説明

電気コネクタ

電気コネクタが、ヘッダーコネクタと、そのヘッダーコネクタに嵌合するように構成されたソケットコネクタとを有する。ヘッダーコネクタは、複数の信号ピンと複数のシールドブレードとを有する。ソケットコネクタは、各々が信号接点に結合された複数の導電経路と、複数の第1のシールドとを有する。複数の信号ピン、並びに複数の導電経路及び信号接点は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレード及び複数の第1のシールドは、電気的に接続されており、ヘッダーコネクタとソケットコネクタとが嵌合した配置にあるときに、複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互対照)
本願は、そのすべての開示内容が参照によって本願に組み込まれる、2008年7月24日に出願された米国特許仮出願番号61/083283号の利点を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、二部電気コネクタに関する。具体的には、本発明は、例えばバックプレーン用途においてプリント回路基板及び/又は電気ケーブルに取り付けるための二部高速電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
高周波信号及び電流を搬送する導体は、高周波信号及び電流を搬送する他の導体に近接して配置されると、干渉及びクロストークを受ける。この干渉及びクロストークは、結果として、信号受信における信号の劣化及びエラーをもたらすことがある。同軸ケーブル及びシールドケーブルを利用して、送信点から受信点に信号を搬送し、あるシールドケーブル又は同軸ケーブルで搬送される信号が、近接する別のシールドケーブル又は同軸ケーブルによって搬送される信号と干渉する可能性を低減させることができる。しかしながら、接続の時点で、シールドは多くの場合、損なわれ、それにより信号間の干渉及びクロストークを許すことになっている。非常に多数の接続を非常に狭い空間内でなす必要があるため、個別のシールド線及びケーブルの使用は、接続点においては望ましいものではない。これらの状況下において、複数のシールド伝送線路を収容した二部高速電気コネクタが使用されている。国際電気標準会議による規格IEC 61076−4−101に、プリント回路基板で使用するための2mmの二部コネクタに対するパラメータが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーが性能の改善を達成すべくシステムを修正及び改良するとき、例えばコンパクトPCI又はフューチャーバスコネクタと最新の高速シールドコネクタとの間で後方互換性に関する問題が生じる。つまり、シールドコネクタシステムに変更することによってシステム性能を改良させようと望むユーザーは、両方のコネクタ要素(ヘッダーとソケット構成要素)を改良し、おそらくは更にシステムの全体的な実装をも変更しなければならない。性能の向上をもたらす一方で、例えばコンパクトPCI又はフューチャーバスコネクタとの後方互換性を依然として許容する電気コネクタが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の少なくとも1つの態様は、二部電気コネクタに関するものであり、この二部電気コネクタは、プリント回路基板及び/又は電気ケーブルに取り付けるためのものであり、例えばコンパクトPCI又はフューチャーバスコネクタとの後方互換性を依然として認めながらも、当該技術分野において既知の電気コネクタと比べて性能を向上させるように設計されたものである。
【0006】
一態様において、本発明は、ヘッダーコネクタと、そのヘッダーコネクタに嵌合するように構成されたソケットコネクタとを有する電気コネクタを提供する。ヘッダーコネクタは、複数の第1の開口部と複数の第2の開口部とを有するように形成されたヘッダー本体を有する。ヘッダーコネクタは、複数の第1の開口部に挿入されるように構成された複数の信号ピンと、複数の第2の開口部に挿入されるように構成された複数のシールドブレードとを更に有する。ソケットコネクタは、ソケットハウジングと、複数のコネクタモジュールと、複数の第1のシールドとを有する。複数のコネクタモジュールは、ソケットハウジングに挿入されるように構成されている。各コネクタモジュールは、複数の導電経路を被覆する絶縁材料を有する。各導電経路は信号接点に結合されている。複数の第1のシールドは、ソケットハウジングに挿入されるように構成されている。各第1のシールドは、関連するコネクタモジュールの第1の側部に沿って延びる。複数の信号ピン、並びに複数の導電経路及び信号接点は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレード及び複数の第1のシールドは、電気的に接続されており、ヘッダーコネクタとソケットコネクタとが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0007】
別の態様において、本発明は、ヘッダー本体と、複数の信号ピンと、複数のシールドブレードとを有するヘッダーコネクタを提供する。ヘッダー本体は、複数の第1の開口部と複数の第2の開口部とを有するように形成されている。複数の信号ピンは、複数の第1の開口部に挿入されるように構成されている。複数のシールドブレードは、複数の第2の開口部に挿入されるように構成されている。複数の信号ピンは、嵌合するソケットコネクタの複数の導電経路及び信号接点と協働して複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレードは、電気的に接地され、ヘッダーコネクタとソケットコネクタとが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。複数のシールドブレードは、ヘッダーコネクタとソケットコネクタとが嵌合する配置にあるときにソケットコネクタの中に延びる。
【0008】
別の態様において、本発明は、ソケットハウジングと、複数のコネクタモジュールと、複数の第1のシールドとを有するソケットコネクタを提供する。複数のコネクタモジュールは、ソケットハウジングに挿入されるように構成されている。各コネクタモジュールは、複数の導電経路を被覆する絶縁材料を有する。各導電経路は信号接点に結合されている。複数の第1のシールドは、ソケットハウジングに挿入されるように構成されている。各第1のシールドは、関連するコネクタモジュールの第1の側部に沿って延びる。複数の導電経路及び信号接点は、嵌合するヘッダーコネクタの複数の信号ピンと協働して複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数の第1のシールドは、電気的に接地され、ソケットコネクタとヘッダーコネクタとが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0009】
