説明

電気化学的触媒システムを組み込んだ、組織化された精製用構造物

汚染されたガスの精製のための構造物であって、相互接続した粒の形における無機材料の多孔性マトリックスと、該ガスの処理のための電気化学的システムを含み、該システムはNOxタイプの汚染種を還元するための還元触媒A、炭化水素HCタイプ又はCOタイプの汚染種を酸化するための酸化触媒B、電子伝導性化合物C及びイオン伝導性化合物Dにより形成され、該構造物は、触媒A及びBが該無機材料の孔中に置かれ、該マトリックスを構成する無機材料の粒及び場合により粒境界がそれらの表面の少なくとも1部において組織化材料で覆われ、該組織化材料がイオン性、電子性又はイオン性/電子性であり、そして、夫々、該電気化学的ガス処理システムの要素C,要素D又は要素C及びDを構成する、ことにより特徴付けられる構造物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にNOxタイプのガス状汚染物質を含むガスを精製するための構造物の分野に関する。より詳しくは、本発明は、特にガソリンエンジン又は好ましくはジーゼルエンジンの排気ガスを処理するのに用いられるハニカム構造物であって、該NOxタイプの汚染種を還元するための還元触媒Aと、炭化水素HCを酸化するため、及び/又は煤を酸化する及び/又はHC+HO→3/2H+COタイプの水蒸気改質反応及び/又はCO+HO→H+COタイプの水性ガス反応のための酸化触媒B、とを組み合わせたシステム、を組み込んだ(incorporating)ものに関する。
【背景技術】
【0002】
特にガソリン又はジーゼル自動車の排気ライン出口における、汚染されたガスを精製することに関連した技術及び問題は、当業界でよく知られている。常用の三元触媒が、NOx、CO及びHC汚染物質の組合せ処理のため、並びにそれらの、N,CO及びHOのような不活性な及び化学的に無害なガスへの転化、のために使用される。
しかし、該システムの非常に高い効率は、空気/燃料混合物の高濃度(richness)を継続的に調節ことによってのみ達成される。かくて、該混合物の化学量論量からの僅かな逸脱が汚染物質発生の実質的増加をもたらすことが知られている。
【0003】
この問題を解決するため、該混合物が低濃度(lean)(即ち化学量論量以下)のとき一時的に該NOxを固定する(fixing)ための触媒材料を結合する(incorporate with)こと(当業界で、しばしば、NOxトラップと呼ばれる)が提案された。しかし、そのようなシステムの主な欠点は、該NOxの還元が、高濃度混合物によるその後の段階の間における燃料の過剰消費損失においてのみ起こる、ということである。触媒上にトラップされたNOxの脱着とそれらのガス状Nへの触媒的還元は、還元触媒の中で、炭化水素又は一酸化炭素CO、そうでなければH2、の形の十分な量の還元種が存在するときにのみ得られ、水素自体は炭化水素HCと水蒸気との間の又はCOと水蒸気との間の触媒反応により得られ得る。
【0004】
現在、低濃度雰囲気中、即ち過剰量の酸素の存在下で、NOxをNに実質的に転化し得るシステムは知られていない。本発明の狙いの1つは、特にそのようなシステム、特に排気ガスが低濃度の空気/燃料比を持つ場合であっても実質的な量のNOxを転化し得るシステム、を提供することである。
【0005】
電気化学的触媒システムは特許US 6 878 354によりよく知られており、それは理論上、化学量論量から外れた状態で作動しているときであっても該NOxを転化することを可能にする。該システムはHC及びCO酸化触媒とNOx還元触媒の組合せを含み、該2つの触媒は、金属又は無機材料により電気化学的電池のモデル上に結合されている。これらの材料、該複数触媒の間の接続を提供する、は、電子伝導体又はイオン伝導体から選ばれ、該システム中に、同時的な還元及び酸化反応に必要な様々な荷電種(例えば、電子及び酸素イオンO2−)を「連続的に」送り込む。
【0006】
そのようなシステムは、ガス状媒体の条件とは独立に、互いに接続された(connected)還元触媒Aと酸化触媒Bとの間に電気化学的反応が起こることを可能にするので有利に見える。その刊行物によれば、そのようなシステムは、特にエンジンが低濃度混合物で作動しているとき、汚染種の触媒的転化を増加させ得る。著者によれば、イオン伝導体D及び電子伝導体Cを含むそのようなシステムの存在は、同時的な、HC、CO、煤及びHタイプの還元種の酸化と該NOxタイプの酸化種の還元を可能にする。
【0007】
しかし、そのようなシステムの効率は、その正確な作動が、該電気化学的システムを構成する4つの要素間の密接な接触(contact)を必要とするので、制限されるように見える。かくて、該特許US 6 878 354に記載された実施態様において、触媒A及びBは、モノリス(monolith)上に粒子の形で堆積される(deposited)。これは、得られる性質が、使用される担体上の様々な構成物に対応した様々な相の分散に強く依存するためであり、該電気化学的システムが正しく作動するためにはこれら4つの要素間の接続が必要である。
【0008】
