説明

電気化学センサ

【課題】半導体製造産業で使用されるような低酸素濃度の処理環境における有機汚染物質の検出のためのセンサ、このようなセンサの使用、及びそのような処理環境における有機汚染物質の検出のための新規な方法を提供する。
【解決手段】低酸素濃度の監視下環境で使用するための有機汚染物質分子センサ。センサは、電気化学セルを含み、これは、有機汚染物質分子の解離吸着に触媒作用を及ぼす能力を有する触媒で被覆され(又は、その触媒から形成され)、監視下環境に露出されるように位置決めされた測定電極、酸素アニオンへの酸素の解離に触媒作用を及ぼす能力に関して選択された触媒で被覆され(又は、その触媒で形成され)、参照環境内に位置決めされた参照電極、及び測定電極と参照電極の間に配置されてそれらを架橋する固体酸素アニオン導体から形成され、酸素アニオン伝導は、臨界温度TC又はそれよりも高い温度で発生する。参照環境を監視下環境から分離するために密封手段が設けられる。セルの温度を制御してモニタし、参照電極と測定電極の間を流れる電流(IP)を制御するための手段も設けられる。TC未満の温度(Tads)では、有機汚染物質分子が測定電極の表面上に吸着されてそこで解離し、その表面で炭素質堆積物の蓄積がもたらされる。TCを超える温度(Ttit)では、参照電極と測定電極の間に電流(IP)が通され、それによって参照電極から測定電極まで通ってその表面に形成した炭素質堆積物を酸化する酸素アニオンの数と二酸化炭素の生成とが制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造産業で使用されるような低酸素濃度の処理環境における有機汚染物質の検出のためのセンサ、このようなセンサの使用、及びそのような処理環境における有機汚染物質の検出のための新規な方法に関する。「低酸素濃度の処理環境」という用語は、酸素の分圧が10-6ミリバールから10-3ミリバール(10億分の1から百万分の1)の程度である処理環境を意味するように理解されるものとする。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造産業において、ウェーハが製造される雰囲気(処理環境)を制御することは重要である。ウェーハは、望ましくない又は変動するレベルの有機汚染物質が装置及び/又は機器の故障をもたらす可能性があるので、制御された環境で製造されることが望ましい。
10-9ミリバールから10-6ミリバールの分圧に対応する、1兆分の1(ppt)から10億分の1(ppb)の範囲のレベルの汚染有機物質は、一般的に装置又は機器の故障をもたらさない。しかし、有機汚染物質のレベルがこれよりもずっと高くなれば故障が起こる可能性がある。処理環境を制御するためには、存在する有機汚染物質のレベルをモニタすることが必要である。特に、一部の処理は、低ppb範囲の有機汚染物質に敏感であり、従って、これらの処理に関してppt範囲で汚染物質のレベルをモニタすることが望ましい。しかし、そのようなモニタリング工程は高価であり、そのような低汚染レベルで存在する全有機化合物(TOC)に関する正確な値を判断するのは困難である。更に、多くの製造工程は、ほとんどの表面との特に低い反応確率を有し、従って様々な汚染誘発反応に介入しないメタン(CH4)及びエタン(C26)のような軽質飽和炭化水素に耐性がある。
【0003】
真空ベースの処理環境では、TOCレベルは、質量分析計がppt程度の汚染レベルを測定することができるので、多くの場合に質量分析法を用いて判断される。しかし、このような測定の解釈は、多くの場合に、例えば質量スペクトルのオーバーラップ、分子崩壊、及び背景効果のような影響により複雑である。
質量分析計は、周囲圧力又はそれを超える圧力で作動する処理環境に使用することができるが、付加的な真空システム及びサンプル取扱システムが必要とされ、これらは、そのような測定器を非常に高価にする。このような状況の下では、処理環境に存在するTOCのレベルをモニタするためにガスクロマトグラフィ技術を用いるのが好ましい。しかし、ppt範囲の汚染物質をモニタするためには、ガスクロマトグラムにガス濃縮器を取り付けることが必要である。
【0004】
注意すべきことは、質量分析法及びガスクロマトグラフィは、pptレベルのTOCを検出することはできるが、先に言及した処理耐性軽質炭化水素の存在をより有害な有機化合物から区別する能力は限定さており、それが処理環境内の損傷を与える炭化水素の全体レベルを判断することを困難にしていることである。
更に、処理環境内に存在するTOCレベルを判断するための質量分析技術又はガスクロマトグラフィ技術の何れもが専門の機器を必要とし、それらは、かなり高価になる傾向があり、より有用な「ポイント・オブ・ユース(POU)」モニタではなく、施設全体のための「ポイント・オブ・エントリ(POE)」モニタとしてのみ通常は使用される。
【0005】
