説明

電気導体の保護のためのジャケット材料

【課題】わずかに屈曲抵抗に寄与しながら、ワイヤーの縦の長さにそった良好な負荷分割を与える、導体用のジャケット材料を提供する。
【解決手段】本発明は、あらゆる形態の電磁エネルギー導体用の改良されたジャケット用材料である。本発明のジャケット材料は、可撓性で耐久性の複合材料を作成するため、延伸膨張ポリテトラフルオロエチレンのような多孔質ポリマーに吸収されたシリコーン材料を含む。ケーブルジャケットとして適用されると、本発明の複合材料は、特に負荷分割、繰り返しの屈曲による疲労への抵抗、過酷な環境条件への抵抗の面において、シリコーン単独の使用に勝る劇的な改良を与える。劣化することなく繰り返しのオートクレーブサイクルに耐える本発明の材料の性能は、生物・医療用途のケーブルジャケット用に特に適切にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された物理的・電気的性能特性を有する保護ジャケット材料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電流又は光信号を伝送する電磁エネルギー導体は、一般に保護ジャケットで覆われている。このようなジャケットは、電気的及び/又は熱的絶縁を与え、多数の導体を収容する助けとなる外装として役立ち、及び周囲の条件や使用の際に導体に与えられる応力による攻撃や損傷から導体を物理的に保護することを含む、多数の機能の中の1つ以上の役割をすることができる。
【0003】
現在、広く成功裏に使用されている材料には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸膨張PTFE、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリエステル、シリコーンゴム、及びナイロンがある。これらの材料は、押出、テープ巻回、予備成形チューブへの挿入、収縮包装などを含む種々の仕方で導体の上に施されることができる。導体の上に施す材料(複数でもよい)の仕方(複数でもよい)の選択はいずれも、使用中に導体に対して要求される必要特性と予想条件に大きく依存する設計的選択である。
【0004】
多くの場合、改良された物理的特性を付与するため、追加の物理的構造体がジャケット材料に組み込まれ又はその上に施されることがある。例えば、ワイヤー、ガラス繊維、ポリマー繊維などが、ジャケット単独では得られないさらに高い長手方向の強度や他の物理的特性を与えるために、ジャケット付導体の上に施されることがある。別な場合には、そのような特性を与える複合構造体を形成するため、材料が組み合わされることもある(例えば、シリコーンでコーティングされたガラス繊維の編組、箔でラミネートされたポリエステルなど)。
【0005】
不都合なことに、異なる特性の間に正確なバランスを与えることは、多くの用途にとって極めて難しいことがある。例えば、非常に高い可撓性を備えながら、導体に長手方向の歪みが与えられたときに伸び又は破断に抵抗する十分に強いケーブルを有することが必要なことが多い。導体へのこのような応力を緩和する長手方向に強いジャケットを使用することは、一般に「負荷分割(load sharing)」と称される。良好な伸長抵抗を与えるために導体を補強することは割合に簡単なことであるが、一般にこのような補強は、ワイヤーの可撓性のような他の特性を顕著に低下させる。非常に細かい導体(例えば0.25mm未満のレベル)を使用すると、負荷分割は非常に重要であるが、そのようなワイヤーの可撓性の低下に対してバランスされなければならない。
【0006】
これらの特性間の許容できるバランスを達成することは、可能ではないことが多い。シリコーンのジャケットは高度の可撓性を有するが、伸びに対して非常に乏しい抵抗しか与えず、従って長手方向の力に対して負荷分割に事実上全く寄与しない。ワイヤー又は繊維によるこのような材料の補強は、必要とされる長手方向の強度を付与するが、同時にそのワイヤーをかなり低い可撓性にする傾向にある。
【0007】
遭遇することが多いもう1つの問題は、多くの導体が、通常のジャケット材料を弱化させる又は破壊することが可能な極めて過酷な環境条件に曝されることである。例えば、医療用途においては一般に、高温高圧(例えばオートクレーブ中)及び/又は高活性(harsh) の薬剤でケーブルを滅菌することが必要である。多くの他の適当な材料は、このような処理に耐えることができない。シリコーンとポリウレタンは、周知のように高温処理に耐えることができず、ある種の薬剤によって劣化されることがある。例えば、シリコーンジャケット付導体は、スチーム滅菌の際にかなり膨張しやすく、過度の膨張とケーブルへの損傷を避けるため、補強材料の使用を必要とする。
【0008】
Goreの米国特許第3953566号明細書に従って作成されたような多孔質延伸膨張PTFEは、殆どの用途のケーブルジャケットとして極めて良好な優れた誘電特性と機能性を有する。その望ましい属性の中に、優れた強度と可撓性、耐熱性、耐薬品性がある。不都合なことに、延伸膨張PTFEの多孔性は、ある種の高活性薬剤(例えばグルタルアルデヒド(gluteraldehyde))がその隙間に侵入することを許容することがある。わずかな量であっても、これが延伸膨張PTFEジャケット材料の不都合な湿潤をもたらすことがある。悪ければ、この薬剤は、ジャケット材料の特性を変化させ(例えばジャケットの可撓性を低くする)、さらには離層を起こさせ又は導体そのものを攻撃又は妨害することによってケーブルの性能を減じさせることがある。この導体損傷の危険性は、その薬剤への暴露が、オートクレーブサイクルにおける繰り返しの高温高圧のスチーム滅菌処理と組み合わされた場合、特に問題であることがある。
【0009】
多くの既存のジャケット材料に関するもう1つの問題は、それらの取扱い上の要求に制約が多過ぎることである。延伸膨張PTFEのような極めて有効なジャケット材料でさえも、ある種の改良された伸縮性を備えて製造されることが可能ならば、顕著に改良されるであろう。改良された軸方向の伸縮性を備えた延伸膨張PTFEは、より良好な耐磨耗性、改良されたカットスルー抵抗(切断抵抗)、及びより広範囲な取扱い性を付与することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の主な目的は、わずかに屈曲抵抗に寄与しながら、ワイヤーの縦の長さにそった良好な負荷分割を与える、導体用のジャケット材料を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、ジャケットや導体についての譲歩なしに、滅菌操作のような極めて厳しい使用条件に耐えることができるジャケット材料を提供することである。
【0011】
本発明のさらにもう1つの目的は、種々の改良された取扱い性を備え、ジャケット材料の可能な使用範囲とそのような材料の適用・使用の容易性の両方を増進する、ジャケット材料を提供することである。
本発明のこれら及びこの他の目的は、以降の説明の再吟味から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ワイヤー、光ファイバー、及びその他の導体を保護するための改良されたジャケット組成物である。本発明のジャケット組成物は、延伸膨張PTFEのマトリックス構造を埋封するシリコーンポリマーで浸透された、多孔質延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)マトリックスの複合材料である。延伸膨張PTFEマトリックス、シリコーン材料のタイプ、及び適用方法の選択によって、この複合材料は、広い温度範囲にわたって優れた軸方向の可撓性を保有しながら、その長手方向の次元は伸縮性又は非伸縮性に(必要により負荷分割を付与する)作成されることができる。