更に、該汚染種を転化する効率はまた、イオン及び電子伝導体として使用される材料の固有の特性により、実質的に制限され得る。より正確には、該電気化学的システムは互いにランダムに堆積した小粒子からなるので、その効率は、一方では粒子間の接続により、他方では該電気化学的触媒システムが正しく作動するために利用可能な伝導種(電子及び/又はイオン)の量が少ないことにより、必然的に制限される。最も特徴的には、該担体の孔中に触媒A及びBを堆積するための手順、殊に該触媒を含む溶液の含浸のためのプロセス条件、を決定するのは極めて困難であり、経験は、該電気化学的システムの最適な作動に必要な該ADB又はBDA又はACB又はBCAタイプの逐次的(successive)接触を促進する活性部位(site)の理想的分布を得ることが、実施も再現も極めて困難であることを示す。特に、該含浸堆積プロセスが部分的に高すぎる又は不規則な堆積厚さをもたらす場合、該活性部位の分布に問題が生じる。
【0009】
更に、多孔支持体(substrate)への触媒A又はBの含浸溶液の接着の問題もまた見られた。接着不足は、該電気化学的システムの最適な作動のために必要な均質且つ均一な特性を有しない最終被覆により、特に特徴付けられる。これは、表面が比較的に平滑及び/又は凸である粒が相互接続した(interconnected)形のマトリックス、特に炭化ケイ素(SiC)微結晶間の相互接続により得られるマトリックス、についてはなお一層重大である。
【0010】
上記の堆積の問題を解決するための可能な解決手段の1つは、含浸に使用する溶液中の触媒A及びBの濃度を増すことであり得よう。しかし、その後該無機材料の孔中に堆積される材料の量を増すことは、該ろ過用構造物に関係した圧力低下の実質的な増加をもたらす。該濾過用構造物の多孔度の増加による補償は、必然的に該多孔構造物の機械的及び熱機械的強度の低下をもたらすということが明確に注目されるべきである。
【0011】
上記の実施問題を解決する必要性に加えて、時間が経っても十分安定な触媒能力を持つ構造物を得る必要性がある。より詳しくは、触媒活性は、現在及び将来の汚染物制御標準に従って、ろ過材の寿命期間中許容できる範囲に止まらねばならない。
【0012】
本出願人により行われた試みはまた、米国特許6 878 354に記載された触媒システムの場合、老化(aging)問題が生じることを示した。この問題は、より厚い被覆により、幾分解決し得る。しかし、そのような被覆は上記したのと同じ問題をもたらし、触媒中へのより大量の貴金属の使用を必要とするであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明による構造物の目的は、特にろ過用用途に適し、特にエンジンが低濃度混合物モードで作動しているとき、特に還元されるNOxの量に関し、改善された精製能力を持ち、圧力低下及び老化に耐性持つ、電気触媒化(electrocatalyzed)担体を提供することにより上記した問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
より詳しくは、本発明は、例えばジーゼル又はガソリンエンジンの排気ガスのような汚染されたガスの精製のための、構造物、好ましくはハニカム構造物であって、次のものを含む構造物に関する:
− 無機材料の多孔マトリックスであって、複数の粒の形であり、粒同士は相互接続してそれらの間にキャビティーを備えており、それにより開放多孔度(open porosity)は20〜70%であり、細孔分布の直径中央値(median diameter)は5〜40μmであるもの;及び
− 電気化学的システムであって、次のもので形成されるシステム:
a. NOxタイプの汚染種を還元するための還元触媒A、
b. 炭化水素 HCを酸化するための酸化触媒B、
c. 電子伝導性化合物C及び
d. イオン伝導性化合物D、
該触媒AおよびBは化合物Cによる電子的接触及び化合物Dによるイオン的接触状態にあり、該構造物は次のように特徴付けられる:
− 触媒A及びBは、該無機材料の孔中におかれ;
− 該無機材料の粒、及び場合により(possibly)粒境界(grain boundaries)、はそれらの表面の少なくとも1部が組織化(texturizing)材料で覆われており、該組織化部(texturizing)は10nm〜5μの寸法を持つ不規則構造(irregularities)からなり;そして
− 該組織化材料は、イオン性、電子性又はイオン性/電子性の伝導体であり、そして、夫々が、該電気化学的ガス処理システムの要素C,要素D、又は要素C及びD、を構成している。
【0015】
例えば、該不規則構造は、例えばビーズ、微結晶、多結晶性クラスター、又は棒状もしくは針状の構造物、穴(hollows)もしくはクレーター(crater)、の形をとり、該不規則構造は約10nm〜約5ミクロンの平均直径d、及び約10nm〜約5ミクロンの平均高さh又は平均深さpを持つ。
【0016】
用語「平均直径d」は、本発明の記載の意味内で、該不規則構造の平均直径であると理解され、これらは、個々に、それらが位置する粒又は粒境界の表面に接する平面から定められる。