メタン(CH4)及びエタン(C26)のような軽質炭化水素を含む炭化水素は、一般的な酸化錫(SnO2)ベースのセンサ装置を用いて日常的にモニタされている。これらのセンサは、一般的に数十ppb(10億分の1)から数千ppm(百万分の1)の範囲のターゲットガスを検出するために大気圧の下で作動する。この種のセンサは、モニタされる環境内のターゲットガスの量に正比例する線形出力信号を提供することにより、これらの範囲内で有効に機能する。これらのセンサは、周囲環境内の汚染物質レベルをモニタするのには適切であるが、半導体処理環境内で見られるもののような大気圧以下の処理環境での用途には役立たない。そのような真空状態の下では、SnO2型センサは、活性酸化物含量の低下を引き起こし、ある一定の期間後の信号ドリフト及び無応答をもたらすことになる。
【0006】
酸素アニオン導体、又は銀又は水素カチオン導体のような固体電解質を含む化学センサは、処理環境に存在する酸素、二酸化炭素、及び水素/一酸化炭素ガスのレベルをモニタするのに使用されており、英国特許出願番号0308939.8及びGB2,348,006A、GB2,119,933Aにそれぞれ説明されている。そのようなセンサは、測定電極、参照電極、及びこれらの電極の間に配置されて電極を架橋する適切なイオン導体の固体電解質を含む電気化学セルから一般的に形成される。
例えば、GB2,348,006Aのガスモニタは、検出されるガスに対応するアニオンを有する銀塩を含有する検出電極、銀イオン導電性固体電解質、及び参照銀電極を含む。このガスモニタは、適合アニオンの適切な選択を通して二酸化炭素、二酸化硫黄、三酸化硫黄、窒素酸化物、及びハロゲンのようなガスを検出するのに使用することができる。
【0007】
英国特許出願番号0308939.8の酸素センサに関して、固体電解質は、酸素アニオンを導電し、参照電極は、酸素の解離吸着に触媒作用を及ぼすことができる触媒で全体的に被覆されるか又は触媒で形成されて参照環境内に配置され、そこでは参照電極に隣接する酸素の濃度は一定に保たれる。
固体酸素アニオン導体(固体電解質)は、ガドリニウムドープ・セリア又はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のようなドープした金属酸化物から一般的に形成される。各電解質に関する臨界温度(TC)よりも低い温度では、電解質材料は非導電性である。TCよりも高い温度では、電解質は、徐々により導電性になる。
【0008】
いずれかの監視下環境でこのようなセンサによって判断される時の酸素レベルは、測定電極及び参照電極の両方での酸素ガスの還元によって発生する電気化学電位によって判断される。各電極での全体的還元反応に関連する段階は以下に示されており、各電極での半電池反応は、次の式1及び式2で規定される。
2(gas) ← 2O(ads) 式1

(ads) + 2e- ← O2- 式2

各電極で発生する電気化学電位は、ネルンストの式:
【0009】

【0010】
によって判断され、ここで、Eは、それぞれ参照電極又は測定電極での電気化学半電池電位であり、EΘは、単位O(ads)活量の時のセルの標準電気化学半電池電位であり、Rは、ガス定数であり、Tは、セルの温度であり、Fは、ファラデーの定数であり、a(Oads)及びa(O2-)は、それぞれ、電極表面での吸着酸素の活量及び固体イオン導体内の還元酸素アニオンの活量である。
【0011】
電極表面での吸着酸素の活量は、次の式4で定めるように電極に隣接する環境内の酸素ガスの分圧PO2に正比例する。

定義によってa(O2-)が1であり、電極表面での吸着酸素の活量は、電極表面に隣接する環境内の酸素の分圧に比例する(式4)ので、半電池電位は、それぞれ測定電極又は参照電極に隣接する特定の環境内の酸素の分圧に関して表すことができる。
【0012】

【0013】
セルにわたって発生する電位差Vは、式6に従って参照電極と測定電極の間の半電池電位の差を用いて定義される。
【0014】

【0015】
ここで、Vは、セルにわたる電位差であり、E(R)及びE(M)は、それぞれ参照電極及び測定電極での電気化学電位であり、R、T、及びFは、上記で定義されており、PO2(R)及びPO2(M)は、それぞれ参照電極及び測定電極の酸素の分圧である。
【0016】
参照電極及び測定電極の両方が同じ酸素分圧、例えば、大気レベルの酸素に露出された場合、セルにわたる電位差がゼロになることに注意されたい。半導体製品の製造において見られる酸素不足環境のような処理環境においては、測定電極に隣接する酸素の分圧は、参照電極に隣接する酸素の分圧よりもかなり小さい。各電極での電気化学電位は、ネルンストの式によって支配されるので、測定電極での酸素分圧が低下すると測定電極での電気化学電位が変化し、それは、臨界温度を超える温度でのセルにわたる電位差の形成をもたらす。セルにわたる電位差は、先の式6によれば参照電極及び測定電極での酸素の分圧の比率によって判断される。従って、酸素センサは、単にセルにわたる電位差の判断から監視下環境に存在する酸素の全量の表示を使用者に提供することができる。
しかし、非反応性有機化合物に対して感度は低いが、処理環境をポイント・オブ・ユースで分析するのに使用することができる同様の簡単で廉価な半定量的センサへの必要性が存在する。本発明は、少なくともその好ましい実施形態においてその必要性に対処するものである。