【0013】
得られたユニークな組成物は、延伸膨張PTFEとシリコーンの欠点のいくつかを低下させる又は解消しながら、それら両者の最良の特性のいくつかを保有するジャケット材料を形成する。特に関心が持たれる点は、ジャケット材料又はそれが収容する導体(複数でもよい)のいずれもが劣化することなく、繰り返しの薬剤及び/又はスチームの滅菌処理のような過酷な環境条件に耐えるそのジャケット材料の性能である。さらに、本発明の組成物は、耐磨耗性、切断抵抗、選択的な歪み逃げ(strain relief) 、選択的な伸縮性、エラストマー単独に勝る改良された潤滑性、完全に生体適合性にされ得ることを含む、多数のその他の改良された取扱い性を有する。
【0014】
[発明の詳細な説明]
本発明は、電気信号を伝送する導電性ケーブルと光信号を伝送する光ファイバーケーブルを含む、各種のいろいろな電磁エネルギー伝導性材料を被覆するに適切な改良された保護ジャケット材料である。本発明のジャケットは、繰り返しのスチーム滅菌処理のような過酷な環境条件や、繰り返しの屈曲のような攻撃的な取扱いの要請に耐えなければならないケーブルの保護に使用するに特に適切である。
【0015】
本発明の保護ジャケットは、シリコーンエラストマー材料を含浸された延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質基材の複合材料を含んでなる。この複合材料は、次の仕方で作成されることができる。
【0016】
先ず、Goreの米国特許第3956566号明細書とGoreの同第4187390号明細書に開示の方法のようにして延伸膨張PTFE材料が作成され、これらの特許は参考にして取り入れられている。例えば、延伸膨張PTFEチューブが、PTFE樹脂(約95%以上の結晶度を有する)と液体潤滑剤(例えば、ナフサ、ホワイトオイル、ミネラルスピリットなどの溶媒)の混合物から作成されることができる。この混合物が十分に混合され、次いで乾燥され、ペレットにされる。このペレットはラム式押出機によってチューブ状に押出される。引き続いて潤滑剤が、オーブン内で蒸発によって除去されることができる。次いで得られたチューブ材料が327℃未満の温度で1軸又は2軸の伸長に供され、チューブに所望のレベルの気孔率とその他の特性を付与することができる。伸長は、1以上の工程によって、1:1〜45:1以下の種々の程度で行われることができる。次いで得られたチューブは、345℃(即ち、PTFEの溶融温度)より高い焼成温度に供され、その延伸膨張された方向にチューブをアモルファス固定する。
【0017】
あるいは、乾燥されたペレットが平坦なシートに押出されることを除き、同様な方法によって平坦なテープ又は膜が作成されることができる。延伸膨張されてアモルファス固定された後、このシートは、導体のまわりに螺旋状又は煙草状に巻回するに適切なテープのような、任意の所望の形状に切り込まれることができる。
【0018】
これらの両方の場合において、多孔質延伸膨張構造体が得られる。図1に示されたように、延伸膨張PTFE構造体10は、フィブリル14によって相互に接続されたポリマーのノード12を含んでなる。このような構造体の一般的な特性は、ノード間の0.05〜30μm(好ましくは0.2〜10μm)の平均フィブリル長さ、20〜70%(好ましくは30〜50%)の気孔率を含む。以降の説明から明らかなはずのように、本発明に採用される延伸膨張PTFE構造体の正確な特性と寸法は、用途によって決まる。本発明に使用するに適する一般的な膜特性は、中位から高い気孔率、及び塩化メチレン、トルエン、及び/又はアセトンのような種々の溶媒による湿潤性を含むべきである。
【0019】
単一方向に延伸膨張された延伸膨張PTFEのフィブリル長さは、本願では、延伸膨張方向のフィブリルによって接続されたノードの間の10通りの測定値の平均として定義される。延伸膨張PTFEサンプルの代表的な顕微鏡写真について10通りの測定が行われる。顕微鏡写真の倍率は、顕微鏡写真の幅の中に少なくとも5本の連続したフィブリルを示すに十分であるべきである。像を3つの同等な面積に分割するように、顕微鏡写真の幅の端から端まで2本の平行な線を引き、その線は延伸膨張方向であってフィブリルの配向方向に平行に引く。左から右に測定し、顕微鏡写真の左端の近くで線に交差する第1のノードから始め、その線と交差する一連のノードについて測定を続け、顕微鏡写真の上の線にそって5通りのフィブリル長さの測定を行う。もう1本の線にそって右から左にさらに5通りの測定を行い、この場合、顕微鏡写真の右側の線と交差する第1のノードから始める。この方法によって得られた10通りの測定値を平均し、その材料の平均フィブリル長さを求める。
【0020】
上記の方法の1つによって作成され、本発明に使用するに適切な基材材料は、多数の業者からいろいろな形態で市販されており、デラウェア州のニューアークにあるW.L.Gore & Associates社からの商標GORE−TEX(登録商標)がある。
【0021】
適切な多孔質延伸膨張PTFE基材材料が得られた後、本発明の複合材料を作成するために次の加工が行われる。先ず、フルオロシリコーンのようなシリコーンを有機溶媒中に溶かすことによって溶液が作成される。シリコーンと溶媒の比は、体積部で4:1〜1:10の範囲にあるべきで、好ましくは体積部で3:1〜1:3の範囲である。この溶液は、外界条件下で機械式ミキサーによって混合するような任意の通常の手段によって作成される。シリコーンの高充填が望まれる場合、溶媒の沸点未満の高い温度が使用されてよい。
【0022】
好ましい溶液は、延伸膨張PTFE構造体に浸透し、それを湿潤させることができる1種以上の溶媒に可溶な材料を含むシリコーン材料である。この材料は、好ましくは95〜100%の固形分、0.95〜1.5の比重、及び300〜150000セイチポイズの粘度を有する。この材料は好ましくは色が半透明である。また、この材料は、1液又は2液(one or two part) の硬化系を使用し、理想的には高められた温度で液体シリコーンがゴム状の物体に硬化する。高められた温度で活性化され、架橋してゴム状の物質になる白金タイプの硬化系を有するシリコーンを使用することが特に好ましい。
【0023】
反応基を有するシロキサン又はポリシロキサン、アルコキシシラン又はその部分的加水分解物、及び反応基を有するコポリマーのシロキサンからなる群よりシリコーン材料を選択することが提案される。公知の硬化性シリコーンゴム材料組成物には、常温硬化タイプ、低温硬化タイプ、高温硬化タイプがある。本発明に使用するに適切なシリコーンには、メチル水素シロキサン、ジメチル水素シロキサン、ジメチルシロキサン、ジメチルビニル末端化シロキサン、ジメチルメチルフェニルメトキシシリコーンポリマーなどがある。また、そのシリコーンは、ジメチルビニル化シリカ、トリメチル化シリカなどを含むことができる。本発明に使用される市販のシリコーンにはQ3−6611、X1−4105、及びQ1−4010があり、いずれもミシガン州のミッドランドにあるダウコーニング社より入手可能である。