【0017】
用語「平均高さh」は、本発明の記載の意味内で、該組織化部により形成されるレリーフ(relief)の頂部と前述の平面との間の平均距離であると理解される。
【0018】
用語「平均深さp」は、本発明の記載の意味内で、一方は、くぼみ(impression)、例えば組織化部の穴又もしくはクレーター、により形成される最深点、と、他方は、前述の平面、との間の平均距離であると理解される。
【0019】
1つの可能な実施態様において、該不規則構造の平均直径dは、100nm〜2.5ミクロンである。
【0020】
例えば、該不規則構造の平均高さh又は平均深さpは、100nm〜2.5ミクロンである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】組織化処理前の、SiC粒からなる、作られたそのままの(as-formed)構造物のSEM写真である。
【0022】
【図2】実施例2で得られた組織化処理されたろ過材の、ろ過壁の横断面のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好ましい実施態様において、該組織化材料は、該多孔性マトリックスを構成する無機材料の粒、及び場合により粒境界、の全表面の少なくとも10%を覆う。好ましくは、該組織化材料は、該多孔性マトリックスを構成する無機材料の粒、及び場合により粒境界、の全表面の少なくとも15%を覆う。
【0024】
典型的には、該不規則構造の平均相当(mean equivalent)直径d及び/又は平均高さhもしくは平均深さpは、該マトリックスを構成する無機材料の粒の平均大きさの1/2〜1/1000と小さい。
【0025】
例えば、該不規則構造の平均相当直径d及び/又は平均高さhもしくは平均深さpは、該マトリックスを構成する無機材料の粒の平均大きさの1/5〜1/100と小さい。
【0026】
1つの可能な実施態様において、該組織化材料は、該マトリックスを構成する無機材料と同じ性質のものである。
【0027】
「同じ性質の」という表現は、本発明の文脈の範囲内で、該組織化材料と該マトリックスを構成する無機材料とが1つの同じ化合物、例えばSiCを基材とすることを意味し、換言すれば、該化合物(例えばSiC)は両方の材料中に少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも45重量%、非常に好ましくは70重量%存在する。
【0028】
該マトリックスを構成する無機材料は、例えば炭化ケイ素SiCを基材とする。特に、該無機材料はドープしたSiC、例えば400℃における電気抵抗率(electronic resistivity)が20Ω.cmより小さいようにアルミニウム又は窒素をドープしたもの、を基材とするものであり得る。
【0029】
最初の実施態様により、該不規則構造は、該多孔性マトリックスの粒の表面上に、微結晶により、又は焼成した(fired)もしくは焼結した材料の微結晶のクラスターにより、形成される。
【0030】
他の実施態様により、該不規則構造は電子伝導性及び/又はイオン伝導性材料のビーズから本質的に成る。
【0031】
或いは、該不規則構造はまた、該多孔性マトリックスの粒の表面上の、焼成したもしくは焼結した材料中に開いたクレーターの形をとり得る。
【0032】
本発明は又、上記の実施態様の1つによる、固体粒子及びガス状汚染物質の処理のための触媒ろ過材を得るための中間構造物に関し、そしてそれは複数の粒の形状である無機材料からなる多孔マトリックスを含み、粒同士は相互接続してそれらの間にキャビティーを備え、それにより開放多孔度は20〜70%であり、細孔分布の直径中央値は5〜40μmであり、該無機材料の粒は前述の請求項の1つによる組織化材料によりそれらの表面の少なくとも1部が覆われている。
【0033】
本発明は又、上記したようなろ過材を得るためのプロセスに関し、それは次の工程を含む:
− 複数の粒の形状である無機材料からなる多孔マトリックスであって、粒同士は相互接続してそれらの間にキャビティーを備え、それにより開放多孔度は30〜60%であり、細孔分布の直径中央値は5〜40μmであるもの、からなるハニカム構造物の形成及び焼成;
− 該ハニカム構造物の少なくとも幾つかの粒の表面への、例えばビーズ、微結晶、多結晶性クラスター、穴もしくはクレーターの形を持つ組織化材料の堆積;及び
− 引続く、該組織化ハニカム構造物の、触媒A及びB又は触媒前躯体並びに所望により該電子伝導性又はイオン伝導性材料又はそれらの前躯体を含む1種又はより多種の溶液による含浸。
【0034】
該プロセスに従って、該組織化用材料は、該粒の表面を覆うための該材料の泥漿(slip)の適用と引続く焼成又は焼結処理、無機のビーズ又は粒子の形の充填材を含むゾル-ゲル溶液の適用と引続く焼成又は焼結処理、そうでなければ、有機のビーズ又は粒子の形の充填材を含むゾル-ゲル溶液の適用と引続く焼成又は焼結処理、により堆積される。
【0035】
より正確には、本発明に従った組織化プロセスは次の1)又は2)のどちらかにより得られ得る:
