説明

電気光学装置、及び電子機器、電気光学装置の製造方法

【課題】位置精度良く低コストかつ容易に基板にカバーガラスが貼り合わされることにより表示不良及び製品不良を防止した電気光学装置を提供する。
【解決手段】TFT基板11と対向基板12との間に液晶50を挟持してなる電気光学装置であって、TFT基板11と対向基板12との少なくとも一方の基板表面に、熱硬化型の第1の接着剤30によってカバーガラス31,32が貼り合わされており、前記カバーガラス31,32の1辺31i,32iとTFT基板11と対向基板12との少なくとも一方の基板とが当接する領域の一部に仮固定部が設けられ、該仮固定部に、発熱体70が含有された熱硬化型の第2の接着剤60が塗布されてTFT基板11と対向基板12との少なくとも一方の基板とカバーガラス31,32の1辺31i,32iとが固定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に塵埃が付着するのを防止するカバーガラスが貼り合わされた電気光学装置、及び電子機器、電気光学装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、電気光学装置、例えば液晶装置は、ガラス基板、石英基板等からなる2枚の基板間に液晶を封入して構成されており、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等のスイッチング素子及び画素電極をマトリクス状に配置し、他方の基板に共通電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能としている。
【0003】
また、TFTを配置したTFT基板と、このTFT基板に相対して配置される対向基板とは、別々に製造される。TFT基板及び対向基板は、例えばガラス又は石英基板上に、所定のパターンを有する半導体薄膜、絶縁性薄膜又は導電性薄膜を積層することによって構成される。層毎に各種膜の成膜工程とフォトリソグラフィ工程を繰り返すことによって、形成されるのである。
【0004】
このようにして形成されたTFT基板及び対向基板は、パネル組立工程において高精度に貼り合わされる。このパネル組立工程は、先ず、各基板の製造工程において夫々製造されたTFT基板と対向基板との液晶層と接する面上に、液晶分子を基板面に沿って配向させるための配向膜を形成し、該配向膜に、電圧無印加時の液晶分子の配列を決定させるためのラビング処理を施す。
【0005】
次いで、一方の基板上の周縁に接着剤となるシール材を設け、このシール材を用いてTFT基板と対向基板を貼り合わせ、アライメントを施しながら圧着硬化させ、その後シール材の一部に設けられた切り欠きを介して液晶を封入するといった手法が用いられている。このようにして液晶パネルは製造される。
【0006】
その後、液晶パネルのTFT基板及び対向基板の対向面の裏面となる各々の外表面に、TFT基板及び対向基板に塵埃が付着するのを防止する防塵用の基板(以下、カバーガラスと称す)が、ゲル状の接着剤を介してそれぞれ貼り合わされる。
【0007】
詳しくは、先ず、例えばTFT基板及び対向基板の略中央に、貼り合わされたカバーガラスとTFT基板または対向基板との間から溢れ出さない量の接着剤が、滴下装置または作業者によりそれぞれ塗布される。その後、2枚のカバーガラスが、アライメントが施されながら、TFT基板及び対向基板にそれぞれ貼り合わされる。
【0008】
次いで、2枚のカバーガラスが貼り合わされたTFT基板及び対向基板からなる液晶パネルが、熱硬化型接着剤を介してフレーム状の仮固定治具内に挿入され、仮固定治具が高温下で熱され接着剤が硬化されることにより仮固定治具内に固定される。このとき、仮固定治具の内径により、カバーガラスがTFT基板及び対向基板にそれぞれ位置決めされる。
【0009】
その後、液晶パネルが仮固定治具から外され、次いで熱硬化型接着剤を介して製品フレーム内に挿入され、さらに、高温下で製品フレームが熱され接着剤が硬化されることにより液晶パネルが製品フレーム内に固定される。
【0010】
尚、この際、製品フレームは熱により収縮し、該製品フレームの内径も熱により収縮するが、仮固定治具の内径が、熱収縮された製品フレームの内径よりも小さく形成されているため、液晶パネルを製品フレームに固定する前に仮固定治具に固定しておけば、製品フレームの熱収縮によって、カバーガラスにひずみが加わってしまい、TFT基板と対向基板とのセルギャップが変化して表示ムラが発生してしまうことを防ぐことができる。
【0011】
このように、TFT基板及び対向基板の各々の外表面に、カバーガラスが接着剤により貼り合わされ、仮固定治具でカバーガラスの基板に対する貼り合わせ位置が位置決めされた後、製品フレームに固定されることにより製造された液晶装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2000−227766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、液晶パネルの仮固定治具への固定、取り外し回数が増えると、固定の際に用いる熱硬化型接着剤が、洗浄等を行ったとしても、仮固定治具内に固着して残留してしまい、該残留した接着剤によりカバーガラスのTFT基板及び対向基板に対する貼り合わせ精度が落ちてしまうといった問題があった。
