電気式連続焼成機
【課題】焼き菓子の生産効率を高めると共に、電力消費を抑える。
【解決手段】
本発明の電気式連続焼成機は、本体ケーシング20内においてX方向に並べて配置された複数個の下側ヒータ110と、前記下側ヒータの上方にてX方向に並べて配置された複数個の上側ヒータ120と、前記下側ヒータ110と前記上側ヒータ120の間を前記X方向に順送りされる複数枚の下側加熱板55と、前記複数枚の下側加熱板55をX方向に順送りさせる第一駆動装置と、前記下側加熱板55の上面に重なった態でX方向に順送りされる複数枚の上側加熱板75と、前記複数枚の上側加熱板75をX方向に順送りさせる第二駆動装置とを備えた構成である。
【解決手段】
本発明の電気式連続焼成機は、本体ケーシング20内においてX方向に並べて配置された複数個の下側ヒータ110と、前記下側ヒータの上方にてX方向に並べて配置された複数個の上側ヒータ120と、前記下側ヒータ110と前記上側ヒータ120の間を前記X方向に順送りされる複数枚の下側加熱板55と、前記複数枚の下側加熱板55をX方向に順送りさせる第一駆動装置と、前記下側加熱板55の上面に重なった態でX方向に順送りされる複数枚の上側加熱板75と、前記複数枚の上側加熱板75をX方向に順送りさせる第二駆動装置とを備えた構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式連続焼成機に関する。
【背景技術】
【0002】
でんぷんを原料にした焼き菓子は、下記特許文献1のように上下一対の加熱板で、挟んで焼成される。これは、挟んで焼かないと、でんぷんが膨らんで厚みが不均一になるからである。特許文献1の食品焼成装置は加熱板が一組しかなく生産性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−130149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、焼き菓子の生産効率を高めると共に電力消費(ヒータの電力消費)を抑えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電気式連続焼成機であって、前後に原料投入口と出口を形成し、X方向に長い形状をなす本体ケーシングと、前記本体ケーシング内において、加熱面を上に向けつつX方向に並べて配置された複数個の下側ヒータと、前記下側ヒータの上方にて加熱面を下に向けつつX方向に並べて配置された複数個の上側ヒータとを有する加熱装置と、前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを前記X方向に順送りされる複数枚の下側加熱板と、前記複数枚の下側加熱板をX方向に順送りさせる第一駆動装置と、前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを、前記下側加熱板との間に粉状又は液状の原料を挟みつつ前記下側加熱板の上面に重なった態で、X方向に順送りされる複数枚の上側加熱板と、前記複数枚の上側加熱板をX方向に順送りさせる第二駆動装置と、を備えるところに特徴を有する。この構成では、原料を連続的に焼成できるので、焼き菓子を連続的に生産することが可能となり、生産効率がよい。
【0006】
本発明の実施態様として、以下の構成にすることが好ましい。
・前記複数個の下側ヒータは、前記下側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を加熱する構成であり、前記複数個の上側ヒータは、上側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる上側加熱板75のY方向の両端部を加熱する構成である。
【0007】
・前記X方向の先頭にあたる初段では、前記下側ヒータを、前記下側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置する。
・前記X方向の先頭にあたる初段では、前記上側ヒータを、前記上側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置する。
【0008】
・前記上側ヒータの上側に、前記上側ヒータの熱が上方に逃げることを防止する上側遮蔽板を設ける一方、前記下側ヒータの下側に、前記下側ヒータの熱が下方に逃げることを防止する下側遮蔽板を設ける構成とする。
【0009】
・前記上側遮蔽板を天井壁とし、前記下側遮蔽板を底壁とするダクト状の焼成室内に、ファンを通じてエアを送り込んで、前記本体ケーシングの前後へ向かう気流を発生させる構造とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、焼き菓子の生産効率を高めることが可能となる。また、電力消費(ヒータの電力消費)を抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気式連続焼成機の側面図
【図2】電気式連続焼成機の平面図
【図3】両加熱板の搬送状態を示す図
【図4】上側ヒータと下側ヒータの関係を示す図
【図5】下側ヒータの配置を示す図
【図6】上側ヒータの配置を示す図
【図7】比較例を示す図
【図8】閉止板の取り付け構造を示す断面図
【図9】電気式連続焼成機の中央断面図
【図10】本体ケーシングと下側遮蔽板の関係を示す平面図
【図11】本体ケーシングと上側遮蔽板の関係を示す平面図
【図12】本体ケーシング内における送風ファンの配置を示す断面図
【図13】ダクト内の生じる気流を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<一実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図13によって説明する。
1.電気式連続焼成機10の構造説明
図1は電気式連続焼成機10の側面図、図2は電気式連続焼成機10の平面図である。本電気式連続焼成機10は、菓子の原料(粉状や液状のでんぷんに海老やイカの小片を混ぜたもの)を、下側コンベア40を使用して本体ケーシング20内の焼成室30に連続して送り込んで、上下2枚の加熱板55、75により挟み焼きするものである。
【0013】
以下、電気式連続焼成機10の具体的構成について説明を行う。また、本明細書を通じて図1、図2の左右方向(本体ケーシング20の長手方向、コンベア40、60の送り方向)をX方向と定義し、図2の上下方向(本体ケーシング20の奥行方向であって、X方向に直交する方向)をY方向と定義する。
【0014】
本電気式連続焼成機10は本体ケーシング20と、下側コンベア40と、上側コンベア60と、下側コンベア40の下側加熱板55に重なるように上側コンベア60の上側加熱板75を下方に押圧する押圧装置90と、上下の加熱板55、75を加熱する加熱装置100とを主体に構成されている。
【0015】
本体ケーシング20はX方向に長い形状をしており、L字型の鋼材(アングル)を枠型に組み上げたフレーム23と、フレーム23の窓24を閉止する閉止板25とから構成されている。
【0016】
本体ケーシング20の前後には段差が付けられており、前側段差部分の前面壁20Aには、次に説明する下側コンベア40上に並べられた原料を本体ケーシング20内の焼成室30へ投入するため原料投入口(図略)が設けられている。また、後側段差部分の後面壁20Bには出口(図略)が開口しており、焼成された焼き菓子(えび煎餅やイカ煎餅)を排出する構成となっている。また、本体ケーシング20の後部には払い出し機29が設けられていて、出口を通って本体ケーシング20の外に出た焼き菓子を下側コンベア40から払い出す構成となっている。
【0017】