【0024】
シリコーンの室温硬化と高温硬化の組成物には2液タイプの材料がある。2液タイプの材料は、触媒の存在中で反応基(例えばSiOH、SiO−R(ここでRはアルキル基)、SiH、SiCH=CH2 など)を有するシロキサンの反応によって、架橋された構造を有するシリコーンゴムを提供する。この2液タイプの組成物は、縮合反応タイプと付加反応タイプに分けられる。
【0025】
縮合反応タイプには、シラノールとアルコキシシロキサンの間の脱水縮合反応、シラノールとアルコキシシロキサンの間の脱アルコール縮合反応、及びSiHとシラノールの間の脱水縮合反応を利用するものがある。付加反応タイプには、ビニル基、アルキル基、又は他の不飽和基とSiHの間の付加反応を利用するものがある。
【0026】
適当な硬化触媒は、所望の硬化反応のタイプによって選択される。例えば、金属、有機金属塩、有機アミン、第4アンモニウム塩などが縮合反応タイプの反応に採用される。パラジウム又は白金黒、白金アスベスト、塩化白金酸、又は他の形態の白金が付加反応タイプの反応に採用される。また、上記の組成物は、ある種の他の材料の例えばシリコーンオイル、SiO2、又はヒュームドシリカを特性改質剤として含むこともできる。
【0027】
好ましい溶媒は、シリコーンを活発に溶解し、且つ目的とするポリマー基材の構造体の中に容易に吸収される溶媒である。PTFE基材の構造体に使用されるには、ハロゲン化された溶媒の例えば塩化メチレン、アセトン、又はトルエンが特に有用であり、例えば市販の溶媒のNORPAR−12やISOPAR−Cがある。塩化メチレンはこれまでに最も良好な結果を生じているが、この溶媒の発癌性がいくつかの用途に嫌悪されている。従って、別な好ましい溶媒の探索が続けられている。
【0028】
現状で好ましい組成物は、重量で10〜75%のQ1−4010シリコーンエラストマーと、25〜90%の塩化メチレン、アセトン、又はトルエンの溶媒の混合物を含む。この混合物は、室温(約22℃)でシリコーンエラストマーを添加しながら、混合物が均一な色となるまで溶媒を攪拌することによって作成される。アセトン混合物の場合、その混合物は材料の沈殿のため、各使用の前に再度攪拌されるべきである。
【0029】
シリコーン/溶媒の組成物が作成されると、次いでそれは任意の適切な微細多孔質膜に施されることができる。本発明に使用するに好ましい膜には、上記の多孔質延伸膨張PTFE材料がある。本発明に使用するに適切であることができる別な膜材料には、延伸膨張された超高分子量のポリエチレン、及び恐らくノードとフィブリルの開口した多孔質網状構造に延伸膨張されることができるこの他のものがある。
【0030】
この溶液は、膜の上に組成物を均一に塗布し、次いでそのままで組成物をその中に吸収させることによって、多孔質PTFE材料に施される。好ましくは、PTFE材料を溶液の浴に1〜5分間にわたって沈めるようにして、PTFE材料が飽和するまでPTFE材料を溶媒の中に浸漬する。この溶液は、例えば真空チャンバーの中で減圧下に置き、多孔質ポリマー基材の完全な充填を促進させることもできる。
【0031】
充填された後、その膜と吸収された溶液を、70〜75℃又はそれ以上に設定された加熱オーブンのようなエネルギー源に2〜5分間又はそれ以上の時間で暴露し、全ての溶媒を蒸発除去させる。理想的には、蒸発は、85℃以上に加熱されたオーブンを用い、組成物を少なくとも5分間曝すことを含む。溶媒の蒸発は次の仕方、即ち、約5時間の空気乾燥、又は防爆オーブン中で約50℃にて約1時間のいずれかで行われることができる。
【0032】
この仕方で施されると、多孔質PTFE材料は、その上面から底面までシリコーンで十分に含浸されることが見出されている。1つの面の上に塗布することによって平坦な膜に施されたとき、膜の底面(即ち、組成物が施された面の反対面)は、その膜が接着層として使用されるべき場合に望ましいことがある粘着の感じを底面に与え易い。
【0033】
これに対し、いくつかの用途では、膜の上面はその上に粉末状の物質を有することが見出されている。これはいくつかの商業的シリコーン材料においてフィラーとして見られる二酸化ケイ素のコーティングであると考えられる。この材料は、扱い易さのためにその場所のままでよく、又は任意の適当な手段の例えば溶媒の使用及び/又は機械的そぎ落としによって除去されてもよい。また、シリコーンと共にフィラーや異種材料を膜の中に侵入させるように、膜の気孔サイズを調節することもできる。二酸化ケイ素フィラーを含む又は含まない種々のシリコーン混合物が、本願に示す例で開示されている。
【0034】
含浸の後、組成物の材料は、シリコーン材料を硬化させるに適当な条件に供されることができる。ダウコーニング社のQ1−4010タイプのシリコーンについて、フィラー入りのPTFE膜は、その複合材料を約110℃のオーブンの中に約30分間入れることによって硬化されることができる。
【0035】
本発明の目標は、膜のポリマーのノードとフィブリルの上にシリコーンの完全な被覆層(overlay) を提供することである。採用される条件によって、膜の完全な含浸は、空気の透過に対して微細多孔質構造を開口したままにしながら、ポリマー構造体を単に被覆することでもよい。あるいは、多孔質構造体の殆ど又は全てをその中に含む膜全体のフィブリル化された内部がシリコーンで充填されてもよい。
【0036】
図2は、ポリマーの両方のノードとフィブリルの構造体を被覆するシリコーンポリマーの中位のレベルのコーティングを備え、本発明の複合材料を形成した、図1に示したと同様なフィブリル化されたPTFE構造体を示す。この材料は、50体積%のQ1−4010シリコーンと50体積%のISOPAR−C溶媒の溶液に1分間延伸膨張PTFE膜を入れた結果である。次いでこの充填された材料を約110℃のオーブンで10分間加熱し、最終生成物を得た。
【0037】
図3は、ポリマーの両方のノードとフィブリルの構造体を被覆するシリコーンポリマーの高いレベルのコーティングを備えて本発明の複合材料を形成した、図1に示したと同様なフィブリル化されたPTFE構造体を示す。観察できるように、この材料のノードとフィブリルの構造体は、シリコーンですっかり充填されている。この材料は、75体積%のQ1−4010シリコーンと25体積%のISOPAR−C溶媒の溶液に1分間延伸膨張PTFE膜を入れた結果である。次いでこの充填された材料を約110℃のオーブンで10分間加熱し、最終生成物を得た。
【0038】
いずれの場合も、本発明の目的は実質的なゴム弾性を有する、十分に含浸された複合材料の膜を作成することである。この点に関し、本発明の伸縮性の程度は次のようにして測定されることができ、即ち、処理され硬化された膜の片の長さを測定し、その長さを2回伸長し、緩め、その新たな長さを再度測定する。レジリエンスは、所与の厚さの処理された膜をその元の高さの50%に1分間圧縮し、緩め、その厚さを再度測定することによって測定される。
【0039】
含浸プロセスをさらに助長するため、本発明のプロセスに他のプロセスを組み合わせて特定の特性を得ることもできる。例えば、非常に微細な多孔質の膜を用いるようないくつかの用途において、機械的真空プロセスの助けを借りて、膜にシリコーン/溶媒組成物を含浸させることが望ましいことがある。この他のあり得る方法には、加圧又は減圧プロセスのいずれかによる機械的圧力の使用がある。
【0040】