【0017】
【特許文献1】英国特許出願番号0308939.8
【特許文献2】GB2,348,006A
【特許文献3】GB2,119,933A
【発明の開示】
【0018】
本発明の第1の態様は、低酸素濃度の監視下環境で用いる有機汚染物質分子センサを提供し、このセンサは、酸素アニオン伝導が臨界温度TC以上で生じる固体酸素アニオン導体と、監視下環境に露出するように導体の第1の表面上に形成され、有機汚染物質分子の解離吸着に触媒作用を及ぼす材料を含む測定電極と、参照環境に露出するように導体の第2の表面上に形成され、酸素アニオンへの酸素の解離に触媒作用を及ぼす材料を含む参照電極とを含む電気化学セル;セルの温度を制御してモニタするための手段;及び参照電極及び測定電極の間を流れる電流を制御するための手段を含み、それにより、TCよりも低い温度で有機汚染物質分子が測定電極の表面上に吸着されてこの表面で解離し、その表面での炭素質堆積物の蓄積がもたらされ、TCを超える温度で参照電極と測定電極の間に電流が通されて、それにより参照電極から測定電極まで通ってその表面に形成した炭素質堆積物を酸化する酸素アニオンの数及び二酸化炭素の形成が制御される。
【0019】
有機汚染物質のない時は、温度Ttit及び定電流IPでのセルにわたる電位差VOは一定であり、電極表面に到達する酸素アニオン(O2-)の流束と先の式1及び式2に従った電極表面からの酸素ガス(O2(g))の脱着速度との間の平衡によって判断される。
しかし、炭素質堆積物が電極上に存在する時には、それらは、電極表面に到達する酸素アニオンの流束によって二酸化炭素に酸化される(燃焼する)。これは、この表面での酸素アニオン(O2-)の平衡濃度を低下させる効果を有し、これは、先の式3に従ってセルにわたる電位VmがVOに比較して高くなることを意味する。セルに電流IPが印加されると、酸素アニオンは、参照電極から測定電極に流動させられ、そこで酸素アニオンは、電極の表面に吸着段階中に形成した炭素質堆積物と反応し、二酸化炭素の生成がもたらされる。炭素質堆積物が二酸化炭素に変換される時に、その濃度は、測定電極の表面でゼロにまで漸次低下し、測定電極の表面での酸素の濃度は、この電極への酸素アニオンの流束によって判断される一定の平衡値まで高まることになる。その結果、セルにわたる電位差は、一定値VOに復帰し、この電極の表面上の炭素質堆積物全てが除去されたという指示がもたらされる。
【0020】
測定電極の表面で形成した炭素質堆積物の全量は、電流IPの印加によって測定電極に移送される酸素の全量(炭素質堆積物の全てを酸化するのに必要である)をセルにわたる電位差がVmからVOに復帰するのに必要な時間tPにわたって測定することによって判断することができる。測定電極の表面への各酸素アニオンの移送は、2単位の電荷の通過を要するので、この電極の表面に移送される酸素原子の合計量は、以下の項:
【0021】

【0022】
によって判断される。
この電極の表面で堆積した炭素の各原子は、完全燃焼のために2酸素原子を要するので、滴定段階中に酸化され、従って吸着段階中にこの電極で堆積した炭素原子の合計量は以下のようになる。
【0023】

【0024】
有機汚染物質の吸着が測定電極の表面上に発生することができる時間と、温度Ttitで参照電極と測定電極の間に流れる電流IPの値と、セルにわたる電位差がVtitからVOに低下するのに要する時間tPとを制御することにより、1兆分の1(ppt)範囲又はそれ以下で処理環境内の有機汚染物質のレベルを滴定的にモニタすることができることが認められるであろう。従って、このセンサは、処理環境内の低レベルの有機不純物の測定において、質量分析法及びガスクロマトグラフィの使用に対する廉価な代替法を提供するものである。
【0025】
参照環境は、例えば、一定圧力の酸素の気体供給源(大気など)、又は一般的にCu/Cu2O及びPd/PdOのような金属/金属酸化物カップル又はCu2O/CuOのような金属酸化物/金属酸化物カップルである酸素の固体供給源とすることができる。
また、このセンサは使用が容易であり、ポイント・オブ・ユース並びにポイント・オブ・エントリで使用可能であり、半導体製造工程の全ての段階で処理環境に関する正確な情報を提供する。
【0026】
このセンサによって判断される汚染物質の合計レベルは、処理環境に存在する有害な有機汚染のレベルの半定量的な指示を提供することができる。処理環境に存在する非汚染性軽質有機分子は、測定電極の表面に付着せず、従って測定されない。電極表面との(従って、製造工程で遭遇する他の表面との)高い反応確率を有する有害な有機汚染物質のみが測定電極で解離し、その結果引続いて酸化され、測定電極によって検出され、従ってモニタされる。
【0027】
測定電極に付加される材料又は測定電極が形成される材料の注意深い選択は、有害な有機汚染物質の一部を他に優先して測定電極の表面上に吸着させることになる。好ましくは、測定電極は、有機物質の取り込みが1又は約1の付着確率で進行する材料で形成される。更に、好ましくは、この有機物質は、電極材料によって効率的に吸着されて分解される。更に、測定電極は、有機汚染物質の脱水素及び分解を適切に触媒することができる。適切な電極材料としては、レニウム、オスミウム、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、白金及びパラジウム、並びにそれらの合金から成る群から選択された金属が挙げられる。銀、金、及び銅と上述の材料との合金もまた使用される。