下側コンベア40は、本体ケーシング20の下部側に取り付けられている。下側コンベア40は、いわゆるチェーン駆動タイプであり、本体ケーシング20の後端部に駆動軸41を取り付け、本体ケーシング20の前端部に支持部材87を介して従動軸43を取り付けている。駆動軸41の両側にはスプロケット42が取り付けられる一方、従動軸43の両側には円板車44が取り付けられており、それらを架け渡すように、無端状のチェーン45が架け渡されている。そして、下側コンベア40のコンベアベルト(搬送ベルト)50は、複数枚の下側加熱板(鋳造された鉄板)55を帯状に繋げた構成となっており、各下側加熱板55の両端部を、それに対応するチェーン45のリンク46にそれぞれ連結している(図3、図5参照)。
【0018】
以上のことから、動力装置80によって駆動軸41を回転させると、チェーン駆動により下側加熱板55を帯状に繋げたコンベアベルト50が、本体ケーシング20内にてX方向に循環駆動する。尚、動力装置80はモータ81とモータ81の動力を駆動軸41に伝達する伝達機構83とから構成されている。また、支持部材87は、従動軸43に一定の弾性力を作用させつつ、これを前後動可能に支持するものである。また、各従動軸43に対してスプロケットを設けず、円板車44を設けた理由は下側加熱板55の熱延びを許容するためであり、これをスプロケットにすると、歯の?合い不良によりチェーン外れの恐れがあるためである。また、動力装置80と下側コンベア(ただし、コンベアベルト50を除く)40が、本発明の「第一駆動装置」に相当する。
【0019】
本体ケーシング20内には、図3に示すように、X方向に水平に延びる第一レール57がY方向の両側に一対取り付けられており、チェーン45のローラ47がその上面をそれぞれ転動する構成となっている。このようにすることで、順送りされる下側加熱板55の姿勢を水平に保つことが可能となる。
【0020】
上側コンベア60は、本体ケーシング20の上部側に取り付けられていて、下側コンベア40と上下に向かい合っている。上側コンベア60は、下側コンベア40と同様チェーン駆動タイプであり、本体ケーシング20の後端部に駆動軸61を取り付け、本体ケーシング20の前端部に支持部材87を介して従動軸63を取り付けている。駆動軸61の両側にはスプロケット62が取り付けられる一方、従動軸63の両側には円板車64が取り付けられており、それらを架け渡すように、無端状のチェーン65が架け渡されている。そして、上側コンベア60のコンベアベルト(搬送ベルト)70は、複数枚の上側加熱板(鋳造された鉄板)75を帯状に繋げた構成となっており、各上側加熱板75の両端部を、それに対応するチェーン65のリンク66にそれぞれ連結している(図3、図6参照)。
【0021】
そして、駆動軸61と動力装置80のモータ81との間には伝達機構85が設けられていて、モータ81の動力が駆動軸61に伝達される構成となっている。以上のことから、動力装置80のモータ81を駆動させると、駆動軸61が回転してチェーン駆動することから、上側加熱板75を帯状に繋げたコンベアベルト70が、本体ケーシング20内にてX方向に循環駆動する。尚、動力装置80と上側コンベア(ただし、コンベアベルト70を除く)60が、本発明の「第二駆動装置」に相当する。
【0022】
また、本体ケーシング20内には、図3に示すように、第一レール57の上方に位置して第二レール77が取り付けられている。第二レール77は、第一レール57と同じくX方向に水平に延びていて、Y方向の両側に一対取り付けられている。この第二レール77の下面を、チェーン65のローラ67がそれぞれ転動する構成となっている。このようにすることで、順送りされる上側加熱板75の姿勢を水平に保つことが可能となる。
【0023】
そして、上側コンベア60と下側コンベア40は、同期して循環駆動(モータ81を共通使用しているため)するようになっており、両コンベア40、60を駆動させると、下側加熱板55の上面に上側加熱板75が重なって送られる構成となっている。また、本実施形態では、次に説明する押圧装置90によって上側加熱板75を下方に押圧する構成となっている。
【0024】
押圧装置90は、第二レール77の長手方向に複数個(この例では、5個)設けられている。各押圧装置90は、本体ケーシング20に固定された保持部材91と、保持部材91に対して螺子で結合され先端に押圧ばね95を有する軸部材93とからなる。係る押圧装置90は、第二レール77の上方にあって、先端の押圧ばね95を、第二レール77に突き当てており、第二レール77を下向きに押圧している。このような構成とすることで、下側加熱板55の上面に重なって順送りされる上側加熱板75を下向きに押さえることが可能となり、両加熱板55、75の重合状態を保持できる構成となっている。尚、保持部材91と軸部材93を螺子で結合させているのは、螺子込み量を調整することで、押圧装置90による上側加熱板75の押し込み力を調整できるようにするためである。
【0025】
次に、加熱装置100について説明を行う。加熱装置100は、複数個の下側ヒータ110と、複数個の上側ヒータ120とから構成されている。両ヒータ110、120は、電気絶縁性に優れたセラミック板の内部にヒータ抵抗体を設けたセラミックヒータである。図9に示すように、下側ヒータ110は、本体ケーシング23内において、加熱面を上に向けた状態で取り付けられている(具体的には本体ケーシング20に固定された支持部材118を介して取り付けられている)。この下側ヒータ120は、下側加熱板55を下方から加熱する構成となっている。一方、上側ヒータ120は、下側ヒータ110の上方にて加熱面を下に向けた状態で取り付けられている(具体的には本体ケーシング20に固定された支持部材128を介して取り付けられている)。この上側ヒータ120は、上側加熱板75を上側から加熱する構成となっている。この実施形態では、両ヒータ110、120の表面温度は概ね650℃であり、両加熱板55、75を概ね180℃程度に加熱する構成となっている。
【0026】
そして、下側ヒータ110は、図5に示すように、下側加熱板55のY方向の両端側に一列状に配置され、X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を加熱する構成となっている。また、上側ヒータ120は、図6に示すように、上側加熱板75のY方向の両端側に一列状に配置され、X方向に順送りされる上側加熱板75のY方向の両端部を加熱する構成となっている。
【0027】
このようなヒータ配置とすることで、X方向に送られる各加熱板55、75の両端に対してヒータ110、120の熱をほぼ連続的にあてることが可能となり、各加熱板55、75の両端部を重点的に加熱できる。別の言い方をすれば、加熱板55、75の両端側が冷え難くなる。例えば、図7に示すように、ヒータ110、120を加熱板55、75と同じ向きにすると、ヒータ110、120により加熱板55、75の全体を均等に加熱できる。しかし、X方向に送られる各加熱板55、75に対してヒータ110、120の熱は間欠的にしかあたらない。そして、ヒータ間で加熱板55、75は両端から冷めてゆくので、図7の配置した場合には、加熱板55、75の両側で温度が下がり易くなる。この本実施形態では、加熱板55、75の両端にヒータ110、120を配置するようにしたから、両端が冷め難くなる。従って、加熱板55、75の板温を、Y方向の全幅に渡って概ね均一にできる。
【0028】
また、下側ヒータ110は図5に示すように5段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段〜3段には、下側加熱板55のY方向の両端と中間の3か所に下側ヒータ110を配置してある。また、上側ヒータ120は図6に示すように4段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段と2段には、上側加熱板75のY方向の両端と中間の3か所に上側ヒータ120を配置してある。