【0013】
よって、仮固定治具は、所定回数の使用後は、廃棄するか、残留した接着剤を除去するための特殊な洗浄を行わなければならず、ランニングコストが大きくなってしまうといった問題があった。
【0014】
このような問題に鑑み、仮固定治具及び熱硬化型接着剤を用いずに、TFT基板及び対向基板に対するカバーガラスのアライメントを機械的に行い、次いで、UV接着剤でカバーガラスをTFT基板及び対向基板の外表面にそれぞれ仮固定して位置決めし、その後熱硬化型接着剤を用いてカバーガラスをTFT基板及び対向基板に貼り合わせ固定する技術も知られている。
【0015】
しかしながら、仮固定用のUV接着剤を塗布する際に、その一部が貼り合わせ面に流れ込む場合がある。UV接着剤が貼り合わせ面に流れ込むと、それが、熱硬化型接着剤に混入してしまい、熱硬化型接着剤の接着能力が低下し、液晶パネルに、ギャップずれ、または屈折率、透過率等が異なることによる表示ムラ等が発生してしまう不都合がある。
【0016】
また、熱硬化型接着剤が、UV接着剤に混入すると、UV接着剤がUV照射で十分硬化せず、基板上におけるカバーガラスの位置がずれてしまうといった問題もある。さらに、UV照射光が、例えばTFT基板の配向膜等の有機系材料に照射されてしまうと、TFTの素子寿命が低下してしまう場合もあった。
【0017】
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、その目的は、位置精度良く低コストかつ容易に基板にカバーガラスが貼り合わされることにより表示不良及び製品不良を防止した電気光学装置、及び電子機器、電気光学装置の製造方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために本発明に係る電気光学装置は、第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置であって、前記第1基板と前記第2基板との少なくとも一方の基板表面に、熱硬化型の第1の接着剤によって第3基板が貼り合わされており、前記第3基板の外周の一部と前記少なくとも一方の基板とが当接する領域の一部に仮固定部が設けられ、該仮固定部に、近赤外光により発熱する物質が含有された熱硬化型の第2の接着剤が塗布されて前記少なくとも一方の基板と前記第3基板の外周の一部とが固定されていることを特徴とする。
【0019】
また、前記第1基板と前記第2基板とのうち一方の基板は、複数の画素と前記複数の画素に対応して各々設けられた複数のスイッチング素子とを有する素子基板であり、他方の基板は該素子基板にシール材を介して対向配置された対向基板であり、前記第3基板は防塵ガラスであることを特徴とする。
【0020】
本発明の電気光学装置によれば、仮固定部に、防塵ガラスの外周の一部と、素子基板と該素子基板に対向する基板との少なくとも一方の基板の表面とを接着し、防塵ガラスの前記少なくとも一方の基板表面上の位置を仮固定により位置決めする発熱体が含有された第2の接着剤が塗布されていることだけで、防塵ガラスが前記少なくとも一方の基板表面に、位置精度良く仮止めされ、その後貼り合わされていることから、前記少なくとも一方の基板に対する防塵ガラスの位置ずれに起因する表示ムラ等の製品不良が電気光学装置に発生することを容易に防止することができるという効果を有する。
【0021】
また、防塵ガラスが前記少なくとも一方の基板表面に、固定治具を用いることなく貼り合わされていることから、前記少なくとも一方の基板に対する防塵ガラスの位置ずれに起因する表示ムラ等の製品不良が電気光学装置に発生することを低コストで防止することができるという効果を有する。
【0022】
さらに、第2の接着剤は、発熱体を除いては、第1の接着剤と同一の熱硬化型接着剤により構成されていることにより、第2の接着剤が電気光学装置の表示エリアに流れ込むことに起因する電気光学装置に発生する表示ムラを防止することができるという効果を有する。
【0023】
また、前記第1基板は複数の画素と前記複数の画素に対応して各々設けられた複数のスイッチング素子とを有する素子基板であり、前記第2基板はマイクロレンズアレイが形成された対向基板であり、前記第3基板はカバーガラスであることを特徴とする。
【0024】
本発明の電気光学装置によれば、対向基板にマイクロレンズアレイが形成されていたとしても、対向基板に対するカバーガラスの位置ずれに起因する表示ムラ等の製品不良が電気光学装置に発生することを容易に防止することができるという効果を有する。
【0025】
さらに、前記第2の接着剤は、前記仮固定部に沿って、1または複数のスポット状、若しくは線状に塗布されていることを特徴とする。また、前記仮固定部は、前記少なくとも一方の基板の外周縁の1辺に沿って位置することを特徴とする。さらに、前記第2の接着剤は前記第1基板において前記複数の画素が形成された表示領域の外側に塗布されたことを特徴とする。
【0026】
