方法で作製しシリコンナノワイヤは欠陥や不純物に起因した導電性を示すが、さらに電気伝導度を高めるために、蒸着やメッキなどによってシリコンナノワイヤを金属膜で覆うことが出来る。その結果、電気伝導度向上に加えて、突起物耐久性も向上することが出来る。
【0033】
(第4の実施形態)
本実施形態は、突起物に自己形成された半導体ナノワイヤを用いた電気エネルギー変換素子に関する。
【0034】
図4に、半導体ナノワイヤからなる突起物を有する電気エネルギー変換素子の模式図を示す。帯電板31は、例えば、厚さ500μm、一辺10mmの高濃度ドープシリコン基板である。まずこの帯電板31に有機溶媒に分散させてある平均粒径10nmの金の触媒微粒子32を塗布する。続いて、例えば、帯電板31に酸素プラズマ処理を施し、余分な炭素樹脂分を除去した後、アルゴン雰囲気で400℃に加熱する。さらに、例えば、Heで10倍に希釈したシランガスを10sccm程度流すと、図4のように基板に金の触媒微粒子32の直径程度のシリコンナノワイヤ33が成長する。
【0035】
この帯電板31を、第1の実施形態の電気エネルギー変換素子と同様に、pn接合素子34、セラミックパッケージ35、充電池36と組み合わせることで、よりエネルギー変換効率の高い電気エネルギー変換素子を得ることができる。
【0036】
また、この方法で作製したシリコンナノワイヤは、長さ/直径のアスペクト比が大きく、より放電効率が高くなる。したがって、エネルギー変換効率に優れ、高電圧がかかることによる素子の損傷も低減する。
【0037】
また、この方法で作製しシリコンナノワイヤも第三の実施形態と同様に金属膜で覆うと、電気伝導度向上、突起物耐久性向上をはかることが出来る。
【0038】
(第5の実施形態)
本実施形態は、突起物を有する帯電板と、pn接合素子とを有する電気エネルギー変換素子で、放電に伴う発光のエネルギーをも電気エネルギーに変換できる素子に関する。本実施形態の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示す断面図を図5に示す。
【0039】
帯電板41には、第2から第4の実施形態で説明した突起物が付いていてもよい。pn接合素子42には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの光透過性の良好な導電性材料で上部電極43を作製し、セラミックパッケージ44を用いて固定されている。帯電板41と透明上部電極43との空隙45には、Arなどの不活性ガスを封入してもよい。
【0040】
帯電板41に負電荷を帯電させると、帯電板41と透明上部電極43との間で放電が起きる。高エネルギーの負電荷は、透明上部電極43を突き抜け、pn接合素子42に達し、非弾性散乱を経て電流として取り出される。また、放電に伴い発生する光子についても透明上部電極43を透過し、pn接合素子42内で電子正孔対を生成することによって電気エネルギーとして取り出すことができるため全体としての効率が向上する。
【0041】
さらに、本発明の電気エネルギー変換素子では、発光部分が帯電板やセラミックパッケージで覆われているために、発光した光は、透過や反射、散乱などにより損失することなく、半導体素子で吸収される。
【0042】
また、空隙45に不活性ガスなどを封入することによって、放電によりプラズマが発生する。その結果、放電による突起物や上部電極、pn接合素子の損傷を低減することができる。さらに、帯電エネルギーは光子に変換され、半導体素子で再び電気エネルギーとして回収される。
【0043】
このとき、不活性ガスの発光スペクトルに対応する波長に高い吸収を持つ半導体素子の材料を選ぶことができ、また逆に半導体素子の吸収特性に合わせた不活性ガスを選ぶこともできるため、より効率的な電気エネルギー変換素子の設計が可能となる。
【0044】
(第6の実施形態)
本実施形態は、突起物を有する接地板と、この接地板と間隔を隔てて対向し、接地板側の電極を正に帯電させるpn接合素子とを有する電気エネルギー変換素子に関する。図6は、本実施形態の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示す断面図である。
【0045】
図1の第1の実施形態とは異なり、突起物51を負に帯電させるのではなく、接地する。また、上部電極53を帯電板52により正に帯電させる。その結果、突起物51と上部電極53の間で放電が起こり、突起物51からpn接合素子54に向けて、高エネルギーの電子が放射される。pn接合素子54内での電子正孔対への変換等は、第1の実施形態と同様である。55は下部電極、56は充電池である。
【0046】
この場合、pn接合素子54のn型領域が上部電極53側になるようにすると、正に帯電した上部電極53ともう一方の下部電極55との間の電圧が、pn接合素子54に逆バイアスを与えるので、生成された多数の電子正孔対からなる電流を効率よく取り出すことが可能である。
【0047】
突起物51については、第2から第4の実施形態で述べた突起物を用いてもよい。さらに、第5の実施形態のように、不活性ガスを封入してもよい。
【0048】
なお、第1から第6の実施形態において、電界放出を起こすためには、帯電板とpn接合素子表面の間隔に反比例し、帯電板の帯電量に比例する電界強度がある一定値以上になる必要がある。したがって、効果的に電界強度を高めるための工夫として、間隔を狭くする方法と、多くの帯電量を得る方法を取ることができる。
【0049】
加えて、帯電板のpn接合素子と向き合う面に突起物を設けると、先端部に電荷が集中し、局所的な電界強度が上昇する。具体的には、先端の曲率半径が1μm以下の突起物を設けることで、局所電界強度増大の効果が得られ、より小さな帯電量で電界放出を起こすことができる。
【0050】
また、突起物の密度を1本/mm2以上、好ましくは100本/mm2とすることで、電界放出が起きる箇所を分散させることができる。その結果、電界放出が集中することによって特定の突起物の形状が劣化することを防ぐことができ、素子の寿命を延ばすことができる。
【0051】
さらに、突起物の先端とpn接合素子の間隔を誤差30%以内に揃えることによって、電界効果が起きる箇所をさらに分散させることができるため、素子の寿命を延ばすことができる。
【0052】