【0036】
1)例えば、粉及び好ましくは水のような液体中の粉混合物からなる泥漿、あるいは鉱物粒子で充填されたゾル-ゲル、又は有機もしくは有機-鉱物性(organo-mineral)ゾル-ゲル、のような懸濁液であって、熱処理後に、アルミナと実質的に同等かもしくはより高い熱安定性を持つ結晶性及び/又はガラス質の無機性材料、好ましくはセラミック材料、かかる材料は大抵従来技術の触媒被覆の基本的な成分である、をもたらすものの堆積。該堆積に続く、好ましくは空気中、或いは例えば該支持体又は被覆の劣化又は酸化を避けるのに必要であれば例えばアルゴン又は窒素中のような制御された雰囲気中での、該支持体の1種又はより多種の熱処理。
【0037】
該支持体の機械的強さと結合性(integrity)が組織化操作に十分耐え且つ焼成条件が前記の組織化特性を得ることを可能にするのであれば、この組織化を生の(green)又は1部焼成された支持体に行うことも期待され得る。
【0038】
懸濁液の場合、無機(好ましくはセラミック)性の粉又はそれらの前躯体に加えて、該配合物は次のリストから選ばれる添加物を含み得る:1種又はより多種の分散剤(例えば、アクリル樹脂又はアミン誘導体);有機性のバインダー(例えば、アクリル樹脂又はセルロース誘導体)又は鉱物性のもの(例えば粘土);湿潤化剤又は皮膜形成剤(例えばポリビニルアルコールPVA);1種又はより多種の孔形成剤(例えば、ポリマー、ラテックス、ポリメチルメタクリレート)、これら機能の幾つかを組み合わせ得たこれら化合物の幾つか。
【0039】
粉もしくは前躯体の形及び粒径並びに該懸濁液の性質と同様に、これらの添加物の性質と量は微細組織とその支持体上の位置に影響を与える。好ましい組織化は、粒の表面だけでなく、1部は粒の境界で行われねばならない;
【0040】
2)キャリヤーガスによる粉又は粉混合物からの出発。例えばPVD(Physical Vapor Deposition)又はCVD(Chemical Vapor Deposition)による液状又はガス状種から出発する直接堆積もまた可能である。
【0041】
本発明に従って、ガス中の熱処理(例えば、SiCを基材とする支持体の場合はO又はN)のような他の組織化方法もまた使用され得る。操作条件及び支持体の性質によっては、プラズマエッチング又は化学エッチングプロセスもまた、本発明に従って組織化部を得るのに使用され得る。
【0042】
本発明による触媒被覆は、典型的には、担体材料又はその前駆体と活性相又はその前駆体の形での本発明による電気化学的システムの触媒を含む1種又はより多種の逐次的溶液(successive solutions)による含浸により得られる。一般に、使用される前駆体は有機もしくは鉱物塩又は化合物の形をとり、水性又は有機性溶液中に溶解又は懸濁している。該含浸に続き、固体の最終被覆と該ろ過材の孔中の触媒的活性相を得るための熱処理が行われる。
【0043】
そのようなプロセス、及びそれらを実施するための装置は、例えば次の特許出願又は特許中に記載されている:US 2003/044520、WO 2004/091786、US 6 149 973、US 6 627 257、US 6 478 874、US 5 866 210、US 4 609 563、US 4 550 034、US 6 599 570、US 4 208 454又はUS 5 422 138.
【0044】
還元反応のために使用される触媒Aは、それらの活性及び好ましくはNOx還元反応に関するそれらの選択性のために、従来よく知られている触媒から選ばれる。それらは、NOxトラップとしても機能するアルカリ又はアルカリ土類又は希土類タイプの化合物から選ばれ、それらは例えば出願EP 1 566 214中に記載されているものであり、その中で、それらは、高い比表面積を持つ粉、例えばアルミナ粉の表面に吸着により貴金属(Pt,Pd,Rh)を含む活性成分(active principle)との混合物として堆積されている。
【0045】
炭化水素酸化反応のために使用される触媒Bは、それらの活性及び好ましくは炭化水素酸化反応に関するそれらの選択性のために、従来よく知られている触媒から選ばれる。特に、石油化学及び精製分野で使用される改質及び水蒸気改質触媒が本発明に従って使用され得る。
【0046】
本発明による取り合わせ(arrangement)は、従来知られた非組織化構造物と比べて、次のことを含む多くの利点を持つ:
− 該担体の孔中への触媒システムの導入は、有利に、汚染物質をアクセスし得る触媒の発達した(developed)表面積、及びその結果としての反応種間の接触及び交換の可能性、の大きな増加を可能にする;
− 該マトリックスを構成する粒の表面への微細組織化部の導入は、この表面積の更なる増加を可能にする;
− 本発明によれば、該担体は、電子伝導体Cか、イオン伝導体Dか、又はイオン/電子伝導体C及びDか、の何れかを構成する。有利に、この取り合わせは、無制限な量の荷電種(イオン及び/又は電子)を持つ電気化学的システムの提供を可能にし、かくて、該システムの処理能力を明らかに改善する;
【0047】
