電気光学装置、その駆動方法及び電子機器
【課題】色順次駆動による色割れを抑制し、良好な発色及び階調特性を実現することが可能な電気光学装置を提供する。
【解決手段】電気光学装置は、3つの光源が発光する光源色を時間的に切り替える色順次駆動方式を用いてフルカラーを表示する。液晶駆動手段は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する。また、光源制御手段は、3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、画素における液晶が階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色を切り替える。上記の電気光学装置によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【解決手段】電気光学装置は、3つの光源が発光する光源色を時間的に切り替える色順次駆動方式を用いてフルカラーを表示する。液晶駆動手段は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する。また、光源制御手段は、3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、画素における液晶が階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色を切り替える。上記の電気光学装置によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる色順次駆動方式で駆動される電気光学装置、その駆動方法及び電子
機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LDやLEDなどの固体光源を用いて、いわゆる色順次駆動方式(フィールドシーケンシャル方式)で駆動されるプロジェクタなどが知られている。この色順次駆動方式は、時間的に光源色を切り替えて画像を表示する駆動方式であり、網膜上に投影された各色成分が人間の眼の積分機能で混色され、フルカラーに知覚される。この駆動方式は、眼を動かしたときなどに、各色成分が混色されないため色割れ現象が発生することが知られている。
【0003】
ここで、単板方式の液晶プロジェクタで色、順次駆動を行った場合、液晶の応答時間の影響により、駆動周波数を高めると、液晶が十分に応答せずに、時間的に隣接する光源色と干渉する場合がある。このような不具合に対して、光源の発光期間を限定することによって、光源色の干渉を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、液晶の電圧保持期間を増大させることによって、光源の発光期間を制限することによる明るさ低下を抑制している。
【0004】
ところで、近年、液晶パネルなどに対するデジタル的な駆動方式として、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールド駆動方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このサブフィールド駆動方式は、液晶のオン/オフを時間的に繰り返すことで、時間的な積分値として所望の階調を得る駆動方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−163358号公報
【特許文献2】特開2001−100180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した色順次駆動に起因する色割れは、光源色の切り替え周波数を高めることによって、緩和されるものと考えられる。しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、光源色の切り替え周波数を更に高めるためには、液晶の電圧保持期間を減少させることが必用となり、駆動周波数及び発光期間の両方を最適に設定することが困難であった。また、特許文献2に記載された技術では、色順次駆動による色割れを考慮してはいない。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、色順次駆動による色割れを抑制し、良好な発色及び階調特性を実現することが可能な電気光学装置、その駆動方法及び電子機器を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点では、それぞれで異なる色を発光する3つの光源と1つの液晶表示部とを有し、前記3つの光源における3色の光源色を時間的に切り替えることによって色を表示する電気光学装置は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて前記液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する液晶駆動手段と、前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の電気光学装置は、光源色を時間的に切り替える色順次駆動方式を用いることによって、フルカラーを表示する装置である。この場合、液晶駆動手段は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する。また、光源制御手段は、3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、画素における液晶が階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色を切り替える。これにより、液晶表示部の駆動周波数を大きく増大させることなく(つまり液晶表示部の電圧保持期間を減少させることなく)、光源の切り替え周波数を高めることができる。即ち、光源の発光期間を制限することなく、光原色の切り替え周期を効果的に短縮することができる。したがって、上記の電気光学装置によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0010】
上記の電気光学装置において好適には、前記液晶駆動手段は、前記液晶が階調を構成するために当該液晶に対して印加する前記オン電圧又は前記オフ電圧から成るパターンを、前記光源色の各色において概ね同一に設定する。これにより、表示される画像に生じる破綻を効果的に抑制することができる。
【0011】
上記の電気光学装置の一態様では、前記光源制御手段は、入力される画像信号に基づいて、前記光源色の切り替え周期を変化させる。好適には、前記光源制御手段は、前記画像信号から各色ごとの平均階調値を求め、前記平均階調値に応じて前記光源色の切り替え周期を変化させる。つまり、画像における色みの偏りに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させることができる。これにより、液晶が応答しないことに起因する表示劣化を効果的に抑制しつつ、色割れの発生を抑制することが可能となる。
【0012】
上記の電気光学装置の他の一態様では、前記液晶制御手段は、前記液晶表示部の全ての走査線に対して、概ね同一のタイミングで一斉に信号を供給する。これにより、液晶表示部の書き込み時間に応じた光源による照射を実行することが可能となる。したがって、画面のむら等を効果的に抑制することができ、表示品位を向上させることが可能となる。
【0013】
上記の電気光学装置は、各種の電子機器に好適に適用することができる。
【0014】
本発明の他の観点では、少なくとも異なる3色の光源色を時間的に切り替えることによって、色を表示する電気光学装置の駆動方法は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する液晶駆動工程と、前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御工程と、を備える。上記の電気光学装置の駆動方法によっても、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る電気光学装置を適用した液晶プロジェクタの概略構成を示すブロック図である。
【図2】液晶プロジェクタの駆動回路の概略構成を示すブロック図である。
【図3】走査線駆動回路、データ線駆動回路、及び液晶パネルの概略構成を示す図である。
【図4】画素の概略構成を示す図である。
【図5】本実施形態に係る走査線の走査方法を説明するための図である。
【図6】本実施形態で用いる垂直走査信号及びスタートパルスを示す図である。
【図7】本実施形態で用いる各制御信号のタイミングチャートを示す。
【図8】液晶におけるチャージ電圧及び透過率の変化の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【図10】第1比較例に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【図11】面書き込みの一例を示す図である。
【図12】第2実施形態に係る駆動回路の概略構成を示すブロック図である。
【図13】第2実施形態に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【図14】第2比較例に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0017】
[装置構成]
図1は、本実施形態に係る電気光学装置を適用した、液晶プロジェクタ1000の概略構成を示すブロック図である。液晶プロジェクタ1000は、赤色の光源201R(以下、「R光源」と呼ぶ。)と、緑色の光源201G(以下、「G光源」と呼ぶ。)と、青色の光源201B(以下、「B光源」と呼ぶ。)と、リレーレンズ202R、202G、202Bと、クロスプリズム203と、液晶パネル14と、投写光学系204と、を有する。
【0018】
液晶プロジェクタ1000は、液晶ライトバルブとして機能する液晶パネル14を1つ用いた、単板式の投射型液晶装置として構成される。また、液晶プロジェクタ1000は、時間的に光源色を切り替えて画像を表示する色順次駆動方式を用いることによって、フルカラーを表示する。
【0019】