突起物として、多層カーボンナノチューブや、導電性ナノワイヤを用いる場合は、いずれも基板(帯電板)に垂直方向に配向させることができる。45度以内の範囲で基板に垂直に配向させることによって、先端部分への電界集中を強くすることができ、さらに帯電板とpn接合素子表面の間隔の誤差を小さくすることができるので、素子寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態(突起物を負に帯電させる実施形態)の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態(突起物がカーボンナノチューブである実施形態)の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態(突起物がリソグラフィで形成されたシリコンナノワイヤである実施形態)の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示した断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態(突起物が自己形成されたシリコンナノワイヤである実施形態)の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示した断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態(光電変換も行う実施形態)の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示した断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態(上部電極を正に帯電させる実施形態)の電気エネルギー変換素子の構成を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 帯電板
2 突起物
3 上部電極
4 pn接合素子
5 下部電極
6 空隙
7 セラミックパッケージ
8 充電池
11 帯電板
12 触媒微粒子
13 カーボンナノチューブ
14 pn接合素子
15 セラミックパッケージ
16 充電池
21 帯電板
22 ドットパターン
23 シリコンナノワイヤ
24 pn接合素子
25 セラミックパッケージ
26 充電池
31 帯電板
32 触媒微粒子
33 シリコンナノワイヤ
34 pn接合素子
35 セラミックパッケージ
36 充電池
41 帯電板
42 pn接合素子
43 透明上部電極
44 セラミックパッケージ
45 不活性ガス
46 充電池
51 突起物
52 帯電板
53 上部電極
54 pn接合素子
55 下部電極
56 充電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧、小電流の静電気エネルギーを低電圧、大電流の電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換素子であって、
突起物を有し、負の静電気を帯電させる帯電板と、
前記帯電板と間隔を置いて備えられ、両端に電極を有し、前記突起物と前記帯電板側の前記電極との間の放電により前記突起物から放射された電子を受電するpn接合素子と、
前記突起物から放射された電子が前記pn接合素子内を非弾性散乱する間に生成された電子正孔対からなる電流を、前記電極を介して取り出す電気エネルギー取り出し手段を有する電気エネルギー変換素子。
【請求項2】
前記pn接合素子は、前記帯電板側がp型領域である、請求項1に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項3】
高電圧、小電流の静電気エネルギーを低電圧、大電流の電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換素子であって、
突起物を有する接地板と、
前記接地板と間隔を置いて備えられ、両端に電極を有し、前記突起物と正の静電気を帯電させる前記接地板側の前記電極との間の放電により前記突起物から放射された電子を受電するpn接合素子と、
前記突起物から放射された電子が前記pn接合素子内を非弾性散乱する間に生成された電子正孔対からなる電流を、前記電極を介して取り出す電気エネルギー取り出し手段を有する電気エネルギー変換素子。
【請求項4】
前記pn接合素子は、前記接地板側がn型領域である、請求項3に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項5】
前記電気エネルギー取り出し手段に電気的に接続され、前記電気エネルギー取り出し手段によって取り出された電気エネルギーを蓄える充電手段をさらに有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項6】
前記突起物の先端の曲率半径が1μm以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項7】
前記突起物の密度が1平方ミリメートルあたり1本以上である、請求項1から6のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項8】
前記突起物と前記pn接合素子の間隔は、平均間隔に対して30%以下の範囲で整っている、請求項1から7のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項9】
前記突起物は、前記pn接合素子に対して垂直または45°以内の角度で配向した多層カーボンナノチューブである、請求項1から8のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項10】
前記突起物は、前記pn接合素子に対して垂直または45°以内の角度で配向した半導体ナノワイヤである、請求項1から8のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項11】
前記突起物は、前記pn接合素子に対して垂直または45°以内の角度で配向した導電性ナノワイヤである、請求項1から8のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項12】
前記帯電板または前記接地板と前記pn接合素子との間が真空である、請求項1から11のいずれかに1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項13】
前記帯電板または前記接地板と前記pn接合素子との間に不活性ガスが封入されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項14】
前記pn接合素子の両端に設けられた電極のうち、前記帯電板側または前記接地板側の電極が透明電極であり、放電によって生成された光子が前記pn接合素子によって電子正孔対に変換される、請求項13に記載の電気エネルギー変換素子。
【請求項15】
前記電極に印加する電圧は、前記帯電板または前記接地板側の前記電極の帯電電圧の一部を利用する、請求項1から14のいずれか1項に記載の電気エネルギー変換素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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