説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】表示不良を抑制しつつ装置を冷却することが可能な電気光学装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】第1基板10と第2基板20との間に電気光学物質50を挟持してなる電気光学パネル100と、第1基板10の電気光学物質50の側に配置された、第1基板10よりも熱伝導率の高い、表示領域の外側領域を遮光する第1見切り部材61と、を含み、第1基板10は、平面視の大きさが第2基板20よりも大きく形成されており、第1見切り部材61の少なくとも一部が、平面視において第2基板20から露出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置として、一対の基板間に電気光学物質(例えば液晶)を挟んで構成された電気光学パネル(例えば液晶パネル)と、画像を表示する表示領域に対して入射する光を制限する(表示領域を規定する)見切り部材と、を具備して構成された電気光学装置が知られている。例えば、特許文献1の電気光学装置においては、見切り部材が表示領域の外側領域を区画する平面視環状となっており、電気光学物質の近くに配置された構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−256655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電気光学装置を、例えばプロジェクターのライトバルブのような大きな光量の光が照射される用途に適用する場合、照射された光によって見切り部材が加熱され、見切り部材で発生した熱が電気光学物質へと伝わることがある。熱が電気光学物質に伝わると、電気光学物質が劣化し、コントラスト比が低下する等の表示不良が生じることがある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、表示不良を抑制しつつ装置を冷却することが可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の電気光学装置は、第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学パネルと、前記第1基板の前記電気光学物質の側に配置された、前記第1基板よりも熱伝導率の高い、平面視で表示領域の外側領域を遮光する第1見切り部材と、を含み、前記第1基板は、平面視の大きさが前記第2基板よりも大きく形成されており、前記第1見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第2基板から露出していることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、電気光学装置に対して大きな光量の光が照射される用途に適用した場合であっても、外部に露出した第1見切り部材により、第1見切り部材に蓄積される熱を電気光学物質から遠く離れた部分で放熱することができる。このため、照射された光に起因して発生する熱により電気光学物質が劣化することを抑制することができる。よって、表示不良を抑制しつつ装置を冷却することが可能な電気光学装置を提供することができる。
【0008】
この電気光学装置において、前記第1見切り部材は、前記表示領域の外側領域を区画する平面視環状の遮光部と、前記遮光部に接続された前記遮光部よりも熱伝導率の高い伝熱部材と、を含み、前記伝熱部材の少なくとも一部が、平面視において前記第2基板から露出していてもよい。
【0009】
この構成によれば、外部に露出した伝熱部材により、遮光部に蓄積される熱を電気光学物質から遠く離れた部分で放熱することができる。このため、照射された光に起因して発生する熱により電気光学物質が劣化することを抑制することができる。
【0010】
この電気光学装置は、前記第1基板の前記電気光学物質の側とは反対側に配置された防塵部材を含み、前記第1基板の前記防塵部材の側の部分には、前記第1基板よりも熱伝導率の高い、表示領域の外側領域を遮光する第2見切り部材が配置され、前記第2見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第1基板の前記第2基板よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされていてもよい。
【0011】
この構成によれば、第2見切り部材に蓄積される熱が、電気光学物質から遠く離れた部分に伝達される。よって、第2見切り部材に蓄積される熱を電気光学物質から遠く離れたところで放熱することができる。
【0012】
この電気光学装置においては、前記第2見切り部材の少なくとも一部が、前記第1基板の側端面と同一平面から露出していることが望ましい。
【0013】
この構成によれば、外部に露出した第2見切り部材により、第2見切り部材に蓄積される熱を電気光学物質から遠く離れたところで放熱することができる。
【0014】
この電気光学装置は、前記電気光学パネルを保持する、表面が金属によって構成された保持部材と、を含み、前記第1見切り部材の少なくとも一部が、前記保持部材と直接接触されるか、又は、前記第1見切り部材よりも熱伝導率の高い第1接続部材を介して前記保持部材と接続されていることが望ましい。
【0015】
この構成によれば、第1見切り部材に蓄積される熱を、電気光学パネルよりも表面積が大きい保持部材を介して放熱することができる。このため、第1見切り部材に蓄積される熱を効率よく放熱することができる。
【0016】
この電気光学装置においては、前記第1接続部材は弾性部材により構成されており、前記電気光学パネルは、前記第1接続部材が弾性変形した状態で前記保持部材に保持されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1見切り部材と保持部材とがしっかりと接続される。よって、第1見切り部材に蓄積される熱を確実に放熱することができる。
【0018】
この電気光学装置において、前記保持部材には前記第1見切り部材に向けて突出する、表面が金属によって構成された突起部が形成され、前記電気光学パネルは、前記保持部材との間に樹脂部材が充填されて前記保持部材に固定されており、前記突起部は前記樹脂部材を貫通して前記第1見切り部材と接触していることが望ましい。
【0019】
この構成によれば、電気光学パネルが樹脂部材により保持部材に固定される場合であっても、突起部が樹脂部材を貫通するので、第1見切り部材と保持部材に形成された突起部とがしっかりと接続される。よって、第1見切り部材に蓄積される熱を確実に放熱することができる。
