説明

電気推進車両用充電ケーブル

【課題】充電時間を極力低減できるとともに、充電ケーブルとコンセント間、および充電ケーブルと充電カプラ間の耐久性を向上することができる電気推進車両用充電ケーブルを提供すること。
【解決手段】電気推進車両のバッテリに充電するために使用される充電ケーブルAを、商用電源の電源コンセント12に着脱自在に接続される電源プラグ14と、電気推進車両Cに着脱自在に接続される充電カプラ16と、電源プラグ14と充電カプラ16の間の電路の温度を検出する温度センサ14aと、電源プラグ14から充電カプラ16に流れる電流値を制御する制御手段20aを有する充電装置20と、で構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車やハイブリッド車のような電気推進車両のバッテリに充電するために使用される電気推進車両用充電ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に優しい自動車として電気推進車両の開発が急ピッチで進められており、電気推進車両の充電インフラは、電力網の末端である家庭用電源を利用する家庭用充電設備と、市街地や路面下等に設けられる不特定多数の利用を前提とする公共用充電設備の2種類に大きく分類される。
【0003】
また、利便性を考慮すると、電気推進車両の普及には家庭用充電設備が必要であることから、一般家庭や事業所等に100Vや200Vの商用電源による緩速充電設備が導入し始められている。
【0004】
家庭用充電設備の場合、電気推進車両のバッテリの充電には、商用電源の電源コンセントと電気推進車両側のコネクタとを接続するために電気推進車両用充電ケーブルが用いられる。
【0005】
この充電ケーブルは、商用電源の電源コンセントに接続される電源プラグと、電気推進車両側のコネクタに接続される充電カプラとを備え、バッテリへの充電時、住宅の外壁等に配設された電源コンセントに電源プラグを差し込んで使用される。
【0006】
しかしながら、電源コンセントと電源プラグの不完全な接続やトラッキング現象による異常発熱を惹起する可能性があることから、電源プラグの温度を検出する温度センサを設け、電源プラグの温度が所定の温度を超えたことを温度センサが検出すると、電源プラグと充電カプラ間の電路を開閉する開閉回路に制御信号を送信して、電源プラグから電気推進車両側のコネクタへの電力供給を停止するようにした充電ケーブルも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この充電ケーブルの場合、電源プラグの温度を検出する温度センサに加えて、漏電を検出する漏電検出部も設けられており、漏電検出部が漏電を検出すると、電源プラグから電気推進車両側のコネクタへの電力供給を停止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−110055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の充電ケーブルは、電源プラグ、あるいは充電カプラの温度が所定の温度を超えたことを温度センサが検出するか、あるいは、漏電検出部が漏電を検出した場合に、電源プラグから電気推進車両側のコネクタへの電力供給を停止する構成のため、電気推進車両のように長時間の通電を必要とする場合、充電時間が長くなるという問題や、ON/OFF制御に起因するリレー等の耐久性に問題があった。
【0010】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、充電時間を極力低減できるとともに、リレー等の耐久性を向上することができる電気推進車両用充
電ケーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、電気推進車両のバッテリに充電するために使用される電気推進車両用充電ケーブルであって、商用電源の電源コンセントに着脱自在に接続される電源プラグと、電気推進車両に着脱自在に接続される充電カプラと、電源コンセントから電気推進車両のバッテリに充電するに際し、電源プラグと充電カプラの間の電路の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段で検出された温度に基づいて、バッテリへの充電電流を示すパイロット信号を生成し、電気推進車両に送信する制御手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0012】
電気推進車両では、制御手段から送信されてくるパイロット信号に基づき、内蔵のバッテリへの充電電流が制御される。本発明によれば、充電ケーブルの電源プラグ、制御手段あるいは充電カプラの温度に応じて、電気推進車両の充電電流が可変設定されるので、例えば、電源プラグ、制御手段あるいは充電カプラの温度が高くなると、充電電流を小さくした状態でバッテリへの充電を継続することができる。これにより、従来のON/OFF制御に比べて、充電時間を短縮できるばかりでなく、リレー等の耐久性を向上することができる。
【0013】