このようにして作成された後、本発明の組成物は導体のジャケットに作成されることができる。図4と5は、本発明のジャケット18で保護されたワイヤー16の1つの例を示す。この例において、ワイヤー16は、誘電体22に包囲され、次に編組ワイヤー又はホイルシールド24に巻回されたマルチストランドの中心導体20を含む同軸ケーブルである。同軸ケーブルのこれらの機能性エレメントを保護する目的で、次いで全体の構造が保護ジャケット26で巻回される。例示のジャケット26は、シールド24のまわりに螺旋状に巻回された本発明の複合材料の膜から作成されたテープを含んでなる。このジャケット26は、例えばジャケットとシールドの間に接着剤を施すような、任意の通常の手段によって適切に保持されることができる。あるいは、シリコーンの硬化の前にケーブル上にジャケットを巻回し、次いでアセンブリーされたワイヤーをシリコーンの硬化温度まで加熱し、シリコーンを流動させ編組に及びそれ自体に接着させることによってシールド24にジャケット26を結合させることもできる。
【0041】
この構造は、同軸ケーブルなどを保護するに非常に有効であることが証明されている。ジャケットとしてシリコーン材料のみを使用することはその可撓性については望ましいが、伸びに対して非常に乏しい抵抗を有する傾向にある。このことは、ジャケットによって「負荷分割」がされず、ジャケットに収められた材料が、ジャケットのみの部分の負荷箇所を支持しなければならないことを意味する。しかしながら、本発明の複合材料は、かなりの負荷分割性を可能にするように顕著に強化しながら、シリコーンの可撓性を保有する。同軸ケーブルなどの場合、このことは、ケーブルが部分的に負荷の下に置かれたときに変形が生じる可能性が比較的小さく、ケーブルの長さの全体にわたってより一定した信号伝送に結びつく。
【0042】
本発明に従って作成されたケーブルジャケットのもう1つの長所は、過酷な環境条件に耐え得ることである。先に説明したように、シリコーンやポリウレタンのようなある種のジャケット材料は、滅菌技術や高活性薬剤に曝されることに耐える性能に制限があることが知られている。高温スチーム処理は、シリコーンのワイヤージャケットを早期に劣化させ、それらの可撓性を低下させ、それらの保護特性を損なうであろう。本発明の複合材料は、そのような制約がない。延伸膨張PTFEはスチーム滅菌操作の際にシリコーン材料を効果的に保護し、その結果、その性能に影響を及ぼすことなく、その材料ははるかに多くのオートクレーブサイクルに耐え得ることが見出されている。このことは、本発明のジャケット材料を、過酷な環境条件に繰り返して曝される医療用装置や他のデバイスに使用するに特に適切にする。
【0043】
本発明のもう1つの構成が図6に示されている。この例において、ケーブル26は、本発明の複合材料テープジャケット30で螺旋状に巻回された中心導体28を含んでなるに過ぎない。この構成は、普通の金属導電体から高度な光ファイバーケーブル構成までの広範囲な用途に適する。同様に、この構成は、改良された負荷分割と過酷な条件下で使用され得ることを含む、ワイヤーの取扱性の顕著な改良を与える。
【0044】
図7に示された構成は、事実上任意の形態の導体32をシールするもう1つの適切な方法を例示する。この場合、ジャケット34は、本発明の複合材料の連続チューブによって形成される。延伸膨張PTFEチューブは、同時押出され又は他の方法で導体の上に形成され、次いでシリコーンを適切に充填されることができ、あるいは本発明に従って複合材料チューブが作成され、導体の上に引かれることもできる。
【0045】
本発明のジャケット38を導体38に巻回するもう1つの有効な手段が図8に示されている。ここでは、割合に広いテープがシガレット巻き態様で導体のまわりに長手方向に巻回されている。1本のみの継目40が、導体の長尺体の下に形成され、先に記載の任意の接着方法によって適当に支持されることができる。
【0046】
本発明の複合材料について特に高まりつつある関心分野1つは、光ファイバー導体の1本又は複数本の配列用のジャケット化である。この分野に使用される1つの構成が図10と11に示されている。本発明の複合ジャケット材料46のチューブに巻回された多数撚線の光ファイバー導体44を含む光ファイバーケーブルのアセンブリー42が示されている。ジャケット46の各々の端部は、ステンレス鋼の端部のコネクター48と50で止められ、それらはエポキシ接着剤で適切に接着されている。下記により詳しく説明するように、この構成は、これらケーブルの屈曲抵抗に劇的な改良を生んでいる。
【0047】
本発明の特に重要な2つの局面は、本発明が提供する、圧縮抵抗と、その劣化することなく高温処理に繰り返して耐える性能の、両者の改良された特性である。圧縮抵抗に関し(又は「レジリエンス」、本発明のワイヤージャケットは、軸の寸法で75%の圧縮に耐え、その元の寸法の少なくとも50%の回復を有することができる。このことは、最少限の圧潰抵抗を有する通常の延伸膨張PTFEのような多くの現状で入手可能な材料に勝る、注目に値する改良である。本発明の耐熱性に関し、有意な劣化なしに250℃を超える温度に繰り返して曝されることに耐える性能を有する。この特性は、繰り返しの滅菌を必要とする用途のような厳しい要求の用途にそれを特に適切にする。
【0048】
本発明のジャケット材料のさらなる改良は、1種以上の特性を向上させる粒子又は材料を延伸膨張PTFE構造に充填することによって達成されることができる。例えば、ジャケット材料は、延伸膨張PTFEの中に導電性粒子を含めることによって、導電性シールド性を加えることができる。好ましい態様において、ジャケット材料は、炭素、グラファイト、アルミニウム、銀メッキアルミニウム、銅、銅合金、鉄、鉄合金、ニッケル、コバルト、金、銀、又は銀メッキ銅などの1種以上の粒子、繊維、又はその他のフィラーを含有することができる。フィラー含有率は、好ましくはPTFE/フィラー組成物の5〜85体積%である。ジャケット用テープとして使用するに好ましいPTFEとフィラーの組成は、その混合物の30〜50体積%を構成するフィラーを含む。また、このようにして作成された材料は、電気的・電磁的効果に対してシールドを提供することもできる。
【0049】
あるいは、ジャケットが、金属でメッキされた延伸膨張PTFEから作成されることもできる。このようなメッキプロセスは、いずれもMannisoの米国特許第4557957号明細書、同4720400号明細書に開示されており、これらは参考にして取り入れられている。好ましい金属メッキ用材料には、銀、銀銅合金、金、コバルト、白金、銅合金があり、最も好ましくは銅、ニッケル、及び錫である。
【実施例】
【0050】
本発明の範囲を限定する意図はないが、次の例は、どのようにして本発明が作成され、使用されるかを例証する。
【0051】
例1
次のようにして、本発明のジャケットとして使用するに適する複合材料の膜を作成した。ミシガン州のミッドランドにあるダウコーニング社より商品名Q3−6611のシリコーン接着剤を入手した。Q3−6611はジメチルメチル水素シロキサンコポリマー、ジメチルビニル化とトリメチル化のシリカ、及び石英を含んだ。この材料は、95000センチボイズの粘度を有する1液で灰色のどろどろした流動性のある液体である。硬化の後であるが延伸膨張PTFE構造に含浸させる前に、この材料は、ショアーA60のジュロメーター測定値、700psiの引張強度、及び125%の伸びを有する。
【0052】
