説明

電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器

【課題】例えばマトリクス駆動方式の電気光学装置において、消費電力を低減する。
【解決手段】電気光学装置の制御方法は、第1の選択期間において低電位(VL)が供給されるとともに第2の選択期間において高電位(VH)が供給されるデータ線の数と、第1の選択期間において高電位が供給されるとともに第2の選択期間において低電位が供給されるデータ線の数との和である第1の和(N2V)が、第1の選択期間において低電位が供給されるとともに第2の選択期間において低電位が供給されるデータ線の数と、第1の選択期間において高電位が供給されるとともに第2の選択期間において高電位が供給されるデータ線の数との和である第2の和(N0)よりも大きい場合には、第1の選択期間と第2の選択期間との間の期間において、複数のデータ線の全てに基準電位(GND)が供給されるように、駆動部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気泳動表示装置等の電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例として、電気泳動粒子を含む分散媒を有する電気泳動素子を挟持するように設けられた画素電極及び対向電極間に電圧を印加することにより、電気泳動粒子を移動させることで画像を表示する電気泳動表示装置(EPD:Electrophoretic Display)がある(例えば特許文献1参照)。電気泳動素子は、電気泳動粒子として例えば黒色粒子及び白色粒子を含んでおり、これら2種類の粒子が画素毎に選択的に対向電極側に引き寄せられることによって、黒色又は白色の2つの階調が表示される。このような電気泳動表示装置では、複数の画素の各々に設けられた画素電極に、表示すべき階調に応じたデータ電位を供給することにより、画像を表示させる。例えば、黒色を表示させるべき画素の画素電極には、データ電位として、対向電極の電位(例えば0ボルト)よりも高い正極性の電位(例えば15ボルト)を供給するとともに、白色を表示させるべき画素の画素電極には、対向電極の電位よりも低い負極性の電位(例えば−15ボルト)を供給することにより、画像を表示させる。
【0003】
他方、このような電気泳動表示装置として、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列された複数の画素の各々に、画素スイッチング素子として機能する1つのTFT(Thin Film Transistor)と、メモリー回路として機能する1つのコンデンサー(即ち、保持容量)とを含んで構成された画素回路(いわゆる1T1C型の画素回路)を備えたアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置がある(例えば特許文献1参照)。このようなアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置の動作時には、複数の走査線が1水平走査期間ごとに順次選択され、選択された走査線に対応する画素に、データ線を介してデータ電位が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−267982号公報
【特許文献2】特開2009−109705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したようなアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置では、表示画像の書き換えのために、データ線の電位を1水平走査期間ごとにデータ電位に応じて変化させる際、データ線の寄生容量を充電するために多大な電力を消費してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。例えば、データ線の電位を正極性の電位(例えば15ボルト)から負極性の電位(例えば−15ボルト)へ変化させる場合や、データ線の電位を負極性の電位(例えば−15ボルト)から正極性の電位(例えば15ボルト)へ変化させる場合には、データ線の寄生容量を充電する充電電圧が比較的大きくなるため、データ線の寄生容量を充電するための消費電力が増大してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、消費電力を低減可能な電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気光学装置の制御方法は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素電極と、前記複数の走査線を順次選択するとともに、該選択した走査線に対応する前記画素電極に前記複数のデータ線を介してデータ電位を供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、前記複数の走査線のうち第1の走査線が選択される第1の選択期間において、該第1の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、基準電位よりも高い高電位及び前記基準電位よりも低い低電位のいずれかが前記データ線を介して供給されるように、前記駆動部を制御する第1制御工程と、前記複数の走査線のうち前記第1の走査線とは異なる第2の走査線が前記第1の走査線の次に選択される第2の選択期間において、該第2の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、前記高電位及び前記低電位のいずれかが供給されるように、前記駆動部を制御する第2制御工程と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数との和である第1の和が、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数との和である第2の和よりも大きい場合には、前記第1の選択期間と前記第2の選択期間との間の期間において、前記複数のデータ線の全てに前記基準電位が供給されるように、前記駆動部を制御する第3制御工程とを含む。
【0008】
本発明に係る電気光学装置の制御方法によって制御される電気光学装置は、例えばアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置などであり、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応する画素毎に1つずつ設けられることにより例えばマトリクス状に配列された複数の画素電極と、複数の走査線を順次選択するとともに、該選択した走査線に対応する画素電極に複数のデータ線を介してデータ電位を供給する駆動部とを備える。駆動部は、例えば、複数の走査線を順次選択する走査線駆動回路と、複数のデータ線にデータ電位を供給するデータ線駆動回路とを含んでなる。
【0009】
本発明に係る電気光学装置の制御方法によれば、第1制御工程を行うことにより、第1の走査線に対応する画素電極(即ち、第1の走査線に沿って配列された複数の画素からなる第1の画素行の各画素に設けられた画素電極)に複数のデータ線を介してデータ電位を供給するとともに、第1制御工程の後に第2制御工程を行うことにより、例えば第1の走査線の隣りに位置する第2の走査線に対応する画素電極(即ち、第2の走査線に沿って配列された複数の画素からなる第2の画素行の各画素に設けられた画素電極)に複数のデータ線を介してデータ電位を供給する。
【0010】