本発明の電気光学装置によれば、カバーガラスが、素子基板と該素子基板に対向する基板のいずれか一方の基板表面に、位置精度良く確実に貼り合わされていることから、前記いずれか一方の基板に対するカバーガラスの位置ずれに起因する表示ムラ等の製品不良が電気光学装置に発生することを低コストで防止することができるという効果を有する。
【0027】
また、前記発熱体の粒径は、前記第1の接着剤の膜厚よりも大きいことを特徴とする。
【0028】
本発明の電気光学装置によれば、第2の接着剤の発熱体が電気光学装置の表示エリアに流れ込むことに起因する電気光学装置に発生する表示ムラを確実に防止することができるという効果を有する。
【0029】
本発明に係る電子機器は、請求項1〜7のいずれかの電気光学装置を用いて構成したことを特徴とする。
【0030】
本発明の電子機器によれば、素子基板と該素子基板に対向する基板とのいずれか一方の基板に対するカバーガラスの位置ずれに起因する表示ムラ等が発生することを低コストかつ容易に防止した電気光学装置を備えた電子機器を提供することができるという効果を有する。
【0031】
本発明に関わる電気光学装置の製造方法は、第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置の前記第1基板と前記第2基板との少なくとも一方の基板に、第3基板を熱硬化型の第1の接着剤を介して貼り合わす電気光学装置の製造方法において、前記少なくとも一方の基板の表面と前記第3基板の表面とのうち少なくとも一方に前記第1の接着剤を塗布した後、前記少なくとも一方の基板に対し、前記第3基板の1辺を当接させる工程と、前記少なくとも一方の基板に当接された前記第3基板の1辺の少なくとも一部と該第3基板の1辺に対応する前記少なくとも一方の基板の表面の間に設けられた仮固定部に沿って、前記第1の接着剤に近赤外線の照射で発熱する物質が含有された熱硬化型の第2の接着剤を塗布する工程と、前記第2の接着剤に近赤外線を照射して前記物質を発熱させ、前記第2の接着剤を仮硬化させ、前記第3基板を前記少なくとも一方の基板表面上で位置決めする工程と、前記第1の接着剤を熱硬化させることで前記第3基板と前記少なくとも一方の基板とを固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0032】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、第2の接着剤を塗布した後、該第2の接着剤を仮硬化させて素子基板と該素子基板に対向する基板とのいずれか一方の基板表面にカバーガラスを仮固定する工程を有することにより、その後の工程において、該仮固定により位置精度良く容易にカバーガラスをいずれか一方の基板に貼り合わせることができ、いずれか一方の基板表面にカバーガラスを位置精度良く本固定することができるという効果を有する。
【0033】
また、第2の接着剤は、近赤外線の照射により硬化することから、容易かつ低コストで、基板表面にカバーガラスを仮固定することができるという効果を有する。
【0034】
さらに、前記いずれか一方の基板表面にカバーガラスを貼り合わせ仮固定する際、固定治具を用いる必要がないため、低コストかつ容易に前記いずれか一方の基板表面にカバーガラスを貼り合わすことができるという効果を有する。
【0035】
また、前記第2の接着剤への近赤外線の照射は、マスキングを用いて照射エリアを制限して、または指向性光源を用いて行うことを特徴とする。
【0036】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、第2の接着剤を硬化させる際の基板への熱的ダメージを最小限にすることができ、素子基板と該素子基板に対向する基板とのいずれか一方の基板の損傷を防止することができるという効果を有する。
【0037】
さらに、前記第2の接着剤は前記第1の接着剤に前記近赤外線の照射で発熱する物質を含有させて形成することを特徴とする。
【0038】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、第2の接着剤は、発熱体を除いては、第1の接着剤と同一の熱硬化型接着剤により構成されていることにより、第2の接着剤が電気光学装置の表示エリアに流れ込むことに起因する電気光学装置に発生する表示ムラを防止することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照にして本発明の実施の形態を説明する。尚、本実施の形態においては、電気光学装置は、液晶表示装置を例に挙げて説明する。また、基板は、液晶装置に用いる一対の基板を例に挙げて説明する。さらに、液晶装置に用いる一対の基板の内、一方の基板は、第1基板である素子基板(以下、TFT基板と称す)を、また他方の基板は、TFT基板に対向する第2基板(以下、対向基板と称す)を例に挙げて説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施の形態を示す液晶装置の分解斜視図、図2は図1の液晶パネルの平面図、図3は、図2中のIII−III線に沿って切断した断面図、図4は、図3中のTFT基板及び対向基板に貼り合わされたカバーガラスの1辺に沿って接着剤が塗布されている状態を示す部分正面図、図5は、図4の接着剤が点で塗布された変形例を示す部分正面図、図6は、図4中のVI−VI線に沿う断面図である。