また、電源プラグ及び/または充電カプラに第一の温度検出手段を配設するとともに、制御手段に第二の温度検出手段を配設しているので、制御手段が2つの温度検出手段からの出力を比較することによって、電源プラグ、または充電カプラに設けられた温度検出手段の断線等の不具合を容易に判定できるようになり、機器の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気推進車両用充電ケーブルを使用して、一般家庭の商用電源から電気推進車両のバッテリに充電する場合の概略図
【図2】図1に示される充電ケーブルの概略ブロック図
【図3】図2に示される充電装置から出力されるパイロット信号を示しており、電源プラグの温度に応じて変更されるパイロット信号の波形図
【図4】充電制御を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2に係る電気推進車両用充電ケーブルを使用して、一般家庭の商用電源から電気推進車両のバッテリに充電する場合の概略図
【図6】図5に示される充電ケーブルの概略ブロック図
【図7】本発明の実施の形態3に係る充電ケーブルの概略ブロック図
【図8】本発明の実施の形態4に係る充電ケーブルの概略ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、電気推進車両のバッテリに充電するために使用される電気推進車両用充電ケーブルであって、商用電源の電源コンセントに着脱自在に接続される電源プラグと、電気推進車両に着脱自在に接続される充電カプラと、電源コンセントから電気推進車両のバッテリに充電するに際し、電源プラグと充電カプラの間の電路の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段で検出された温度に基づいて、バッテリへの充電電流を示すパイロット信号を生成し、電気推進車両に送信する制御手段と、を備えるようにしている。
【0016】
異常発熱は、電源コンセントと電源プラグとの接続部分、充電カプラと電気推進車両のコネクタとの接続部分、制御手段における給電線と端子等との接続部分などにおいて不完全な接触やトラッキング現象により発生する。従って、温度検出手段は、異常発熱が発生
する電路における上記各接続部分近傍に配設している。
【0017】
周知の通り、電気推進車両では、制御手段から送信されてくるパイロット信号に基づき、内蔵のバッテリへの充電電流が制御される。上記構成によれば、温度検出手段が異常発熱を検出すると、温度検出手段の検出温度に応じて、電気推進車両側で充電電流が可変設定することが可能となる。従って、例えば、電源プラグの温度が高くなった場合には、充電電流を小さくし、電源プラグの温度上昇を抑制した状態で、バッテリへの充電を継続することができる。これにより、充電時間を短縮できるばかりでなく、リレー等の耐久性を向上することができる。
【0018】
また、電源プラグ及び/または充電カプラに第一の温度検出手段を配置するとともに、制御手段に第二の温度検出手段を配置することにより、制御手段が2つの温度検出手段の出力に基づいて電源プラグ、あるいは充電カプラに設けられた温度検出手段の不具合を判別することができ、機器の信頼性の向上につながる。
【0019】
さらに具体的には、制御手段は、温度検出手段で検出された温度が予め設定されている閾値に到達すると、波形を変更したパイロット信号を電気推進車両に送信して、充電電流を下げるよう該電気推進車両に通知することにより、電源プラグの過熱を防止することができ、安全性が向上する。
【0020】
また、制御手段は、温度検出手段で検出した温度が閾値に到達すると、パルス幅を変更したパイロット信号を電気推進車両に送信して、充電電流を下げるよう該電気推進車両に通知することによっても、同様の効果を奏することができる。
【0021】
また、制御手段は、前記パイロット信号を用いて、充電電流を段階的に下げるよう電気推進車両に通知してもかまわない。
【0022】
また、制御手段は、温度検出手段で検出された温度が閾値に到達すると、振幅を変更したパイロット信号を電気推進車両に送信して、充電電流を下げるよう該電気推進車両に通知するようにしてもかまわない。
【0023】
また、制御手段は、温度検出手段で検出された温度を演算することにより、閾値に到達しないように、事前に振幅を徐々に変更したパイロット信号を電気推進車両に送信して、充電電流を下げるよう該電気推進車両に通知するようにしてもかまわない。
【0024】
さらに、前述の各制御方法に加えて最終的に電路を遮断する方式としてもかまわない。
【0025】
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る電気推進車両用充電ケーブルAを使用して、一般家庭Bの商用電源から電気推進車両Cのバッテリに充電するときの状態を示している。
【0027】
図1に示されるように、電気推進車両Cは、電気的に互いに接続された走行用モータ2と、インバータ4と、バッテリ6と、充電制御装置8とを備えており、充電制御装置8に接続されたコネクタ10を介して本発明に係る電気推進車両用充電ケーブル(以下、単に「充電ケーブル」という。)Aと接続される。充電ケーブルAは、住宅の外壁等に設けられた電源コンセント12と、電気推進車両側コネクタ10を接続して、電気推進車両Cに搭載されたバッテリ6を充電するために用いられる。