【0028】
センサは、当業者に公知の技術を用いて容易かつ簡単に製造される。感知電極、参照電極、及び任意的な対向電極は、イットリア安定化ジルコニアのような酸素アニオン導体固体電解質のシンブルにインク又はペイントの形態で又はスパッタリングのような技術を用いて付加することができる。感知電極は、気密シールの形成により、参照電極及び任意的な対向電極から隔離される。このセンサには、電解質の温度を制御する加熱器手段及び感知電極と参照電極及び対向電極それぞれとの間の電圧をモニタするための手段が適切に備えられる。
【0029】
参照電極は、参照環境内の酸素の解離に触媒作用を及ぼすことができる材料、例えば、白金で適切に形成することができる。参照環境は、酸素の気体又は固体供給源から得ることができる。通常、大気が酸素の気体参照供給源として使用されるが、他のガス組成物も使用することができる。酸素の固体供給源は、Cu/Cu2O及びPd/PdOのような金属/金属酸化物カップル又はCu2O/CuOのような金属酸化物/金属酸化物カップルで通常構成される。選択される特定の固体参照材料は、センサの作動環境及び特に滴定温度Ttitに依存することになる。酸素アニオン導体を含む固体電解質は、300℃を超える温度で酸素アニオン伝導を示す材料で適切に形成される。適切な酸素アニオン導体としては、ガドリニウムドープ・セリア及びイットリア安定化ジルコニアが挙げられる。固体酸素アニオン導体に用いる好ましい材料としては、8モル%イットリア安定化ジルコニア(YSZ)が挙げられ、この材料は市販されている。
【0030】
セルの温度を制御するために放射型加熱器を使用することができる。そのような加熱器には、固体電解質の周りに巻き付けられた加熱フィラメントが含まれる。白熱電球もまた使用することができる。熱電対をセルの温度をモニタするために使用することもできる。
参照電極と測定電極との間で酸素アニオンを移動させるために、100nAから100μAの電流を使用することができる。状況によっては、この範囲外の電流を使用することもできる。参照電極と測定電極との間で酸素アニオンを移動させるために使用する電流のマグニチュードは、電極の表面積及び電極表面で堆積した分解炭化水素の量に依存する。より大きい表面積を有する電極又は電極表面上に堆積した多量の分解炭化水素には、より大電流が一般的に必要とされることになる。このセンサは、好ましくは、セルにわたって生成される電位を測定する装置と併せて使用される。
【0031】
使用において、センサは、吸着モードと酸素滴定モードの間を連続的に循環する。
吸着モードにおいては、センサは一定温度Tadsに保たれ、この温度は、固体電解質内部の酸素アニオン伝導に関する臨界温度TCよりも低い。例えば、YSZの場合のTCは、300℃の範囲である。Tads及び感知電極材料は、Tadsでの感知電極の触媒特性が吸着した有機物質を脱水素/分解させ、この表面上に炭素質堆積物の蓄積をもたらすように選択される。例えば、白金電極の場合、Tadsは、20から80℃の範囲である。理想的な場合には、完全な脱水素/分解が発生し、吸着炭素の表層が残されることになる。
【0032】
センサは、Tadsの温度でtadsの時間にわたって保持され、その間に有機汚染物質の吸着が生じる。時間の長さtadsは、適切には、10から105秒であり、好ましくは、ほぼ102−103秒程度である。より高い感度は、より長い吸着時間を用いて達成することができる。しかし、吸着段階中での測定電極の飽和を避けることが望ましく、理由は、これが表面の付着/反応確率を変化させることになるからであり、通常は<0.5単分子層の表面被覆率が望ましい。電極の飽和が生じた場合には、それは、炭素質堆積物を測定電極の表面から焼いて除去し、より短い期間にわたって再吸着させることによって克服することができる。
【0033】
吸着段階中に炭化水素汚染物質の不完全な分解が生じた場合には、完全分解は、センサの温度を吸着温度Tadsと滴定温度Ttitの中間温度まで上昇させ、かつ任意的にセンサにわたって電位Viを印加することによって達成され、それらの条件の下で吸着炭化水素の完全分解が起こる。一部の用途においては、Viは、ゼロとすることができる。センサは、測定電極の表面上の炭素質堆積物へのあらゆる未分解炭化水素汚染物質の完全分解を可能にするのに十分な期間にわたってこの中間温度に保たれる。
【0034】
酸素滴定モードにおいて、吸着温度Tads又はこの中間温度のいずれかからTCよりも高い固定した絶対温度Ttitまでセンサ温度が急速に高められる。この昇温中、脱水素有機物質は表面上に残ることになる。Ttitになった状態で、僅かな電流IPが電気化学セルを通過して流され、式9によって酸素を感知電極表面に送りだす。100ナノアンペアから100マイクロアンペア程度の電流が適切に使用される。酸素は、式10に従って感知電極上の炭素質残留物を漸次燃焼させる。
