説明

電気接続箱

【課題】本発明は、防水性が向上された電気接続箱を提供することを目的とする。
【解決手段】電気接続箱10は、ケース21内にリレー22が収容された複数のリレーモジュール13と、上壁12を有すると共に上壁12にリレーモジュール13が嵌入される複数の嵌合筒部15が上方に突出して設けられたホルダ11と、を備え、ケース21の外面には、嵌合筒部15の上端縁に全周に亘って上方から外嵌するケース止水壁36が、ケース21の外面から突出すると共に下方に延びて形成されており、上壁12の上面のうち隣り合う嵌合筒部15の間の領域には上壁12の周縁部に向かうに従って下降傾斜すると共にホルダ11の側方に開口する排水溝35が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気接続箱として特許文献1に記載のものが知られている。この電気接続箱は、上面に複数の凹部を並べて設け、この凹部内にそれぞれ、リレーが嵌入されるようになっている。リレーの外面には防水用リブが突出して形成されている。この防水用リブによって凹部の上面が塞がれる。リレーの外面と凹部の内面との間には防水空間が設けられており、この防水空間内にはゴムリングが配されている。このゴムリングの表面が、リレーの外面及び凹部の内面と密着することにより、リレーと凹部との間が防水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−29023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成においては、リレーと凹部との間の防水するためにゴムリングが用いられている。このため部品点数が増加するという問題がある。複数のリレーを取り付ける場合には、リレーの個数に応じてゴムリングの個数も増加するので、特に問題となる。
【0005】
また、複数のリレーが並べて配された場合、隣り合うリレーの間の領域には水が溜まりやすくなる。従来技術においては、上記の水が溜まりやすくなっている領域において、隣り合うリレーの防水用リブの端縁同士が接触している。このため、隣り合って位置する防水用リブ同士の隙間から、水が浸入しやすいという問題があった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、防水性が向上された電気接続箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電気接続箱であって、ケース内にリレーが収容された複数のリレーモジュールと、上壁を有すると共に前記上壁に前記リレーモジュールが嵌入される複数の嵌合筒部が上方に突出して設けられたホルダと、を備え、前記ケースの外面には、前記嵌合筒部の上端縁に全周に亘って上方から外嵌するケース止水壁が、前記ケースの外面から突出すると共に下方に延びて形成されており、前記上壁の上面のうち隣り合う前記嵌合筒部の間の領域には前記上壁の周縁部に向かうに従って下降傾斜すると共に前記ホルダの側方に開口する排水溝が形成されている。
【0008】
本発明によれば、嵌合筒部はホルダの上壁の上面から上方に突出して形成されており、リレーモジュールのケース止水壁は、嵌合筒部の上端縁に上方から外嵌するようになっている。これにより、嵌合筒部とケース止水壁との嵌合部分は、ホルダの上壁の上面よりも上方に位置している。これにより、ホルダの上面に水が流下した場合でも、この水が、嵌合筒部とケース止水壁との嵌合部分から浸入することを抑制できる。
【0009】
また、本発明によれば、ケース止水壁が嵌合筒部の上端縁に外嵌している。これにより、水の浸入経路を屈曲させて、いわゆるラビリンス構造を形成できる。この結果、部品点数を増加させることなく、ケースと嵌合筒部との間を防水できる。
【0010】
また、本発明によれば、隣り合う嵌合筒部の間の領域に排水溝が形成されている。これにより、まず、ホルダの上壁のうち隣り合う嵌合筒部の間の領域に流下した水は、上壁の上面に形成された排水溝内に流入する。続いて、排水溝内に流れ込んだ水は、排水溝の傾斜に案内されてホルダの側方に達し、ホルダの側壁へと排水される。これにより、ホルダの上面のうち隣り合う嵌合筒部の間の領域に水が溜まることを抑制できるから、水が嵌合筒部とケース止水壁との隙間から嵌合筒部内に浸入することを一層抑制できる。
【0011】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記リレーモジュールは下方に開口するコネクタハウジングを備え、前記嵌合筒部の底壁には前記リレーモジュールが前記嵌合筒部に嵌合した状態で前記コネクタハウジングに下方から嵌入する待ち受けコネクタが上方に突出して配されており、前記リレーモジュールが前記嵌合筒部と正規位置で嵌合した状態で、前記コネクタハウジングの下端縁と、前記嵌合筒部の前記底壁との間には止水空隙が形成されていることが好ましい。
【0012】
仮にリレーモジュールのケース止水壁と、嵌合筒部との間から水が浸入した場合、この水はケースの外面を下方に流下して、コネクタハウジングの下端縁にまで達する。このとき、リレーモジュールが嵌合筒部と正規位置で嵌合した状態において、コネクタハウジングの下端縁が待ち受けコネクタの底壁と当接するように設定されていると、コネクタハウジングの下端縁と、待ち受けコネクタの底壁との微小な隙間から毛細管現象によって水が浸入し、コネクタハウジングと待ち受けコネクタとの間に水が入り込むことが懸念される。上記の態様によれば、コネクタハウジングの下端縁と、嵌合筒部の底壁との間には止水空隙が形成されている。この止水空隙によって毛細管現象が抑制されるので、コネクタハウジングの下端縁と嵌合筒部の底壁との間から水が浸入することを抑制できる。