第1制御工程では、複数の走査線のうち第1の走査線が選択される第1の選択期間(例えば第1の水平走査期間)において、該第1の走査線に対応する画素電極に、データ電位として、基準電位(例えば0ボルト)よりも高い高電位(例えば+15ボルト)及び基準電位よりも低い低電位(例えば−15ボルト)のいずれかがデータ線を介して供給されるように、駆動部を制御する。よって、第1の選択期間において、複数のデータ線の各々は、当該データ線に電気的に接続される画素電極に供給されるデータ電位に応じて高電位又は低電位になる。なお、第1制御工程及び第2制御工程では、データ電位として、高電位及び低電位に加えて基準電位のいずれかが画素電極にデータ線を介して供給されてもよい。
【0011】
第2制御工程では、複数の走査線のうち第1の走査線とは異なる第2の走査線が第1の走査線の次に選択される第2の選択期間において、該第2の走査線に対応する画素電極に、データ電位として、高電位及び低電位のいずれかが供給されるように、駆動部を制御する。よって、第2の選択期間において、複数のデータ線の各々は、当該データ線に電気的に接続される画素電極に供給されるデータ電位に応じて高電位又は低電位になる。
【0012】
ここで、仮に何らの対策も施さなければ、データ線が第1の選択期間において電気的に接続される画素電極(言い換えれば、該データ線と第1の走査線との交差に対応する画素に設けられた画素電極)と、該データ線が第2の選択期間において電気的に接続される画素電極(言い換えれば、該データ線と第2の走査線との交差に対応する画素に設けられた画素電極)とで、供給されるデータ電位が異なる場合、即ち、例えば、データ線が第1の選択期間において電気的に接続される画素電極にデータ電位として低電位が供給されるとともに、該データ線が第2の選択期間において電気的に接続される画素電極にデータ電位として高電位が供給される場合などには、該データ線の電位を、第1の選択期間における電位(例えば低電位)から第2の選択期間における電位(例えば高電位)に変化させる際に該データ線の寄生容量を充電するための消費電力が増大してしまうおそれがある。
【0013】
しかるに本発明では特に、第3制御工程によって、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるデータ線の数と、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるデータ線の数との和である第1の和が、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるデータ線の数と、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるデータ線の数との和である第2の和よりも大きい場合には、第1の選択期間と第2の選択期間との間の期間において、複数のデータ線の全てに基準電位が供給されるように、駆動部を制御する。
【0014】
即ち、第3制御工程では、以下の関係式が成立する場合には、第1の選択期間と第2の選択期間との間の期間において、複数のデータ線の全てに基準電位(例えば0ボルト)が供給されるように、駆動部を制御する。
【0015】
関係式: N2V>N0
但し、N2V=N2V_1+N2V_2
N0=N0_1+N0_2
N2V_1は、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるデータ線の数である。N2V_2は、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるデータ線の数である。N0_1は、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として低電位が供給されるデータ線の数である。N0_2は、複数のデータ線のうち第1の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるとともに第2の選択期間においてデータ電位として高電位が供給されるデータ線の数である。N2Vは、第1の和であり、N0は、第2の和である。
【0016】
つまり、第3制御工程によれば、複数のデータ線のうち、データ電位として供給される電位が第1の選択期間と第2の選択期間とで高電位と低電位との電位差分だけ異なるデータ線の数が、データ電位として供給される電位が第1の選択期間と第2の選択期間とで高電位又は低電位で同じであるデータ線の数よりも多い場合には、第1の選択期間と第2の選択期間との間の期間において、複数のデータ線の全てに基準電位が供給され(言い換えれば、第1の選択期間と第2の選択期間との間に、複数のデータ線の全てに基準電位を供給する期間が設けられ)、一方、データ電位として供給される電位が第1の選択期間と第2の選択期間とで高電位と低電位との電位差分だけ異なるデータ線の数が、データ電位として供給される電位が第1の選択期間と第2の選択期間とで高電位又は低電位で同じであるデータ線の数以下である場合には、第1の選択期間と第2の選択期間との間に、前述した基準電位を供給する期間が設けられない。
【0017】
よって、例えば、第1の選択期間と第2の選択期間との間に、前述した基準電位を供給する期間が全く設けられない場合や、第1の選択期間と第2の選択期間との間に、前述した基準電位を供給する期間が必ず設けられる場合と比較して、第2の選択期間においてデータ線を介して画素電極にデータ電位を供給する際に、データ線の寄生容量を充電するために消費される電力を低減できる。したがって、電気光学装置の消費電力を低減できる。
【0018】
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置の制御方法によれば、電気光学装置の消費電力を低減できる。
【0019】
本発明に係る電気光学装置の制御方法の一態様では、前記第3制御工程は、前記第1の選択期間において前記第1の走査線に対応する前記画素電極に供給すべき前記データ電位を示す第1データ電位情報と、前記第2の選択期間において前記第2の走査線に対応する前記画素電極に供給すべき前記データ電位を示す第2データ電位情報とを比較することにより、前記第1の和が前記第2の和よりも大きいか否かを判定する判定工程を含む。
【0020】
この態様によれば、第1の和が第2の和よりも大きいか否か、即ち、前述した関係式 N2V>N0が成立するか否かを確実に判定することができる。更に、第3制御工程を実現する回路の回路構成を比較的簡単なものとすることができ、実践上大変有利である。
【0021】
本発明に係る電気光学装置の制御装置は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素電極と、前記複数の走査線を順次選択するとともに、該選択した走査線に対応する前記画素電極に前記複数のデータ線を介してデータ電位を供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、前記複数の走査線のうち第1の走査線が選択される第1の選択期間において、該第1の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、基準電位よりも高い高電位及び前記基準電位よりも低い低電位のいずれかが前記データ線を介して供給されるように、前記駆動部を制御する第1制御手段と、前記複数の走査線のうち前記第1の走査線とは異なる第2の走査線が前記第1の走査線の次に選択される第2の選択期間において、該第2の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、前記高電位及び前記低電位のいずれかが供給されるように、前記駆動部を制御する第2制御手段と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数との和である第1の和が、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数との和である第2の和よりも大きい場合には、前記第1の選択期間と前記第2の選択期間との間の期間において、前記複数のデータ線の全てに前記基準電位が供給されるように、前記駆動部を制御する第3制御手段とを備える。