上記の本発明の概要は、本発明の開示した実施形態それぞれ又は全ての実現形態を説明することを意図したものではない。以下の図及び詳細な説明によって、例示的な実施形態をより具体的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の態様による電気コネクタの例示的な実施形態の略図。
【図1B】本発明の態様による電気コネクタの例示的な実施形態の略図。
【図1C】本発明の態様による電気コネクタの例示的な実施形態の略図。
【図1D】本発明の態様による電気コネクタの例示的な実施形態の略図。
【図1E】本発明の態様による電気コネクタの例示的な実施形態の略図。
【図2】ソケットコネクタとヘッダーコネクタとを有する本発明の態様による電気コネクタの例示的な実施形態の分解斜視図。
【図3】図2の電気コネクタの部分断面側面図。
【図4】図2のソケットコネクタの分解斜視図。
【図5】図2のヘッダーコネクタの分解斜視図。
【図6】本発明の態様による電気コネクタの別の例示的な実施形態の分解斜視図。
【図7】図6の電気コネクタの部分断面側面図。
【図8】本発明の態様による電気コネクタの別の例示的な実施形態の分解斜視図。
【図9】図8の電気コネクタの部分断面側面図。
【図10】本発明の態様による電気コネクタの別の例示的な実施形態の分解斜視図。
【図11】図10の電気コネクタの部分断面側面図。
【図12】本発明の態様による電気コネクタの別の例示的な実施形態の分解斜視図。
【図13】図12の電気コネクタの部分断面側面図。
【図14】本発明の態様による電気コネクタの別の例示的な実施形態の分解斜視図。
【図15】図14の電気コネクタの部分断面側面図。
【図16A】本発明の態様による電気コネクタによって達成された、改善されたインピーダンスプロファイルを示すグラフ。
【図16B】本発明の態様による電気コネクタによって達成された、改善されたインピーダンスプロファイルを示すグラフ。
【図16C】本発明の態様による電気コネクタによって達成された、改善されたインピーダンスプロファイルを示すグラフ。
【図16D】本発明の態様による電気コネクタによって達成された、改善されたインピーダンスプロファイルを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、好ましい実施形態について詳しく説明する中で、本願の一部をなす添付の図面を参照する。添付の図面は、実例として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示すものである。理解されたいこととして、他の実施形態が利用されてもよく、また、構造的若しくは論理的な変更が、本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0012】
図1A〜1Eは、本発明の各種の態様による電気コネクタの例示的な実施形態の略図を示している。図1Aを参照すると、電気コネクタ2が、ヘッダーコネクタ4と、ヘッダーコネクタ4に嵌合するように構成されたソケットコネクタ6とを有している。ヘッダーコネクタ4は、複数の信号ピン8(1本の信号ピン8のみ示す)と、複数のシールドブレード10(1つのシールドブレード10のみ示す)とを有している。ソケットコネクタ6は、各々が信号接点14(1つの信号接点14のみ示す)に結合された複数の導電経路12(1つの導電経路12のみ示す)と、複数の第1のシールド16(1つの第1のシールド16のみ示す)とを有している。複数の信号ピン8、並びに複数の導電経路12及び信号接点14は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレード10及び複数の第1のシールド16は、(接続線Aで示すように)電気的に接続されており、ヘッダーコネクタ4とソケットコネクタ6とが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。伝送線路の分断シールドは、本願では、伝送線路に近接及び付随し、例えば2つのプリント回路基板の接地平面などの2つの接地基準の間にある不連続的な電気経路を形成するシールドとして定義されている。例えば、シールドは、一方の端部でのみ電気的に接地されてもよい。この例が図1B〜1Eに示されている。図1Bに示す例示的な実施形態において、複数のシールドブレード10は、電気的に接地されている。この場合、シールドは、例えば複数の伝送線路がプリント回路基板又は電気ケーブル(図示せず)に接続されるソケットコネクタ6の端部にて分断される。図1Cに示す例示的な実施形態において、複数の第1のシールド16は、電気的に接地されている。この場合、シールドは、例えば複数の伝送線路がプリント回路基板又は電気ケーブル(図示せず)に接続されるヘッダーコネクタ4の端部にて分断される。図1Dに示す例示的な実施形態において、複数の第1のシールド16は、ソケットコネクタ6から除かれており、複数のシールドブレード10は電気的に接地されている。この場合、複数の第1のシールド16を除くことにより、シールドブレード10の嵌合端部にてシールドが分断されることになる。図1Eに示す例示的な実施形態において、複数の第1のシールド16は、ヘッダーコネクタ4から除かれており、複数の第1のシールド16は電気的に接地されている。この場合、複数のシールドブレード10を除くことにより、第1のシールド16の嵌合端部にてシールドが分断されることになる。
【0013】
ヘッダーコネクタ4とソケットコネクタ6とが嵌合した配置にあるとき、複数の伝送線路のシールドが分断されるが、この分断は、複数のシールドブレード10若しくはそれらの一部分のみによって、複数の第1のシールド16若しくはそれらの一部分のみによって、又はそれらの組み合わせによってもたらされてもよく、ここで、複数のシールドブレード10若しくはそれらの一部分と、複数の第1のシールド16若しくはそれらの一部分は、電気的に接続される。複数のシールドブレード10若しくはそれらの一部分と、複数の第1のシールド16若しくはそれらの一部分は、伝送線路のうちの複数の信号ピン8で形成された部分、伝送線路のうちの複数の導電経路12及び信号接点14で形成された部分、又はそれら双方の組み合わせのシールドを分断するのに寄与することができる。
【0014】