【0013】
前記コネクタハウジングと前記待ち受けコネクタとが正規嵌合した状態において、前記コネクタハウジングのうち前記待ち受けコネクタと対向する面及び前記待ち受けコネクタのうち前記コネクタハウジングと対向する面の少なくとも一方には、他方から離間する凹溝が形成されていることが好ましい。
【0014】
上記の態様によれば、コネクタハウジングと待ち受けコネクタとが正規嵌合した状態において、コネクタハウジングと待ち受けコネクタとの間に水が浸入した場合でも、凹溝が形成された部分おいて毛細管現象を抑制できるので、水が凹溝よりも内部に浸入することを抑制できる。
【0015】
前記凹溝は、前記コネクタハウジングの側壁及び前記待ち受けコネクタの側壁の少なくとも一方に形成されていることが好ましい。
【0016】
上記の態様によれば、凹溝によって毛細管現象が抑制されるので、コネクタハウジングと待ち受けコネクタとの間に浸入した水は、凹溝が形成された、コネクタハウジング及び待ち受けコネクタの側壁よりも内部に浸入することが抑制される。これにより、水が、コネクタハウジングの上壁又は待ち受けコネクタの上面にまで達することが抑制される。
【0017】
前記凹溝は上下方向に延びて形成されていることが好ましい。
【0018】
上記の態様によれば、凹溝において毛細管現象が抑制されることによって凹溝内に流入した水は、凹溝内を下方に流下した後、凹溝の下端縁から待ち受けコネクタ及びコネクタハウジングの下方に流下する。これにより、コネクタハウジングと待ち受けコネクタとの間に浸入した水を、待ち受けコネクタ及びコネクタハウジングの外部に排出することができる。
【0019】
前記リレーモジュールの前記ケースは下方に開口して形成されており、前記コネクタハウジングは前記ケースの開口を塞いで取り付けられており、前記コネクタハウジングの外面には、上下方向に延びると共に前記ケースの内面から離間するように陥没するコネクタハウジング凹部が形成されていることが好ましい。
【0020】
上記の態様によれば、コネクタハウジング凹部によって毛細管現象が抑制される。これにより、リレーモジュールのケースと、コネクタハウジングとの間から浸入した水は、コネクタハウジング凹部によって上方へと浸入することが抑制される。これにより、リレーモジュールの防水性を向上させることができる。
【0021】
前記コネクタハウジング凹部は上方に向かうに従って前記ケースの内面から離間するように傾斜していることが好ましい。
【0022】
上記の態様によれば、コネクタハウジング凹部においては、上方に向かうに従ってケースの内面とコネクタハウジングの外面との間隔が広がるので、上方に向かうに従って毛細管現象が一層抑制されるようになっている。これにより、リレーモジュールの防水性を一層向上させることができる。
【0023】
前記リレーモジュールの前記ケース内には、前記リレーが実装された回路基板が略鉛直な姿勢で収容されており、前記回路基板の下端縁は、前記コネクタハウジングと隙間を有して収容されていることが好ましい。
【0024】
上記の態様によれば、上記の隙間によって毛細管現象が抑制される。これにより、リレーモジュールのケースと、コネクタハウジングとの間から浸入した水は、回路基板の下端縁と、コネクタハウジングとの隙間よりも内部には浸入しないようになっている。これにより、リレーモジュールの防水性を向上させることができる。
【0025】
前記リレーモジュールの前記ケース内には、前記回路基板と前記ケースの側壁との間に、前記回路基板及び前記ケースの側壁に当接する伝熱板が収容されていることが好ましい。
【0026】
上記の態様によれば、通電時にリレーで発生した熱は回路基板へと伝達され、この回路基板と当接する伝熱板から、更に、伝熱板と当接するケースの側壁へと伝達される。その後、熱は、ケースの側壁からケースの外部へと放散される。これにより、通電時にリレーで発生した熱がケース内にこもることを抑制できる。
【0027】
前記伝熱板の下端縁は、前記コネクタハウジングと隙間を有して収容されていることが好ましい。
【0028】
上記の態様によれば、上記の隙間によって毛細管現象が抑制される。これにより、リレーモジュールのケースと、コネクタハウジングとの間から浸入した水は、伝熱板の下端縁と、コネクタハウジングとの隙間よりも内部には浸入しないようになっている。これにより、リレーモジュールの防水性を向上させることができる。
【0029】
前記伝熱板の下端部寄りの位置であって前記ケースと対向する面には、前記ケースの内面と離間する伝熱板凹部が形成されていることが好ましい。
【0030】
上記の態様によれば、伝熱板の下端部寄りの位置には伝熱板凹部が形成されている。この伝熱板凹部によって毛細管現象が抑制されるので、伝熱板凹部よりも上方に水が浸入することを抑制できる。これにより、リレーモジュールの防水性を向上させることができる。
【0031】
前記嵌合筒部の前記底壁には、水抜き孔が貫通して形成されていることが好ましい。
【0032】
上記の態様によれば、嵌合筒部の底壁にまで達した水は、水抜き孔から下方へと流下する。これにより、嵌合筒部の底壁に水が溜まることを抑制できる。
【0033】