2O2- → 2O(ads) + 4e- 式9
C(ads) + 2O(ads) → CO2 式10
【0035】
参照電極に対する感知電極の電位は、滴定反応が進行する時にネルンストの式3によって予測される平衡熱力学値に向うことになる。平衡熱力学電圧VOに達した時、酸素滴定反応が完了する。滴定反応の間にセルを通過して流れた電荷の合計量は、反応した酸素の量に正比例する。理想的な場合には、吸着段階中に蓄積した炭素の量は、式9及び式10により全電荷の1/4になることになる。炭素の量は、吸着段階に入る時間及び感知電極の表面積から判断することができる。
【0036】
湿式の電位差滴定手段及びサイクリック・ボルタンメトリーは、溶液中の既知の汚染化学種のレベルをモニタするために多くの場合に用いられる。これらの過程の全ては液相内で行われ、溶液の主成分として主に水を用い、酸化/還元を直接生じさせるために電子を用いる可逆電極過程を使用する。気相電気化学は、ポテンショメトリック及びアンペロメトリックの両方の電気化学センサ及び固体酸化物燃料電池の領域に限定され、そのいずれもいかなる種類の滴定反応も用いない。
【0037】
従って、従来技術の湿式の滴定手段とは対照的に、このセンサは、固体電解質を用いる気相内の微量の有機汚染物質の滴定定量を容易にすることが認められるであろう。
センサは、ただ2つの電極(参照電極及び測定電極)のみを用いて使用することができるが、上述のように測定電極及び参照電極に加えて対向電極を含む電極構成を用いることが好ましい。対向電極は、参照電極に隣接して配置され、参照電極と同じ参照環境に接触している。本発明の好ましい実施形態では、電流IPは、対向電極と測定電極の間を流れる。従って、参照電極は、一定な参照環境を提供し、それに基づいて測定電極及び対向電極の両方の電気化学電位及び従ってセルにわたる電位差を判断することができる。対向電極は、好ましくは、酸素の解離に触媒作用を及ぼす白金のような材料で形成される。
【0038】
センサの上面及び底面の寸法は、通常は数平方センチメートル又はそれ以下の程度である。各表面上に形成又は堆積される電極は、従って、それに従った寸法とされる。感知電極及び対向電極は、各々が通常1cm2程度である。参照電極は、通常はそれよりも小さい寸法である。各電極は、通常は約0.1から約50μmの厚みである。
このセンサを処理環境内の微量の有機汚染物質のレベルをモニタするために使用することができることが認められるであろう。従って、本発明の第2の態様は、処理環境内の微量の有機汚染物質のレベルをモニタするための上述のようなセンサの使用を提供する。
【0039】
処理環境内の微量の有機汚染物質のレベルをモニタする方法において本発明の第1の態様のセンサを使用することができることが更に認められるであろう。従って、本発明の第3の態様は、監視下処理環境内の微量の有機汚染物質のレベルをモニタする方法を提供し、本方法は、酸素アニオン伝導が臨界温度TC又はそれよりも高い温度で生じる固体酸素アニオン導体と、監視下環境に露出するようにこの導体の第1の表面上に形成され、有機汚染物質分子の解離吸着に触媒作用を及ぼす材料を含む測定電極と、参照電極に露出するようにこの導体の第2の表面上に形成され、酸素アニオンへの酸素の解離に触媒作用を及ぼす材料を含む参照電極とを含む電気化学センサを設ける段階と、測定電極をセンサ温度Tadsで監視下環境に時間tadsにわたって露出し、1つ又はそれよりも多い有機汚染化学種を測定電極の表面上に吸着させてそこで脱水素化し、それによって測定電極表面での炭素質堆積物の蓄積をもたらす段階と、センサの温度を固体酸素アニオン導体の臨界温度TCを超える値Ttitに上昇させ、電極表面に達する酸素アニオンの流束と電極表面からの酸素ガスの脱着の速度との間の平衡によって判断される一定値にセンサにわたる電位差が達するのに要する時間tPにわたって電流IPを参照電極と測定電極の間に通す段階と、温度Ttitでセンサを通過した全電荷(IPP)から測定電極の表面に存在する炭素質堆積物の量及び従って処理環境内に存在する有機汚染化学種の濃度を判断する段階とを含む。
ここで、本発明の好ましい特徴を添付図面を参照して単に例示的に以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1の電気化学センサは、イットリウム安定化ジルコニウム酸素アニオン導体チューブを構成する固体電解質12の1つの側に堆積した測定電極10を含む。測定電極は、真空スパッタリング又はいずれかの適切な市販「インク」の表面への付加のような技術を用いて堆積させることができる。測定電極10がインクを用いて電解質12の表面上に形成される場合には、全体のアセンブリは、インクの性質によって判断される適切な雰囲気内で焼成されるべきである。好ましい実施形態では、測定電極10は白金で形成される。代替的に、測定電極10は、電極表面でのプロピレンのような炭化水素汚染物質の炭素質物質への脱水素に触媒作用を及ぼすいずれかの他の材料で形成することができる。使用中は、測定電極10は、監視下環境14に接触して置かれる。