− 該システムの限定された数の成分が、該担体上に堆積されるべきであり、それにより、触媒堆積条件との関係における該システムの能力の該担体への依存を大きく低減する;
− 該担体と該触媒システムとを構成する多孔性無機材料間の、好ましい化学的互換性(compatibility);
− 堆積される化合物の数が少ない、より簡単な堆積方法による製造コストの低減;
− 触媒効率の増加、該マトリックスの孔中に堆積されるべき成分の数が限定されていることにより、より多量の触媒が、対応する圧力低下の増加無しに堆積され得る;及び
− 該組織化ろ過材の触媒活性の、明らかに延長された寿命。
【0048】
例えば、該多孔性無機材料は、次の電子伝導性無機材料を含むか、又はそれにより形成される:カーバイドタイプ、例えばSiC;シリサイドタイプ、例えばMoSi;ボーライド、例えばTiB;La1−xSrMnOファミリー;混合セリウム ガドリニウム 酸化物(CGO)タイプ。
【0049】
該多孔性無機材料はまた、次の、酸素イオンにより伝導する無機材料を含むか、又はそれにより形成される:蛍石(fluorite)構造物、例えばCaO、又はY、又は混合セリウム ガドリニウム酸化物、により安定化されたジルコニア;ペロブスカイト構造物、例えば没食子酸塩(gallate)、LaAlO、又はLaGaO、又はLa1−xSrGa1−yMgタイプのランタンを基材とする化合物;BIMEVOX構造物、例えばBi1−xMe;LAMOX構造物、例えばLaMo;そうでなければアパタイト構造物、例えばMe10(XO;混合セリウム ガドリニウム 酸化物(CGO)タイプ。CGO類は、イオン伝導体及び電子伝導体の両方であるという利点がある。
【0050】
該多孔性無機材料はまた、次の、無機プロトン伝導性材料を含むか、又はそれにより形成される:ペロブスカイトタイプ、例えばSrCe1−x3−α(式中、Mは希土類)、典型的には化合物SrCeYb1−x3−α;BaCe1−x3−αタイプ、例えば化合物BaCeO;そうでなければLaSr1−xScO3−αファミリーの化合物、例えばLa0.9Sr0.1ScO3−α
【0051】
好ましい実施態様において、該多孔性無機材料は炭化ケイ素SiCを基材とし、好ましくは2100〜2400℃の温度で再結晶されたものである。特に、該無機材料はドープされたSiCを基材とするものであり、400℃における電気抵抗率が好ましくは20Ω.cmより小、より好ましくは15Ω.cmより小、更に好ましくは10Ω.cmより小となるように、例えばアルミニウム又は窒素でドープされたものである。
【0052】
該多孔性無機材料はまた、所望によりドープされた炭化ケイ素と、次の少なくとも1種の酸素イオンにより伝導化された無機材料、との混合物、を含むか、又はそれにより形成される:例えば蛍石構造物(例えばCaO、又はY、又は混合セリウム ガドリニウム酸化物、により安定化されたジルコニア);ペロブスカイト構造物(例えば没食子酸塩、又はランタンを基材とする化合物、例えばLaAlO、又はLaGaO、又はLa1−xSrGa1−yMg;BIMEVOX構造物(例えばBi1−xMe);LAMOX構造物(例えばLaMo);又はアパタイト構造物(例えばMe10(XO)。
【0053】
他の実施態様によれば、該多孔性無機材料はまた、所望によりドープされた炭化ケイ素と、次の少なくとも1種の無機プロトン伝導性材料、との混合物、を含むか、又はそれにより形成される:例えばペロブスカイトタイプ(例えばSrCe1−x3−α(式中、Mは希土類)、例えば化合物SrCeYb1−x3−α);BaCe1−x3−αタイプ(例えば化合物BaCeO);そうでなければLaSr1−xScO3−αファミリーの化合物(例えばLa0.9Sr0.1ScO3−α)。
【0054】
他の可能な実施態様において、該多孔性無機材料は、所望によりドープされた炭化ケイ素であって、その孔中に、還元触媒A,酸化触媒B、及び次の少なくとも1種の無機酸素-イオン-伝導性材料D、の混合物が堆積されたもの、を含むか、又はそれにより形成される:例えば蛍石構造物(例えばCaO、又はY、又は混合セリウム ガドリニウム酸化物、により安定化されたジルコニア);ペロブスカイト構造物(例えば没食子酸塩、又はランタンを基材とする化合物、例えばLaAlO、又はLaGaO、又はLa1−xSrGa1−yMgタイプ;BIMEVOX構造物(例えばBi1−xMe);LAMOX構造物(例えばLaMo);又はアパタイト構造物(例えばMe10(XO)。
【0055】
他の実施態様において、該多孔性無機材料は、所望によりドープされた炭化ケイ素であって、その孔中に、還元触媒A,酸化触媒B、及び次の少なくとも1種の無機プロトン-伝導性材料D、の混合物が堆積されたもの、を含むか、又はそれにより形成される:例えばペロブスカイトタイプ(例えばSrCe1−x3−α(式中、Mは希土類)、例えば化合物SrCeYb1−x3−α);BaCe1−x3−αタイプ(例えば化合物BaCeO);そうでなければLaSr1−xScO3−αファミリーの化合物(例えばLa0.9Sr0.1ScO3−α)。
【0056】