【0022】
本発明に係る電気光学装置の制御装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法と同様に、電気光学装置において、消費電力を低減できる。
【0023】
なお、本発明に係る電気光学装置の制御装置においても、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0024】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0025】
本発明に係る電気光学装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置を備えるので、消費電力を低減できる。
【0026】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0027】
本発明に係る電子機器によれば、前述した本発明に係る電気光学装置を備えるので、高品質な画像を表示することが可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
【0028】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図3】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【図4】第1実施形態に係るマイクロカプセルの構成を示す模式図である。
【図5】書き換え前の画像と書き換え後の画像の一例を示す平面図である。
【図6】画像を書き換える際に各画素に供給すべきデータ電位を示すデータ電位情報の一例を概念的に示す概念図である。
【図7】第1実施形態に係るGND挿入を行うか否かを判定する判定方法を説明するための概念図(その1)である。
【図8】第1実施形態に係るGND挿入を行うか否かを判定する判定方法を説明するための概念図(その2)である。
【図9】第1実施形態における画像が書き換えられる際のGND挿入の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】充電電圧を、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位と水平走査期間Tconにおけるデータ電位との組み合わせごとに示す表である。
【図11】GND挿入が行われる場合及びGND挿入が行われない場合の各々について、充電エネルギーを、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位と水平走査期間Tconにおけるデータ電位との組み合わせごとに示す表である。
【図12】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図である。
【図13】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ノートの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置の一例である電気泳動表示装置を例にとる。
【0031】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図11を参照して説明する。
【0032】
まず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【0034】
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置であり、表示部3と、コントローラー10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。なお、コントローラー10が本発明に係る「電気光学装置の制御装置」の一例である。また、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70が本発明に係る「駆動部」の一例を構成する。
【0035】
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
【0036】
コントローラー10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
【0037】
走査線駆動回路60は、コントローラー10による制御下で、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給することにより、m本の走査線40を順次選択する。
【0038】
データ線駆動回路70は、コントローラー10による制御下で、データ線X1、X2、…、Xnにデータ電位を供給する。データ電位は、基準電位GND(例えば0ボルト)、高電位VH(例えば+15ボルト)又は低電位VL(例えば−15ボルト)のいずれかの電位をとる。なお、本実施形態では、基本的には、黒色が表示されるべき画素20に対して低電位VLのデータ電位が供給され、白色が表示されるべき画素20に対して高電位VHのデータ電位が供給される。
【0039】
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcom(本実施形態では、基準電位GNDと同一の電位)を供給する。なお、共通電位Vcomは、共通電位Vcomが供給された対向電極22と基準電位GNDが供給された画素電極21との間に電圧が実質的に生じない範囲内で、基準電位GNDとは異なる電位であってもよい。
【0040】
なお、コントローラー10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
【0041】
図2は、画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0042】
図2において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24と、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えている。
【0043】
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図1参照)からデータ線50を介して供給されるデータ電位を、走査線駆動回路60(図1参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及び保持容量27に出力する。
【0044】
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ電位が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して対向電極22と互いに対向するように配置されている。
【0045】
対向電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