前記ホルダの下方にはロアカバーが組み付けられており、前記ロアカバーの底壁の内面には、下降傾斜する排水斜面が形成されており、前記排水斜面の最下部には排水口が形成されていることが好ましい。
【0034】
水抜き孔から流下した水は、ロアカバーの底壁の内面に形成された排水斜面の上に流下する。水は、排水斜面を流下して、排水斜面の最下部に位置する排水口からロアカバーの外部に排出される。これにより、ロアカバーの内部に水が浸入した場合でも、この水を確実に電気接続箱の外部に排出することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、電気接続箱の防水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態1に係る電気接続箱を示す斜視図
【図2】電気接続箱を示す側面図
【図3】電気接続箱を示す側面図
【図4】電気接続箱を示す平面図
【図5】電気接続箱を示す底面図
【図6】リレーモジュールを示す側面図
【図7】リレーモジュールを示す断面図
【図8】リレーモジュールを示す底面図
【図9】ホルダを示す平面図
【図10】嵌合筒部を示す要部拡大平面図
【図11】図4におけるXI−XI線断面図
【図12】図4におけるXII−XII線断面図
【図13】図4におけるXIII−XIII線断面図
【図14】図4におけるXIV−XIV線断面図
【図15】図4におけるXV−XV線断面図
【図16】本発明の実施形態2に係るリレーモジュールを示す底面図
【発明を実施するための形態】
【0037】
<実施形態1>
本発明を車載用の電気接続箱10に適用した実施形態1を、図1ないし図15を参照しつつ説明する。本実施形態に係る電気接続箱10は、バッテリー(図示せず)と、モータ、ランプ等の車載電装品との間に配設されて、バッテリーから供給される電力を車載電装品に対して通電又は断電する。電気接続箱10は、ホルダ11の上壁12に複数(本実施形態では4つ)のリレーモジュール13が取り付けられている。以下の説明においては、図1における上方を上方とし、下方を下方とする。
【0038】
(ホルダ11)
合成樹脂製のホルダ11は、上方から見て長方形状をなしており、概ねブロック状をなしている。ホルダ11の側壁には、外方に突出する一対の取り付け部14が形成されている。この取り付け部14により、ホルダ11が車体(図示せず)に取り付けられるようになっている。
【0039】
図1ないし図4に示すように、ホルダ11は上壁12を有する。上壁12の上面には、上方に突出すると共にリレーモジュール13が嵌入される複数(本実施形態では4つ)の嵌合筒部15が形成されている。本実施形態では嵌合筒部15は略角筒状をなしている。
【0040】
(ロアカバー16)
図1に示すように、ホルダ11の下方には合成樹脂製のロアカバー16が組み付けられている。ロアカバー16は上方から見て長方形状をなしている。ホルダ11の側壁には外方に突出する複数のロック突部17Aが形成されている。ロアカバー16には、ロック突部17Aに対応する位置に、ロック突部17Aと弾性的に係合する複数のロック受け部18Aが形成されているロック受け部18Aがロック突部17Aに対して弾性的に係合することにより、ホルダ11とロアカバー16とが一体に組み付けられるようになっている。
【0041】
ロアカバー16の底壁には、後述する電線19が導出される導出筒部20が、下方に突出して形成されている。図5に示すように、導出筒部20は、ロアカバー16の内外を連通する円筒形状をなしている。
【0042】
(リレーモジュール13)
図6に示すように、リレーモジュール13は概ね直方体形状をなしている。図7に示すように、リレーモジュール13は、下方に開口する合成樹脂製のケース21内にリレー22が実装された回路基板23が収容されている。本実施形態においてはリレー22として機械式リレーが用いられている。回路基板23は略長方形状をなしている。回路基板23の表面及び裏面の一方又は双方には、プリント配線技術により導電路(図示せず)が形成されている。この導電路に、リレー22のリード端子がリフロー半田付け等の公知の手法により接続されている。図12及び図13に示すように、1つの回路基板23には、2つのリレー22が実装されている。また、回路基板23には、リレー22が実装された面と同じ面に、電子部品45が実装されている。電子部品45のリードは回路基板23を貫通した状態で導電路にはんだ付けされている。
【0043】
回路基板23のうち、リレー22が実装された面と反対側の面には、合成樹脂製の伝熱板24が重ねられている。伝熱板24は回路基板23と略同じ大きさ、形状に形成されている。伝熱板24には、電子部品45のリードに対応する位置に、回路基板23を貫通したリードを逃がす逃がし孔(図示せず)が形成されている。
【0044】
回路基板23の下端部寄りの位置には、側方から見てL字状をなすコネクタ端子25が接続されている。コネクタ端子25の一方の端部は回路基板23に形成されたスルーホール内に挿通されて、フロー半田付け等の公知の手法により、回路基板23の導電路に接続されている。伝熱板24には、コネクタ端子25の一方の端部に対応する位置に、コネクタ端子25の一方の端部を逃がす逃がし孔26が形成されている。
【0045】
下方に開口したケース21の開口部27は、合成樹脂製のコネクタハウジング28によって塞がれている。コネクタハウジング28は下方に開口して形成されている。コネクタ端子25の他方の端部は、コネクタハウジング28を構成する壁部を貫通して、コネクタハウジング28の内部に配されている。