シールドが分断されるために、当業者であれば、例えば電送線路に付随するシールドが両端部にて電気的に接地されるとき、シールドを分断された電気コネクタの電気的性能が、シールドを分断されていない同じ電気コネクタの電気的性能よりも相当に低下すると予想し、また特に、電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性がより大きくなると予想するであろう。しかしながら、図16Bに示すように、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイルは、予想外にも、シールドを分断されていない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイルと類似している。図16Bのグラフは、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイル(線908)と、シールドを分断されていない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイル(線906)の例を示している。いずれのインピーダンスプロファイルもそれぞれ、第1の電気コネクタ(位置H)、電気ケーブル(位置I)、及び第2の電気コネクタ(位置J)を通じて信号が進行するように電気ケーブルを介して電気的に接続された2つの電気コネクタを有するアセンブリを使用して測定されたものである。いずれのインピーダンスプロファイルも、約35psの立ち上がり時間にて測定されたものであり、この立ち上がり時間は、第1のコネクタ差し込み口における約100psの立ち上がり時間に対応している。
【0015】
加えて、シールドが分断されるために、当業者であれば、シールドを分断された電気コネクタの電気的性能が、シールドのない同じ電気コネクタの電気的性能よりも相当に高くなるとは予想せず、また特に、電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性がより小さくなるとは予想しないであろう。しかしながら、図16Cに示すように、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性は、予想外にも、シールドのない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性よりも小さなものとなっている。図16Cのグラフは、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイル(線908)と、シールドのない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイル(線902)の例を示している。いずれのインピーダンスプロファイルもそれぞれ、第1の電気コネクタ(位置H)、電気ケーブル(位置I)、及び第2の電気コネクタ(位置J)を通じて信号が進行するように電気ケーブルを介して電気的に接続された2つの電気コネクタを有するアセンブリを使用して測定されたものである。いずれのインピーダンスプロファイルも、約35psの立ち上がり時間にて測定されたものであり、この立ち上がり時間は、第1のコネクタ差し込み口における約100psの立ち上がり時間に対応している。
【0016】
シールドのない電気コネクタの例には、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ、及びコンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタが挙げられる。シールドを分断されない電気コネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。
【0017】
図2〜15は、ソケットコネクタとヘッダーコネクタとを有する、本発明の態様によるシールドを分断されない電気コネクタの様々な例示的な実施形態を示している。
【0018】
図2〜5を参照すると、電気コネクタ102が、ヘッダーコネクタ104と、ヘッダーコネクタ104に嵌合するように構成されたソケットコネクタ106とを有している。ヘッダーコネクタ104は、第1のプリント回路基板118に結合されるように構成されており、複数の信号ピン108と複数のシールドブレード110とを有している。ソケットコネクタ106は、第2のプリント回路基板120に結合されるように構成されており、各々が信号接点114に結合された複数の導電経路112と、複数の第1のシールド116とを有している。複数の信号ピン108、並びに複数の導電経路112及び信号接点114は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレード110及び複数の第1のシールド116は、電気的に接続されており、ヘッダーコネクタ104とソケットコネクタ106とが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0019】
図4は、ソケットコネクタ106の分解斜視図を示している。ソケットコネクタ106は、ソケットハウジング122と、複数の水平シールド124(本願では「第3のシールド」とも呼ばれる)と、複数のコネクタモジュール126(「ウエハ」としても知られる)と、複数の垂直ストリップ線路シールド116(本願では「第1のシールド」又は「第1のシールド部分」とも呼ばれる)と、複数の側方延在傾斜テールシールド128(本願では「第2のシールド」又は「第2のシールド部分」とも呼ばれる)とを有している。明確にするため、複数の第3のシールド124、複数のコネクタモジュール126、及び複数の第1のシールド116のうちのそれぞれ1つのみ、図4に示されている。ソケットコネクタ106に類似したソケットコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。ソケットコネクタのこれらの例とは異なり、ソケットコネクタ106の複数の第1のシールド116は、複数の側部シールドテール(例えば、米国特許第6,146,202号における側部シールドテール300など)を有していない。複数の側部シールドテールが存在しないことにより、電気コネクタ102の伝送線路のシールドが分断されており、複数の伝送線路は、第2のプリント回路基板120に接続されるように構成されている。一実施形態において、複数の側部シールドテールが存在しないことにより、第2のプリント基板120の対応するホール130を除くことが可能となり、それにより、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ及びコンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせた、プリント回路基板のホールパターンを使用することが可能となる。
【0020】
図5は、ヘッダーコネクタ104の分解斜視図を示している。ヘッダーコネクタ104は、ヘッダー本体132と、複数の信号ピン108と、複数のシールドブレード110を中に形成された連続ストリップと、複数の接地ピン134とを有している。電気コネクタ102において使用され得るヘッダーコネクタ104に類似したヘッダーコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。
【0021】
電気コネクタ102における複数の伝送線路のシールドを分断するのを促進するために、複数のシールドブレード110は、電気的に接地されるように構成されている。複数のシールドブレード110の電気的接地は、第1のプリント回路基板118のホール138に圧入及び/又ははんだ付けされ得る複数のシールドテール136を通じて生じる。別法として、複数のシールドブレード110の第1のプリント基板118への電気的接地は、限定するものではないが、圧入、はんだ付け、表面実装、摩擦嵌合、機械的な締め付け、及び接着剤を含めて、任意の好適な方法/構造を使用して達成されてよい。