【0020】
本発明の電気光学装置は、第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学パネルと、前記第1基板の前記電気光学物質の側とは反対側に配置された、前記第1基板よりも熱伝導率の高い、平面視で表示領域の外側領域を遮光する第3見切り部材と、を含み、前記第1基板は、平面視の大きさが前記第2基板よりも大きく形成されており、前記第3見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第1基板の前記第2基板よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、電気光学装置に対して大きな光量の光が照射される用途に適用した場合であっても、第3見切り部材に蓄積される熱が、電気光学物質から遠く離れた部分に伝達される。このため、照射された光に起因して発生する熱により電気光学物質が劣化することを抑制することができる。よって、表示不良を抑制しつつ装置を冷却することが可能な電気光学装置を提供することができる。
【0022】
この電気光学装置においては、前記第3見切り部材の少なくとも一部が、前記第1基板の側端面と同一平面から露出していることが望ましい。
【0023】
この構成によれば、外部に露出した第3見切り部材により、第3見切り部材に蓄積される熱を電気光学物質から遠く離れたところで放熱することができる。
【0024】
この電気光学装置は、前記電気光学パネルを保持する、表面が金属によって構成された保持部材と、を含み、前記第3見切り部材の少なくとも一部が、前記保持部材と直接接触されるか、又は、前記第3見切り部材よりも熱伝導率の高い第2接続部材を介して前記保持部材と接続されていることが望ましい。
【0025】
この構成によれば、第3見切り部材に蓄積される熱を、電気光学パネルよりも表面積が大きい保持部材を介して放熱することができる。このため、第3見切り部材に蓄積される熱を効率よく放熱することができる。
【0026】
この電気光学装置は、前記第1基板の前記電気光学物質の側とは反対側に配置された防塵部材を含み、前記防塵部材の前記第1基板の側とは反対側の部分には、前記防塵基板よりも熱伝導率の高い、表示領域の外側領域を遮光する第4見切り部材が配置され、前記第4見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第1基板の前記第2基板よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされていてもよい。
【0027】
この構成によれば、第4見切り部材に蓄積される熱が、電気光学物質から遠く離れた部分に伝達される。よって、第4見切り部材に蓄積される熱を電気光学物質から遠く離れたところで放熱することができる。
【0028】
この電気光学装置においては、前記第4見切り部材の少なくとも一部が、前記防塵部材の側端面と同一平面から露出していることが望ましい。
【0029】
この構成によれば、外部に露出した第4見切り部材により、第4見切り部材に蓄積される熱を電気光学物質から遠く離れたところで放熱することができる。
【0030】
本発明の電子機器は、前記電気光学装置を備えていることを特徴とする。
【0031】
この電子機器によれば、上述した電気光学装置を備えているので、高品質な画像表示が可能な信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学パネルの平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の分解斜視図である。
【図4】同、電気光学パネルの斜視図である。
【図5】同、電気光学装置の斜視図である。
【図6】同、電気光学装置の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電気光学パネルの平面図である。
【図8】図7のB−B線に沿って切断した断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る電気光学装置の断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る電気光学装置の断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る電気光学装置の断面図である。
【図12】電子機器の一例であるプロジェクターの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0034】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置における電気光学パネルの平面図である。
図2は、図1のA−A線に沿って切断した断面図である。
【0035】
なお、以下に示す実施の形態において電気光学装置は、光透過型の液晶装置を例に挙げて説明する。よって、電気光学装置が具備する電気光学パネルは、液晶パネルを例に挙げて説明する。また、液晶パネルにおいて対向配置される一対の基板の内、一方の基板(第1基板)は、素子基板(以下、TFTアレイ基板と称す)を、また他方の基板(第2基板)は、TFTアレイ基板に対向する対向基板を例に挙げて説明する。
【0036】
図1、図2に示すように、液晶パネル100は、TFTアレイ基板10と当該TFTアレイ基板10に対向配置された対向基板20との間に電気光学物質である液晶50が介在されて構成される。対向配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20とは、シール材52によって貼り合わされている。TFTアレイ基板10及び対向基板20に用いる基板としては、例えばガラス基板(熱伝導率:約1W/m・K)や石英基板(熱伝導率:約1.38〜1.47W/m・K)等を用いる。
【0037】
TFTアレイ基板10の液晶50と接する領域には、液晶パネル100の表示領域40を構成するTFTアレイ基板10の表示領域10hが構成されている。また、表面10f側における表示領域10hには、画素を構成しかつ対向電極21とともに液晶50に駆動電圧を印加する画素電極9aがマトリクス状に配置されている。
【0038】
また、対向基板20の表面20f側における液晶50と接する領域には、液晶50に画素電極9aとともに駆動電圧を印加する対向電極21が設けられている。対向電極21の表示領域10hに対向する領域には、液晶パネル100の表示領域40を構成する対向基板20の表示領域20hが構成されている。
【0039】