【0046】
コネクタハウジング28にはロック突部17Bが突出して形成されており、ケース21には、ロック突部17Bに対応する位置に、ロック突部17Bと弾性的に係合するロック受け部18Bが形成されている。ケース21とコネクタハウジング28とは、ロック突部17Bとロック受け部18Bとが弾性的に係合することにより一体に組み付けられている。
【0047】
図7に示すように、ケース21の上壁の内面には、内方に突出する基板押さえ部29が形成されている。回路基板23及び伝熱板24は、互いに重ねられた状態で、基板押さえ部29及びコネクタハウジング28と、ケース21の側壁の内面との間に挟持されている。これにより、回路基板23は伝熱板24と当接しており、且つ、伝熱板24はケース21の側壁の内面と当接している。
【0048】
(待ち受けコネクタ30)
図9に示すように、嵌合筒部15の底壁31には、リレーモジュール13が嵌合筒部15に嵌合した状態で、コネクタハウジング28に下方から嵌入する待ち受けコネクタ30が上方(図9において紙面を貫通する方向について手前側の方向)に突出して形成されている。1つの嵌合筒部15内には1つの待ち受けコネクタ30が形成されている。待ち受けコネクタ30は概ね角柱状をなしている。
【0049】
図11及び図12に示すように、待ち受けコネクタ30の内部には、バスバー32及び待ち受け端子33が収容されている。バスバー32の端部には二股に分かれた挟持部34が形成されており、待ち受けコネクタ30がコネクタハウジング28に嵌合した状態で、コネクタ端子25が挟持部34により挟持されることによりコネクタ端子25とバスバー32とが電気的に接続されるようになっている。また、待ち受けコネクタ30がコネクタハウジング28に嵌合した状態で、コネクタ端子25が待ち受け端子33に形成された舌片(図示せず)と弾性的に接触することにより、コネクタ端子25と待ち受け端子33とが電気的に接続されるようになっている。待ち受け端子33には電線19の端部が接続されており、この電線19が、ロアカバー16内を配索されて導出筒部20から導出される。
【0050】
(防水構造)
ホルダ11の上壁12の上面には、隣り合う嵌合筒部15の間の領域に、上壁12の周縁部に向かうに従って下降傾斜する排水溝35が形成されている。この排水溝35は、ホルダ11の側面まで延びて形成されており、ホルダ11の側方に開口している。
【0051】
図4に示すように、排水溝35は、ホルダ11の上壁12において、4つの嵌合筒部15の間に位置する領域に交差して形成されている。排水溝35は、ホルダ11を上方から見た状態で、長方形状をなすホルダ11の対角線の交点近傍から、ホルダ11の側縁に向かうに従って下降傾斜して形成されている(図15参照)。
【0052】
排水溝35が傾斜する構成については、図2及び図3にも表されている。図2に記載された排水溝35のうち、紙面を貫通する方向について奥側に位置する部分が、最も高く形成されており、紙面を貫通する方向について手前側に向かうに従って排水溝35は下降傾斜して形成されており、ホルダ11の側面において、側方に開口している。同様の構成が図3に記載されている。
【0053】
図7に示すように、ケース21の側壁の外面には、断面形状がL字状をなすケース止水壁36が、外方に突出して形成されている。ケース止水壁36は、ケース21の側壁の肉厚方向外方に突出すると共に下方に延びて形成されている。図6に示すように、このケース止水壁36は、ケース21の側壁の全周を包囲するように形成されている。図11に示すように、リレーモジュール13が嵌合筒部15に嵌入された状態で、ケース止水壁36は、嵌合筒部15の上端縁に全周に亘って上方から外嵌されるようになっている。リレーモジュール13が嵌合筒部15に嵌入された状態で、嵌合筒部15の上端縁と、ケース止水壁36の内壁との間にはわずかな隙間が形成されており、この隙間によって毛細管現象が抑制されるので、水がケース21内に浸入することが抑制されるようになっている。
【0054】
図13に示すように、リレーモジュール13が嵌合筒部15と正規位置で嵌合した状態で、コネクタハウジング28の下端縁と、嵌合筒部15の底壁31とは離間して配されており、この隙間が止水空隙37とされる。また、リレーモジュール13のケース21の下端縁と、嵌合筒部15の底壁31との間にも止水空隙37が形成されている。
【0055】
図9に示すように、待ち受けコネクタ30の4つの側壁の外面には、それぞれ、複数の凹溝38が形成されている。凹溝38は、上下方向(図9における紙面を貫通する方向)に延びて形成されている。コネクタハウジング28と待ち受けコネクタ30とが正規嵌合した状態において、待ち受けコネクタ30のうちコネクタハウジング28と対向する面は、上記の凹溝38によって、コネクタハウジング28から離間するようになっている(図13参照)。
【0056】
図8に示すように、コネクタハウジング28の側壁の外面には、上下方向(図8において紙面を貫通する方向)に延びると共にケース21の側壁の内面と離間するように陥没するコネクタハウジング凹部39が形成されている。
【0057】
また、図7に示すように、コネクタハウジング凹部39のうちロック突部17Bの上方に形成されたコネクタハウジング凹部39Aは、ロック突部17Bが形成された部分から上方に向かうに従って、ケース21の側壁から離間するように形成されている。
【0058】