【0041】
図1に示すように、液晶装置1は、液晶パネル10と、製品フレーム40とにより主要部が構成されている。
液晶パネル10は、TFT基板11の対向面である内面とそれに対向して設けられる対向基板12の対向面である内面との間の内部空間に、電気光学材料である液晶50が封入されて構成されている。
【0042】
TFT基板11の対向面に、画素を構成する図示しない画素電極等がマトリクス状に配置されている。また、図2に示すように、対向基板12の対向面に、表示領域を区画する額縁としての遮光膜(BM)82が設けられている。遮光膜82は、例えば遮光性材料によって形成される。
【0043】
遮光膜82の外側の領域に、液晶50を封入するシール材14がTFT基板11と対向基板12との間に形成されている。シール材14は、例えば対向基板12の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板11と対向基板12とを相互に固着する。
【0044】
また、シール材14は、TFT基板11の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされたTFT基板11及び対向基板12の相互の間隙に、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成されている。液晶注入口78より液晶50が注入された後、液晶注入口78は、封止剤15により封止される。
【0045】
TFT基板11のシール材14の外側の領域に、データ線駆動回路18及びFPC16の一端が接続された実装用端子部19がTFT基板11の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路17が設けられている。尚、FPC16は、組立てられた液晶パネル10とプロジェクタ等の電子機器1100(図14参照)とを接続する。また、TFT基板11のシール材14の外側の領域に、画面表示領域の両側に設けられたデータ線駆動回路18間を接続するための複数の配線84が設けられている。
【0046】
また、図3に示すように、TFT基板11の対向面の裏面11rに、第3基板であるカバーガラス31が、例えば熱硬化型のゲル状の接着剤(以下、単に接着剤と称す)から構成された第1の接着剤30を介して貼り合わされている。また、対向基板12の対向面の裏面12rにも、第3基板であるカバーガラス32が第1の接着剤30を介して貼り合わされている。
【0047】
カバーガラス31,32は、TFT基板11及び対向基板12の裏面11r,12rの図示しない画面表示領域に塵埃等が付着するのを防止するものであり、少なくともTFT基板11及び対向基板12の画面表示領域を覆うよう、TFT基板11及び対向基板12よりも、例えば小さく形成されている。
【0048】
また、その結果、カバーガラス31,32の外表面に、塵埃等が付着することとなるが、液晶パネル10は、TFT基板11及び対向基板12に画像の焦点が合うようになっているため、塵埃等がカバーガラス31,32に付着しても、例えば液晶パネル10をプロジェクタに用いた場合、投写された画像にカバーガラス31,32に付着した塵埃等が写し出されてしまうことがない。
【0049】
さらに、図4に示すように、TFT基板11,対向基板12に貼り合わされたカバーガラス31,32の対向面31s,32sの1辺、例えば実装用端子部19の近傍の1辺31i,32iとの間に形成された仮固定部に沿って、第2の接着剤60が線状に塗布されている。
【0050】
第2の接着剤60は、カバーガラス31,32の1辺31i,32iとTFT基板11,対向基板12の裏面11r,12rの外周縁の1辺11g,12gの近傍とを仮固定し、カバーガラス11,12をTFT基板11,対向基板12の裏面11r,12rに位置決めしている。尚、第2の接着剤60は、カバーガラスの固定強度に応じて、例えば、図5に示すように、1または複数のスポット状に塗布してもよい。
【0051】
図6に示すように、第2の接着剤60は、熱硬化型接着剤から構成された第1の接着剤30に発熱体70が含有されて構成されている。よって、第2の接着剤60は、第1の接着剤30と同成分により構成されているため、第2の接着剤60が第1の接着剤30内に流入し、TFT基板11,対向基板12の表示領域まで流れ込んだとしても、硬化後の硬度低下など接着能力に影響を及ぼすことがない。従って、液晶パネル10に表示ムラ等の表示不良が発生することがない。
【0052】
発熱体70は、赤外線、具体的には、近赤外線(波長約800nm〜2500nm)の照射で発熱する粒径制御が可能な粒状の物質から構成されている。この発熱体70の粒径Dは、カバーガラス31,32を、第1の接着剤30を介してTFT基板11,対向基板12にそれぞれ貼り合わせた際の第1の接着剤30の膜厚dよりも大きく形成されている。よって、第2の接着剤60が第1の接着剤30と接触したとしても、発熱体70は、第1の接着剤30内に流入し、液晶パネル10の表示に悪影響を及ぼすことがない。
【0053】