このシリコーン材料を、塩化メチレンのハロゲン化溶媒中で混合した(50重量%の水溶液)。混合は、均一な色が生成するまで室温にて溶液を攪拌することによって行った。
参考にして取り入れているGoreの米国特許第3953566号明細書に従って作成された延伸膨張PTFEのサンプルの膜に、各々の混合物の複合材料を施した。
【0053】
塗布はホイール転写法によって行い、それによって長さ25フィート×幅6インチ×厚さ0.008インチの未焼成延伸膨張PTFE材料を、シリコーン溶媒混合物の中に部分的に沈められた回転ドラムの上の巻出と巻取のリール設備によって移動させた。ドラムは、材料の走行方向の反対方向に回転した。含浸された材料がブレードを横切って走行すると過剰のシリコーン材料がかき取られるように、ドラムの後ろにブレードを配置した。
【0054】
シリコーンの浸透範囲は予想以上であり、膜の塗布していない面を粘着性にさせた。この粘着性は、巻取される前の溶媒の乾燥のために膜が横切って走行するプレナムに膜が引っ張られ、付着させた。この方法を用い、20フィートの含浸された膜を作成した。
このようにして塗布された後、その膜を150℃のオーブンで10分間硬化させた。膜の片は非常に良好な伸縮性を有し、シリコーンの普通の低温流れ性は示さなかった。
【0055】
この膜の検査から、シリコーンが施された面は、その上に粉末状の物質の薄い層を有することが分かった。これは、Q3−6611シリコーンに存在するフィラー材料である二酸化ケイ素の堆積物と考えられる。膜の他の面はねばねばする又はくっつくような感触を有し、シリコーンが膜に完全に浸透したことを示した。また、本質的的に不透明で白色の膜が、この浸透によって半透明になった。
【0056】
この膜の両面に接着性を確立する目的で、ブレードを用い、未硬化の膜をかき取ることによってサンプルの一部から粉末層を除去した。
本発明の1つの用途を例証する目的で、得られたシートを、可撓性プリント回路板材料と交互の層に配置した。次いでこの複合材料を500ポンドで150℃の加熱されたプレスに10分間配置した。得られた可撓性複合材料は、層の間の優れた接着性とある程度の伸縮性を有した。
【0057】
例2
フィラー材料を含まないシリコーンを用い、もう1つの混合物を作成した。この材料は、ダウコーニング社のQ1−4010シリコーンコンフォーマルコーティングであった。Q1−4010はジメチルメチル水素シロキサンコポリマー、ジメチルシロキサン、ジメチルビニル末端化シリカ、及びトリメチル化シリカを含んだ。このシリコーンを塩化メチレンの溶媒を用いて希釈した。混合は、同様に均一な色が得られるまで室温で攪拌することによって行った。
【0058】
例1で使用したと同じ膜材料への適用は、ホイールコーター機に代えて、シリコーン剥離ペーパーの層の上に膜材料を置くことによって行った。シリコーンと塩化メチレンの重量で50:50の混合物を膜の上に注ぎ、均一な半透明性が得られるまで表面全体にこすりつけることによって行った。
この同じ作業を多数の延伸膨張PTFE膜のサンプルについて行った。次いで各々のサンプルを150℃で10分間硬化させた。
【0059】
例3
次のようにして本発明のチューブ状複合材料を作成し、下記に示す仕方でワイヤーのジャケットとして試験した。
次のようにしてポリテトラフルオロエチレンの分散系を調製した。E.I.duPont de Nemours and Companyから入手したPTFE樹脂を17体積%のISOPAR−C潤滑剤で混合した。この混合物を200psiでペレットに圧縮した。このペレットをラム式押出機によって300psiで押出し、押出チューブを作成した。この押出チューブを約300℃で5秒間乾燥した。次いでこのチューブを24フィート/分の線速度にて4:1で延伸膨張させた。次いで延伸膨張したチューブを395℃で17秒間焼成した。得られたチューブは、約0.5g/ccの密度と約0.030インチの名目上の肉厚を有した。
【0060】
上記のチューブの中にワイヤーのアセンブリーを入れ、次のようにして本発明の複合材料のワイヤージャケットを作成した。チューブとワイヤーアセンブリーを、下記の表に示されたシリコーンと溶媒(ISOPAR−C)の溶液に浸した。各々のタイプのケーブルの1つのサンプルを、試験のために取り出した。次に7通りのサンプルを示す。
【0061】
【表1】

【0062】
次いでこれらのサンプルの各々を次の装置を用いて試験した。
・1000ポンドの引張用ロードセルを備えたインストロン4201万能試験機
・100ポンドの圧縮用ロードセル
・半径0.003インチ×幅0.250インチのブレードジグ
・デルロン(Delron)絶縁スペーサー
・ショート検出器
・Teledyne Taber Model V−5剛性試験器
・90°Tik Tok試験器
・Pelton−Crane Validator Plusオートクレーブ
【0063】
次の方法を用いてケーブルを評価した。
1.剛性について試験サンプルは、Teledyne Taber Model V−5剛性試験器を用い、メーカーが推奨する方法を踏襲して試験した。
2.試験サンプルのジャケットを取り出し、寸法を測定し、インストロン4201万能試験器を用いて次の方法によって引張強度試験を行った。
(a)試験すべきサンプルを6インチの長さに切り、サンプルのコアを除去する。
(b)ジャケット材料を測定して全体の外径、肉厚、及びジャケットの内径を求める。
(c)1000ポンドのロードセルを使用し、メーカーが推奨する方法を用いてインストロン4201を調整し、安定化させる。
(d)クロスヘッド速度を2インチ/分に、サンプルのクランプを1インチの距離に設定する。
(e)試験すべきサンプルをクランプに取り付け、引張る。
(f)いくつかのサンプルを引張り、各々の引張りについて「ピーク」値を記録し、次いで平均ピーク力について値を平均する。
(g)下記の式を用い、試験しているサンプルについて平均PSIを計算し、記録する。
【0064】
【数1】

【0065】
3.インストロン4201万能試験器を用い、書類番号06−00021−01のRequesting & Performingケーブル圧潰試験法を踏襲し、次のようにして切断抵抗について試験サンプルのジャケットを試験した。
特定のパラメーターとして、
・100ポンドの圧縮セル
・0.05インチ/分
・半径0.003インチ×幅0.250インチのブレードジグ
【0066】
方法として、
(a)試験すべきサンプルを6インチの長さに切り、サンプルのコアを除去する。
(b)先の試験で測定した全体の外径、肉厚、及びジャケットの内径を記録する。
(c)100ポンドの圧縮ロードセルを使用し、メーカーが推奨する方法を用いてインストロン4201を調整し、安定化させる。
(d)クロスヘッド速度を0.05インチ/分に設定し、デルロンスペーサーと半径0.003インチのブレードジグを装着する。
(e)試験すべきサンプルを半径0.003インチ×幅0.250インチのブレードジグに装着し、ショート検出器と赤いリード線をロードセルに、黒いリード線をそのジグに取り付ける。
(f)いくつかのサンプルの圧縮を行い、ショート検出器がショートを検出したときにクロスヘッドを停止させ、各々の圧縮について「ピーク」値を記録する。平均ピーク力についての値を平均し、記録する。
【0067】
4.試験サンプルを90°Tik Tok試験器に装着し、書類番号06−00034−01のRequesting & Performingケーブル屈曲試験法を踏襲して下記に示す仕方で屈曲させ、ジャケットの屈曲抵抗を評価した。試験の設定条件は次の通りである。