【0046】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
【0047】
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によってデータ電位を一定期間だけ維持することができる。
【0048】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図3及び図4を参照して説明する。
【0049】
図3は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【0050】
図3において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
【0051】
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して前述した画素スイッチング用トランジスター24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0052】
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、対向電極22が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。対向電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0053】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。なお、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動素子23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
【0054】
マイクロカプセル80は、画素電極21及び対向電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
【0055】
図4は、マイクロカプセルの構成を示す模式図である。なお、図4では、マイクロカプセルの断面を模式的に示している。
【0056】
図4において、マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
【0057】
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
【0058】
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
【0059】
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
【0060】
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
【0061】
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と対向電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
【0062】
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
【0063】
図3及び図4において、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に対向電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられるとともに、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、対向電極22側)には白色粒子82が集まることになり、表示部3の表示面にはこの白色粒子82の色(即ち、白色)が表示されることとなる。逆に、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられるとともに、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側には黒色粒子83が集まることになり、表示部3の表示面にはこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)が表示されることとなる。
【0064】
なお、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
【0065】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の制御方法について、図5から図11を参照して説明する。なお、以下では、説明の便宜上、表示部3(図1参照)に3行×7列分の画素20がマトリクス状に配列されているものとする。即ち、以下では、m=3、n=7であり、表示部3に3本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)と7本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、X7)とが互いに交差するように設けられているものとして説明する。
【0066】
図5は、書き換え前の画像P1と書き換え後の画像P2の一例を示す平面図である。
【0067】
以下では、図5に示すように、表示部3に表示される画像が、画像P1から画像P2に書き換えられる場合を例にとりながら、前述した電気泳動表示装置1の制御方法について説明する。なお、画像P1及びP2の各々は、黒色及び白色の2階調からなる2階調画像である。
【0068】
本実施形態では、表示部3に表示された画像P1を画像P2に書き換える場合、階調を白色から黒色に変化させるべき画素20については、画素電極21にデータ電位として高電位VHが供給され、階調を黒色から白色に変化させるべき画素20については、画素電極21にデータ電位として低電位VLが供給され、階調を変化させない(即ち、階調を黒色又は白色のまま維持すべき)画素20については、画素電極21にデータ電位として基準電位GNDが供給される。これにより、階調を白色から黒色に変化させるべき画素20では、表示面側(即ち、対向電極22側)に黒色粒子83が集まって黒色が表示され、階調を黒色から白色に変化させるべき画素20では、表示面側に白色粒子82が集まって白色が表示され、階調を変化させない画素20では、白色粒子82及び黒色粒子83はほとんど或いは全く移動せず、階調が黒色又は白色のまま維持される。
【0069】
図6は、表示部3に表示された画像P1を画像P2に書き換える際に各画素20に供給すべきデータ電位を示すデータ電位情報900を概念的に示す概念図である。
【0070】
図6において、データ電位情報900は、画像P1を画像P2に書き換える際に各画素20に供給すべきデータ電位を示す情報(或いは電子データ)であり、画像P1に係る階調データと画像P2に係る階調データとに基づいて、コントローラー10によって生成される。データ電位情報900は、複数の画素20の各々に供給すべきデータ電位をそれぞれ示す複数の画素電位データ920からなる。画素電位データ920は、対応する画素20に供給すべきデータ電位を示す情報である。
【0071】