【0029】
このようなヒータ配置とすることで、後述する焼成室30の入口部分(図4参照)の温度(室温)の低下を防ぐことが可能となる。というのも、ヒータで加熱されると、焼き菓子の原料に含まれる水分が蒸発し、周囲から気化熱を奪う。そのため、ヒータ110、120の火力が弱いとどうしても、温度が下がり易くなる。この点、上記のように、送り方向の先頭(初段)側にヒータを多めに配置しておけば、それだけ火力が増すから、温度低下を防ぐことが可能となる。また、下側ヒータ110のうち、Y方向の両側のヒータ110は、同段であればX方向の同じ位置にある。一方、中間に配置されたヒータ110は、図5に示すように、両側のヒータ110に対してX方向に位置をずらしてある(上側ヒータ120も同様)。このような構成とすることで、ヒータ110間の距離(隣接段のヒータに対する距離)が近くなるので、加熱板55の中央から両端の全体をバランスよく加熱できる。
【0030】
また、図4に示す符号150は、下側加熱板55を予熱する予熱ヒータである。予熱ヒータ150は、円板車44の後方下側にあって、下側ヒータ110と同様に、X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を、加熱(予熱)する構成となっている。尚、本電気式連続焼成機10では、予熱用ヒータを下側加熱板55側にだけ設ける構成としたが、下側加熱板55側に加えて上側加熱板75側にも設けるようにしてもよい。
【0031】
また、図8に示すように、本体ケーシング20(フレーム23)の窓24を閉止する各閉止板25の裏面には、例えば、発泡フェノール樹脂系又はガラス系の断熱材27が取り付けられている。そして、各閉止板25を本体ケーシング20(フレーム23)の窓24に取り付けると、図9に示すように、断熱材27が窓24に嵌って、ヒータ110、120の熱が窓24から逃げるのを防止する構成となっている。
【0032】
また、図9に示すように下側ヒータ110の下方には、ステンレス製の下側遮蔽板115が取り付けられている。具体的には下側ヒータ110を固定する金属製の取り付け部材113の下面にボルトで固定されている。下側遮蔽板115はY方向に水平に延びており、Y方向に並ぶ2つの下側ヒータ110の下方を一括して覆っている。そして、下側遮蔽板115の両サイドは、第一レール57との干渉を避けるような段差状をしており、エッジに形成したフランジ部115aを断熱材27の表面に面接触させている。また、下側遮蔽板115上の中央部には、傾斜壁117が設けられている。傾斜壁117は、本体ケーシング20のセンターからY方向の両側に向かって下降傾斜している。この傾斜壁117は、下側加熱板55の表面に付着して運ばれてくる塵を、Y方向の両側に振り分けるものである。この傾斜壁117を設けることで、下側遮蔽板115の中央に塵が溜まり難くなり、メンテナンス性が高まる。
【0033】
また、上側ヒータ120の上方には、ステンレス製の上側遮蔽板125が取り付けられている。具体的には上側ヒータ120を固定する金属製の取り付け部材123の上面にボルトで固定されている。上側遮蔽板125は、下側遮蔽板115と同じくY方向に水平に延びており、Y方向に並ぶ2つの上側ヒータ120の上方を一括して覆っている。そして、上側遮蔽板125の両サイドには、下向きに屈曲するフランジ部125aが形成されている。また、上側遮蔽板125のうち、押圧装置90の内側の位置には、V字型に折り曲げてある(折曲部125b)。これらフランジ部125a、折曲部125bを設けることで、ヒータ120の熱が下方へ向かい易くなるので、熱が上側に逃げ難くなる。また、上側遮蔽板125の下面中央部には、左右のヒータ120間のスペースを埋めるようにして箱型の中央壁127が設けられている。
【0034】
そして、これら下側遮蔽板115と上側遮蔽板125は、ヒータ110、120の側方を囲む断熱材27やフレーム23と共に、焼成室30(図9にてA寸法で示す範囲)を形成している。すなわち、2枚の遮蔽板115、125が焼成室30の天井壁と底壁を構成し、断熱材27やフレーム23が焼成室30の側面壁を構成しており、これら4つの壁によりヒータ110、120の熱を閉じ込めて外部に逃がさないようにしている。
【0035】
また、下側遮蔽板115は、X方向に列をなして並ぶ各段のヒータに対応してそれぞれ設けられている。そして、各段の下側遮蔽板115は、図10に示すように、前後の端部を突き合わせており、X方向に切れ目なく連続している。また、同様に、上側遮蔽板125は、X方向に列をなして並ぶ各段のヒータに対応してそれぞれ設けられている。そして、各段の上側遮蔽板125は、図11に示すように、前後の端部を突き合わせており、X方向に切れ目なく連続している。このような構成とすることで、各段の焼成室30が一本のダクト状に繋がる。
【0036】
また、本体ケーシング20の上部側であって、上側ヒータ120の4段目の中央には送風ファン130が設けられている。送風ファン130は、図12に示すように、送風面を下に向けた状態で不図示の取り付け部材を介して取り付けられている。その一方、送風ファン130下方の上側遮蔽板125には円形の連絡孔が開口している。そのため、送風ファン130を駆動させると、ダクト状をなす焼成室30内に連絡孔を通じて空気が送り込まれることから、図13に示すようにダクト状をなす焼成室30内には、前後方向に向う気流(やや弱めの気流)が発生する。このような構成としておけば、菓子の原料の粉(塩分やグルタミン酸)が、本体ケーシング20の焼成室30内に入り難くなる。そのため、ヒータ110、120が劣化し難くなる。
【0037】
尚、本体ケーシング20内の温度は、概ね210℃〜240℃程度であるから、送風ファン130に金属ケースを被せて放熱対策を行うか、ファンモータを本体ケーシング20の外部に設置するなどの対策を行うことが好ましい。
【0038】
また、図9に示す符号28は補強部材、符号97はガイド部材である。補強部材(角筒型のパイプ)28はフレーム23の左右両側(Y方向の両側)にあって、フレーム23の全長(X方向の全長)に渡って形成されており、X方向の前後両端をフレーム23の前面壁と後面壁に連結させている。この補強部材28は、フレーム23の剛性を高める機能を果たしている。ガイド部材97は、下側加熱板55と上側加熱板75をY方向の両側からガイドして、両加熱板55、75がY方向で位置ずれを起こすことを防止するものである。このガイド部材97は平面方向から見た時に円盤型をしており、両加熱板55、75がX方向に送られる際に、軸中心に回転する構成となっている。
【0039】
2.電気式連続焼成機10の作用及び効果
焼き菓子の原料は、電気式連続焼成機10の前側に形成された原料投入口から本体ケーシング20内の焼成室30へ下側コンベア40により送り込まれる。具体的には、下側コンベア40の下側加熱板55の上面に一定間隔で整列状に置かれて焼成室30へと送られる。
【0040】
上側コンベア60は下側コンベア40と同期した状態で循環駆動しており、下側コンベア40の各下側加熱板55には、焼成室30の入口付近で上側コンベア60の各上側加熱板75が重なる。そのため、菓子の原料は、上下2枚の加熱板55、75に挟まれた状態で焼成室30をX方向後方へ送られてゆく。
【0041】
そして、両加熱板55、75に挟まれた原料は、燃焼室30を送られてゆく過程で、両加熱板55、75により、加熱され焼成する。その後、焼成室30の出口に差し掛かると、下側加熱板55の上面に重なった上側加熱板75は、自動的に離れる。下側加熱板55の上面に並んだ焼き菓子は、その後、焼成室30の出口後方に設けられた払い出し機29により払い出される。
【0042】