【0028】
電源コンセント12は、雨水などによる電極の短絡を防止する防水構造を有するコンセ
ントであり、単相2線式の交流100Vを供給する商用電源(図示せず)に接続されている。
【0029】
一方、充電ケーブルAは、電源コンセント12に着脱自在に接続可能な電源プラグ14と、電気推進車両Cのコネクタ10に接続され電力の供給を行う充電カプラ16と、電源プラグ14と充電カプラ16を接続する接続ケーブル18と、接続ケーブル18の途中に設けられ制御手段(例えば、マイコン)20aを有する充電装置20とを備えている。
【0030】
また、電源プラグ14は、その内部に、電源プラグ14の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ(例えば、測温抵抗体)14aが埋設されており、温度センサ14aから出力された温度信号は充電装置20の制御手段20aに入力される。
【0031】
充電装置20はさらに、電源プラグ14と充電カプラ16の間の電路を開閉する開閉回路(例えばリレー、図示せず)と、電路を流れる電流を監視して漏電を検出する漏電検出部(図示せず)を備えており、漏電検出部が漏電を検出すると、制御手段20aは開閉回路を介して電路を遮断し、商用電源から電気推進車両Cへの電力供給を中止する。
【0032】
上記構成の電気推進車両の充電システムにおいて、電源プラグ14が電源コンセント12に接続されると、商用電源からの電力が充電ケーブルAの充電装置20に供給される。また、初期状態では開閉回路はオン状態となっているので、商用電源からの電力は充電カプラ16に供給され、充電カプラ16が電気推進車両Cのコネクタ10に接続されることで、充電制御装置8を介してバッテリ6の充電が行われる。
【0033】
次に、本発明の主要部である充電制御について図2及び図3を参照しながら説明する。
【0034】
図2は充電ケーブルAの概略ブロック図であり、図3は充電装置20から充電カプラ16に出力されるパイロット信号を示す波形図である。
【0035】
図2に示されるように、電源プラグ14に埋設された温度センサ14aは、電源プラグ14の温度を検出し、電源プラグ14の温度を示す温度信号を充電装置20に設けられた制御手段20aに出力する。制御手段20aは、温度信号を受けて温度信号に応じたパイロット信号を、充電カプラ16を介して電気推進車両Cの充電制御装置8に出力する。
【0036】
後述するように、制御手段20aから出力されるパイロット信号は、充電電流と密接な関係にあり、充電電流を示すパイロット信号を電気推進車両Cの充電制御装置8が受信することで、充電制御装置8は、電源コンセント12から充電ケーブルAを介して供給可能な充電電流を認識することができ、パイロット信号に応じてバッテリ6への供給電流を制御しながら充電を行う。バッテリ6に充電された電力は、インバータ4を介して走行用モータ2に供給され、電気推進車両Cの走行が可能となる。
【0037】
図3は制御手段20aが電気推進車両Cに出力するパイロット信号を示しており、(a)は基準波形を、(b)は電源プラグ14の温度が高い場合の波形を、(c)は電源プラグ14の温度が低い場合の波形をそれぞれ示している。
【0038】
このパイロット信号について、100Vの商用電源を使用し、電源プラグ14の定格電流が15Aの場合を例にとりさらに詳述すると、商用電源が100Vで、電源プラグの定格電流が15Aの場合、充電電流(通電電流)は、例えば12Aに設定される。この充電電流を示すパイロット信号は、図3(a)に示される基準波形を持ち、そのデューティ比(D)は20%(パルス幅:20%、パルス間幅:80%)に設定されている。
【0039】
すなわち、パイロット信号のデューティ比は、充電電流そのものを示しており、デューティ比が20%より大きくなると、充電電流は12Aより大きくなり、デューティ比が20%より小さくなると、充電電流は12Aより小さくなる。
【0040】
ここで、電源プラグ14は、通常プラスチック製で、その耐熱温度を65℃とすると、本発明に係る充電ケーブルAにおいては、耐熱温度より低い閾値(例えば、50℃)を設定し、電源プラグ14の温度が閾値より小さい場合には、図3(b)に示されるように、デューティ比を大きくして(D>20%)充電電流を増加する一方、電源プラグ14の温度が閾値を超えると、図3(c)に示されるように、デューティ比を小さくして(D<20%)充電電流を減少させている。
【0041】
パイロット信号のデューティ比と充電電流は、SAE J1772(SAE:米国自動車技術者協会)に準拠しており、例えば次のような関係にある。
【0042】
デューティ比D=20%:12A
デューティ比D=30%:18A
図4の充電制御を示すフローチャートを参照しながら、さらに説明すると、充電ケーブルAを電気推進車両Cに接続する前のステップS1においては、パイロット信号のデューティ比はD=20%に設定されており、ステップS2において、充電ケーブルAの電源プラグ14が電源コンセント12に接続されるとともに、充電ケーブルAの充電カプラ16が電気推進車両Cのコネクタ10に接続されると、ステップS3において、電源プラグ14に内蔵された温度センサ14aにより電源プラグ14の温度を検出し、温度センサ14aからの温度信号が充電装置20の制御手段20aに入力される。