【0041】
参照電極16は、電解質12の測定電極10と反対の表面に測定電極10に関して説明したものに類似する技術を用いて形成される。好ましい実施形態では、参照電極16は白金で形成される。代替的に、参照電極16は、酸素アニオンへの酸素の解離に触媒作用を及ぼすことができるいずれかの他の材料で形成することができる。使用中は、参照電極16は、この実施形態では大気のような一定圧力の酸素の気体供給源である参照環境18に接触して置かれる。電極10及び16、及び電解質12は、一緒に電気化学セル14を形成する。
【0042】
センサは、取り付けフランジ20を用いてモニタされる環境に取り付けられ、測定電極10は、気密シール22の使用によって参照電極16から通常は隔離される。このようにして、監視下環境14を参照電極16及び参照環境18から分離することができる。
センサには、センサを加熱してセンサの温度指示を提供するための加熱器及び熱電対アセンブリ24が設けられる。加熱器及び/又は熱電対は、図示のように内蔵型カートリッジアセンブリとすることができ、又は電極の形成よりも前に電解質に結合され、電極の形成に引続いて電解質上にスパッタリングされ、若しくは参照電極及び対向電極からの感知電極の隔離の前に又はそれに引続いて電解質の周りに巻くことができる。センサの温度は、適切な制御装置26によって制御することができる。
【0043】
定電流電源28もまた参照電極16から測定電極10に流れる電流を制御するために設けられる。セルにわたる電位差を測定するために、電圧電流計30もまた設けられる。
使用中は、センサは、吸着段階と滴定段階の間を循環する。吸着段階において、測定電極10は、いずれかの有機汚染物質を含むモニタされる環境に露出される。センサは、温度Tadsで時間tadsにわたって保持され、その間にいずれかの有機汚染物質が測定電極10の表面に吸着されてこの表面で脱水素化され、そこでの炭素質堆積物の形成がもたらされる。次に、センサは滴定段階に入る。センサの温度は、電解質が導電性になる臨界温度TCを超える温度Ttitに高められる。温度Ttitになった状態で、既知量の電流IPが参照電極16と測定電極10の間に流され、それによって酸素アニオンが参照電極から測定電極に通過させられ、そこで酸素アニオンが酸化されて吸着段階中に測定電極の表面で形成した炭素質堆積物と反応し、二酸化炭素が生成される。
【0044】
滴定段階中、セルにわたる電位差は、電流IPによって特徴付けられる一定値VOにこの電位差が達するのに要する時間と共にモニタされる。この一定電位の確立は、測定電極10の表面に存在する炭素質堆積物の全ての完全酸化を生じさせるのに十分な酸素が参照電極と測定電極の間に通過し終え、従って酸化滴定が終点に達したことを示している。
測定電極の表面上の全ての炭素質堆積物が酸化されるのに要する時間を測定することにより、吸着段階中に測定電極の表面上で形成された炭素質堆積物の量を判断することができる。従って、吸着段階の長さは既知であるから、単位時間当りに電極の表面上に形成する炭素質堆積物の量及びそれから処理環境内の微量の有機物質の濃度を判断することが可能である。
【0045】
図2は、センサの第2の実施形態を示し、参照数字は、添字「a」がセンサの2つの種類を識別するために加えられていることを除いて、上述のものと同じ要素に関連する。この実施形態では、参照環境は、通常はガラス材料である密封材料32によって感知環境から密封されている固体参照材料によって設けられる。この実施形態は、任意的な対向電極34もまた含んでいる。
この実施形態では、電流発生手段28aは、対向電極34と測定電極10aの間に電圧測定装置30aで発生する誤差を最小化するように定電流を流す。電圧測定装置30aは、測定電極10aと参照電極16aの間の電圧を測定する。
【0046】
図3は、セルを通過した全電荷と、滴定時間ttitにわたるこのような電荷の通過中のセルにわたる測定電位差との両方における変化を示している。下側の曲線は通過した全電荷を表し、上側の曲線はセルにわたる電位差を表す。全電荷が最大値に向けて増大する時に、セルにわたる電位差は、最大値から最小値に向けて低下する。セルにわたる電位差が電流IPの印加時に判断された最大値から最小一定値まで変化するのに要した時間は、測定電極の表面からの全ての炭素質堆積物の酸化に要した時間である。
【実施例1】
【0047】
センサの構成
参照電極及び測定電極並びに任意的な対向電極は、真空下でスパッタリングするか又はインク製造業者によって与えられた手順に従って市販「インク」を用いて適切な雰囲気内でアセンブリを焼成することにより、酸素アニオン導電性電解質のシンブル/ディスク(様々な供給元から市販されている)上に形成された。
測定電極を参照電極及び任意的な対向電極から隔離するために、気密シール(真空及び加圧の両方に耐える)が標準的な方法を用いて酸素アニオン導電性電解質の周囲に形成された。センサが加熱される方式に依存して、加熱器/熱電対は、製造中のいずれかの適切な段階で追加することができる。
【実施例2】
【0048】
処理ガス中のTOCレベルの判断