【0022】
図6及び7を参照すると、電気コネクタ202が、ヘッダーコネクタ204と、ヘッダーコネクタ204に嵌合するように構成されたソケットコネクタ206とを有している。ヘッダーコネクタ204は、第1のプリント回路基板218に結合されるように構成されており、複数の信号ピン208と複数のシールドブレード210とを有している。ソケットコネクタ206は、第2のプリント回路基板220に結合されるように構成されており、各々が信号接点214に結合された複数の導電経路212を有している。複数の信号ピン208、並びに複数の導電経路212及び信号接点214は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレード210は、ヘッダーコネクタ204とソケットコネクタ206とが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0023】
ソケットコネクタ206は、ソケットハウジング222と複数のコネクタモジュール226(「ウエハ」とも呼ばれる)とを有している。ソケットコネクタ206は、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタであっても、コンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタであってもよい。一態様において、ソケットコネクタ206はソケットコネクタ106(図2〜4に示す)に類似している。しかしながら、ソケットコネクタ106とは異なり、ソケットコネクタ206は、複数の第1のシールド(例えば第1のシールド116など)、複数の第2のシールド(例えば第2のシールド128など)、又は複数の第3のシールド(例えば第3のシールド124)を有していない。複数の第1のシールド、複数の第2のシールド、及び複数の第3のシールドが存在しないことにより、シールドブレード210の嵌合端部にて電気コネクタ202の伝送線路のシールドが分断される。一実施形態において、ソケットコネクタ206は、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ又はコンパクトPCI若しくはフューチャーバス業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせたプリント回路基板のホールパターンを使用して、第2のプリント回路基板220に装着されることができる。
【0024】
ヘッダーコネクタ204は、ヘッダー本体232と、複数の信号ピン208と、複数のシールドブレード210を中に形成された連続ストリップとを有している。電気コネクタ202において使用され得るヘッダーコネクタ204に類似したヘッダーコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。一態様において、ソケットコネクタ204はソケットコネクタ104(図2、3、及び5に示す)に類似している。しかしながら、ヘッダーコネクタ104とは異なり、ヘッダーコネクタ204は複数の接地ピン(例えば接地ピン134など)を有していない。
【0025】
電気コネクタ202における複数の伝送線路のシールドを分断するのを促進するために、複数のシールドブレード210は、電気的に接地されるように構成されている。複数のシールドブレード210の電気的接地は、第1のプリント回路基板218のホール238に圧入及び/又ははんだ付けされ得る複数のシールドテール236を通じて生じる。別法として、複数のシールドブレード210の第1のプリント基板218への電気的接地は、限定するものではないが、圧入、はんだ付け、表面実装、摩擦嵌合、機械的な締め付け、及び接着剤を含めて、任意の好適な方法/構造を使用して達成されてよい。
【0026】
図8及び9を参照すると、電気コネクタ302が、ヘッダーコネクタ304と、ヘッダーコネクタ304に嵌合するように構成されたソケットコネクタ306とを有している。ヘッダーコネクタ304は、第1のプリント回路基板318に結合されるように構成されており、複数の信号ピン308と複数のシールドブレード310とを有している。ソケットコネクタ306は、第2のプリント回路基板320に結合されるように構成されており、各々が信号接点314に結合された複数の導電経路312と、複数の第1のシールド316とを有している。複数の信号ピン308、並びに複数の導電経路312及び信号接点314は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレード310及び複数の第1のシールド316は、電気的に接続されており、ヘッダーコネクタ304とソケットコネクタ306とが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0027】
ソケットコネクタ306は、ソケットハウジング322と、複数の水平シールド324(本願では「第3のシールド」とも呼ばれる)と、複数のコネクタモジュール326(「ウエハ」としても知られる)と、複数の垂直ストリップ線路シールド316(本願では「第1のシールド」又は「第1のシールド部分」とも呼ばれる)と、複数の側方延在傾斜テールシールド328(本願では「第2のシールド」又は「第2のシールド部分」とも呼ばれる)とを有している。ソケットコネクタ306に類似したソケットコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。ソケットコネクタのこれらの例とは異なり、ソケットコネクタ306の複数の第1のシールド316は、複数の側部シールドテール(例えば、米国特許第6,146,202号における側方シールドテール300など)を有していない。一実施形態において、複数の側部シールドテールが存在しないことにより、第2のプリント基板320の対応するホール330を除くことが可能となり、それにより、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ及びコンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせた、プリント回路基板のホールパターンを使用することが可能となる。
【0028】