本電気式連続焼成機10によれば、原料の投入を連続的に行うことで、えび煎餅やイカ煎餅などの焼き菓子を連続的に生産することが可能であり、焼き菓子の生産効率が高い。また、2枚の加熱板55、75で原料(でんぷん)を挟んで焼くから、原料の膨らみを抑えることが可能である。しかも、押圧装置90により第二レール77を介して上側加熱板75を押さえるから、原料の膨らみを抑える効果が高く、焼き菓子の厚みを一定にできる。従って、良質の焼き菓子を生産することが可能となり歩留まりがよい。
【0043】
また、本電気式連続焼成機10によれば、図5に示すように、下側加熱板55のY方向の両端側に下側ヒータ110を一列状に配置し、X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を加熱する構成となっている。また、図6に示すように、上側加熱板75のY方向の両端側に上側ヒータ120を一列状に配置し、X方向に順送りされる上側加熱板75のY方向の両端部を加熱する構成となっている。
【0044】
このようなヒータ配置とすることで、各加熱板55、75の両端側を重点的に加熱でき、両端側の温度低下を防止できる。というのも、例えば、図7に示すように、ヒータ110を加熱板55、75と同じ向きにすると、ヒータ110により加熱板55、75の全体を均等に加熱できる。しかし、加熱板55、75は両端から冷めてゆくので、図7の配置した場合には、加熱板55、75の両側で温度が下がり易くなり、その部分では原料の加熱が不十分となる。この本実施形態では、加熱板55、75の両端にヒータ110を配置するようにしたから、両端が冷めにくくなり、その部分でも原料の加熱(焼成)を十分に行うことが可能となる。そのため、焼成が不十分な不良品が、ほとんど出ないので、焼き菓子の生産効率(歩留まり)が高い。
【0045】
また、加熱されると、焼き菓子の原料に含まれる水分が蒸発し、周囲から気化熱を奪う。そのため、ヒータ110、120の火力が弱いと、焼成室30の入口部分で、温度が下がり易くなる。この点、本電気式連続焼成機10によれば、下側ヒータ110は図5に示すように5段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段〜3段には、下側加熱板55のY方向の両端と中間の3か所に下側ヒータ110を配置してある。また、上側ヒータ120は図6に示すように4段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段と2段には、上側加熱板75のY方向の両端と中間の3か所に上側ヒータ120を配置してある。
【0046】
このようなヒータ配置とすることで、焼成室30の入口部分は火力が強くなるので、温度(室温)の低下を防ぐことが可能となる。そのため、入口部分を含む焼成室30の全体を、菓子の焼成に必要な温度(一例として、イカ煎餅では210℃、えび煎餅では160℃、二度焼き煎餅用の生地焼きでは100℃)に保つことが可能となる。そのため、焼き菓子の生産性を高めることが可能となる。また、全段についてヒータを3個配置する場合に比べてヒータ数が少なくなり、かつ電力消費も抑えることが可能となる。
【0047】
また、本電気式連続焼成機10によれば、両遮蔽板115、125と、断熱材27と、フレーム23により、焼成室30を形成しており、上下ヒータ110、120の熱を室内に閉じ込めるようになっている。そのため、熱の利用効率が高く、電力消費を抑えることが可能となっている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0048】
(1)上記実施形態では、電気式連続焼成機1で生産する焼き菓子の一例に、えび煎餅やイカ煎餅を例示した。本電気式連続焼成機1はえび煎餅やイカ煎餅の他に、もなかを生産することが可能である。
【0049】
(2)上記実施形態では、下側ヒータ110について、X方向の先頭にあたる初段〜3段は、下側加熱板55の両側に加え中間にもヒータ110を配置(3か所配置にした)にした。また、上側ヒータ120について、X方向の先頭にあたる初段と2段には、
上側加熱板75の両側に加え中間にもヒータ110を配置(3か所配置にした)にした。ヒータは、少なくともX方向の初段に3か所配置されていればよく、それ以外の段で、ヒータを3段配置するかどうかは、焼成室内の温度分布を考慮して決定すればよい。また、初段にヒータを3か所配置した理由は、原料に含まれる水分の気化熱を考慮してのものであるため、原料に含まれる水分が少なく、気化熱が小さいことが見込まれる場合には、中央のヒータは廃止又は停止してもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、本体ケーシング20内に送風ファン130を設けた例を示したが、ヒータ110、120の劣化を考慮しなければ、廃止することも可能である。また、上側加熱板75の自重で原料の膨らみを抑えることが可能であれば、押圧装置90を廃止してもよい。
【符号の説明】
【0051】
10・・・電気式連続焼成機
20・・・本体ケーシング
23・・・フレーム
30・・・焼成室
40・・・下側コンベア(本発明の「第一駆動装置」に相当)
50・・・コンベアベルト
55・・・下側加熱板
60・・・上側コンベア(本発明の「第二駆動装置」に相当)
70・・・コンベアベルト
75・・・上側加熱板
80・・・動力装置(本発明の「第一駆動装置」、「第二駆動装置」に相当)
100・・・加熱装置
110・・・下側ヒータ
115・・・下側遮蔽板
120・・・上側ヒータ
125・・・上側遮蔽板
130・・・送風ファン
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式連続焼成機に関する。
【背景技術】
【0002】
でんぷんを原料にした焼き菓子は、下記特許文献1のように上下一対の加熱板で、挟んで焼成される。これは、挟んで焼かないと、でんぷんが膨らんで厚みが不均一になるからである。特許文献1の食品焼成装置は加熱板が一組しかなく生産性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−130149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、焼き菓子の生産効率を高めると共に電力消費(ヒータの電力消費)を抑えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電気式連続焼成機であって、前後に原料投入口と出口を形成し、X方向に長い形状をなす本体ケーシングと、前記本体ケーシング内において、加熱面を上に向けつつX方向に並べて配置された複数個の下側ヒータと、前記下側ヒータの上方にて加熱面を下に向けつつX方向に並べて配置された複数個の上側ヒータとを有する加熱装置と、前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを前記X方向に順送りされる複数枚の下側加熱板と、前記複数枚の下側加熱板をX方向に順送りさせる第一駆動装置と、前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを、前記下側加熱板との間に粉状又は液状の原料を挟みつつ前記下側加熱板の上面に重なった態で、X方向に順送りされる複数枚の上側加熱板と、前記複数枚の上側加熱板をX方向に順送りさせる第二駆動装置と、を備えるところに特徴を有する。この構成では、原料を連続的に焼成できるので、焼き菓子を連続的に生産することが可能となり、生産効率がよい。
【0006】
本発明の実施態様として、以下の構成にすることが好ましい。