図5及び図6において、表示部3に表示された画像P1を画像P2に書き換える場合、例えば、第1行−第1列、第1行−第2列及び第1行−第4列の画素20については、画素電極21にデータ電位として高電位VHが供給され、第1行−第5列及び第1行−第6列の画素20については、画素電極21にデータ電位として低電位VLが供給され、第1行−第3列及び第1行−第7列の画素20については、画素電極21にデータ電位として基準電位GNDが供給され、第2行−第3列、第2行−第4列、第2行−第5列及び第2行−第6列の画素20については、画素電極21にデータ電位として高電位VHが供給され、第2行−第1列及び第2行−第2列の画素20については、画素電極21にデータ電位として低電位VLが供給され、第2行−第7列の画素20については、画素電極21にデータ電位として基準電位GNDが供給され、第3行−第7列の画素20については、画素電極21にデータ電位として高電位VHが供給され、第3行−第1列、第3行−第2列及び第3行−第6列の画素20については、画素電極21にデータ電位として低電位VLが供給され、第3行−第3列、第3行−第4列及び第3行−第5列の画素20については、画素電極21にデータ電位として基準電位GNDが供給される。
【0072】
本実施形態では、表示部3に表示された画像を書き換える際、走査線駆動回路60によって走査線Y1、Y2及びY3が、この順に、所定期間である1水平走査期間ずつ選択される(即ち、1水平走査期間に相当するパルス幅を有するパルス信号である走査信号が走査線Y1、Y2及びY3に順次供給される)とともに、走査線Y1が選択されている水平走査期間Th1において、走査線Y1に対応する第1行の画素20(即ち、第1行−第1列、第1行−第2列、…、第1行−第7列の画素20)の画素電極21に供給すべきデータ電位が、データ線X1、…、X7の各々にデータ線駆動回路70によって供給され、走査線Y2が選択されている水平走査期間Th2において、走査線Y2に対応する第2行の画素20(即ち、第2行−第1列、第2行−第2列、…、第2行−第7列の画素20)の画素電極21に供給すべきデータ電位が、データ線X1、…、X7の各々にデータ線駆動回路70によって供給され、走査線Y3が選択されている水平走査期間Th3において、走査線Y3に対応する第3行の画素20(即ち、第3行−第1列、第3行−第2列、…、第3行−第7列の画素20)の画素電極21に供給すべきデータ電位が、データ線X1、…、X7の各々にデータ線駆動回路70によって供給される。これにより、走査信号が供給されることによりオン状態となった画素スイッチング用トランジスター24を介してデータ線50からデータ電位が画素電極21に供給される。
【0073】
本実施形態では特に、表示部3に表示された画像を書き換えるために、走査線Y1、Y2及びY3をこの順に1水平走査期間ずつ選択して、この選択された走査線40に対応する画素20ごとにデータ電位を供給する際、データ電位を供給する前に、全てのデータ線50に基準電位GNDを供給する「GND挿入」を適宜に行う。
【0074】
即ち、データ線X1、…、X7のうち第1の水平走査期間においてデータ電位として低電位VLが供給されるとともに第2の水平走査期間においてデータ電位として高電位VHが供給されるデータ線50の数と、データ線X1、…、X7のうち第1の水平走査期間においてデータ電位として高電位VHが供給されるとともに第2の水平走査期間においてデータ電位として低電位VLが供給されるデータ線50の数との和である値N2Vが、データ線X1、…、X7のうち第1の水平走査期間においてデータ電位として低電位VLが供給されるとともに第2の水平走査期間においてデータ電位として低電位VLが供給されるデータ線50の数と、データ線X1、…、X7のうち第1の水平走査期間においてデータ電位として高電位VHが供給されるとともに第2の水平走査期間においてデータ電位として高電位VHが供給されるデータ線50の数との和である値N0よりも大きい場合には、第1の水平走査期間と第2の水平走査期間との間の期間において、GND挿入を行う(即ち、全てのデータ線50に基準電位GNDを供給する)、言い換えれば、第2の水平走査期間においてデータ線50にデータ電位を供給する前に、全てのデータ線50を基準電位GNDとするプリチャージを行う。
【0075】
つまり、本実施形態では特に、以下の関係式(1)が成立する場合に、GND挿入を行い、以下の関係式(1)が成立しない場合には、GND挿入を行わない。
【0076】
N2V>N0 ・・・(1)
具体的には、コントローラー10が、データ電位情報900に基づいて、関係式(1)が成立するか否かを判定し、関係式(1)が成立すると判定した場合にのみ、GND挿入を行うように、データ線駆動回路70を制御する。
【0077】
図7及び図8は、GND挿入を行うか否かを判定する判定方法を説明するための概念図である。なお、図7には、走査線Y1が選択される水平走査期間Th1と、走査線Y2が選択される水平走査期間Th2との間にGND挿入を行うか否かを判定する例が示されており、図8には、走査線Y2が選択される水平走査期間Th2と、走査線Y3が選択される水平走査期間Th3との間にGND挿入を行うか否かを判定する例が示されている。以下では、基準電位GNDは0ボルトであり、高電位VHは+Vボルト(例えば+15ボルト)であり、低電位VLは−Vボルト(例えば−15ボルト)であるものとする。
【0078】
図7において、コントローラー10は、データ電位情報900が示すデータ電位を各画素20に供給するように、データ線駆動回路60及び走査駆動回路70を制御する際、水平走査期間Th1において走査線Y1に対応する画素20に供給すべきデータ電位を示す画素電位データ920_1と、水平走査期間Th2において走査線Y2に対応する画素20に供給すべきデータ電位を示す画素電位データ920_2とに基づいて、データ線50ごとに、画素電位データ920_1と画素電位データ920_2との差分(即ち、走査線Y1に対応する画素20に供給すべきデータ電位と走査線Y2に対応する画素20に供給すべきデータ電位との差分)を算出する、言い換えれば、データ線X1、…、X7の各々について、水平走査期間Th2においてデータ電位が供給されることにより水平走査期間Th1を基準として電位が変化する変化量を算出する。
【0079】
図7に示すように、画素電位データ920_1と画素電位データ920_2との差分は、データ線X1、X2、X5及びX6については、2Vボルト(例えば30ボルト)であり、データ線X3については、Vボルト(例えば15ボルト)であり、データ線X4及びX7については、0ボルトである。
【0080】
ここで、画素電位データ920_1と画素電位データ920_2との差分が2Vボルトであるデータ線50の数(図7の例では、「4」)が、前述した値N2Vと一致し、画素電位データ920_1と画素電位データ920_2との差分が0ボルトであるデータ線50のうち水平走査期間Th1及びTh2において基準電位GNDが供給されるデータ線50を除いたデータ線50の数(図7の例では、「1」)が、前述した値N0に一致する。よって、コントローラー10は、N2V=4、かつ、N0=1として、関係式(1)が成立するか否かを判定する。したがって、図7の例では、コントローラー10は、関係式(1)が成立すると判定し、水平走査期間Th1と水平走査期間Th2との間の期間においてGND挿入を行う。
【0081】
図8において、コントローラー10は、データ電位情報900が示すデータ電位を各画素20に供給するように、データ線駆動回路60及び走査駆動回路70を制御する際、水平走査期間Th2において走査線Y2に対応する画素20に供給すべきデータ電位を示す画素電位データ920_2と、水平走査期間Th3において走査線Y3に対応する画素20に供給すべきデータ電位を示す画素電位データ920_3とに基づいて、データ線50ごとに、画素電位データ920_2と画素電位データ920_3との差分(即ち、走査線Y2に対応する画素20に供給すべきデータ電位と走査線Y3に対応する画素20に供給すべきデータ電位との差分)を算出する、言い換えれば、データ線X1、…、X7の各々について、水平走査期間Th3においてデータ電位が供給されることにより水平走査期間Th2を基準として電位が変化する変化量を算出する。