R光源201Rは赤色光を発光する固体光源であり、G光源201Gは緑色光を発光する固体光源であり、B光源201Bは青色光を発光する固体光源である。R光源201R、G光源201G、及びB光源201Bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)などによって構成される。R光源201R、G光源201G、及びB光源201B(以下、これらを区別しないで用いる場合には、単に「光源」と呼ぶ。)によって発光された光は、それぞれリレーレンズ202R、202G、202Bを介してクロスプリズム203に入射される。クロスプリズム203は、リレーレンズ202R、202G、202Bを介して入射された赤色光、緑色光、及び青色光のそれぞれを反射させることによって、これらを液晶パネル14に入射させる。
【0020】
液晶パネル14は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものである。液晶パネル14は、いわゆる液晶ライトバルブとして機能し、供給された画像信号に応じて入射光を変調する。液晶パネル14によって変調された光は投写光学系204によって拡大投写され、スクリーンSC上で大画面画像を形成する。なお、液晶パネル14の詳細については、後述する。
【0021】
次に、図2を参照して、前述した液晶プロジェクタ1000の光源及び液晶パネル14を駆動する駆動回路について説明する。図2は、液晶プロジェクタ1000の駆動回路100の概略構成を示すブロック図である。
【0022】
駆動回路100は、主に、コントローラ10と、走査線駆動回路11と、データ線駆動回路12と、光源制御信号生成部210と、R光源制御部211Rと、G光源制御部211Gと、B光源制御部211Bと、を有する。駆動回路100は、液晶プロジェクタ1000に搭載され、液晶プロジェクタ1000が投射する画像を駆動制御する。
【0023】
コントローラ10は、クロック信号clkや画像信号Dなどを取得し、これらに基づいて、スタートパルスDY、走査側転送クロックCLY、データ転送クロックCLX、及びデータ信号Dsなどを生成して、走査線駆動回路11及びデータ線駆動回路12に供給する。走査線駆動回路11は、液晶パネル14に対して走査信号Gnを供給する(詳しくは、n本の走査線に対して「G1、G2、G3、…、Gn」を供給する)。また、データ線駆動回路12は、液晶パネル14に対してデータ信号dmを供給する(詳しくは、m本のデータ線に対して「d1、d2、d3、…、dm」を供給する)。
【0024】
また、コントローラ10は、光源制御信号生成部210に対してスタートパルスDYを供給する。光源制御信号生成部210は、スタートパルスDYを基準として、光源の切り替え周期などを規定する光源制御信号を生成する。R光源制御部211R、G光源制御部211G、及びB光源制御部211Bは、それぞれ、光源制御信号生成部210から光源制御信号を取得し、この信号に基づいてR光源201R、G光源201G、及びB光源201Bを駆動する。
【0025】
なお、コントローラ10や光源制御信号生成部210などによって構成される駆動回路100は、本発明における電気光学装置として機能する。具体的には、駆動回路100は、液晶駆動手段及び光源制御手段として動作する。
【0026】
次に、図3を参照して、前述した走査線駆動回路11、データ線駆動回路12、及び液晶パネル14の構成について具体的に説明する。
【0027】
コントローラ10は、クロック信号clkと、垂直走査信号VSと、水平走査信号HSと、画像信号Dと、を外部から取得する。そして、コントローラ10は、これらの取得した信号に基づいて、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、データ転送クロックCLXと、2値のデータ信号Dsと、を生成する。スタートパルスDYは、走査側(Y側)に対する走査の開始タイミングで出力されるパルス信号である。走査側転送クロックCLYは、走査側(Y側)の水平走査を規定する信号である。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路12へデータを転送するタイミングを規定する信号である。データ信号Dsは、画像信号Dに対応するデータであり、各サブフィールド期間毎に画素14cをオン状態又はオフ状態にするためのハイレベル又はローレベルを示すデータである。なお、コントローラ10、走査線駆動回路11、及びデータ線駆動回路12には、その他にも各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係の無いものについては説明を省略する。
【0028】
走査線駆動回路11は、コントローラ10から、スタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得し、液晶パネル14の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。具体的には、走査線駆動回路11は、コントローラ10から供給されるスタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って転送し、走査線14aの各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gnとして順次排他的に供給するものである。
【0029】
データ線駆動回路12は、コントローラ10から、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsとを取得し、液晶パネル14のデータ線14bに対してデータ信号d1、d2、d3、…、dmを出力する。具体的には、データ線駆動回路12は、ある水平走査期間において2値信号Dsをデータ線14bの本数に相当するm個順次ラッチした後、ラッチしたm個の2値信号Dsを、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線14bにデータ信号d1、d2、d3、…、dmとして一斉に供給するものである。
【0030】
液晶パネル14は、前述したように、液晶(LCD)によって構成され、電圧が印加されることによって画像信号などを表示する液晶表示部である。具体的には、液晶パネル14は、走査線14aと、データ線14bと、画素14cとを備える。詳しくは、液晶パネル14には、n本の走査線14aが、図3においてX(行)方向に延在して形成され、m本のデータ線14bがY(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素14cは、走査線14aとデータ線14bとの各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列されている。
【0031】
ここで、図4を参照して、画素14cの具体的な構成について説明する。画素14cは、主に、トランジスタ14dと、蓄積容量14eと、画素電極14fと、液晶14gと、対向電極14hと、を有する。
【0032】
図4に示す構成では、スイッチング素子としてのトランジスタ14dのゲートが走査線14aに、ソースがデータ線14bに、ドレインが画素電極14fに、それぞれ接続される。そして、画素電極14fと対向電極14hとの間に、電気光学材料たる液晶14gが挟持されて液晶層が形成されている。ここで、対向電極14hは、実際には画素電極14fと対向するように対向基板の全面に形成される透明電極である。また、対向電極14hには対向電極電圧Vcomが印加されるようなっている。更に、画素電極14fと対向電極14hとの間においては蓄積容量14eが形成されて、液晶層を挟む電極と共に電荷を蓄積する。なお、図4中の電圧Vlcは、画素14cにチャージされる電圧(以下、「チャージ電圧Vlc」と呼ぶ。)に相当する。
【0033】
各走査線14aには前述した走査線駆動回路11から夫々走査信号G1、G2、…、Gn(以下では、これらをまとめて単に「Gn」とも表記する。)が供給される。各走査信号によって、各ラインの画素を構成するトランジスタ14dが導通状態となり、これにより、前述したデータ線駆動回路12から各データ線14bに供給されたデータ信号d1、d2、…、dm(以下では、これらをまとめて単に「dm」とも表記する。)が供給されることとなる。そして、書き込まれた画素電極14fと対向電極14hとの電位差に応じて液晶14gの分子集合の配向状態が変化して、光の変調が行われ、階調表示がなされる。
【0034】
[液晶パネルの駆動方法]
次に、図5乃至図8を参照して、本実施形態に係る液晶パネル14の駆動方法について説明する。本実施形態では、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールド駆動方式に基づいて、画像を表示する。つまり、1サブフィールド期間内で全画素を順次、オン若しくはオフに相当する2値の電圧のどちらかで書込み、これを1フィールドを構成する全てのサブフィールドにおいて繰り返して実行することで、1フィールド期間の明るさを決定する。
【0035】
なお、ここでは、液晶パネル14における表示モードはノーマリーホワイトであり、画素に電圧が加わった状態で黒表示(オン状態)、電圧が加わらない状態で白表示(オフ状態)を行うものとして説明する。また、1フィールドを32サブフィールドに分割した場合を一例として説明する。
【0036】
図5は、本実施形態に係る走査線14aの走査方法を説明するための図である。図5(a)は、1フィールドと、それを構成する32サブフィールドとを示しており、図5(b)は、サブフィールドSF1において走査される走査線14a、及び走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図5(b)に示すように、1サブフィールドにおいて、全ての走査線14aに対する走査が実行される。
【0037】
図6は、本実施形態で用いる垂直走査信号VS及びスタートパルスDYを示す図である。図6(a)は垂直走査信号VSを示しており、図6(b)はスタートパルスDYを示している。図6(b)に示すように、コントローラ10は、1垂直期間(1フィールド期間)において、32発のスタートパルスDYを発生する。
【0038】