TFTアレイ基板10の画素電極9a上には、ラビング処理が施された配向膜16が設けられている。また、対向基板20上の全面に渡って形成された対向電極21上においても、ラビング処理が施された配向膜26が設けられている。各配向膜16、26は、例えば、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。
【0040】
また、TFTアレイ基板10の表示領域10hにおいては、複数本の図示しない走査線と複数本のデータ線(図示略)とが交差するように配線されている。走査線とデータ線とで区画された領域には、画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線とデータ線との各交差部分に対応して図示しない薄膜トランジスター(TFT)が設けられている。このTFT毎に画素電極9aが接続されている。
【0041】
TFTは走査線のON信号によってオンとなり、これにより、データ線に供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。
【0042】
対向基板20の液晶50の側には、液晶パネル100の表示領域40の周辺領域(外側領域)を遮光する見切り部材63が設けられている。
【0043】
液晶50は、TFTアレイ基板10と対向基板20との間の空間に封入されている。液晶50は、既知の液晶注入方式で注入される。この場合、シール材52は、当該シール材52の1辺の一部が欠落した状態で塗布される。
【0044】
シール材52の欠落した箇所は、シール材52により囲まれた領域に液晶50を注入するための切り欠きである液晶注入口108を構成している。液晶注入口108は、液晶注入後、封止材109によって封止される。
【0045】
シール材52の外側の領域に、データ線駆動回路101と外部回路との接続のための外部接続端子102とが、TFTアレイ基板10の1辺に沿って設けられている。データ線駆動回路101は、TFTアレイ基板10のデータ線(図示略)に画像信号を所定のタイミングで供給して該データ線を駆動するドライバーである。なお、外部接続端子102は、対向基板20に設けられていても構わない。
【0046】
外部接続端子102には、液晶パネル100を、プロジェクター等の電子機器と電気的に接続するフレキシブル配線基板(Flexible Printed Circuits、以下FPCと称す)112の一端が接続されている。FPC112の他端がプロジェクター等の電子機器に接続されることにより、液晶パネル100と電子機器とが電気的に接続される。
【0047】
外部接続端子102が設けられたTFTアレイ基板10の1辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路103、104が設けられている。走査線駆動回路103、104は、TFTアレイ基板10の図示しない走査線及びゲート電極に、走査信号を所定のタイミングで供給することにより、ゲート電極を駆動するドライバーである。走査線駆動回路103、104は、シール材52の内側の見切り部材63に対向する位置において、TFTアレイ基板10上に形成されている。
【0048】
また、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路103、104、外部接続端子102及び上下導通端子107を接続する配線105が、見切り部材63の3辺に対向して設けられている。
【0049】
上下導通端子107は、シール材52のコーナー部の4箇所のTFTアレイ基板10上に形成されている。そして、TFTアレイ基板10と対向基板20相互間に、下端が上下導通端子107に接触し上端が対向電極21に接触する上下導通材106が設けられている。当該上下導通材106によって、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通がとられている。
【0050】
また、液晶パネル100を構成するTFTアレイ基板10の裏面10rには、TFTアレイ基板10の少なくとも表示領域10hと平面視した状態で同じ大きさを有する防塵ガラス30(防塵部材、熱伝導率:約1W/m・K)が貼着されている。
【0051】
同様に、液晶パネル100を構成する対向基板20の裏面20rには、対向基板20と平面視した状態で同じ大きさを有する防塵ガラス31(熱伝導率:約1W/m・K)が貼着されている。防塵ガラス30、31は、TFTアレイ基板10及び対向基板20の各裏面10r、20rの各表示領域10h、20hに塵埃等が付着するのを防止する。
【0052】
TFTアレイ基板10の液晶50の側には、TFTアレイ基板10よりも熱伝導率の高い、液晶パネル100の表示領域40の周辺領域を遮光する(表示領域40を規定する額縁としての)見切り部材(第1見切り部材)61が設けられている。見切り部材61の少なくとも一部は、平面視において対向基板20から露出している。
【0053】
防塵ガラス30のTFTアレイ基板10の側とは反対側の部分には、当該防塵ガラス30よりも熱伝導率の高い、表示領域40の周辺領域を遮光する見切り部材(第4見切り部材)62が形成されている。見切り部材62の表面(防塵ガラス30の側とは反対側の面)は、外部に露出している。見切り部材62の少なくとも一部は、平面視においてTFTアレイ基板10の対向基板20よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされている(図6参照)。見切り部材62の少なくとも一部は、防塵ガラス30の側端面と同一平面から露出している。
【0054】
防塵ガラス31の対向基板20の側とは反対側の部分には、当該防塵ガラス31よりも熱伝導率の高い、表示領域40の周辺領域を遮光する見切り部材64が形成されている。見切り部材64の表面(防塵ガラス31の側とは反対側の面)は、外部に露出している。
【0055】
これら見切り部材61,62,64の形成材料としては、例えばAl(アルミニウム、熱伝導率:約236W/m・K)等の金属材料を用いることができる。また、Al膜の上にITO膜(インジウム錫酸化物、熱伝導率:約8.18W/m・K)を積層してもよい。なお、見切り部材61は少なくともTFTアレイ基板10よりも熱伝導率が高く且つ遮光性を有する部材によって構成されていればよい。また、見切り部材62は少なくとも防塵部材30よりも熱伝導率が高く且つ遮光性を有する部材によって構成されていればよい。また、見切り部材64は少なくとも防塵部材31よりも熱伝導率が高く且つ遮光性を有する部材によって構成されていればよい。本実施形態においては、見切り部材61,62,64の形成材料として、Alを用いる。
【0056】
図3は、液晶装置1の分解斜視図である。図4は、液晶パネル100の斜視図である。図5は、液晶装置1の斜視図である。図6は、液晶装置1の断面図である。