・前記複数個の下側ヒータは、前記下側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を加熱する構成であり、前記複数個の上側ヒータは、上側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる上側加熱板75のY方向の両端部を加熱する構成である。
【0007】
・前記X方向の先頭にあたる初段では、前記下側ヒータを、前記下側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置する。
・前記X方向の先頭にあたる初段では、前記上側ヒータを、前記上側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置する。
【0008】
・前記上側ヒータの上側に、前記上側ヒータの熱が上方に逃げることを防止する上側遮蔽板を設ける一方、前記下側ヒータの下側に、前記下側ヒータの熱が下方に逃げることを防止する下側遮蔽板を設ける構成とする。
【0009】
・前記上側遮蔽板を天井壁とし、前記下側遮蔽板を底壁とするダクト状の焼成室内に、ファンを通じてエアを送り込んで、前記本体ケーシングの前後へ向かう気流を発生させる構造とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、焼き菓子の生産効率を高めることが可能となる。また、電力消費(ヒータの電力消費)を抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気式連続焼成機の側面図
【図2】電気式連続焼成機の平面図
【図3】両加熱板の搬送状態を示す図
【図4】上側ヒータと下側ヒータの関係を示す図
【図5】下側ヒータの配置を示す図
【図6】上側ヒータの配置を示す図
【図7】比較例を示す図
【図8】閉止板の取り付け構造を示す断面図
【図9】電気式連続焼成機の中央断面図
【図10】本体ケーシングと下側遮蔽板の関係を示す平面図
【図11】本体ケーシングと上側遮蔽板の関係を示す平面図
【図12】本体ケーシング内における送風ファンの配置を示す断面図
【図13】ダクト内の生じる気流を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<一実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図13によって説明する。
1.電気式連続焼成機10の構造説明
図1は電気式連続焼成機10の側面図、図2は電気式連続焼成機10の平面図である。本電気式連続焼成機10は、菓子の原料(粉状や液状のでんぷんに海老やイカの小片を混ぜたもの)を、下側コンベア40を使用して本体ケーシング20内の焼成室30に連続して送り込んで、上下2枚の加熱板55、75により挟み焼きするものである。
【0013】
以下、電気式連続焼成機10の具体的構成について説明を行う。また、本明細書を通じて図1、図2の左右方向(本体ケーシング20の長手方向、コンベア40、60の送り方向)をX方向と定義し、図2の上下方向(本体ケーシング20の奥行方向であって、X方向に直交する方向)をY方向と定義する。
【0014】
本電気式連続焼成機10は本体ケーシング20と、下側コンベア40と、上側コンベア60と、下側コンベア40の下側加熱板55に重なるように上側コンベア60の上側加熱板75を下方に押圧する押圧装置90と、上下の加熱板55、75を加熱する加熱装置100とを主体に構成されている。
【0015】
本体ケーシング20はX方向に長い形状をしており、L字型の鋼材(アングル)を枠型に組み上げたフレーム23と、フレーム23の窓24を閉止する閉止板25とから構成されている。
【0016】
本体ケーシング20の前後には段差が付けられており、前側段差部分の前面壁20Aには、次に説明する下側コンベア40上に並べられた原料を本体ケーシング20内の焼成室30へ投入するため原料投入口(図略)が設けられている。また、後側段差部分の後面壁20Bには出口(図略)が開口しており、焼成された焼き菓子(えび煎餅やイカ煎餅)を排出する構成となっている。また、本体ケーシング20の後部には払い出し機29が設けられていて、出口を通って本体ケーシング20の外に出た焼き菓子を下側コンベア40から払い出す構成となっている。
【0017】
下側コンベア40は、本体ケーシング20の下部側に取り付けられている。下側コンベア40は、いわゆるチェーン駆動タイプであり、本体ケーシング20の後端部に駆動軸41を取り付け、本体ケーシング20の前端部に支持部材87を介して従動軸43を取り付けている。駆動軸41の両側にはスプロケット42が取り付けられる一方、従動軸43の両側には円板車44が取り付けられており、それらを架け渡すように、無端状のチェーン45が架け渡されている。そして、下側コンベア40のコンベアベルト(搬送ベルト)50は、複数枚の下側加熱板(鋳造された鉄板)55を帯状に繋げた構成となっており、各下側加熱板55の両端部を、それに対応するチェーン45のリンク46にそれぞれ連結している(図3、図5参照)。
【0018】
以上のことから、動力装置80によって駆動軸41を回転させると、チェーン駆動により下側加熱板55を帯状に繋げたコンベアベルト50が、本体ケーシング20内にてX方向に循環駆動する。尚、動力装置80はモータ81とモータ81の動力を駆動軸41に伝達する伝達機構83とから構成されている。また、支持部材87は、従動軸43に一定の弾性力を作用させつつ、これを前後動可能に支持するものである。また、各従動軸43に対してスプロケットを設けず、円板車44を設けた理由は下側加熱板55の熱延びを許容するためであり、これをスプロケットにすると、歯の?合い不良によりチェーン外れの恐れがあるためである。また、動力装置80と下側コンベア(ただし、コンベアベルト50を除く)40が、本発明の「第一駆動装置」に相当する。
【0019】
本体ケーシング20内には、図3に示すように、X方向に水平に延びる第一レール57がY方向の両側に一対取り付けられており、チェーン45のローラ47がその上面をそれぞれ転動する構成となっている。このようにすることで、順送りされる下側加熱板55の姿勢を水平に保つことが可能となる。
【0020】
上側コンベア60は、本体ケーシング20の上部側に取り付けられていて、下側コンベア40と上下に向かい合っている。上側コンベア60は、下側コンベア40と同様チェーン駆動タイプであり、本体ケーシング20の後端部に駆動軸61を取り付け、本体ケーシング20の前端部に支持部材87を介して従動軸63を取り付けている。駆動軸61の両側にはスプロケット62が取り付けられる一方、従動軸63の両側には円板車64が取り付けられており、それらを架け渡すように、無端状のチェーン65が架け渡されている。そして、上側コンベア60のコンベアベルト(搬送ベルト)70は、複数枚の上側加熱板(鋳造された鉄板)75を帯状に繋げた構成となっており、各上側加熱板75の両端部を、それに対応するチェーン65のリンク66にそれぞれ連結している(図3、図6参照)。
【0021】
そして、駆動軸61と動力装置80のモータ81との間には伝達機構85が設けられていて、モータ81の動力が駆動軸61に伝達される構成となっている。以上のことから、動力装置80のモータ81を駆動させると、駆動軸61が回転してチェーン駆動することから、上側加熱板75を帯状に繋げたコンベアベルト70が、本体ケーシング20内にてX方向に循環駆動する。尚、動力装置80と上側コンベア(ただし、コンベアベルト70を除く)60が、本発明の「第二駆動装置」に相当する。
【0022】
また、本体ケーシング20内には、図3に示すように、第一レール57の上方に位置して第二レール77が取り付けられている。第二レール77は、第一レール57と同じくX方向に水平に延びていて、Y方向の両側に一対取り付けられている。この第二レール77の下面を、チェーン65のローラ67がそれぞれ転動する構成となっている。このようにすることで、順送りされる上側加熱板75の姿勢を水平に保つことが可能となる。