次に、図7は、本実施形態で用いる各制御信号のタイミングチャートを示す。図7(a)はスタートパルスDYを示し、図7(b)は走査側転送クロックCLYを示し、図7(c)は走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図7(c)に示すように、走査側転送クロックCLYに同期して、走査線14aの各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gnとして順次排他的に出力される。
【0039】
図8は、図7に示すような駆動を行った場合のチャージ電圧Vlc及び透過率LCを示している。なお、ここでは、データ信号dmの電圧が「12V」であり、対向電極電圧Vcomが「7V」である場合を一例として説明する。
【0040】
図8(a)は1サブフィールドにおける走査信号Gnを示し、図8(b)は1つの画素14cのチャージ電圧Vlcを示し、図8(c)は液晶14gの透過率LCを示している。この場合、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージし(図8(b)参照)、液晶14gは12Vの印加電圧に相当する応答をする(図8(c)参照)。具体的には、1サブフィールドの終了時に透過率が0%まで落ちる。この場合、図8(c)中の面積M1(電圧積分値)に相当するだけ暗くなる。
【0041】
[光源制御方法]
以下では、本発明の実施形態に係る光源制御方法について、具体的に説明する。
【0042】
(第1実施形態)
第1実施形態では、画素14cの液晶14gが階調を構成する周期よりも、光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色の切り替えを制御する。つまり、第1実施形態では、同色の光源色を用いるサブフィールドを連続させるのではなく、時間的に階調が形成される前に、異なる光源色のサブフィールドに切り替える。こうすることは、液晶パネル14の駆動をなるべく抑えつつ、光源を適切なタイミングで発光させることによって、階調を形成することに相当する。これにより、色順次駆動に起因する色割れの発生を抑制し、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0043】
なお、このような光源色の切り替え制御は、主に、前述した駆動回路100内の光源制御信号生成部210によって実行される。具体的には、光源制御信号生成部210は、コントローラ10から供給されるスタートパルスDYを基準として、光源を切り替える周期などを規定する光源制御信号を生成する。
【0044】
ここで、図9を参照して、第1実施形態に係る光源制御方法について具体的に説明する。なお、図9は、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧(上記したチャージ電圧Vlcに相当する)を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線(図9中において縦方向に複数描かれた破線)はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。つまり、破線の間隔は、1サブフィールド期間に相当する。更に、図9では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光をそれぞれ表現している。
【0045】
第1実施形態では、図9中の実線及び破線で示すように、時間的に階調が形成される前に(図9では概ね1フィールド期間に相当する)、次々と光源色の色を切り替える。言い換えると、第1実施形態では、同色の光源色を用いるサブフィールドをしばらく連続させるのではなく、時間的に階調が形成される前に、異なる光源色を用いるサブフィールドに切り替える。具体的には、この例においては、光源制御信号生成部210は、概ねスタートパルスDY2回毎に(つまり2サブフィールド毎に)、光源色を切り替える。即ち、光源制御信号生成部210は、概ねスタートパルスDY2回毎に、R光源201R、G光源201G、及びB光源201Bの点灯と消灯とを順に切り替える。このような光源色の切り替え周期は、液晶14gが階調を構成する周期(概ね1フィールド期間)よりも短い。
【0046】
なお、2サブフィールド毎に光源色を切り替えることに限定はされない。つまり、液晶14gが時間的に階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなれば、2サブフィールド毎に光源色を切り替えることに限定はされない。
【0047】
次に、図10を参照して、比較例(以下、「第1比較例」と呼ぶ。)に係る光源制御方法について説明する。図10も、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。更に、図10では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光を表現している。なお、図10に示す例と、前述した図9に示す例とでは、駆動回路100に入力される画像信号Dは概ね同一であるものとする。よって、図9に示した液晶パネル14の応答波形を光源色の色ごとにまとめて並び替えた波形は、図10に示す光源色の色ごとの応答波形に概ね一致する。
【0048】
第1比較例では、図10のハッチング領域に示すように、1フィールドの「1/3」程度に相当する周期で、光源色の色を切り替えている。つまり、第1比較例では、画素14cの液晶14gが階調を構成する周期などを考慮せずに、予め定められた周期で光源色を切り替えている。よって、第1比較例では、同色の光源色を用いるサブフィールドがしばらく連続することとなる。具体的には、2サブフィールド以上の期間連続して、同色の光源色を用いている。
【0049】
ここで、第1実施形態に係る光源制御方法と、第1比較例に係る光源制御方法とを比較する。第1実施形態では、第1比較例と異なり、予め定められた周期で光源色を切り替えるのではなく、時間的に階調が形成される前に光源色を切り替えている。つまり、第1実施形態に係る光源制御方法は、液晶パネル14の駆動をなるべく抑えつつ、光源を適切なタイミングで発光させることによって、階調を形成している。したがって、第1実施形態によれば、液晶パネル14の駆動周波数を大きく増大させることなく(つまり液晶パネル14の電圧保持期間を減少させることなく)、光源の切り替え周波数を高めることができる。即ち、光源の発光期間を制限することなく、光原色の切り替え周期を効果的に短縮することができる。したがって、第1実施形態に係る光源制御方法によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0050】
なお、1サブフィールドにおいて用いる、液晶14gが階調を構成するために液晶14gに対して印加するオン電圧又はオフ電圧から成るパターン(以下、「パルスコード」とも呼ぶ。)を、光源色の各色において概ね同一に設定することが好ましい。つまり、液晶応答を考慮して、各色における色成分のパルスコードは類似した形状のものを用いることが好ましい。こうするのは、表示される画像に生じる破綻を、効果的に抑制するためである。
【0051】
また、スタートパルスDYが発生してから液晶14gが応答するまでの時間を考慮して、光源の切り替えタイミングを設定することが好ましい。こうすることにより、R光源201R、G光源201G、及びB光源201Bは交互に点灯と消灯とを繰り返すこととなる。
【0052】
更に、液晶パネル14の全ての走査線14aに対して、概ね同一のタイミングで走査信号Gnを供給することが好ましい。即ち、全ての走査線14aに対して一斉に走査信号Gnを供給することが好ましい。つまり、液晶パネル14に対して、いわゆる面書き込みを実行することが好ましい。こうするのは、液晶パネル14の書き込み時間に応じた光源による照射を実行するためである。
【0053】
図11は、上記した面書き込みの一例を示す図である。図11(a)はスタートパルスDYを示し、図11(b)は面書き込みを行う場合の走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図11(b)に示すように、スタートパルスDYのタイミングで、走査信号G1、G2、G3、…、Gnが一斉に出力されていることがわかる。このような面書き込みを実行することにより、液晶パネル14の書き込み時間に応じた光源による照射を実行することが可能となる。これにより、画面のむら等を効果的に抑制することができ、表示品位を向上させることが可能となる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る光源制御方法について説明する。第2実施形態でも、前述した第1実施形態と同様に、液晶14gが階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色の切り替えを制御する。しかしながら、第2実施形態では、入力される画像信号Dに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させる点で、第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態では、画像信号Dから各色ごとの平均階調値を求め、この平均階調値に応じて光源色の切り替え周期を変化させる。つまり、第2実施形態では、画像における色みの偏りに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させる。こうすることにより、液晶14gが応答しないことに起因する表示劣化を効果的に抑制しつつ、色割れの発生を抑制することが可能となる。
【0055】
図12は、第2実施形態に係る光源制御を実行する、駆動回路100aの概略構成を示すブロック図である。駆動回路100aは、主に、コントローラ10と、走査線駆動回路11と、データ線駆動回路12と、光源制御信号生成部210aと、R光源制御部211Rと、G光源制御部211Gと、B光源制御部211Bと、平均階調値演算部215と、を有する。駆動回路100aは、前述した液晶プロジェクタ1000などに搭載され、液晶プロジェクタ1000を制御する。なお、ここでは、前述した駆動回路100(図2参照)における同一の構成要素及び信号に対しては同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0056】