【0082】
図8に示すように、画素電位データ920_2と画素電位データ920_3との差分は、データ線X1、及びX2については、0ボルトであり、データ線X3、X4、X5及びX7については、Vボルト(例えば15ボルト)であり、データ線X6については、2Vボルト(例えば30ボルト)である。
【0083】
ここで、画素電位データ920_2と画素電位データ920_3との差分が2Vボルトであるデータ線50の数(図8の例では、「1」)が、前述した値N2Vと一致し、画素電位データ920_2と画素電位データ920_3との差分が0ボルトであるデータ線50のうち水平走査期間Th1及びTh2において基準電位GNDが供給されるデータ線50を除いたデータ線50の数(図8の例では、「2」)が、前述した値N0に一致する。よって、コントローラー10は、N2V=1、かつ、N0=2として、関係式(1)が成立するか否かを判定する。したがって、図8の例では、コントローラー10は、関係式(1)が成立しないと判定し、水平走査期間Th2と水平走査期間Th3との間の期間においてはGND挿入を行わない。
【0084】
図9は、表示部3に表示された画像P1が画像P2に書き換えられる際のGND挿入の一例を示すタイミングチャートである。なお、図9には、走査線Y1、Y2及びY3の電位の経時的な変化と、データ線X5の電位の経時的な変化とが示されている。データ線X5以外のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、X3、X4、X6及びX7)についても、データ線X5と同様にGND挿入が行われる。
【0085】
図9において、本実施形態では特に、表示部3に表示された画像P1が画像P2に書き換えられる際、走査線Y1が選択される水平走査期間Th1と走査線Y2が選択される水平走査期間Th2との間の期間Tpでは、GND挿入が行われ、データ線X5の電位は基準電位GNDとなり、水平走査期間Th2と走査線Y3が選択される水平走査期間Th3との間の期間Tnでは、GND挿入が行われず、データ線X5の電位は、水平走査期間Th2における電位(即ち、高電位VH)のまま維持される。
【0086】
なお、図7を参照して前述したように、コントローラー10は、画素電位データ920_1と画素電位データ920_2との差分を算出し、関係式(1)が成立すると判定し、水平走査期間Th1と水平走査期間Th2との間の期間TpにおいてGND挿入を行う。また、図8を参照して前述したように、画素電位データ920_2と画素電位データ920_3との差分を算出し、関係式(1)が成立しないと判定し、水平走査期間Th2と水平走査期間Th3との間の期間TnにおいてはGND挿入を行わない。
【0087】
このように、本実施形態では特に、関係式(1)が成立するか否かに応じてGND挿入を適宜に行うので、例えば、GND挿入が全く行われない場合や、連続する2つの水平走査期間の間の期間においてGND挿入が必ず行われる場合と比較して、水平走査期間においてデータ線50を介して画素電極21にデータ電位を供給する際に、データ線50の寄生容量を充電するために消費される消費電力を低減できる。したがって、本実施形態に係る電気泳動表示装置1によれば、当該電気泳動表示装置1の消費電力を低減できる。
【0088】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置1の制御方法による効果について、図10及び図11を参照して説明を加える。
【0089】
図10は、水平走査期間Tconにおいてデータ線50にデータ電位を供給するときに、データ線50の寄生容量に印加される充電電圧(即ち、データ線駆動回路70がデータ線50の寄生容量を充電する際の充電電圧)を、水平走査期間Tconの直前の水平走査期間Tpreにおけるデータ電位と、水平走査期間Tconにおけるデータ電位との組み合わせごとに示す表である。図10(a)は、GND挿入が行われる場合における充電電圧を示し、図10(b)は、GND挿入が行われない場合における充電電圧を示している。なお、図10において、高電位VHは+Vボルト(例えば+15ボルト)であり、低電位VHは−Vボルト(例えば−15ボルト)であり、基準電位GNDは0ボルトである。
【0090】
図10(a)において、水平走査期間Tpreと水平走査期間Tconとの間の期間にGND挿入が行われる場合、水平走査期間Tconの前に全てのデータ線50の電位は基準電位GNDであるので、充電電圧は、水平走査期間Tconにおけるデータ電位と基準電位GNDとの差分と同一の電圧であり、水平走査期間Tpreにおけるデータ線50の電位とは関係がない。
【0091】
即ち、水平走査期間Tpreと水平走査期間Tconとの間の期間にGND挿入が行われる場合、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるときには充電電圧は+Vボルト(例えば+15ボルト)であり、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるときには充電電圧は−Vボルト(例えば−15ボルト)であり、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が基準電位GNDであるときには充電電圧は0ボルトである。
【0092】
図10(b)において、水平走査期間Tpreと水平走査期間Tconとの間の期間にGND挿入が行われない場合、水平走査期間Tconの前のデータ線50の電位は水平走査期間Tpreにおけるデータ電位と同一の電位であるので、充電電圧は、基本的には、水平走査期間Tconにおけるデータ電位と水平走査期間Tpreにおけるデータ電位の差分と同一の電圧である。ただし、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が基準電位GNDの場合、基準電位GNDとされた基準電位線にデータ線50が電気的に接続されて放電されるので、データ線駆動回路70による充電電圧は0ボルトである。
【0093】
即ち、水平走査期間Tpreと水平走査期間Tconとの間の期間にGND挿入が行われない場合、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が低電位VLであって水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるときには充電電圧は+2Vボルト(例えば+30ボルト)であり、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が高電位VHであって水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるときには充電電圧は−2Vボルト(例えば−30ボルト)であり、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が基準電位GND(即ち、0ボルト)であって水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるときには充電電圧は+Vボルト(例えば+15ボルト)であり、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が基準電位GND(即ち、0ボルト)であって水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるときには充電電圧は−Vボルト(例えば−15ボルト)であり、その他の場合には充電電圧は0ボルトである。