ヘッダーコネクタ304は、ヘッダー本体332と、複数の信号ピン308と、複数のシールドブレード310を中に形成された連続ストリップと、複数の接地ピン334とを有している。ヘッダーコネクタ304に類似したヘッダーコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。一態様において、ヘッダーコネクタ304はヘッダーコネクタ104(図2、3、及び5に示す)に類似している。しかしながら、ヘッダーコネクタ104の複数のシールドブレード110とは異なり、ヘッダーコネクタ304の複数のシールドブレード310は、複数のシールドテール(例えばシールドテール136など)を有していない。複数のシールドテールが存在しないことにより、電気コネクタ302の伝送線路のシールドが分断されており、複数の伝送線路は、第1のプリント回路基板318に接続されるように構成されている。一実施形態において、複数のシールドテールが存在しないことにより、第1のプリント基板318の対応するホール338を除くことが可能となり、それにより、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ及びコンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせた、プリント回路基板のホールパターンを使用することが可能となる。
【0029】
電気コネクタ302における複数の伝送線路のシールドを分断するのを促進するために、ソケットコネクタ306の複数の第1のシールド316は、電気的に接地されるように構成されている。複数の第1のシールド316は1つおきに、複数の第1のシールド316を電気的に接地するように構成された端部シールドテール340を有している。端部シールドテール340は、第2のプリント回路基板320のホール330に圧入及び/又ははんだ付けされることができる。別法として、複数の第1のシールド316の第2のプリント基板320への電気的接地は、限定するものではないが、圧入、はんだ付け、表面実装、摩擦嵌合、機械的な締め付け、及び接着剤を含めて、任意の好適な方法/構造を使用して達成されてよい。
【0030】
図10及び11を参照すると、電気コネクタ402が、ヘッダーコネクタ404と、ヘッダーコネクタ404に嵌合するように構成されたソケットコネクタ406とを有している。ヘッダーコネクタ404は、第1のプリント回路基板418に結合されるように構成されており、複数の信号ピン408と複数のシールドブレード410とを有している。ソケットコネクタ406は、第2のプリント回路基板420に結合されるように構成されており、各々が信号接点414に結合された複数の導電経路412と、複数の第1のシールド416とを有している。複数の信号ピン408、並びに複数の導電経路412及び信号接点414は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数のシールドブレード410及び複数の第1のシールド416は、電気的に接続されており、ヘッダーコネクタ404とソケットコネクタ406とが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0031】
ソケットコネクタ406は、ソケットハウジング422と、複数の水平シールド424(本願では「第3のシールド」とも呼ばれる)と、複数のコネクタモジュール426(「ウエハ」としても知られる)と、複数の垂直ストリップ線路シールド416(本願では「第1のシールド」又は「第1のシールド部分」とも呼ばれる)と、複数の側方延在傾斜テールシールド428(本願では「第2のシールド」又は「第2のシールド部分」とも呼ばれる)とを有している。電気コネクタ402において使用され得るソケットコネクタ406に類似したソケットコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。
【0032】
ヘッダーコネクタ404は、ヘッダー本体432と、複数の信号ピン408と、複数のシールドブレード410を中に形成された連続ストリップと、複数の接地ピン434とを有している。ヘッダーコネクタ404に類似したヘッダーコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。一態様において、ヘッダーコネクタ404はヘッダーコネクタ104(図2、3、及び5に示す)に類似している。しかしながら、ヘッダーコネクタ104の複数のシールドブレード110とは異なり、ヘッダーコネクタ404の複数のシールドブレード410は、複数のシールドテール(例えばシールドテール136など)を有していない。複数のシールドテールが存在しないことにより、電気コネクタ402の伝送線路のシールドが分断されており、複数の伝送線路は、第1のプリント回路基板418に接続されるように構成されている。一実施形態において、複数のシールドテールが存在しないことにより、第1のプリント基板418の対応するホール438を除くことが可能となり、それにより、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ及びコンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせた、プリント回路基板のホールパターンを使用することが可能となる。
【0033】
電気コネクタ402における複数の伝送線路のシールドを分断するのを促進するために、ソケットコネクタ406の複数の第1のシールド416は、電気的に接地されるように構成されている。複数の第1のシールド416の各々は、複数のシールドテールを有しており、それらのシールドテールは、一実施形態においては、複数の第1のシールド416を電気的に接地するように構成された複数の側部シールドテール444として構成される。側部シールドテール444は、第2のプリント回路基板420のホール430に圧入及び/又ははんだ付けされることができる。別法として、複数の第1のシールド416の第2のプリント基板420への電気的接地は、限定するものではないが、圧入、はんだ付け、表面実装、摩擦嵌合、機械的な締め付け、及び接着剤を含めて、任意の好適な方法/構造を使用して達成されてよい。
【0034】
図12及び13を参照すると、電気コネクタ502が、ヘッダーコネクタ504と、ヘッダーコネクタ504に嵌合するように構成されたソケットコネクタ506とを有している。ヘッダーコネクタ504は、第1のプリント回路基板518に結合されるように構成されており、複数の信号ピン508を有している。ソケットコネクタ506は、第2のプリント回路基板520に結合されるように構成されており、各々が信号接点514に結合された複数の導電経路512と、複数の第1のシールド516とを有している。複数の信号ピン508、並びに複数の導電経路512及び信号接点514は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数の第1のシールド516は、ヘッダーコネクタ504とソケットコネクタ506とが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0035】