本発明は、最も特には、ジーゼルエンジン排気ガスの精製及びろ過のために使用される構造物に適用される。そのような構造物、一般に粒状ろ過材(particulate filters)と呼ばれる、は、少なくとも1つ、好ましくは複数のハニカムモノリスを含む。上記した精製装置とは異なり、そのようなろ過材では、該(複数の)モノリスは、多孔性の壁で分けられた互いに平行な軸を持つ複数の隣接したダクト又はチャンネルを含み、該ダクト又はチャンネルは、ガスが該多孔性壁を通って流れるように、ガス吸入表面の上に開口する入り口ダクトとガス排出表面の上に開口する出口ダクトを境界付けるため、それらの端部のどちらかで栓により閉じられている。そのような集合又は非集合構造物の例は、例えばEP 0 816 065、EP 1 142 619、EP 1 306 358又はEP 1 591 430に記載されている。
【0057】
そのようなろ過用構造物では、ガスは強制的に壁を通して流される。本出願人によりなされた成果は、上記したような組織化マトリックス上の電気化学的触媒システムの使用が、驚くべきことに、排気ラインへのろ過材の導入により引起される圧力低下の対応する増加無しに汚染性種の非常に高い転化を達成することを可能にする、ということを示す。
【0058】
そのようなシステムはまた、より高速の煤酸化を促進することにより、該ろ過材の再生効率を改善するのを助ける。
【0059】
本発明とその利点は、単に説明のためだけに提供されるものである、次の本発明の実施例を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【実施例】
【0060】
実施例1(比較例):
ろ過用壁の開放多孔度が約40%に近い、SiCで作られた集合(assembled)セラミックろ過材が、先ず、周知の手法を使用して合成された。合成は、ドーパントAlが容量比(in proportion by mass)で約200ppm取り入れられる(incorporated)条件下で行われた。そのようなドーピングは、実質的に改善された電気抵抗率、即ち400℃において10Ω.cmより低い抵抗率、を有する構造物を提供する。
【0061】
より正確には、該ろ過用構造物は、周知の手法を使用して先ず押出され、乾燥され、そして焼成された炭化ケイ素ろ過用素子を集合し、そして例えば特許EP 1 142 619に記載された手法により結合用セメントを用いて互いを結合することにより得られる。該ろ過用部品は、多孔性の壁で分けられた互いに平行な軸を持つ複数の隣接したダクト又はチャンネルであって、該ダクト又はチャンネルは、ガスが該多孔性壁を通って流れるように、ガス吸入表面の上へ開口する入り口(inlet)ダクトとガス排出表面の上に開口する出口(outlet)ダクトを境界付けるため、それらの端部のどちらかで栓により閉じられているもの、により特徴付けられた。
【0062】
この実施例では、2つの画分の、Al容量含有量(mass content)が約200ppmである炭化ケイ素粒が、最初に使用された。第1画分は、5μm〜50μmの直径中央値d50を有し、少なくとも10重量%の粒は5μmより大きい直径を持つこの画分を構成した。第2画分は、5μmより小さい粒直径中央値を有した。2つの画分は容量比(mass ratio)1で、メチルセルロースタイプの仮使用(temporary)バインダー及びポリエチレン有機孔形成剤と混合された。
該ろ過材の主な幾何学的特性は表1に示される。
【0063】
【表1】

【0064】
触媒A及びB、及びイオン伝導性化合物Dは、次の仕方で合成された。
触媒A:
Sasolにより販売されたガンマ-アルミナ500gが硝酸バリウム水溶液で含浸された。次いで、全体が110℃で乾燥され、次いで600℃で3時間か焼(calcine)され、BaO被覆アルミナ粒からなる粉を得た。この粉は、次いで周知の手法を用いて白金ジニトロジアミン クロライド溶液中に含浸され、次いで、110℃で3時間乾燥され、次いで最終的に250℃で2時間加熱されて、触媒Aを得た。
【0065】
触媒B:
モルデナイトタイプのゼオライト粉300gがジルコニウムヒドロキシナイトレート溶液中に懸濁され、それに、pHを少なくとも8に調整するように、アンモニア水溶液が添加された。次いで、該溶液はろ過され、110℃で乾燥され、次いで500℃で1時間か焼された。かくして得られた粉は、硝酸ロジウム水溶液中に分散され、次いでろ過され、触媒Bを得るため400℃で1時間乾燥された。
【0066】
イオン伝導体D:
使用されたイオン伝導体Dは、Tosohにより販売されたYSZ粉(ジルコニア粉、基本グレードTZ)であった。
【0067】
触媒A、B及びイオン伝導体Dの粉の粒子径は、多孔性セラミック本体(body)の多孔度により調整され選択された。これらの粉の直径中央値は、特に、5μmより小さいように選択された。
【0068】
第2工程において、作られたそのままの(as-formed)ろ過材構造物は、次いで、触媒A、B及び化合物DをSiC担体上での各々の化合物が担体全重量に対して約2重量%となることを可能にするような割合で含む水溶液、の浴中に浸漬(immerse)された。