【0094】
図11は、GND挿入が行われる場合及びGND挿入が行われない場合の各々について、充電エネルギー(即ち、データ線50の寄生容量を充電するために消費される電力)を、水平走査期間Tconの直前の水平走査期間Tpreにおけるデータ電位と、水平走査期間Tconにおけるデータ電位との組み合わせごとに示す表である。
【0095】
図11に示すように、水平走査期間Tpreと水平走査期間Tconとの間の期間にGND挿入が行われる場合、充電電圧が図10(a)に示した値であるので、充電エネルギーは、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VL又は高電位VHであるときには、データ線50の寄生容量の容量値を「C」とすると、C×VL又はC×VHであり、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が基準電位GNDであるときには0(ゼロ)である。ここで、VL=−Vであり、VH=+Vであるので、C×VL=C×VH=C×Vである。以下、充電エネルギーの値C×Vを「P」として、即ち、P=C×Vとして説明する。
【0096】
一方、水平走査期間Tpreと水平走査期間Tconとの間の期間にGND挿入が行われない場合、充電エネルギーは、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位を「Vpre」とし、水平走査期間Tconにおけるデータ電位を「Vcon」とすると、C×Vcon×(Vcon−Vpre)である。よって、GND挿入が行われない場合、充電エネルギーは、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が低電位VLであり、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるとき及び水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が高電位VHであり、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるとき(即ち、水平走査期間Tpreと水平走査期間Tconとの間で、データ電位が2Vボルト(例えば30ボルト)遷移するとき)には、2P(即ち、値Pの2倍)であり、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が基準電位GNDであり、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるとき及び水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が基準電位GNDであり、水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるときには、Pであり、その他のときには0(ゼロ)である。
【0097】
ここで、水平走査期間Tconにおいてm本のデータ線50の全ての寄生容量を充電するために消費される消費電力(m本のデータ線50の寄生容量を充電するための充電エネルギー)は、GND挿入が行われる場合とGND挿入が行われない場合とについて、以下の式(2)及び(3)により算出することができる。なお、GND挿入が行われる場合の消費電力を「E1」とし、GND挿入が行われない場合の消費電力を「E2」とする。また、「N2v_1」は、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が低電位VLであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるデータ線50の本数であり、「N0_1」は、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が低電位VLであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるデータ線50の本数であり、「NV_1」は、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が基準電位GNDであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるデータ線50の本数であり、「NV_2」は、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が基準電位GNDであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるデータ線50の本数であり、「N0_2」は、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が低電位VLであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるデータ線50の本数であり、「N2V_2」は、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が高電位VHであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるデータ線50の本数である。
<GND挿入が行われる場合>
E1=(N2V_1+N0_1+NV_1+NV_2+N0_2+N2V_2)×P
=(N2V+NV+N0)×P ・・・(2)
<GND挿入が行われない場合>
E2=(N2V_1+N2V_2)×2P+(NV_1+NV_2)×P
=(2×N2V+NV)×P ・・・(3)
但し、式(2)及び(3)において、N2V=N2V_1+N2V_2であり、NV=NV_1+NV_2である。
【0098】
よって、GND挿入が行われる場合の消費電力E1が、GND挿入が行われない場合の消費電力E2よりも小さくなるための条件(即ち、GND挿入を行うことにより、消費電力を低減できる条件)は、以下の関係式(4)、即ち関係式(5)を満たすことである。
【0099】
E1−E2=(−N2V+N0)<0 ・・・(4)
N2V>N0 ・・・(5)
即ち、関係式(5)が示すように、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が低電位VLであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるデータ線50の本数N2V_1と、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が高電位VHであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるデータ線50の本数N2V_2との和である値N2Vが、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が低電位VLであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が低電位VLであるデータ線50の本数N0_1と、水平走査期間Tpreにおけるデータ電位が高電位VHであるとともに水平走査期間Tconにおけるデータ電位が高電位VHであるデータ線50の本数N0_2との和である値N0よりも大きい場合にのみGND挿入を行うことにより、消費電力を低減できる。ここで、関係式(5)は、前述した関係式(1)と同一であるので、本実施形態のように、関係式(1)が成立する場合に、GND挿入を行い、関係式(1)が成立しない場合には、GND挿入を行わないことにより、電気泳動表示装置1の消費電力を確実に低減できる。