・マンドレル外径…0.320インチ
・屈曲速度 …15サイクル/分
・張力 …1ポンド
・行ったサイクル…496653回
サンプルの評価として、全てのサンプルについてジャケットの損傷、クラック、割れなどは全く発生しなかった。
ジャケットの評価のみが所望であったため、屈曲試験の際に電気的試験は行わなかった。
【0068】
試験方法は次の通りであった。
(a)サンプル材料をTik Tok試験器に装着した。
(b)次いでサンプルを前記の屈曲速度でマンドレルの上で反対方向に繰り返しの90°の屈曲に供した。
(c)示した数のサイクルを終えた後、サンプルを目視によって評価した。
【0069】
5.5番のサンプルの1つを、Pelton−Crane Validator Plusオートクレーブを用い、メーカー推奨の方法を踏襲してオートクレーブ処理した。個々のサイクル条件は次の通りであった。
・温度…270〜274°F
・圧力…30〜38psi
・時間…5分間
オートクレーブ処理の後、上記のようにして引張強度と切断試験を行い、材料特性変化を測定した。
【0070】
6.サンプル6番と7番は対照標準材料であり、6番は100%シリコーンのジャケット材料であり、7番はワイヤーアセンブリーの上にジャケットとして装着された通常の100%延伸膨張PTFEチューブである。
【0071】
7.次のようにして、圧潰抵抗についてサンプルを試験した。
(a)電気的モニターのためにケーブルのサンプルを調製し、全ての中央の導体を一緒に接続し、約18インチのリード線に取り付けた。シールドを一緒に接続し、それも18インチのリード線に取り付けた。試験サンプルの反対の端部は露出され、不慮のショートを防ぐためにワイヤーを離した。
(b)装着された平たいプレートを備えた100ポンドの圧縮ロードセルを有するインストロン4210万能試験器を用いた。この万能試験器に半径0.003インチのブレードジグを装着した。
(c)試験サンプルからのリード線は、SLAUGHTERシリーズ103/105−MP Hi−Pot試験器に取り付けた。
(d)試験サンプルは、半径0.003インチのブレードの上に垂直に配置した。ブレードは、サンプルの上に経路ができるようにサンプルの1つの端に配置した。
(e)圧縮セルは、試験サンプルに丁度触れるように配置し、クロスヘッド速度は1.0インチ/分未満に設定した。
(f)Hi−Pot試験器は10mAの電流限界で500Vの直流に設定した。
(g)次いで万能試験器の圧縮サイクルを開始し、同時にサンプルのショートを注視した。ショートが示されたとき、読み取りを行う。
【0072】
8.次の方法に従って屈曲試験を行った。
(a)一緒に接続されて端部で約18インチのリード線に取り付けられた導体のデージーチェインを用い、電気的監視のためにサンプルを調製した。
(b)サンプルの1つの端を180°コルクネジ屈曲試験器のクランプに装入した。
(c)次いでサンプルを3回転捩じり(反時計回り)、次いで反対のクランプに接続した。
(d)サンプルを200/50Point Break検出ボックスに接続した。
(e)破壊が生じるまで試験器を15±1サイクル/分で運転した。
(f)破壊の後、破壊までのサイクル数を記録した。
【0073】
上記試験の最終結果を下記にまとめている。
【表2】

【0074】
上記の試験に関して次の結論に達している。
テーバー剛性試験
テーバー剛性試験は、試験サンプルの可撓性の指標である。テーバー数が高い程、サンプルはより剛性である。この値は、ある試験サンプルと別なサンプルの剛性を定量する相対値である。試験サンプルの6番(100%シリコーンのジャケット)のデータは、先の生産ロットから得られた試験データより求めた。これは、ユーザー承認のための試験に使用される値である。
【0075】
試験は、2種の樹脂タイプに収まる傾向を示唆し、充填%の増加とともに剛性の増加が現れる。サンプル番号1、2、3(Q1−4010樹脂)は、サンプル番号4と5(X1−4105樹脂)に比較して同じ%の充填で若干高いレベルの剛性を示した。
サンプルを対照標準サンプルに比較し、全てのサンプルは、シリコーン対照標準よりも可撓性が高く、延伸膨張PTFEジャケットの対照標準より可撓性が低い。
【0076】
引張強度試験
引張強度試験もまた、前記のテーバー試験と同様な傾向を示したが、1つの若干の相違を示した。サンプル1、2、3番(Q1−4010樹脂)は増加したが、サンプル5番(X1−4105樹脂)は期待された増加を示していない。解釈は不明である。対照標準サンプル6番と7番の間の関係も若干異なり、サンプル3番はサンプル7番よりも高い。解釈は不明である。試験サンプル6番の最小値は、Q7−4750材料についての業者のデータシートによれば1200psiである。
【0077】
切断試験
半径0.003インチ×幅0.250インチのブレードジグを用いて0.05インチ/分のクロスヘッド速度で切断試験を行い、ジャケット材料の1枚の厚さを貫くに必要な最大力を記録した。各種の構造について行った試験は、材料を貫くに必要な最大力にサンプルの厚さが影響せず、ショートが認められるまでの時間に影響するに過ぎないことを示唆した。
【0078】
屈曲試験
屈曲試験の結果は破壊を示さなかった。クラック、割れ、又は皺は全く認められなかった。認められた唯一の結果は、全ての屈曲試験の際に見られた一般的なジャケットの変色であり、これはアルミニウムマンドレルの使用によるものである。従来のシリコーンジャケットは表面磨耗の兆候を示した。
【0079】
オートクレーブ試験
オートクレーブ処理後引張強度・切断試験を、前記と同様にして、オートクレーブ処理した1種のみのサンプルについて行った。この試験サンプルは5番であった。結果は、オートクレーブ処理によって引張強度と切断値が増加することを示した。
【0080】
次の表は、銀メッキ銅導体の多数導体コアを覆う上記の作成サンプルと従来のシリコーンジャケットについての試験結果をまとめたものである。
【表3】

記:この材料は、ダウコーニング社から入手した通常の押出されたSILASTIC Q7−4750液体シリコーン樹脂配合物
【0081】
この例は、通常のシリコーンジャケットの12倍を超える引張強度を示し、長手軸に非伸縮性である。この特徴は、本発明が、非常な可撓性を維持しながら、長手方向の歪みの逃げを与えることを可能にする。通常のシリコーンジャケットを用いると、この長手方向の歪みの逃げは、ワイヤー若しくは繊維編組又は撚線によって与えられなければならない。
【0082】
例4
次のようにして、本発明の平坦なフィルムを作成した。
1ポンドのduPont T−3512樹脂あたりに145ccのISOPAR−Kの混合物を用いて分散系を作成した。ラム式押出機によりGoreのダブルキャビティダイを用いてこの混合物を押出した。次いで押出された材料を厚さ0.026インチから厚さ0.006インチに圧延した。次いでこの材料を再度厚さ0.0042インチに圧延した。次いで得られた材料を乾燥した。次いで乾燥された圧延材料を、130フィート/分の線速度で3.55:1の名目上の延伸速度で延伸膨張させた。最後に、延伸膨張された材料を約369℃の温度で焼成した。得られた材料は、次の特性、即ち、0.75g/ccの密度、70%の気孔率、12psiの泡立ち点、膜の縦軸方向の10610psiのマトリックス引張強度、3.55:1の名目上の延伸比、膜の横軸方向の2735psiのマトリックス引張強度、及び8300の転倒カップ水蒸気透過速度(MVTR)を有した。