図12に示すように、ロアカバー16の側壁には、外方に突出すると共にロアカバー16の側壁を全周に亘って包囲するフランジ40が形成されている。ホルダ11とロアカバー16とが組み付けられた状態で、ホルダ11の側壁の下端縁はフランジ40の上面に上方から当接するようになっている。ロアカバー16の側壁の上端縁と、ホルダ11の側壁の内面との間には隙間が形成されている。
【0059】
リレーモジュール13が嵌合筒部15に嵌合した状態において、リレーモジュール13内部においては、回路基板23は略鉛直な姿勢で収容されるようになっている。換言すると、回路基板23が、その板面に平行な方向が重力の方向に沿うようにしてケース21内に収容されている。略鉛直とは、回路基板23の板面に平行な方向が重力の方向と一致する場合を含み、また、一致していなくても実質的に一致している場合を含む。
【0060】
回路基板23の下端縁は、ケース21の開口27部を塞いで配されたコネクタハウジング28と離間して配されており、回路基板23の下端縁とコネクタハウジング28との間には隙間が形成されている。
【0061】
図7に示すように、伝熱板24も、ケース21内において、略鉛直な姿勢で収容されている。換言すると、伝熱板24が、その板面に平行な方向が重力の方向に沿うようにしてケース21内に収容されている。略鉛直とは、伝熱板24の板面に平行な方向が重力の方向と一致する場合を含み、また、一致していなくても実質的に一致している場合を含む。
【0062】
伝熱板24の下端縁は、ケース21の開口部27を塞いで配されたコネクタハウジング28と離間して配されており、伝熱板24の下端縁とコネクタハウジング28との間には隙間が形成されている。
【0063】
伝熱板24の下端部寄りの位置であって、ケース21の側壁と対向する面には、ケース21の側壁の内面と離間する伝熱板凹部41が形成されている。伝熱板凹部41は、伝熱板24の下端縁に向かうに従って次第にケース21の側壁から離間するように形成されている。
【0064】
図10に示すように、嵌合筒部15の底壁31には、複数の水抜き孔42が貫通して形成されている。この水抜き孔42によって、嵌合筒部15の底壁31に流下した水は、水抜き孔42を通って下方に流れ落ちるようになっている(図12、図14参照)。本実施形態においては、1つの嵌合筒部15には16個の水抜き孔42が形成されている。
【0065】
図15に示すように、ロアカバー16の底壁の内面には、下降傾斜する排水斜面43が形成されている。本実施形態においては、ロアカバー16の底面において、この底面における対角線の交点近傍の位置が最下部となるように傾斜して形成されている。この排水斜面43の最下部には、ロアカバー16の内外を連通する排水口44が形成されている。排水口44は上下方向に延びると共にクランク状に屈曲して形成されている。
【0066】
(作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。車両のボンネットを開けて整備等をしている際に雨が降ってきた場合や、洗車時にエンジンルーム内に水が浸入した場合等、電気接続箱10に水がかかることがある。この水は、リレーモジュール13の上面、及びホルダ11の上面に流下する。
【0067】
本実施形態によれば、嵌合筒部15はホルダ11の上壁12の上面から上方に突出して形成されており、リレーモジュール13のケース止水壁36は、嵌合筒部15の上端縁に上方から外嵌するようになっている。これにより、嵌合筒部15とケース止水壁36との嵌合部分は、ホルダ11の上壁12の上面よりも上方に位置している。これにより、ホルダ11の上面に水が流下した場合でも、この水が、嵌合筒部15とケース止水壁36との嵌合部分から浸入することを抑制できる。
【0068】
また、本実施形態によれば、ケース止水壁36が嵌合筒部15の上端縁に外嵌している。これにより、水の浸入経路を屈曲させて、いわゆるラビリンス構造を形成できる。この結果、部品点数を増加させることなく、ケース21と嵌合筒部15との間を防水できる。
【0069】
更に、嵌合筒部15の上端縁と、ケース止水壁36との間には隙間が形成されている。この隙間により毛細管現象が抑制されるので、水がケース21内に浸入することを抑制できる。
【0070】
また、本実施形態によれば、隣り合う嵌合筒部15の間の領域に排水溝35が形成されている。これにより、まず、ホルダ11の上壁12のうち隣り合う嵌合筒部15の間の領域に流下した水は、上壁12の上面に形成された排水溝35内に流入する。続いて、排水溝35内に流れ込んだ水は、排水溝35の傾斜に案内されてホルダ11の側方に達し、ホルダ11の側壁へと排水される(図15の矢線参照)。これにより、ホルダ11の上面のうち隣り合う嵌合筒部15の間の領域に水が溜まることを抑制できるから、水が嵌合筒部15とケース止水壁36との隙間から嵌合筒部15内に浸入することを一層抑制できる。
【0071】
また、ロアカバー16の側壁の上端縁と、ホルダ11の側壁との間にも隙間が形成されているので、この隙間により毛細管現象が抑制される。これにより、ロアカバー16とホルダ11との間から水が内部に浸入することを抑制できる。
【0072】