300℃のTCを有するYSZ固体電解質と、1cm2の表面積(A)を有し、1015原子/cm2の表面密度ρを有する白金測定電極とを有するセンサが、温度Tadsで103秒の時間tadsにわたってプロピレンを含有する処理ガスに露出された。感知電極上の有機汚染物質に対する平均付着確率Sは0.1である。センサの温度がTtitに高められ、2×10-6Aの電流IPが参照電極と測定電極の間に通された。電流の通過中にセルにわたる電位差は、100秒の期間ttitにわたって350mVの一定値に低下した。参照電極と測定電極の間を通過した全電荷は、従って2.10-3クーロンであり、これは、式11により炭素質堆積物の0.3単分子層の形成に対応するものである。
【0049】

【0050】
有機汚染物質(炭素原子の当量として表された)の全等価分圧(ミリバール)は、以下の式12及び13を用いて1.0×10-8ミリバール又は1.0pptと計算される。
【0051】

【0052】

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】電気化学センサの第1の実施形態を示す図である。
【図2】電気化学センサの第2の実施形態を示す図である。
【図3】滴定時間ttit中のセルにわたる電圧とセルを通過する全電荷との間の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10 測定電極
12 固体電解質
14 監視下環境、電気化学セル
16 参照電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低酸素濃度の監視下環境で使用するための有機汚染物質分子センサであって、
酸素アニオン伝導が臨界温度TC又はそれよりも高い温度で生じる固体酸素アニオン導体と、監視下環境に露出するように該導体の第1の表面上に形成され、有機汚染物質分子の解離吸着に触媒作用を及ぼす材料を含む測定電極と、参照環境に露出するように該導体の第2の表面上に形成され、酸素アニオンへの酸素の解離に触媒作用を及ぼす材料を含む参照電極とを含む電気化学セルと、
前記セルの温度を制御及びモニタするための手段と、
前記参照電極と測定電極の間に流れる電流を制御するための手段と、
を含み、
それによってTC未満の温度では、有機汚染物質分子が、前記測定電極の表面上に吸着されてそこで解離し、その表面での炭素質堆積物の蓄積をもたらし、TCを超える温度では、前記参照電極及び測定電極の間に電流が通され、それによって該参照電極から該測定電極まで通ってその表面に形成した該炭素質堆積物を酸化する酸素アニオンの数と二酸化炭素の形成とが制御される、
ことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記測定電極は、レニウム、オスミウム、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、及びパラジウム、及びそれらの合金から成る群から選択された材料で被覆されるか又はそれから形成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記合金は、銀、金、及び銅から選択された1つ又はそれよりも多い元素を含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記参照電極は、酸素の解離に触媒作用を及ぼすことができる材料から形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記参照電極は、酸素を解離的に吸着することができる白金、パラジウム、又は他の金属、又はそのいずれかの合金から形成されることを特徴とする請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記固体酸素アニオン導体は、ガドリニウムドープ・セリア及びイットリア安定化ジルコニアから選択されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記参照電極に隣接して位置決めされた対向電極を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項8】
前記対向電極は、酸素を解離的に吸着することができる白金、パラジウム、又は他の金属から形成されることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記参照環境は、大気圧での酸素の気体供給源、好ましくは大気であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記参照環境は、酸素の固体供給源を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項11】
前記固体供給源は、Cu/Cu2O又はPd/PdOであってよい金属/金属酸化物カップル又はCu2O/CuOであってよい金属酸化物/金属酸化物カップルから選択されることを特徴とする請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