ソケットコネクタ506は、ソケットハウジング522と、複数の水平シールド524(本願では「第3のシールド」とも呼ばれる)と、複数のコネクタモジュール526(「ウエハ」としても知られる)と、複数の垂直ストリップ線路シールド516(本願では「第1のシールド」又は「第1のシールド部分」とも呼ばれる)と、複数の側方延在傾斜テールシールド528(本願では「第2のシールド」又は「第2のシールド部分」とも呼ばれる)とを有している。ソケットコネクタ506に類似したソケットコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。ソケットコネクタのこれらの例とは異なり、ソケットコネクタ506の複数の第1のシールド516は、複数の側部シールドテール(例えば、米国特許第6,146,202号における側方シールドテール300など)を有していない。一実施形態において、複数の側部シールドテールが存在しないことにより、第2のプリント基板520の対応するホール530を除くことが可能となり、それにより、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ及びコンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせた、プリント回路基板のホールパターンを使用することが可能となる。
【0036】
ヘッダーコネクタ504は、ヘッダー本体532と、複数の信号ピン508と、複数の接地ピン534とを有している。ヘッダーコネクタ504は、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックヘッダーコネクタであっても、コンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックヘッダーコネクタであってもよい。一態様において、ヘッダーコネクタ504はヘッダーコネクタ104(図2、3、及び5に示す)に類似している。しかしながら、ヘッダーコネクタ104とは異なり、ヘッダーコネクタ504は複数のシールドブレード(例えばシールドブレード110など)を有していない。複数のシールドブレードが存在しないことにより、第1のシールド516の嵌合端部にて電気コネクタ502の伝送線路のシールドが分断されている。一実施形態において、ヘッダーコネクタ504は、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ又はコンパクトPCI又はフューチャーバス業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせたプリント回路基板のホールパターンを使用して、第1のプリント回路基板518に装着されることができる。
【0037】
電気コネクタ502における複数の伝送線路のシールドを分断するのを促進するために、ソケットコネクタ506の複数の第1のシールド516は、電気的に接地されるように構成されている。複数の第1のシールド516は1つおきに、複数の第1のシールド516を電気的に接地するように構成された端部シールドテール540を有している。端部シールドテール540は、第2のプリント回路基板520のホール530に圧入及び/又ははんだ付けされることができる。別法として、複数の第1のシールド516の第2のプリント基板520への電気的接地は、限定するものではないが、圧入、はんだ付け、表面実装、摩擦嵌合、機械的な締め付け、及び接着剤を含めて、任意の好適な方法/構造を使用して達成されてよい。
【0038】
図14及び15を参照すると、電気コネクタ602が、ヘッダーコネクタ604と、ヘッダーコネクタ604に嵌合するように構成されたソケットコネクタ606とを有している。ヘッダーコネクタ604は、第1のプリント回路基板618に結合されるように構成されており、複数の信号ピン608を有している。ソケットコネクタ606は、第2のプリント回路基板620に結合されるように構成されており、各々が信号接点614に結合された複数の導電経路612と、複数の第1のシールド616とを有している。複数の信号ピン608、並びに複数の導電経路612及び信号接点614は、複数の伝送線路を形成するように構成されている。複数の第1のシールド616は、ヘッダーコネクタ604とソケットコネクタ606とが嵌合した配置にあるときに複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている。
【0039】
ソケットコネクタ606は、ソケットハウジング622と、複数の水平シールド624(本願では「第3のシールド」とも呼ばれる)と、複数のコネクタモジュール626(「ウエハ」としても知られる)と、複数の垂直ストリップ線路シールド616(本願では「第1のシールド」又は「第1のシールド部分」とも呼ばれる)と、複数の側方延在傾斜テールシールド628(本願では「第2のシールド」又は「第2のシールド部分」とも呼ばれる)とを有している。電気コネクタ602において使用され得るソケットコネクタ606に類似したソケットコネクタの例が、米国特許第6,146,202号、同第6,231,391号、及び同第6,371,813号に図示され記載されている。
【0040】
ヘッダーコネクタ604は、ヘッダー本体632と、複数の信号ピン608と、複数の接地ピン634とを有している。ヘッダーコネクタ604は、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックヘッダーコネクタであっても、コンパクトPCI又はフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックヘッダーコネクタであってもよい。一態様において、ヘッダーコネクタ604はヘッダーコネクタ104(図2、3、及び5に示す)に類似している。しかしながら、ヘッダーコネクタ104とは異なり、ヘッダーコネクタ604は複数のシールドブレード(例えばシールドブレード110など)を有していない。複数のシールドブレードが存在しないことにより、第1のシールド616の嵌合端部にて電気コネクタ602の伝送線路のシールドが分断されている。一実施形態において、ヘッダーコネクタ604は、業界基準のIEC 61076−4−101に従うハードメトリックコネクタ又はコンパクトPCI若しくはフューチャーバスの業界基準に従うハードメトリックコネクタに合わせたプリント回路基板のホールパターンを使用して、第1のプリント回路基板618に装着されることができる。
【0041】
電気コネクタ602における複数の伝送線路のシールドを分断するのを促進するために、ソケットコネクタ606の複数の第1のシールド616は、電気的に接地されるように構成されている。複数の第1のシールド616の各々は、複数のシールドテールを有しており、それらのシールドテールは、一実施形態においては、複数の第1のシールド616を電気的に接地するように構成された複数の側部シールドテール644として構成される。側部シールドテール644は、第2のプリント回路基板620のホール630に圧入及び/又ははんだ付けされることができる。別法として、複数の第1のシールド616の第2のプリント基板620への電気的接地は、限定するものではないが、圧入、はんだ付け、表面実装、摩擦嵌合、機械的な締め付け、及び接着剤を含めて、任意の好適な方法/構造を使用して達成されてよい。