図1に戻って、製品フレーム40は、液晶パネル10を収納するものであり、液晶パネル10が嵌入される開口である収納部41が形成されている。収納部41の内周面41nの下部に、周状の底面41bが形成されている。収納部41に液晶パネル10が嵌入された際、底面41bに、カバーガラス31の外表面の外周が当接され、液晶パネル10が収納部41において位置決めされる。また、収納部41の内周面41nに、後述する熱硬化型接着剤90(図13参照)を介して液晶パネル10が固定される。
【0054】
次にこのように構成された本実施の形態における液晶装置1の製造方法について上述した図1〜図6及び図7〜図13を用いて説明する。尚、カバーガラスの貼り合わせ工程以外の製造工程は、従来と同じであるため、説明を省略する。
【0055】
図7は、本実施の形態を示す液晶装置の製造方法を示したフローチャート、図8〜図12は、本実施の形態の液晶装置の製造方法を示す工程図である。尚、以下の説明においては、カバーガラスの貼り合わせ工程は、TFT基板11へのカバーガラス31の貼り合わせ工程を例に挙げて説明する。また、図8〜図12の図面上、液晶パネル10の対向基板12、シール材14、FPC16、データ線駆動回路18、実装用端子部19等は説明上省略する。
【0056】
図7に示すように、先ず、ステップS1において、液晶パネル10がセットされ、次いで、ステップS2において、図8に示すように、液晶パネル10のTFT基板11の裏面11rの略中央に、熱硬化型の第1の接着剤30が、規定量、即ちカバーガラス31とTFT基板11との対向領域から溢れ出ない量、滴下装置または作業者等により塗布される。
【0057】
次いで、ステップS3において、図9に示すように、第1の接着剤30が塗布されたTFT基板11の上方に、カバーガラス31が、例えばロボットにより配置される。その後、図10に示すように、TFT基板11の裏面11rであって外周縁の1辺11gの近傍に、カバーガラス31の外周の一部である1辺31iが、規定の角度を以て当接するよう、TFT基板11の裏面11rの領域の一部に対して、カバーガラス31が、例えばロボットにより機械的にアライメントされて押圧され貼り合わされる。尚、この際、カバーガラス31は、TFT基板11の画素表示領域を覆うよう貼り合わされる。
【0058】
その後、第1の接着剤30は、カバーガラス31の1辺31iから該1辺31iに対向する1辺方向に広がり、また、第1の接着剤30の粘性により厚さ方向に自然に膨張して、上述した図6に示すように、膜厚dを有するようになる。即ち、カバーガラス31の1辺31iをTFT基板11の裏面11rに当接させることにより、第1の接着剤30の膜厚dを規定することができる。その後、ステップS4に移行する。
【0059】
ステップS4では、図11に示すように、カバーガラス31の1辺31iとTFT基板11の1辺11gとの間の仮固定部に沿って、発熱体70を含有する第2の接着剤60が、例えばディスペンサを用いて線状にTFT基板11の外側の領域に塗布される。尚、第2の接着剤60は、カバーガラスの固定強度に応じて、例えば、図5に示すように、1または複数のスポット状に塗布されてもよい。
【0060】
また、この際、第2の接着剤60は、第1の接着剤30に接触するが、第2の接着剤60は、第1の接着剤30と同成分により構成されているため、第2の接着剤60が第1の接着剤30内に流入し、TFT基板11の表示領域まで流れ込んだとしても、液晶パネル10に表示ムラ等の表示不良が発生することがない。
【0061】
また、発熱体70の粒径Dは、カバーガラス31の1辺31iをTFT基板11の裏面11rに当接させることにより規定された第1の接着剤30の膜厚dよりも大きく形成されているため、発熱体70は、第1の接着剤30内に流入することがない。その後、ステップS5に移行する。
【0062】
ステップS5では、第2の接着剤60に、赤外光、具体的には、近赤外光が、例えば5〜10秒照射されることにより、第2の接着剤60に含有された発熱体70を発熱させ、第2の接着剤60を即座に仮硬化させる。尚、この際の第2の接着剤60の硬度は、高温下に移動させた後の本硬化の際の硬度に比べ、小さな硬度となっている。
【0063】
また、第2の接着剤60に対する近赤外光の照射は、マスキングを用いることにより照射エリアが第2の接着剤のみに制限されて、または指向性を有する近赤外線照射光源により行われる。よって、近赤外光により、TFT基板11に形成された、例えば配向膜等の有機材料が損傷してしまうことがない。
【0064】
このことにより、カバーガラス31の1辺31iとTFT基板11の裏面11rの外周縁の1辺11gの近傍とが、第2の接着剤60により仮固定され、カバーガラス11がTFT基板11の裏面11rに精度よく確実に位置決めされる。
【0065】
その後、第1の接着剤30内に異物が存在するか否かが検査される。尚、該検査は、第1の接着剤30が、1辺31iから該1辺31iに対向する1辺に広がる際、TFT基板11の表示領域を覆った後に行われる。
【0066】
第1の接着剤30内に異物があれば、カバーガラス31は、TFT基板11の裏面11rから剥がされる。この際、第2の接着剤60は、仮硬化状態のため、容易にカバーガラス31を、TFT基板11の裏面11rから剥がすことができる。その後、ステップS6に移行する。
【0067】