仮にリレーモジュール13のケース止水壁36と、嵌合筒部15との間から水が浸入した場合、この水はケース21の外面を下方に流下して、コネクタハウジング28の下端縁にまで達する。このとき、リレーモジュール13が嵌合筒部15と正規位置で嵌合した状態において、コネクタハウジング28の下端縁が待ち受けコネクタ30の底壁と当接するように設定されていると、コネクタハウジング28の下端縁と、待ち受けコネクタ30の底壁との微小な隙間から毛細管現象によって水が浸入し、コネクタハウジング28と待ち受けコネクタ30との間に水が入り込むことが懸念される。本実施形態によれば、コネクタハウジング28の下端縁と、嵌合筒部15の底壁31との間には止水空隙37が形成されているので、コネクタハウジング28の下端縁と嵌合筒部15の底壁31との間から毛細管現象によって水が浸入することを抑制できる。更に、本実施形態においては、ケース21の下端縁と嵌合筒部15の底壁31との間にも止水空隙37が形成されているので、水の浸入を一層抑制できる。
【0073】
本実施形態によれば、コネクタハウジング28と待ち受けコネクタ30とが正規嵌合した状態において、待ち受けコネクタ30のうちコネクタハウジング28と対向する面には、コネクタハウジング28から離間する凹溝38が形成されている。これにより、コネクタハウジング28と待ち受けコネクタ30とが正規嵌合した状態において、凹溝38が形成された部分おいて毛細管現象を抑制できるので、水が凹溝38より内部に浸入することを抑制できる。
【0074】
更に、本実施形態においては、凹溝38は、待ち受けコネクタ30の側壁に形成されている。これにより、コネクタハウジング28と待ち受けコネクタ30との間に浸入した水は、凹溝38が形成された、待ち受けコネクタ30の側壁よりも内部に浸入することが抑制される。これにより、水が、コネクタハウジング28の上壁12又は待ち受けコネクタ30の上面にまで達することが抑制される。
【0075】
本実施形態においては、凹溝38は上下方向に延びて形成されている。この凹溝38において毛細管現象が抑制されることによって凹溝38内に溜まった水は、凹溝38内を下方に流下した後、凹溝38の下端縁から待ち受けコネクタ30及びコネクタハウジング28の下方に流下する。これにより、コネクタハウジング28と待ち受けコネクタ30との間に浸入した水を、待ち受けコネクタ30及びコネクタハウジング28の外部に排出することができる。
【0076】
また、本実施形態においては、リレーモジュール13のケース21は下方に開口して形成されており、コネクタハウジング28はケース21の開口を塞いで取り付けられており、コネクタハウジング28の外面には、上下方向に延びると共にケース21の内面から離間するように陥没するコネクタハウジング凹部39が形成されている。このコネクタハウジング凹部39によって毛細管現象が抑制されるので、リレーモジュール13のケース21と、コネクタハウジング28との間から水が浸入した場合でも、水がコネクタハウジング凹部39よりも上方へ浸入することを抑制できる。これにより、リレーモジュール13の防水性を向上させることができる。
【0077】
更に、コネクタハウジング凹部39Aは、上方に向かうに従ってケース21の内面から離間するように傾斜している。これにより、コネクタハウジング凹部39Aにおいては、上方に向かうに従ってケース21の側壁の内面とコネクタハウジング28の側壁の外面との間隔が広がるようになっている。これにより、上方に向かうに従って毛細管現象が一層抑制されるようになっている。この結果、リレーモジュール13の防水性を一層向上させることができる。
【0078】
また、本実施形態においては、リレーモジュール13のケース21内には、リレー22が実装された回路基板23が略鉛直な姿勢で収容されており、回路基板23の下端縁は、コネクタハウジング28と隙間を有して収容されている。この隙間により毛細管現象が抑制されるので、リレーモジュール13のケース21と、コネクタハウジング28との間から浸入した水は、回路基板23の下端縁と、コネクタハウジング28との隙間よりも内部に浸入することを抑制される。これにより、リレーモジュール13の防水性を向上させることができる。
【0079】
また、本実施形態においては、伝熱板24の下端縁は、コネクタハウジング28と隙間を有して収容されている。この隙間により毛細管現象が抑制されるので、リレーモジュール13のケース21と、コネクタハウジング28との間から浸入した水は、伝熱板24の下端縁と、コネクタハウジング28との隙間よりも内部に浸入することを抑制される。これにより、リレーモジュール13の防水性を向上させることができる。
【0080】
更に、伝熱板24の下端部寄りの位置であってケース21と対向する面には、ケース21の内面と離間する伝熱板凹部41が形成されている。この伝熱板凹部41により毛細管現象が抑制されるので、伝熱板凹部41よりも上方に水が浸入することを抑制できる。これにより、リレーモジュール13の防水性を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態においては、嵌合筒部15の底壁31には、水抜き孔42が貫通して形成されている。これにより、嵌合筒部15の底壁31にまで達した水は、水抜き孔42から下方へと流下する。これにより、嵌合筒部15の底壁31に水が溜まることを抑制できる。この結果、水が、コネクタハウジング28と待ち受けコネクタ30との隙間から浸入することを一層抑制できる。
【0082】