【0042】
図16A及び16Dのグラフは、上で説明し図2〜15に示した本発明の態様による、シールドを分断された電気コネクタの例示的な実施形態のインピーダンスプロファイルを示している。
【0043】
図16Aのグラフは、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイル、及びシールドを分断されていないかあるいはシールドのない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイルの例を示している。これらのインピーダンスプロファイルはそれぞれ、第1の電気コネクタ(位置H)、電気ケーブル(位置I)、及び第2の電気コネクタ(位置J)を通じて信号が進行するように電気ケーブルを介して電気的に接続された2つの電気コネクタを有するアセンブリを使用して測定されたものである。いずれのインピーダンスプロファイルも、約35psの立ち上がり時間にて測定されたものであり、この立ち上がり時間は、第1のコネクタ差し込み口における約100psの立ち上がり時間に対応している。図16Aのグラフに示すインピーダンスプロファイルの詳細が、以下の表1に示されている。表1の符号102、302及び602はそれぞれ、電気コネクタ102(図2〜5に示す)、電気コネクタ302(図8及び9に示す)、及び電気コネクタ602(図14及び15に示す)を表している。
【0044】
【表1】

【0045】
図16Aのグラフに示すように、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性は、予想外にも、シールドのない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性よりも小さく、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロフェイルは、シールドを分断されていない同じ電気コネクタのインピーダンスプロフェイルと類似している。
【0046】
図16Dのグラフは、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイル、及びシールドのない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイルの例を示している。これらのインピーダンスプロファイルはそれぞれ、第1の電気コネクタ(位置K)、プリント回路基板(位置L)、及び第2の電気コネクタ(位置M)を通じて信号が進行するようにプリント回路基板を介して電気的に接続された2つの電気コネクタを有するアセンブリを使用して測定されたものである。これらのインピーダンスプロファイルは、約35psの立ち上がり時間にて測定されたものであり、この立ち上がり時間は、第1のコネクタ差し込み口における約100psの立ち上がり時間に対応している。図16Dのグラフに示すインピーダンスプロファイルの詳細が、以下の表2に示されている。表2の符号502及び602はそれぞれ、電気コネクタ502(図12及び13に示す)及び電気コネクタ602(図14及び15に示す)を表している。
【0047】
【表2】

【0048】
図16Dに示すように、シールドを分断された電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性は、予想外にも、シールドのない同じ電気コネクタのインピーダンスプロファイルにおける不連続性よりも小さなものとなっている。
【0049】
上記の表及び図16A〜16Dのグラフに示す情報は、例を表すものであり、本明細書に記載する本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【0050】
本明細書に記載した実施形態及び実現形態の各々において、本発明の態様による電気コネクタ及びその要素の様々な例示的な実施形態が、任意の好適な材料から形成される。それらの材料は、目的の用途に応じて選択されるものであり、金属と非金属(例えば、限定するものではないが、ポリマー、ガラス、及びセラミックスを含めた非導電性材料のうちのいずれか1つ又は組み合わせ)の双方を含んでもよい。一実施形態において、ヘッダー本体132、ソケットハウジング122、並びに第3のシールド124及びコネクタモジュール126の絶縁要素は、射出成形、押し出し、鋳造、機械加工などの方法で高分子材料から形成され、一方で、信号ピン108、接地ピン134、シールドブレード110、第1のシールド116、第2のシールド128、並びに第3のシールド124及びコネクタモジュール126の導電性要素は、成型、鋳造、スタンプ加工、機械加工などの方法で金属から形成される。材料の選択は、限定するものではないが一部を挙げると、化学暴露条件、温度及び湿度条件を含めた環境暴露条件、難燃性要件、材料強度、並びに剛性を含む要因に依存する。
【0051】
好ましい実施形態の説明を目的として、特定の実施形態について本明細書で例示し説明してきたが、同じ目的を達成するように計算された多種多様な他の実現形態及び/又は等価な実現形態が、本発明の範囲から逸脱することなく、図示し説明した特定の実施形態の代わりとなり得ることが、当業者には理解されよう。機械、電気機械、及び電気の分野における当業者には、本発明が非常に多種多様な実施形態で実現され得ることは容易に理解されよう。本願は、本明細書で論じた好ましい実施形態のいかなる改作又は変型をも包含することを意図したものである。したがって、本発明が特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されることが、明白に意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッダーコネクタであって、
複数の第1の開口部と複数の第2の開口部とを有するように形成されたヘッダー本体と、
前記複数の第1の開口部に挿入されるように構成された複数の信号ピンと、
前記複数の第2の開口部に挿入されるように構成された複数のシールドブレードと、
を有する、ヘッダーコネクタと、
前記ヘッダーコネクタに嵌合するように構成されたソケットコネクタであって、
ソケットハウジングと、
前記ソケットハウジングに挿入されるように構成された複数のコネクタモジュールであって、各々が、複数の導電経路を被覆する絶縁材料を有し、各導電経路が信号接点に結合されている、コネクタモジュールと、
前記ソケットハウジングに挿入されるように構成された複数の第1のシールドであって、各々が、関連するコネクタモジュールの第1の側部に沿って延びる、第1のシールドと、を有するソケットコネクタと、
を備える、電気コネクタであって、
前記複数の信号ピン並びに前記複数の導電経路及び信号接点は、複数の伝送線路を形成するように構成されており、前記複数のシールドブレード及び前記複数の第1のシールドは電気的に接続されており、前記ヘッダーコネクタと前記ソケットコネクタとが嵌合する配置にあるときに前記複数の伝送線路のシールドを分断するように構成されている、