平均階調値演算部215は、コントローラ10の前段に配置され、入力される画像信号Dを解析する。具体的には、平均階調値演算部215は、入力された画像信号Dから、画面内の全画素について各色ごと(R、G、Bごと)の平均階調値を求める。そして、平均階調値演算部215は、求めた平均階調値に対応する信号APLを光源制御信号生成部210aに出力する。なお、コントローラ10には、画像信号Dそのものが入力されるものとする。
【0057】
光源制御信号生成部210aは、平均階調値演算部215から供給される信号APL、及びコントローラ10から供給されるスタートパルスDYに基づいて、光源の切り替え周期などを規定する光源制御信号を生成する。具体的には、光源制御信号生成部210aは、平均階調値に対応する信号APLに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させる、つまり光源色の切り替え速度を変化させる。詳しくは、光源制御信号生成部210aは、平均階調値における偏り(画像における色みの偏り)を判別し、これに基づいて切り替え周期を変化させる。
【0058】
より詳しくは、光源制御信号生成部210aは、平均階調値の偏りが各色において大きいと判別される場合、映像適応的に光源色の切り替え周期を変動させる。例えば、光源制御信号生成部210aは、平均階調値の偏りが大きい場合、光源色の切り替え周期を長くする。こうするのは、平均階調値に偏りがある場合には、各色成分のサブフィールドを切り替える際の変動量が大きくなり、液晶14gが応答しきらない可能性があるからである。これに対して、平均階調値の偏りが小さいと判別される場合には、光源制御信号生成部210aは、光源色の切り替え周期を短くする。つまり、光源色を比較的高速に切り替える。
【0059】
次に、図13を参照して、第2実施形態に係る光源制御方法について説明する。なお、図13は、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧(上記したチャージ電圧Vlcに相当する)を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。更に、図13では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光をそれぞれ表現している。
【0060】
図13に示す例では、駆動回路100aに入力される画像信号Dは、青(B)についての情報がほとんどないものとする。つまり、ほとんど青みのない画像(黄色が強い画像)が入力されたものとする。この場合には、平均階調値演算部215によって求められる平均階調値(信号APL)に偏りが発生することとなる。したがって、光源制御信号生成部210aは、平均階調値の偏りが各色において大きいと判別して、映像適応的に光源色の切り替え周期を変動させる。具体的には、図13のハッチング領域で示すように、光源制御信号生成部210aは光源色を切り替える。
【0061】
この場合、光源制御信号生成部210aは、図13中の実線で示すように、画素14cの液晶14gが概ね階調を構成する期間T1aにおいて、赤色光及び緑色光の2色の間で切り替えを実行する。つまり、光源制御信号生成部210aは、時間的に階調が形成される前に、赤色光及び緑色光の2色の切り替えを繰り返し行う。このように赤色光及び緑色光の2色の間で切り替えを実行するのは、入力された画像信号Dには青(B)についての情報がほとんどないからである。より詳しくは、光源制御信号生成部210aは、赤色光及び緑色光に対して、概ねスタートパルスDY3回分の周期(つまり3サブフィールド分に相当する周期)で切り替えを行う。これに対して、画素14cの液晶14gが階調を構成した後の期間T1bにおいては、光源制御信号生成部210aは、光源色を青色光に維持し続ける(即ち、青色光に関しては、1フィールドにおいて、一旦青色光に切り替わった後に他の色への切り替えを実行しない)。なお、画像信号Dには青(B)についての情報がほとんどないため、青色光を用いる期間T1bでは液晶パネル14を駆動させていない。
【0062】
なお、図13中の期間T1aにおいて、赤色光及び緑色光の2色のみを切り替えることに限定はされない。液晶14gが階調を構成する期間T1aにおいて、赤色光及び緑色光だけでなく青色光も用いて、光源色の切り替えを行っても良い。
【0063】
ここで、図14を参照して、比較例(以下、「第2比較例」と呼ぶ。)に係る光源制御方法について説明する。図14も、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。更に、図14では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光を表現している。なお、図14に示す例と、前述した図13に示す例とでは、駆動回路100aに入力される画像信号Dは概ね同一であるものとする。つまり、青(B)についての情報がほとんどない、青みのない画像(黄色が強い画像)が入力されたものとする。
【0064】
第2比較例では、図14のハッチング領域に示すように、1フィールドの「1/3」程度に相当する周期で、光源色の色を切り替えている。つまり、第2比較例では、画素14cの液晶14gが階調を構成する周期などを考慮せずに、予め定められた周期で光源色を切り替えている。よって、第2比較例では、同色の光源色を用いるサブフィールドがしばらく連続することとなる。具体的には、3サブフィールド以上の期間連続して、同色の光源色を用いている。
【0065】
ここで、第2実施形態に係る光源制御方法と、第2比較例に係る光源制御方法とを比較する。第2実施形態では、第2比較例と異なり、予め定められた周期で光源色を切り替えるのではなく、時間的に階調が形成される前に光源色を切り替えている。つまり、第2実施形態に係る光源制御方法は、液晶14gの駆動をなるべく抑えつつ、光源を適切なタイミングで発光させることによって、階調を形成している。したがって、第2実施形態によれば、液晶パネル14の駆動周波数を大きく増大させることなく(つまり液晶パネル14の電圧保持期間を減少させることなく)、光源の切り替え周波数を高めることができる。よって、光源の発光期間を制限することなく、光原色の切り替え周期を効果的に短縮することができる。
【0066】
また、第2実施形態に係る光源制御方法では、第2比較例と異なり、画像信号Dの平均階調値の偏りに応じて、光源色の切り替え周期を変化させている。したがって、第2実施形態によれば、液晶14gが応答しないことに起因する表示劣化を効果的に抑制できる。以上より、第2実施形態によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0067】
なお、上記のように平均階調値に基づいて光源の切り替えタイミングを変化させる場合、切り替えタイミングを変化すると同時に、液晶パネル14を駆動するパルスコードも変化させることが好ましい。
【0068】
また、平均階調値の偏りを判別する場合、階調データをヒストグラムに取り、この度数分布の相関を考慮に入れることが好ましい。こうすることによって、画像における色みの偏りを、精度良く判別することができる。
【0069】
[変形例]
本発明は、液晶パネル14に対する走査に合わせて、照明側も走査(スキャニング)可能に構成された電子機器(プロジェクタなど)にも適用することができる。例えば、この電子機器は、回転可能なプリズムなどを液晶パネルの前方に配置して構成され、各光源から照射された光をプリズムに入射させると共に、プリズムを回転させることによって、液晶パネル14において光が照射される位置を変えることができる。
【0070】
また、上記では、本発明を液晶プロジェクタ1000に適用した実施形態を示したが、これに限定はされない。つまり、他の電子機器に対しても、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 コントローラ、 11 走査線駆動回路、 12 データ線駆動回路、 14 液晶パネル、 14a 走査線、 14b データ線、 14c 画素、 100 駆動回路、 201R R光源、 201G G光源、 201B B光源、 210 光源制御信号生成部、 215 平均階調値演算部、 1000 液晶プロジェクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる色順次駆動方式で駆動される電気光学装置、その駆動方法及び電子
機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LDやLEDなどの固体光源を用いて、いわゆる色順次駆動方式(フィールドシーケンシャル方式)で駆動されるプロジェクタなどが知られている。この色順次駆動方式は、時間的に光源色を切り替えて画像を表示する駆動方式であり、網膜上に投影された各色成分が人間の眼の積分機能で混色され、フルカラーに知覚される。この駆動方式は、眼を動かしたときなどに、各色成分が混色されないため色割れ現象が発生することが知られている。
【0003】
ここで、単板方式の液晶プロジェクタで色、順次駆動を行った場合、液晶の応答時間の影響により、駆動周波数を高めると、液晶が十分に応答せずに、時間的に隣接する光源色と干渉する場合がある。このような不具合に対して、光源の発光期間を限定することによって、光源色の干渉を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、液晶の電圧保持期間を増大させることによって、光源の発光期間を制限することによる明るさ低下を抑制している。
【0004】
ところで、近年、液晶パネルなどに対するデジタル的な駆動方式として、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールド駆動方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このサブフィールド駆動方式は、液晶のオン/オフを時間的に繰り返すことで、時間的な積分値として所望の階調を得る駆動方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−163358号公報