最後に、ステップS6では、TFT基板11にカバーガラス31が貼り合わされた液晶パネル10が、高温下において焼成されることにより、第1の接着剤30及び第2の接着剤が本硬化され、カバーガラス31がTFT基板11に精度よく確実に固定される。
【0068】
尚、この際、第2の接着剤60は、第1の接着剤30とは、同一の硬度で硬化されるため、第2の接着剤60と、第1の接着剤30との硬度が異なることにより、液晶パネル10に、ギャップずれ、屈折率、透過率等が異なることによる表示ムラ等が発生することがない。
【0069】
その後、対向基板12の裏面12rにも、カバーガラス32が貼り合わされる。尚、この工程は、TFT基板11の裏面11rに、カバーガラス31を貼り合わす工程と同一であるため、その説明は省略する。
【0070】
図13は、図1の製品フレームの収納部に液晶パネルを嵌入固定した状態を示す断面図である。同図に示すように、カバーガラス31,32がTFT基板11,対向基板12に貼り合わされた液晶パネル10は、製品フレーム40の収納部41に、カバーガラス31の外表面の周部が、収納部41の底面41bに当接するよう嵌入される。
【0071】
その後、液晶パネル10が、製品フレーム40の収納部41に収納された後、該収納部41に嵌入されたTFT基板11とカバーガラス31との長手方向の両側面と、収納部41の内周面41nとの間に、熱硬化型接着剤90が塗布される。
【0072】
その後、高温下において製品フレーム40が焼成されることにより、熱硬化型接着剤90が硬化され、液晶パネル10が、製品フレーム40内の収納部41に固定される。尚、この際、固定に用いる接着剤90に、UV硬化型接着剤を用いていないため、液晶パネル10がUV照射により、損傷することがない。このようにして、液晶装置1は、製造される。
【0073】
このように、製造された液晶装置1は、例えば電子機器である光投写型表示装置、具体的には、プロジェクタ1100等に用いられる。
図14に示すように、プロジェクタ1100に、液晶装置1は、各々RGB用のライトバルブとして、例えば3つ(1R,1G,1B)配設されている。
【0074】
プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投写光が発せされると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ1R,1G,1Bに各々導かれる。
【0075】
この際、特にB光は、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。
【0076】
そして、ライトバルブ1R,1G,1Bにより各々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投写レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投写される。
【0077】
このように、本発明の一実施の形態を示す液晶装置、及び該液晶装置の製造方法、電子機器においては、液晶装置1の液晶パネル10を構成するTFT基板11及び対向基板12に、カバーガラス31,32をそれぞれ貼り合わす際、該カバーガラス31,32に1辺31i,32iと該1辺31i,32iに対応する1辺11g,12gとの間に形成された仮固定部に沿って、カバーガラス31,32をTFT基板11、対向基板12の裏面11r,12rに仮固定し、それぞれ位置決めする第2の接着剤を塗布した。
【0078】
また、第2の接着剤は、カバーガラス31,32をTFT基板11、対向基板12にそれぞれ貼り合わす際に用いる第1の接着剤30に、近赤外光により発熱する発熱体70が含有されたものを用いた。
【0079】
このことにより、第2の接着剤60に含有された発熱体70に、近赤外線を照射させるだけで、該発熱体70の発熱に伴い、第2の接着剤60が即座に仮硬化するため、カバーガラス31,32をTFT基板11、対向基板12の裏面11r,12rにそれぞれ精度よく位置決めすることができる。
【0080】
よって、仮止めにより、カバーガラス31,32を、その後の工程においてTFT基板11、対向基板12の裏面11r,12rに位置精度良く貼り合わすことができることから、TFT基板11、対向基板12に対するカバーガラス31,32の位置ずれに起因する表示ムラ等の製品不良が液晶装置1に発生することを容易に防止することができる。
【0081】
また、カバーガラス31,32をTFT基板11、対向基板12の裏面11r,12rに、固定治具を用いることなく近赤外線を照射するのみで仮固定し、貼り合わすことができることから、TFT基板11、対向基板12に対するカバーガラス31,32の位置ずれに起因する表示ムラ等の製品不良が液晶装置1に発生することを低コストで防止することができる。
【0082】
さらに、第2の接着剤60は、第1の接着剤30と同一の接着剤により構成されていることにより、第2の接着剤60が液晶装置1の表示エリアの第1の接着剤30に流れ込むことに起因する液晶装置1に発生する表示ムラを防止することができる。
【0083】
また、第2の接着剤60と、第1の接着剤30とは、熱硬化後、同一の硬度を有するため、接着剤の硬度がことなることに起因する応力集中により発生する液晶パネル10のギャップずれ、または屈折率、透過率等が異なることによる表示ムラ等が液晶パネル10に発生してしまうことを防止することができる。