【0023】
そして、上側コンベア60と下側コンベア40は、同期して循環駆動(モータ81を共通使用しているため)するようになっており、両コンベア40、60を駆動させると、下側加熱板55の上面に上側加熱板75が重なって送られる構成となっている。また、本実施形態では、次に説明する押圧装置90によって上側加熱板75を下方に押圧する構成となっている。
【0024】
押圧装置90は、第二レール77の長手方向に複数個(この例では、5個)設けられている。各押圧装置90は、本体ケーシング20に固定された保持部材91と、保持部材91に対して螺子で結合され先端に押圧ばね95を有する軸部材93とからなる。係る押圧装置90は、第二レール77の上方にあって、先端の押圧ばね95を、第二レール77に突き当てており、第二レール77を下向きに押圧している。このような構成とすることで、下側加熱板55の上面に重なって順送りされる上側加熱板75を下向きに押さえることが可能となり、両加熱板55、75の重合状態を保持できる構成となっている。尚、保持部材91と軸部材93を螺子で結合させているのは、螺子込み量を調整することで、押圧装置90による上側加熱板75の押し込み力を調整できるようにするためである。
【0025】
次に、加熱装置100について説明を行う。加熱装置100は、複数個の下側ヒータ110と、複数個の上側ヒータ120とから構成されている。両ヒータ110、120は、電気絶縁性に優れたセラミック板の内部にヒータ抵抗体を設けたセラミックヒータである。図9に示すように、下側ヒータ110は、本体ケーシング23内において、加熱面を上に向けた状態で取り付けられている(具体的には本体ケーシング20に固定された支持部材118を介して取り付けられている)。この下側ヒータ120は、下側加熱板55を下方から加熱する構成となっている。一方、上側ヒータ120は、下側ヒータ110の上方にて加熱面を下に向けた状態で取り付けられている(具体的には本体ケーシング20に固定された支持部材128を介して取り付けられている)。この上側ヒータ120は、上側加熱板75を上側から加熱する構成となっている。この実施形態では、両ヒータ110、120の表面温度は概ね650℃であり、両加熱板55、75を概ね180℃程度に加熱する構成となっている。
【0026】
そして、下側ヒータ110は、図5に示すように、下側加熱板55のY方向の両端側に一列状に配置され、X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を加熱する構成となっている。また、上側ヒータ120は、図6に示すように、上側加熱板75のY方向の両端側に一列状に配置され、X方向に順送りされる上側加熱板75のY方向の両端部を加熱する構成となっている。
【0027】
このようなヒータ配置とすることで、X方向に送られる各加熱板55、75の両端に対してヒータ110、120の熱をほぼ連続的にあてることが可能となり、各加熱板55、75の両端部を重点的に加熱できる。別の言い方をすれば、加熱板55、75の両端側が冷え難くなる。例えば、図7に示すように、ヒータ110、120を加熱板55、75と同じ向きにすると、ヒータ110、120により加熱板55、75の全体を均等に加熱できる。しかし、X方向に送られる各加熱板55、75に対してヒータ110、120の熱は間欠的にしかあたらない。そして、ヒータ間で加熱板55、75は両端から冷めてゆくので、図7の配置した場合には、加熱板55、75の両側で温度が下がり易くなる。この本実施形態では、加熱板55、75の両端にヒータ110、120を配置するようにしたから、両端が冷め難くなる。従って、加熱板55、75の板温を、Y方向の全幅に渡って概ね均一にできる。
【0028】
また、下側ヒータ110は図5に示すように5段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段〜3段には、下側加熱板55のY方向の両端と中間の3か所に下側ヒータ110を配置してある。また、上側ヒータ120は図6に示すように4段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段と2段には、上側加熱板75のY方向の両端と中間の3か所に上側ヒータ120を配置してある。
【0029】
このようなヒータ配置とすることで、後述する焼成室30の入口部分(図4参照)の温度(室温)の低下を防ぐことが可能となる。というのも、ヒータで加熱されると、焼き菓子の原料に含まれる水分が蒸発し、周囲から気化熱を奪う。そのため、ヒータ110、120の火力が弱いとどうしても、温度が下がり易くなる。この点、上記のように、送り方向の先頭(初段)側にヒータを多めに配置しておけば、それだけ火力が増すから、温度低下を防ぐことが可能となる。また、下側ヒータ110のうち、Y方向の両側のヒータ110は、同段であればX方向の同じ位置にある。一方、中間に配置されたヒータ110は、図5に示すように、両側のヒータ110に対してX方向に位置をずらしてある(上側ヒータ120も同様)。このような構成とすることで、ヒータ110間の距離(隣接段のヒータに対する距離)が近くなるので、加熱板55の中央から両端の全体をバランスよく加熱できる。
【0030】
また、図4に示す符号150は、下側加熱板55を予熱する予熱ヒータである。予熱ヒータ150は、円板車44の後方下側にあって、下側ヒータ110と同様に、X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を、加熱(予熱)する構成となっている。尚、本電気式連続焼成機10では、予熱用ヒータを下側加熱板55側にだけ設ける構成としたが、下側加熱板55側に加えて上側加熱板75側にも設けるようにしてもよい。
【0031】
また、図8に示すように、本体ケーシング20(フレーム23)の窓24を閉止する各閉止板25の裏面には、例えば、発泡フェノール樹脂系又はガラス系の断熱材27が取り付けられている。そして、各閉止板25を本体ケーシング20(フレーム23)の窓24に取り付けると、図9に示すように、断熱材27が窓24に嵌って、ヒータ110、120の熱が窓24から逃げるのを防止する構成となっている。
【0032】
また、図9に示すように下側ヒータ110の下方には、ステンレス製の下側遮蔽板115が取り付けられている。具体的には下側ヒータ110を固定する金属製の取り付け部材113の下面にボルトで固定されている。下側遮蔽板115はY方向に水平に延びており、Y方向に並ぶ2つの下側ヒータ110の下方を一括して覆っている。そして、下側遮蔽板115の両サイドは、第一レール57との干渉を避けるような段差状をしており、エッジに形成したフランジ部115aを断熱材27の表面に面接触させている。また、下側遮蔽板115上の中央部には、傾斜壁117が設けられている。傾斜壁117は、本体ケーシング20のセンターからY方向の両側に向かって下降傾斜している。この傾斜壁117は、下側加熱板55の表面に付着して運ばれてくる塵を、Y方向の両側に振り分けるものである。この傾斜壁117を設けることで、下側遮蔽板115の中央に塵が溜まり難くなり、メンテナンス性が高まる。
【0033】
また、上側ヒータ120の上方には、ステンレス製の上側遮蔽板125が取り付けられている。具体的には上側ヒータ120を固定する金属製の取り付け部材123の上面にボルトで固定されている。上側遮蔽板125は、下側遮蔽板115と同じくY方向に水平に延びており、Y方向に並ぶ2つの上側ヒータ120の上方を一括して覆っている。そして、上側遮蔽板125の両サイドには、下向きに屈曲するフランジ部125aが形成されている。また、上側遮蔽板125のうち、押圧装置90の内側の位置には、V字型に折り曲げてある(折曲部125b)。これらフランジ部125a、折曲部125bを設けることで、ヒータ120の熱が下方へ向かい易くなるので、熱が上側に逃げ難くなる。また、上側遮蔽板125の下面中央部には、左右のヒータ120間のスペースを埋めるようにして箱型の中央壁127が設けられている。