【0043】
ステップS4において、制御手段20aは、温度センサ14aから入力された温度と上述した閾値を比較する。
【0044】
電源コンセント12から充電ケーブルAを介して電気推進車両Cのバッテリ6に充電する前は、電源プラグ14の温度は外気温度に略等しいが、充電が開始すると、電源プラグ14の温度は徐々に上昇し、ステップS4において、温度センサ14aが検出した温度が閾値以下の場合は、ステップS5に移行し、パイロット信号のデューティ比を無段階に上げる制御を行って充電電流を無段階に増加させる。
【0045】
一方、ステップS4において、温度センサ14aが検出した温度が閾値を超えると、ステップS6に移行し、パイロット信号のデューティ比を無段階に下げる制御を行って充電電流を無段階に減少させる。
【0046】
上述したように、パイロット信号のデューティ比は充電電流と密接な関係にあり、電源プラグ14の温度が低い場合は、充電電流を大きくする一方、電源プラグ14の温度が高い場合には、充電電流を小さくすることで、従来のように充電電流をON/OFF制御することがなく、充電時間の短縮と、充電ケーブルAの安全性を両立させることができる。
【0047】
ステップ5あるいはステップS6において充電電流の制御を行った後、ステップS7において、電気推進車両Cの充電制御装置8が、電気推進車両Cのバッテリ6への充電はまだ完了していないと判定すると、ステップS3に戻り、電気推進車両Cのバッテリ6への充電は完了したと判定すると、電気推進車両Cの充電制御装置8から充電完了を示す信号が充電ケーブルAの制御手段20aに入力され、バッテリ6への充電は終了する。
【0048】
なお、制御手段20aは、電気推進車両Cに出力するパイロット信号のデューティ比(パルス幅)に応じて充電電流(通電電流)の最大値を設定するもので、電気推進車両Cの
バッテリ6に供給される充電電流は、電気推進車両Cの充電制御装置8により最終決定される。
【0049】
また、上記実施の形態においては、制御手段20aが出力するパイロット信号のパルス幅を変更することにより充電電流を変更するようにしたが、パルス幅以外のパルス波形(例えば、パルスの振幅(レベル))を変更することで、充電電流を変更してもよい。
【0050】
さらに、上記実施の形態においては、パイロット信号のデューティ比を無段階に増減して充電電流を無段階に増減するようにしたが、パイロット信号のデューティ比を段階的に増減して充電電流を段階的に増減するようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態においては、パイロット信号のデューティ比を無段階に増減して充電電流を無段階に増減するようにしたが、パイロット信号のデューティ比を段階的に小さくして充電電流を段階的に下げるのみの構成としてもよい。
【0052】
また、上記実施に形態においては、商用電源を交流100Vとしたが、他の交流電圧(例えば、交流200V)も使用できることは言うまでもない。
【0053】
図5及び図6は、本発明の実施の形態2を示し、図5は本発明の実施の形態2の充電ケーブルを使用して電気推進車両のバッテリに充電する場合の概略図、図6は図5に示される充電ケーブルの概略ブロック図である。本発明の実施の形態2は、充電カプラ16に温度センサ16aを配置している。この構成であれば、充電カプラ16と電気推進車両Cのコネクタ10との不完全な接続やトラッキング現象による異常発熱が生じた際に、上述した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0054】
図7は、本発明の実施の形態3の充電ケーブルの概略ブロック図を示し、温度センサ20bを充電装置20の制御手段20aに配置している。電気推進車両Cへの充電は、様々な状況で行われることが想定され、例えば、充電装置20が炎天下に放置されて、制御手段20aが異常発熱することが考えられる。また、制御手段20aの接続ケーブル18と端子等との接続部分などの不完全な接続やトラッキング現象による異常発熱が生じることが考えられる。実施の形態3の構成とすることにより、温度センサ20bを制御手段20aに配置することにより、制御手段20aの異常発熱を防止でき、上述した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0055】
また、図8は、本発明の実施の形態4の充電ケーブルの概略ブロック図を示し、電源プラグ14に第一の温度センサ14aを配置し、制御手段20aに第二の温度センサ20bを配置した構成を示している。電源プラグ14および充電カプラ16は使用者が操作するため、その扱いが乱雑であることが想定され、電源プラグ14や充電カプラ16の内部に温度センサ14aが設けられた場合は、耐久性が劣ることが想定される。実施の形態4の構成とすることにより、制御手段20aは電源プラグ14と充電装置20に設けられた第一の温度センサ14aと第二の温度センサ20bの値を比較することにより容易に電源プラグ14に設けられた温度センサ14aの断線を検出することができる。