前記セルの温度を制御又はモニタするための手段は、加熱器及び熱電対構成を含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項13】
センサにわたって電位を供給するための手段を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項14】
低酸素濃度の監視下処理環境において微量有機汚染物質のレベルをモニタするための請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のセンサの使用。
【請求項15】
監視下処理環境において微量有機汚染物質のレベルをモニタする方法であって、
酸素アニオン伝導が臨界温度TC又はそれよりも高い温度で生じる固体酸素アニオン導体と、監視下環境に露出するように該導体の第1の表面上に形成され、有機汚染物質分子の解離吸着に触媒作用を及ぼす材料を含む測定電極と、参照環境に露出するように該導体の第2の表面上に形成され、酸素アニオンへの酸素の解離に触媒作用を及ぼす材料を含む参照電極とを含む電気化学センサを設ける段階と、
前記測定電極をセンサ温度Tadsで前記監視下環境に時間tadsにわたって露出し、1つ又はそれよりも多い有機汚染物質化学種を該測定電極の表面上に吸着させてそこで脱水素化させ、それによってその表面での炭素質堆積物の蓄積をもたらす段階と、
前記センサの温度を前記固体酸素アニオン導体の臨界温度TCを超える値Ttitまで上昇させ、前記参照電極と前記測定電極の間に、該電極表面に到達する酸素アニオンの流束と該電極表面からの酸素ガスの脱着の速度との間の平衡によって判断される一定値に該センサにわたる電位差が達するのに要する時間tPにわたって電流IPを通す段階と、
温度Ttitで前記センサを通過した全電荷(IPP)から、前記測定電極の表面に存在する炭素質堆積物の量及び従って前記処理環境に存在する有機汚染物質化学種の濃度を判断する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記吸着段階に続いて、前記センサは、前記測定電極の表面上のあらゆる未分解炭化水素汚染物質の炭素質堆積物への完全変換を容易にするためにTadsとTtitの中間の温度まで加熱され、その後、該センサの温度は、Ttitまで高められることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
adsは、20から150℃の範囲であることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
adsは、102から105秒の範囲であることを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
adsは、104秒の桁であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
titは、300から600℃の範囲であることを特徴とする請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
Pは、10nAから100μAの範囲であることを特徴とする請求項15から請求項20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記センサには、前記参照電極に隣接する対向電極が設けられていることを特徴とする請求項15から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記参照環境は、大気圧での酸素の気体供給源、好ましくは大気であることを特徴とする請求項15から請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記参照環境は、酸素の固体供給源を含むことを特徴とする請求項15から請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記固体供給源は、Cu/Cu2O又はPd/PdOであってよい金属/金属酸化物カップル又はCu2O/CuOであってよい金属酸化物/金属酸化物カップルから選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
電位Viが、前記センサにわたって印加されることを特徴とする請求項15から請求項25のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−502976(P2007−502976A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523667(P2006−523667)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003370
【国際公開番号】WO2005/019817
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(591004445)ザ ビーオーシー グループ ピーエルシー (59)
【Fターム(参考)】