【0084】
さらに、第1の接着剤30及び第2の接着剤60の固定に、UV照射を行う必要がないため、該UV照射に伴う、液晶パネル10のTFT基板上に形成された配向膜等の有機物材料を損傷させてしまうことを防止することができる。
【0085】
また、液晶パネルを製品フレーム40の収納部41に嵌入、固定する際も、該固定に、UV照射を行う必要がないため、該UV照射により、液晶パネル10のTFT基板上または対向基板12を損傷させてしまうことを防止することができる。
【0086】
以下、変形例を示す。本実施の形態においては、第2の接着剤60は、TFT基板11,対向基板12に貼り合わされた仮固定部におけるカバーガラス31,32の1辺、例えば実装用端子部19の近傍の1辺31i,32iに塗布されていると示した。
【0087】
これに限らず、カバーガラス31,32の1辺であれば、カバーガラスの4辺のうち、どの1辺に塗布しても本実施の形態と同様の効果を得ることができるということは云うまでもない。
【0088】
また、カバーガラスは、TFT基板11、対向基板12の両方の内、いずれか一方の基板のみに貼り合わしても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
さらに、本実施の形態は、マイクロレンズが形成される電気光学装置に適用しても良い。
マイクロレンズが形成された電気光学装置は、光の出射面側に、マイクロレンズアレイとして複数の窪みが形成された対向基板12を有している。また、上述したように、対向基板12の出射面側である裏面12rに、第1の接着剤30及び第2の接着剤60を用いてカバーガラス32が貼り付けられて設けられている。このように、対向基板20にマイクロレンズを形成すると、第1の接着剤30の屈折率を、対向基板12の屈折率よりも高くすることで、入射光は、画素電極に集光される。
【0090】
この際、該カバーガラス32の1辺32iと該1辺32iに対応するTFT基板12の1辺12gとの間に形成された仮固定部に沿って、第2の接着剤を塗布しても、カバーガラス32を対向基板12の裏面12rに精度よく位置決めすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
さらに、電気光学装置は、液晶表示装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、エレクトロルミネッセンス装置、特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置等や、プラズマディスプレイ装置、FED(Field Emission Display)装置、SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)装置、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、薄型のブラウン管または液晶シャッター等を用いた小型テレビを用いた装置などの各種の電気光学装置に適用できる。
【0092】
また、本発明の電気光学装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上述した液晶表示装置は、TFT(薄膜トランジスタ)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールを例に挙げて説明したが、これに限らず、TFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールにも適用することができる。
【0093】
さらに、本発明に係る液晶表示装置が用いられる電子機器としては、光投写型表示装置である、プロジェクタ1100を例に挙げて示したが、これに限らず、他の光投写型表示装置や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器や携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機等、電気光学装置である液晶表示モジュールを用いる機器が挙げられる。したがって、これらの電子機器においても、本発明が適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施の形態を示す液晶装置の分解斜視図。
【図2】図1の液晶パネルの平面図。
【図3】図2中のIII−III線に沿って切断した断面図。
【図4】図3中のTFT基板及び対向基板に貼り合わされたカバーガラスの1辺に沿って接着剤が塗布されている状態を示す部分正面図。
【図5】図4の接着剤が点で塗布された変形例を示す部分正面図。
【図6】図4中のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】本実施形態を示す液晶装置の製造方法を示したフローチャート。
【図8】本実施の形態の液晶装置の製造方法を示す工程図の内、TFT基板への第1の接着剤塗布工程を示す断面図。
【図9】本実施の形態の液晶装置の製造方法を示す工程図の内、TFT基板へのカバーガラス当接工程を示す断面図。