更に、本実施形態においては、ホルダ11の下方にはロアカバー16が組み付けられており、ロアカバー16の底壁の内面には、下降傾斜する排水斜面43が形成されており、排水斜面43の最下部には排水口44が形成されている。これにより、水抜き孔42から流下した水は、ロアカバー16の底壁の内面に形成された排水斜面43の上に流下する。水は、排水斜面43を流下して、排水斜面43の最下部に位置する排水口44からロアカバー16の外部に排出される。これにより、ロアカバー16内に水が浸入した場合でも、この水を確実に電気接続箱10の外部に排出することができる。具体的には、水抜き孔42から流下した水を、排水口44から速やかに外部に排出できる。これにより、電気接続箱10の内部に水が溜まることを確実に抑制できる。
【0083】
その上、排水口44はクランク状に屈曲して形成されているので、例えばエンジンルーム内を洗浄する場合のように排水口44の下方から水がかかった場合でも、ロアカバー16内に水が浸入することを抑制できる。
【0084】
また、本実施形態においては、リレーモジュール13のケース21内には、回路基板23とケース21の側壁との間に、回路基板23及びケース21の側壁に当接する伝熱板24が収容されている。これにより、通電時にリレー22で発生した熱は回路基板23へと伝達され、この回路基板23と当接する伝熱板24から、更に、伝熱板24と当接するケース21の側壁へと伝達される。その後、熱は、ケース21の側壁からケース21の外部へと放散される。これにより、通電時にリレー22で発生した熱がケース21内にこもることを抑制できる。
【0085】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を、図16を参照しつつ説明する。コネクタハウジング28には、開口方向の奥側(上側)の位置に奥壁51が設けられている。コネクタハウジング28の奥壁の内面には、奥壁51を貫通する複数のコネクタ端子25を包囲する閉じたループ状をなす凹溝50が形成されている。本実施形態における凹溝50は略四角形状をなしているが、楕円形状、長円形状等、必要に応じて任意の形状としうる。
【0086】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0087】
コネクタハウジング28の奥壁51の内面に凹溝50が形成されることにより毛細管現象が抑制されるので、コネクタハウジング28の奥壁51と、待ち受けコネクタ30の上面との間に浸入した水が、凹溝50に囲まれた領域の内側に浸入することを抑制できる。これにより、隣り合うコネクタ端子25同士が水によって短絡することを抑制できる。
【0088】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、リレー22は機械式リレーを用いたが、これに限られず、リレー22は半導体リレーを用いてもよい。
(2)本実施形態においては、4つのリレーモジュール13が1つのホルダ11に組み付けられる構成としたが、これに限られず、1つのホルダ11に組み付けられるリレーモジュール13は、2つ、3つ、又は5つ以上の複数でもよい。
(3)本実施形態においては、排水溝35は、ホルダ11の上壁12における対角線の交点近傍からホルダ11の側壁に向かって下降傾斜する構成としたが、これに限られず、ホルダ11の一の側壁から他の側壁に向かって下降傾斜する構成としてもよい。
(4)本実施形態においては、コネクタハウジング28の下端縁と、嵌合筒部15の底壁31とは離間する構成としたが、これに限られず、コネクタハウジング28の下端縁と、嵌合筒部15の底壁31とは当接していてもよい。
(5)本実施形態においては、嵌合筒部15の底壁31に水抜き孔42が形成される構成としたが、水抜き孔42は省略してもよい。
(6)本実施形態においては、ホルダ11の下部にはロアカバー16が組み付けられる構成としたが、これに限られず、ホルダ11にロアカバー16を組み付けない構成としてもよい。
(7)本実施形態においては、ロアカバー16の底壁に排水斜面43を形成する構成としたが、これに限られず、ロアカバー16の底壁に排水斜面43を形成しない構成としてもよい。また、排水口44が形成されない構成としてもよい。
(8)本実施形態においては、待ち受けコネクタ30の外面に凹溝38が形成される構成としたが、これに限られず、コネクタハウジング28の内面に凹溝38が形成されている構成としてもよい。また、待ち受けコネクタ30の外面及びコネクタハウジング28の内面の双方に形成される構成としてもよい。
(9)本実施形態においては、凹溝38は上下方向に延びて形成される構成としたが、これに限られず、凹溝38は、待ち受けコネクタ30の周方向に沿って形成される構成としてもよい。また、凹溝38は、コネクタハウジング28の内壁の周方向に沿って形成される構成としてもよい。
(10)本実施形態においては、コネクタハウジング28の外面にコネクタハウジング凹部39が形成される構成としたが、コネクタハウジング凹部39は省略してもよい。
(11)本実施形態においては、回路基板23の下端縁とコネクタハウジング28との間には隙間が形成される構成としたがこれに限られず、隙間回路基板23の下端縁はコネクタハウジング28と当接していてもよい。
(12)本実施形態においては、伝熱板24の下端縁とコネクタハウジング28との間には隙間が形成される構成としたが、これに限られず、伝熱板24の下端縁はコネクタハウジング28と当接していてもよい。