【0056】
第二の温度センサを充電カプラ16に配置した場合も同様の効果を奏する。また、電源プラグ14と充電カプラ16と充電装置20にそれぞれ温度センサを配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る充電ケーブルAは、充電時間を低減でき、リレー等の耐久性、および機器の信頼性を向上することができるので、少なくとも走行用バッテリを搭載して走行する車両のバッテリ充電用ケーブルとして有用である。
【符号の説明】
【0058】
A 電気推進車両用充電ケーブル
B 一般家庭
C 電気推進車両
2 走行用モータ
4 インバータ
6 バッテリ
8 充電制御装置
10 コネクタ
12 電源コンセント
14 電源プラグ
14a 温度センサ
16 充電カプラ
16a 温度センサ
18 接続ケーブル
20 充電装置
20a 制御手段
20b 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気推進車両のバッテリに充電するために使用される充電ケーブルであって、
商用電源の電源コンセントに着脱自在に接続される電源プラグと、
前記電気推進車両に着脱自在に接続される充電カプラと、
電気推進車両のバッテリに充電するに際し、前記電源コンセントと前記充電カプラの間の電路の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出された温度に基づいて、前記バッテリへの充電電流を示すパイロット信号を生成し、前記電気推進車両に送信する制御手段と、
を備えることを特徴とする電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項2】
前記温度検出手段を前記電源プラグに配置したことを特徴とする請求項1記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項3】
前記温度検出手段を前記充電カプラに配置したことを特徴とする請求項1記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項4】
前記温度検出手段を前記制御手段に配置したことを特徴とする請求項1記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項5】
前記電源プラグ及び/または前記充電カプラに第一の温度検出手段を配置するとともに、前記制御手段に第二の温度検出手段を配置することを特徴とする請求項1記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項6】
前記制御手段は、前記温度検出手段で検出された温度が予め設定されている閾値に到達すると、波形を変更したパイロット信号を前記電気推進車両に送信して、前記充電電流を下げるよう該電気推進車両に通知することを特徴とする請求項1に記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項7】
前記制御手段は、前記温度検出手段で検出された温度が前記閾値に到達すると、パルス幅を変更したパイロット信号を前記電気推進車両に送信して、前記充電電流を下げるよう該電気推進車両に通知することを特徴とする請求項6に記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項8】
前記制御手段は、前記パイロット信号を用いて、前記充電電流を段階的に下げるよう前記電気推進車両に通知することを特徴とする請求項7に記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項9】
前記温度検出手段で検出された温度が前記閾値に到達すると、前記制御手段は、振幅を変更したパイロット信号を前記電気推進車両に送信して、前記充電電流を下げるよう該電気推進車両に通知することを特徴とする請求項6に記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項10】
前記制御手段は、前記閾値よりも高い第二の閾値を持ち、それよりも高い温度を検出した場合に電路を遮断することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電気推進車両用充電ケーブル。
【請求項11】
前記充電ケーブルは、前記電源プラグと前記充電カプラの間の電路を開閉する開閉回路と、前記電路を流れる電流を監視して漏電を検出する漏電検出部をさらに備え、該漏電検出部が漏電を検出すると、前記制御手段は前記開閉回路を介して電路を遮断することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電気推進車両用充電ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−196120(P2012−196120A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15184(P2012−15184)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】