【0057】
図3に示すように、液晶装置1は、液晶パネル100と、防塵ガラス30,31と、保持部材200と、フック部材300とから主要部が構成されている。
【0058】
保持部材200は、液晶パネル100と防塵ガラス30,31を収容する、平面形状が略矩形の枠状の部材である。保持部材200には、液晶パネル100が収容される段付き穴から構成された収容部210が形成されている。保持部材200は、例えばAl(アルミニウム、熱伝導率:約236W/m・K)等の金属材料によって構成されている。なお、保持部材200は少なくとも表面が金属によって構成されていればよい。
【0059】
収容部210には、該収容部210に液晶パネル100が収容された際、液晶パネル100の表示領域40が露出する開口201が形成されている。開口201は、表示領域40と平面視した状態で同じ大きさに形成されている。
【0060】
保持部材200の収容部210には、液晶パネル100が、例えば対向基板20側から収容される構成となっている。収容部210は、第1の保持部220を具備している。
【0061】
第1の保持部220は、平面視した状態で対向基板20よりも若干大きい大きさに形成されている。第1の保持部220は、対向基板20及び防塵ガラス31の2枚の厚みと略同じ深さに形成されている。第1の保持部220は、底部202及び側壁203を有して形成されている。
【0062】
底部202には、収容部210に液晶パネル100が収容された際、防塵ガラス31の裏面31rの表示領域40以外の部分が例えば熱硬化型の樹脂等の接着剤(樹脂部材)80を介して載置される。
【0063】
底部202には、見切り部材64の露出した部分に向けて突出する突起部90が形成されている。突起部90は、接着剤80を貫通して見切り部材64と接触している。突起部90は、液晶装置1に光が入射することにより見切り部材64に蓄積される熱を保持部材200へと導く経路となる。突起部90は、例えばAl(アルミニウム、熱伝導率:約236W/m・K)等の金属材料によって構成されている。なお、突起部90は少なくとも表面が金属によって構成されていればよい。
【0064】
収容部210は、第1の保持部220よりも平面視した状態で大きい第2の保持部230を具備している。第2の保持部230は、平面視した状態でTFTアレイ基板10よりも若干大きい大きさに形成されている。第2の保持部230は、TFTアレイ基板10及び防塵ガラス30の2枚の厚みよりも若干大きい深さに形成されている(図6参照)。第2の保持部230は、底部204及び側壁205を有して形成されている。
【0065】
底部204には、収容部210に液晶パネル100が収容された際、TFTアレイ基板10の一部が接着剤を介して載置される。
【0066】
底部204には、見切り部材61の露出した部分に向けて突出する突起部91が形成されている。突起部91は、接着剤80を貫通して見切り部材61と接触している。突起部91は、液晶装置1に光が入射することにより見切り部材61に蓄積される熱を保持部材200へと導く経路となる。突起部91は、例えばAl(アルミニウム、熱伝導率:約236W/m・K)等の金属材料によって構成されている。なお、突起部91は少なくとも表面が金属によって構成されていればよい。
【0067】
また、保持部材200の対向する辺200i、200tの各々には、係止凸部250が形成されている。係止凸部250には、フック部材300に形成された係止部材310の係止孔310hが係止される。
【0068】
フック部材300は、平面形状が略矩形を有する枠状の薄板状部材から形成されている。フック部材300は、例えばAl(アルミニウム、熱伝導率:約236W/m・K)等の金属材料によって構成されている。なお、フック部材300は少なくとも表面が金属によって構成されていればよい。
【0069】
フック部材300の対向する辺300i、300tの各々には、係止孔310hを有する係止部材310が形成されている。係止部材310は、フック部材300を保持部材200に対し嵌合させた後、保持部材200の係止凸部250に係止される部分である(図5参照)。
【0070】
フック部材300の略中央には、防塵ガラス30よりも平面視のサイズが小さい開口320が形成されている。フック部材300は、防塵ガラス30を液晶パネル100に向けて押圧するための部材である。
【0071】
フック部材300の開口320周辺には、見切り部材62に向けて突出する突起部92が形成されている。突起部92は、見切り部材62と直接接触している。突起部92は、液晶装置1に光が入射することにより見切り部材62に蓄積される熱をフック部材300へと導く経路となる。突起部92は、例えばAl(アルミニウム、熱伝導率:約236W/m・K)等の金属材料によって構成されている。なお、突起部92は少なくとも表面が金属によって構成されていればよい。
【0072】
次に、このように構成された液晶装置の製造方法について説明する。
先ず、図3に示すように、保持部材200の収容部210に例えば熱硬化型の接着剤80を塗布する。その後、液晶パネル100を、対向基板20の裏面20r側(見切り部材64側)から、収容部210に挿入する。
【0073】
第1の保持部220の底部202には、見切り部材64に向けて突出する突起部90が形成されていることから、突起部90が接着剤80を貫通し、対向基板20の裏面20rに形成された見切り部材64に接触する。
【0074】
第2の保持部230の底部204には、見切り部材61の露出した部分に向けて突出する突起部91が形成されていることから、突起部91が接着剤80を貫通し、TFTアレイ基板10の表面10fに形成された見切り部材61に接触する。
【0075】
次いで、接着剤80を硬化させる。具体的には、保持部材200に熱を付与し、液晶パネル100と保持部材200との間、及び防塵ガラス30,31と保持部材200との間の各熱硬化型接着剤を硬化させる。
【0076】
次いで、防塵ガラス30の上方(見切り部材61の上方)から、保持部材200に対してフック部材300を嵌合させる。具体的には、保持部材200の各係止凸部250に、フック部材300の各係止部材310の係止孔310hをそれぞれ係止させる。
【0077】
フック部材300の開口320周辺には、見切り部材62に向けて突出する突起部91が形成されていることから、突起部91がTFTアレイ基板10の裏面10rに形成された見切り部材62に接触する。
【0078】
以上の工程により、見切り部材64は、保持部材200の突起部90と直接接触される。見切り部材61は、保持部材200の突起部91と直接接触される。また、見切り部材62は、フック部材300の突起部92と直接接触される。
【0079】