【0069】
該ろ過材は、米国特許5 866 210中に記載されたと同様の実施方法により該溶液により含浸された。次いで、該ろ過材は、約150℃で乾燥され、次いで約500℃の温度で加熱された。対照である電気触媒性ろ過材は、このようにして得られた。
【0070】
実施例2(本発明による):
実施例1により得られた、作られたそのままの構造物は、触媒A及びB並びにイオン伝導体Dを結合する前に、第1の組織化処理に付された。
この処理の間、組織化用材料が泥漿(slip)の形で該ろ過材の孔中に導入された。より正確には、約200ppmのアルミニウムがドープされたSiCを基材とする懸濁液が調製された。
該懸濁液は、96重量%の水、0.1重量%のノニオン分散剤、1重量%のPVA(ポリビニルアルコール)バインダー及び2.8重量%の直径中央値が0.5μmであるSiC粉を含み、該粉の純度は98重量%より大であった。
【0071】
そのようなドーピングレベルは、第1の利点として実質的に改善された表面電気抵抗率、即ち400℃において10Ω.cmより小さい抵抗率を有する構造物を得ることを可能にする。該組織化構造物は、かくて表面電気抵抗率を示し、該システムの要素Cを構成した。
【0072】
該泥漿又は懸濁液は、次の工程により調製された。
バインダーとして使用されたPVAは、先ず80℃に加熱された水に溶解された。該分散剤は、攪拌保持されそして水に溶解したPVAを含むタンク中に導入され、次いでSiC粉が導入されて均質な懸濁液が得られた。
【0073】
該泥漿は単純な浸漬により該ろ過材中に堆積され、過剰の懸濁液は10mbarの残留圧力下で、真空吸引により除去された。かくして得られたろ過材は、120℃で16時間の乾燥工程、引続くアルゴン中1700℃で3時間の焼結熱処理に付された。
【0074】
図2は、かくして得られた組織化ろ過材のろ過用壁の、横断面での、SEM写真を示し、該多孔性マトリックスを構成するSiC粒の表面の不規則構造を示す。該不規則構造は、SiC微結晶又は微結晶のクラスターの形をとる。この図2は、該組織化処理前のSiC粒からなる、作られたそのままの構造物に対応するものである図1と比較されるべきである。
【0075】
この実施態様によれば、該測定されたパラメーターdは、該SiC粒の表面に存在する微結晶の、上記した意味における直径中央値、即ち約0.5μmに相当する。該パラメーターhは、該微結晶の平均高さ、即ち0.5μmに相当する。この被覆は、該SiC粒の全提供表面積(offered surface area)の約18%を覆う。
【0076】
第2に、該作られたそのままのろ過材構造物は、次いで、実施例1と同じ比率で触媒A及びB並びに化合物Dを含む水溶液の浴中に、同じ原理(principles)と操作方法の下で、浸漬された。特に、該ろ過材は、実施例1の場合と同じ操作方法を使用して、含浸され、乾燥され、そして加熱された。
本発明による電気触媒性ろ過材は、かくして得られた。
【0077】
第3に、該構造物は、本発明による構造物を得るように、再度150℃で乾燥され、次いで空気中で約500℃の温度で加熱された。
【0078】
実施例1及び2により得られた触媒性ろ過材の性質は、様々な試験法を用いて評価された。
【0079】
1)NOx転化試験:
該ろ過材の性能は表2による2つの合成ガス混合物を用いて400℃の温度で測定され、これらは、低濃度(lean)混合物(混合物1)を持つジーゼルエンジン作動の排気ガス及び高濃度(rich)混合物(混合物2)を持つジーゼルエンジン作動の排気ガス、の特徴を示す。
【0080】
【表2】

【0081】
該試験は、次の仕方で行われた:該低濃度ガス混合物は、先ず、400℃の電気炉中に保持された触媒化ろ過材上に流された(flowed over the catalyzed filter)。2分毎に、該ガス組成物は、5秒間該高濃度ガスに切り替えられ、次いで該混合物1に切り替え戻された(switched back)。該炉を離れるガスの組成物は、転化されたNOxの量を決定するように、安定化後分析された。
【0082】
上記の試験は、実施例1による電気触媒化ろ過材(非組織化ろ過材)、及び実施例2による電気触媒化ろ過材(組織化ろ過材)について、同じ条件下で行われた。
【0083】
【表3】

【0084】
表3に示される結果は、本発明(実施例2)によるろ過材が、比較ろ過材(実施例1)より高いNOx転化の度合いを持つことを示す。
【0085】
2)圧力低下試験
圧力低下は、大気の流れの中で、600m3/時間の空気流速について、従来技術によるろ過材について測定された。用語「圧力低下」は、本発明の文脈中で、ろ過材の上流側と下流側との間の圧力差を意味するものと理解される。
実験結果は表4に示される。
【0086】
【表4】

【0087】
驚くべきことに、表4のデータを比べると、本発明によるろ過材の圧力低下は微組織化にも拘らず増加せず、対照ろ過材のそれと同様であることが分かる。
【0088】
3)老化試験:
実施例1により得られたろ過材と実施例2により得られたろ過材の耐老化性を評価するため、それらは、排気ラインにおける通常の作動条件に比し加速されたエージングに付された。