【0034】
そして、これら下側遮蔽板115と上側遮蔽板125は、ヒータ110、120の側方を囲む断熱材27やフレーム23と共に、焼成室30(図9にてA寸法で示す範囲)を形成している。すなわち、2枚の遮蔽板115、125が焼成室30の天井壁と底壁を構成し、断熱材27やフレーム23が焼成室30の側面壁を構成しており、これら4つの壁によりヒータ110、120の熱を閉じ込めて外部に逃がさないようにしている。
【0035】
また、下側遮蔽板115は、X方向に列をなして並ぶ各段のヒータに対応してそれぞれ設けられている。そして、各段の下側遮蔽板115は、図10に示すように、前後の端部を突き合わせており、X方向に切れ目なく連続している。また、同様に、上側遮蔽板125は、X方向に列をなして並ぶ各段のヒータに対応してそれぞれ設けられている。そして、各段の上側遮蔽板125は、図11に示すように、前後の端部を突き合わせており、X方向に切れ目なく連続している。このような構成とすることで、各段の焼成室30が一本のダクト状に繋がる。
【0036】
また、本体ケーシング20の上部側であって、上側ヒータ120の4段目の中央には送風ファン130が設けられている。送風ファン130は、図12に示すように、送風面を下に向けた状態で不図示の取り付け部材を介して取り付けられている。その一方、送風ファン130下方の上側遮蔽板125には円形の連絡孔が開口している。そのため、送風ファン130を駆動させると、ダクト状をなす焼成室30内に連絡孔を通じて空気が送り込まれることから、図13に示すようにダクト状をなす焼成室30内には、前後方向に向う気流(やや弱めの気流)が発生する。このような構成としておけば、菓子の原料の粉(塩分やグルタミン酸)が、本体ケーシング20の焼成室30内に入り難くなる。そのため、ヒータ110、120が劣化し難くなる。
【0037】
尚、本体ケーシング20内の温度は、概ね210℃〜240℃程度であるから、送風ファン130に金属ケースを被せて放熱対策を行うか、ファンモータを本体ケーシング20の外部に設置するなどの対策を行うことが好ましい。
【0038】
また、図9に示す符号28は補強部材、符号97はガイド部材である。補強部材(角筒型のパイプ)28はフレーム23の左右両側(Y方向の両側)にあって、フレーム23の全長(X方向の全長)に渡って形成されており、X方向の前後両端をフレーム23の前面壁と後面壁に連結させている。この補強部材28は、フレーム23の剛性を高める機能を果たしている。ガイド部材97は、下側加熱板55と上側加熱板75をY方向の両側からガイドして、両加熱板55、75がY方向で位置ずれを起こすことを防止するものである。このガイド部材97は平面方向から見た時に円盤型をしており、両加熱板55、75がX方向に送られる際に、軸中心に回転する構成となっている。
【0039】
2.電気式連続焼成機10の作用及び効果
焼き菓子の原料は、電気式連続焼成機10の前側に形成された原料投入口から本体ケーシング20内の焼成室30へ下側コンベア40により送り込まれる。具体的には、下側コンベア40の下側加熱板55の上面に一定間隔で整列状に置かれて焼成室30へと送られる。
【0040】
上側コンベア60は下側コンベア40と同期した状態で循環駆動しており、下側コンベア40の各下側加熱板55には、焼成室30の入口付近で上側コンベア60の各上側加熱板75が重なる。そのため、菓子の原料は、上下2枚の加熱板55、75に挟まれた状態で焼成室30をX方向後方へ送られてゆく。
【0041】
そして、両加熱板55、75に挟まれた原料は、燃焼室30を送られてゆく過程で、両加熱板55、75により、加熱され焼成する。その後、焼成室30の出口に差し掛かると、下側加熱板55の上面に重なった上側加熱板75は、自動的に離れる。下側加熱板55の上面に並んだ焼き菓子は、その後、焼成室30の出口後方に設けられた払い出し機29により払い出される。
【0042】
本電気式連続焼成機10によれば、原料の投入を連続的に行うことで、えび煎餅やイカ煎餅などの焼き菓子を連続的に生産することが可能であり、焼き菓子の生産効率が高い。また、2枚の加熱板55、75で原料(でんぷん)を挟んで焼くから、原料の膨らみを抑えることが可能である。しかも、押圧装置90により第二レール77を介して上側加熱板75を押さえるから、原料の膨らみを抑える効果が高く、焼き菓子の厚みを一定にできる。従って、良質の焼き菓子を生産することが可能となり歩留まりがよい。
【0043】
また、本電気式連続焼成機10によれば、図5に示すように、下側加熱板55のY方向の両端側に下側ヒータ110を一列状に配置し、X方向に順送りされる下側加熱板55のY方向の両端部を加熱する構成となっている。また、図6に示すように、上側加熱板75のY方向の両端側に上側ヒータ120を一列状に配置し、X方向に順送りされる上側加熱板75のY方向の両端部を加熱する構成となっている。
【0044】
このようなヒータ配置とすることで、各加熱板55、75の両端側を重点的に加熱でき、両端側の温度低下を防止できる。というのも、例えば、図7に示すように、ヒータ110を加熱板55、75と同じ向きにすると、ヒータ110により加熱板55、75の全体を均等に加熱できる。しかし、加熱板55、75は両端から冷めてゆくので、図7の配置した場合には、加熱板55、75の両側で温度が下がり易くなり、その部分では原料の加熱が不十分となる。この本実施形態では、加熱板55、75の両端にヒータ110を配置するようにしたから、両端が冷めにくくなり、その部分でも原料の加熱(焼成)を十分に行うことが可能となる。そのため、焼成が不十分な不良品が、ほとんど出ないので、焼き菓子の生産効率(歩留まり)が高い。
【0045】
また、加熱されると、焼き菓子の原料に含まれる水分が蒸発し、周囲から気化熱を奪う。そのため、ヒータ110、120の火力が弱いと、焼成室30の入口部分で、温度が下がり易くなる。この点、本電気式連続焼成機10によれば、下側ヒータ110は図5に示すように5段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段〜3段には、下側加熱板55のY方向の両端と中間の3か所に下側ヒータ110を配置してある。また、上側ヒータ120は図6に示すように4段の配列となっていて、X方向の先頭にあたる初段と2段には、上側加熱板75のY方向の両端と中間の3か所に上側ヒータ120を配置してある。
【0046】
このようなヒータ配置とすることで、焼成室30の入口部分は火力が強くなるので、温度(室温)の低下を防ぐことが可能となる。そのため、入口部分を含む焼成室30の全体を、菓子の焼成に必要な温度(一例として、イカ煎餅では210℃、えび煎餅では160℃、二度焼き煎餅用の生地焼きでは100℃)に保つことが可能となる。そのため、焼き菓子の生産性を高めることが可能となる。また、全段についてヒータを3個配置する場合に比べてヒータ数が少なくなり、かつ電力消費も抑えることが可能となる。
【0047】
また、本電気式連続焼成機10によれば、両遮蔽板115、125と、断熱材27と、フレーム23により、焼成室30を形成しており、上下ヒータ110、120の熱を室内に閉じ込めるようになっている。そのため、熱の利用効率が高く、電力消費を抑えることが可能となっている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0048】