その結果、図5に示すように、本実施形態に係る液晶装置1が製造される。その後、液晶装置1を、FPC112により、プロジェクター等の電子機器と電気的に接続する。
【0080】
本実施形態の液晶装置1によれば、液晶装置1に対して大きな光量の光が照射される用途に適用した場合であっても、外部に露出した見切り部材61により、見切り部材61に蓄積される熱を液晶50から遠く離れた部分で放熱することができる。このため、照射された光に起因して発生する熱により液晶50が劣化することを抑制することができる。よって、表示不良を抑制しつつ装置を冷却することが可能な液晶装置1を提供することができる。
【0081】
また、この構成によれば、液晶パネル100が接着剤80により保持部材200に固定される場合であっても、突起部91が接着剤80を貫通するので、見切り部材61と保持部材200に形成された突起部91とがしっかりと接続される。よって、見切り部材61に蓄積される熱を確実に放熱することができる。
【0082】
また、この構成によれば、見切り部材62に蓄積される熱が、液晶50から遠く離れた部分に伝達される。よって、見切り部材62に蓄積される熱を液晶50から遠く離れたところで放熱することができる。
【0083】
また、この構成によれば、外部に露出した見切り部材62により、見切り部材62に蓄積される熱を液晶50から遠く離れたところで放熱することができる。
【0084】
なお、本実施形態において、各見切り部材の配置位置は、見切り部材61がTFTアレイ基板10の液晶50の側の部分に配置され、見切り部材62が防塵部材30のTFTアレイ基板10の側とは反対側の部分に配置成され、見切り部材63が対向基板20の液晶の側の部分に配置され、見切り部材64が防塵ガラス31の対向基板20の側とは反対側の部分に配置されているが、これに限らない。例えば、TFTアレイ基板10の側には見切り部材61のみが形成され、対向基板20の側には見切り部材63のみが形成されていてもよい。すなわち、少なくともTFTアレイ基板10の液晶50の側の部分と対向基板20の液晶50の側の部分に見切り部材が配置されていればよい。
【0085】
また、本実施形態においては、保持部材200に見切り部材64と接触する突起部90、見切り部材61と接触する突起部91が形成され、フック部材300に見切り部材62と接触する突起部92が形成されているが、これに限らない。例えば、保持部材200に見切り部材61,64と接触するバンプ(例えば金バンプ、内部樹脂をコアとして表面が金で覆われた構造、金(Au)の熱伝導率:約320W/m・K)が形成されていてもよいし、フック部材300に見切り部材62と接触するバンプ(例えば金バンプ)が形成されていてもよい。
【0086】
また、本実施形態においては、保持部材200に形成された突起部90と見切り部材64とが直接接触し、保持部材200に形成された突起部91と見切り部材61とが直接接触し、フック部材300に形成された突起部92と見切り部材62とが直接接触しているが、これに限らない。例えば、突起部に替えてロウ材(例えば銀ロウ、銀(Ag)の熱伝導率:約420W/m・K)を用いて、保持部材200と見切り部材61,64とが接触されていてもよいし、フック部材300と見切り部材62とが接触されていてもよい。
【0087】
また、本実施形態においては、液晶装置1が液晶パネル100と防塵ガラス30,31とを保持する保持部材200とフック部材300とを含む構成を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、液晶装置が保持部材200及びフック部材300を含まずに液晶パネルと防塵ガラスとにより構成されていてもよい。また、液晶装置が防塵ガラスを含まずに液晶パネルのみで構成されていてもよい。
【0088】
また、液晶パネルは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上述した液晶パネルは、TFT(薄膜トランジスター)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールを例に挙げて説明したが、これに限らず、TFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールであっても構わない。
【0089】
さらに、本実施形態においては、電気光学装置は、液晶装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、エレクトロルミネッセンス装置、特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置等や、プラズマディスプレイ装置、FED(Field Emission Display)装置、SED(Surface−Conduction Electron−Emitter Display)装置、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、薄型のブラウン管または液晶シャッター等を用いた装置などの各種の電気光学装置に適用することもできる。
【0090】
また、電気光学装置は、半導体基板に素子を形成する表示用デバイス、例えばLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等であっても構わない。LCOSでは、素子基板として単結晶シリコン基板を用い、画素や周辺回路に用いるスイッチング素子としてトランジスターを単結晶シリコン基板に形成する。また、画素には、反射型の画素電極を用い、画素電極の下層に画素の各素子を形成する。
【0091】
また、電気光学装置は、片側の基板の同一層に、一対の電極が形成される表示用デバイス、例えばIPS(In-Plane Switching)や、片側の基板において、絶縁膜を介して一対の電極が形成される表示用デバイスFFS(Fringe Field Switching)等であっても構わない。
【0092】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る液晶パネル100Aの平面図である。図8は、図7のB−B線に沿って切断した断面図である。
図7に示すように、本実施形態の液晶パネル100Aは、第1実施形態に係る見切り部材61に替えて見切り部材260を備えている点で上述の第1実施形態に係る液晶パネル100と異なっている。その他の点は上述の構成と同様であるので、図1及び図2と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0093】