ろ過材は、水のモル濃度が3%で一定に保持されるように、800℃の炉中、湿潤空気雰囲気中に5時間置かれた。このようにエージングされたろ過材についてのNOx転化の度合いは、先のものと同じプロトコール(試験1参照)を使用して測定された。
【0089】
【表5】

【0090】
エージング後、表5に示された結果は、本発明によるろ過材(実施例2)が、今だ、比較のろ過材(実施例1)より高い度合いのNOx転化の度合いを持つことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばジーゼル又はガソリンエンジンの排気ガスのような汚染されたガスの精製のための、構造物、好ましくはハニカム構造物であって、次のものを含む構造物:
− 無機材料の多孔マトリックスであって、複数の粒の形であり、粒同士は相互接続してそれらの間にキャビティーを備えており、それにより開放多孔度は20〜70%であり、細孔分布の直径中央値は5〜40μmであるもの;及び
− 電気化学的システムであって、次のもので形成されるシステム:
a. NOxタイプの汚染種を還元するための還元触媒A、
b. 炭化水素 HCを酸化するための酸化触媒B、
c. 電子伝導性化合物C及び
d. イオン伝導性化合物D、
該触媒AおよびBは化合物Cによる電子的接触及び化合物Dによるイオン的接触状態にあり、該構造物は次のように特徴付けられる:
− 触媒A及びBは、該無機材料の孔中におかれ;
− 該無機材料の粒、及び場合により粒境界、はそれらの表面の少なくとも1部が組織化材料で覆われており、該組織化部は10nm〜5μの寸法を持つ不規則構造からなり;そして
− 該組織化材料は、イオン性、電子性又はイオン性/電子性の伝導体であり、そして、夫々が、該電気化学的ガス処理システムの要素C,要素D、又は要素C及びD、を構成している。
【請求項2】
該不規則構造は、例えばビーズ、微結晶、多結晶性クラスター、又は棒状もしくは針状の構造物、穴もしくはクレーター、の形をとり、該不規則構造は約10nm〜約5ミクロンの平均直径d、及び約10nm〜約5ミクロンの平均高さh又は平均深さpを持つ、請求項1に記載の構造物。
【請求項3】
該不規則構造の平均相当直径d及び/又は平均高さhもしくは平均深さpは、該マトリックスを構成する無機材料の粒の平均大きさの1/2〜1/1000と小さい、請求項1又は2に記載の構造物。
【請求項4】
該組織化材料は、該多孔性マトリックスを構成する無機材料の粒、及び場合により粒境界、の全表面の少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%を覆う、請求項1〜3の何れか1項に記載の構造物。
【請求項5】
該組織化材料は、該マトリックスを構成する無機材料と同じ性質のものである、請求項1〜4の何れか1項に記載の構造物。
【請求項6】
該マトリックスを構成する多孔性無機材料は炭化ケイ素SiCを基材とするものである、請求項1〜5の何れか1項に記載の構造物。
【請求項7】
該無機材料は、400℃における電気抵抗率が20Ω.cmより小となるように、例えばアルミニウム又は窒素でドープされた、ドープされたSiCを基材とするものである、請求項6に記載の構造物。
【請求項8】
該不規則構造は、該多孔性マトリックスの粒の表面上に、焼成もしくは焼結された材料の微結晶もしくは微結晶のクラスターにより形成される、請求項1〜7の何れか1項に記載の構造物。
【請求項9】
該不規則構造は、電子導電性材料及び/又はイオン導電性材料のビーズから本質的になる、請求項1〜8の何れか1項に記載の構造物。
【請求項10】
該不規則構造は、該多孔性マトリックスの粒の表面上の焼成もしくは焼結された材料中に掘り抜かれたクレーターの形をとる、請求項1〜9の何れか1項に記載の構造物。
【請求項11】
ジーゼルエンジン排気ガスの精製及びろ過のために使用される構造物であって、少なくとも1つ、好ましくは複数のハニカムモノリスを含み、該(複数の)モノリスは、多孔性の壁で分けられた互いに平行な軸を持つ複数の隣接したダクト又はチャンネルを含み、該ダクト又はチャンネルは、ガスが該多孔性壁を通って流れるように、ガス吸入表面の上に開口する入り口ダクトとガス排出表面の上に開口する出口ダクトを境界付けるため、それらの端部のどちらかで栓により閉じられている、請求項1〜10の何れか1項に記載の構造物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−540248(P2010−540248A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528455(P2010−528455)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051791
【国際公開番号】WO2009/053590
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(507332815)
【Fターム(参考)】