【特許文献2】特開2001−100180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した色順次駆動に起因する色割れは、光源色の切り替え周波数を高めることによって、緩和されるものと考えられる。しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、光源色の切り替え周波数を更に高めるためには、液晶の電圧保持期間を減少させることが必用となり、駆動周波数及び発光期間の両方を最適に設定することが困難であった。また、特許文献2に記載された技術では、色順次駆動による色割れを考慮してはいない。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、色順次駆動による色割れを抑制し、良好な発色及び階調特性を実現することが可能な電気光学装置、その駆動方法及び電子機器を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点では、それぞれで異なる色を発光する3つの光源と1つの液晶表示部とを有し、前記3つの光源における3色の光源色を時間的に切り替えることによって色を表示する電気光学装置は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて前記液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する液晶駆動手段と、前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の電気光学装置は、光源色を時間的に切り替える色順次駆動方式を用いることによって、フルカラーを表示する装置である。この場合、液晶駆動手段は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する。また、光源制御手段は、3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、画素における液晶が階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色を切り替える。これにより、液晶表示部の駆動周波数を大きく増大させることなく(つまり液晶表示部の電圧保持期間を減少させることなく)、光源の切り替え周波数を高めることができる。即ち、光源の発光期間を制限することなく、光原色の切り替え周期を効果的に短縮することができる。したがって、上記の電気光学装置によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0010】
上記の電気光学装置において好適には、前記液晶駆動手段は、前記液晶が階調を構成するために当該液晶に対して印加する前記オン電圧又は前記オフ電圧から成るパターンを、前記光源色の各色において概ね同一に設定する。これにより、表示される画像に生じる破綻を効果的に抑制することができる。
【0011】
上記の電気光学装置の一態様では、前記光源制御手段は、入力される画像信号に基づいて、前記光源色の切り替え周期を変化させる。好適には、前記光源制御手段は、前記画像信号から各色ごとの平均階調値を求め、前記平均階調値に応じて前記光源色の切り替え周期を変化させる。つまり、画像における色みの偏りに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させることができる。これにより、液晶が応答しないことに起因する表示劣化を効果的に抑制しつつ、色割れの発生を抑制することが可能となる。
【0012】
上記の電気光学装置の他の一態様では、前記液晶制御手段は、前記液晶表示部の全ての走査線に対して、概ね同一のタイミングで一斉に信号を供給する。これにより、液晶表示部の書き込み時間に応じた光源による照射を実行することが可能となる。したがって、画面のむら等を効果的に抑制することができ、表示品位を向上させることが可能となる。
【0013】
上記の電気光学装置は、各種の電子機器に好適に適用することができる。
【0014】
本発明の他の観点では、少なくとも異なる3色の光源色を時間的に切り替えることによって、色を表示する電気光学装置の駆動方法は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する液晶駆動工程と、前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御工程と、を備える。上記の電気光学装置の駆動方法によっても、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る電気光学装置を適用した液晶プロジェクタの概略構成を示すブロック図である。
【図2】液晶プロジェクタの駆動回路の概略構成を示すブロック図である。
【図3】走査線駆動回路、データ線駆動回路、及び液晶パネルの概略構成を示す図である。
【図4】画素の概略構成を示す図である。
【図5】本実施形態に係る走査線の走査方法を説明するための図である。
【図6】本実施形態で用いる垂直走査信号及びスタートパルスを示す図である。
【図7】本実施形態で用いる各制御信号のタイミングチャートを示す。
【図8】液晶におけるチャージ電圧及び透過率の変化の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【図10】第1比較例に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【図11】面書き込みの一例を示す図である。
【図12】第2実施形態に係る駆動回路の概略構成を示すブロック図である。
【図13】第2実施形態に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【図14】第2比較例に係る光源制御方法を具体的に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0017】
[装置構成]
図1は、本実施形態に係る電気光学装置を適用した、液晶プロジェクタ1000の概略構成を示すブロック図である。液晶プロジェクタ1000は、赤色の光源201R(以下、「R光源」と呼ぶ。)と、緑色の光源201G(以下、「G光源」と呼ぶ。)と、青色の光源201B(以下、「B光源」と呼ぶ。)と、リレーレンズ202R、202G、202Bと、クロスプリズム203と、液晶パネル14と、投写光学系204と、を有する。
【0018】
液晶プロジェクタ1000は、液晶ライトバルブとして機能する液晶パネル14を1つ用いた、単板式の投射型液晶装置として構成される。また、液晶プロジェクタ1000は、時間的に光源色を切り替えて画像を表示する色順次駆動方式を用いることによって、フルカラーを表示する。
【0019】
R光源201Rは赤色光を発光する固体光源であり、G光源201Gは緑色光を発光する固体光源であり、B光源201Bは青色光を発光する固体光源である。R光源201R、G光源201G、及びB光源201Bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)などによって構成される。R光源201R、G光源201G、及びB光源201B(以下、これらを区別しないで用いる場合には、単に「光源」と呼ぶ。)によって発光された光は、それぞれリレーレンズ202R、202G、202Bを介してクロスプリズム203に入射される。クロスプリズム203は、リレーレンズ202R、202G、202Bを介して入射された赤色光、緑色光、及び青色光のそれぞれを反射させることによって、これらを液晶パネル14に入射させる。
【0020】
液晶パネル14は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものである。液晶パネル14は、いわゆる液晶ライトバルブとして機能し、供給された画像信号に応じて入射光を変調する。液晶パネル14によって変調された光は投写光学系204によって拡大投写され、スクリーンSC上で大画面画像を形成する。なお、液晶パネル14の詳細については、後述する。
【0021】
次に、図2を参照して、前述した液晶プロジェクタ1000の光源及び液晶パネル14を駆動する駆動回路について説明する。図2は、液晶プロジェクタ1000の駆動回路100の概略構成を示すブロック図である。
【0022】
駆動回路100は、主に、コントローラ10と、走査線駆動回路11と、データ線駆動回路12と、光源制御信号生成部210と、R光源制御部211Rと、G光源制御部211Gと、B光源制御部211Bと、を有する。駆動回路100は、液晶プロジェクタ1000に搭載され、液晶プロジェクタ1000が投射する画像を駆動制御する。
【0023】
コントローラ10は、クロック信号clkや画像信号Dなどを取得し、これらに基づいて、スタートパルスDY、走査側転送クロックCLY、データ転送クロックCLX、及びデータ信号Dsなどを生成して、走査線駆動回路11及びデータ線駆動回路12に供給する。走査線駆動回路11は、液晶パネル14に対して走査信号Gnを供給する(詳しくは、n本の走査線に対して「G1、G2、G3、…、Gn」を供給する)。また、データ線駆動回路12は、液晶パネル14に対してデータ信号dmを供給する(詳しくは、m本のデータ線に対して「d1、d2、d3、…、dm」を供給する)。
【0024】
また、コントローラ10は、光源制御信号生成部210に対してスタートパルスDYを供給する。光源制御信号生成部210は、スタートパルスDYを基準として、光源の切り替え周期などを規定する光源制御信号を生成する。R光源制御部211R、G光源制御部211G、及びB光源制御部211Bは、それぞれ、光源制御信号生成部210から光源制御信号を取得し、この信号に基づいてR光源201R、G光源201G、及びB光源201Bを駆動する。
【0025】
なお、コントローラ10や光源制御信号生成部210などによって構成される駆動回路100は、本発明における電気光学装置として機能する。具体的には、駆動回路100は、液晶駆動手段及び光源制御手段として動作する。
【0026】
次に、図3を参照して、前述した走査線駆動回路11、データ線駆動回路12、及び液晶パネル14の構成について具体的に説明する。
【0027】