図7、図8に示すように、液晶パネル100Aは、TFTアレイ基板10と当該TFTアレイ基板10に対向配置された対向基板20との間に液晶50が介在されて構成される。対向配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20とは、シール材52によって貼り合わされている。
【0094】
TFTアレイ基板10の液晶50の側には、TFTアレイ基板10よりも熱伝導率の高い、液晶パネル100の表示領域40の周辺領域を遮光する見切り部材(第1見切り部材)260が設けられている。見切り部材260は、表示領域40の周辺領域を区画する平面視環状の遮光部261と、遮光部261に接続された当該遮光部261よりも熱伝導率の高い伝熱部材270と、を含んでいる。遮光部261は、例えば周辺配線として使用される画素容量線である。伝熱部材270の少なくとも一部は、平面視において対向基板20から露出している。
【0095】
平面視において遮光部261と重なる部分には、周辺配線として使用される画素容量電極281及び画素ソース線282が配置されている。画素容量電極281及び画素ソース線282は、例えばAl等の金属材料によって形成されている。
【0096】
伝熱部材270は、遮光部261に蓄積される熱を外部に放出する放熱層271と、コンタクト部272,273と、伝熱層274と、を備えている。コンタクト部272は、遮光部261と伝熱層274とを接続している。コンタクト部273は、伝熱層274と放熱層271とを接続している。遮光部261に蓄積される熱は、コンタクト部272、伝熱層274、及びコンタクト部273を経由して放熱層271に伝わり、放熱層271から外部に放出される。
【0097】
これら遮光部261、コンタクト部272、伝熱層274、コンタクト部273、及び放熱層271の形成材料としては、例えばAl(アルミニウム、熱伝導率:約236W/m・K)等の金属材料を用いることができる。また、放熱層271については、Al膜の上にITO膜(インジウム錫酸化物、熱伝導率:約8.18W/m・K)を積層してもよい。
【0098】
なお、遮光部261は少なくともTFTアレイ基板10よりも熱伝導率が高く且つ遮光性を有する部材によって構成されていればよい。また、コンタクト部272、伝熱層274、コンタクト部273、及び放熱層271は少なくとも遮光部261よりも熱伝導率が高い部材によって構成されていればよい。本実施形態においては、遮光部261、コンタクト部272、伝熱層274、コンタクト部273、及び放熱層271の形成材料として、Alを用いる。
【0099】
なお、コンタクト部272、伝熱層274、コンタクト部273、及び放熱層271の形成材料については、遮光部261(熱伝導率:約236W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料として、例えばAu(金、熱伝導率:約320W/m・K)、Ag(銀、熱伝導率:約420W/m・K)、Cu(銅、熱伝導率:約398W/m・K)等の金属材料を用いることもできる。
【0100】
本実施形態の液晶パネル100Aによれば、外部に露出した放熱層271により、遮光部261に蓄積される熱を液晶50から遠く離れた部分で放熱することができる。このため、照射された光に起因して発生する熱により液晶50が劣化することを抑制することができる。
【0101】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係る液晶装置2の断面図である。
図9に示すように、本実施形態の液晶装置2は、見切り部材(第2見切り部材)62AがTFTアレイ基板10の防塵ガラス30の側の部分に配置されている点、見切り部材64Aが対向基板20の防塵ガラス31の側の部分に配置されている点、見切り部材62A,64Aの少なくとも一部が接続部材93を介して保持部材200と接続されている点、で上述の第1実施形態に係る液晶装置1と異なっている。その他の点は上述の構成と同様であるので、図6と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0102】
TFTアレイ基板10の防塵ガラス30の側の部分には、当該TFTアレイ基板10よりも熱伝導率の高い、表示領域40の周辺領域を遮光する見切り部材(第2見切り部材)62Aが形成されている。見切り部材62Aの少なくとも一部は、平面視においてTFTアレイ基板10の対向基板20よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされている。見切り部材62Aの少なくとも一部は、TFTアレイ基板10の側端面と同一平面から露出している。
【0103】
対向基板20の防塵ガラス31の側の部分には、当該対向基板20よりも熱伝導率の高い、表示領域40の周辺領域を遮光する見切り部材64Aが形成されている。見切り部材64Aの少なくとも一部は、対向基板20の側端面と同一平面から露出している。
【0104】
見切り部材62A,64Aの露出した部分は、当該見切り部材62A,64Aよりも熱伝導率の高い接続部材93を介して保持部材200と接続されている。接続部材93は、例えば半田(熱伝導率:約21〜66W/m・K)等の材料によって構成されている。見切り部材62A,64Aの露出した部分と保持部材200との接続方法は、例えば、保持部材200に予め孔200hを開けておき、当該孔200hから半田を注入して見切り部材62A,64Aの露出した部分と保持部材200とを半田付けする方法がある。
【0105】
本実施形態の液晶装置2によれば、見切り部材62Aに蓄積される熱が、液晶50から遠く離れた部分に伝達される。よって、見切り部材62Aに蓄積される熱を液晶50から遠く離れたところで放熱することができる。
【0106】
また、この構成によれば、外部に露出した見切り部材62Aにより、見切り部材62Aに蓄積される熱を液晶50から遠く離れたところで放熱することができる。
【0107】
また、この構成によれば、見切り部材62Aに蓄積される熱を、液晶パネル100よりも表面積が大きい保持部材200を介して放熱することができる。このため、見切り部材62Aに蓄積される熱を効率よく放熱することができる。
【0108】
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態に係る液晶装置3の断面図である。
図10に示すように、本実施形態の液晶装置3は、見切り部材(第1見切り部材)61BがTFTアレイ基板10の防塵ガラス30の側の部分に配置されている点、見切り部材63Bが対向基板20の防塵ガラス31の側の部分に配置されている点、見切り部材61B,63Bの少なくとも一部が接続部材93を介して保持部材200と接続されている点、突起部90,92に替えて弾性部材により構成された接続部材94が設けられている点、で上述の第1実施形態に係る液晶装置1と異なっている。すなわち、本実施形態の液晶装置3は、見切り部材がTFTアレイ基板10の液晶50の側及び対向基板20の液晶50の側に配置されていない。その他の点は上述の構成と同様であるので、図6と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0109】