(1)上記実施形態では、電気式連続焼成機1で生産する焼き菓子の一例に、えび煎餅やイカ煎餅を例示した。本電気式連続焼成機1はえび煎餅やイカ煎餅の他に、もなかを生産することが可能である。
【0049】
(2)上記実施形態では、下側ヒータ110について、X方向の先頭にあたる初段〜3段は、下側加熱板55の両側に加え中間にもヒータ110を配置(3か所配置にした)にした。また、上側ヒータ120について、X方向の先頭にあたる初段と2段には、
上側加熱板75の両側に加え中間にもヒータ110を配置(3か所配置にした)にした。ヒータは、少なくともX方向の初段に3か所配置されていればよく、それ以外の段で、ヒータを3段配置するかどうかは、焼成室内の温度分布を考慮して決定すればよい。また、初段にヒータを3か所配置した理由は、原料に含まれる水分の気化熱を考慮してのものであるため、原料に含まれる水分が少なく、気化熱が小さいことが見込まれる場合には、中央のヒータは廃止又は停止してもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、本体ケーシング20内に送風ファン130を設けた例を示したが、ヒータ110、120の劣化を考慮しなければ、廃止することも可能である。また、上側加熱板75の自重で原料の膨らみを抑えることが可能であれば、押圧装置90を廃止してもよい。
【符号の説明】
【0051】
10・・・電気式連続焼成機
20・・・本体ケーシング
23・・・フレーム
30・・・焼成室
40・・・下側コンベア(本発明の「第一駆動装置」に相当)
50・・・コンベアベルト
55・・・下側加熱板
60・・・上側コンベア(本発明の「第二駆動装置」に相当)
70・・・コンベアベルト
75・・・上側加熱板
80・・・動力装置(本発明の「第一駆動装置」、「第二駆動装置」に相当)
100・・・加熱装置
110・・・下側ヒータ
115・・・下側遮蔽板
120・・・上側ヒータ
125・・・上側遮蔽板
130・・・送風ファン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気式連続焼成機であって、
前後に原料投入口と出口を形成し、X方向に長い形状をなす本体ケーシングと、
前記本体ケーシング内において、加熱面を上に向けつつX方向に並べて配置された複数個の下側ヒータと、前記下側ヒータの上方にて加熱面を下に向けつつX方向に並べて配置された複数個の上側ヒータとを有する加熱装置と、
前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを、前記X方向に順送りされる複数枚の下側加熱板と、
前記複数枚の下側加熱板をX方向に順送りさせる第一駆動装置と、
前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを、前記下側加熱板との間に粉状又は液状の原料を挟みつつ前記下側加熱板の上面に重なった態で、X方向に順送りされる複数枚の上側加熱板と、
前記複数枚の上側加熱板をX方向に順送りさせる第二駆動装置と、を備えた電気式連続焼成機。
【請求項2】
前記X方向に直交する方向をY方向と定義したときに、
前記複数個の下側ヒータは、前記下側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる下側加熱板のY方向の両端部を加熱する構成であり、
前記複数個の上側ヒータは、前記上側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる上側加熱板のY方向の両端部を加熱する構成であることを特徴とする請求項1に記載の電気式連続焼成機。
【請求項3】
前記X方向の先頭にあたる初段では、前記下側ヒータを、前記下側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置することを特徴とする請求項2に記載の電気式連続焼成機。
【請求項4】
前記X方向の先頭にあたる初段では、前記上側ヒータを、前記上側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置することを特徴とする請求項3に記載の電気式連続焼成機。
【請求項5】
前記上側ヒータの上側に、前記上側ヒータの熱が上方に逃げることを防止する上側遮蔽板を設ける一方、
前記下側ヒータの下側に、前記下側ヒータの熱が下方に逃げることを防止する下側遮蔽板を設けたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の電気式連続焼成機。
【請求項6】
前記上側遮蔽板を天井壁とし、前記下側遮蔽板を底壁とするダクト状の焼成室内に、ファンを通じてエアを送り込んで、前記本体ケーシングの前後へ向かう気流を発生させる構造としてあることを特徴とする請求項5に記載の電気式連続焼成機。
【請求項1】
電気式連続焼成機であって、
前後に原料投入口と出口を形成し、X方向に長い形状をなす本体ケーシングと、
前記本体ケーシング内において、加熱面を上に向けつつX方向に並べて配置された複数個の下側ヒータと、前記下側ヒータの上方にて加熱面を下に向けつつX方向に並べて配置された複数個の上側ヒータとを有する加熱装置と、
前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを、前記X方向に順送りされる複数枚の下側加熱板と、
前記複数枚の下側加熱板をX方向に順送りさせる第一駆動装置と、
前記下側ヒータと前記上側ヒータの間のスペースを、前記下側加熱板との間に粉状又は液状の原料を挟みつつ前記下側加熱板の上面に重なった態で、X方向に順送りされる複数枚の上側加熱板と、
前記複数枚の上側加熱板をX方向に順送りさせる第二駆動装置と、を備えた電気式連続焼成機。
【請求項2】
前記X方向に直交する方向をY方向と定義したときに、
前記複数個の下側ヒータは、前記下側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる下側加熱板のY方向の両端部を加熱する構成であり、
前記複数個の上側ヒータは、前記上側加熱板のY方向の両端側に一列状に配置され、前記X方向に順送りされる上側加熱板のY方向の両端部を加熱する構成であることを特徴とする請求項1に記載の電気式連続焼成機。
【請求項3】
前記X方向の先頭にあたる初段では、前記下側ヒータを、前記下側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置することを特徴とする請求項2に記載の電気式連続焼成機。
【請求項4】
前記X方向の先頭にあたる初段では、前記上側ヒータを、前記上側加熱板のY方向の両端と中間の3か所に配置することを特徴とする請求項3に記載の電気式連続焼成機。
【請求項5】
前記上側ヒータの上側に、前記上側ヒータの熱が上方に逃げることを防止する上側遮蔽板を設ける一方、
前記下側ヒータの下側に、前記下側ヒータの熱が下方に逃げることを防止する下側遮蔽板を設けたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の電気式連続焼成機。
【請求項6】
前記上側遮蔽板を天井壁とし、前記下側遮蔽板を底壁とするダクト状の焼成室内に、ファンを通じてエアを送り込んで、前記本体ケーシングの前後へ向かう気流を発生させる構造としてあることを特徴とする請求項5に記載の電気式連続焼成機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−125399(P2012−125399A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279415(P2010−279415)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]