コントローラ10は、クロック信号clkと、垂直走査信号VSと、水平走査信号HSと、画像信号Dと、を外部から取得する。そして、コントローラ10は、これらの取得した信号に基づいて、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、データ転送クロックCLXと、2値のデータ信号Dsと、を生成する。スタートパルスDYは、走査側(Y側)に対する走査の開始タイミングで出力されるパルス信号である。走査側転送クロックCLYは、走査側(Y側)の水平走査を規定する信号である。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路12へデータを転送するタイミングを規定する信号である。データ信号Dsは、画像信号Dに対応するデータであり、各サブフィールド期間毎に画素14cをオン状態又はオフ状態にするためのハイレベル又はローレベルを示すデータである。なお、コントローラ10、走査線駆動回路11、及びデータ線駆動回路12には、その他にも各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係の無いものについては説明を省略する。
【0028】
走査線駆動回路11は、コントローラ10から、スタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得し、液晶パネル14の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。具体的には、走査線駆動回路11は、コントローラ10から供給されるスタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って転送し、走査線14aの各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gnとして順次排他的に供給するものである。
【0029】
データ線駆動回路12は、コントローラ10から、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsとを取得し、液晶パネル14のデータ線14bに対してデータ信号d1、d2、d3、…、dmを出力する。具体的には、データ線駆動回路12は、ある水平走査期間において2値信号Dsをデータ線14bの本数に相当するm個順次ラッチした後、ラッチしたm個の2値信号Dsを、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線14bにデータ信号d1、d2、d3、…、dmとして一斉に供給するものである。
【0030】
液晶パネル14は、前述したように、液晶(LCD)によって構成され、電圧が印加されることによって画像信号などを表示する液晶表示部である。具体的には、液晶パネル14は、走査線14aと、データ線14bと、画素14cとを備える。詳しくは、液晶パネル14には、n本の走査線14aが、図3においてX(行)方向に延在して形成され、m本のデータ線14bがY(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素14cは、走査線14aとデータ線14bとの各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列されている。
【0031】
ここで、図4を参照して、画素14cの具体的な構成について説明する。画素14cは、主に、トランジスタ14dと、蓄積容量14eと、画素電極14fと、液晶14gと、対向電極14hと、を有する。
【0032】
図4に示す構成では、スイッチング素子としてのトランジスタ14dのゲートが走査線14aに、ソースがデータ線14bに、ドレインが画素電極14fに、それぞれ接続される。そして、画素電極14fと対向電極14hとの間に、電気光学材料たる液晶14gが挟持されて液晶層が形成されている。ここで、対向電極14hは、実際には画素電極14fと対向するように対向基板の全面に形成される透明電極である。また、対向電極14hには対向電極電圧Vcomが印加されるようなっている。更に、画素電極14fと対向電極14hとの間においては蓄積容量14eが形成されて、液晶層を挟む電極と共に電荷を蓄積する。なお、図4中の電圧Vlcは、画素14cにチャージされる電圧(以下、「チャージ電圧Vlc」と呼ぶ。)に相当する。
【0033】
各走査線14aには前述した走査線駆動回路11から夫々走査信号G1、G2、…、Gn(以下では、これらをまとめて単に「Gn」とも表記する。)が供給される。各走査信号によって、各ラインの画素を構成するトランジスタ14dが導通状態となり、これにより、前述したデータ線駆動回路12から各データ線14bに供給されたデータ信号d1、d2、…、dm(以下では、これらをまとめて単に「dm」とも表記する。)が供給されることとなる。そして、書き込まれた画素電極14fと対向電極14hとの電位差に応じて液晶14gの分子集合の配向状態が変化して、光の変調が行われ、階調表示がなされる。
【0034】
[液晶パネルの駆動方法]
次に、図5乃至図8を参照して、本実施形態に係る液晶パネル14の駆動方法について説明する。本実施形態では、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールド駆動方式に基づいて、画像を表示する。つまり、1サブフィールド期間内で全画素を順次、オン若しくはオフに相当する2値の電圧のどちらかで書込み、これを1フィールドを構成する全てのサブフィールドにおいて繰り返して実行することで、1フィールド期間の明るさを決定する。
【0035】
なお、ここでは、液晶パネル14における表示モードはノーマリーホワイトであり、画素に電圧が加わった状態で黒表示(オン状態)、電圧が加わらない状態で白表示(オフ状態)を行うものとして説明する。また、1フィールドを32サブフィールドに分割した場合を一例として説明する。
【0036】
図5は、本実施形態に係る走査線14aの走査方法を説明するための図である。図5(a)は、1フィールドと、それを構成する32サブフィールドとを示しており、図5(b)は、サブフィールドSF1において走査される走査線14a、及び走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図5(b)に示すように、1サブフィールドにおいて、全ての走査線14aに対する走査が実行される。
【0037】
図6は、本実施形態で用いる垂直走査信号VS及びスタートパルスDYを示す図である。図6(a)は垂直走査信号VSを示しており、図6(b)はスタートパルスDYを示している。図6(b)に示すように、コントローラ10は、1垂直期間(1フィールド期間)において、32発のスタートパルスDYを発生する。
【0038】
次に、図7は、本実施形態で用いる各制御信号のタイミングチャートを示す。図7(a)はスタートパルスDYを示し、図7(b)は走査側転送クロックCLYを示し、図7(c)は走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図7(c)に示すように、走査側転送クロックCLYに同期して、走査線14aの各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gnとして順次排他的に出力される。
【0039】
図8は、図7に示すような駆動を行った場合のチャージ電圧Vlc及び透過率LCを示している。なお、ここでは、データ信号dmの電圧が「12V」であり、対向電極電圧Vcomが「7V」である場合を一例として説明する。
【0040】
図8(a)は1サブフィールドにおける走査信号Gnを示し、図8(b)は1つの画素14cのチャージ電圧Vlcを示し、図8(c)は液晶14gの透過率LCを示している。この場合、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージし(図8(b)参照)、液晶14gは12Vの印加電圧に相当する応答をする(図8(c)参照)。具体的には、1サブフィールドの終了時に透過率が0%まで落ちる。この場合、図8(c)中の面積M1(電圧積分値)に相当するだけ暗くなる。
【0041】
[光源制御方法]
以下では、本発明の実施形態に係る光源制御方法について、具体的に説明する。
【0042】
(第1実施形態)
第1実施形態では、画素14cの液晶14gが階調を構成する周期よりも、光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色の切り替えを制御する。つまり、第1実施形態では、同色の光源色を用いるサブフィールドを連続させるのではなく、時間的に階調が形成される前に、異なる光源色のサブフィールドに切り替える。こうすることは、液晶パネル14の駆動をなるべく抑えつつ、光源を適切なタイミングで発光させることによって、階調を形成することに相当する。これにより、色順次駆動に起因する色割れの発生を抑制し、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0043】
なお、このような光源色の切り替え制御は、主に、前述した駆動回路100内の光源制御信号生成部210によって実行される。具体的には、光源制御信号生成部210は、コントローラ10から供給されるスタートパルスDYを基準として、光源を切り替える周期などを規定する光源制御信号を生成する。
【0044】
ここで、図9を参照して、第1実施形態に係る光源制御方法について具体的に説明する。なお、図9は、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧(上記したチャージ電圧Vlcに相当する)を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線(図9中において縦方向に複数描かれた破線)はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。つまり、破線の間隔は、1サブフィールド期間に相当する。更に、図9では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光をそれぞれ表現している。
【0045】
第1実施形態では、図9中の実線及び破線で示すように、時間的に階調が形成される前に(図9では概ね1フィールド期間に相当する)、次々と光源色の色を切り替える。言い換えると、第1実施形態では、同色の光源色を用いるサブフィールドをしばらく連続させるのではなく、時間的に階調が形成される前に、異なる光源色を用いるサブフィールドに切り替える。具体的には、この例においては、光源制御信号生成部210は、概ねスタートパルスDY2回毎に(つまり2サブフィールド毎に)、光源色を切り替える。即ち、光源制御信号生成部210は、概ねスタートパルスDY2回毎に、R光源201R、G光源201G、及びB光源201Bの点灯と消灯とを順に切り替える。このような光源色の切り替え周期は、液晶14gが階調を構成する周期(概ね1フィールド期間)よりも短い。