TFTアレイ基板10の防塵ガラス30の側の部分には、当該TFTアレイ基板10よりも熱伝導率の高い、表示領域40の周辺領域を遮光する見切り部材(第3見切り部材)61Bが形成されている。見切り部材61Bの少なくとも一部は、平面視においてTFTアレイ基板10の対向基板20よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされている。見切り部材61Bの少なくとも一部は、TFTアレイ基板10の側端面と同一平面から露出している。
【0110】
対向基板20の防塵ガラス31の側の部分には、当該対向基板20よりも熱伝導率の高い、表示領域40の周辺領域を遮光する見切り部材63Bが形成されている。見切り部材63Bの少なくとも一部は、対向基板20の側端面と同一平面から露出している。
【0111】
見切り部材61B,63Bの露出した部分は、当該見切り部材61B,63Bよりも熱伝導率の高い接続部材93を介して保持部材200と接続されている。接続部材93は、例えば半田(熱伝導率:約21〜66W/m・K)等の材料によって構成されている。見切り部材61B,63Bの露出した部分と保持部材200との接続方法は、例えば、保持部材200に予め孔200hを開けておき、当該孔200hから半田を注入して見切り部材61B,63Bの露出した部分と保持部材200とを半田付けする方法がある。
【0112】
見切り部材62Bは、接続部材94を介してフック部材300と接続されている。見切り部材64Bは、接続部材94を介して保持部材200と接続されている。接続部材94は弾性部材である。接続部材94としては例えばU字状のバネ部材を用いることができる。液晶パネル100と防塵ガラス30,31とは、接続部材94が弾性変形した状態で保持部材200及びフック部材300に保持されている。
【0113】
本実施形態の液晶装置3によれば、見切り部材64Bと保持部材200とがしっかりと接続される。よって、見切り部材64Bに蓄積される熱を確実に放熱することができる。
【0114】
また、この構成よれば、見切り部材61Bに蓄積される熱が、液晶50から遠く離れた部分に伝達される。このため、照射された光に起因して発生する熱により液晶50が劣化することを抑制することができる。
【0115】
また、この構成よれば、外部に露出した見切り部材61Bにより、見切り部材61Bに蓄積される熱を液晶50から遠く離れたところで放熱することができる。
【0116】
また、この構成よれば、見切り部材61Bに蓄積される熱を、液晶パネル100よりも表面積が大きい保持部材200を介して放熱することができる。このため、見切り部材61Bに蓄積される熱を効率よく放熱することができる。
【0117】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態に係る液晶装置4の断面図である。
図11に示すように、本実施形態の液晶装置4は、見切り部材61C,62C,63C,64Cの露出した部分が保持部材200と直接接続されている点で上述の第1実施形態に係る液晶装置1と異なっている。その他の点は上述の構成と同様であるので、図6と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0118】
TFTアレイ基板10の液晶50の側の部分には、当該TFTアレイ基板よりも熱伝導率の高い見切り部材61Cが形成されている。見切り部材61Cは、平面視の大きさがTFTアレイ基板10よりも大きく形成されている。見切り部材61CのTFTアレイ基板10よりも大きく形成された部分は、保持部材200と直接接触されている。
【0119】
防塵ガラス30のTFTアレイ基板10とは反対側の部分には、当該防塵ガラス30よりも熱伝導率の高い見切り部材62Cが形成されている。見切り部材62Cは、平面視の大きさが防塵ガラス30よりも大きく形成されている。見切り部材62Cの防塵ガラス30よりも大きく形成された部分は、保持部材200と直接接触されている。
【0120】
対向基板20の液晶50の側の部分には、当該対向基板20よりも熱伝導率の高い見切り部材63Cが形成されている。見切り部材63Cは、平面視の大きさが対向基板20よりも大きく形成されている。見切り部材63Cの対向基板20よりも大きく形成された部分は、保持部材200と直接接触されている。
【0121】
防塵ガラス31の対向基板20の側とは反対側の部分には、当該防塵ガラス31よりも熱伝導率の高い見切り部材64Cが形成されている。見切り部材64Cは、平面視の大きさが防塵ガラス31よりも大きく形成されている。見切り部材64Cの防塵ガラス31よりも大きく形成された部分は、保持部材200と直接接触されている。
【0122】
本実施形態の液晶装置4によれば、見切り部材61Cに蓄積される熱を、液晶パネル100よりも表面積が大きい保持部材200を介して放熱することができる。このため、見切り部材61Cに蓄積される熱を効率よく放熱することができる。
【0123】
(電子機器)
図12は、電子機器の一例であるプロジェクター1000の概略構成図である。プロジェクター1000は、前記液晶装置1を含む液晶モジュール3個を、各々RGB用のライトバルブ1100R、1100G、1100Bとして用いたプロジェクターとして構成されている。
【0124】
このプロジェクター1000では、メタルハライドランプなどの白色光源のランプユニット1102から光が出射されると、3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの3原色に対応する光成分R、G、Bに分離され(光分離手段)、対応するライトバルブ1100R、1100G、1100B(液晶装置1、液晶ライトバルブ)に各々導かれる。この際に、光成分Bは、光路が長いので、光損失を防ぐために入射レンズ1122、リレーレンズ1123、および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。
【0125】
そして、ライトバルブ1100R、1100G、1100Bによって各々変調された3原色に対応する光成分R、G、Bは、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射され、再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0126】