【0083】
これらの膜の特性を次のようにして測定した。
密度は、材料の寸法を測定し、単位面積あたりのその重量を計算することによって求めた。
気孔率は、Micromeritics Model 1310オートチコメーター(autotychometer)を用いてサンプルの真密度を計算することによって求めた。続いて行った手順はヘリウムを用い、ヘリウムで満たされた雰囲気にサンプルを5分間曝すことによってサンプルの空気を排除し、1インチ×1インチのサンプルの水置換によるアルキメデス法によってサンプルの嵩密度を求め、次の計算によって気孔率を求める。
気孔率=1−((嵩密度/真密度))×100
【0084】
多孔質PTFEの泡立ち点は、ASTM標準法F316−86に従ってイソプロピルアルコールを用いて測定した。泡立ち点は、円形サンプルを1インチ覆うイソプロピルアルコールの層を通って上昇することにより検出される最初の連続気泡を吐出するに必要な空気の圧力である。この測定は、最大気孔サイズの目安を与える。
引張強度は、インストロン引張試験器シリーズIXを用い、ASTMD−882(薄いプラスチックシートの引張特性)に従って測定した。引張試験器のクロスヘッド速度は約20インチ/分であり、ゲージ長さは2インチに設定した。
【0085】
水蒸気透過速度(MVTR)は、35重量部の酢酸カリウムと15重量部の蒸留水からなる約70mlの溶液を混合し、それをその口で6.5cmの内径を有する133mlのポリプロピレンカップに入れることによって測定した。約85000g/m/24h(Crosbyの米国特許第4862730号明細書に記載の方法によって試験)の最小MVTRを有し、ベラウェア州のニューアークにあるW.L.Gore & Associates社から入手した延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜をカップの縁にヒートシールし、溶液を入れたぴんと張った漏れのない微細多孔質のバリヤを形成した。水槽の表面に同様な延伸膨張PTFEの膜を取り付けた。温度調節室と水循環槽を用い、水槽アセンブリーを23℃+0.2℃に制御した。
【0086】
試験手順を行う前に、試験すべきサンプルを23℃の温度と50%の相対湿度の条件に放置した。サンプルは、微細多孔質ポリマー膜が、水槽の表面に取り付けられた延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン膜に接触するように配置し、カップアセンブリーの導入前に少なくとも15分間平衡にさせた。
カップアセンブリーを1/1000gの精度で秤量し、試験サンプルの中央の上に逆さにして置いた。水の移動は、水槽の水と飽和塩溶液の間の、その方向に拡散による水の流束を与える駆動力によって与えられた。サンプルを5分間試験し、次いでカップアセンブリーを取り出し、再度1/1000gの精度で秤量した。サンプルのMVTRをカップアセンブリーの重量増加から計算し、サンプル表面積の1平方メートルあたりで24時間あたりの水のグラムで表した。
【0087】
上記のようにして作成した延伸膨張PTFEシートを、次いで前記のようにしてダウコーニング社のQ1−4010シリコーンとISOPAR−C溶媒の体積で3:1の混合物の中に沈め、ワイパー(ドクター)ブレードを用いてその膜の表面から過剰のシリコーンを除去した。
このようにして作成した複合材料を、図4と5に示した構造のように同軸ケーブルのまわりに螺旋状に巻回した。巻回した後、その巻回されたケーブルを110℃のオーブンに15分間入れ、シリコーン材料を硬化させ、同軸ケーブルに複合材料ジャケットを結合させた。
【0088】
硬化の後、この材料は導体アセンブリーの上に非常に均一なジャケットを形成する。この作成方法は、肉厚が0.0005インチ〜0.100インチの範囲の非常に薄いジャケットの作成を可能にする。このジャケットの試験は、シリコーンジャケット材料に比較してより良好な切断抵抗、より良好な耐磨耗性、及び改良された潤滑性を含む、単独のシリコーン又は延伸膨張PTFEジャケットに勝る顕著に改良された特性を示した。最終的な材料を試験し、次の特性、即ち、長手方向に6068psiと長手方向に2048psiのマトリックス引張強度、1.253の密度、及び203のMVTRを有した。
延伸膨張PTFEの存在は、導体アセンブリーに半径方向の拘束を確立する。この半径方向の拘束は、伝送ラインに電気的ロスの安定性を付与するため、高周波同軸伝送ラインの作成に特に有用である。
【0089】
例5
本発明の複合材料をさらに加工する次の例は、より以上に改良された特性を得るために採用することができる。
前記の例3に従って3フィートのチューブ複合材料を作成した。各々の端部から内側に2インチの拡張を含むチューブの各々の端部をダウコーニング社のQ1−4010シリコーンとISOPAR−C溶媒の体積部で1:1の溶液の中に沈めた。その溶液からそのチューブの端部を取り出し、120℃のオーブンに30分間入れ、シリコーンを硬化させた。次いでそのチューブの全体をその溶液の中に沈め、完全に浸透させた。浸透の後、その溶液からチューブを取り出し、前記のオーブンに30分間入れた。
【0090】
この例で得られたチューブは、中央よりもチューブの一方の端部でより硬質な領域を有した。この技術は、その長さにそった任意の所望の1以上の箇所で、高められた剛性を有するチューブを作成するために採用されることができる。これは、チューブに装入され、コネクターで止められる又は高められた剛性の領域でクランプされる伝送ラインの促進された歪みの逃げを可能にすることを可能にする。
【0091】
例6
本発明の複合材料のチューブを上記の例3に記載した方法に従って作成し、但し5:1の延伸膨張比、7.5フィート/分の線速度とした。得られたチューブは0.030インチの肉厚を有した。
押出されたチューブをダウコーニング社のQ1−4010シリコーンとISOPAR−C溶媒の1:3の溶液の中に沈めた。次いでチューブを取り出し、チューブの両端を支持されたマンドレルの上で巻回した。次いでチューブとマンドレルを110℃のオーブンに30分間入れた。
【0092】
最終的な複合材料のジャケットは0.300インチの外径(O.D.)と0.180インチの内径(I.D.)を有した。
次いでガイドワイヤーを利用して、光ファイバーの束を引張ってこの複合材料ジャケットに通した。光ファイバーの束は0.137インチの外径を有し、各々のファイバーは0.002インチの外径を有した。この光ファイバーはホウケイ酸ガラス材料から作成された。
【0093】
ケーブルの各々の端部は、ファイバー束をステンレス鋼のエンドコネクターに挿入することによって端末処理、即ち止めた。エポキシ接着剤を使用し、ファイバー束をエンドコネクターに、及び互いに接着させた。最後に、光伝送装置の端部面(即ち、光ファイバー束を収めるエンドコネクターの横断面)を研磨した。
【0094】
この方法で2本のケーブルアセンブリーを作成した。このケーブルをEIA標準法FOTP104に従って屈曲試験器で試験した。比較のため、2本の市販のケーブルもまた試験した。市販のケーブルは、通常のシリコーンジャケットの中に真っ直ぐなファイバー束を収容した。
【0095】