【0046】
なお、2サブフィールド毎に光源色を切り替えることに限定はされない。つまり、液晶14gが時間的に階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなれば、2サブフィールド毎に光源色を切り替えることに限定はされない。
【0047】
次に、図10を参照して、比較例(以下、「第1比較例」と呼ぶ。)に係る光源制御方法について説明する。図10も、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。更に、図10では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光を表現している。なお、図10に示す例と、前述した図9に示す例とでは、駆動回路100に入力される画像信号Dは概ね同一であるものとする。よって、図9に示した液晶パネル14の応答波形を光源色の色ごとにまとめて並び替えた波形は、図10に示す光源色の色ごとの応答波形に概ね一致する。
【0048】
第1比較例では、図10のハッチング領域に示すように、1フィールドの「1/3」程度に相当する周期で、光源色の色を切り替えている。つまり、第1比較例では、画素14cの液晶14gが階調を構成する周期などを考慮せずに、予め定められた周期で光源色を切り替えている。よって、第1比較例では、同色の光源色を用いるサブフィールドがしばらく連続することとなる。具体的には、2サブフィールド以上の期間連続して、同色の光源色を用いている。
【0049】
ここで、第1実施形態に係る光源制御方法と、第1比較例に係る光源制御方法とを比較する。第1実施形態では、第1比較例と異なり、予め定められた周期で光源色を切り替えるのではなく、時間的に階調が形成される前に光源色を切り替えている。つまり、第1実施形態に係る光源制御方法は、液晶パネル14の駆動をなるべく抑えつつ、光源を適切なタイミングで発光させることによって、階調を形成している。したがって、第1実施形態によれば、液晶パネル14の駆動周波数を大きく増大させることなく(つまり液晶パネル14の電圧保持期間を減少させることなく)、光源の切り替え周波数を高めることができる。即ち、光源の発光期間を制限することなく、光原色の切り替え周期を効果的に短縮することができる。したがって、第1実施形態に係る光源制御方法によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0050】
なお、1サブフィールドにおいて用いる、液晶14gが階調を構成するために液晶14gに対して印加するオン電圧又はオフ電圧から成るパターン(以下、「パルスコード」とも呼ぶ。)を、光源色の各色において概ね同一に設定することが好ましい。つまり、液晶応答を考慮して、各色における色成分のパルスコードは類似した形状のものを用いることが好ましい。こうするのは、表示される画像に生じる破綻を、効果的に抑制するためである。
【0051】
また、スタートパルスDYが発生してから液晶14gが応答するまでの時間を考慮して、光源の切り替えタイミングを設定することが好ましい。こうすることにより、R光源201R、G光源201G、及びB光源201Bは交互に点灯と消灯とを繰り返すこととなる。
【0052】
更に、液晶パネル14の全ての走査線14aに対して、概ね同一のタイミングで走査信号Gnを供給することが好ましい。即ち、全ての走査線14aに対して一斉に走査信号Gnを供給することが好ましい。つまり、液晶パネル14に対して、いわゆる面書き込みを実行することが好ましい。こうするのは、液晶パネル14の書き込み時間に応じた光源による照射を実行するためである。
【0053】
図11は、上記した面書き込みの一例を示す図である。図11(a)はスタートパルスDYを示し、図11(b)は面書き込みを行う場合の走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図11(b)に示すように、スタートパルスDYのタイミングで、走査信号G1、G2、G3、…、Gnが一斉に出力されていることがわかる。このような面書き込みを実行することにより、液晶パネル14の書き込み時間に応じた光源による照射を実行することが可能となる。これにより、画面のむら等を効果的に抑制することができ、表示品位を向上させることが可能となる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る光源制御方法について説明する。第2実施形態でも、前述した第1実施形態と同様に、液晶14gが階調を構成する周期よりも光源色の切り替え周期の方が短くなるように、光源色の切り替えを制御する。しかしながら、第2実施形態では、入力される画像信号Dに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させる点で、第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態では、画像信号Dから各色ごとの平均階調値を求め、この平均階調値に応じて光源色の切り替え周期を変化させる。つまり、第2実施形態では、画像における色みの偏りに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させる。こうすることにより、液晶14gが応答しないことに起因する表示劣化を効果的に抑制しつつ、色割れの発生を抑制することが可能となる。
【0055】
図12は、第2実施形態に係る光源制御を実行する、駆動回路100aの概略構成を示すブロック図である。駆動回路100aは、主に、コントローラ10と、走査線駆動回路11と、データ線駆動回路12と、光源制御信号生成部210aと、R光源制御部211Rと、G光源制御部211Gと、B光源制御部211Bと、平均階調値演算部215と、を有する。駆動回路100aは、前述した液晶プロジェクタ1000などに搭載され、液晶プロジェクタ1000を制御する。なお、ここでは、前述した駆動回路100(図2参照)における同一の構成要素及び信号に対しては同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0056】
平均階調値演算部215は、コントローラ10の前段に配置され、入力される画像信号Dを解析する。具体的には、平均階調値演算部215は、入力された画像信号Dから、画面内の全画素について各色ごと(R、G、Bごと)の平均階調値を求める。そして、平均階調値演算部215は、求めた平均階調値に対応する信号APLを光源制御信号生成部210aに出力する。なお、コントローラ10には、画像信号Dそのものが入力されるものとする。
【0057】
光源制御信号生成部210aは、平均階調値演算部215から供給される信号APL、及びコントローラ10から供給されるスタートパルスDYに基づいて、光源の切り替え周期などを規定する光源制御信号を生成する。具体的には、光源制御信号生成部210aは、平均階調値に対応する信号APLに基づいて、光源色の切り替え周期を変化させる、つまり光源色の切り替え速度を変化させる。詳しくは、光源制御信号生成部210aは、平均階調値における偏り(画像における色みの偏り)を判別し、これに基づいて切り替え周期を変化させる。
【0058】
より詳しくは、光源制御信号生成部210aは、平均階調値の偏りが各色において大きいと判別される場合、映像適応的に光源色の切り替え周期を変動させる。例えば、光源制御信号生成部210aは、平均階調値の偏りが大きい場合、光源色の切り替え周期を長くする。こうするのは、平均階調値に偏りがある場合には、各色成分のサブフィールドを切り替える際の変動量が大きくなり、液晶14gが応答しきらない可能性があるからである。これに対して、平均階調値の偏りが小さいと判別される場合には、光源制御信号生成部210aは、光源色の切り替え周期を短くする。つまり、光源色を比較的高速に切り替える。
【0059】
次に、図13を参照して、第2実施形態に係る光源制御方法について説明する。なお、図13は、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧(上記したチャージ電圧Vlcに相当する)を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。更に、図13では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光をそれぞれ表現している。
【0060】
図13に示す例では、駆動回路100aに入力される画像信号Dは、青(B)についての情報がほとんどないものとする。つまり、ほとんど青みのない画像(黄色が強い画像)が入力されたものとする。この場合には、平均階調値演算部215によって求められる平均階調値(信号APL)に偏りが発生することとなる。したがって、光源制御信号生成部210aは、平均階調値の偏りが各色において大きいと判別して、映像適応的に光源色の切り替え周期を変動させる。具体的には、図13のハッチング領域で示すように、光源制御信号生成部210aは光源色を切り替える。
【0061】
この場合、光源制御信号生成部210aは、図13中の実線で示すように、画素14cの液晶14gが概ね階調を構成する期間T1aにおいて、赤色光及び緑色光の2色の間で切り替えを実行する。つまり、光源制御信号生成部210aは、時間的に階調が形成される前に、赤色光及び緑色光の2色の切り替えを繰り返し行う。このように赤色光及び緑色光の2色の間で切り替えを実行するのは、入力された画像信号Dには青(B)についての情報がほとんどないからである。より詳しくは、光源制御信号生成部210aは、赤色光及び緑色光に対して、概ねスタートパルスDY3回分の周期(つまり3サブフィールド分に相当する周期)で切り替えを行う。これに対して、画素14cの液晶14gが階調を構成した後の期間T1bにおいては、光源制御信号生成部210aは、光源色を青色光に維持し続ける(即ち、青色光に関しては、1フィールドにおいて、一旦青色光に切り替わった後に他の色への切り替えを実行しない)。なお、画像信号Dには青(B)についての情報がほとんどないため、青色光を用いる期間T1bでは液晶パネル14を駆動させていない。