上記プロジェクター1000によれば、ライトバルブ1100R、1100G、1100Bとして上記本発明の液晶装置1が用いられているので、高品質な画像表示が可能な信頼性に優れたプロジェクター1000を提供することができる。
【0127】
なお、電子機器としては、上記プロジェクター1000以外にも、マルチメディア対応のパーソナルコンピューター(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワープロ、テレビ、ビューファインダー型またはモニター直視型のビデオテープレコーダー、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
【符号の説明】
【0128】
1,2,3,4…液晶装置(電気光学装置)、10…TFTアレイ基板(第1基板)、20…対向基板(第2基板)、30,31…防塵ガラス(防塵部材)、50…液晶(電気光学物質)、61,61A,61B,61C,62,62A,62B,62C,63,63A,63B,63C,64,64A,64B,64C,260…見切り部材、80…接着剤(樹脂部材)、90,91,92…突起部、93,94…接続部材、100,100A…液晶パネル(電気光学パネル)、200…保持部材、261…遮光部、270…伝熱部材、1000…プロジェクター(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学パネルと、
前記第1基板の前記電気光学物質の側に配置された、前記第1基板よりも熱伝導率の高い、平面視で表示領域の外側領域を遮光する第1見切り部材と、を含み、
前記第1基板は、平面視の大きさが前記第2基板よりも大きく形成されており、
前記第1見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第2基板から露出していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第1見切り部材は、
前記表示領域の外側領域を区画する平面視環状の遮光部と、
前記遮光部に接続された前記遮光部よりも熱伝導率の高い伝熱部材と、を含み、
前記伝熱部材の少なくとも一部が、平面視において前記第2基板から露出していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第1基板の前記電気光学物質の側とは反対側に配置された防塵部材を含み、
前記第1基板の前記防塵部材の側の部分には、前記第1基板よりも熱伝導率の高い、表示領域の外側領域を遮光する第2見切り部材が配置され、
前記第2見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第1基板の前記第2基板よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第2見切り部材の少なくとも一部が、前記第1基板の側端面と同一平面から露出していることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記電気光学パネルを保持する、表面が金属によって構成された保持部材と、を含み、
前記第1見切り部材の少なくとも一部が、前記保持部材と直接接触されるか、又は、前記第1見切り部材よりも熱伝導率の高い第1接続部材を介して前記保持部材と接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1接続部材は弾性部材により構成されており、
前記電気光学パネルは、前記第1接続部材が弾性変形した状態で前記保持部材に保持されていることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記保持部材には前記第1見切り部材に向けて突出する、表面が金属によって構成された突起部が形成され、
前記電気光学パネルは、前記保持部材との間に樹脂部材が充填されて前記保持部材に固定されており、
前記突起部は前記樹脂部材を貫通して前記第1見切り部材と接触していることを特徴とする請求項5または6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
第1基板と第2基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学パネルと、
前記第1基板の前記電気光学物質の側とは反対側に配置された、前記第1基板よりも熱伝導率の高い、平面視で表示領域の外側領域を遮光する第3見切り部材と、を含み、
前記第1基板は、平面視の大きさが前記第2基板よりも大きく形成されており、
前記第3見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第1基板の前記第2基板よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
前記第3見切り部材の少なくとも一部が、前記第1基板の側端面と同一平面から露出していることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記電気光学パネルを保持する、表面が金属によって構成された保持部材と、を含み、
前記第3見切り部材の少なくとも一部が、前記保持部材と直接接触されるか、又は、前記第3見切り部材よりも熱伝導率の高い第2接続部材を介して前記保持部材と接続されていることを特徴とする請求項8または9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記第1基板の前記電気光学物質の側とは反対側に配置された防塵部材を含み、
前記防塵部材の前記第1基板の側とは反対側の部分には、前記防塵基板よりも熱伝導率の高い、表示領域の外側領域を遮光する第4見切り部材が配置され、
前記第4見切り部材の少なくとも一部が、平面視において前記第1基板の前記第2基板よりも大きく形成されている部分まで引き伸ばされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項12】
前記第4見切り部材の少なくとも一部が、前記防塵部材の側端面と同一平面から露出していることを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−203202(P2012−203202A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67781(P2011−67781)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】