(13)本実施形態においては、回路基板23とケース21の側壁との間に伝熱板24が配される構成としたが、これに限られず、伝熱板24を省略してもよく、例えば、回路基板23とケース21の内面とを当接する構成としてもよい。また、回路基板23とケース21との間を合成樹脂材等で充填する構成としてもよい。また、本実施形態においては、伝熱板24は合成樹脂製としたが、回路基板23との間を電気的に絶縁することにより金属製の伝熱板24を用いてもよい。
(14)本実施形態においては、伝熱板24には伝熱板凹部41を形成する構成としたが、これに限られず、伝熱板凹部41は省略してもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…電気接続箱
11…ホルダ
12…上壁
13…リレーモジュール
15…嵌合筒部
16…ロアカバー
21…ケース
22…リレー
23…回路基板
24…伝熱板
28…コネクタハウジング
30…待ち受けコネクタ
31…嵌合筒部の底壁
35…排水溝
36…ケース止水壁
37…止水空隙
38…凹溝
39、39A…コネクタハウジング凹部
41…伝熱板凹部
42…水抜き孔
43…排水斜面
44…排水口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内にリレーが収容された複数のリレーモジュールと、上壁を有すると共に前記上壁に前記リレーモジュールが嵌入される複数の嵌合筒部が上方に突出して設けられたホルダと、を備え、
前記ケースの外面には、前記嵌合筒部の上端縁に全周に亘って上方から外嵌するケース止水壁が、前記ケースの外面から突出すると共に下方に延びて形成されており、
前記上壁の上面のうち隣り合う前記嵌合筒部の間の領域には前記上壁の周縁部に向かうに従って下降傾斜すると共に前記ホルダの側方に開口する排水溝が形成されている電気接続箱。
【請求項2】
前記リレーモジュールは下方に開口するコネクタハウジングを備え、前記嵌合筒部の底壁には前記リレーモジュールが前記嵌合筒部に嵌合した状態で前記コネクタハウジングに下方から嵌入する待ち受けコネクタが上方に突出して配されており、
前記リレーモジュールが前記嵌合筒部と正規位置で嵌合した状態で、前記コネクタハウジングの下端縁と、前記嵌合筒部の前記底壁との間には止水空隙が形成されている請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記コネクタハウジングと前記待ち受けコネクタとが正規嵌合した状態において、前記コネクタハウジングのうち前記待ち受けコネクタと対向する面及び前記待ち受けコネクタのうち前記コネクタハウジングと対向する面の少なくとも一方には、他方から離間する凹溝が形成されている請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記凹溝は、前記コネクタハウジングの側壁及び前記待ち受けコネクタの側壁の少なくとも一方に形成されている請求項3に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記凹溝は上下方向に延びて形成されている請求項3または請求項4に記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記リレーモジュールの前記ケースは下方に開口して形成されており、前記コネクタハウジングは前記ケースの開口を塞いで取り付けられており、
前記コネクタハウジングの外面には、上下方向に延びると共に前記ケースの内面から離間するように陥没するコネクタハウジング凹部が形成されている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【請求項7】
前記コネクタハウジング凹部は上方に向かうに従って前記ケースの内面から離間するように傾斜している請求項6に記載の電気接続箱。
【請求項8】
前記リレーモジュールの前記ケース内には、前記リレーが実装された回路基板が略鉛直な姿勢で収容されており、前記回路基板の下端縁は、前記コネクタハウジングと隙間を有して収容されている請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【請求項9】
前記リレーモジュールの前記ケース内には、前記回路基板と前記ケースの側壁との間に、前記回路基板及び前記ケースの側壁に当接する伝熱板が収容されている請求項8に記載の電気接続箱。
【請求項10】
前記伝熱板の下端縁は、前記コネクタハウジングと隙間を有して収容されている請求項9に記載の電気接続箱。
【請求項11】
前記伝熱板の下端部寄りの位置であって前記ケースと対向する面には、前記ケースの内面と離間する伝熱板凹部が形成されている請求項9または請求項10に記載の電気接続箱。
【請求項12】
前記嵌合筒部の前記底壁には、水抜き孔が貫通して形成されている請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の電気接続箱。
【請求項13】
前記ホルダの下方にはロアカバーが組み付けられており、前記ロアカバーの底壁の内面には、下降傾斜する排水斜面が形成されており、前記排水斜面の最下部には排水口が形成されている請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−90477(P2012−90477A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236639(P2010−236639)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】