【0062】
なお、図13中の期間T1aにおいて、赤色光及び緑色光の2色のみを切り替えることに限定はされない。液晶14gが階調を構成する期間T1aにおいて、赤色光及び緑色光だけでなく青色光も用いて、光源色の切り替えを行っても良い。
【0063】
ここで、図14を参照して、比較例(以下、「第2比較例」と呼ぶ。)に係る光源制御方法について説明する。図14も、横軸に時間を示し、縦軸に液晶14gの電圧を示している。また、実線は液晶パネル14の応答波形の一例を示し、破線はスタートパルスDYの発生タイミングを示している。更に、図14では、ハッチングした領域によって光源色の色を示し、ハッチングの濃さの違いによって赤色光、緑色光、及び青色光を表現している。なお、図14に示す例と、前述した図13に示す例とでは、駆動回路100aに入力される画像信号Dは概ね同一であるものとする。つまり、青(B)についての情報がほとんどない、青みのない画像(黄色が強い画像)が入力されたものとする。
【0064】
第2比較例では、図14のハッチング領域に示すように、1フィールドの「1/3」程度に相当する周期で、光源色の色を切り替えている。つまり、第2比較例では、画素14cの液晶14gが階調を構成する周期などを考慮せずに、予め定められた周期で光源色を切り替えている。よって、第2比較例では、同色の光源色を用いるサブフィールドがしばらく連続することとなる。具体的には、3サブフィールド以上の期間連続して、同色の光源色を用いている。
【0065】
ここで、第2実施形態に係る光源制御方法と、第2比較例に係る光源制御方法とを比較する。第2実施形態では、第2比較例と異なり、予め定められた周期で光源色を切り替えるのではなく、時間的に階調が形成される前に光源色を切り替えている。つまり、第2実施形態に係る光源制御方法は、液晶14gの駆動をなるべく抑えつつ、光源を適切なタイミングで発光させることによって、階調を形成している。したがって、第2実施形態によれば、液晶パネル14の駆動周波数を大きく増大させることなく(つまり液晶パネル14の電圧保持期間を減少させることなく)、光源の切り替え周波数を高めることができる。よって、光源の発光期間を制限することなく、光原色の切り替え周期を効果的に短縮することができる。
【0066】
また、第2実施形態に係る光源制御方法では、第2比較例と異なり、画像信号Dの平均階調値の偏りに応じて、光源色の切り替え周期を変化させている。したがって、第2実施形態によれば、液晶14gが応答しないことに起因する表示劣化を効果的に抑制できる。以上より、第2実施形態によれば、色順次駆動による色割れを抑制し、明るさを落とすことなく、良好な発色及び階調特性を実現することが可能となる。
【0067】
なお、上記のように平均階調値に基づいて光源の切り替えタイミングを変化させる場合、切り替えタイミングを変化すると同時に、液晶パネル14を駆動するパルスコードも変化させることが好ましい。
【0068】
また、平均階調値の偏りを判別する場合、階調データをヒストグラムに取り、この度数分布の相関を考慮に入れることが好ましい。こうすることによって、画像における色みの偏りを、精度良く判別することができる。
【0069】
[変形例]
本発明は、液晶パネル14に対する走査に合わせて、照明側も走査(スキャニング)可能に構成された電子機器(プロジェクタなど)にも適用することができる。例えば、この電子機器は、回転可能なプリズムなどを液晶パネルの前方に配置して構成され、各光源から照射された光をプリズムに入射させると共に、プリズムを回転させることによって、液晶パネル14において光が照射される位置を変えることができる。
【0070】
また、上記では、本発明を液晶プロジェクタ1000に適用した実施形態を示したが、これに限定はされない。つまり、他の電子機器に対しても、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 コントローラ、 11 走査線駆動回路、 12 データ線駆動回路、 14 液晶パネル、 14a 走査線、 14b データ線、 14c 画素、 100 駆動回路、 201R R光源、 201G G光源、 201B B光源、 210 光源制御信号生成部、 215 平均階調値演算部、 1000 液晶プロジェクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれで異なる色を発光する3つの光源と1つの液晶表示部とを有し、前記3つの光源における3色の光源色を時間的に切り替えることによって色を表示する電気光学装置であって、
1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて前記液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加することによって、前記液晶表示部を駆動する液晶駆動手段と、
前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御手段と、を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記液晶駆動手段は、前記液晶が階調を構成するために当該液晶に対して印加する前記オン電圧又は前記オフ電圧から成るパターンを、前記光源色の各色において概ね同一に設定することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記光源制御手段は、入力される画像信号に基づいて、前記光源色の切り替え周期を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記光源制御手段は、前記画像信号から各色ごとの平均階調値を求め、前記平均階調値に応じて前記光源色の切り替え周期を変化させることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記液晶制御手段は、前記液晶表示部の全ての走査線に対して、概ね同一のタイミングで一斉に信号を供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
少なくとも異なる3色の光源色を時間的に切り替えることによって、色を表示する電気光学装置の駆動方法であって、
1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する液晶駆動工程と、
前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御工程と、を備えることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【請求項1】
それぞれで異なる色を発光する3つの光源と1つの液晶表示部とを有し、前記3つの光源における3色の光源色を時間的に切り替えることによって色を表示する電気光学装置であって、
1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて前記液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加することによって、前記液晶表示部を駆動する液晶駆動手段と、
前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御手段と、を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記液晶駆動手段は、前記液晶が階調を構成するために当該液晶に対して印加する前記オン電圧又は前記オフ電圧から成るパターンを、前記光源色の各色において概ね同一に設定することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記光源制御手段は、入力される画像信号に基づいて、前記光源色の切り替え周期を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記光源制御手段は、前記画像信号から各色ごとの平均階調値を求め、前記平均階調値に応じて前記光源色の切り替え周期を変化させることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記液晶制御手段は、前記液晶表示部の全ての走査線に対して、概ね同一のタイミングで一斉に信号を供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
少なくとも異なる3色の光源色を時間的に切り替えることによって、色を表示する電気光学装置の駆動方法であって、
1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して、各サブフィールドにおいて液晶表示部を構成する各画素に対して階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加する液晶駆動工程と、
前記3色の光源色のうち少なくとも2色の光源色に対して、前記画素における液晶が階調を構成する周期よりも前記光源色の切り替え周期の方が短くなるように、前記光源色の切り替えを制御する光源制御工程と、を備えることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図9】
【図10】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−170141(P2010−170141A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40029(P2010−40029)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【分割の表示】特願2007−130318(P2007−130318)の分割
【原出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【分割の表示】特願2007−130318(P2007−130318)の分割
【原出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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