【図10】本実施の形態の液晶装置の製造方法を示す工程図の内、TFT基板へのカバーガラス貼り合わせ工程を示す断面図。
【図11】本実施の形態の液晶装置の製造方法を示す工程図の内、カバーガラスへの第2の接着剤塗布工程を示す断面図。
【図12】本実施の形態の液晶装置の製造方法を示す工程図の内、カバーガラスがTFT基板に固定された後の状態を示す断面図。
【図13】図1の製品フレームの収納部に液晶パネルを嵌入固定した状態を示す断面図。
【図14】図1の液晶装置を用いた光投写型表示装置の構成の概略を示す図。
【符号の説明】
【0095】
1…液晶装置、10…液晶パネル、11…TFT基板、11r…TFT基板の裏面、12…対向基板、12r…対向基板の裏面、14…シール材、30…第1の接着剤、31…カバーガラス、31i…カバーガラスの1辺、32…カバーガラス、32i…カバーガラスの1辺、50…液晶、60…第2の接着剤、70…発熱体、1100…プロジェクタ、D…発熱体の粒径、d…第1の接着剤の膜厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置であって、
前記第1基板と前記第2基板との少なくとも一方の基板表面に、熱硬化型の第1の接着剤によって第3基板が貼り合わされており、
前記第3基板の外周の一部と前記少なくとも一方の基板とが当接する領域の一部に仮固定部が設けられ、該仮固定部に、近赤外光により発熱する物質が含有された熱硬化型の第2の接着剤が塗布されて前記少なくとも一方の基板と前記第3基板の外周の一部とが固定されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第1基板と前記第2基板とのうち一方の基板は、複数の画素と前記複数の画素に対応して各々設けられた複数のスイッチング素子とを有する素子基板であり、他方の基板は該素子基板にシール材を介して対向配置された対向基板であり、前記第3基板は防塵ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第1基板は複数の画素と前記複数の画素に対応して各々設けられた複数のスイッチング素子とを有する素子基板であり、前記第2基板はマイクロレンズアレイが形成された対向基板であり、前記第3基板はカバーガラスであることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第2の接着剤は、前記仮固定部に沿って、1または複数のスポット状、若しくは線状に塗布されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記仮固定部は、前記少なくとも一方の基板の外周縁の1辺に沿って位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第2の接着剤は前記第1基板において前記複数の画素が形成された表示領域の外側に塗布されたことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記発熱体の粒径は、前記第1の接着剤の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかの電気光学装置を用いて構成したことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置の前記第1基板と前記第2基板との少なくとも一方の基板に、第3基板を熱硬化型の第1の接着剤を介して貼り合わす電気光学装置の製造方法において、
前記少なくとも一方の基板の表面と前記第3基板の表面とのうち少なくとも一方に前記第1の接着剤を塗布した後、前記少なくとも一方の基板に対し、前記第3基板の1辺を当接させる工程と、
前記少なくとも一方の基板に当接された前記第3基板の1辺の少なくとも一部と該第3基板の1辺に対応する前記少なくとも一方の基板の表面の間に設けられた仮固定部に沿って、前記第1の接着剤に近赤外線の照射で発熱する物質が含有された熱硬化型の第2の接着剤を塗布する工程と、
前記第2の接着剤に近赤外線を照射して前記物質を発熱させ、前記第2の接着剤を仮硬化させ、前記第3基板を前記少なくとも一方の基板表面上で位置決めする工程と、
前記第1の接着剤を熱硬化させることで前記第3基板と前記少なくとも一方の基板とを固定する工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2の接着剤への近赤外線の照射は、マスキングを用いて照射エリアを制限して、または指向性光源を用いて行うことを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2の接着剤は前記第1の接着剤に前記近赤外線の照射で発熱する物質を含有させて形成することを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−78929(P2006−78929A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264926(P2004−264926)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】