【0100】
更に、本実施形態では特に、コントローラー10は、前述したように、データ電位情報900に基づいて、関係式(1)が成立するか否かを判定するので、該判定のための回路構成を比較的簡単なもの(例えば2つの画素行のデータ電位を比較する比較回路を含む回路構成)によって実現することができ、実践上大変有利である。
【0101】
以上説明したように、本発明に係る電気泳動表示装置1によれば、当該電気泳動表示装置1の消費電力を低減できる。
【0102】
<電子機器>
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図12及び図13を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
【0103】
図12は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
【0104】
図12に示すように、電子ペーパー1400は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
【0105】
図13は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
【0106】
図13に示すように、電子ノート1500は、図12で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0107】
前述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、消費電力が小さく、高品質な画像表示を行うことが可能である。
【0108】
なお、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、前述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
【0109】
なお、本発明は、電気泳動表示装置のほか、電子粉流体が用いられた表示装置にも適用することが可能である。
【0110】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0111】
3…表示部、10…コントローラー、20…画素、21…画素電極、22…対向電極、24…画素スイッチング用トランジスター、28…素子基板、29…対向基板、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…黒色粒子、220…共通電位供給回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素電極と、前記複数の走査線を順次選択するとともに、該選択した走査線に対応する前記画素電極に前記複数のデータ線を介してデータ電位を供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、
前記複数の走査線のうち第1の走査線が選択される第1の選択期間において、該第1の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、基準電位よりも高い高電位及び前記基準電位よりも低い低電位のいずれかが前記データ線を介して供給されるように、前記駆動部を制御する第1制御工程と、
前記複数の走査線のうち前記第1の走査線とは異なる第2の走査線が前記第1の走査線の次に選択される第2の選択期間において、該第2の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、前記高電位及び前記低電位のいずれかが供給されるように、前記駆動部を制御する第2制御工程と、
前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数との和である第1の和が、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数との和である第2の和よりも大きい場合には、前記第1の選択期間と前記第2の選択期間との間の期間において、前記複数のデータ線の全てに前記基準電位が供給されるように、前記駆動部を制御する第3制御工程と
を含むことを特徴とする電気光学装置の制御方法。
【請求項2】
前記第3制御工程は、前記第1の選択期間において前記第1の走査線に対応する前記画素電極に供給すべき前記データ電位を示す第1データ電位情報と、前記第2の選択期間において前記第2の走査線に対応する前記画素電極に供給すべき前記データ電位を示す第2データ電位情報とを比較することにより、前記第1の和が前記第2の和よりも大きいか否かを判定する判定工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の制御方法。
【請求項3】
互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素電極と、前記複数の走査線を順次選択するとともに、該選択した走査線に対応する前記画素電極に前記複数のデータ線を介してデータ電位を供給する駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、
前記複数の走査線のうち第1の走査線が選択される第1の選択期間において、該第1の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、基準電位よりも高い高電位及び前記基準電位よりも低い低電位のいずれかが前記データ線を介して供給されるように、前記駆動部を制御する第1制御手段と、
前記複数の走査線のうち前記第1の走査線とは異なる第2の走査線が前記第1の走査線の次に選択される第2の選択期間において、該第2の走査線に対応する前記画素電極に、前記データ電位として、前記高電位及び前記低電位のいずれかが供給されるように、前記駆動部を制御する第2制御手段と、
前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数との和である第1の和が、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記低電位が供給される前記データ線の数と、前記複数のデータ線のうち前記第1の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給されるとともに前記第2の選択期間において前記データ電位として前記高電位が供給される前記データ線の数との和である第2の和よりも大きい場合には、前記第1の選択期間と前記第2の選択期間との間の期間において、前記複数のデータ線の全てに前記基準電位が供給されるように、前記駆動部を制御する第3制御手段と
を備えることを特徴とする電気光学装置の制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電気光学装置の制御装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−220917(P2012−220917A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89921(P2011−89921)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】