電気コネクタ。
【請求項2】
前記複数のシールドブレードと前記複数の第1のシールドの一方が、電気的に接地されるように構成されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記ソケットコネクタが、プリント回路基板と電気ケーブルの一方に装着されるように構成されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記ヘッダーコネクタが、プリント回路基板と電気ケーブルの一方に装着されるように構成されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記複数のシールドブレードは、前記ヘッダーコネクタと前記ソケットコネクタとが嵌合する配置にあるときに前記ソケットコネクタの中に延びる、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記複数のシールドブレードと前記複数の第1のシールドの一方は、プリント回路基板と係合するように構成された複数のテールを備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
複数の第1の開口部と複数の第2の開口部とを有するように形成されたヘッダー本体と、
前記複数の第1の開口部に挿入されるように構成された複数の信号ピンと、
前記複数の第2の開口部に挿入されるように構成された複数のシールドブレードと、
を有するヘッダーコネクタであって、
前記複数の信号ピンは、嵌合するソケットコネクタの複数の導電経路及び信号接点と協働して複数の伝送線路を形成するように構成されており、前記複数のシールドブレードは電気的に接地されるように構成されており、前記ヘッダーコネクタと前記ソケットコネクタとが嵌合する配置にあるときに前記複数の伝送線路のシールドを分断し、
前記複数のシールドブレードは、前記ヘッダーコネクタと前記ソケットコネクタとが嵌合する配置にあるときに前記ソケットコネクタの中に延びる、
ヘッダーコネクタ。
【請求項8】
前記複数のシールドブレードが、プリント回路基板と係合するように構成された複数のテールを備える、請求項7に記載のヘッダーコネクタ。
【請求項9】
前記複数のシールドブレードの各々が、その第1の端部に、略直角のシールド部分を有し、前記シールド部分は、前記複数の信号ピンのうちの対応する1つに隣接して配設されるように構成されている、請求項7に記載のヘッダーコネクタ。
【請求項10】
前記第1及び第2の開口部が、前記複数のシールドブレードの前記略直角のシールド部分が前記複数の信号ピンを実質的に囲繞して前記複数の信号ピンの各々の周りに同軸シールドを形成するように、前記ヘッダー本体内に配置されている、請求項9に記載のヘッダーコネクタ。
【請求項11】
前記略直角のシールド部分が、第1及び第2のレッグ部分を有し、前記複数の第2の開口部の各々が、前記略直角のシールド部分を受容するための略直角の第2の開口部を含み、前記第1及び第2のレッグ部分と係合して前記シールドブレードを定位置に保持するように寸法を定められた第1及び第2の狭幅スロート部分を有し、前記第1及び第2の狭幅スロート部分によって第1及び第2の末端部分に結合された中央部分を有し、前記中央部分並びに前記第1及び第2の末端部分は、前記略直角のシールド部分を囲繞する空隙をもたらすように付形されている、請求項9に記載のヘッダーコネクタ。
【請求項12】
前記複数の信号ピン及び前記複数のシールドブレードが、圧入によって前記ヘッダー本体内に保持されている、請求項7に記載のヘッダーコネクタ。
【請求項13】
前記複数のシールドブレードが、材料の連続ストリップにて形成されており、共通のグランドに電気的に接続されるように構成されている、請求項7に記載のヘッダーコネクタ。
【請求項14】
ソケットハウジングと、
前記ソケットハウジングに挿入されるように構成された複数のコネクタモジュールであって、各々が、複数の導電経路を被覆する絶縁材料を有し、各導電経路が信号接点に結合されているコネクタモジュールと、
前記ソケットハウジングに挿入されるように構成された複数の第1のシールドであって、各々が、付随するコネクタモジュールの第1の側部に沿って延びる第1のシールドと、
を備えるソケットコネクタであって、
前記複数の導電経路及び信号接点は、嵌合するヘッダーコネクタの複数の信号ピンと協働して複数の伝送線路を形成するように構成されており、前記複数の第1のシールドは電気的に接地されるように構成されており、前記ソケットコネクタと前記ヘッダーコネクタとが嵌合する配置にあるときに前記複数の伝送線路のシールドを分断する、
ソケットコネクタ。
【請求項15】
前記複数の第1のシールドが、プリント回路基板と係合するように構成された複数のテールを備える、請求項14に記載のソケットコネクタ。
【請求項16】
個々の第1のシールドが、隣接する列をなす導電経路の特異な対を形成するように取り外し可能である、請求項14に記載のソケットコネクタ。
【請求項17】
前記コネクタモジュールが、複数の通路を有し、前記通路は、前記複数の導電経路に介挿されており、前記コネクタモジュールの対向する側部の間で側方に延び、前記第1のシールドは、複数の側方延在チャネルを形成するように、前記コネクタモジュールの前記通路と実質的に整列する配置で、対向する側部の間で側方に延びる複数の通路を有し、前記ソケットコネクタは、複数の第2のシールドを更に備え、前記第2のシールドは、前記複数の側方延在チャネルに挿入されるように構成されており、各導電経路の周りに同軸シールドを形成するように前記第1のシールドに電気的に結合されている、請求項14に記載のソケットコネクタ。
【請求項18】
個々の第2のシールドが、隣接する行をなす導電経路の特異な対を形成するように取り外し可能である、請求項17に記載のソケットコネクタ。
【請求項19】
前記ソケットハウジングに挿入されるように構成された複数の第3のシールドを更に備え、前記複数の第3のシールドは、各信号接点の周りに同軸シールドを形成するように前記第1のシールドに電気的に結合されている、請求項17に記載のソケットコネクタ。
【請求項20】
個々の第3のシールドが、隣接する行をなす導電経路の特異な対を形成するように個々の第2のシールドに沿って取り外し可能である、請求項19に記載のソケットコネクタ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【公表番号】特表2011−529253(P2011−529253A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520091(P2011−520091)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/050455
【国際公開番号】WO2010/011525
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】