これらのケーブルの試験結果は、図11と12のグラフに表されている。図11は市販のケーブルの性能を例示する。このグラフは、これらケーブルの損傷が早期に起きることを示しており、5本のケーブルはわずか30000サイクルの屈曲の後に損傷し、別なケーブルはわずか60000サイクルの屈曲の後に損傷した。
【0096】
これに対し、図12は、本発明の例によって作成した2本のケーブルの性能を示す。理解できるように、これら2本のケーブルの1本は430000サイクルの屈曲の後に損傷し、もう1本はその段階では劣化を示さないままであった。
本願において本発明の特定の態様を例示し、説明してきが、本発明はこの例示や説明に限定されるべきでない。変化や変更が次の請求の範囲の範疇の中で本発明の一部として取り入れられ、具体化され得ることは明らかであろう。
【0097】
例7
いくつかの延伸膨張PTFEのサンプルを、トルエンで希釈したX1−4105とQ1−4010シリコーンで含浸した。シリコーンとトルエンの比は3:1であった。これらのサンプルを硬化させ、次いで純粋なトルエンの中に沈めた。サンプルを取り出し、次の72時間にわたって物理的特性における何らかの損失や見た目の劣化について検査した。サンプルは膨潤や重量増加の兆候を示したが、優れた引張、磨耗、及びレジリエンスの性質を有したままであった。サンプルを取り出してそれらを乾燥させた後、それらを再度秤量した。X1−4105を含むサンプルは2.3%の重量低下を示し、一方でQ1−4010を含むサンプルは1.3%の重量低下を示した。シリコーンは複合材料の重量の50%より多いため、これらの重量低下はわずかである。
【0098】
厚さ0.005インチのシリコーンゴムのシートを72時間浸したとき、それらは膨潤し、形が崩れ、表面の損傷に非常に敏感になった。張力下に置かれると、表面に対する極めてわずかな切り込みや損傷がシート全体に敏速に伝搬するであろう。
【0099】
そのようなものとして、本発明の複合材料は、材料の有意な劣化なしに高活性薬剤への暴露に耐えることができる。用語「高活性薬剤(harsh chemicals) 」は、トルエンや類似の溶液のような溶媒、及びケーブルとワイヤージャケットの洗浄及び/又は滅菌に一般的使用されるその他の液体や気体の物質を包含するものとする。これらの薬剤の多くは、本発明の延伸膨張PTFE構造体によって保護されなければ、シリコーンを早期に劣化させるであろう。
【0100】
本発明の作用は、次の説明を添付の図面と併せて考慮されることによって明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の組成物の2000倍に拡大された走査型電子顕微鏡写真(SEM)であり、低濃度のシリコーン材料で被覆されたポリマーのノードとフィブリルの構造を示す。
【図2】本発明の組成物の2000倍に拡大されたSEMであり、中間的な濃度のシリコーン材料で被覆されたポリマーのノードとフィブリルの構造を示す。
【図3】本発明の組成物の2000倍に拡大されたSEMであり、高濃度のシリコーン材料で被覆されたポリマーのノードとフィブリルの構造を示す。
【図4】マルチストランドの導体、絶縁層、シールド層、及び本発明の巻回されたジャケット材料を含んでなる多層同軸ケーブルの半横向きの等角投影図である。
【図5】図4の線5−5にそったケーブルの横断面図である。
【図6】本発明のジャケット材料を巻回された導体テープの半横向きの等角投影図である。
【図7】本発明のジャケット材料の連続チューブの中にシールされた導体の半横向きの等角投影図である。
【図8】本発明のジャケット材料のテープの中にシガレット巻きされた導体の半横向きの等角投影図である。
【図9】本発明のジャケット材料の中にシールされた多数撚線の光ファイバーケーブルの縦断面図である。
【図10】本発明のジャケット材料の中にシールされた多数撚線の光ファイバーケーブルの端面図である。
【図11】ジャケット付光ファイバーケーブルの市販のサンプルについての屈曲試験結果を示すグラフである。
【図12】本発明のジャケット材料の中にシールされた光ファイバーケーブルの2種のサンプルについての屈曲試験結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料の微細多孔質基材を用意し、
シリコーンエラストマーを用意し、
シリコーンエラストマーと溶媒を混合し、接触するとポリテトラフルオロエチレン材料に自由に浸透することができる組成物を作成し、
その組成物がポリテトラフルオロエチレン材料の微細多孔質構造を連続して完全に埋封するように、その組成物をポリテトラフルオロエチレン材料に施し、
その膜から溶媒を除去し、複合材料のジャケット材料を残存させ、
使用の際に導体を保護するように導体のまわりにそのジャケット材料をシールすることを含む、導体用ジャケットの製造方法。
【請求項2】
塩化メチレン、トルエン、及びアセトンからなる群より選択された溶媒を用意し、シリコーンと溶媒を重量で0.1:1〜3:1の比率で混合することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複合材料のジャケット材料をテープに形成し、そのテープを巻回することによって導体をシールすることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
複合材料のジャケット材料をチューブに形成し、そのチューブで導体を囲むことによって導体をシールすることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
長手方向に非伸縮性である延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン材料を用意することをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
微細多孔質構造を有するポリマー膜を用意し、
シリコーンと溶媒の混合溶液を用意し、膜の微細多孔質構造に自由に浸透することができる液体組成物を作成し、
その組成物が微細多孔質構造を完全に含浸するように、その組成物で膜を被覆し、
溶媒を除去して膜の中でシリコーンが硬化するように、その含浸された膜をエネルギー源に曝し、微細多孔質構造を連続して完全に埋封するようにシリコーンを含浸した膜を作成し、
導体のまわりにジャケットを形成するように、導体をシリコーン含浸膜で巻回する、ことを含む導体用の改良されたジャケット材料の製造方法。
【請求項7】
塩化メチレン、トルエン、及びアセトンからなる群より選択された溶媒を用意し、シリコーンと溶媒を重量で0.1:1〜3:1の比率で混合することをさらに含む、請求項6に記載の方法。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−273478(P2007−273478A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130623(P2007−130623)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【分割の表示】特願平8−510146の分割
【原出願日】平成6年12月2日(1994.12.2)
【出願人】(391028362)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド (18)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
【Fターム(参考)】